翔のあぶない冒険!
3 vs.柏木姉妹のサンドイッチ
###人間界###
あっという間に朝が来た。身支度をして、学校に行く。学校について、休み時間になるまで、何も考えることができずにただただ義務におぼれた。そして時間の余裕ができた時に、ふと昨日の出来事を思い出した。いや、正確には、昨日の出来事は朝起きてからずっと頭から離れなかったのだが、それについてじっくり考える余裕がなかったんだ。
おとといから僕は、変なことに巻き込まれている。ナゾのテルテル坊主「ポッティ」。そしてわるい悪魔カリギューラ。そして…
どうしても昨日のことが整理できないでいる。ポッティという存在も、時間が止まるという不思議な出来事も、まだ完全には信じられず、なにがなんだかわからないというのに、そのうえで、高野さんと…あんなことになるなんて。
「何を気に病んでいる。」「…。」「昨日のことは忘れるんだ。いや…戦わなければいけないことを自覚して、昨日のことよりも今日や明日を大切にするんだ。前向きでなければ悪魔には勝てないぞ。」「わかって…いるさ…」「…」
「おはよー!」「あっ!」「…どうしたの?」高野さんが話しかけてきて、僕は返す言葉を失った。「ほら。昨日言っていた飾りだよ。」「ぇ…ぁ…」「ちょっとお! どうしてぼーっとしてるのよ!」
目の前の女の子の大事な部分を僕はじかに見てしまっているうえ、執拗に触ってもいるんだ。その時のやわらかくて熱い感触を、この指先と手のひらがしっかり覚えてしまっている。まともに話せるはずがなかった。
「翔君。気にしてはいけない。彼女は昨日のことは覚えていないし、そもそもカリギューラの作り出す仮想空間内での出来事は“なかったこと”になるのだ。処女膜だって戻るし、妊娠もない。空間内の登場人物はあくまで本物だが、それはカリギューラが体を借りて操っているにすぎない。終わってしまえば夢と同じなのだよ。」「…。」
「もしかして…昨日のこと覚えてないの?」高野さんが少しさみしそうな顔をした。「いっ、いや、覚えているとも! 忘れるはずがないだろ…あんなこと…」「あんなこと?」「うっ…いや…」「とにかく、そんなテルテル坊主じゃなくて、しっかりしたキーホルダーとかのほうがいいよ。ほら。」
高野さんは小さなキーホルダーを僕の机の上に置いて席に戻った。「翔君。その贈り物を鞄につけるなら、私は別のところにつけて、目立たないように持ち運ぶことだ。」「えっ…どうして…」「後ろを見てみろ。」
ふりかえると、三浦さんが僕のことを厳しい目で見つめていた。僕と目が合うととっさに下を向いてしまったけれど、たしかに僕をじっと見ていた。怒っているわけでもなく、責めているわけでもなかったが、どこか心の奥がぞっとするような、悲しいような、それでいて気持ちが高揚するような、不思議な表情だった。
「どうして…」「君にはまだ難しいのかもしれないな。精神的に。君のことだから、仲よく両方つけていればいいだろうと思っているのだろうけど、それをやってはいけないのだ。どっちかにするつもりで、よく考えて決めなさい。」「…。」なんだかよくわからない。が、今の僕はそれどころでもなかった。
授業が始まっても、どこか身が入らなかった。いろいろなことが一度に押し寄せていて、混乱している。しかし、今一番気がかりなのは、今朝のプレゼントでも三浦さんの視線でもなかった。昨日の出来事でさえもなかった。
昨日起こったことは、これからも起こる可能性がある。というより、その可能性が高い。一日一回しか、その夢幻時空というものは発生しない。でも、何時に、どこで、カリギューラがその時空を発生させるかは全く分からない。だから、授業中でも学校から帰った後も、警戒し続けなければいけないんだ。いつその空間に巻き込まれるのか、それが一番の気がかりだった。
状況はよく飲み込めないけど、精子を抜き取られることだけは避けなければいけない。快感の代償として、僕は死んでしまうし、世界もカリギューラの手に落ちてしまう。それだけはだめだ。目先のくすぐったさに負けないようにしなければ。
二時間目も、お昼休みも、放課後になっても、夢幻時空は出てこなかった。どうにか今日は乗り越えられたのかな。いや…一日が完全に終わるまではわからないぞ。
僕は大急ぎで家に帰った。家に着いてしまえば、そこには女はいない。父さんと僕とポッティだけだ。戸締りさえしてしまえば安全地帯だった。帰り道でも時空は歪まなかった。
「ただいま…」「お帰り! 翔ちゃん久しぶり♪」「げっ…」「あ…いまゲッて言ったな? せっかくかわいいいとこ姉妹が遊びに来てやったというのに!」「だって…」家には、近所に住むいとこの柏木姉妹が来ていた。近くに叔母の家があり、しかしその叔母は海外出張でいないことが多いため、ちょくちょくうちに遊びに来るのだった。
ちいさいツインテールのほうが、柏木紀里、これでも僕より一つ年上だ。後ろで束ねているほうは柏木由里、僕より3つも年上のため、かなりおねえさんっぽい感じだ。彼女たちは学校からまっすぐうちに着たみたいで、ランドセルが台所の片隅に置いてあったし、由里姉さんのほうは制服のままだった。
「父さんは…」「出かけるって。夜遅くなるみたいだよ。」「そんなことより、今のゲってのは何よ。迷惑って意味ぃ?」「あ、いや、そういうことでは…ないです」由里姉さんはいじわるっぽく怒ってみせた。そう言われてしまうと僕のほうがしどろもどろしてしまう。苦手なのかな。が、彼女が心の底から怒っていないのは、その笑顔が物語っている。
「…まずいことになったな。」ポッティに言われるまでもなかった。家に帰れば安全だと思っていたが、これで逃げ場がなくなったわけだ。まだ夢幻空間は発動してない。これから起こるかもしれないということだ。そして、よりによってこの柏木姉妹が…
小さい頃は彼女たちともよく遊んだ。父さんが失業してから、僕はあまり遊ばなくなった。友達も徐々に離れていっている。柏木姉妹とも、少しだけよそよそしくなっていて、昔のようにきゃいきゃい遊ぶような仲ではなくなっていた。
とにかく、今日は変な空間がお休みであってくれることを願うばかりだった。
「翔君。急いで自分の部屋に行くんだ。カリギューラは決して甘い奴じゃない。いつでもチャンスをうかがっている。家の中に逃げ場がない状況をあいつがほっておくわけがないんだ。部屋にカギはないのか。」「ないよ。」「しかたない、できることは限られているが、夢幻空間が発動する前にやれるところまではやろう。」
僕は急いで部屋に戻った。タンスなどでバリケードを築こうにも、僕の部屋のドアは廊下側に開く構造になっている。部屋のほうに開くドアならバリケードもできるのだが、何を積み上げてもドアが引かれたらそれまでだ。やはり避けようがなかった。まず間違いなく僕は柏木姉妹と戦わなければならなくなるだろう。気が進まない。
「あまり時間がないだろう。翔君、今はまだ大したものは渡せないが、これから少しずつ君に特別な力を授けていこうと思う。この戦いはカリギューラに対する神々の戦いでもあるから、君の性的な戦闘だけでなく、魔法の上での戦いでもあるのだよ。詳しい話はまだできない、今日を乗り切ることが先決だ。とにかく裸になれ。」
役者がそろっているから、すぐに時空がゆがむはず。もたもたしていると柏木姉妹が来る。わけが分からないままだったが、とにかく僕は言われたとおり全裸になった。
「いいかね、君に授ける力は“一定”だ。すでに君にその魔力は与えてあるが、それはカリギューラによる様々な魔法をほとんどすべてブロックすることに使われていた。つまりバリアが張られていたわけだ。しかしそれだけではこれからの戦いを乗り切ることはできないだろう。だから、バリアに使われていた魔力の一部を切り取り、別の力に変えて君に与えるのだ。その分バリアが弱まってしまうが、そこはバランスを考えながらこれから決めていこう。詳しい話は後だ。」
ポッティは僕の股間にぶつかってきた。ぬいぐるみがぶつかる程度の衝撃。「前回のは魔力のすべてを一気に君の股間にぶつけたから、君は気を失ってしまったが、今回は君に与えた魔力の一部を組み替えただけだからほとんど衝撃はなかったはず。」体の奥が熱くなり、しびれたかと思うと、体中の表面が静電気のような衝撃に包まれた。
しかしそれは一瞬で、あとは何も変わり映えのない状態に戻った。「これで君の表皮は、性感神経を刺激する魔力に覆われた。女性が君の体のどこに触れようと、触れた部分の性感神経が刺激される。つまり、君の皮膚を薄い魔力がコーティングしていて、触れ合うとその魔力が女体の神経をくすぐるのだ。これによって、君の攻撃は通常の倍以上の強さを発揮する。抱き合うだけでも女の子の精力は自動的に削られていくだろう…もっとも時間はかかるけどな。魔力は微々たるもの、じわじわとしか敵勢力を削ることはできまい。」
「つまり…昨日の高野さんみたいに…」「あぁ。君の皮膚は彼女たちにとって心地よい感触になっているはず、本気で戦えば二人相手でも勝てるだろう。しかし…」「あ…」かすかな空間のゆがみを感じた。
「いよいよ来るか。さっきも言ったが、君を守っていたバリアが弱くなっているから、君の体にもごくわずかな弱体化がある。攻撃力は高まったが、その分防御力が犠牲になっていることを忘れるな。昨日以上に性感にたいして君は敏感になっているんだ。油断はするな。」
ドォォォン!
周囲がセピア色になった。やはりカリギューラはこの瞬間を狙って、柏木姉妹に相手をさせようとしている。甘い期待は悪魔には一切通用しないんだ。トトトト…かわいらしく階段を駆け上る二人分の足音が近づいてきた。
「翔くぅん!」「翔ちゃん!」二人が同時に部屋に入ってきた。僕とポッティは身構えた。「…。なんで翔君フルチンなの?」「え…」「やだぁ、翔ちゃんのエッチ!」「あのねえ、脱ぐのは脱衣所って決まってるでしょお。お風呂場まで裸で行く気?」「う…」
なんだ? なんか昨日と展開が違うぞ。「いいからお風呂に入ってきなさいよ。私たちはさっき入ってきたばっかりだから。」「それまでここで待っててあげる。」たしかに柏木姉妹はパジャマ姿だった。そう、彼女たちはすぐに風呂に入るんだ。
それにしても、この空間に入ったらすぐに昨日みたいにあぶない戦闘がおこるのかと思ったが、今日は何かが違う。一体どうなってるんだ。「早く行ってきなよ。冷めちゃうよ?」「体はしっかり洗ってきてね♪ 出てきたらいっぱいいっぱいかわいがってあげるから。」「女の子待たせちゃだめよ。」「紀里ちゃんも由里さんも何を言って…」「決まってるじゃない。男女がエッチなことをする前は必ず体を洗ってからよ!」「…は?」
「翔君、お風呂に入ろう。」「なっ、ポッティまで…」「この疑似空間では、たしかに女たちはカリギューラに操られるが、それはカリギューラの命令を実行する程度に過ぎず、カリギューラ自身が手取り足取り操っているわけではないことは説明したね?」「うん。」「だから、テクニックや身体能力、セックスの癖などは、すべてオリジナルの知識や経験や能力、記憶に基づくことになる。柏木姉妹はセックス前はシャワー(風呂)という考え方を持っているから、この疑似空間でもそれを忠実に実行するのだ。彼女たちは君が風呂に入って出てくるまでひたすら待ち続けるだろう。逃げることができない以上は、そのとおりにするしかない。」「わ、わかったよ…」
僕は着替えを持って風呂場に行き、体を洗って湯船につかった。高野さんの時と同じようなことをするのかなあ。そう思ったら股間がジンジン熱くなってきた。
「んー、考えただけでそんなになってしまうのは若い証拠だな。」「なっ、ポッティまでついてこなくてもいいのに!」「とにかく、柏木姉妹がお風呂技を知らずに部屋で待っているのは好都合だ。」「おふろわざ?」「い、いや、なんでもない。とにかくここで英気を養いつつ、さっきの魔法の話をちゃんとしよう。」
ポッティの話をまとめるとこんな感じだ。カリギューラは僕から精子を奪うために、僕にさまざまな魔法をかけている。性に敏感になったり、感じやすくなったり、性欲が異様に高まったり、射精量も多かったりすぐ出してしまったりと、弱体化は相当なものだ。夜は淫夢三昧にして女の体のことしか考えられないようにしたり、毎日必ず夢精するようにしたり。そのうえで淫気に満ちた空間に引きずり込み、操る本体の上に幻覚まで見せ、とにかく射精しまくるよう、あらゆる魔法が施されている。性感帯も直接魔法で刺激され、触れ合わなくても出し続ける状態になっていたそうだ。魅了や淫毒まで施されている。とにかくポッティがいなかったら、ぼくは性のとりことなってすぐに出しつくしていただろう。
だからポッティは、僕に大量の魔力をつぎ込んで(股間に勢いよくぶつかってきた)、弱体化を直し、周囲に魔法のバリアを張った。これで幻覚も見ないし、目の前の女性に魅了もされないし、敏感だった体も元に戻っている。しかし、それでやっと「実力で」高野さんに対峙したにすぎない。弱くなっていたのが元に戻っただけだ。これから先の戦いでは、僕の力は決定的に弱いらしい。
そこで、バリアにつぎ込んでいた魔力の一部を取り出し、別の効果を与えることになった。それが、僕の皮膚の改造だった。皮膚の周りに魔力のコーティングがなされ、これに触れた女性は触れた部分の性感神経が刺激され、気持ち良くなる。全身が快感を与える刃のようなものになったのだという。
しかし、このコーティングの攻撃力は、期待しているほど高くはないらしい。「武器」のほうを強化すればするほど、僕を覆っていたバリアの効果は小さくなる。つまり感じやすくなってしまうし、幻覚や淫夢などの効果が出てきてしまえば、僕ではまず勝てなくなるらしい。だから、僕を十分に守る分のバリアは確保しつつ、攻撃力をわずかに上げたということなのだ。
ちなみに、神の取り決めによって、いくらでも魔力を与えるわけにはいかないのだそう。僕に与えることのできる魔力の総量は決まっていて、だからバリアを削らずに武器だけ強めるわけにはいかないとのこと。分不相応な力や幸運は身を滅ぼし、他を傷つけるからだって。
要は一定量の魔力を配分したってわけだ。
ここまで聞いて、僕は十分あったまった。風呂から出ると、パジャマに着替え、自分の部屋に向かった。
「あら。ずいぶん早いね。まだ15分くらいしか経ってないのに。」「でもお姉ちゃん、好都合じゃない?」「そっか。じゃ、始めましょうか。」
柏木姉妹が左右から僕の手をしっかり握り、引っ張ってきた。「あ…なんか…」「手がくすぐったいね。」「しびれるみたい。」僕の手から吸収された魔力が、さっそく柏木姉妹の手のひらにある性感神経を刺激したらしい。
とにかく僕は二人に手を引かれ、ベッドに座らされた。両側に姉妹がぴったり密着して座る。女の子特有のやわらかさと、ふろ上がりの清潔な香りが辺りを包み込む。
「翔君。過信はくれぐれも禁物だ。君の皮膚は、相手の皮膚に直接触れなければ効果が出ない。下着越しではただの攻撃にしかならないから注意し給え。それに、相手は高野さんよりも年上で少しは知識もあり、しかも二人いることを忘れるな。」「わかった。でも…なにをすれば…?」
柏木姉妹は両側から僕の下半身をパジャマ越しにまさぐった。4本の手のひらがズボン部分を滑りまわった。期待感が高まり、あっという間にペニスがテントを張った。「あっ、大きくなってきたね。」「翔くんやらしー」「ぅぅ…」
僕は、昨日高野さんにしたように、両側の姉妹の股間にいきなり手を突っ込んだ。「きゃっ!」「ダメよ! いきなりは…」僕の手はあっさり跳ねのけられてしまった。えっ…じゃあどうすれば…
「じゃあさっきのお返しだ!」二人の手が僕のズボンの中に入ってきた。僕の足をすべすべの手のひらが這いまわっている。パジャマのズボンは紀里と由里の手で盛り上がり、あちこちうごめいている。「あふ…」内股まで滑りまわる手の感触に、僕は悩ましいため息をついた。ときおり股間に届く指先がくすぐったくて、僕は二人に挟まれたまま、座った大勢で腰をよじらせた。
「クスクス。翔ちゃんの足の感触って、なんかさわり心地いいね。」「本当。まだ毛も生えてなくて、すべすべで小さくて。手がしびれるみたい。」姉妹はそのうちズボンをずらし、僕の下半身をブリーフ一枚に仕立て上げた。そして執拗に太ももから股間部分を撫でさするのだった。
姉妹の手がペニス部分に集中た。ふくらみをまんべんなくこすりあげ、指先が玉袋まで刺激しまくっている。余った指先部分が僕の内股のくすぐったいところに滑り込んで、ぞくぞくした快感を送り込んでくる。紀里が亀頭部分をこねくり回すようにしながら指先でくすぐり、同時に玉袋をやさしくさすっている。由里姉さんはそれ以外の固いところをゆっくり揉みながら、内股を執拗にかわいがった。
「んくっ!」ペニスが脈打つ。白いブリーフが灰色に染まった。「にはは…出た出た♪」紀里が猫口で得意そうにテントを見つめている。ツインテールを解いてわずかにウェーブがかかった髪から甘いにおいが漂ってくる。そうこうしているうちに精子は蒸発して消えてしまった。そう、この疑似空間での射精は、命を縮め、精子の成分をカリギューラに奪われることを意味しているんだ。
由里姉さんがサラサラのストレートヘアをなびかせながら、わずかに前かがみになった。ブリーフは彼女の手で下ろされてしまう。疲れを知らないペニスは再び興奮し、皮をかぶったまま勢い良くそそり立っている。
すると姉妹もパジャマを抜いて、パンティを丸出しにした。紀里のほうはついでとばかりに上も脱いでしまった。真っ白いブラジャー以外、すべすべの肌があらわになっている。「…私ももう少ししたら、もっと大きくなるんだから。」紀里は自分のブラジャーに語りかけた。
姉妹の生足が僕の太ももに直接密着した! そのきめ細かい肌触りと、ふろ上がりのぬくもりは、僕の精神をこれでもかと犯し続けた。「あふ…思った以上に…これは…」「ん〜…いいきもち…」姉妹はしきりに自分の足をこすりつけ、もじもじし始めた。
「触れている表面積が増えたから、性感神経の刺激の総量も増えたんだ。今が反撃だぞ翔君!」僕は言われるままに姉妹の足を撫でさすった。とりわけ内股を中心に、女の子の足を撫でさすっていく。
彼女たちが僕の皮膚の感触にとろけそうになっているのと同じように、僕も彼女たちの足の感触が思った以上に心地よいことに驚き、興奮を隠せないでいた。あまりにもツルツルしていて、ふにっとやわらかくて、それでいてシコシコした弾力を備えている。その女の子の生足の感触が、僕の足に両側から押しつけられこすりつけられ、その上で僕の手のひらに刻みつけられているのだ。
「あふ…」柏木姉妹は遠慮なく僕の足の上に自分の生足を乗せ、裏太ももで僕の足を愛撫してきた。ふくらはぎが僕の足の間に入り込み、左右に大きく開かせる。彼女たちの手は僕の上半身をさすっており、そのうちパジャマやシャツを超えてじかに華奢な体に滑り込んでくるのだった。
愛撫する手は次第に僕の来ているものを脱がせる手つきに変わっていった。体を密着させながら、彼女たちは僕を裸にしてしまった。その間も、僕の体から醸し出される性感神経刺激に酔いしれ、しきりに体をこすりつけてくる。肌を合わせながら、お互いに体の感触に悩ましいため息をつき、さらに深くこすりあおうとし、快楽を求めて、密着面積を広げていくのだった。
「いかん、翔君、過信するな! 君の皮膚は女のやわ肌に対して2倍程度の敏感さになっているんだぞ! それに対して相手が感じる男の肌の感触の効果はせいぜい1.3倍程度。完全に抱き合ったらこっちが不利だ。しかも二人いるのを忘れるな!」
ポッティがしきりに注意を促すが、僕は半ば自分の心が自分のものでないかのように、制御できなくなっていて、柏木姉妹の求めに応じて彼女たちを全裸にし、じかに抱き合ってゆく。由里姉さんにはすでに毛が生えていて、紀里さんもうっすらと生えているがまだまだ奥が丸見えになっている。
「だめだ、翔君、手による攻防に切り替えろ。今回の武器はそのためのものだ。指先の攻撃を高めるのが一番の目的なんだ。全裸で抱き合っては…!!」
「なんかウルサイてるてる坊主がいるね」「気にしないでいいんじゃない?」「アドバイスなんかしちゃって。」「じゃあ、あったまっちゃいましょう。そうすれば見えなくなるから一石二鳥!」「くすっ、そうね。」
由里姉さんがベッドの蒲団を僕たちにかぶせ、自分も中に入った。「しまった! だめだ翔君!」「あふっ!!」湯上りの熱い体が布団の中で一気に暖められる。そして、前後から柏木姉妹のすべすべの体がむにっと僕の体を挟み込み、しっかり包んで、やわらかく密着してきた。
「きゃっ、この子の体、すっごい心地いい。」「抱いてるだけでこんなにくすぐったいなんて。あふ…」「はあっ、はあっ…」僕たちはお互いの肌の感触をかみしめながら、快感に我を忘れてしまった。
僕の頬は紀里の胸板にしっかり抱き寄せられている。まだほとんど膨らんでいない、しかし乳頭がしっかり女性化しつつある体が、ぺったりと僕の顔面にはりついた。その吸いつくような肌触りは、僕の顔面を滑るたびに心地よく滑らかに食い込んできて、肉体のぬくもりとともに僕をますます陶酔させる。
首の下あたりのすべすべの胸板から、わずかなふくらみまで、僕は大きく頬ずりをし、紀里の感触を積極的に愉しんだ。紀里の方も僕の頭をしっかり抱え込み、首筋に腕の感触をしっかり刻みつけてくる。彼女の顎がやわらかく僕の脳天に密着して、髪の毛さえも性感にさらすのだった。
それでも紀里姉の方がまだ背が高い。ポッティに聞いた話では、男よりも女の方がはるかに成長が速く、同い年でも僕みたいに小さい方が多いのだとか。ましてや年上の柏木姉妹なら、僕を抱え込んでも、つま先の位置はほとんど同じになるのだった。僕の上半身は紀里のおなかにピッタリ張りついて、蠢くたびに汗でぺりぺりとやわ肌が吸いつく。
僕の細くて小さな足は、彼女の太ももに完全にからめとられ、すりすりとこすられ続けている。僕も夢中になって自分の両足を必死で交互に前後させ、彼女のシコシコした生足の感触を愉しんだ。それだけでも体の奥から何かがこみ上げてきそうだ。勢いペニスが彼女の体に押しつけられこすりつけられているから、そのくすぐったさだけで射精してしまいそうになっているんだ。
それに、女の子と裸で抱き合っているという幸福感と興奮が、きめの細かすぎる女の子のやわ肌の全身に絡みつく感触が、僕を高め続けているのだった。いつしか僕は、何もかも忘れてただ快感におぼれる動物になり下がっていた。
由里姉の方は、後ろから僕に密着して、妹ごと大きく抱いてくれている。僕たちよりもずっと下の方に下がって、ちょうど肩のところに自分の乳房が当たるようにして、後ろから優しく支えてくれているのだった。そして首筋や耳に息を吹きかけながら、ゆっくりと大きく上半身を僕にこすりつけている。
足は大きく開いて、僕と妹が足をこすりあっているのを邪魔しないようにしながら、お互いの密着を高めるべく片足を妹の背後にまで回し、みっちりと僕の小さな体を挟み込むのだった。
「んんっ!」僕は柏木姉妹にサンドイッチされながら、紀里のおなかの感触に亀頭が耐えきれなくなり、玉袋を滑るふともものひとコスリがとどめともなって、たまっていた精液を大量に放出した。女の子特有のやわらかい肉の中で、僕はこの上なく幸せになった。
それでも吸いつくような肌触りは、僕を容赦なく興奮させ続けた。ポッティによれば、実際の肌触り以上に、僕の神経が敏感になっていて、ずっと彼女たちのもち肌を心地よく感じているのだそうだ。だから前後挟まれて蠢かれただけで、こうもあっさりと射精してしまったんだろう。もちろんカリギューラの力がかかっているため、体液はすぐに蒸発してなくなってしまった。
「あふ…」今度は由里姉さんの番だった。姉さんは後ろからむっちりしたふとももを僕の股の間に滑り込ませてきた。紀里は足を離して姉のサポートに回った。彼女の片足が由里姉の背後に伸ばされると、密着の度合いが高まった。また、僕の頭を抱きかかえるのをやめ、顔を近づけると、僕の唇を奪った。むちゅっとやわらかい口が僕の口をふさぐ。息継ぎで時折離してはまたキスの嵐で、そうしてしきりに僕に頬ずりしてくるのであった。
由里姉さんは絶妙な力加減で、太ももが玉袋を滑るようにすりすりとこすりあげてくる。同時に僕の内股にすべすべのやわ肌がこすれていくので、僕は玉袋と内股の三か所をたった一本の足で責められていることになる。
由里のやわらかい唇も僕に襲い掛かっている。紀里よりも膨らんだ乳房が僕の背中を滑りながら、僕の首筋や耳に吸いつき、むちゅっと唇で耳たぶが挟まれたりして、ぞくぞくした快感を送り込んできた。
そして、極めつけは由里の手が、やさしくペニスをさすり始めたのだ。軽く握るようにして、手のひらが裏スジをすっぽり包み込むようにして、ゆっくりとこすりあげてくれる。その優しい手の動きに翻弄され、僕はつい由里の方に体を傾けて、力を抜いて彼女にすべてを任せてしまうのだった。
二人の息遣いが耳元で僕の聴覚をくすぐっている。僕は彼女のふとももの感触を内股に味わいながら、彼女の手の動きに息を荒くしていた。脱力して彼女の手に全身をゆだねると、心地よい安堵感とともに性感のくすぐったさがどんどん増していく。その手の動きは徐々にスピードを増し、やわらかいぬくもりと共にくねるようないやらしい動きを加えて、僕を射精に導こうとしている。
「う!」急に体の奥から絶頂感がこみ上げた。お尻の奥が律動したかと思うと、いつもよりずっと早いスピードで脈打ちが始まった。快感もずっと強い。精液は紀里のオンナ表面を容赦なく汚していったが、すぐに乾いてしまう。
由里の手は止まらなかった。今度は力を入れてペニスを握りしめると、強く素早くしごきたててくる。「あ、ああっ、だめだよ由里姉…!!」この動きで僕は悶絶し、体の奥にたまっていた作りかけの精子さえ押し出されてしまったかのような強い快感を味わった。僕は一度に二回イッたのだ。
ペニスは萎えることがない。柏木姉妹に包まれているかぎり、決して衰えることはないだろう。その肌触りはあまりにも妖美であり、すべすべの心地よさが、風呂上がりの芳香とぬくもりが、僕の心の奥底まで犯しつくしてしまっている。
紀里が足を閉じ始めた。由里はその動きに合わせてペニスを引っ張ると、手やおなかとは違う、やわらかくてあったかくてシコシコした太ももの間にあてがうのだった。次は紀里が射精させる番だった。
ペニスは紀里の足の間に完全に挟み込まれた。オンナ表面のじっとりした感触と、むちむちした肉付きのいい内股が、棒全体をくるみこんで、完全に密着している。「あ…ああ…」「どお? 私の足。気持いいでしょう?」挟まれているだけなのに射精感が高まるようだ。あのあまりにも甘美な生足が、直接ピンポイントでペニスに攻撃を加えているのだ。
紀里は左右の足を小刻みに滑らせ、ペニスを揉みたててくる。由里姉は自分の腰をぐいぐい僕のお尻に押しつけ、僕の腰を後ろから支配した。僕は後ろのお姉さんに促されるまま腰を前後させると、強烈なしごきの快感がペニスを直撃した。
「ぅあ!」僕は紀里の足の間で満足の汁を放出した。それでも快感がおさまらない。僕は紀里の足に夢中になり、一心不乱に腰を前後させ続けた。ペニスは当然やわらかい肉の間でしごかれ続けることになる。そこへ柏木姉妹の上半身愛撫攻撃が加わるのだから、またもや僕が高められるのも時間の問題だった。あっさりと精子が抜き取られた。
「さあ。今度はこっちを向いて。」僕は体の向きを変えた。由里も同時に向こうを向く。紀里が後ろから抱き締める格好になった。そして由里姉の背中に張りつく状態になっている。
由里姉さんの背中も、女性特有のすべすべ感をしっかり備えていて、しかも真っ白できれいだった。僕はあっという間に姉さんの背中に夢中になり、顔をうずめてその肌触りを存分愉しんだ。年上の女の子の体は、どこもかしこも気持ち良かった。
大きく膨らんだお尻が僕の股間にねじ込まれた。僕は半ば由里の上に乗るような体勢になって、両足で彼女のお尻を挟み込むように力を入れる。すると彼女の変幻自在なモチモチ臀部の肉がペニスめがけて膨らみ、ペニスをやさしく包み込むのだった。ワレメに挟まれたホットドックがぐいっと柔肉に挟まれ、お尻の感触がこれでもかとペニスを締め上げる。それでいてすべすべの滑らかな感触が棒を性感にさらしつついたわってくれていた。
「ほんと、この子と触れ合ってるだけでずごいい気持ち〜」「あふっ、でも…翔も何度も出してるよ? 気持ち良さそう…私のお尻でもっと悦んで!」由里はぐいぐい腰を蠢かせてペニスを揉みしだき、こすりあげ、しごきたてた。僕も夢中で腰を振って、彼女の臀部にしきりにペニスを押しつけこすりつける。
変幻自在なお尻が、お餅のように僕の腰に絡みついて、股間全体をとろけさせている。同時に全身は女の子たちに包みこまれたまま、まんべんなくやわ肌にさらされている。紀里も僕のお尻を包むように内股で軽く挟み、前後左右に揺り動かしている。快感が倍増した。もはや力を入れなくても、勝手に腰が動き、ペニスがぷりぷりしたふくらみの中で暴れるに任せられている。
「ああっまた来るっ!」僕は由里姉の背中に頬を強くうずめたまま、精液を彼女のお尻にぶちまけた。粘液はすぐに消えてしまう。僕の体は完全に由里の上に乗せられ、由里が腰を大きく上下させると、重力でペニスがお尻に押しつけられつつお尻の方からもペニスを突き上げて柔らかい感触にさらす。紀里は僕から離れると両手で僕の腰を揺り動かし、快感を高めるサポートに回っていた。僕は脱力したまま姉さんの臀部の感触にただただ酔いしれていた。
部屋の中は、肌がこすれるかすかな音と、三人の荒い息深いだけが響き渡っていた。…いや、違う。別の音が聞こえる。ポッティ。神様のしきりに注意を促す声が聞こえる。「翔君! 正気に戻れ! 翔君! しっかりするんだ!」そう、だ。僕は柏木姉妹の体に夢中になってしまい、サンドイッチで包まれたまま我を忘れて、幾度となく射精してしまっていた。ポッティの存在すら忘れていた。
「ぽ、…てぃ。一体どうしたら…」「気がついたか翔君。」「クスクス。だめよん。」「もっと私たちの体に夢中になって。」「もっとたくさん精子を出して、カリギューラ様の世界を作るのよ。」「快楽に満ちた理想世界を作りましょう。」「何を言うか。絶対だめだぞ翔君!」「ポッティ…」
布団の中からはテルテル坊主の姿は見えない。だがその頼もしい声が聞こえた。ペニスが由里の太ももに誘導され、生足で包み込まれると、またもや我を忘れそうになったが、かろうじてポッティの声援を聞くことができた。
「いいか翔君。君は確かに敏感になっているが、それは君の攻撃力の代償なのだ。指先で由里の乳首をつまんで揉んでやれ。今の君ならそれで十分戦えるはずだ。気をしっかり持つんだ。」
僕はもうろうとした意識の中、両手を由里姉の体の下に回し、突起を探り当てると、親指と人差し指の間でつまんだ。そして痛くしないようにしながらしきりに乳頭を揉みたてた。だがそこで彼女の足の感触に耐えきれなくなり、精液が抜き取られてしまう。
それでも僕は指を動かし続けた。「あああ…さっきより…すごいっ!」由里姉さんは上半身を起してのけぞらせた。あらわになった乳首には僕の指先が張りつき、こねくり回すように揉みまくった。「呼吸を整えて指先に神経を集中させるんだ。」ポッティの言うとおりにすると、由里が叫び声をあげた。その体がぶるぶると震えている。
「君の指先に一点集中した魔力が、彼女の全身の性感神経を駆け巡っているんだ。この技を伝授するために、君を弱体化させる犠牲を払ったんだ。どんどん責めろ!」「わかった!」僕は指先を震わせるようにして、練り消しを揉むように執拗に乳首をぎゅみぎゅみしてやる。
「おのれ、こうしてやるっ!」紀里姉が玉袋をこちょこちょくすぐり、もう片方の手で僕の臀部をくすぐったく撫でまわしてきた。「うくっ…」下腹部の心地よさが急激に増した。ペニスは悶絶中の由里のふとももの中で震わされながら強い締めつけにさらされている。そこへ玉袋攻撃が加わって、くすぐったさが強烈な域に達したのだ。
「耐えるんだ翔君。ガマンなしに勝利はない。」「うう…でも…。」そうだ、ここで負けるわけにはいかない。でも、体の奥からこみあげる射精感をどうにも抑えることができなかった。僕は頭の中が真っ白になりながらも指先の責めだけは絶対に止めなかった。
紀里は両手で玉袋や会陰を指先でくすぐり、撫でさすっている。その指先は内股の付け根のくすぐったい部分まで容赦なくくすぐり、これでもかと快感を送ってくる。「早く出しなよー」「あっやっ! だめえ!」精液がほとばしった。しかしそれと前後して由里姉が大きく震えた。彼女は声もなくのけぞると、僕の指先に悶絶して絶頂を迎えた。
由里姉さんはぐったりして動かなくなった。「や、やったなっ! 今度は私の番なんだから!」紀里が起き上がると布団がめくれた。僕も体勢を整えて起き上がると、紀里姉と向かい合った。熱気のこもった布団がはがれ、涼しい風が吹き込んできた。由里姉さんはイッたので気を失っている。これは夢幻時空内で女性がアクメを迎えると必ず起こる現象だそうだ。イッた女性は気を失い、時空が覚めるまで気がつかない。
紀里は両手でペニスをつかむと、激しくしごいてきた。僕も負けじと彼女のオンナに両手を伸ばし、あちこちを愛撫する。指先に神経を集中させると、そこに込められた魔力が一点集中し、攻撃力を数倍にも跳ね上げる。その代り僕の方も感じやすくなり、簡単に射精してしまうようになっているというわけだ。
ポッティから授かった性の知識が役に立ちそうだ。ココにはペニスが入るのだそうだ。その快感はあまりにも強烈で、今の僕ではとても耐えられない。だから挿入は絶対にだめだ。しかし指先なら、しかも攻撃力が高まっている指なら、彼女の手コキに耐えられさえすれば勝つことができそうだ。
僕はゆっくりと優しく、オンナに指をねじ込んでいった。「あっ、だめっ…そんなこと…!」指はどんどんオンナの奥に吸い込まれていく。さらに指先に全神経を集中させると、指がほぼ自動的に奥まで入っていくのだった。そこから女性の性感神経を刺激する魔力が放出され、紀里の性感帯がこれでもかと刺激される。その振動のような波紋は、確実に女体を追い詰めていくのだった。
僕の手がわずかに赤く染まる。処女膜が打ち破られたことで流血が始まったのだ。指からほとばしる波動の衝撃が、彼女のデリケートな器官を傷つけたのだ。が、痛み以上に強烈な快楽が、女体すべてを覆いつくしていた。
「大丈夫だ、これなら指を動かさなくてもじきに勝てるぞ。あとは君がこれ以上射精しないように踏んばるだけだ。それに、君が処女膜を傷つけた点は、この時空が元に戻れば”なかったこと”になるから、傷も元に戻る、安心し給え。」「よし、あとは全力で」「待て。力を込めてはいけない。あくまでやさしく、神経だけを尖らせろ。力めばかえって魔力は小さくなってしまうぞ。あくまで精神の力なのだ。」
僕は言われたとおりに落ち着いて一本の指に神経を集中させ続けた。「あうう…この感覚っ、もう…おかしくなりそうだよ…」紀里はこれ以上手を動かせなくなった。「…胸さえあれば、あこがれのパイズリができるのに!」
”武器”の使い方がわかった僕には、怖いものがなかった。「…大丈夫だよ紀里姉。もうすこししたら、きっと…もっと胸も膨らむはずだから。」「が、ガキがナマイキな口を…」「…いまのはカリギューラの言葉かね? それとも…」「…翔の、ばか…」いつも気丈な紀里姉が泣きそうな顔になった。そして彼女の体の力が抜けた。
「きゃうっ!」突然彼女の中で強烈な快感が駆け巡ったらしい。大きく体をこわばらせると、恍惚の表情に変わり、ぐったりと脱力してしまった。僕は指を抜いた。二人のぬくもりの余韻と汗の香りが残った。
「なんとか勝ったようだな。あぶないところだった。」「…ごめんポッティ。ポッティの警告無視して夢中になっちゃって。」「うむ。それについてはまた考えよう。気にするな。…そろそろ”元に戻る”かな。」
空間がゆがむ。セピア色だった背景が崩れ、元の自分の部屋に戻った。裸の柏木姉妹の姿はそこにはなく、ぬくもりも香りも消えていた。
「翔ちゃーん!! お風呂沸いてるよー!?」紀里の元気な声が階下から聞こえてきた。本当に夢幻時空がなくなった途端、すべてが元に戻るんだなあ。「はーい!」僕も極力何もなかったようにふるまって、元気に返事した。
「それにしても翔君。どうして君はあの時あんなことを言ったのかね?」「えっ、あんなことって?」「紀里に胸が膨らむってことをだよ。」「だって、ポッティが言ってたじゃない。女の子は第二次性徴期に胸が膨らむんだって。だからそれを紀里姉に教えたんだよ。」「むぅ。。。」「…どうしたの? そんな顔して。」「…ま、仕方ないか。それが標準的な10歳の発想ということにしておこう。」「?」
お風呂に入ろうと着替えを用意した途端、体が急に重くなった。痛みのない筋肉痛のようなものが全身を襲い、また強烈な疲労感と眠気が一気に襲い掛かってきた。僕はほとんど無意識にベッドに倒れこみ、そのまま寝てしまった。
「うむ。あれだけ射精したら疲労は相当なもの、風呂どころではなかったか。これはしばらくは起きられないな。」
###地獄###
「…またもや失敗か。ポッティの奴め、奇妙な力を翔に与えおって。」カリギューラは苦虫をかみつぶしたような顔を崩さなかった。「しかしカリギューラ様、翔殿に力を与えた代わりに、感じやすくなっているようですね。」
「おそらくわが魔法を遮断する魔力の一部が使われたのだろう。ポッティはそういうやつだからな。バリアを保持しながら追加で魔力を付与するという発想ができない…自分自身に課した戒律によって、つまらぬ制約にはまっておるのだ。」「ならカリギューラ様、翔殿の総合的な実力は変わらないということになります。ある意味チャンスでは?」
「そう、だな…」「しかもカリギューラ様の“干渉力”も相当なものになってきております。次は数人を一度に動かせましょう。」「たしかに。だが、人数の問題ではないのだ。むしろここは人数を3人程度に抑えて、その分、別のところに魔力をつぎ込む方が得策かもしれぬ。」「しかし、翔殿にはバリアが施されておりますゆえ、単純に魔力の量を増大させただけでは遮断されてしまいます。」
「くっくくく…わかっておる。だからこそ、翔以外の“物質”に干渉すればよいのだ。操作するメスにも干渉できない以上、環境の方を変えてやればいい…物理的にな。」「な、なるほど…」「夢幻時空の中だからある程度制約されるが、今の弱体化した翔を絞りつくすなら十分なはずだ。」「楽しみですな。」
「よし、そうと決まったら準備開始だ。決行は明後日とする。それまでエネルギーをためておくぞ。」「かしこまりました。さっそく準備します。」「そうそう、次の時空ではお前にも協力してもらうぞ、フローリア。」「えっ…しかし、この地獄からでは声と魔力しか送れないはずでは。」「だからその声を送ってもらうのだ。よろしく頼むぞ。」「は、ははっ!」
「だが…」「何か御心配事でも?」「翔は”種”ではあってもやはり人間だ。人間はどんどん成長するから厄介だ。もしポッティの力添えで、“必殺技”の類を身につけでもしたら…実に厄介だ。」「…やはり急ぎましょう。」「言うまでもない。みすみす敵を強く鍛えては何にもならぬ。次こそは成功させよう。」「御意。」