性霊の棲家6

 

 夕方になって目が覚めた。体がまだだるい。体が寒い。単に寒いというのではない、「体」が寒いのである。このゾクゾクする寒さは、実際の気温が低いというよりは、自分の体が熱い事によるものだった。

 「やべぇ。カゼひいたかな。」

 熱を測ってみた。39.5度。完全にカゼである。頭がボヤーッとしている。はぁ、ついてないなあ。

 水を飲み、トイレに行くのがやっとだった。食欲がない。何もする気になれない。

 確か風邪薬があったな。そう、これこれ。薬を飲んで、再びベッドに潜った。が、ベッドがびっしょり濡れていた。自分の汗だろう。気持ち悪い。

 学校で友達ができた時にそいつが泊まりに来るかも知れないと思ったので、布団はもう一組ある。ベッドの方は室内に立てかけて干して置く事にして、今日は畳の部屋で布団を引いて寝よう。

 そう言えばこの部屋、押入れがないな。洋間(寝室)には押入れがあるけど和室にはない。寝室よりもこの和室は出っ張っている。その先に広いベランダがある。玄関から入って縦に6畳、6畳、8畳の部屋。隣に8畳の部屋二つ(内一つが風呂)。

 そうすると洋間の突き当りとベランダの間には隙間がある筈だな。でも見た目は、隙間なんてない。ここの奥はどうなってるんだろ。壁で塞がっている。空洞かな。変な建物だな。あぁ、薬の作用で、また眠くなって来た。とにかく今は風邪を治す事が先だ。

 考えるのはやめにしてぐっすり眠った。覚えていないが、ひどい夢を見たような気がする。訳の分からない恐怖。

 起きた時、汗をびっしょりかいていた。布団もびっしょりである。だが不思議と体がすっきりしていた。汗をかいたという事は熱が下がったという事だ。再び熱を測ってみると、もう平熱に戻っていた。カゼは完治していた。安心した。と同時に、耐え難い空腹が襲って来た。元気になるという事、健康であるという事は、なんと素晴らしい事だろう。メシ〜〜!

 ご飯を炊いて、人一倍食いまくった。やっと満腹になり、ごろりと横になる。ふと、畳に転がっている時計を見た。そして目を疑った。カゼを引いて布団に入ってから、2日経っていたのだった。つまり丸2日ほど眠りこけていた事になる。眠っていたというよりは、気を失っていたと言うべきか。これでは空腹になるのも無理はなかった。脱水症状を起こさなかっただけでもラッキーだったのだろう。

 ベッドの方の布団は乾いていたが、ついでだから畳の方の布団と共にベランダに干した。ベランダはやっぱり直線だ。和室と洋間とのあいだに、たしかにズレがあるのに、つまり洋間の先に隙がある筈なのに、壁で埋められてある。結構広い範囲だ。

 一体どうなってるんだろう、中は。と言ってみた所で、まさか壁を壊して中を覗くという訳にも行かず、設計ミスだろうという事で無理やり納得した。設計ミスをした部屋だからこんなに安いんだな、きっと。

 さて。太陽は真上に来ている。今更学校に行くのも気が引けるし、もう一日様子を見て、より元気になって置きたい。今日は一日休む事にした。

 まさかこのカゼも幽霊の仕業じゃないだろうなあ。

 洗濯やら掃除やらをしていると夜になった。何事も起こらず寝られそうだ。

 次の日。学校に行く事にした。箪笥を開ける。上着とズボンを取り出す。

 「げっ!」ズボンが泥だらけだった。洗濯した筈なのに。このズボンはだめだ。

 他のズボンを出してみるが、泥だらけのズボンに触れていたために、ほとんどすべてのズボンが汚れていた。きっと昨日干したズボンが泥だらけだったのに気づかずに箪笥にしまったんだろう。でもなんで泥だらけなんだろう?

 一つ汚れていないズボンがあった。ジーンズのぴっちりした半ズボンだった。「しゃーない、これしかないか。」ちょっときつくてあまり好きじゃなかったが、これを穿いて学校に行った。

 教室に入り、自分の記憶力の乏しさを恨めしく思った。こないだの授業で、女子大生達にいたずらされたんだったっけ。しかもその時「今度は半ズボンで来てね」とか言ってたな。その事をやっと思い出した。まんまと女子達の言う通りにしてしまったんだから情けない。すぐに鐘が鳴り、教師が入って来た。

 もうここまで来てしまったのだからこのまま授業を受けるしかない。教師は相変わらず朗読するだけである。そしてやっぱり僕の席の周りは女の子で固められてしまった。こないだのトイレでの一件もあって、もう逆らえなかった。

 やっぱり僕の周りに芳香が漂っている。この香りにもしかしたら男を興奮させる成分が含まれているのかも知れない。またドキドキし始めた。周りの子達も、やっぱり大胆な格好をしている。

 だが僕は、こないだのインターネットでのヴァーチャルリアリティの事を思い出し、「耐える」事にした。女達の誘惑に簡単に負けているようじゃ男が廃る。あの感覚に比べれば、今の彼女たちのいたずらなんて、大した事ではない。僕はきつく目を閉じ、何も見ないようにした。口で呼吸し、何も嗅がない事にした。そしてひたすら先生の朗読を聞く事にした。

 スリ…。両側の女子学生達が、前と同じように擦り寄って来た。今度は僕は半ズボンなので彼女達の生足をダイレクトに感じてしまう。そして例の如く足を組んだりして僕の太ももをスベスベとこすって来た。

 だが、それにも耐えようとしていた。できるだけ感じまいと踏ん張った。相手は幽霊やアニメだったが、もう何度もセックスを体験している。今更シコシコした足ごときで気持ちよくなってたまるか!

 がんばって耐え抜いている僕に気づいたのか、彼女達はさらに大胆な行動を取って来た。密着させた足をさらに持ち上げ、僕の太ももの上を滑り、両足の内側にまで生足を伸ばして来たのだ!そしてそのまま足を引き戻す。結果、僕の足が大きく開かれる格好となった。思わず目を開けて何が起こったかを確認した。両側から柔らかい足が伸び、僕の足に絡みつき、股を開かせている。

 「!」

 授業中じゃなかったら驚きの声を上げていたに違いない。僕の机の下に隠れるようにして一人の女子学生が屈み込んで、僕の顔を覗き込んでいたのだ。丁度僕の半ズボンの股間の前に、彼女の頭があった。な、何考えてんだ!とっさに抜けようとしたが、授業中で騒ぐ事はできないし、何よりも両側の子の足がしっかりと僕の足を捉えて離さなかったため、身動きが取れなくなっていた。

 股間の彼女はいたずらっぽく笑って、半ズボン越しにペニスをまさぐり始めた。おいおい、今授業中…。と、両側の子も、僕の足を固定するだけでなく、僕のわき腹をさすって来た。

 「っっ!」

 くすぐったさに声を上げてしまう所だった。教室の中でこんな事されているなんて周りに気づかれたくない。

 股間の彼女の行為はさらにエスカレートして行く。半ズボンのチャックを下ろし、トランクスの窓のボタンを開け、モゾモゾと手を突っ込んで、巧みにペニスを取り出した!そしてそれを優しくさすり、段々スピードアップしながらしごき立てて来た! 時折ペニスを口に含み、ちゅぱっ、ちゅぱっ、と吸い、また激しくクチョクチョしごいて来る!

 教室の方々から、クスクスと笑い声が聞こえて来た。教師と僕以外女の子しかいない教室の中でこんなに音を立てていては、気づかれない筈がないのだ。あぁ。どうしよう!

 だが、教室の女の子達にはとっくにばれているのに、教師は気づかない様子で、延々と朗読し続けている。

 ついに彼女は手コキをやめ、もっぱらフェラで僕を襲い始めた。亀頭を中心に巧みに舌を使いながら愛撫しつつ、柔らかい唇がペニス全体をしごいてくる。こんなにフェラが上手な子は初めてだ。

 僕は必死に我慢した。だが全身に広がるくすぐったさに耐え切れなかった。せめて声を出さないようにしよう。目をきつく閉じ、早く授業が終わってくれる事だけを願って、下を向きつつ耐え続けた。

 ぬるついた舌先が亀頭を這いまわりながら、ペニス全体が唾液に塗らされ、ぷにっとした唇が棒を圧迫しながらペニス全体を奥へ奥へと吸い続ける彼女。わき腹だけでなく両側の女子大生達は太ももやお尻にまで手を這わせている。半ズボンに生足が押し付けられ、微妙なタイミングでスベスベの肌がこすれあう。

 僕の両手は女の子達のふとももをさすっている。ほとんど勝手に動くような感じで自制も効かなくなっていた。声を押し殺す事だけに堪える僕はもう限界にまで高められていた。不意に舌先が裏スジをチロチロとくすぐった。

 この攻撃がトドメとなって、僕は無言のまま彼女の口の中に精液をほとばしらせた。彼女は勝ち誇ったように口からどろりと白濁液をたらし、それをティッシュでふき取った。その後僕のペニスもふき取った。萎え始めたペニスを上手にズボンの中に収めてくれた。

 その時やっと鐘が鳴った。教師は何も言わずに出て行った。気づいたのか気づかなかったのか、さっぱり分からない。

 僕は放心したまま、今起こった事を整理しようとした。が、何が起こったのか全然分からなかった。女の子たちは荷物をまとめて僕の顔を見て笑いながら次々と教室を出て行く。

 僕も荷物をまとめて教室を出た。まさか授業中に抜かれてしまうなんて。一体ここの学校はどうなっているんだ?

 廊下を歩いていても、女子学生達の視線が前後左右から押し寄せてくる。もしかしたらみんな初めから知っていて、作戦通りに僕をイカセたのかも知れない。計画済みという訳か。くそ、バカにしやがって。

 トイレに入った。トイレに入るなり内側からドアの鍵を閉めた。男子学生が少ないから許されるだろう。これで誰も入って来れまい。ゆっくり用が足せるというものだ。

 が、その思惑は甘かった。というよりちゃんと確認していない僕のツメが甘かった。

 「待ってたのよ。」鍵を閉める僕の後ろから声がした。振り返ると個室から次々と女子学生が出てくる。しまった、待ち伏せされていた?とっさにトイレを出ようとしたが、今しがた自分で鍵を閉めてしまったので抜け出す前に女の子達に捕まってしまった。

 「やめろ!」僕は抵抗した。が、次の瞬間なにやらスプレーのようなものを顔に吹き付けられた。催涙ガスか?一瞬怯んでしまう。だが催涙ガスではなかった。この香りは覚えがある。そうだ、こないだとさっきの授業中に教室に漂っていた香りだ。

 「ふふ。どう?催淫ガスの効果は。さっきはあたし達の体についていたのを間接的に嗅ぐだけだったから、大した事ないけど、今度は直接浴びちゃったからねえ。すぐにやりたくなる筈よ。」

 「催淫…ガス…だとぉ?」

 「そう。男が浴びると、やりたくてたまらなくなるガスだよ。ほらほら、もうあなたの半ズボンちゃんはもっこりのビッショリじゃない。」

 言われる通り僕のペニスは情けなくも完全に勃起していた。我慢汁も一杯出ていて、後少しでも刺激されたら射精してしまいそうだった。僕は思わず自分の股間に手を伸ばした。そしてズボン越しに自分で股間をさすり始めた。

 「あ…が…はうっ!」あっという間に女の子達の見ている前でイッてしまった。恥ずかしさに顔が真っ赤になったが、ペニスは衰えを見せない。かすかに空気の漏れる音…、いや、催淫ガスが漏れている音だ。女子の一人がボンベに小さな穴を開け、少しずつガスが漏れるようにしているのだった。どんどんトイレはエッチな匂いで一杯になって行く。

 「いいの?自分でやっちゃって。そんなに早撃ちしてると後が持たないわよ。」

 「じゃあ、まず誰とやりたい?好きな子としていいよ。」

 僕は周りを見回した。女の子は7人いる。それぞれ色んな外見をしているが、みんなかわいい。

 「どんな子が好み?ロング?ショートカット?巨乳? 細め?」

 たしかに「何でも揃ってる」という感じだった。僕は7人の中で一番背の低い、小柄な子に向かって行った。性欲が自分ではもう止められなかった。

 「やった☆最初はあたしね。」かわいい声をしている小柄な彼女は、150センチもなく、茶色い髪の毛を両側でゴム止めをしていた。大きな目、小さい鼻、かわいらしいえくぼ。整った顔立ちをしていた。

 のろのろと彼女に近づいて行く。ついに彼女に抱きついた。やりたい。性欲をとにかく満たしたい。もう止められない!彼女にキスをし、ほお擦りをした。ガスのせいで性感も極度に高まっていた。彼女に触れているだけで僕は感じまくっている。あっという間にまた我慢汁が噴出して来た。

 「もうズボン脱いじゃえ。」後ろと両側から女の子が寄って来て僕の服を剥ぎ取り始めた。もう僕はされるがままになっていた。その間に目の前の小柄な子も服を脱いでいた。体は細く胸はほとんどないが、きめの細かい綺麗な肌をしている。

 僕達は裸で抱き合った。僕のペニスが彼女のおなかにこすれる。

 「うああ…。」それだけの刺激で、また射精してしまった。

 「やん♪まだ何もしてないよぉ。」そう言うと彼女は、僕の肩に手を回し、よいしょ、と飛び乗って来た。後ろから誰かが僕の背中を支えた。細くて軽い体を、僕が立ったまま抱きかかえる格好になった。

 「きゃうん!」

 一番小柄な子が僕のペニスを受け入れた。彼女の後ろで二人の女が彼女を支え、持ち上げ、僕に縦にしがみつくようにして乗って来たのだった。もちろん小柄とはいえ一人の女が全体重を掛けて来るのだから重い。人としては軽い方、恐らく40数キロ程度だろうけど、それでも僕一人で支え切れるものではない。それで後ろの女二人が彼女を支えて重さをカバーし、同時に僕の後ろに回り込んだ一番大きな女が僕をバックアップして、立ったままセックスができるようになっていた。

 一番小さな彼女は、その背の低さとは裏腹に大人っぽい顔立ちをしていた。彼女は僕に抱きつき、両足を僕の脇の下を通って投げ出す。彼女の両腕は僕の首を包み込んでいる。おっぱいも腹も僕に密着させている。そのスベスベした痩せた頬が僕の頬をスリスリとこする。そして何よりも、彼女のオンナがむっちりと僕を捕らえて離さない!

 僕の後ろに投げ出された彼女のふくらはぎは、僕の後ろにいる大女の両腕に抱きかかえられている。そして大女の体が僕の背中を包み込んでいる。小柄な女の後ろにいる二人が、それぞれ彼女のお尻とふとももを持ち上げている。

 そんな体勢で僕は数秒と持たなかった。催淫剤のせいで僕は簡単に感じまくってしまう。そのまま無言で彼女のオンナに精液を放出してしまった。さらに部屋に充満する薬が、僕と女達を高め、性欲の尽きる所を知らない。

 「まだまだ離さないわよ。このまま動いてあげる。よしちゃん、なっちゃん、カオちゃん、フォローよろしくぴょん」…ぴょん?

 そう言うと彼女は上下に動くべく体を動かし始めた。その動きに合わせて「よしちゃん」「なっちゃん」と呼ばれた後ろの女二人が彼女を持ち上げたりする。上下する度に僕のペニスは敏感に反応した。「カオちゃん」と呼ばれた後ろの女の、背中に押し付けられるおっぱいの感触も、小女のおっぱいや腕、頬の感触も、僕をどんどん高めてゆく。

 「ああ、また出ちゃう…」

 僕はまるで我慢できずにまた彼女のオンナに出してしまった。でも女達の動きは止まらない。

 グチッグチッ…、ヌチュッグチョッ…、チュッ……

 何度か連続射精して僕も疲れて来たせいか、段々持久力が出て来た。今度は中々イかず、その分彼女を感じさせる事ができた。

 「あ!イイ!気持ちいい!ダメ、イッちゃうよぅ!」

 「マリリン、気持ちよさそう…」

 「イッちゃいなよマリリン!」

 「マーリリン!マーリリン!マリリン!マリリン!マリン!マリン!」

 小女のニックネームは「マリリン」らしい。マリリンコールが女達から手拍子付きで出て来て、段々早くなる。それに合わせてマリリンの動きも早くなってゆく。

 ついに、ブルブルっっと震えてマリリンが達した。

 「やった〜〜!!」「マリリンよかった?」「うん、すごくよかった…。」「じゃ、次はあたしの番ね」「えーずるーい!リカちゃんが次なの〜!?次私がいい!」「アイちゃんは最後ね。」「そんなー!」

 僕の事などお構いなしに女の子達の会話が弾んで行く…。僕は何か理不尽さを感じた。

 「君達、こんな事して何になるっていうのだ。もっと大事な事だってあるだろ! 愛情とか!」

 最後の理性を振り絞って、僕は彼女達をたしなめた。

 「愛なんて、ばかやろうだ。」

 凛とした表情の、リーダー格と見られる子が、冷たく言い放った。

 「その通り!さすがマキちゃん!」

 一斉に拍手が巻き起こる。どうやら僕の説得は失敗に終わったようだ。失望感に襲われた僕はそのまま座り込んでしまった。

 「今だ!押し倒しちゃえ!」

 誰かが合図すると、女達は一斉に僕を押し倒した!もうトイレの床が汚いとか何とかいう思いはなくなってしまった。抵抗できずに、なすがままにされる僕。

 「じゃ、みんなで彼を天国に送ってあげましょう。私たちの舌で…。」

 「さんせーい!」

 「フェラフェラ〜!」

 「トリプルフェラって聞いた事あるけど、今はどんなフェラになるのかな〜?」

 女達は一斉に僕に群がり、僕のペニスを舐め始めた。顔と顔をくっつけあい、全方向から僕のペニスを舐めしゃぶる!…といっても、360度から舐めようとしても、せいぜい5人で舐めるのが限度だった。一人当たり72度分のスペースで、舌を伸ばし、ペニスを上から下までチロチロッと刺激する。亀頭の先を6人目が指先で撫でる。他の二人は僕の乳首を指先でカリカリと刺激し、一人が僕の顔に跨って来た!残りは傍観しながら「出しちゃえ出しちゃえ」等と歓声を浴びせる。舐めている女の内の誰かが僕の玉袋を揉みしだいている!今までにない強烈な攻撃だ。

 「むぐっ…うぐぐぅ…!」

 声なき声を出しながら、僕はどんどん高められてゆく!そして僕の精液が誰かの指先と5人の髪の毛を濡らした。でも女達のフェラ責めは終わらなかった。交代しながら、同じように僕を感じさせて来る。舌使いにも個性がある。一々新たな刺激となり、このスタンスで二度目の発射をさせられてしまう!

 いつの間にか女の子達も増えている。始めは7人だったのに、今ではもう何人だか数えられない位に増えている。脱退したり新しく入ったりしてゴチャゴチャした娘達だが、結局人数は増えている。どうなっているんだ?

 「まだまだよ!あなたが私達の虜になるまで、やめてあげないんだから…。」

 ああ…本当に彼女達の虜にさせられてしまうのか。このままだと、やり過ぎて死んでしまうんじゃないか。快感の中で恐怖がよぎった。体力も限界なのに、彼女達の責めは終わらないし、僕も感じ続けている。

 「そこまでよ!」ガラッ!

 この音は…。トイレの窓が開いた音だ。謎の声の主も、どうやら窓の外からこちらを見ているようだ。僕は誰かに跨られているのでその様子を見る事はできない。誰か来たのか?

 「誰ッ?」

 女達の一人が叫んだ。

 「…名乗る程の者じゃないわ。その人を放しなさい。」

 声の高さからして、女性である事がすぐに分かった。誰かが助けに来てくれたのか。一体誰が…。

 「でも、どうして…」「と、とにかく放す訳には行かないわ!」「そうよ!この男はあたしたちのものよ!」「邪魔しないで!」

 「いいから離しなさい!オン・バサラ・キャットクウチュウサンカイテン…じゃなかった、クァン・ラ・サヴイボ!…悪霊退散!」

 風が吹いた。

 「きゃあああ!」「いやああ!」「ひいいいいいいい」

 一瞬にして、僕に群がり、跨り、僕を責めていた女達が消え去ってしまった。

 何が起こったのかまるで理解できなかった。

 「大丈夫ですか?」

 その声に我に返って声の主の方を見た。たしかに女性だった…。でも全身タイツにコスチューム、マスクをかぶっていた。仮面○イダーみたいな格好だった。

 「ひっ!」

 「怖がらなくていいのです。私はあなたの味方です。てゆーか正義の味方です。」

 消えた女達よりもある意味こちらの方が怖かった。そ、そうだ、僕は今の展開が全然分からないぞ。

 「これは一体、どういう事ですか?彼女達は一体どこへ消えたんですか?」

 「そう、何も知らないのね。あれは、幽霊です。あなた、ずっと取り付かれていたんですよ。」

 「えーーーーっ!」
 

前へ     次へ


メニューに戻る(ノーフレーム用)