翔のあぶない冒険!


6 vs.三浦幸子、かおり先生・ついに童貞卒業!?


 僕を現実に引き戻す声がだんだん大きくなる。聞き覚えのある声だ。「翔君!」

 「ん…」まどろみの世界から、苦痛の存在する現実世界に、僕は引き戻された。気がつくと僕は自分のベッドに寝ていた。「…よかった、目が覚めたな。ずいぶんうなされていたからな。」枕元には小さなてるてる坊主。…ポッティだ。

 「体が重い。」僕はため息をついた。次の瞬間、自分の股間が異常な状態になっていることに気づいた。「あ…」じっとりと濡れそぼった股間はパンツを汚すどころか内股にまで白濁液を垂らし、それでも出し足りないといった風で、強い快感への疼きとともに強烈な朝立ちを起こしていた。

 さっきまでの世界は…夢だったのか。窓の外は朝の喧噪が響いている…といっても都会ほどではないが。足音も人の話し声もテレビの音も聞こえている。時折通る車がけたたましくクラクションを鳴らしている。世界は…まだカリギューラの手には落ちていないのだ。なにより、ポッティが目の前にいるのだ。消滅などしていない。

 「翔君、君にはいろいろ話すことがある。今は何も言ってくれるな。」「ポッティ…」「君はずいぶんうなされていた。そして、相当の夢精をしている上、現在強い性欲を抱いている。そうだね?」「…。」「まずはそれについて話さなければならない。いや…その前に。」

 ポッティは枕元からぴょんと僕の前に移動した。布団を引っぺがし、早く着替えたいと思っている僕の前で、ポッティは深々と頭を下げた。「申し訳なかった。この通りだ。」「ポッティ…」「嘘をついたのは事実だ。あのときはああ言わなければ、君を止められたかどうかもわからなかったからな。正直に言おう、はじめは君を信用していなかったのだよ。その非礼を詫びたい。」「いいよ、もう…」ずっと怒っていたはずなのに、なぜかもうどうでもよくなっていた。あるいは、夢の中で世界が変わり果ててしまって、そこでポッティが消滅していて、心細かったからなのかもしれない。

 「とにかくさ、先に着替えさせてよ。」「ああ。そうだな…」僕は起き上がり、新しいパンツとシャツに着替えた。パジャマまでぐっしょりだ。オス独特のいやなにおいもする。僕は窓を開けた。

 改めて椅子に座り、ポッティと向かい合った。「結論から言おう。現在相当ピンチな状況だ。」「…。」「君の怒りを静めることができたのは幸いだったが、実を言うと君が私を許さないままだとしてもこのピンチは変わらないのだよ。」「えっ、どういうこと?」

 「私は現実世界でならある程度の活動はできるが、君の夢の中に干渉することができない。そして君は寝ている間、カリギューラの用意した淫夢を見せられ、夢精させられるのだ。」「えっ!」「この間のプールの戦いで、私は君に力を与えた。」「ああ、指先の…」そう、僕は指先に気を集中させて女体を突くと、そこから直接相手の性感神経を刺激することができる。胸や性器近くでやればその威力は絶大で、一瞬で相手を絶頂に導くことができる。だが、その力があまりにも強大なため、僕が射精しまくって相当危険なところに達したときにだけ、その力が使えるようにセーブしてあるのだった。

 「攻撃の力が増えた分、防御の力が下げられる。総力値そのものは変えずに、攻防のバランスだけを変えたんだ。」「なるほど、それでポッティのバリアの力が薄くなったのか。」「元々は“種”である君は、カリギューラの影響を受け、超特異体質となり、女性に対する免疫は地に落ち、それでいて女性を引きつける強力なフェロモンが出て、いつでもどこでもいくらでも精を放出できる体になっていたんだ。そしてあっという間に種を蒔きつくし、世界は滅びていた。それを食い止めるため、私は君の防御力を高めるバリアを施した。だが、ここに来てその力を攻撃力の方に振り分けたため、防御の方が相当弱くなってしまっているのだよ。」「その結果が、さっきまでの変な夢なの?」

 「おそらく君は、世界がカリギューラの手に落ちた後の世界を見せられたはずだ。」「…うん。」「それがカリギューラの誘惑だ。種を出しつくしてしまえば、よい思いができるというメッセージだ。」「…。」「まだ君には、一定のバリアが効いているから、そこで味わうのは快楽一色ではなかったはずだ。恐怖感も伴っていたはずだ。」「うん…。」「だが、残念なことに、その淫夢はこれから眠るたびに必ず毎日見せられることになる。そこで快楽に染まるたびに、恐怖感は薄れていってしまう。さらに、そこに私が介入することができない。つまり、君自身の意志の力で乗り越えなければならないのだよ。誰も助けてはくれない。」「そう、だったのか。」

 「もちろんまだ方法もあるし、我々に有利なところも残っている。まず、君は“未経験”だから、夢の中でも経験ができない。だからセックスの快楽も半減している。それと、この淫夢の目的は、あくまで君に女体の快楽を教え、起きてからセックスに向かわせるためのものだから、そこでの夢精は種まきのカウントには入らない…つまりそこでいくら出してもそれで世界が滅びることはない。」「…。」

 「だが、もし現実に本番行為をしてしまえば、夢の世界でも本番を含め相当ハードな性的行為が繰り広げられるだろう。その快感に負けて射精すればするほど、君の心が汚されていくんだ。そこでの夢精は、たしかに種まきには直結しないが、その代わりに君の精神をセックスの方向へと駆り立てる効果がある。同時にその心を徐々に悪に染めていくことになる。君の心が汚れていけば、それだけ種を出すモチベーションになるから、結局滅びが近づいてしまうのだよ。そしてそれはすべて君の精神力にかかっている。私は淫夢に手出しをできない上、一定以上心が汚れた人間に干渉ができなくなる。」「干渉?」「話したり触れたりということだ。」「…つまり、僕の心が悪に染まっていけば、ポッティの声を聞くことも触ることもできなくなっていくということ?」「その通り。そうなれば、実際に君が夢幻時空に取り込まれたときに、私はリアルでも手を出せなくなってしまう。そうなれば戦局は相当不利になる。」「…。」

 「とにかく、バリアは薄くなり、淫夢の影響を受けてしまっている以上、寝ているときも性的な戦いが続くと思ってほしい。とにかく誘惑をはねのけ、肉欲におぼれず快感に負けず、夢精をできるだけ押さえるんだ。夢精回数が多くなればそれだけ君は悪者になっていくぞ。もちろん、今の朝立ちもそうだが、性欲も強まる。そこでカリギューラの用意した誘惑の罠、夢幻時空が現実に起これば、今度こそ種をまくことになってしまう。気をつけてほしい。」

 「夢で見たんだけど、新世界では男がいなくなり、みんな魔界に飛ばされるんだって。そのうえ残った女の人たちはみんな幸せそうだったし、僕もちょっと触られただけで射精して、気持ちよかった。」「翔…くん…早速悪に染まり始めたか。」「…どっちが正しいのか、わからなくなってきただけだよ。死や苦痛のない世界は、本当に悪いの?」

 「…。」ポッティは黙ったままだ。ポッティの決めた世界には苦しみがある。人に勝たなければ、奪わなければ、幸せになれない状況もある。父さんはそれで苦しんでいる。この世の中の理不尽や苦悩は、僕にも少しはわかるつもりだ。

 「翔君、今は私の口からは何も言えない。その答えは君自身が見つけなければならないからだ。」ポッティが重い口をやっと開いた。「でも、これだけはわかってほしい。私は何も、この世界を苦痛に満ちあふれた地獄にしようと思って、秩序をつけたのではないのだ。本当はまったく反対なのだ。」「…。」「今はこれしか言えない。翔君、強くなるのだ。腕っぷしでも口げんかが強いのでもない、心の強さを持ってほしい。」「心の強さって、どういうこと?」「一言で言えば、愛だ。人を愛し、物を愛し、自分を愛し、世界を愛することだ。少なくともカリギューラのような、欲望に身を任せるのではない。それが心の強さだ。」「…。」

 「具体的なところは自分で見つけるんだ。さあ、今日は学校に行こう。数日眠りっぱなしだったからな。」「えっ、そうなの?」「軽い仮死状態で、生命活動をしていなかったから、腹も減らず排泄も必要なかった。ひたすら回復だけに専念できた。そして…元の状態に戻したとたん、カリギューラの淫夢が襲いかかったというわけだよ。君の父さんには幻影を見せて、君が無事に何事もなく過ごしていると思い込んでいるから安心したまえ。」

 「…。ちょっとまって、それってもしかしてポッティが…?」「はっはっは、特定の個人のために過剰に力を使うのは違反行為なのだがな。なかったことにしてくれたまえ。はっはっは。」人間には冬眠というものがないが、それに近い状態にして回復させてくれていたのかな。僕とけんかした後でも、ポッティはずっと僕のそばで面倒を見てくれていたんだ。

 とにかく僕は学校に行くことにした。

 学校では、何事もなかったように物事が進んでいった。僕が数日ぶりに学校にきたことも、誰も気にもとめてなかったし、先生でさえも、何も起こらなかったかのように、まるで昨日も僕が登校していたみたいに、ごく普通に振る舞った。それでいて気を遣っているとか、そういう無理なそぶりはまったくなく、ごくナチュラルにそうなっているのだ。魔法でもかかっていて、みんなが異変に気づかないでいるみたいだ。

 何より、先日僕を限界まで追いつめたあのクラスメートたちも、その戦いのこともカリギューラのこともすっかり忘れて、元のあまり話をしない、ごく普通のクラスメートという間柄になっていた。

 やはり戦いのことを覚えていないのはありがたかったが、どこかさみしくもある。…いや、あんなふしだらな戦いは《なかったこと》の方がいいんだ。そして、これから先も、きっとない方jがいい。

 だが、カリギューラの魔の手は確実に迫り始めているみたいでもあった。僕がこれまで放出してきた《種の一部》は、わずかではあるが、確実に世界に影響を及ぼし始めている。まずは自分の身近な場所や人物から、少しずつ少しずつ、何かが変わり始めている。

 男子よりも進んでいる女の子たちの言動が明るくなり、積極的になっているように感じる。もちろん、目に見えて露骨に変わっているわけではないのだが、外見も服装も、徐々に変わり始めているし、カリギューラの影響で起こった世界の変動をすんなり受け入れているようにも感じる―カリギューラの存在も名前も知らないはずなのに、その力や変化を肌で感じ取りながら、認識しないままに受け入れているみたいだ―。

 もし、いつも見慣れた風景の中で、たとえばこれまで白かったカーテンの色がほんのわずかにクリーム色になったとしたら、はっきりとは気づかないまでもどことなく違和感を感じたりする。学校の連中は、その違和感に気づきながら、無意識のうちにそれを受け入れ、当然のこととしてしまっている感じだ…その違和感の正体を確かめようとする者は皆無だった。

 女の子たちがはしゃぎ回っている。滅多にスカートをはかず、いつもズボンで通していたボーイッシュな娘も、きっちり毛を処理してツルツルになったばかりの生足を露出したミドルスカートをはいている。そして、パンツが見えたとしてもお構いなしといった感じで男の子のように走り回り、ふとももがしょっちゅう見えてしまっている。ほかのクラスメートも似たようなものだった。面積がパンティとほとんど変わらないようなきわどい半ズボン姿で大股を広げて歩いていたり、ノーブラのタンクトップなんて当たり前という雰囲気になっている。

 彼女たちは、カリギューラの影響を受け、性的に奔放になり始めているのだ。しかも、僕に身近なクラスメートたちや先生から影響を受け始めているみたいだった。そこからさらに世界中に向けて、この影響力が広がっていくのだろう、深まってもゆくのだろう。やっかいなのは、本人たちに自覚がないことだ。カリギューラの存在はもちろんのこと、羞恥心も、自分が奔放になっているという自覚さえもなく、男も女も、そのような破廉恥な振る舞いであることがごく普通の、今までも行われてきたことであるかのような、ごく当たり前の反応として、意識にも上らない状態になっているのだ。

 僕が種をばらまいた分だけ、少しずつ、世界が変わり始めている。人間の、特に女性の意識が潜在的に変わり、徐々に淫乱になり始めているんだ。もちろん男性も、その変化にまったく気づくことなく当たり前のように受け入れ、何事もないかのように過ごしている。

 このままこの状況が進行すれば、女たちはだんだんと大胆に奔放になっていくだろう。服装だけではない、行動までも性的に変貌していくのだ。おそらく男性の方はそれほど大きくは変わらないが、性欲は強まるであろう。しかし、もし種が蒔かれきってしまえば、その時はすべての男性は消えてしまう…異世界に飛ばされてしまうんだ。カリギューラの言っていることが本当なら、その先に待っているものは、極上の肉体的快楽と引き替えに失われる、世界の秩序であろう。

 だんだん、そのような変化が現実のものとなり始めている。それは、僕の周囲の人たちのわずかな変化のうちにも見て取ることができるし、それよりも、僕自身の確かな変化のうちに読み取ることができる。

 僕は念のために、ペニスが目立たない厚い生地の半ズボンをはいて登校している。あの戦いのあと僕はずいぶん《弱体化》しているからだ。

 初めのうちは、ガードをとにかく堅くすることで種が発動することを押さえていた。淫夢から脳をガードし、性感神経が敏感になることを抑え、強すぎる性欲を鎮めた。もちろん、精子が作られるスピードも相当に遅らせている。もしこのガードがなければ、僕は人一倍性的なものに弱くなり、日々夢精しながら女性の魅力にとりつかれ、同時に強烈なフェロモンによって女たちを魅了して、延々と誰彼かまわず交わり続け射精し続け、あっという間に種を出しつくしていただろう。女の人に抱きつかれたりみだらにささやかれただけでも射精してしまうくらい敏感な肉体にさせられていたんだ。それをポッティが抑えて、普通の男の子と同じか多少強いくらいにガードしてもらっていた。

 しかし、夢幻時空に閉じ込められ、特定の女の子と性的な戦闘を重ねていくうちに、そのようなガードだけでは勝てない情勢になってきた。その都度僕は弱体化し、その分だけ攻撃力を高めてきたのだ。

 ポッティが僕に与えることのできる力は一定。闇雲に力を与えれば、僕の人格が歪み悪に走るという配慮からだった。だから、僕の攻撃力を高めた分だけ、防御力を弱める必要があった。防御に使っていたパワーの一部を攻撃の方に振り分ける感じだ。

 そのおかげで、僕の全身の肌が細かい刃のようになり、これに触れた女性の柔肌の性感神経が刺激されるようになった。つまり僕を抱きしめただけで彼女たちの全身はじわりと感じるようになり、こすりあえば相当に刺激されて絶頂に至るというわけだ。

 さらに、先般の戦いで、僕の指先に神通力を与えられた。この指先で相手の女性の性感神経が集中している所を突けば、一点集中されて放出されたパワーが女体を突き抜け、すぐ近くの性感帯を一気に刺激することができる。これによって、突く場所が正しければ、一気に絶頂に至らしめることができるのだ。

 これはたいへん危険な大技だ。闇雲に使うわけにはいかない。だから、僕が肉体的にピンチになったときだけに発動するようになっている。それ以外は、やはり自分自身の実力で快感に耐え、相手をイかせる必要がある。

 これだけ強烈な力を与えられたのだから、その代償も少なくはない。これから先、僕は毎日淫夢を見せられることになる。それは、もし仮に種を出しつくして世界がカリギューラの手に落ちてしまった場合、世界がどのように変わってしまうのか、そのいやらしいヴィジョンだった。あの、あまりにもおぞましい、それでいて快楽に満ちあふれた、奔放で無秩序な世界。あんなものがカリギューラの望む世界だとするなら、僕はなんとしてもこれを食い止めなければいけない気がする。

 言うまでもなく、この淫夢の世界に魅せられ、心を奪われてしまったら僕の負けだ。早くその世界を実現させたいと願うようになり、自分から種を出しつくして天国を渇望するだろう。だから僕は寝ていてまでも戦わなければならないのだ。

 《副作用》はそれだけではない。バリアが薄くなった分だけ、僕の感度も守られなくなりつつある。以前に比べて、女性の体のあちこちに強い魅力を感じるし、勃起もしやすくなっている。全身がかすかにくすぐったく、性感神経も敏感になっている。精子の生産もピッチを上げ、それだけイキやすくなってしまっている。

 魔性の力はもっと強烈だから、これでもまだ守られてはいるのだろうけれども、以前よりもずっと感じやすくなっていることは確かだ。したがってそれだけ、戦闘が不利になっているということになる。

 弱体化すればそれだけ射精しやすくなるのだから、いっそう種が蒔かれやすくなるだろう。ただ、有利な面もある。不本意ではあるが、戦闘中に肉体的なピンチに陥りやすくなるのだ。だから、《指の力》を早期に発動できることになる。解禁になり次第反撃に出れば、大逆転も夢じゃない。経験も浅い僕がセックスバトルでカリギューラの息のかかった娘を相手に勝てる見込みは、はじめからない。だから指の力さえ発動してしまえば勝てる。リスクも高いが、今のところカリギューラに勝つ方法はこれしかない。

 あとは、淫夢も含めて、僕の精神力、耐久力が勝負どころだ。できるだけ快感に耐え、射精をしないようにし、夢の快楽に屈せず気をしっかり持つしかない。特に夢の中ではポッティのアドバイスもないからな。しっかりしないと。

 あっという間に放課後になった。生徒たちは我先にと帰って行く。学校に残るとかクラブとか、そういう発想がなくなっている。これもカリギューラの…いや、種を蒔いた僕の影響なのだろう。

 下校風景が以前とまったく違うのだ。帰るにしたって同性で帰るのが普通で、男女で帰ろうものなら即座に冷やかされた。が、今や一人で帰る子がほとんどいないのだ。学校の指示もないのに、全員が一斉に帰ろうとするから、校庭はすぐに子供たちであふれかえる。そのすべてが男女入り混じりなのだ。よく見ると、女の子たちが男子を誘って一緒に帰っているみたいだ。男子もそれを拒否することなく、ごく普通のことであるかのように受け入れ、一緒に帰っている。男女が急に親密になり始めている。

 ほどなくして、学校が静かになった。子供たちが帰ってしまったのだ。

 「いかんな。風俗が乱れ始めている。」「ポッティ…これも僕のせいなの?」「それは違う。このように仕組んだのはあくまでカリギューラ。奴のこれ以上の暴走はどうしても食い止めなければならんのだ。さもないと…」「…。」「おっと、すまない。重ねて言うが、君のせいではない。それを踏まえて話すが、見てのとおり確実に世界が影響を受け始めている。」「うん。」「さらにエスカレートすれば、君の身の回りからどんどん乱れていくことになる。近しい人間が奔放になり、それがだんだん周囲に広がって、ついには全世界を飲み込んでしまうだろう。もちろん、世界の変わり方はもっと劇的だ。人間の世界の仕組みが徐々に変化しているが、ある一線を越えてしまえば一気に《変革》が完了してしまう。その一線こそ、君が種を出しつくしたときなのだ。それだけは絶対に避けたい。」「うん、僕がんばるよ!」

 「…何をがんばるの?」「!!」全員帰ったと思っていたが、教室に女の子が入ってきた。「あ…三浦さん…」入ってきたのは、クラスメートの三浦幸子だ。いつもはおとなしい、目立たない感じのめがね娘だ。

 しかし、入ってきたのは、細くしなやかな生足を露出させた三浦の姿だった。上着は堅い制服のような感じの紺色の服で、普段のまじめさをまだ残している。だが、下半身は明らかにきわどいビキニ水着のパンツ部分だった。彼女は昼間はスカートをはいていたはずだ。でも今は、その紺色のスカートを脱ぎ捨て、僕の前にあられもない姿で登場したのだった。上が堅苦しい普段通りの服だけに、露出された足はほかの女の子以上にいやらしい感じだった。

 「…妙だ、カリギューラの気配がしない。」「…!」三浦さんがこの格好なのはたしかにカリギューラの影響だが、彼女がここに登場したのはカリギューラによるものではない。つまり、僕と二人っきりの教室に入ってきたのも、放課後になってスカートを脱ぎ捨てたのも、彼女自身の意志と言うことになる。いつも以上に大胆になっているのは世界変革の影響だろうけれども、夢幻時空に飲み込まれるでもなく二人きりになったのは、あくまで三浦さんが望んでしていることだというのか。

 「佐伯君…」「な、なに…? 三浦さん…」「私…その…ずっとまえから…」「えっ…」

 三浦さんは顔を真っ赤にしながらじりじりと僕に近づいてくる。ま、まさか…

 「間違いない、彼女、君に愛の告白をするつもりだ。」「…。」「勘違いはするな。これはカリギューラとはひとまず関係ない。気づいていなかったのかね? 彼女はずっと君を気にしていた。高野から、私の体の元となったハンカチをもらったときの、彼女の視線を。ずっと彼女は君への思いを強めていたんだ。」

 「佐伯君、私、ずっとあなたのことが好きでした。その…わ、私とつきあってくれませんかっ!?」「ぅ…」三浦さんは勇気を振り絞って覚悟を決め、僕をまっすぐ見据えている。彼女はもう、僕の目の前まで迫ってきていた。

 「…本来なら、人の恋愛ごとに口を出すべきではない。だが、翔君、君を好いているのは彼女だけではない。高野も含めて複数はいる。私のバリアで抑えてはいるものの、多少は君から《異性に好かれやすい雰囲気》がにじみ出ているのだ。それが君がモテるカラクリだ。つまり、間接的にこのことはカリギューラの影響でもあるんだ。」「…。」

 「しかし…それだけではない。特に高野とこの三浦の二人は、そういうフェロモンが仮になかったとしても、多少君を気にし続けただろうな。だから、本来君のような男が好みである二人の娘が、カリギューラの影響で決定的に君に恋しているということになる。」

 「さらに。三浦については、ここ数日の世界変革の影響で、ずいぶん大胆になっている。おとなしい性格だが、相当芯は強い娘だ。本来なら彼女の方から告白なんて絶対無理な話だったのだが、カリギューラの影響でここまで大胆になっている。告白に際して自分の女としての魅力を発揮しようとスカートまで脱ぎ、勇気のいる告白を短時間で口に出してしまったのだからな。もっとも、根が恥ずかしがり屋なのだろう、パンティの上に水着を着けて一応の恥じらいも示しておる。」

 「佐伯君、高野さんと、本当に仲がいいのはわかってます。私なんか…でも、私の気持ちにも気づいてほしいんです。」「あ、いや、高野さんとは別に…」僕も顔を真っ赤にしながら後ずさった。三浦さんに告白されて驚き、気恥ずかしくなったのと、あのときの戦いを思い出してしまったからだ。股間がくすぐったく疼き、固い半ズボンを硬直させる。勃起が目立ちにくくても、よく見たらばれてしまいそうだ。かといって急いで前を隠したりすれば三浦さんに不審がられてしまう。いったいどうすれば…

 「今のところ直接の影響はないが、今説明したとおり、間接的にカリギューラの影響を受けて、三浦さんは君に急接近した。彼女の気持ちそのものは本物であり、不器用だが真心だ。だから翔君、はカリギューラのことは関係なく、意味の素直な気持ちで、そして誠意を持ってこたえなければならない。男として、人として、そうしなければならぬのだ。わかるね?」僕は大きくうなずき、覚悟を決めた。

 「三浦さん、ごめん…僕、今は誰かとつきあうとか、そういう気持ちにはなれないんだ。高野とも何もないよ。…ごめんなさい…」

 「あ…、う、ううん、いいんです…その、佐伯君の気持ちが、正直な気持ちが聞けただけで、私、うれしいです。」三浦さんが初めて僕から目をそらし、少し視線を落とした。口だけが笑っている。

 「…それが君の気持ちか、翔君。」「…。」「そうか…。」たしかに、あれだけのみだらな戦闘をしてしまっては、誰かと純粋につきあう資格はない。でも、ポッティの言うとおり、カリギューラのことを抜きにすれば、戦闘のことも抜きにすれば、三浦さんや他の人の気持ちにこたえることもできるかも知れない。それでも…やっぱり僕は、今誰かとつきあう気にはなれない。ごく普通の生徒だったとしても、きっと同じ選択をしていただろう。相手が誰であっても、三浦さんほどの子でも。

 「でも…もっとお友達になっても、いいですよね?」「う、うん、もちろんだよ!」「ありがとう…《翔君》。」初めて三浦さんが名前の方で呼んでくれた。もっと近しい友達になったと言うことだろう。「じゃあ、握手してください。」「えっ…」「このままきらいになんかならないって、約束です。」「わ、わかった。」

 彼女が手をさしのべる。うつむいたまま、小さな手が差し出されていた。僕は彼女の方に身を寄せ、その手を握ろうとした。その瞬間…

 ふわっ! 「あっ!!」

 三浦さんは突然僕に突進してきて、胸元にしなだれかかってきた。そのまま背中に手を回し、僕をぎゅっと抱きしめてくる。「ごめんね…翔君…断られたのに、私、いけない子だよね…」「みうら…幸子ちゃん!」

 萎えかけたペニスが激しく反応した。女の子の柔らかさを全身に受けただけでこんなにも激しく欲情してしまう。それだけではない。彼女の足が僕の足にすべすべと絡みつき、押しつけこすりつけられた肌触りで、あまりの心地よさに全身の力が一気に抜けたのだった。まずい、硬い布地越しとはいっても、股間のふくらみは一気に彼女に伝わってしまう。

 細い足が股間を撫で上げた一瞬、彼女の体がこわばった。しまった、さすがに幻滅されたか。

 「き、気をつけろ翔君! 急にカリギューラの気配が強くなった。」「なっ!」次に体をこわばらせたのは僕の方だった。

 ドオオオオオン!! 一瞬で周囲がセピア色になる。そして空気が一瞬で淫気化した。間違いない、これは夢幻時空! それなら、まさか、今度の相手はこの三浦さんなのか!

 「おのれカリギューラめ、少女の純愛まで利用しようというのか。」ポッティが憤った。三浦さんの色は変わっていない。相変わらず僕を抱きしめたまま生足を動かし、僕の両足の感触をむさぼっている。その顔は真っ赤なままだが、僕の胸に埋められていて表情は読めない。

 「それは誤解だわ。」カツカツとハイヒールの音を響かせ、一人の女性が教室に入ってきた。「ふふふ…そろそろコドモじゃあなくて、本物の大人の女の膣で昇天させてあげようと、カリギューラさまがこの私を選んでくださったのです。」「せ、…せん、せい…!?」

 間違いない、入ってきたのは僕の担任の先生だ。一条かおり。まだ20代のようだが、とかく男に縁がなく、見合いが失敗した次の日の授業は僕たちに当たり散らかすけれども、普段はとても優しくて頼りになる先生だ。別に不美人というわけではない…それどころか、スタイルもよく顔立ちも整っていて、標準以上の魅力はあるだろう。性格も悪いわけではなく、とても優しいいい先生だ。ただ、少しお堅い所があって、趣味が源氏物語の原文をラテン語に訳すことだとか。それだけなのだから、どうして男運がないのか不思議なくらいだった。

 「そういう趣味なら、まぁ結婚は無理だろう。」「ちょ、ポッティ!」

 かおり先生の格好もとても大胆だ。普段のスーツ姿からは想像もつかない。ボタンを外したYシャツに白いパンティ姿。ノーブラで小降りの乳房が露出されている。

 「本当なら私一人でキミの精を根こそぎ奪うつもりだったんだけどね。まぁいいわ。三浦さん、あなた、佐伯君のこと好きなの?」「はい、せんせい…とても…」「何もかも捧げたい?」「はい…よろこんで…」「ちょっ、三浦さん、しっかりするんだ!」「だめ…かけるくん…なまえでよんで…さちこってよんで…さっきみたいに…」恍惚とした表情を浮かべ、僕を抱きしめたまま三浦さんがうつろな目で僕を見据える。さっきまでの勇気を振り絞った三浦さんとは明らかに違う、肉体を性欲に支配された凄艶な情念が、表情にありありとにじみ出ていた。

 「仕方ないわね。いいわ、佐伯君の《初めて》はあなたにあげるわ。…服を脱いで。」「はい、先生。」三浦さんは僕から離れた。そして自分で上着のボタンに手をかけ、ゆっくり服を脱いでいった。

 「仕方ない。翔君。もうこの二人は夢幻時空の住人だ。ほぼ完全にカリギューラに操られている。こうなっては、彼女たちを倒さないかぎり脱出は不可能だ。戦うしかない。」「そうするしか…ないのか…」

 「先手必勝!」「うわあっ!」かおり先生が飛びかかってきた! 僕よりも背が高い大人の女性にはかなわず、僕はバランスを失って尻餅をついてしまった。そのまま抱きすくめられてしまうのか。

 しかしかおり先生は、不用心に僕にしがみついてはこなかった。両足を広げてM字に投げ出しながら尻餅をついている僕の前にひざまずき、上体を前に倒した。

 「ふふふ。知ってるわよ、あなたの全身は女の性感帯を刺激する武器だってね。触っただけで神経が刺激され、激しく感じたり女としての安らぎを得たりする。そんな相手に密着なんかしない。肌が触れる面積をおさえて快感だけを与えてあげる。それが大人のレディのやり方よ!」

 かおり先生は両手指先で、僕の内股付け根周辺をサワサワとくすぐりながら、ゆっくりと股間に顔を近づけていった。「あふ…!」ただでさえくすぐったい部分がしなやかな指先でもてあそばれているのに、性感神経が敏感になっているうえ、先生の舌が僕の股間を転がし、ふくらみ全体をまんべんなく舐め回しているのだ。悩ましい声を上げずにはいられなかった。

 厚い生地に守られているといっても、股間全体に広がるくすぐったさを止めるには至らなかった。長めの舌が惜しげもなく、棒も玉袋も関係なくふくらんだところを這い回っている。同時に吸い付くような指先が内股の敏感なところを的確にくすぐり、さすり、滑っていく。先生は顔を大きく動かしながら、激しく半ズボンを舐めまくった。あっという間にズボンは彼女の唾液で濡れてしまった。かおり先生が柔らかいほっぺも押しつけながら舌を動かし続けたので、勃起のふくらみが徐々にくっきりと形になって表れる。

 「ふふっ、棒の形がはっきりしてきたね。」「先生、やめて…」「だめよ、こんなカワイイおチンチン、イかせずにほっておく手はないわ。」かおり先生はふくらんだ棒部分を両手で丁寧に撫でさすってきた。

 「ああっ!」股間のくすぐったさが激しくなる。先生の右手指先が先っぽに集中し、左手が付け根や玉袋の部分を優しく這い回る。性感神経が敏感になってから、初めて触られた女の人の感触に、僕は思った以上の快感ダメージを受けた。

 ペニスを女手で触られたのは初めてではない。高野の指先もしなやかで柔らかかった。しかし、大人の女性のそれは、高野とは比べものにならないくらいスベスベで柔らかく、それでいて器用に絶妙に動き回るのだった。その上、僕の体は性的な刺激に極端に敏感になってしまっている。こんな状態で直接触れられたらいったいどうなってしまうのだろう。

 「ほらほら。とっとと出しなさい!」先生の口調がやや厳しくなったかと思うと、右手が先っぽ部分を素早くこすりあげた!「ひゃあっ!」股間を覆っていたくすぐったさが全身に広がった次の瞬間、強い射精感がこみ上げてきた。

 びゅくっ! 僕はズボンをはいたまま先生の手でイかされてしまった。「ふふっ、染みこんできたね。」股間の大半がぐっしょり濡れている。外側からは先生の唾液が、内側からは僕の精液が、ズボンを濡らしているのだ。

 「さあ、レベルを上げていくわよ!」「だめっ、せんせえ…」「おとなしくしなさいっ!」かおり先生はあっという間に半ズボンのボタンを外し、慣れた手つきでズボンをおろしてしまった。

 「くすくす…パンツもぐっしょりだね。」ブリーフはまだテントを張っている。しかもさっきよりもずっと生地が薄く、ふくらんだペニスの形状がはっきりとわかる。

 先生は再び股間に顔を埋めた。そしてブリーフごとペニスの隆起を右手で握りしめ、先っぽをぷるんとした口の中に飲み込んでしまった。

 「うああ!」亀頭に舌が這い回る! ブリーフ越しではあるが、ぬめる舌先の動きが敏感に伝わってくる。ぐりぐりと力を込めて、ゆっくりと舌で亀頭をなで回してきた。

 「すごいでしょう。パンフェラって言うのよ。」再びかおり先生がブリーフごとペニスを口に含む。今度は手を離し、ゆっくり唇でしごき始めた。

 舌が変幻自在に動き、先っぽから根本までをまんべんなく舐め回す。彼女の唇がほどよい締まりで棒をしごきながら、首の動きが徐々に早まっていった。

 「やっ、先生、やめて、だめえ!」僕は必死で抵抗しようとしたが、快感で体の力が抜け、起き上がることもできない。しかも先生はますますぐいぐい顔を押しつけてきて、その両手も僕の細い足をがっしり掴みながら開脚を押し広げて固定している。深く深く顔が股間に食い込み、激しく首が動いている。その動きがリズミカルに、そしてスピードも最高潮に増していって、あとは舌を素早くうねらせながらしごき続けるだけであった。

 ぢゅうう…先生が強く吸引すると、僕はガマンの限界に達した。あっという間に僕は二度目の射精をさせられた。

 精液はブリーフを通り抜けて先生の口に吸い出されていく。

 「先生…準備できました。」「…わかったわ。」先生が口を離すと、僕の手を乱暴に掴んで持ち上げ、むりやり立たせた。もう片方の手で巧みにブリーフを脱がせることも忘れない。全身の毛穴が女体の性感神経を刺激するので、上着はあえて脱がされなかった。

 「さあ、特別授業の続きよ。三浦さん、そこの机に座って。足も開いてね。」「はい、先生…」三浦さんは言われたとおり机に座り、僕に向けて足を広げた。彼女はすでに全裸になっており、ツルツルのオンナも丸見えになっている。

 「まずは濡らさないとね。佐伯君、彼女の前にきなさい。」「くっ…」「先生の言うことを聞きなさい!」怒ったときの激しい調子で命じられ、一瞬体がこわばる。いつもの怒られたときの癖で、そんな反応を示してしまうのだ。が、それも先生の計算のうちだった。

 ひるんだ僕をかおり先生は後ろから押し、むりやり三浦さんの前に動かした。「今よ!」

 がしい! 彼女の両足が僕の腰を捉えた。細いふくらはぎが僕のお尻に回る。彼女がぐいっと足を引き寄せると、僕の体は勢いで彼女の方に吸い寄せられてしまう。

 「キミの特殊能力を利用させてもらうわ。」「ああっ…! 翔君の体…あつい…!」「うっく!?」

 僕の腰の周りに三浦さんの肉体が絡みつく。彼女は机の上に尻餅をついて座った状態で、僕の腰を両足で挟み込んでぴったり抱き寄せてしまったのだ。僕を抱き寄せた彼女は、しっかりと僕を吸い寄せたまま、ゆっくりと仰向けに倒れた。先生がいつの間にか並べておいた机に十分に寝そべり、三浦さんは妖しく腰をくねらせ始めた。

 ペニスが反り返ったまま彼女と密着している。ちょうどツルツルのワレメのあいだにホットドッグのように挟み込まれる形で固定されている。すべすべの肌がペニスの周辺に密着し、もちもちと吸い付きながらこすれていった。彼女の生足も僕の腰回りに巻きつかれており、その柔らかさとなまめかしさを存分に伝えている。

 そんな肌触りとはひと味違った、オンナ表面の吸い付く感触がペニスを悦ばせる。カリの敏感なところがしっとりしたピンクの部分に押しつけられ、小刻みにこすられている。それでいて周辺には、盛り上がったワレメがしっかりと包み込み、今にも飲み込まれてしまいそうだった。

 三浦さんは腰をいやらしく上下左右させ、全身をくねらせている。そのつど同級生のシコシコした肌の感触が僕の腰にまとわりつき、滑り抜いていく。そしてペニスはますますオンナ表面でこすられしごかれ続けているのだ。

 変化はすぐに訪れた。ペニスにがっちり食い込んでいるワレメがしっとりにじんできたのだ。ぬるぬるした感触がペニスに絡みつき、ますます滑りがよくなると、ペニスはますます気持ちよくしごかれまくるのだった。

 三浦さんの方も相当に感じている。僕の体に触れた女性は、僕の毛穴から放出されるパワーによって、触れた部位の性感神経が刺激され、性感ダメージを受けるようになっているからだ。しかも敏感な性器部分がじかに僕の肉体に触れているため、女体が受ける快感も倍増している。これまで性的なことはほとんど知らなかったであろう、まじめ一貫の彼女にとって、そのとろけるような感覚は耐え難いものに違いない。

 三浦さんは自分の胸を両手ですべすべとさすりあげながら、体をくねらせて悦んでいる。少しだけふくらみかけの華奢な体が、机の上で荒い息を繰り返して半ば悶絶している状態だ。その結果、どんどんオンナから粘液が滴り、ペニスへの快感を高めているのだった。

 「ふふっ。十分濡れたみたいね。そろそろ入れても大丈夫かしら。」かおり先生がのぞき込む。「えっ、い、入れるって…?」性器結合のことは知識としては何となくわかっていたが、具体的にどうするのかまでは知らなかった。ポッティももちろん具体的に教えてくれたわけではない。

 「でもその前に、一回出しておきましょうね。」かおり先生は僕の後ろに回り込んだ。しゃがみ込んだ先生は、身動きがとれない僕の臀部の肉を左右にかき分けた。「え…先生、何を…!?」

 ぐりゅりゅ! 「あひ!」突然お尻にくすぐったい感触が走った。柔らかいものがお尻の穴周辺を蠕動している! お尻の付け根に先生の暖かい息がかかっている。後ろを見てみると、先生が僕のお尻を舐め回しているのが見えた。

 三浦さんが小刻みに腰を上下に動かしてきた。カリがぬるぬるの表面で激しくしごかれる。同時にゆっくりと蠢いていた先生の舌がいきなりスピードを増した!

 いきなり体の奥からくすぐったいものがこみ上げてきた。何も考えられなくなる。次の瞬間、ペニスからいやらしい白濁液が飛び出した。僕は三浦さんのツルツルのアソコをじかにこすりつけられ、さらに大人の女性の舌先にアナルをかき回されて射精してしまった。

 「さあ、宴はこれからよ。佐伯君、先生が大人の快楽を特別に教えてあげる。ふふふ…」前後から甘い香りが強く漂ってきた。異世界で発情した雌の強烈な淫気だった。

 これまでガードされてきたために気づくことがなかったが、この淫気はあまりにも危険だった。出したばかりのペニスが急に元気を取り戻し、全身がくすぐったく疼いている。明らかに性欲が体内で暴走している。急ピッチで精子が生産され、四六時中出したくてたまらない状態になっているのだ。そこへ淫気あふれるなまめかしい女性に刺激されれば、すぐにイッてしまうのも明白だった。

 「いい? オチンチンはおマンコに入れるものなの。そこで精子を出せば女性は妊娠する。」そこまでは知識がある。「やってみれば一番手っ取り早い。…こうするのよ。」

 先生は後ろからペニスを柔らかい手で掴んだ。根本をしっかりおさえ、肉棒の堅さを保ったまま、これまで水平に挟み込まれていたペニスをオンナに対して垂直に傾ける。そのままかおり先生は僕のお尻を後ろから大きな太ももで強く押しつけてきた。

 亀頭がオンナ表面に押しつけられる。「!!」不思議なことが起こった。三浦さんのアソコが赤みを増し、亀頭を文字どおり飲み込み始めたのだ。それまで閉じられていたと思っていた表面の赤い部分は、ペニスによってこじ開けられ、そこから大量の体液がこぼれてくのだった。

 ペニスがどんどんオンナに飲み込まれていく。いったいどこまで入ってしまうのだろう。「クスクス。根本まで入るわよ。よく見ててごらん?」

 ぐにゅう。「やあっ!」「ああっ!」僕たちは悩ましい声を同時に上げた。ペニス先端から根本までをしっかりと覆う美浦さんの性器はとても熱く、にゅるにゅるで、非常に狭かった。その柔らかい圧迫は、僕の思考を一瞬で奪い去ってしまった。

 ペニスが急に脈打つ。作られたばかりの精子が種とともに彼女の中で爆発した。波のように押し寄せる快感が全身をつき抜けている。「ふふっ、入れた瞬間イッちゃったわね。おマンコの感触、そんなによかったの?」「うぅっ…」「初めてなら仕方ないわね。毎日こういう絶妙な筒でしごかれて、おチンチンを強くするのが、大人の階段よ。」

 これが…これがセックスというものなのか。セックスの本番というわけか。なんて心地いいんだ。ただ快感というだけではない。性感神経の刺激というだけなら、これまでの戦いでも十分味わってきた。しかし、今度のは明らかに違う。結合していると、彼女に全部が包まれてしまっているみたいな、理由のわからない安心感に飲み込まれてしまう。それで気持ちがゆるんだところに、四方八方からぬめぬめした肉のかたまりが股間に押し寄せてきて、ぎゅううっと締めつけてくる。あっという間に高められ、精子を放出してしまうのだ。

 あとは知識のとおり。さらに奥に子宮があり、そこで卵子と精子が結びついて着床すれば、子宮内で「子供」が育つんだ。だが…世界変革の種でもある僕の精子は、決して美浦さんを妊娠させることがない。世界空間内に溶け込んでいって、この世をカリギューラ寄りに導いていくだけなのだ。

 「ぽ、ポッティ…こんなの耐えられない! どうしたらいいんだ。」「翔君、耐えるしかない。」「そんな…これを打開する力を僕にくれないの?」「だめだ、これ以上危険な攻撃力を君に付与するわけにはいかないし、第一これ以上弱体化したらますます耐えきれなくなる。」

 たしかに、三浦さんの筒の感触というだけではない。こっちも相当に感じやすくなっており、そこに初めての挿入の刺激が加わったのだから、あっという間に高められるのも仕方のないことだった。夢幻時空内に充満する淫気は、僕の精神と性欲をかき回し、いくら出してもすぐに性欲の虜となってしまうのだった。事実、三浦さんの中で射精したにもかかわらず、全身のくすぐったい疼きとペニスの膨張はとどまるところを知らず、それどころかますます強まっていく一方なのだ。

 「翔君。大切なことを言っておく。セックスは記号だ。動物の交尾は発情期などに代表されるように、繁殖の時期が決まっていることが多い。その本能的な信号にしたがって、生物は交尾活動を行う。人間も生物であり、性的なものというのはその信号にしたがって行われるものなのだ。人間にとっての信号、それは、性的なものに対する価値観に左右され、対象に性的な記号を認めたときに欲情することになる。考えてみたまえ、眠くて眠くて仕方のないときに女性器の写真を見ても、裸の女性の画像を見ても、眠ることを優先させるだろう。裸を見たから欲情するのではない。見て、その対象に性的な魅力や《意味》を感じるから欲情するのだ。つまり、対象に内在される性的な記号を読み取ったとき、男も女も発情するのだ。極端な例で言えば、異性の下着だけに欲情する者や、耳や髪の中に性的な記号を読み取って興奮する場合だってあるんだ。発情はあくまで、自分自身が主体である。自分の思考一つで欲情したりしなかったりするのが本質である。なぜなら、対象の中に性的なものを感じ取るのはあくまで自分自身だからだ。だから、性欲に支配されず、それをコントロールすることが大切なのだ。安易に相手の中に性的な意味を読み取らず、性的な刺激に対しても安易にそれがセックスの快感と結びついていると考えるべきでもない。すべては自分の意思次第である。肉体の能力の問題ではない。あくまで精神力が大切なのだ。主人公は君だ!」

 「ふん。そんな難しいことを長ったらしく言ったってどうせわかんないわよ。そんなことよりも、シンプルに気持ちいいかそうでないか、それだけでいい。気持ちのいいことを求めるのもまた生物の本能だろう? 余計なことはいらない。気持ちのいいことが永続する世界が一番だ。それがカリギューラさまの理想郷!」

 「ちがう! 快楽一辺倒などありえない! あるとしたら、それは人間から主体性を奪い、より大きなものから強制的に《与えられる》場合に限られる。カリギューラがしているのはそういう強制でしかない。なぜ快楽以外を選んではいけないのだ。自由はたしかに刑罰に近いのかも知れない。だが、私が世界に秩序を求めたのは、人間の自由意志によって主体的に生きてほしかったからなのだよ!」

 「…その結果、この世界が地獄になった。幸福はごく一部の者に限られ、残りは犠牲になるために生まれてきた。違うか?」「…。」「もういい。そんな話をしにきたのではない、とカリギューラさまは思し召しだ。試せばよいではないか。人間が何を望んでいるのか。この男が種を蒔ききれば、お前の言う目先の快楽を人間が選んだことになる。だが、精神力次第でどうにでもなるっていうのなら、そうしてみなさいよ。」

 先生が再び僕の後ろに張りついた。「さあ、セックスが気持ちいいのはここからよ。腰を動かして、おチンチンを出し入れしてごらん?」そう言ってかおり先生は自分の両足を僕のお尻に絡め、リズミカルに前後させてきた。大人の女性の手が僕のおなかに回り、腰をリズミカルに引っ張る。すると後ろから押されて僕の腰が前に突き出され、次の瞬間先生の手が僕の腰を強く引く格好になる。

 「ひゃああ!」ペニスが筒でしごかれた。オンナ内部が棒にしっかり絡みつきながら、粘液でぬとぬとと滑り、あまりにもスムーズに出し入れされる。締めつけが強くなり、軟らかい肉で全体が激しくしごかれている。同時に三浦さんの方も、ゆっくり妖しく腰をくねらせ、上下左右に持ち上げたり振ったりしている。真っ赤に上気したいやらしい顔が僕を見据えている。快楽と、僕とつながった女の悦びで、その瞳は潤んでいた。

 「だめっ! また…」僕は自分の腰を止めようと踏ん張ったが、もはや前後の動きを止めることは不可能だった。先生のふとももがぐいっと強く押されると、どうがんばってもペニスが三浦さんの奥まで突き出されてしまうし、そこでペニスが強く包まれる安心感と、くねる腰つきでグニャグニャと翻弄される動きに悶絶してしまう。さらに僕の腰は強制的に後ろに引かれ、再びペニスは先端を残して外に出される。そしてまたもやペニスは奥へと飲み込まれていくのだ。そのくり返しだった。リズミカルに。

 またもや僕は射精してしまう。それでも女生徒と先生の動きは止まらなかった。それどころかますますエスカレートしていく。

 今度は先生がしゃがみ込んで、両手で僕の腰をがっしり掴むと、さっきよりも激しいスピードと勢いで自在に僕の腰を揺り動かし始めた。「ああっ!」「どう? この動き、すっごく気持ちいいでしょう?」

 ただ素早く出し入れされるだけではなかった。絶妙なタイミングで先生の手の力加減が変わり、右寄りだったり左寄りだったり、ナナメに腰が突き出される。オンナ内部をかき回すように上下左右、変幻自在に腰が出し入れされる。そのひねりの加わった腰の動きは、三浦さんを感じさせすぎないように調節されながらも僕が受ける快感を最大にした。先生の手がぶるぶると震えると、僕の腰にもビブラートがかかり、三浦さんのオンナが波打つようにバイブするのだ。あっという間に高められ、何度目だかもわからない射精をしてしまう。

 「はあっ、はあっ…」こんなにも出しているのに、まだまだ衰えを感じさせない。むしろますます精子を出しやすくなっている。この異世界はそういう世界でもあるが、僕の方もどんどん改造され、セックスが頭から離れなくなっているのだ。

 「ふふっ、そろそろ私も楽しもうかしら。三浦さんは回復のために少し休んでいなさい。」「はぁん…わかりまし…せんせ…い…」三浦さんの方も興奮でほとんど上の空だった。

 「さあ、ここに座りなさい。」僕は椅子に強制的に座らされた。「佐伯君、同級生の青いおマンコとはひと味もふた味も違う、大人の女の熟練の技と感触をたっぷり味わってもらうわ。根こそぎ搾り取ってあげる。覚悟してね。」

 かおり先生は僕の上にまたがった。裸で座っている僕の上に、全裸の美女が座っている。体重を感じさせないように、両足を床につけたまま、先生はペニスを掴んで自分のオンナにあてがい、深く腰を落としていった。

 ぎゅうう! 「ああ!」入れた瞬間、また爆発してしまう。毛の生えたレディの感触は、三浦さんのとは明らかに違っていた。先生の乳房がちょうど僕の顔の前にきている。僕はその豊かな肉体に抱きしめられたまま、文字どおり全身を包まれてイッてしまった。

 強い締めつけと快感、そして結合している安心感は、三浦さんと同様だ。が、度合いが全然違っていた。棒全体に一様に締まるのではなく、特に感じやすいところにヒダが絡みつくような締まり方だった。内部の肉もあちこちに突起が無数にあり、自動的に蠢きながら敏感なところを集中的に刺激しながら強く締めている。根本まで飲み込んでいるのに、まだまだ半分以上先まで奥行きを感じさせるような作りになっている。先生の呼吸に合わせて筒が変幻自在に蠕動し、動かなくてもペニスを悦ばせている。

 「揉んであげるね。」先生はいきなり腰を前後に激しく動かしてきた! 蠕動と締まりがますます激しくなり、柔らかい筒がペニス全体を乱暴に揉みしだいている。小刻みな動きから大きな前後運動までランダムに腰が動き、ペニスをありとあらゆる刺激にさらしている。ときおり左右にひねったり大きくグラインドさせたりして、快感をますます強めていった。「いやああ!」僕は悶絶させられたままかおり先生の中に大量の精液を放出した。

 「まだまだこんなものでは済まさないわよ!」今度は全身を激しく上下させ始めた。ペニスが熟練のオンナでしごかれると、カリに集まったヒダが全体に絡みつくようになり、あちこちを刺激しながら棒全体を強く素早くしごきあげてくる。先生のおなかもおっぱいも、僕の全身にこすりつけられ、大人の女性のしなやかな肌触りもいやがおうにもこすりつけられる。僕は全身をかおり先生にしごかれたまま種を奪われてしまった。

 「翔君…好き…」三浦さんも攻撃に加わる。彼女は僕の後ろに割り込んで腰掛け、全身を密着させてきた。彼女は背もたれと僕の体のあいだの、狭い場所に陣取り、前からは先生がぐいぐい押してくるし、僕は二人に前後挟まれる格好になった。三浦さんは後ろから上半身を押しつけゆっくりこすってきた。背中にもち肌が密着して心地よく、かおり先生のオンナによる快感も倍増した。前後から女性が上下運動をし、二人がかりで僕の上半身をしごきあげながら、ペニスはしっかりと大人の筒で素早くしごかれている。先生の片手が後ろに回ると、僕の玉袋がまさぐられ、揉まれ、くすぐられた。そのくすぐったい感触に耐えきれるはずもなく、僕は二人に挟まれたまま精液を放出する。

 「ほらほら! こんなのはどお!?」かおり先生は上半身を僕から離し、手を後ろの机についた。椅子に座っている僕に対して身体を斜めに倒した格好だ。上半身をのけぞらせながら、かおり先生は腰だけをものすごい勢いで振り始めた。前後左右上下、あちこちに猛スピードで大きく動く大人の腰が、ペニスを激しく翻弄しながらさっきよりも心地よくしごき続けている。巧みな腰使いは僕の思考を徹底的に奪い去った。「早く出しなさいよ!」先生は両足でバランスをとりながら手を前にもってきて、しなやかな両手指先で、僕の乳首と周辺を素早くくすぐってきた。こちょこちょと這い回る細い素早い指先は、僕の感度を数倍に押し上げる。「あひぃ!」僕は甲高い悲鳴とともにまたもや先生に精を抜き取られた。

 ああっ、意識がもうろうとしてくる。このまま同級生のオンナと20代の美女のオンナに代わる代わる犯され、強烈すぎる快楽の中で出しつくしてしまうのか。これまでの戦いとは明らかに戦況も違っている。こっちの弱体化というだけでなく、最大の武器である女性器を用いて攻撃してきたのだ…それもいきなり二人がかりで。勝てるはずもなかった。

 ぱっと僕の身体が光った。汗まみれの先生の身体がてかてかと反射した。身体の内部に新たなる力がわき上がり、快感にもうろうとしていた意識がはっきりしてくる。モヤがかかっていた意識が、すっきりしてくるのを感じた。快感は相変わらず続いているが、不思議と冷静さを取り戻していった。この兆候は…間違いない、ピンチになったときだけに発動する、強烈な神の力、ポッティの与えた、指先で突くだけで相手を倒せる最終兵器だ。

 突然先生が離れた。素早く立ち上がると、突然彼女は僕の両手手首を後ろからがっしり掴み、強制的に立たせた。大人の力にはかなわなかったし、快感でとろけていた肉体が機敏に動けるはずもなく、僕は先生の意志のままに手首を掴まれ、立ち上がらされたのだった。

 先生が僕の手首を強い力で握りしめたまま、ぐいっと上に上げ続けている。僕はバンザイの格好をさせられたまま立たされ、またもや身動きがとれなくなった。

 「ふん。前回の戦いで坂田さんたちを倒した必殺技、発動したみたいね。」「し、しまっ…」「指で突くだけであっという間に女を絶頂に導く魔性のフィンガー。その対策をカリギューラさまがまったくせずに、のこのこ戦いを挑むと思っていたのか? ホントに甘いわね。」「くっ、離せ…」「フフ。手の指にしかこの力は宿っていない。だからそこを押さえてしまえば、魔性のフィンガーも恐れるに足りない。むしろこの技が発動したということは、もうすぐ種を出し切ってしまう、キミにとってピンチという何よりの証拠。あと一歩ね。」

 先生が僕の手首を持ち上げて固定し、真後ろに張りついている。だから彼女のオンナが攻撃を仕掛けるのは不可能。しかし…三浦さんが残っていた。「いい? 絶対にこの子に体を突かせてはだめよ。私が押さえているけど、安心はせず、この子の指に注意を払ってじっくり搾り取るのよ!」「はい…せんせい…」

 三浦さんが近づいてくる。「まずいぞ翔君。指を封じられては敵を倒すことができない。何とか脱出するんだ!」しかし、かおり先生は大人の力で僕の手首を固定し、暴れても絶対に離してくれなかった。手を持ち上げられたまま立たされ、僕は自分が絶体絶命の状況にいることを思い知らされた。

 「翔君…好き……」三浦さんがとろんとした目で近づいてくる。僕は半ばつり上げられている状態で、かおり先生に腕を持ち上げられ、身動きがとれないでいる。これでは指のパワーも使えず、逃げることもかなわず、防御の姿勢さえとれない。

 潤んだ瞳で僕を見つめながら、三浦さんはしとやかに僕の前でひざまづいた。その視線がゆっくりと僕の華奢な股間におろされると、恥ずかしがり屋の目つきは一気に妖しい色香を帯びるのだった。

 くちゅ…「ん…」

 「ふあっ、やめ…」三浦さんはペニスを片手でつかむと、その先端をいきなり口に含んだ。そしてペニスの先端を舌先で転がし始めた。そのとたんに股間にくすぐったさが広がり、やがて性的な快感に変わるまでほとんど時間がかからなかった。

 三浦さんの舌先は丹念に先端をこねくり回しながら、亀頭全体をまんべんなく刺激する。その柔らかい突起はぬめりを帯び、スムーズに滑りながら敏感なところを的確に攻撃する。

 時折彼女の舌先は強く押しつけられ、尿道口の割れ目をこじ開けるようにしてぐりぐりと小さく上下させる。さらに、舌のざらつきを利用してカリの敏感なところを大きく撫でるように舐め続けるのだった。吸引は絶えず続けられ、いつでも精液を吸い込もうと待ち構えている唇が柔らかくうごめくと、僕はあっという間に高められるのだった。

 「ああっ…」僕は三浦さんの口の中で白濁液を爆発させた。体液はそのままカリギューラの「種」となって、世界全体に広がっていく。もう何度も射精しているのに、疲労も痛みもなく、延々と出し続けることができる。それどころか、出せば出すほど快感も高まり、さらに射精欲が高まるのだった。これは《夢幻時空》の特徴であり、一時的に肉体が変化していくらでも出すことができるようになっているのだ。しかし、今回はそれだけではない。僕自身の実際の変化もある。相当の種をまいてしまったがために世界に変化が訪れたように、僕自身が《王》としていくらでも快楽をむさぼれるように改造されつつある証拠だった。その上、ポッティの力によって攻撃力が格段に上がった代わりに、防御力が極端に弱くなっていることも影響している。

 イク直前の、また出した瞬間の、あのえもいわれぬ多幸感は、しつこく僕を悪魔の道に誘惑し続ける。もしこの快感をずっと味わい続けることができるのなら、そんな世界も悪くないという気持ちが芽生えてしまう。だから、その都度気をしっかり持って、その誘惑をはねのけなければならない。肉体的に戦っているだけでなく、精神的な戦いも続いているのだった。

 「ん…ん…」三浦さんの攻撃はさらにエスカレートしていく。亀頭だけを口に含んでいたのが、今度は遠慮なくペニスを奥深くくわえ込んでいく。さっきまでの、亀頭だけの集中攻撃とはまた違った、腰の抜けそうな快感が股間を支配する。

 根本から先端まで、彼女の柔らかい唇が滑っていく。不慣れなぎこちなさは残すものの、口の動きと連動させたなめらかな舌が、ペニスのあちこちに張りついている。世界が変わっていった影響なのか、カリギューラの陰謀なのか、三浦さんはこれまでそんな経験がなかったはずなのに、あまりにもスムーズにフェラチオ攻撃を繰り出している。

 「ああっ、だめえ…」僕は腰を回転させるようにくねらせながら、快感に抗って射精しまいと力み続けた。しかし、どんなに腰をくねらせようとも、三浦さんの頭はぴったりと僕の股間に貼りついて、リズミカルな前後運動をやめてくれない。

 脱出しようにも、かおり先生に半ば全身を吊るされたような格好では、その場を逃れることもままならない。ただただ一方的に、同級生の攻撃を受け続けるしかないのだった。このままでは本当にすべての種を吸い出されてしまう。そう思いながらも、体の奥からこみ上げてくるくすぐったさと、その直後に訪れた股間の律動に逆らうことさえできはしなかった。

 射精しても三浦さんは動きを止めることなく、それどころかますますリズミカルに激しく首を前後するのだった。彼女の口いっぱいに広がった精液は、瞬時に消え去って世界の空間に希釈される。出せば出すほど、世界は淫靡に変貌していくのだ。このままでは…世界はカリギューラの手に落ちてしまう。

 唇でしごくスピードが上がった。同時に彼女の小さな手が僕のお尻の穴をまさぐり始める。「あっ、だめっ!」僕は思わず腰をひねって快感から逃れようとしたが、上から固定されているためにそれほど大きくは動くことができず、三浦さんのしなやかな指先は簡単にアナルをとらえることができた。人差し指の先っぽでぐりぐりとお尻を刺激しながら、彼女はさらになめらかな唇でペニスをしごきたてつつ、舌先を上手に使って亀頭を刺激し続ける。

 僕は前後左右に腰をひねり続け、何とかしてこの怒濤の快楽をどうにかしようとしたが、まったく無駄であった。どこへ腰を動かそうとも、彼女の手と口はぴったり僕の股間に貼りつき、相も変わらず強烈な快感を送り込んできている。左手で玉袋を優しくさすりながら、右手指先でアナルをくすぐり、口腔でのペニスへの刺激を数倍に跳ね上げてくる。

 「あうっ!」また白濁液が彼女の口に放出された。そこでやっとペニスが三浦さんの口から解放された。

 「はあっ、はあっ…」彼女の顔がかつてないほどに上気している。僕のを舐め続けたことで、彼女自身の性的な興奮がマックスに達したのだろう。「翔君…私のすべてをあげるから、あなたのすべてを…私にちょうだい。新しい世界でも、ずっと一緒にいられるように、ね?」

 三浦さんは立ち上がり、くるりと後ろを向いた。手を後ろに回して自分の臀部をかき分け、僕にオンナをさらす。そのままバックで入れてくるつもりだ。

 「!!」彼女の性器は、さっきまでとまるで違っていた。ピンク色の割れ目から透明の突起が飛び出している。それらが無数に蠢いているのだ。「ふふっ、いよいよ最終段階突入ね。みてごらん…今後、君に挿入する女のマンコは、みんな膣内に特殊な《蟲》を飼うことになるわ。女性器を徹底改造し、男根を絞り尽くす魔性の武器に変貌するのよ。さっきとは気持ちよさが格段に違うはずよ。さあ、天国に行きましょう!」先生がうれしそうに言う。きっと先生のあそこも魔性の力で改造されているのだろう。

 あまりに種を出してしまったために、僕と交わる女性には魔性の虫が宿るようになる。おそらくは、さらに種を出し続ければ、すべての雌にこの力が備わるのだろう。

 「い、いやだ…」「くすくす…おとなしくしなさい。」僕は必死で抵抗したが、上から固定されていては逃げられない。そうこうするうちにどんどん三浦さんのお尻が迫ってくる。

 ちゅく…「ふああっ!!」表面が亀頭に当たった。しっとりと粘液をしたたらせるオンナがもごもご蠢きながら、今にもペニスを飲み込もうと襲いかかってくる。膣に住み着いた魔性の虫は、亀頭に無数に貼りつき、絡みついてくる。そして、ぐいぐいとオンナの方へと引っ張ってくるのだ。

 次の瞬間、ペニスは吸い込まれるようにオンナの中に入ってしまった。蟲がペニスを強く引っ張り、同時に三浦さんがさらに腰を僕に近づけたために、半ば強制的にペニスが膣内に吸い込まれてしまったのだ。

 蟲の正体は、膣内のヒダが魔力で変化したものだった。彼女の意志に関係なく積極的にペニスを飲み込み、まんべんなく刺激してあっという間に連続射精に追い込む魔界の装置だった。ヒダが回虫のような形状に伸び、膣内で自在に動き回る。これによって、根本や裏筋やカリなど感じやすいところが集中的に刺激され、同時にオンナ全体を蠕動させて激しい揉みしだきが加わるのだ。そのうえ蟲は、役割分担して棒全体を激しくしごきたて、挿入しているだけで動かなくてもにゅるにゅると出し入れしている感触をペニスに送り込むことができた。

 「んあっ、すご…!」あっという間に僕は射精に追い込まれた。膣がこれまでにないほどの力でペニスを締めつけ、同時に虫の力で激しく蠕動し、棒全体をしごきあげているからだ。さらに虫はカリなどの敏感なところにびっしり絡みつき、膣とは別行動でぐりぐりと刺激し続けている。入れた瞬間射精させられるほど、三浦さんのオンナは極上だった。

 明らかに、さっき挿入したときとは感触が違う。包み込まれる暖かさと強い締めつけが格段にレベルアップしている。動いていないのに膣全体が激しく運動し、高速で前後しているのと同じ動きでペニスをひっきりなしにしごき続けている。ひねりが加えられたような狭い肉厚の壁中で、ペニスは徹底的に翻弄された。

 「ああっ、翔くぅん!!」三浦さんが動き始めた。リズミカルに腰を前後させながら、上下左右にいやらしくひねりを加えてくる。これによって、内部はいっそう激しくランダムに動き、ペニスへの刺激を数倍に高めるのだった。

 「あが…」僕は快感に我を忘れた。全身の力が抜け、先生に吊されていなければその場に崩れ落ちてしまいかねなかった。中の虫が尿道口までかき分けて刺激しているのを感じる。それでいて棒全体が大きく激しくしごき続けられる。僕は射精寸前の天国のような感覚をひっきりなしに味わい続けていた。

 「すきっ! 大好きだよ翔君! ああっ!」三浦さんの様子がおかしい。夢幻時空のせいもあるが、どうもそれだけではない。狂ったように激しく腰を振りながら、自身もがくがくと震え、絶頂寸前の快感で我を忘れているみたいだ。

 ここまできたら、これをチャンスにしなければ。最後の賭だ。僕は快感を覚悟で自分から腰を前後させ始めた。

 「好きだよ、みう…幸子。」「ああっ、翔…く…んっ!!!」僕は激しく腰を突き上げながら精液を彼女の膣に放出し続けた。快感で頭が真っ白になり、ほかに何も考えられなくなっている。今は三浦さんがすべてだった。

 「幸子、ああ、幸子っ!」「お、おうぅっっ! かけ…る…あああああっ!」三浦さんが腰を止めた次の瞬間、ぶるるっと大きく震えた。生まれて初めての、しかも自分の好きな相手から愛を語られながらの快感で、激しい絶頂を迎えた瞬間だった。この虫は女性を性欲の固まりにする。敏感な膣内で意志に関係なく激しい運動をするのだから、それも当然だろう。いわば攻撃力を格段に高める一方で絶えず快感ダメージを受け続ける状態だ。

 「なっ…」三浦さんがぐったりその場に崩れ落ち、気を失った。かおり先生が硬直し、ことの成り行きに狼狽している。僕は指の力を使うことなく、自力で腰を使って三浦さんをイかせたのだった。「くっ、やはりガキでは蟲の扱いに耐えきれなかったか。」

 今だ! 僕は腰を踏ん張るようにして落とした。するとひるんでいた先生の手から、僕の手首を引き抜くことができた。一気にしゃがむと彼女の手は完全に僕の手を逃してしまう。僕はかろうじてかおり先生から脱出することができた。

 考えている暇はない。僕はすかさず先生の後ろに回り、僕の脱出でさらにひるんでいる先生の後ろから、指先に魔力を込めて背中と腰に指をあてがった。

 「ぐっ、しまっ…」頼む、性感ポイントに当たってくれ! 「あ…あが…ひゃううっ!」指先から魔力が注入される。パワーは女体を駆け巡り、全身の性感神経をまんべんなく刺激する。とりわけ、指で突いたすぐ近くの器官への刺激は相当であり、そこに女体の性感スポットがありさえすれば、一気に絶頂にいたらしむことができる。

 「おの…れ…かける…」先生はがっしりと僕の股間に抱きついた。ほとんど腰が抜けかけていて、下半身がだらしなく床につけられている。先生は何とかして起き上がり、僕の腰に上半身でしがみついている状態だ。

 僅差で、ピンポイントから外れたみたいだ。突いただけで一気に彼女をイかせることができなかった。先生の胸の谷間にペニスが挟み込まれる。乳房の柔らかい圧迫にさらされ、股間がまたもやくすぐったくなった。

 ぐいぐいとかおり先生が上半身を上下させる。腕の力だけで体を動かしているので、腰に回った先生の腕がものすごい力になっている。そのため、僕は彼女のパイズリから逃れることができなかった。「イけ! イッてしまえ!」必死の形相で上半身を滑らせる。すでに三浦さんの愛液でにゅるにゅるになっていたペニスは、胸の谷間でスムーズなしごきにさらされるのだった。

 「うくっ、先生…」僕はかおり先生の迫力に負け、胸の谷間に精液を放出した。彼女の首から谷間にかけて白濁液がべっとりと貼りつく。「先生、ごめんなさい…」僕は先生の乳房の付け根から脇腹にかけて、トストスと指先で突っついた。魔力が上半身にも容赦なく流れ込む。この攻撃にかおり先生も耐えきれなくなった。

 「んああ!!」かおり先生は僕にしがみついたまま絶頂を迎え、やがて脱力してその場に倒れ込んだ。そして気を失ってしまった。

 周囲のセピア色の空間がゆがみ始める。「…あぶないところだった…」僕とポッティが同時に声を合わせた。

 「ポッティ…あとどのくらいで、種を出し切ってしまう?」「まだ、あと3分の2の回数といったところだろう。もちろん、私の憶測であり、あと一回かもしれないがな。油断は禁物だ。」「そうか…」「少なくとも、この状況からすれば、すでに3分の1から半分程度の種を世界に蒔いてしまっているのは間違いない。いろいろ変化があったからな。そして、この先、この戦いによって、さらなる変化も訪れるだろう。それは翔君、君自身の変化・影響でもある。」

 「…。」すべてが元に戻っていく。三浦さんもかおり先生もゆがみ、《なかったこと》になっていく。おそらく三浦さんはこの教室に来る前、かおり先生は職員室にいるままの状態で再スタートさせられるだろう。

 そして、ポッティが言ったとおり、僕自身にも確かな変化が訪れていた。これまでだったら、夢幻時空を乗り越えたとき、一気に射精の疲労が襲いかかってくる。夢幻時空内でいくらでも出すことができる代わりに、時空から抜け出したときにその疲れと痛みが一気に襲いかかってくるのだ。それでいつも僕も気を失っていた。

 体がじわりと痺れる。心地よい痺れであり、体の奥のくすぐったさを伴っていた。痛みも疲労もない。「翔君、君の体も相当に改造が進んでいる。生命エネルギーを直接精子に変換できているみたいだな。だから出し尽くして枯渇することがなく、痛みもない。それどころか、ますます快感に敏感になり、性欲があふれているはずだ。いくら抜いても、数週間禁欲したのと同じような肉体のうずきにさらされることになるだろう。」「…。」「それでも、欲望に負けてはいけないのだ。種は出せば出すほどさらに出しやすくなる。が、これを抑えることができれば、これ以上の被害はないだろう。」

 「いったい…いつまで、こんな戦いをしなければならないんだ。このままじゃ、いつかは負けてしまう。もう耐えきれないよ。」「もう少しの辛抱だ。今カリギューラに対抗する準備を整えている。もう少しで終わるのだ。そうだな、あと数日、数日だけがんばってくれ。」「数日…本当?」「約束する。数日、遅くても一週間以内に決着をつける。」

 「…わかった、信用するよ。」僕は自分でも信じられないほど素直に、ポッティを信頼することができた。理由は自分でもよくわからない。

 夕方も相当に遅くなった。僕も帰ることにしよう。僕はポッティをランドセルに吊すと、教室を出た。

 「あの…あの…」「あ、三浦さん、さよなら。」廊下でずっともじもじしている三浦さんをかわし、僕はさっさと廊下を歩いていってしまった。本来の彼女なら、そう易々と僕に告白しにはこられない。さっきはやはりある程度カリギューラの魔力が影響していたのだった。僕は何事もなかったように、何も知らないふりをして、彼女に別れの挨拶をしたのだった。ひどいかもしれないけど、今はそうするしかないと思った。

 「先生、さようなら。」「はい、さよなら翔君。」昇降口ですれ違ったかおり先生もいたって普通だ。ただ服装が少し大胆な以外は。こっちもなにごともなかったように挨拶する。校庭を一人で歩き、家路を急ぐのだった。

 

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