魔族新法

 


 このまま……なすがままに……当局の手先となった女たちに……ただただひたすら、精を抜き取られ続けてしまうのだろうか。一抹の、いやほとんど全部的に、絶望感が漂う。

 本当の絶望の中にあっては、まったく心は却って動かないものだ。それは、実際に味わってみなければ理解の範疇を超えてしまう代物と言ってもいい。

 ああ……そうなんだ……もう、いいじゃあないか。ただ、そう思うのみで、時間ばかりが過ぎていく。

 僕はほぼ強制的に性欲を高められた状態で、四肢を固定され、女たちの前に立たされている。まるで一ヶ月以上抜いていないかのような、激しい股間のくすぐったい疼きが、男の本能に働きかけて、もはや理性の及ぶ範囲を超えた、動物的な衝動にばかり駆られてしまうのだった。

 それほどまでに、魔族の用意した性欲増強プログラムは、男性の脳にダイレクトに作用し続けるものだったのだ。目を閉じようと何をしようと、フラッシュバックのように、繰り返し脳内に、あの緑色のチカチカする映像がぶり返しては、僕の性衝動にさざ波のように訴えかけ続け、精を吐き出してしまいたいという情欲を否応なしに高めてくる。

 新法施行以来、男たちは何度でも疲れず痛まずに精を吐き出すことができ、年齢も好きなように変えることができ、さらに永遠の若さと命を悪魔どもから授かってしまった。これにより、男たちは常に性衝動に駆られ、四六時中、寝ても覚めても、性的な行為以外のことを許されたためしがない。

 これらの世界中の吐精が、すべて魔族たちの力、糧になって、魔界に送られ続けている。このまま行けば確実に、この世界は魔界と繋がってしまうことだろう。その時に、大量の淫魔たちがなだれ込んできて、その強烈な魔力と性力にまかせ、いよいよ快楽の潮の中に人間世界は閉じ込められてしまうことだろう。

 ああ……そうなんだ……もう、いいじゃあないか。

 ただひたすら、これから起こる快楽に身を任せるほかはない。どんな手を使ってでも、僕は周囲の女性たちの、全身ありとあらゆる部位でもって、ペニスを心地よく刺激され、ずっと縛られたまま、律動させられ続けるに違いない。

 その快楽に、すべて身を任せきってしまおうか。たまりに溜まった精のおかげで、僕はまともな判断さえもできかねているようだ。

 今すぐにでも出してしまいたい衝動が、秒を追うごとに高まっていく。玉袋に溜め込まれ、今か今かと律動したい衝動に駆られて、出口を模索している大量の精液が、これから彼女たちの手で絞り取られていく。失望感が薄れ、徐々に快感への期待に変わっていくのを感じた。今なら、誰の柔らかい手にペニスが握られようと、その瞬間爆発してしまうに違いない。

 だが、彼女たちは僕を取り囲むだけで、あえて何もしてこなかった。裸体を晒し、今にも抱きつかんばかりに近くにいるのに、それ以上僕の体に触れようとせず、もちろんペニスに手を伸ばすこともしなかった。

 その代わりに、なにやらヘッドギアのようなものが、僕の頭に取り付けられた。眼部から後頭部にかけて装着するものであり、目も耳もそれによって完全に塞がれてしまう。

 何か特殊な仕掛けが施されているわけではなく、単純に耳元で音が出力され、目に映像が映し出されるだけの、単純な構造のようだった。

 ぴりっ……ぴりぴりっ……

「う!」

 しかし、異変はその直後に到来した。脳が痺れるようになったかと思うと、その状態のまま辛いものを食べれば、後頭部がピリピリ痛んで刺激になるような、奇妙な感覚であった。

 後頭部に細かい穴が無数に空いてスポンジのようになっているような感覚。ジンジン痺れて思考が停止する。そこにピリピリと心地よい痛みが刺さってくる。後頭部に無数の針による穴が空いたところに、さらにやわらかな針が数百本も刺さってくるような奇妙さだ。それでいて、ちっとも怖さを感じない。むしろしゃきっと思考が働くように思えてくる。

 なにやら怪しげな電磁波が放出されているわけでもなさそうだ。

 そんなことをせずとも、すでに僕の脳は、性欲増強映像のせいで、すっかり魔族どものいいなりに変えられてしまっているようだった。

 もはや耳を塞ぐことはもちろんできず、それどころか、目を閉じることさえもできないようにさせられてしまっていた。

 ゴーグル状の部分から映像が流れ、僕はそれを目の当たりにしている。音声付きの映像の数々が、数秒ごと、あるいは数分ごとに、めまぐるしく変わっていく。

 2回に1回は、あの精力増強の緑色の映像だ。これによって、ますます性的な衝動が高められる。そしてもう1回は、女たちによる誘惑映像なのだった。

 画面と音声が切り替わっていく。

 そこに映し出されていたのは、水着、制服少女、ブルマ少女、ぴっちりスーツやレオタードなどの格好をした美女たちだった。

 甘い声で囁き、ボディラインを強調する。前屈みになって胸の谷間を見せつけ、太ももの付け根のきわどいラインがアップで映し出される。

 中には露骨に全裸で、毛の生えていないオンナ表面の縦スジをじかに見せつけてくる女性までいた。

 クネクネとセクシーダンスをする金髪美女のあと、緑色の増強画面が数秒流れ、さらに和服少女たちが服を脱いでいく色めかしい動きに切り替わっていく。そしてまたその数秒後に、増強プログラムに戻っていった。

「うああ……」

 僕はたまらなくなり、腰をクネクネと左右に揺らして、性的な衝動をどうすることもできずに、もどかしい悩ましさに苛まれていた。

 大勢の全裸美女たちがカメラの前まで走っていって、おっぱいを揺らしながらカメラの横を走り抜けていく画面。おっぱい丸出しでブルマを身につけた少女が、自分の乳房を腕に抱いて谷間を寄せている場面。

 カメラの目の前に臀部を強調するセパレーツ水着。生地をずらして、露骨にお尻を見せつけ、そのやわらかな膨らみを指で押して、どこまでもめり込む様子を映し出している。彼女が指を弾くと、お尻と太ももの肉がぷるんと弾けた。

 まさに、ありとあらゆる状況下で、女性の女性的な部分、男性の欲情をいやがおうにもかき立てる場面を、切り取るようにして流し続けた。

 それは数秒で終わるものもあれば、5,6分に及ぶものもあった。水着をしっかり脱いでから、裸でゆったり体をくねらせながら、女体のラインを思いっきり強調するダンスを踊り続ける。僕はこの若娘の裸体を、じっくり目の当たりにし、彼女自身の可愛らしい囁きとセクシーなおねだりに聞き惚れていた。

 目を閉じることはできない。そこから逃れることも適わず、僕はじっくり一秒一秒、映像で流れてくる“女体の良さ”をまざまざと見せつけられ続け、聞かせられ続ける。

 そうして、さんざん快感への欲動を高めていながら、ダメ押しに性欲プログラムが合間合間に流れてくるのだった。

 くちゅう……

「うあひっ!!」

 びゅる! びゅるるる! ぐぽおっ!

 なまなましい快楽音とともに、大量に溜め込まれていた精液が、即座に噴出していく。だがその液体は、ペニスの先からほとばしった瞬間に魔界に送られてしまい、ただ愛液のしたたりだけが、ペニスを覆い尽くすばかりであった。

 ヘッドギアを装着され、周囲の様子は確認できない。相変わらずいやらしい映像が、女体の誘惑が、矢継ぎ早に繰り返して僕の目と耳に送り込まれるばかりである。

 だが、ペニスに何が起こったのかは、理解ができた。

 誰のものかは分からない。年齢も姿形も、まったく不明なままであった。

 ペニスはしっかりと根元まで、誰かの女性器の中にすっぽりと含まれてしまっていたのである。当然、ここまで追い詰められ高められてきた僕の情欲は、いきなりの挿入に持ちこたえられるはずもないのだった。入れられた瞬間、その甘美な締まりに感極まり、いきなりイッてしまったのであった。

 その心地よさは継続し続ける。

 瞬間的にペニスが自由になったが、しかしすぐさま、別のオンナの中にずっぽりと収められる。これは、さっきまで挿入していた女性が、魔族の快楽に耐えきれずに気を失ったためであると思われる。別の女に交代となっただけのようだ。

 彼女が何者であるか、やはり分からない。もしかしたら、本物でさえもないのかも知れなかったが、やわらかな質感と肉厚な体温は、やはり生身の女性のそれと同一であった。年はいくつなのか。若いのか熟しているのか。ひょっとすると、僕が想定している以上にずいぶんと年端も行かない存在なのかも知れなかった。

 ペニスはオンナの中に収められたまま。彼女の方も動こうとはしなかったし、僕の方も心地よさに包まれながら、それでも身じろぎできない緊張状態におかれた。

 さらにきわどい映像が流され、耳元に無数の少女たちのあどけないクスクス笑いや、露骨に性的な誘惑の言葉の数々が、延々流され続けた。

 徐々にではあるが、性欲増強のための無機質な映像のタイミングは少なくなっていき、代わりに、女たちのいやらしい姿や肉体美が前面に出るような映像が流され始める。

 いくら射精しても、すぐに精液は溜め込まれ、心地よさに感極まって、生理的反応として放出されていく。その快感は、自分で抜くより、あるいは本物の女性との成功で垂れ流される快楽よりも、はるかに勝っているのだった。

 そうして、映像は様々な年代の娘たちのいやらしい姿を、依然として映し出し続けていた。

 コスチュームも豊かなバリエーションを誇っているが、一つの例外もなく、男性の欲情をかき立てる構成になっている。

 ブルマをわざと膝まで降ろし、パンティ姿を見せつけてきたり、脇の下を強調しつつ脇腹の肉付きを見せ、これをくねらせて肉がひしゃげるのを見せつけてきたりした。

 いやらしい音楽と囁きが脳天をくすぐる。ペニスは決して萎えることなく、オンナの締め付けに晒され続けた。僕は大勢の女体の映像を見ながら、再び性欲をかき立てられていく。

 しかし、それでもペニスを包むあったかい性器は、いっさい動くことなしに、ペニスをぎゅうっと締め上げたまま止まっている。

 締まる心地よさに何度も精を放出しそうになるが、すんでのところで、律動を抑えることができていた。それでも、目の前に見せつけられる様々な肢体を目の当たりにし、ときおり挿入される性欲増強プログラムによって、またもやずっと自慰行為をしてこなかったも同然の状況に追い込まれる。

 そこへおっぱいや生足や女性器お尻など、様々な部位を強調して迫ってくる若娘の群を目の当たりにし、激しく情欲がかき立てられ続ける。我慢できないところに来れば、それは僕の敗北を意味していた。

 10代前半から20代後半まで、様々な娘たちの上半身、下半身を、甘い囁きとともに映像に流される。プログラムによって目を閉じることも叶わず、仮に目を塞いだところでいやらしい音声は強制的に聞かされていく。逃げ場はなかった。

 そうして、ペニスには四六時中、女性器の甘い締め上げと優しい肉厚が迫ってきていた。一ヶ月抜いていないのと同然のペニスが、そのような刺激に晒されて無事でいられるはずはない。

 何度目かの性欲増強プログラム映像に負け、僕は初めて”自分から”腰を前後させてしまった!

 そのとたん、爆発しそうになっていたくすぐったい疼きは、本物の性的な快感にはっきりと変わり、前後する腰の動きに合わせて、オンナのヒダがやわらかにペニスをしごき立てていく。

「うああ!」

 数回の前後だけで、射精には十分な刺激だった。僕は激しくペニスを脈打たせると、再び魔族に精を提供したことになる。

 すかさず次のオンナがペニスを包み込む。今度はキツキツで、相当若いツボミであることを、見えないながらもはっきり感じ取ることができた。

 映し出される映像は、女たちの裸体と、少女たちのあられもない姿ばかり。決して飽きさせることがなかったのは、同じ場面が数回繰り返されてからは、さらに別の映像を提供し、世界中の女性たちのあられもない姿を見せつけるせいだった。

 囚われの身となった僕は、ただただセクシーな映像と音声を強制的に見せられ、性欲のたぎりをかき上げられてから、自分で腰を振って自分から射精するほかはなかった。

 そう……これは耐久勝負なのだった。

 いやらしい映像とプログラムで、射精後1分程度で再びパンパンに体液が溜め込まれる。そこに娘たちの女性的な映像が流され、セクシーなラインや快感武器になる部位を、これでもかと見せられてしまう。

 そうして、こちらのくすぐったい疼きが最高潮に達すると、すでに挿入して動かないでいる女性器に向けて、自分で腰を振ってしまうのだった。自分から射精したい、気持ちよくなりたいと思うよう仕向ける、甘い快楽の罠、”更正装置”なのであった。

 負けたくない。

 こんな悪魔の手先どもに、性的な誘惑に晒されて、ひたすら自分から快楽を求めて、自ら腰を振って射精してしまう。僕が自分でそうするまで、挿入はするがそれ以上何もしてこないという、エッチな誘惑に、どれだけ耐えられるかの勝負なんだ。

 僕は股間に受け続ける強い締まりを味わいながら、きゅんきゅんと高められるくすぐったさに耐え、じっと身をこらして固まっていた。そうしている間にも、女の子たちの映像が次々と映し出されていく。

 やがて、映像は実際に街中で、世界中で起こっている出来事を映し出していくこととなった。

 たいてい、複数で徒党を組んで、1人の男性を数人の女性が取り囲み、集団で射精に追い込んでは気絶してゆく。そうして、気づいたらやみつきになって、再び男性を求めて歩き始める。

 世界のあちこちで、延々と繰り広げられる、快楽の嵐が、どうやって撮影したのかは分からないが、間近で映し出されている。

 5年生くらいの少女たちの群が、包茎男性を取り囲み、自慢の生足でスリスリしながら、ペニス先端の皮を柔らかい手で摘まみ、ちょみちょみと亀頭先端を揉んでかわいがる。すると男性は、ペニスをヒクヒクと律動させながら、快感の絶頂と少女たちとの倒錯した行為とに酔いしれ、精を絞り出されていく。

 すぐに別の場面に切り替わる。水着をずらしての挿入戦で、若い男がプールで行為に及んでいる。魔性の撮影技術なのか、結合して出し入れされているなまの性器の様子が、間近で撮られていた。そこに複数の少女も加わり、円陣を組んで、水着をずらし性器をあらわにしている。男性はくるくるまわりながら、次々オンナを味わい、やがて数回巡ったところで射精させられてしまった。

 外国の映像も容赦なく送り込まれた。美しい白い体をもてあましたグラマーな女性が、やはり徒党を組んで、次から次へと男たちを精の毒牙にかけていく。相手の男性が何歳だろうとお構いなしだった。

 年端も行かぬ少年のペニスを口に含み、集団で交代しながらフェラチオを続ける。口腔の甘い蜜に浸りながら、彼は女性を知らないうちから舐められるという刺激に晒され、すぐさま感極まってイッてしまうのだった。

 男性は10~14くらいが、もっとも性的に未熟で、そして敏感でもある。若さを自分で選ぶことができるため、大勢の男性がこの若さを希望して、実現させていた。より快感の強い方が良いという判断であった。

 一方、洗脳がうまく行かず、地方へと逃げおおせる男たちの姿も映し出された。

 彼らはどんどん女性集団に追い詰められ、逃げ場を奪われていく。しまいには、集団で取り囲まれて、容赦なく勃起させると、すぐさま挿入に持ち込んだ。

 捕まれば即座に、ペニスは女手に晒される。あるいは、勃起すらしていないペニスを口に含んで、亀頭を舐め回し、固く隆起させてくる。その間じゅう、柔肌が彼を押し包み、圧迫しこすりあげながら、同時に胸やお尻や性器を見せつけるという視覚攻撃も忘れない。

 そうして、意に反して性欲を高められ男たちは、子供から大人まで様々な女性たちに、バリエーション豊かに犯され続けるのである。

 男が射精すれば、それに与った女たちは、魔族の快感によって気を失ってしまう。

 だが、彼には休息が与えられない。すぐさま別のグループが、彼を取り囲んでしまうからだ。

 胸の膨らみかけた女子が、ブルマの生足で少年のペニスを包み込む。その隣で、彼の父親とおぼしき男性が、三人同時の亀頭フェラに晒され、上半身をのけぞらせていた。彼女たちは先端ばかりを素早く舐めて刺激し、父親のペニスから精を吸い出そうとしている。

 性に不慣れな少年は、初めて味わう女性の太ももの感触にゾワゾワ震えた。小さなペニスも、彼の細い両脚も、すべて発展途上の太い少女脚に包まれてしまっていた。親子は同時に絶頂する。

 僕はすっかり性欲を取り戻してしまっていた。

 映像の数々は、男たちが疑問を抱かずに快感に忠実になれば、それで幸福になれることを示唆していた。僕にもその一人になって欲しいという甘い誘惑である。

 だから彼女たちは、エロビデオさながらの映像を送り込み続けつつも、実際には挿入しただけで動いてくれず、僕の方から腰を振り、自分で快感を追い求めなければならない状況を作り上げたのである。

 次々と見せつけられる世界の様子を目の当たりにし、すぐさまオナ禁状態に陥って、しかもペニスはオンナの締め付けに晒されている。数回前後させるだけで、絶頂の快感を手にすることができた。

 どんなにがんばって耐えようとしても、男としての本能に訴えてくる映像と音声、そして実際に包み込む肉厚の感触は、あまりに甘美であった。

 我慢しようとしばらく踏ん張って、じっと映像と挿入に堪えてきたが、結局、街中で行われているセックスの宴を目の当たりにし、パンパンに溜め込まれた体液の行き場も失って、最後には自分から射精を求めてしまう。

 どうしても我慢したい、絶対耐え抜くという不断の決意をもって、かたくなにじっとしていても、オンナの締まる感触だけで、動いていないのについ脈打ってしまうことさえあった。

 どのくらい時間が経ったのかは分からない。女性たちのセクシーな誘惑、プログラム映像、そして世界のセックス三昧の3種の映像を次々と見せられ、そのつどそのつど、誰のものか分からないオンナに精を搾り取られていった。

 そうして、出せば出すほど、じわじわと魔族側に、精神が傾いていっているのが分かった。

 このままではだめだ……この状態で精を奪われ続けることは、快感に身を染め、心を染めて、それまで中途半端だった洗脳状態が、今度こそ完全な状態に成就してしまう、それは僕が僕ではなくなる恐怖だった。

 しかしそれでも、女体の甘い誘惑にはどうしても勝てないでいた。

 女学生たちのスルンとした体に、交代の正常位でのしかかる男性。胸もまだまだこれからというのに、その乳房は男に突き上げられて上下にぷるんぷるん震えていた。僕はそれを目の当たりにしながら、まるで自分がその少女と繋がっているかのような錯覚を覚え、自分で腰を振っては果てていく。

 別の大人の女性が若々しいペニスに吸い付いて唇でしごいている映像を見ながら、僕は誰かのイラマチオに没頭して、精を放った。

 映像が手コキの惨劇を流すと、僕のペニスも柔らかい女手に包まれた。僕は自分から腰を振り、ふんわりした女性の手の中で精を爆発させた。

 何度も何度も、延々とそれが繰り返されていく。快楽に飽きることは決してなく、それどころかもっともっととかき立てられ、射精を繰り返す度に僕は、悪魔の誘惑に精神的に屈していくのだった。

 もはや僕は、挿入が始まったとたんに自分から腰を前後させるようになった。見せつけられる映像を見ながら、それを自分から凝視し、オカズにして、もって実際の女体、目に見えることのない女性たちの体に、こちらから精を手向け続けるのだった。

 恐るべき誘惑攻撃は、こうして僕の中で、完全に成就してしまった。

 この更正プログラムは、半日もあれば十分、多くのレジスタンス男性を、快感の虜にすることができるものだった。僕がまさに、その餌食となった次第である。

 すっかり魔性の虜になった僕は、洗脳の“仕上げ”をするべく、別室に案内される。この別室での快楽を終えたら、僕は街に投げ出され、他の男性たちと同じように、一心にセックスに耽る身となるのだろう。

 もう……いいじゃあないか。

 それしか頭になかった。もう、いいじゃあないか。妙に落ち着いていた。すべてが終わったのだ。



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