翔のあぶない冒険!


4 vs.山本亜紀、坂田美佐江、渡辺ゆりとプールでドキドキ

###人間界###
 数日間、僕は体調不良で学校を休むしかなかった。が、いつまでも休んでいるわけにはいかない。体はとっくに回復しているんだ。

 「翔君、今日も休むのかね。」「…。」正直言って、行きたくはなかった。いや、外に出るのさえいやだった。柏木姉妹はしばらくうちには来ない。だから、ここにいれば、ひとまず安心だったからだ。

 「気持ちは分かる。だが、いつまでも引きこもっていても、何も解決はしないんだぞ?」「…分かってる。」ポッティは僕のことを心配して、外に出るように促してくれている。が、やっぱり今日も休もうか。でも、これ以上体調不良を理由には出来そうもない。父さんが医者に行こうとしきりに言っているから。

 「翔君。あと1週間だ。」「え?」「あと1週間で、カリギューラに対抗する手筈が整う。それまでは辛抱してほしいんだ。」「対抗って…」「君の体を、カリギューラの支配から完全に切り離す。だが、そのためには君にある試練を乗り越えてもらわなければならないし、その試練を準備するにも時間がかかるのだよ。」

 「そんな手が…あるの?」「一応、な。あるにはある。だが…まあいい、その話は後だ。今は、とにかく学校に行くんだ。準備が整ったら話そう。」「それなら…その一週間だけここにこもっていた方が安全なのでは?」「だめだ。外へ出るのも試練のうち。その時が来るまで逃げていようという精神では、試練は乗り越えられないぞ。それに…ここまで休んでいればクラスメートや教師が見舞いに来る。結局そこをカリギューラに付け込まれる。逃げ場なんてないのだよ。」「…。」

 「さあ、行こう。快感に対しては我慢し続ければいいのだ。君の精神力の問題といってもいい。だから、カリギューラのことは置いといて、学校に行って普通の日常を楽しむことを考えなさい。」「…わかったよ。」

 僕は学校に連絡を入れた。遅刻はするが、今日から登校すると伝えた。担任は喜び、「水着を用意しろ」と言った。「み、水着ですか?」「そうよ。今日はプールの日なの。無理はしなくていいけど、よかったら泳いで行って。気を楽にね。」

 学校に行くと言ってしまった手前、いまさら「やっぱりやめます」とは言えなかった。仕方がないので、水着は持たずに、学校に行くことにした。プールは休むことにすれば、まだ少しは安全だろう。

 お昼を過ぎたあたりで、僕は学校についた。自分のクラスに行くと、なんだか騒がしい。女の子たちがきゃいきゃい騒いでいるみたいだった。

 女性に対して過敏になっていた僕は、いきなり教室に入るのをためらい、そっとドアを開けて中の様子をうかがってみた。すると、女子たちが中で着替えをしているのだった。パンツだけになっている娘、ブラを外している女生徒、ほとんど水着に着替えている子など、さまざまだった。

 どうやら男子はすでに着替え終わって先にプールに行っているみたいだった。まさにこれからがプールなのだ。

 「…まずいな。」ポッティがささやく。「カリギューラの魔力を感じる。ここで中に入ったら、キャーと言われる前に夢幻時空に飲み込まれるだろう。」「罠というわけか。」「時空を発生させるには十分な魔力だが…やや少ないな。たぶん、翔君をプールにおびき出すための魔力だろう。」

 やっぱり予測したとおりだった。今日いきなりプールだなんて…といっても、おとといにプール開きだったそうだけど。とにかく、僕をプールに誘い込んで、そこで夢幻時空を発動させるつもりだったんだ。もし僕が家に引きこもっていれば、誰かが見舞いに来るからそこで夢幻時空だし、教室など他の所に行ってもその先に時空を発生させる。そうやって、どうしても僕がプールに行かなければならないように仕組んでいたに違いない。

 そもそもこの世は男と女。どこにも逃げ場はない。あと一週間、がんばるしかないみたいだ。

 僕は靴を脱いで更衣室を通り抜け、服を着たままプールに行った。先生を見つけたら休む旨を伝え、水がはねないところで見学ということにしよう。もちろん女子たちが大勢いるプールにいつまでもいるつもりはない。こっそりと教室に戻ってしまおう。

 「…え…?」プールには誰もいなかった。男子も、先生も、女子さえも、一人もいなかった。プールには水が張られており、いつでも泳げる状態になっている。が、そこには人っ子ひとりいないのだった。

 「妙だな。」ついてきたポッティが首をかしげる。「カリギューラの魔力を感じない。ここには何もないぞ。」「誰もいないなんて…どうなってるんだろう?」授業が始まる鐘が鳴っても、誰も姿を現さなかった。

 「あっ、佐伯がいる!」「ほんとだー!」「アンタここで何してんの?」突然女子更衣室から女生徒たちがあらわれた。山本・坂田・渡辺の元気娘三人組だ。彼女たちはクラスでもいつも目立っており、うるさい女子として有名だった。三人はいずれも水着に着替えており、突然僕の前に現れたのだった。

 「もしかして佐伯も呼び出されたの?」「えっでもおかしくない? 佐伯君ずっと休んでたし。」「だから補習組ってこと?」「えー最悪! なんでこいつと一緒に泳がなくちゃいけないの?」「…まぁ私たちが補習組ってのも納得いかないけどね。」一体彼女たちは何を言っているのだ?

 「でも先生いないね?」「呼び出しておいて来ないって、どういうことかな?」「佐伯、何か知らない?」

 「いや、何が何だか僕にはさっぱり…」「はぁ? どういうことよ?」「私たち三人は、一昨日の泳ぎが悪かったからって、昨日先生から電話がかかってきて…。」「そうそう。今日の体育の時間、泳げなかった人だけプール補習って聞いてたのよ。」「他の人はみんな体育館。いいなあ、ドッチボールやりたかった…」

 「そういえば、僕も先生に、今日プールがあるから来るようにって電話で…」「なぁんだ、やっぱりあんたも呼び出されたんじゃん。」渡辺が高らかに笑った。三人とも体形はまちまちだが、とても仲が良く、いつも一緒に行動している。

 渡辺はすらりと背が高く、スタイルも良い。バレエをやっているらしい。坂田はとても背が低く、下級生と間違われる。山本は普通の背の高さだが、おませで成長も早い。渡辺は泳ぎやすそうな紺色のスク水姿。坂田は大人びたビキニで背伸びしている。山本は逆に子供っぽい水着が好みのようだ。彼女たちが泳ぎが不得意とはとても思えなかった。運動は得意な方だから、泳げないわけでもないし、本人たちも納得いていないみたいだった。

 「…カリギューラの魔力を感じる。奴め、今になって魔力を注ぎ込むとは。やはりここが戦闘の舞台のようだ。翔君、大丈夫か?」「な、なにがなんだか、わけがわからないよ…」

 「翔君、電話の声は、本当にかおり先生だったのか?」「うん、間違いないよ。」「…。翔君を含めて、全員、電話で担任からプールに来るように指示されているが、来てみたら誰もいない。そして全員揃ったところでカリギューラの魔力が発動…。これは…」ポッティはしばらく考え込んでいたが、突然はっとしたように顔を上げた。

 「しまった、フローリアだ!」「えっ…」「奴の従者の中に、”千の声を持つ女”がいるんだ。そいつは声を操り、声に魔力を乗せて伝えることもできる上級悪魔だ。…いまは、な。」「…!?」「君を含めて全員が“電話”だったのが引っ掛かってな。直接話さず、声だけで指示をしたということは、フローリアだからなんだ。奴がかおり先生の声で君たちをプールにおびき寄せた。そう考えれば、これまでの展開にもつじつまがあう。」

 「君が教室で見せたのはカリギューラによる幻。その魔力を私が感じ取ったというわけだ。本当は中には誰もおらず、みんな体育館に移動していた。翔くんと、その女生徒たちだけが選ばれて、プールにおびき寄せられた。カリギューラは幻に魔力を使っていたから、プールに魔法をかけるのが遅れたんだ。」「じゃあ…」「間違いない、夢幻時空が来るぞ!」

 ドォォォン! 空間がゆがみ、プールの周りだけが特殊な空間となった。その外側は時間が止まっている。カリギューラの夢幻時空が発動したんだ。ということは、この三人が操られる。今回の敵というわけか。よりによってこの三人組とは。

 「くすくすくす、一番目立っておしゃまな女子は、性の知識も一番進んでいるはず。翔の精を徹底的に吸い取るにはぴったりの役ですわ!」プールの隅に設置されたスピーカーから女の人の声が響き渡る。「フローリア…」「…お久しぶりでございます、ポッティさま…」「フローリア…どうして…」

 「いまさら、ですわ。私はもう、カリギューラさまに永遠の忠誠を誓った身。その話は金輪際しないでくださいませと、5000年前に申したはずですわよ?」「…。」

 「ともかく。翔さま。この娘たちにいっぱい精を出して、気持ちよくなってくださいませ。この世界をカリギューラ様の理想郷にするために、そして何より、ご自身の天国のために。」「や、やめろ!」「なぜご抵抗なさるのです? 出しつくしてしまった先は、永遠の快楽だけの世界ですのに…。」

 「え…どういう、こと?」「あら。ご存じありませんの?」「言うな!」ポッティがひときわ大きな声を出す。「きっとそこの“唯一神”が何も言わないか、あるいは嘘をお教えになっているのですね。いいですわ、私がすべてお話します、クスクス。」「やめるんだフローリア!」

 「あなたの精は、世界を根本から作り変える“種”。それを快楽と共に世界に向けて放出し、あなたのすべての種が世にまかれたとき、世界の秩序は一変するのです。快楽を否定し、容赦のない秩序と規律の中で生物を苦しめる世界から、すべての苦痛を取り除いて快感だけに染められた、解放される世界へ。それこそが、カリギューラさまの世界。理想郷ですわ。」「違う、お前たちは間違っている!」

 「…ポッティさま…少しお黙りになってくださいませ。」「!!!」ポッティの声が聞こえなくなった。いや、その動作から、何かを強烈に叫んでいるようだったが、音が振動として伝わってこない。「音は波。声も音ですから、逆向きの波をぶつければ音は消える。これでポッティさまは何も言うことができませんわ。」ポッティが何を言っても、振幅が逆向きの音波をリアルタイムで自動的にぶつけられ、声がかき消されてしまうみたいだった。

 「では続けます。すべての生物は生存競争の必要がなくなり、子孫を残すための競争も強いられなくなる。それでいて病も死もなく、個体の異常増殖もない。性が解放され、どんなしがらみもなくなる。これまで生物は苦痛を感じる神経を与えられやみくもに苦しめられていたが、もはやその感覚は永遠に取り除かれる。生き物に痛みや苦しみがあるのは、死の可能性があり、生きるために戦うことを強いられたからです。もはやそんな必要はなくなります。食べたいだけ食べ、眠りたいだけ眠り、遊びたいだけ遊び、交わりたいだけ交わることができる。それでいて永遠の命を授ける。これがカリギューラ様の理想の世界!」

 かすかにポッティの声が聞こえた気がした。が、耳を澄ませても、何を言っているのかはわからなかった。

 「そして。ここからがあなたさまにとって重要ですわ、翔さま。その理想世界で、カリギューラさまは神として万物にあがめられ、カリギューラさまの守護のもと、”種”をまいた者は世界の永遠の王者として、君臨することになる。あなたは世の王となるのです、翔さま!」「なっ…」

 僕は得体のしれない感覚に肌が泡立つ思いがしていた。「そんなの、嘘だ! 僕は精を吐きつくして、死んでしまうんだ!」「クスクス…ご安心くださいませ。種である翔さまは、決して死にはしませんわ。むしろ王として、すべての権力を手に入れられるのです。どんなことでも思いのまま、永遠に、ね。」

 「そんな! ポッティ、どういうことだよ!」「…。」「死ぬってのは、嘘なのか…。フローリアの言っていることが、本当なのか…!?」「…。」

 ポッティはうなだれたまま、なんのリアクションもとらなかった。「おおかた、本当のことを教えれば、翔さまが快楽にふけることになって、自分の負けになるとお思いになったのでしょう。だから、種を最後までまいたら死ぬと、翔さまを脅したのでしょう。クスクス。」「…。」「そんな…」

 足もとががくがく震える。薄暗い気持ちが胸から全身に向けて広がっていくのを感じた。「フローリア…」ポッティはやっと低い声を出した。フローリアの声の壁が取り払われたんだ。「君は…もう、本当に後戻りできなくなってしまったんだな…」「クスクス。今の私の姿をご覧になったら、きっと驚きになるでしょうね。何しろ、ポッティさまの知っている私の面影は、もうどこにもないのですから…。さあ、大昔の、あなたの後をついて歩いていた、昔の私のことはお忘れになってくださいませ。今は敵同士。ふ…ふふ…」

 ざばあ! プールが変質した。塩素の香りに満ちていたプールは甘い芳香を放つようになり、その真ん中に大きなリングが浮かび上がってきたのだ。山本、坂田、渡辺の三人は、無言のままプールに飛び込んで行った。

 「…翔君。」「…。」僕は何も言えなかった。「…だましていたのは私が悪かった。フローリアの言っていることが本当だ。君は種をまいた後、永遠の暴君として世に君臨することになる。なにせ”新しい世界”の創造者でもあるのだから。」「…。」「今は何も弁明はするまい。だがこれだけは分かってほしい。とにかく今は、あの三人を倒し、この夢幻時空を脱出するべきだ。本当に正しいのは、秩序の世界か、頽廃の世界か。それは後で考えてくれ。だが世界が変わってしまってからでは遅いのだ。後戻りはできない。だから今は、今だけは、私を信じてほしい。頼む。」

 「…い…」「!」「うるさい! 僕に話しかけるな。お前なんか、大嫌いだ!」「翔君…」「僕をだまして、いいように操ってたんだ。ちょうどあの三人がカリギューラに操られているのと一緒じゃないか!」「ち、違う! 聞いてくれ!」「だまれ! ちきしょう!」

 僕は勢いでプールに飛び込んだ。水の冷たさと、まとわりつく水質の異様さに、僕は一瞬冷静になった。

 「クスクス。それでよいのです、翔さま。さあ、この娘たちと交わり、新世界を作りましょう。快楽の中で王となれるのです。」そばにいた山本がいたずらっぽい笑みを向けながら近づいてくる。

 「…わかんない…わかんないよ。どうすればいいかなんて。でも…今は、カリギューラの思い通りにはさせない。」「!」「どんな世界かなんて、わからないけど、でも、人の意志を完全に無視して操ることは、どんな理由でも悪いことだ。坂田さんたちをもてあそぶ奴の言うことは聞けない。」

 「…そうですの…でもそれは、ポッティの秩序づけられた価値観でしありませんわ。いいでしょう。この特殊リングで、存分に戦っていただきますわ。そして快感の素晴らしさをその身に刻みつけて差し上げます。そうすれば考えも変わるでしょう。このプールでのルールは簡単。翔さまと、この三人との時間無制限勝負。翔さまが種をまきつくすか、この三人が絶頂を迎えてカリギューラさまの呪縛を解くかしたら終了ですわ。あなたさまは何度射精しても負けにはならない…もっとも、射精してくださった方がありがたいのですが…。娘たちは一度でも絶頂したら負け。戦闘はリング上でもプールの中でもかまいませんわ。絶頂量のハンデを埋めるため、こちらは3人用意いたしました。そして…」

 「この水…」「お気づきのように、ローションでできております。全身ぬるぬるですわ。しかも、男性の興奮を高める香料を少量混ぜてあります…魔界の催淫香です。少量でも効き目は強力。浸かれば浸かるほど精巣に精子が急ピッチでため込まれ、出したくてたまらなくなりますわ。ずっと自慰行為を我慢していたのと同じになります。」「そんな…」「あら。不公平というお顔をなさってますわね。当然ですわ。この空間はあなたさまを射精させるために作られたんですもの。くすくす…」やっぱり、敵は悪魔というわけか。

 射精しつくした後のことを考えるのは後にしよう。理由は分からないけど、この悪魔の誘惑に負け、快楽におぼれてしまったら、何か大切なものが失われる気がする。死ぬかどうかは分からないけど、どっちにしてもここで出しつくしてはいけない気がするんだ。戦わないと。

 「それでは始めましょう。さあお前たち、その元気なパワーと肉体で、翔さまを悦ばせて差し上げなさい!」「くすくす、佐伯くぅん…」そばの山本がますます近づいてくる。僕は反射的に彼女から遠ざかり、リングを目指して泳ぎ始めた。

 「佐伯ぃー! 私たちと遊ぼう?」坂田たちが僕めがけて泳いでくる。このままでは捕まってしまうので、僕は軌道を修正して女子を避けながら泳いだ。

 それにしても、にゅるにゅるする粘液はとても泳ぎにくかった。普通の水以上に抵抗があり、あっという間に疲れてしまう。それに、僕は我を忘れてプールに飛び込んだけど、水着は持っていない。洋服のままだった。上着が水を吸って重くなっている。

 女の子たちは、さすがに運動神経が良く、すいすい泳いでいる。それに彼女たちは水着であり、水の抵抗がない。この差が、僕と彼女たちの距離をどんどん縮めていくのだった。

 「捕まえたっ!」「脱げ脱げー☆」「やっ、やめ…」僕は女の子たちに追いつかれてしまった。彼女たちは分担して僕の服を脱がそうとしている。僕は抵抗したが、服の重さが体の自由を奪っている。結局僕はズボンまで脱がされ、パンツも引きはがされ、全裸になってしまった。

 女の子たちが一斉に僕に抱きついてくる。すべすべの生足がローションの水の中でモチモチの度合いを増しており、きめの細かい肌触りが三方向から密着してくる。彼女たちはしきりに足を動かして、僕の腰から下を執拗に愛撫し続けた。この刺激だけでペニスが隆起するに十分だった。

 両側の娘が自分の太ももの間に僕の足を挟み込み、ギュッと密着しながらにゅるにゅると動かしている。内股まで滑りこんでくる足は、すでに大人の女性と同じ形をしている。膨らむところは膨らみ、膝は引き締まって、ふくらはぎさえ心地いい。

 「ほらほら。女の子の足って気持ちいいでしょ?」山本が僕の目の前に立ち、ペニスを右手でつかむと、自分の足に亀頭をぐりぐりこすりつけている。吸いつくようなもものふくらみとやわらかさがカリや尿道口を刺激し、僕は思わず腰を引いた。そこへ坂田と渡辺の手が僕のお尻を撫でさすり、つきだされた臀部をこれでもかとかわいがってくれた。

 「あふ…う…」3人の密着する体と、お尻をまさぐるくすぐったい手と、足に絡みつく娘の内股と、そして山本の握りしめる柔らかい手の感触、亀頭にこすりつけられる生足の感触に、僕は悶絶し続けた。充満する甘い香りが僕の興奮を掻き立てた。

 急ピッチで快感がこみ上げる。体内にため込まれた精子が急激に増殖し、一気に押し出される感じ。僕はあっという間に高められ、激しい脈打ちとともに射精してしまった。

 白濁液は、ヌルついた液体の中に放出され、しばらく水の中を漂っている。が、やがて水中に溶け込むように、精子の塊は消えてしまった。水中であっても、世界に“種”がばらまかれたのに変わりはない。空間内に種は溶け込み、世を頽廃へと少しずつ導いていく。

 女子たちの攻撃は止まらない。交代して渡辺が足の間にペニスを挟み込み、腰を大きく前後させてきた。細く引き締まったきれいな脚が、直にペニスを包み込んでしまっている。バレエで鍛えられた白い脚は、誰よりも細くしなやかで、内股にくぼんだ筋が女らしさを物語っている。

 彼女は腰を動かしながら左右の足をこすり、ペニスを執拗にしごきたてる。細いながらも内股部分だけが膨らんでおり、ペニスを十分締め上げることができるのだった。玉袋を滑る足の感触も、僕の射精感を高めるのだった。

 同い年とは思えない膨らんだ胸が僕の背中に押しつけられる。山本の豊かな肢体が後ろから僕を抱きしめてくれている。坂田は僕にキスしたり頬ずりしたりしながら、しきりに自分の体を押しつけてくる。

 プールの芳香は、出したばかりの僕の精巣に再び急ピッチで精子をため込ませる。魔力が作用して、この空間内ではいくら出しても疲れたり枯渇したりすることがなく、性行為におよぶ前の状態に戻る感じになる。だから何回でも出すことができたし、興奮が萎えることもなかった。それに加えて、このローションに溶け込んだ魔性の香りが、まるでしばらく禁欲していたかのように、ごく短時間で精巣を精子でパンパンにしてしまうのだ。

 そこへ女子が3人もよってたかって僕を刺激するのだから、ひとたまりもないのは当然と言える。僕は渡辺にしがみついたまま震え、声もなく二度目の射精をしてしまう。

 ポッティがしきりに何かを言っている。が、いま僕はポッティの言葉に耳を傾ける気になれなかった。

 とにかく脱出しなければ。僕は女の子たちを押しのけて再び泳ぎ始めた。「くすくす。捕まえちゃうぞー☆」「佐伯ー! 一緒に泳ごっ!」彼女たちもあとから泳いできた。

 この水の中では圧倒的に不利だ。ただ泳いでいるだけで、浸かっているだけで、性欲が強烈に全身をさいなんでくる。ため込まれた精液を早く出したい衝動に駆られてしまう。きっと、ポッティのバリアがなかったら、もっと強烈にこの欲動に突き動かされていたんだろう。ポッティ…いや、今はあいつの言うことなんか、聞いてやるもんか。

 ざばば…僕の周囲に水しぶきが巻き起こる。僕はあまり泳ぎが得意な方ではない。それに対して女子三人組はすいすい泳ぐことができた。追いつかれるのは時間の問題だったのだ。

 「!」気がつくと、渡辺が僕の前を泳いでいた。こっちは一生懸命クロールで進んでいるのに対し、彼女は余裕の平泳ぎだ。視線を前に向けると、大きく開かれたままの足の間、渡辺の股が目の前に迫っている。秘部と水着が密着して、開かれた足の間のくぼみがはっきりと見て取れた。

 僕の下に坂田がもぐりこんできた。そして急浮上し、ぷよぷよしたお尻を僕の腰にぶつけてきた。「もがっ!」僕はバランスを崩してこれ以上泳げなくなった。

 「おとなしくしてなさいよ。」「一緒に泳いだげる!」女の子たちは僕にしがみついてきた。危うくおぼれそうになったが、坂田の計らいで僕は顔を水面上に出すことができた。

 女の子たちは僕を抱きしめ、絶妙に息継ぎしながら、リングめがけて泳いだ。彼女たちが足を動かして泳ぐたびに、生足が僕の足にこすりつけられている。体を動かして泳ぐ女の子たちのやわらかな動きが、僕の全身を包み込んでいた。坂田のお尻はずっとペニスを圧迫し続け、彼女が足を動かすとお尻の肉もグニャグニャとひしゃげているから、むにむにした刺激が泳いでいる間中ペニスをかわいがっていた。

 リングにつく前に、女の子のお尻めがけて白濁液が放出された。

 「さて。どうする? ここで出させてあげようか?」「それともリングに上がる?」「私たちはどっちでもいいよ?」リングには階段が取り付けられており、簡単に登ることができた。

 やはり水の中にいるのはまずい。動きも鈍くなってうまく反撃できないし、甘い香りに翻弄されてすぐに女子の体に精を吸い取られてしまう。リングに上がった方が得策だ。

 僕は階段を上り、ロープが張られたリングに上がった。つるつるしている床で滑りそうになるのを、なんとかロープにつかまって体勢を保った。水から上がってもローションのヌルヌルは全身にまとわりついており、うまく歩くことさえできない。

 渡辺たちも上がってきた。その間に三人とも水着を脱ぎ捨て、あられもない姿となっていた。

 「さあ、ここからが本番だよ?」「いっぱい出させてやるよ。」「覚悟してね佐伯君☆」

 僕は女の子たちを避けようとロープ伝いに滑りながら移動した。彼女たちはあえて歩かず、四つんばいに這うようにして僕に迫ってきた。「ここはよく滑るから、歩かない方が得策なのよ。」

 逃げ切れるものではなかった。ロープ伝いに移動する僕に追いつくのは簡単なことだっただろう。それでも、つかまってたまるかと、僕はロープから離れてリング中央めがけて走りだした。

 「うゎ!」あっという間に足が滑り、僕はリング中央でうつぶせに転んでしまった。なんとか体勢をすぐに立て直して逃げようとしたが、女の子たちの行動の方が早かった。

 全裸の僕に、全裸の娘たちが抱きつく。「あああっ!?」

 これまでにない感触だった。うつぶせの僕の上に、坂田の体が覆いかぶさっていた。そのきめの細かすぎる肌触りがローションのにゅるにゅるに助けられ、極上の肢体に生まれ変わっているのだった。左右に渡辺と山本がぴったりと寄り添い、僕は三方向から女の子の体の圧迫されてしまっている。

 手も腕も、胸もおなかも、太ももも、全身ローションまみれの女の子が群がっている。どう動いてもやわらかい体が押しつけられこすりつけられ、僕はその感触に呻くほかはなかった。

 坂田が前後に大きく体をこすりつけている。ローションで滑りがよくなり、僕は彼女の肌触りを上から下までスムーズに感じさせられている。背中やお尻を滑る女体の感触が心地よすぎた。

 左右の二人は僕の下に手を伸ばし、ペニスや玉袋をかわいがっている。あっという間に高められ、僕はうつぶせのまま射精してしまった。

 「それっ☆」女の子たちは僕の体をひっくり返し、あおむけにしてしまう。「くすくす。このローションで気持ち良くなるのはこれから。」「リングに上がってからが私たちの本領発揮ってことだよ。」「覚悟してね、佐伯。」

 はじめは渡辺が上に乗ってきた。さっきの坂田と同じように、ズリズリと体を前後に大きく滑らせ、僕に全身のすべすべとにゅるにゅるを押しつけこすりあげる。やわらかい圧迫がたまらなく心地よかった。時折細くしなやかな生足がペニスを挟んで刺激してくる。

 「あうっ!」僕は渡辺の足の間で精液を提供した。

 すると交代で山本が乗っかってきた。三人のうち一番おっぱいが膨らんでいる。彼女も大きく前後してきた。戦慄のローションマットプレイで、僕は体をくねらせ、快感に酔いしれた。女体が前後するたびに、やわらかい胸がぐにやりとひしゃげ、それがペニスにも容赦なく押しつけられる。

 「だめえっ!」僕は彼女の胸めがけて白濁液を放出した。

 「まだまだいくよ!」坂田も僕の上で前後する。ずにゅっずにゅっといやらしいローションの音がこだまし、僕は彼女の幼い体にも精を抜き取られてしまう。

 出しても出しても、まだ体が疼いた。外気に触れたローションが粘着度を増し、女体をどんどんもちもちの粘着質に変えていく。と同時に魔性の香りも濃縮され、空気と混ざるたびに香りが閉じ込められ、体内に吸収され、一気に僕の性欲を高めているのだ。

 交代で僕にマットプレイする三人に、僕は何度も精液を放出した。さすがにだんだん怖くなってきたが、女の子の大胆な全身ズリになすすべもなかった。

 「あははっ、きもちいい…」「もっと抱き合いたいよぉ…」女の子たちも感じていた。僕と体をこすり合わせるたびに、彼女たちの性感帯も刺激されている。しかも、僕に触れ続ければ性感神経が自動的に刺激されるのだ。

 すべての種を放出して僕が負けるか、彼女たちが自滅するのが早いかの勝負になりそうだ。

 と思ったが、三人は僕から離れてしまった。「はあ、はあ、このままじゃ私たちが先にまいっちゃうよ。」「そうね。ここは射精の頻度を高めないとね。」「私たちの楽しみは、カリギューラさまが天下を取ってから、ね?」

 坂田と渡辺が僕の左右に来て尻もちをついてすわり、僕の全身をぬりゅぬりゅと撫でさすり始めた。僕は自分の胸を這いまわる女の子のしなやかな手にもだえ、つい上半身を持ち上げるようにしてヨガってしまった。

 その隙に山本が僕の足の間に移動した。「ほら…見てごらん?」僕は促されて山本の方を見る。彼女は不敵な笑みを浮かべたまま僕をじっと見つめていた。

 「あっ! ひゃああっ!」股間に強烈な快感が駆け抜けた。山本は僕のペニスをつかむと、一定のリズムでしごき始めたのだ。女の子のやわらかい手がすっぽりとペニスを包み、すべすべと上下し続ける。「くすくす。コレ気持いいでしょ。」

 ただの手コキとはわけが違った。ペニスをしごかれた経験は、これまでの勝負でもないわけではなかったが、それとは比べ物にならないほど気持ちが良かった。それは彼女の手が、ペニスが、魔性のローションまみれになっていたからだった。

 にゅるにゅるした手の筒がペニス全体にまきついて、リズミカルに上下している。その滑りの良さがなめらかにペニスを快感にさらし、これまでにない強烈な心地よさをもたらしていた。

 「やあっ!」僕は山本の手で噴水のように精子を吐きだした。それでも彼女は手を止めず、右手で、交代して左手で、時には両手で、ペニスをしごき続けている。その顔はいたずらっぽい笑みに包まれ、目だけは優しくいつくしむようだった。その絶妙な表情が快感を倍増させている。

 さらに射精が起こる。「ほらほら。ガマンしてみなさいよ。」そう言いながら山本は手のスピードを上げた。

 左右の二人も補助攻撃の手を強めた。すべすべと4本の手が僕の上半身やおなかやわき腹を這いまわっている。時折そこに女の子の太ももが混ざる。特に胸やわきの下がこちょこちょとくすぐられ、僕の射精をいやがおうにも速めているのだった。

 だめだ、このまま彼女たちの促すままに出し続けては。気の遠くなるような快感の中で、僕はお尻の穴に力を入れ、感じまいと踏ん張った。「そうそう。そうやってがんばると、…あとでもっと気持ちよくなれるんだ。ふふふふ…」女の子たちは手を休めず、僕を追い詰め続けた。

 我慢の限界はすぐに訪れた。にゅるにゅるローションまみれの状態で、アソコをあらわにしたクラスメートの女の子3人に囲まれて、全身撫でさすられながらペニスはピンポイントでにゅぐにゅぐしごかれているのだ、耐えきれるはずもなかった。

 「どうしたの。もっと我慢してごらんよ?」「乳首ひっかいてあげる。」コショコショと優しい手つきで渡辺が僕の両乳首を4本の指先で転がした。「うう〜っ…」僕は渾身の力で射精をこらえた。

 ぱっと、3人が手を離した。が、その不敵な笑みは消えない。そして…

 「つんつん攻撃ぃ〜☆」「うりゃうりゃ!」「あ…ひいあっ!」

 両側の女の子たちは、手のひらで攻撃するのをやめ、指先で体のあちこちをツンツンと優しく軽くつついてきた! 10本の指先が二人分で、全身は20の刺激にさらされる。ピアノを弾くように滑らかにつつかれ、体の奥がジワリと疼く。

 なまじ強い刺激でないだけ、すぐの射精はなかったものの、体の奥からこみあげるくすぐったい感覚、射精前の強い快感はしばらく体内にため込まれ、全身をさいなんだ。

 ペニスも指先でつつかれている。亀頭めがけて集中して軽いタッチの指先が10本群がっている。イク寸前の状態で、この小さなコショコショは耐え難かった。「ココが気持ちいいんだよね?」山本は両手の人差し指だけでペニスを責めた。尿道口とカリのヒダに指先が張りつき、こねくり回すようにぐりぐりとこすってきている。

 「でちゃうっ!」「ガマンしなよ。」「だめえっ!」さっきよりも強い射精前の快感が襲ってきた。つんつん攻撃でためられた快感が、いつもの射精感以上のくすぐったさをもたらしたんだ。

 ぞくぞくした快感に大きくぶるぶる震えた。次の瞬間ペニスから勢いよく精液が飛び出していった。「やっぱり溜めてから出させるとより多くの種を絞り出せるね。」「次からじらそっか。」「覚悟してね佐伯君☆」

 次は渡辺と坂田の番だった。彼女たちは僕の腰の上に乗っかるとツルツルのオンナをペニスに押しつけ、両側から張りついた。女の子どうしで足を交差に絡ませ、大切な部分をペニスに押しつけている。二人は抱き合い、ギュッと腰を突きだした。

 「ああっ!!」二人の割れ目の間にペニスが挟み込まれている。吸いつくような表面が360度から密着している。二人分の性器に包みこまれた瞬間、僕の体の奥からまた射精感がこみ上げる。山本が僕の内股をすべすべの手で撫でさすると、作られたばかりの精子がクラスメートたちの足の間から噴き出した。

 女の子たちはぐにぐにと腰を揺り動かし、ローションまみれの股の間でペニスをこねくり回してきた。揉みしだくようなオンナ表面の感触に、僕は頭を抱えて悶絶した。逃げようにも、腰の上にいる二人の女体を押しのけることはできなかった。左右両側かぐいぐい押しつけるように蠢く女体の動きを目の当たりにしながら、やわらかく揉まれ続けたペニスが再び爆発するのだった。

 「さあ、これからが本番だよ!」渡辺たちは息を合わせて同時に腰を上下させた。すると360度からペニスを包んでいたオンナ表面が、ペニスに密着したまま強く圧迫しつつ上下にゆっくりと動く。ペニスは強烈な器官でしごきあげられ、たまらず白い悲鳴を上げるのだった。

 「まだまだっ!」「このまま最後の一滴まで絞り取ってやる!」「それでこそカリギューラさまの世界! そして新しい翔王の誕生!」ローションでいやらしい音を立てながら、女の子たちの腰が動く。くぽっくぽっとリズミカルな音が、なまめかしい動きが、ツルツルの表面の感触が、山本の優しい手つきが、僕を連続射精に追い込み続けた。

 もう何回射精したかわからない。出せば出すほど気持ちがよくなり、体が痺れていく。だんだん、次の射精までの時間が短くなってきている。いよいよ“種”が全部外に出つくし始めているのを実感した。恐怖と快楽が入り混じる。

 「翔君!」僕のすぐそばまでポッティが来ていた。「ぽ…」「何も言うな。話は後だ。ことは緊急を要する。君にこの技を伝授しよう。」

 ポッティが一瞬光輝いた。一瞬、全身に強い痛みが走った。おかげで連続射精が止まった…といってもその出来事は一瞬で、僕の体はまた快感一色に染め上げられたのだが。

 「これで君は”操気弾”を使えるようになった。指先から性感神経を刺激するエネルギーを放出する大技だ。細かい説明は後だ、指先に神経を集中させ、彼女たちの両乳首と子宮…下腹のあたりを指で突くのだ。早く!」

 僕は何も考えられなかった。後ろに手をついて腰だけをなまめかしく上下に動かしている坂田の両乳首を、僕は両手人差し指で強く突いた。そしてさらに彼女の下腹辺りにも指を突き立てる。やわらかいおなかの肉に指先がめり込んだ。

 「あ…は…何…っ!? 体が…あ、あつ、いぃ…」坂田は体を離し、上半身をのけぞらせて痙攣している。「ひゃ…あああああっ!」そのまま絶叫して、ぐったりと倒れてしまった。

 わけがわからなかったが、僕は渡辺にも同じことをした。指で突くだけだから、素早く動けた。渡辺も悶絶しながらリング上を転げ回り、やがてピンと全身をひきつらせて果ててしまった。

 「なっ…これはいったい…」山本が後ずさる。僕は滑らないように気をつけながら彼女に近づいて行った。「嫌あっ!」山本はプールに逃げ込む。僕も彼女の後を追った。

 動揺していたのか、彼女の泳ぎが乱れている。僕は簡単に彼女に追いつくことができた。前方から指で突いて大丈夫なら、背中からでも平気だろう。僕は乳首がある反対側の背中部分と、子宮があるお尻の付け根あたりを狙って、水中で彼女の背中を指で突いた。

 「がぼおっ!」山本が水中で暴れだした。そしてすぐに絶頂を迎え、ぷかっと水に浮いてしまった。僕は彼女の呼吸を確保すべくあおむけにする。気を失ってはいるが、どうやら無事みたいだった。

 僕は無言でプールから上がった。いつの間にか、一瞬で、僕はクラスメート3人を倒してしまっていた。「このちからは…」「人体には経絡というツボがある。当然、性感を強く刺激するツボもな。男性にも射精の秘孔があり、そこを突かれるとどんな男でも一瞬でイッてしまう。女性もまた、位置は違うが絶頂の秘孔が存在する。本来、相当の修業を積まなければ、そういうツボを突くことはできない。位置を正確に、力加減も必要だし、秘孔を突くスピードやタイミングも極めて難しいからな。しかし、そこに神の気の力を込めれば話は別だ。秘孔を正確に嗅ぎ当てなくても、その近くを突くだけで、女体内部に君の気が侵入し、快感の秘孔を探り当てて、経絡に作用することができる。一撃必殺の強力な技だ。」

 「…。」「翔君、その力はあまりにも危険すぎる。むやみに使ってはだめだ。本当にピンチの時だけ、種のほとんどを出してしまった時だけ発動するようにしてある。そして…君にその力を授ける以上は、代償も支払ってもらう。君に貼ってあるバリアはますます薄くなっている。これまで以上に防御に気をつけてくれ。」

 「…。」「具体的には、君は女性に対する免疫を下げられている。女性の性的な魅力に敏感になり、髪や肌の質感、下着なんかにも激しく興奮するようになる。これからの敵は必ず君の心を虜にするほど魅惑的になるということだ。気をつけてくれ。」

 「…さっきから、なにをしゃべっているのさ。」「えっ…」「僕は、もうお前のことなんか信じない。」「う…それは…」「僕をだましたのは、僕のことを信じられなかったからだよね。だから嘘をついたんだよね。本当は死なないのに、死ぬなんて言ったんだよね。僕を信じてなかったらか、怖がらせて言うことをきかせたんだよね。」「ち、違…」「それなのに、自分のことだけは信じろなんて、虫がいいよ。」「翔君…」

 「もう、僕に付きまとわないでくれ!」僕はわけもわからず走りだした。「翔君!」

 目の前が突然真っ暗になった。何も見えなくなり、聞こえなくなり、感覚を失った。このまま死んでしなうのではと不安になったが、その不安な気持ち自体も、気絶によってかき消されてしまった。股間が強烈に痛んだが、その痛みさえもあっという間に消え去った。

###地獄###
 「おのれ…またしても失敗か。」「…申し訳ございませんカリギューラさま。」「フローリア、…”昔の上司”に会えたご感想は?」「お許しください、決してそのようなつもりでは…」「デーモンの肉体に転生したお前の姿は、たしかに奴には見せられないよなあ。」「お許しを…」

 カリギューラは突然優しい顔つきになった。「ふふふ。冗談だ。今回のことも、お前の不手際などのせいではない。それに…あと一歩だったのだ。」「カリギューラ…さま?」「と、いうことは、種がすべて放出されるのに必要な射精回数が、大体見えてきたということだ。もちろん、日によって状況によって誤差もあるだろうから、正確な数は分からない。が、大まかな回数やかかる時間は見えたということだ。」

 「だから、次は射精目標をある程度絞ることができるということ。目標が分かれば、挿入での戦闘もできる。今までは入れてしまえば一気に精を奪うこともできたが、メスが果ててしまうリスクも高かった。回数にめどができれば、人数を調整のうえ、今度こそ性交の本領発揮もできるというものだ。つまり、次の夢幻時空での勝機は我らにあり!」「…。」

 「だが…一つだけ気になる。ポッティの奴め、翔にまた何か力を与えたようだ。あの子に秘孔を突かせないようにしなければな。ちと厄介だ。」「それでしたら…耳寄りなことが。現在翔さまとポッティは仲たがいしております。仲直りの前に翔さまがお一人になった時を狙えば、簡単には神術は使えないでしょう。」

 「…だといいのだが。いずれにしろ気は抜くな。いつでも万全の態勢でいることだ。翔も相当体力を消耗している今、こちらも相当の魔力を使ってしまっている。お互い回復の時期。準備は万端に頼むぞ。」「かしこまりました。」「今日はよく働いてくれた、フローリア。今日はもう休め。」「…ありがたき幸せにございます。」
 

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