スクヴス女学園07

 

  …。

 「用務員さん! 何をポケ〜ッとしてるんですか!」「えっ!?」びっくりして振り返ると、誰もいない。「コラコラ!どこ見てんのよ!」なんか下の方から声がする。

 視線を下げてみる。キーキー子供のような声を出していたのは、保険医の野口だった。どこからどう見ても小学生くらいにしか見えない女の子…っと、これで一応年上だからお姉さんが、丸い目を少し吊り上げながら僕を見上げている。相変わらず白衣がおままごとのようで、全然つりあってない。

 周りを見渡すと、見覚えのある部屋。そうだ、昨日訪れた保健室だ。だから野口がいるのか。でもなんで僕がここに?

 「これで必要な道具は揃ったわね。さあ今日は忙しくなるぞ!」「あの…気合入ってるところ申しわけないんだけど…。」「何よ。」「…何で僕はここにいるのです?」「…。若年性痴呆症、と。」「いや、フツーに何かカルテに書き込まないで下さいよ。で、僕はどうしてここに?」

 「あんたねえ…。昨日あれほど説明したじゃない。いーい? 忘れっぽいならちゃんとメモしとくように。今日は学生たちの身体測定の日で、いつもは体育教師と保険医が見ているんだけど、体育教師の一人が、持病のしゃくで休みっぱなしだから、代わりに用務員さんに手伝っていただくと決まった、と。」

 「…えっと…」「だからぁ、毎年学校中の学生の身体測定&簡易健康チェックをやるの。」「はぁ。」「それで、体育教師の一人がずっと休んでいて、人手不足。」「…はぁ。」「ただでさえ毎年、人手不足気味でイッパイイッパイなのに、よりによってこの日に欠員が出たから、私たちパンク状態なわけ。」「…はぁ…。」「だから今日は、用務員さんに手伝ってもらうって決まり、あなたは昨日呼び出されて、その旨説明を受け、今日ここに来てもらったと。分かった?」

 「いや、そこが分からんのですよ。何で僕が手伝うんですか。誰が『決めた』の?」「理事長さまよ。」「…。」

 ぜんっぜん覚えてない。でも理事長が決めたとあっては逆らえそうにもない。もともと補助的な仕事ってことで来たんだし、こういうのも仕事のうちなんだろう。

 「もう時間がないから三つ隣の教室に行ってちょうだい。そこに係の保健委員がいるから、その子に詳細を聞いて。」「あの…。」「早く!」

 野口にせかされ、僕はわけが分からないまま保健室を出た。とりあえず野口に言われるまま、三つ先の教室に入った。中には白衣を着た学生が一人、椅子に座っていた。この子が保健委員さんかな。

 「あ、用務員さん。今日はよろしくお願いします。」「あ、ああ。」「時間がないので手短に説明します。もう身体測定と、ついでの簡易健康診断が始まっていますから。」

 保健委員さんの話では、学生たちは身長、体重、スリーサイズ、肺活量、視力、柔軟性、持久力を調べたあと、肺のレントゲンを撮って歯の検査、心音を聞く。これで全部。隣の教室からスタートして、7つの教室を順番に渡り歩いて、それで終了って運びになっているらしい。

 「隣で身長と体重を計った学生が、次々この教室に入ってきます。滞ったりしないようにガンバリましょう。左隣で肺活量と視力、その隣で柔軟性と持久力。そのまた隣でレントゲンを撮ります。保健室で歯と心音を野口先生一人でやります。」

 …だから野口は殺気立ってたのか。一人二役は大変だし。

 …ちょ、ちょっと待てよ?「あのさぁ、この教室ってまさか…!?」「スリーサイズですが何か?」「え〜っ!」何でよりにもよってスリーサイズなんだ?

 「用務員さんはバスト、ウエスト、ヒップを測ってメーターを読み上げて下さい。それを私が記録して行きますので。」「い、いや…あの、なんで僕がよりによって、女の子のスリーサイズなんて…」「ご不満でも?」「視力とかさあ、もっとこう…」「もっとこう、何ですの?」

 まさか僕が学生たちをエッチな目で見ているなんて思われたくないし、思いたくもないしなあ…それにいまさら文句言っても、変らないか…。

 「よろしくお願いしまーす!」さっそく女の子が入ってきた。「うわ!」学生はパンツ以外、何も身に着けてない! 「や、やっぱり良くないよ! こういう測定は女性がやるべきで…。」

 「じゃあお願いします用務員さん。」もう僕の言うことなんか聞いてもいない保健委員と学生。保健委員さんがメーターを渡す。僕は椅子に腰掛け、しぶしぶバストから計り始めた。

 若い娘のピチピチした肌が、惜しげもなく僕の前に曝け出されている。僕は少し震える手で、学生の胸にメーターを当てる。「…バスト72センチ。」「ちょっと待ってよ。そんなにきつく巻いたら小さくなっちゃう!」見ると、メーターがおっぱいの肉にかなり食い込んでしまっていた。緊張して力が入り過ぎた。

 「あっゴメン!」僕は手を緩めて計り直す。できるだけ女の肌に触らないようにしながら、やさしくメーターを当てる。「…バスト79センチ。」「ハイ。」「…。ウエスト、61センチ。」「ハイ。」「ヒ、ヒップ、89センチ。」「ハイ。」

 計り終わると、学生は自分のカードを持って出ていった。すぐに次の娘が僕の前に立つ。今度は背の高いナイスバディだ。

 「ほら用務員さん、テキパキやらないと後がつっかえて日が暮れちゃいますよ。」「あ、ああ…。バスト87センチ、ウエスト59センチ、ヒップ90センチ。」「ハイ。次の方。」「バスト…」

 次から次へとみずみずしい肉体を見せつけてくる女の子たち。後ろにも半裸の娘たちが並んでいる。目のやり場に困るっていうか、どうしてもキレイな女体を見なければ計れない。それに、どうしても僕の指先はスベスベの体に触れてしまう。指先に吸いつく感触がたまらない。

 僕は精神集中して、いやらしい方に考えがいかないよう、あまつさえ勃起しないように気をつけながら、ハリのある女の魅力を測り続けた。性的に興奮すると、こっちも全裸になってしまうからだ。

 女性の体って、大小さまざま、おっぱいの形も大きさも、おなかもお尻も、よく見ると一人一人違って個性的だ。だ、だめだ、そういう風に考えていると、男として反応してしまう!

 僕はルーチンワークと割り切って、機械的に計るように心がけた。それでも、女の体臭に満ちた教室で、僕と保健委員以外裸というシチュエーションに抗うのに必死だった。

 「ムキャーーーーーッ!!!!」突然出口から野口が奇声を発しながら入ってきた。「あたし一人で歯と心音なんてできるわけないでしょっ! 何考えてんじゃーー!!」ガタン!ガシャン!「…野口先生、毎年こうなんですよ。」保健委員さんが囁く。忙し過ぎて暴走すんのか。

 「ちょっとアンタ!」「えっ…ぼ、僕?」「こっち来て手伝いなさいっ!」「えっだって…そういうことは専門の医学知識とか免許とかのある人でないと…」「るせー! 来いったら来い!」スゴむ野口だが、体の小ささが迫力を10分の1にしてしまっている。「そっそれに僕も今仕事中…」「スリーサイズなんざ自分で測らせろ!」そんなムチャクチャな…

 僕はムリヤリ野口に手を引かれ、保健室に連れて行かれた。「アンタ心臓の音聞く! 分かった?」「いや、そんな聴診器渡されても…判断とか分からないし…」「フツーに脈打ってりゃ正常、リズムが変だったら要精密検査って書いときゃいーのよ!」「そんなテキトーな…」「いーから早くっ!」

 もう有無を言わさずに、僕は心音を聞く羽目になった。相変わらず胸を曝け出した女の子が並んでいる。僕は一人一人おっぱいにめり込ませるように聴診器を当て、脈の音を聞いて、みようみまねで正常とカードに書き続けた。…異常なしって書くんじゃなかったかなあ…正常でいいのか?

 さっきと同じように、性的なことは考えないようにして、これは人形だ、人形だと自分に言い聞かせながら、機械的に作業をこなしていく。隣で暴走しながら、奇声を発してチョコマカ動き回っている野口。その物音や奇声が、かえって僕を落ち着かせた。

 「たっ大変です野口先生!」そこへ一人の保健委員が入ってきた。「何なのよこのクソ忙しい時に!」「先生のプログラムから乳ガン検査の項目が抜け落ちてますっ!」「…!し、しまった! 今度から乳ガン検査も加わるんだったあ〜! …もうだめ、死にそう…」「とりあえず学生たちは控え室で待機しています。」「そう…じゃアンタ!」「えっまた僕!?」「今から乳ガン検査ね! それからアンタは用務員さんに代わって心音! いいわね!」

 「ハイ! 分かりました! すぐ控え室から誘導してきます!」保険委員は出て行った。「あの…乳ガン検査って…」「もー忙しいんだからテキトーにパッパッとやっちゃってよ! 胸揉んでしこりがなければ正常!」「いくらなんでもテキトー過ぎ…」

 今まで何とかして女を感じないように、必死で堪えてきたが今度はヤバイ! 胸を揉むだと? 「お願いしまーす」すぐに学生たちが入ってきた。もう遠くまで大勢、ずらりと並んでいる。野口は狂ったように動き回り、保健委員もテキトーに心音を図っている。もうやるしかなさそうだ。

 保健室のベッドが検査場。僕がベッドに深く腰掛け、足を広げた間に女の子が座り、後ろからおっぱい全体を揉みしだく。しこりがなければ正常と言い、それを各自がカードに書き込むことになった。

 一人目の子が僕にしなだれかかるように座った。僕は彼女の頭にあごを乗せるようにして、彼女のわきの下から手を伸ばし、小さめのオッパイをさするように揉みしだいた。「ねえ用務員さん、私の胸、やわらかいですかぁ?」「あ、ああ…」「貧乳だって触れば気持ちいいでしょ?」「う…うん…正常。」「ありがとうございましたぁ。」

 すぐに次の娘が僕の上半身を背もたれにして寄りかかりながら座ってきた。僕はさっきと同じように彼女のやわらかいおっぱいを揉みしだく。「用務員さん、どうですか? 大きいでしょう…?」「う、うん…正…」「まだよっ! もっとよく調べて下さい。ほらぁ、こうやって全体をさするように…」

 甘えるような声で僕の手首を掴んだ学生はいっそう強く、自分の胸に僕の手を押しつけた。「せ、正常…!」

 次々と僕によりかかって、僕の手を積極的に自分の胸に導く美少女たち。一人一人個性のあるおっぱいを揉まされ、髪の香りを漂わせてくる。立たないように踏ん張っても、もう耐え切れるはずがなかった。僕の股間は膨張し、同時に服が消えてしまった。

 僕が全裸になったのに、野口も保健委員も、他の女の子たちも、ほとんど無関心だった。いや、むしろ僕が全裸になったのが、好都合みたいなふしもある。

 「用務員さんだけ遅れ気味だから、一度に数人ずつ計ってもらいましょう。」「えっ、何?」

 いきなり5人の女学生が僕に群がってくる。二人がひざまづいて左右の脛をふくよかなおっぱいで挟み込み、パイズリをするように、僕の足をこすり始めた。三人目が、後ろから僕の背中に胸を押しつけてぐにぐにこすりつける。四人目は座位のように僕に跨って抱きついてきた。やわらかい乳が僕の上半身を滑っている。そして五人目は、僕の頭を抱きかかえながら自分の胸にうずめた。

 息を合わせて僕の体におっぱいの感触を刻み続ける5人。「どお? 用務員さん…」「やわらかくて、全身いい気持ちでしょう?」「む…むぐぅ…」「しこりはないですかぁ?」5人がかりでやさしく囁きながら巧みに蠢き、女体の束で僕の全身を揉みしだいてきた!

 「ねえ用務員さん、全員正常?」「むぐ…せ、正常…。」全員が離れても、すかさず次の5人が群がり、僕の体を包み込んだ。こんなんで乳ガンの検査なんてできないよぉ!

 ペニスはひっきりなしに、女の子たちのおなかやパンツ越しのオンナのやわらかさに圧迫され、女体が蠢くと同時に、ペニスもスベスベの肌で揉まれ続けている。

 次から次へと、僕は女学生たちに包み込まれ、もう検査ところではなくなっていた。僕はただ機械的に正常正常と叫び続けるだけだった。

 テキトーとはいえ、5人まとめて計っているおかげで、列はどんどんさばけていき、遅れを取り戻すことができた。他の検査の5倍のスピードなんだし…当然か。

 「じゃあ、ついでだから用務員さんも調べてあげる。」「えっ…!?」「オチンチンにしこりがないかどうか…。」「いや、いいよそんな…!」「遠慮は要りませ〜ん!」

 一斉に女の子たちが僕に群がり、ペニスと玉袋を揉み始めた!「あれえ、カチカチだよ?」「すごいしこりね。中のウミを出さないとね。」「うう…」「あっ! こっちも二個のしこりがあるよ?」玉袋をふにふにしている娘が睾丸を転がす。「じゃあそこのウミもぜぇんぶ今出しちゃいましょう!」

 女の子たちが激しくペニスを揉みたてて、スリスリと女肌を密着させてきた。スリーサイズを測っていた時から我慢してきた疼きが爆発しそうになる。

 しかし、精液はいつまで経っても出てこない。女学生の手が疲れると交代でやわらかい手がペニスを包み、たえずペニスが刺激されているのに、射精にはいたらない。寸前の強烈な快感が全身を駆け巡っていても、その狂いそうな感覚が持続するだけで、脈打つ解放は、いつまで経ってもやってこなかった。

 「ああっ! もう出させてえ!」僕は恥も外聞もなく叫んだ。目の前がぼやけて行く。このままどうにかなってしまいそうだった。

 …。はっ!

 気がつくと僕は自分の部屋のベッドに横たわっていた。今までのは…あまりにリアルな夢だった。

 体の奥が激しく疼く。今の今まで射精しそうでしなかったからか。でも、前にも同じことがあった。今、欲望に負けたら、また学生たちといけない展開になってしまう。

 とにかく体と頭を冷やそう。僕はあえてシャワーを水にして体に浴びせた。まだペニスは反り返っている。冷水を弾くように熱いたぎりが収まらない。

 「おはようございまーす!」女学生たちの声。朝立ちを抑えるのが間に合わなかったか。

 「あ、おはよう、今シャワー浴びてるから、先に色々やっといてくれる?」僕は風呂場から声を出す。「あら。珍しいですわね。朝シャワーなんて。」

 ガタッ。「!」女の子たちは遠慮なしに風呂場の扉を開け、裸の僕に笑顔を向けた。「ちょっ、ちょっと…」ペニスが立ちっ放しなのを、彼女たちに知られるのはまずい。僕はとっさに彼女たちに背中を向けた。「恥ずかしがらないで下さい用務員さん…そうだ!」「なっ…!」

 女学生たちはドアを開けっ放しにして全員服を脱ぎ出した。「なっ何してるんだっ!」「私たちが洗ってあげます!」「だっだめだって!」僕は必死に股間を隠しながら、娘たちを牽制した。しかし、彼女たちは容赦なく風呂場に入ってくる!

 「あら…用務員さん水をかぶってらしたんですか?」「そ、それは…」「風邪を引いたら大変です。お湯にしましょう。」女の子たちは勝手にガスをつける。

 このままではまずい。僕は風呂場を逃げ出そうと下を押さえながらヒョコヒョコ歩き出す。

 「あっだめです!」「どこ行くんですかっ!」「うわっ!」女の子たちが僕の手を引っ張ると、思わず手が股間から離れてしまった。ピョコッとビンビンのペニスが手の間から飛び出した。

 「あっ!」女学生たちの視線が一気にそこに集中する。「やだぁ用務員さん…」「朝立ちを鎮めるために水かぶってたんですかぁ?」「そんなことしなくっても…ねぇ?」「そうですよ。私たちにお任せ下さい。」「そ、そんな…。」

 僕は恥ずかしさに身動きが取れなくなった。そこにあったかいシャワーが浴びせられる。女の子たちもお湯を浴び、せっけんを自分の体に塗りつけ始める。

 「では洗ってあげますね。」「うわぁ…」6人の女学生が一斉に僕に群がり、やわらかい肉体とせっけんのヌルヌルを押しつけてきた。溜まりに溜まっていた僕は、女肌の感触に包み込まれただけで、夢の快感を呼び起こし、あっという間に射精してしまった。

 「ふふ…よっぽど出したかったんですね。」「だめですよ、ムリしてちゃ。ちゃんと抜かないと不健康ですよ?」「まだ収まってないみたいですね。続けましょう。」

 女学生たちは僕に密着したまま、ヌルヌルと体を蠢かせる。と、すぐに僕の体は泡まみれになった。女の体で全身を洗われる。おっぱいが上半身を這い回り、おなかやお尻が腰周りをにゅるにゅる滑っていく。太ももは容赦なく僕の足に絡みつけられ、スベスベの手は、残りの部分を丹念に洗い上げた。

 射精したばかりのペニスは、強い刺激にさらされ続ける。お尻を押しつけられたり、ふとももの間に挟まれたり、胸の谷間に収められたりもした。そしてひっきりなしに女手がコチョコチョくすぐり、しごきたて、揉みたて続ける!

 「あっ…!また出そう!」「いいよ用務員さん! いっぱい出してえ!」僕は正面の子にしがみついて、後ろからしなやかな手で股の間にねじ込まれて玉袋を揉まれたまま、正面の娘のおなかに二度目の射精をした。

 女の子たちはシャワーでせっけんを洗い流してくれた。僕たちは仲良く体を拭き、服を着た。さっそく朝食。それが終わると、学生たちは帰る準備を始めた。

 「あ、そうそう、用務員さん、今日はうちの教団の創立記念日なんですよ〜。」「あ、そうなんだ…」「だから学校では今日から半月、つまり月末まで創立記念週間になってます。」「はあ。」「第一週目は呼吸を吸う週、二週目が吐く週です。」「…はぁ…(よく分からん)」学生たちは帰って行った。

 なんかここのところ…毎日のように女の子たちに”朝抜き”してもらってるみたいだな。まるでそれが彼女たちの女紅の一つのようになっていて、彼女たちも、それが当然みたいに体を曝け出し、狙っているみたいに肉体を駆使して、僕を気持ちよくしてくれる。朝食などの他に、初めから朝抜きがプログラムに組まれていて、有無を言わさず僕の下半身に迫ってくる。

 本当は良くないことのはずなのに、気を抜くと、これが日常だと思い始めてしまいそうになる。朝抜きも、昼間に裸になってしまうことも、そして…夜に女の子が来るのも…、当たり前のことのように思えてしまう。

 それではいけないんだ。僕は気を引き締め直し、非日常と日常の区別をちゃんとつけようとした。今は日常だ。だからしっかり仕事するんだ。

 さあ! 時間だ! 僕はスーツをバッチリ着込み、キビキビと部屋をあとにした。

 学校に着いた時、その異様な変化にたじろいだ。学生たちの服装が変わっている! これまでは超ミニスカートでおへそも露出されて、小さく短く薄い制服だったけど、それでもまだ、制服の体をなしていた。しかし今や、その面影さえも完全になくなっていた。

 女の子たちはもう裸同然だった。胸の肉70%以上を露出して、乳首部分を小さなパッチが覆っている。股部分は同じように申しわけ程度にパッチが貼りつけてあった。

 まるで絆創膏のように、数センチ四方の長方形のパッチが、ブラの代わりに胸に張りついていて、下も同じような素材で、ナプキンのような大きさのパッチが股部分に張りついている。後は靴下と靴、リボン等のアクセサリー以外、彼女たちは何も身に着けていなかったのである!

 「こ、これは一体…」「あっ用務員さんだ、こんちわ〜♪」「なっ…何で君たちそんな格好を…」「あれ? ご存じないんですかぁ? 今日から創立記念週間なんですよ。」「それは聞いたけど…」「だからこの一週間、みんなこの格好なんです。」

 「そんな…どうして記念週間だとその格好なんだ…」「そういう教義なんです。」「…。」そういうもんだと言われるともう、何も言い返せない。

 「それよりもどうですかぁ? 私たちセクシーでしょ☆」「う…。」「ヌーブラみたいにピッタリ肌に張りついて、ちょとやそっとじゃあ取れたりずれたりしないんですよ〜。」「そ、そう…」目のやり場に困る。

 「しかも、通気・通水も完璧で、ムレたりかぶれたりもナシ。素材も特殊シリコン製でプニプニやわらか。わが教団が誇る究極の下着なんだけど…特別な儀式や期間だけしかつけられないんだけどね。」

 女学生は僕の前でセクシーポーズを取ったり、くるりんと回ったりしている。後ろからだと青いパッチさえ見えずに、全裸そのもので、スベスベの背中や、割れたお尻まで丸見えになる。んー、こういう下着は男には嬉しいだろうけど、多分売れないだろうな…。

 ヤバイ、股間が疼き始めた。興奮して勃起するとこっちまで全裸になっちまう。周りはきわどい格好の女の子たち。そんなシチュエーションでこっちまで脱いで、いきり立ったペニスを曝け出したら…きっと大変なことになる。

 僕は頭を振りかぶって、逃げるようにその場を走り去った。しかし、前後左右どこを見ても、同じような危ない格好の美少女たちで溢れ返った女学園では、逃げ場なんてほとんどない。まさか仕事中に用務員室に引きこもるわけにもいかないしなあ。

 授業時間中は静まり返っている。僕は教室に入らないようにして、早足で廊下を通り抜ける。創立記念週間は教師まで大胆な姿をしている。

 休み時間は、女学生たちの目を逃れてコソコソ逃げ回った。教職員含めて、あんなコスチュームでうろついている中に、男一人が(しかも立ったら服がなくなる男が)飛び込んだらどうなるか、分かったもんじゃない。

 問題は放課後だ。さすがに長期間逃げ回るのは無理だ。どうやってこれからをしのいだらいいのか…。考えても答えが出ずに、時間が来てしまった。

 「用務員さーん!」さっそく声を掛けられる。下着よりもきわどい4人の美少女が立ちはだかっている。「見てえ、私たちこの格好のままパイズリだってできるんだよ?」女の子たちが自分の胸を掴んで左右に広げると、谷間が広がる。

 いつもはスカートやブルマ、あるいはパンツで隠されている横尻や太もものつけ根・その上部分も、今日は…なまめかしく露出されている。中途半端に隠すところを隠してるのが、完全な全裸よりもいやらしかった。

 そんな子たちが微笑みながら、ジリジリと近づいてくる! 僕は後ずさりして彼女たちから距離を取ろうとしたが、女の子たちが素早く僕の手を取った。

 「触ってもいいんだよ?」彼女たちはパッチが当てられた胸やお尻や足に僕の手を導いた。女性特有のしなやかな感触が手に伝わってくる。「この下着特殊シリコンだから、女の肌と同じ滑らかさとやわらかさも具えてるんです。触り心地いいでしょ?」「わわっ!」

 僕は一目散に逃げ出した。手に残ってるぬくもりを振り払って、欲情を抑えた。ここで全裸になったらおしまいだ。

 「よーむ・い・ん・さん!」突然正面から女の子に抱きつかれた。ふにっとした弾力が押しつけられる。ふとももが僕の股に滑り込むと、ズボン越しにシコシコした肌触りが滑っていった。「あっダメっ!」とっさに僕は彼女から離れて、また走り出す。

 僕は階段のある柱の物陰に逃げ込んだ。そ〜っと廊下を見る。女の子たちがキョロキョロしながら歩いてきている。このまま隠れて見つからずに通り過ぎることを願いながら、息を潜めた。さっきの抱きつき攻撃で、僕はもう勃起し、全裸になっていた。

 「用務員さん…」いきなり後ろからふわっと抱きしめられた。今度はこっちも裸になっていて相手のやわ肌をじかに感じてしまう。「…すき。」かすれるような声が背中に囁かれる。後ろにやわらかい圧迫が擦れると、奇妙な安心感に包まれ、ついこの子に襲い掛かりたくなってしまう。

 いけない!「だっだめだよっ!」僕はまた走り出した。女の子たちが追いかけてくる。そしてすぐに追いつかれる。

 彼女たちは若々しい肉体を見せつけたり、前後から抱きついてきたり、僕の手を女体のあちこちに導いたりしてくる。僕がビンビン全裸なのを、まったく意に介していない。むしろ、そうなることが分かっているようなそぶりだった。

 僕はもう、全裸になることやペニスを見られることを恐れているのではなかった。もうそんなことはどうでも良かった。それよりも女の子たちに囲まれて、僕の理性が保てるか心配だ。女の子たちの見ている前で誰かに飛びついて白昼堂々淫らな行為に及んでしまうのではないか。そっちのピンチが確実に迫っている。

 女学生たちは体をくねらせたり、僕に触らせたり、抱きついて甘えてきたりはするが、それ以上、積極的にはならなかった。やっぱり周りの目が気になるのか。でもそれが…却ってヤバイ状態だ。誘惑だけをして、まるで僕の暴走を誘っているみたいになっている。

 ペニスに触れたり、パッチを解いたりもしてこない。代わりに、僕にそれをさせようとしているのではないか。い、いや、ダメだ、それに乗ってしまっては…。

 とにかく逃げるしかない。僕は彼女たちの間をすり抜けて逃げ出した。今度は追いかけてこなかった。


 ###一方、その頃…###


 マミー「かなりしぶといですわね。」…校舎内の監視カメラを見ながら、ため息をつく。
 理事長「第二級の淫呪は完璧。これほど女に敏感になっているのに、まだ学生に飛び掛らないとは…なかなかない逸材だわ。」
 マミー「…。私の予想では、すぐに学生に抱きついて精を提供すると思ったのですが…。外れたようです。」
 理事長「あせらなくてもいいわ。まだ時間はある。わざと用務員さんに襲わせようとする作戦は確実に効いているのよ。」
 マミー「…ありがとうございます。それともう一つ、誘惑トラップを用意してございますが。」
 理事長「面白そうね。試してみなさい。」
 マミー「御意。」


 ###闇の一ページ###


 とにかく校舎内は危険だ。僕は外に飛び出し、陰に隠れた。校庭では、学生たちが部活のスポーツをしている。やっぱりあのアブナイ格好だ。どうやら激しく動いても、水に浸かっても、大丈夫なように作ってあるらしい。

 僕は誰にも見つからないように、校舎の影に身を潜め、呼吸を整えて、興奮を鎮めて行った。ペニスが少しずつ小さくなって行った。僕はスーツ姿に戻った。でも、またあの格好で迫られたら、また裸になってしまうかも知れない。一体どうやってやり過ごしたらいいんだ…!

 「あの…」後ろから声が掛かる。振り向くと体操服にブルマ姿の女の子二人が後ろに立っていた。「ああっ!」僕は安堵のため息をついた。裸同然の娘ばかりの中で、ブルマっ子ほどありがたく思ったことはない。体操服で上半身が隠されているのを見て、僕は安心の笑顔を二人に向けた。

 「あのぅ、私たちボート愛好会なんですけどぉ、今日用務員さんにも参加して欲しいんですぅ。」「ボートか。いいねぇ!」「この先に小さな湖があって、山の景色を見ながらゆったりするんです。絶景ですよぉ!」「うんうん、行く!」

 なぜかテンションが上がった僕は、彼女たちについて行った。ちょっとだけ離れた場所に、小さなボートがくくりつけられた湖があった。水が透き通っていて、しかもぐるりと緑に囲まれていた。そう、これこそ僕の求めてた自然の空気、癒しの緑だ!

 「じゃあ用務員さん、真ん中に座って下さい。」「うん。」ボートの両端の学生がオールを漕いで、湖の真ん中にきた。「ゆっくり景色を楽しんで下さい。」「こうしてまったりするのが、私たちの部活動なんです。」「いいねぇ、最高だ。」こうして僕たちしかいない自然の中でさっきまでの欲まみれの煩悩を消したい。だんだん、自分が浄化されていくみたいで、安心する。

 サワサワと木が揺れる音と、かすかな水の音。あとは静けさに包まれていた。このまましばらく眠ってしまいたいとすら思う。

 「ねえ…用務員さん。」後ろの子が話しかけてくる。「んー?」完全にリラックスした僕は甘く答えた。「今、ここには私たちしかいないんだよ?」「んー、そうだね…。」「つまり誰も見てないんですよ?」「…ん?」

 事態の深刻さに気づくころには、もう手遅れだった。前後の女学生はオールを側に置いて僕ににじり寄ってくる。「えっ、ちょっと…?」

 背中にやわらかい二つのふくらみが潰れ、僕のおなかに手が回る。首筋に吸いつく女の子の唇がくすぐったい。「なっ…何を!?」僕は思わず身を捩じらせて、後ろからの攻撃を避けようとするも、ここは湖の真ん中、ボートの上。逃げ場なんてどこにもない。

 前からにじり寄ってきた娘がくるりと後ろを向いて、僕の足の間にお尻を滑り込ませた。そして僕の手を取り自分の胸やオンナ部分に導いた。体操服にブルマ越しでも、その体のやわらかさが伝わってくる。

 しかも、彼女の背中が僕にしなだれかかってくると、優しい髪の香りが鼻をくすぐってくる。そうこうしている間も、後ろの娘がぐいぐい体を押しつけ続けている。

 「だっだめだよ…こんなこと…うっ…」僕は興奮しないように目をきつく閉じて踏ん張った。だが、若い娘の体が前後からグイグイ圧迫してきたうえ、後ろから全身を撫でられ、しかも、僕の手が女体の魅力的な部位に導かれている。

 「ねえ…私の胸…やわらかいでしょう?」「う…うん…」「あったかいでしょう…ココ…」「うぅ…」僕は思わず前の娘の胸を揉み、オンナ部分を指先でコチョコチョくすぐってしまった。「用務員さん…かわいい…」後ろの娘も僕の耳の裏や首を、チュッチュッとしつこくキスしてくる。

 完全に逃げられない場所で、サンドイッチされ、僕はもう耐え切れなくなってきた。校舎内にも漂っていた若い女の匂いが充満して、ペニスは無残にも反応してしまった。そのとたん、僕は全裸になり、前後の女の子は、例の”下着”姿になった。

 肌と肌が直接触れ合う。前の子が巧みに腰を蠢かせ、お尻の肉を遠慮なくペニスに擦りつけた。そして、さらにずっと強く、前後から圧迫してきた。スベスベのおっぱいが背中に張りつき、しなやかな背中が前からしなだれかかる。

 僕の手は直接、オンナの肌とパッチに触れている。やわらかい素材でできているので、女性の体とほとんど区別できない。じかにおっぱい全体を触っているみたいだ。ワレメがないだけで、オンナ表面そのままの肌触りが、もう片方の手に伝わってくる。

 僕は腰を前後にくねらせ、体を包み込む快感に順応していながら、もう一方で、誘惑に負けちゃダメという思いが葛藤していた。甘い香りが強くなる。

 「ガマンしないでも…いいよ?」後ろの娘がやさしく囁きかけてきた。耳に息が吹きかけられ、僕の手はますます激しく前の子を愛撫してしまう。

 「あん…いい気持ちだよ用務員さん!」「ぅぅ…」「じゃあ用務員さんもいい気持ちになろうか?」「ぅ…く…だめ…」そう言いながらも頭で分かってても、もはや体が言うことを聞かない。女体をいじくる僕の手を、もう止めることはできなかった。

 「じゃあ用務員さん…下着をはがして。」「はがしてくれたらいいことしてあげる!」うう…だめだ、ここで彼女たちのパッチをはがしたら…僕が求めて淫らな行為に及んだことになってしまう! それだけは…。

 前の娘がくるりと向きを変え、座位のように僕に跨り、強く僕を抱きしめたままゆっくり体を上下に揺らしてきた。それに合わせて後ろの娘も上下して、おっぱいを大きく滑らせ始めた。僕は思わず彼女たちに合わせて体を揺すり、特に大きくゆっくり腰を突き上げて、亀頭を女体に押しつけて、快感に呻いた。

 「あン、だめですよ用務員さん。」前の娘が離れ、後ろの娘と協力して僕を半ばあお向けに倒した。リクライニングのように、僕は後ろの娘にしなだれかかる。女肌にもたれかかる僕に、前の娘が軽くのしかかり、ペニス以外を責めてくる。上半身に前後しておっぱいが潰れ、情欲を掻き立てる。

 「も、もう…」「パッチを取って下さい!」もう我慢できない! 僕は彼女たちに言われるままに、女の子の胸に手を伸ばした。テープのような粘着力でペリペリとおっぱいの肉を引っ張りながら、胸のパッチが剥れた。二人の両胸をペリペリはがすと、女の子たちは足を開いて下も要求してきた。

 下のパッチをはがすと、秘密の器官がどんどんあらわになる。教義なのか校則なのか、二人とも丁寧に処理してパイパンになっている。

 「はぁい。よくできました。」「じゃあご褒美してあげる。」後ろの女の子がピッタリ張りついたまま、もう一人があらためてのしかかる。そして一気にペニスを下の口で飲み込んでいった。

 「んあっ!」じらされていた僕はあっという間に高められ、前後から上下サンドイッチに移っての結合が、一気に僕を快感の渦に飲み込んでいった。

 女の子たちはやさしくゆっくり、しっとりした動きで息を合わせて蠢く。僕は後ろの娘に身を預けたまま力を抜き、彼女たちの動くままに任せる。うぐっと玉袋が反応すると、すぐに精液が尿道を通っていく。それを抑えることなんでできるはずもなく、僕は上の女学生に快楽の素を注ぎ込んでしまった。

 「…イッた?」「うん、すっごい…入ってくるう…」ブルッと震えた彼女は、僕を強く抱きしめたまま、男の脈打ちを味わっている。僕が出し終わると、女学生が離してくれた。しかし、すぐに後ろの娘が求めてきた。

 僕はもう一人の疼きも解消すべく、正常位で結合した。出したばっかりなのにペニスは一向に衰えず、むしろ快感を増しているみたいだった。

 僕は彼女の乳首にむしゃぶりつきながら、激しく腰を突き動かす。彼女もそれに呼応して、強く頭部を抱きしめつつ僕の顔を自分の胸の肉にめり込ませた。

 ほどなくして、僕はまたイッた。立て続けに二回出したので、僕はやっとスーツ姿に戻った。女の子たちはパッチをつけて、ブルマをはき直した。

 「じゃあ戻りましょう。」ボートが岸につけられる。僕は女学生たちと別れ、フラフラと用務員室に戻った。

 なぜか以前のような自己嫌悪には陥らなかった。それどころか、何ごともなかったように、また性欲がぶり返している。誰も見ていなかったから…? 違う、何かが僕の中で変わり始めているんだ!

 ああ、こんなことでは…。僕は悪い用務員だ。そう頭では思っているのに、体が違う反応になっている。もっともっと女を求めるように、全身の神経が脳に要求し続けている。…わけが分からなくなってきた。


###一方、その頃###


 女学生「はい。私たち一人ずつに、精を提供して下さいました。」
 マミー「作戦が成功したようね。」
 理事長「マミーも考えたわね。わざと校則を破って大胆な格好をせずに肌を隠すことで、用務員さんの警戒を解くとは。…いいわ、もちろん、校則違反は不問に付します。」
 マミー「ハイ。」
 理事長「色々な手で、これからも用務員さんを悦ばせてちょうだい。彼は大事な種馬なんだから…ふふふ…。」
 マミー「第一週目で良いスタートになりましたね。」
 理事長「そうね。まずは一週目、周囲の気を”吸う”週。積極的に誘惑し、男の精を吸うために情欲を掻き立て、欲望を吸収してゆく週。」
 マミー「クックック…そして第二週がいよいよ…”吐く”週。自然から吸い取った瘴気と情欲を淫気に変えて吐き出す週…。」
 理事長「来週になれば、学校の雰囲気ががらりと変わるわ。怪しまれないように十分に用務員さんに心を許してもらわないとね…。」
 マミー「…全力をつくします。それで、今日から三人送り込もうと思うのですが…。」
 理事長「そうしてちょうだい。夜も昼も女まみれにするのよ。」
 マミー「御意。」


###闇の一ページ###


 そろそろ寝ようかと思っていた時。こん、こん。「はぁーい。」「こんばんは〜。」女学生たちが尋ねてきた。最近よく女の子が夜にやってくる。彼女たちの話を聞くのも、僕の仕事のうちなんだけど…。

 僕は昨日までの夜を思い出していた。なりゆきとはいえ、学生とあんなことになってしまうなんて…。今日こそは、ズルズルと淫らな雰囲気に流されずに、気をしっかり持って、真面目にやらないといけない。

 娘たちはやっぱり、あの裸同然の、それでいて、裸以上に女色を醸し出す格好をしている。胸の一部とオンナ部分を、申しわけ程度に隠すパッチ…三人の女の子が悩ましい姿で僕に近づいてくる。

 ええい、仕事中なんだ、変に欲情しては流されてしまうのは僕の弱さなんだ! 気をしっかり持て!

 僕は色香に惑わされないように気を引き締めた。

 「あの…用務員さん…ちょっとお話が…。」三人の若い娘がおずおずと僕を見上げる。今度という今度は何があっても、いけない行為には及ばないぞ。「な、何かな?」僕は落ち着いた声で返答した。ただ話を聞くだけと割り切った。

 今目の前にいるのは幻だ。電話かなんかで話しているにすぎない、そう思い込もうとした。もう抱きつかれても、突き飛ばして毅然と対処してやる!

 「その…。私たち、見ちゃったんです…。」「えっ…?見たって、何を…?」「あの…その…。」女の子たちは言いにくそうに言葉を濁す。オバケでも見て怖いから抱いて…って展開なのかな。…その手には乗らないぞ。

 「私たち…昨日見てしまったんです…その…用務員さんと昨日の夜のこと…。」「!?」「女の子二人と用務員さんが…いけないことしてるのを、偶然窓から…。」
「なっ…!?」

 全身から血の気が引いた。まさか…夕べの淫らな行為が他の学生に見られてたのか…!? ゆ、夢であって欲しい…! 足元の感覚まで痺れ、倒れそうになりながら、何とか意識を保った。

 「その時どうしようかって迷い、昨日の夜はほとんど、私たち眠れないくらい悩んで…あと…用務員さんの行為も思い出しちゃって…ずっとドキドキしちゃって…」

 ああっ! もうおしまいだ。完全に見られていたし、僕はもう破滅なんだ…。そ、それにしてもこの子たち…一体なぜそれを僕に言いにきたのか。もしかして僕を脅して口止め料をもらいに…? 僕はますますおののき、息がどんどん荒くなる。

 「そ…そそ…それで…、僕にどうしろと?」やっぱり先生や理事長に告げてしまうのか、それとも脅迫なのか…。つけ込まれた人間の”生きた心地しない”感覚がよく分かった。

 「…。私たち相談して、決めました。先生とかにはこのこと内緒にしようって。」「でも私たち、ナマでエッチをずっと見ちゃったから…その…ずっと火照ってるんです。」「だから、…私たちも、昨日の子たちと同じように…ね?」

 「そ、そんな…」僕は一歩後ずさった。「お願いです、用務員さん。私たちも抱いて下さいっ!」「このままじゃ何も手がつかないんですぅ!」「うぅ…」女の子たちがジリジリ迫ってくる。

 「用務員さん…。」三人が僕の周りを取り囲んで体をすりよせてくる。「だっ…だめだよ…そんなこと…」やわらかい弾力に揉まれながらも、何とか勃起を食い止める。いや、別の興奮に支配されて、それどころじゃなかったのかも知れない。「抱いてくれないんですか?」「…してくれないなら、昨日のこと理事長さまに…」「うっ、…うぅ…」

 この三人娘は、昨日のことを告げ口しようとしている…黙ってて欲しかったら、これからセックスしてくれと…彼女たちは僕を脅している! 昨日のことをネタに、女の子たちが僕にいやらしく迫ってきている…。

 「ほ、本当に…言わないでいてくれる?」「はい。誓って秘密は守ります! だから…」もう僕は後戻りできなかった。そして彼女たちを信じるしかなかった。言われるままに…彼女たちを抱くしかないんだ。

 そうなったら、僕も覚悟を決めないと。僕は周りを見渡し、窓のカーテンもきちんと確認し、これ以上誰にも外から見られないよう細心の注意を払った。よし、これで誰にも見られない。

 「じゃあ用務員さん、ベッドに…」「あ、あぁ…。」僕は女学生たちと一緒にベッドに腰掛けた。まだ恐怖の方が勝っていて、パジャマがなくなるにはいたらなかった。
「脱がせてあげます。」女の子たちは一斉に僕の服を脱がし始めた。裸になった僕に若い娘たちがすりよってくる。

 「今度は、用務員さんが私たちを脱がせて下さい。」僕は言われるまま、彼女たちの体に張りついているパッチをペリペリとはがしていった。…これも脱がせる内に入るのかなあ。

 僕たちは全裸になった。女の子たちは次々と、積極的に唇を求めてくる。僕もそれに応えて、長い時間、三人の娘のキスを満遍なく受け入れる。むちゅっむちゅっとやわらかい唇が次々に重なり、ときおり舌が、僕の口の中に入ってくる。キスの嵐がだんだん、僕の脳天を痺れさせ始めた。

 しばらくキス合戦が続くと、恐怖が和らぎ、安心感と性的興奮が勝るようになってきた。それを見計らって、女の子たちのキスが僕の口以外に広がって行く。ほっぺ、耳、首筋、手、胸、おへそまで、吸盤のように張りつき、吸ってくれる。僕はそのくすぐったさに身をねじらせ始め、ペニスがどんどん反応していく。

 僕の体のあちこちに、キスマークがつけられていく。背中や足にも…虫刺されのように快感の足跡がつけられていった。そしていやらしい三人のキスは、ペニスへと集中していった。

 両内股に吸いつかれると、僕は強いくすぐったさに軽くのけぞった。さらに、玉袋にもキスされ、ちゅうちゅう吸われる。女の子たちの唇はペニスと玉袋に吸いつき始める。三人が分担して、赤いつぼみを押しつけ、吸引する。

 彼女たちは決して舌を使わず、唇の感触と吸引だけで、僕を感じさせた。くすぐったくて気持ちいい吸盤攻撃が、亀頭から根元、玉袋までペニスのあちこちにくっついて、ちゅっちゅっと音を立てる。

 ジワジワと快感が込み上げてくる。裏筋の敏感な部分が吸われると、ビクンと反応してしまう。三人の娘はカリ周辺を取り囲むように吸引し、ときおり息を吐いて、空気を送り込んだりもした。

 誰かに尿道に吸いつかれ、別の子に根元も吸われ、また玉袋奥の皮が三人目の口の中に吸引される連係プレイにさらされ、くすぐったさが最高潮に達した時、僕は腰を突き上げた体勢のまま、彼女たちに応える。まるで亀頭を上から吸っている子に吸い出されるように、精液が押し出され、他の二人がその勢いをサポートしているみたいだった。

 「キスだけでイッちゃったね。」「じゃあ今度は、私たちも可愛がって下さい。」女の子たちはベッドに並んで横になった。広めのベッドでも、三人並んだらいっぱいになる。僕は彼女たちに導かれるまま、真ん中の子にクンニをし、両隣の子のオンナを指先でこすりあげ、出し入れした。

 彼女たちはピクピクと反応して、感じてくれている。ときおり位置を変えて、全員に僕の右手、左手、舌があてがわれた。両手も顔も、女子学生の愛液でどんどん湿って行く。

 体の疼きに耐え切れなくなった娘たちは、起き上がって次々に僕にしがみついてきた。僕もとっくに復活していて、すぐに入れられる体勢になっていた。僕は正面の子を押し倒すと上にのしかかり、足を広げて待っている彼女に、ペニスを優しく出し入れする。

 別の子は僕の顔を自分の胸に導き、男の数倍の大きさの乳首を吸わせる。もう一人は、僕のお尻や玉袋に手や舌をねじ込んで丁寧に愛撫する。二人とも、自分のオンナをまさぐりながら自分の順番を待っている。

 僕の下で蠢く娘は、僕を受け入れながらもしっかりとペニスを締めつけ、なまめかしい動きで僕を感じさせてくれる。腰が左右にゆっくり動いて肉の壁がペニスを優しく揉み続けた。

 僕を胸にうずめていた子が、今度は僕の乳首に吸いついた。また、後ろでお尻の穴や玉袋をれぶれぶしていた子が、強く玉袋を吸い始める。挿入と吸盤攻撃で、また僕は高められてしまう。

 「ああっ…もうイク!」「来てえ用務員さあん!」僕は正常位の娘に覆いかぶさると、彼女を強く抱き締める。おっぱいが上半身に潰れたまま、僕は彼女のためだけに子種を注ぎ込んだ。

 出し終わると、汗まみれの二人は離れた。僕は彼女の横に寝ると、まだ息の荒いやわらかい髪をやさしく撫でてあげる。彼女は目をキラキラと細めて頼るような視線で応えた。

 「そのまま動かないで…」僕の後ろにいた子が、横向きに寝ている僕の足を上に持ち上げて広げた。乳首を吸っていた子は僕のペニスを掴む。エアロビクスのように開脚している僕の股の間に、女の子が自分の股を滑らせてきた。ペニスを持っていた子がそれに呼応して、ペニスを下に引っ張る。

 僕は横向きに、彼女はあお向けになり、そのまま結合。ペニスが相当引っ張られた違和感もあったが、女の股の間に玉袋まで包み込まれての結合は、軽い痛みなど吹き飛ばした。

 彼女は、腰を前後上下左右に、なまめかしくグラインドさせる。ペニスはあちこち引っ張られながらも、下半身全体が女性に包まれながら蠢く快楽に、僕は悶えた。オンナ表面やお尻が玉袋や会陰を強くモミモミしている。

 僕は横向きのまま、さっき正常位で結合していた子にしがみついてしまった。今までにない快感にどうにかなってしまいそうだったからだが、しがみついた先も女体、かえって快感を増すだけだった。しがみついた彼女も僕を抱きしめてくる。

 「これ、すっごく気持ちいいでしょう?」「あひっ…ぐうっ…」僕は腰をひねって全身を駆け巡る快感をどうにかしようとしたが、下腹部を両足で挟み込まれて抜けられない!結合している彼女は、ぐりんぐりんと大きく腰を前後させてきた。「んあっ!」僕はこの体勢のままイッてしまった。

 だんだん頭がぼんやりしてくる。疲労感と満足感と眠気と安心感が入り混じって、何も考えられなくなっていく。僕はあお向けにされ、脱力していた。

 「ねえ用務員さん、まだ全員に出してないよ?」「ね、もう少しがんばってみようか?」僕の左右にさっき射精した二人が添い寝し、裸の僕に女体を押しつける。そして、まだ結合していない娘が上にのしかかってきた。

 彼女は僕の上で前後に体を滑らせ、手やお尻の肉で半立ちのペニスを刺激する。自分の胸を僕の上半身に這わせ、無理にでも立たせようとしてきた。それを両側の女の子がサポートする。上、右、左と女体に包まれ、ムニムニと全身を揉みしだかれると、ペニスはだんだんふくらみを取り戻し、亀頭が上の娘のお尻にピタリと触れた。

 すかさず上の娘は、ペニスを女性上位で飲み込んだ。おっぱいを僕の上半身に擦りつけながら、巧みに腰をゆり動かし、僕を快感の渦に堕としていく。右の子は、僕に体を擦りつけながら、玉袋に手を伸ばす。左の娘は僕の耳や首をちゅっちゅっと吸い続ける。

 女体に全身をしごかれ続け、僕は四度目の射精をさせられた。快楽のタガが外れ、全身が性感帯になったような感覚が続く。そのままだんだん、気が遠くなっていく…。

 い、いや、その前にどうしても…聞いておかなければ…。「本当に、しゃべらないでいてくれる…?」「まだご心配だったのですか?」「大丈夫。言ったことは覆しませんから。」「先生方にも理事長さまにも、このことは秘密です。絶対しゃべりません!」

 その言葉を聞いて、一気に安心感に包まれた。「さぁ用務員さん、そのまま寝てしまってもいいんですよ。私たちが見ててあげますから。」左右にピッタリ女の子たちが添い寝し、上の子も体重をかけないようにして、それでいて、しっかりスベスベの肌が密着するようにした体勢で、僕は娘たちに包まれていた。

 僕は優しく微笑む女の子たちに見守られながら、安堵して眠りについていった。人肌のぬくもりがある、もちもちした肉布団に包まれて、しかも四回連続して出した疲れから、すぐに安らかな眠りの世界に入っていくことができた。

 …………。

 ………。

 ……。

 …。

 んー。

 うーん…

 あったかい…そうだ、今僕は女体の布団にくるまれているんだ。左右に、真上に。三人の女学生が抱き締めてくれている…人肌の温もりと、スベスベの質感と柔らかさが、全身をやさしく圧迫している。この感触はまさしく女性特有のしなやかで甘い感覚だ。

 なんか体がフワフワ浮いているみたいだ。僕のまわりを女体が取り囲み、包み込み、彼女たちと共に空を飛んでいるような感覚。

 上の娘の体重も感じない。軽い圧迫感があるだけだった。若い女の体臭だろうか、甘い芳香があたりを包み込んでいる。僕の前も左右も、サワサワと女体が蠢いていて、首からつま先までひっきりなしに愛撫され続けている。…背中にも胸やお尻のような弾力のある肌の感触が滑っている……えっ、後ろ?

 目の前は真っ暗だ。それは僕が半分眠っているからだ。覚醒しているような寝ているような感覚…体が重い。目を開けようとしてもなかなか開けられない。体だけが眠っていて、精神が暗闇に閉じ込められているみたいだ。

 そんな中で、首から下、ぐるりと女の肌に包まれ、揉まれ、さすられ、愛撫されている。気持ちいい。

 大きく深呼吸をしてみた。体はフワフワと浮いているのに、動かそうとすると、鈍い重さが邪魔をしているような、不思議な感覚だった。眠くて仕方ない時のまどろみが襲いかかる。眠る前なら心地良いが、いざ起きようとしている時にこの感覚に襲われたら、地獄そのものだ。

 よほど疲れている時には、こんな感覚に襲われたりするが…

 そんな時は、気合を入れてもなかなか気がつかないので、布団の中で、自分と戦うことになる。ああ…経験が物語る。これで無理して起きた日は、大抵顔色が悪くて、目が死んでるんだよなあ。起きるだけで疲れ果てる一日。足がもつれなくなるまでに時間がかかるから、余計に気が滅入るんだ。

 「ん…」ちょっと声を出してみる。開けられない目を無理にこじ開けようと必死になる。眠い。

 目を閉じた時の暗闇とは違う暗闇が、うっすらと視界に入ってくる。まぶたで隠された闇とは違う。

 ぼやけた視界がだんだんはっきりしてくる。暗い。まだ夜中なのか…

 そうしている間にも、体にまとわりついている肉の感触が僕を眠らせようと蠢き続けていた。何かが…変だ。

 それにどうにか抗いながら、僕はだんだん覚醒の度合いを強めていった。

 理性が取り戻されると、自分の身に起こっている異変を整理することができた。まず僕は”寝ていない”。あお向けになって女学生に包まれていたはずだ。でも、今、僕の体は縦になっている。

 僕は地についていない。フワフワした感覚どおり、僕の体は宙に浮いている。天井がこんなに近い。その天井もいつもの部屋の天井じゃない。でも見覚えがある。これは…

 僕の体から冷や汗がにじみ始めた。この部屋は…覚えている。

 何より、僕の体を包み込んでいたのは、女学生ではない。半透明の、白っぽい物質だ…目が慣れてくるにつれて、自分の状況が飲み込めてきた。

 僕は…あの部屋にいた。あの部屋、そう、以前、寝込んでいた時に、魑魅魍魎に囲まれた部屋だ。ぞっとした。

 ボウッと僕の体が光り始めた。いや、体じゃなくて、僕を包み込んでいる物体が、コケのように光っているのだ。その蛍光塗料のような明かりで、さらにはっきり部屋の内部が映し出される。

 僕は空中で、白い”繭”にくるみ込まれている。頭だけ出して、そこから下は繭の中にすっぽり納まっていた。繭は四方に何百本もの糸を伸ばし、糸は柱や壁に張りついている。ここからの糸が繭を支えているんだ。

 繭は、この糸が数千本も集まって、絡み合って形成されているみたいだ。部屋の中心に、男の全身を包み込む巨大な繭がある。男の下には…見覚えのある魑魅魍魎たちが蠢いていた。頭だけ美少女のヘビたちだった。

 彼女たちはクスクスと女の子っぽい笑い声を出しながら、何か分からない言葉で囁きあっている。恐怖の冷や汗が、どんどんにじみ出てきた。

 だが、恐怖心は、全身にひっきりなしに加えられる快感に押しのけられていった。繭の感触はまさに女体そのもので、全身が優しく愛撫され続けている。見ると、半透明の”それ”は、ところどころ、おっぱいやお尻、唇、手やオンナの形になって盛り上がり、僕の体を滑って行っているみたいだった。

 白い”女体のパーツ”が首筋をキスし、背中をさすり、お尻に臀部を押しつけ、ペニスをおっぱいに挟み込み、また僕の股に太もも部分がこすりつけられている。パーツが交代でとっかえひっかえ、僕の全身を愛撫していたのだ。その白い肌からジワジワとにじみ出る、汗のような物質が、にゅるにゅるとした体液になっており、それがさらに女体からの性感を高めていた。

 「ウンン…」僕は呻き声を上げるしかなかった。この状況は何かやばい。心の奥で警鐘が鳴る。このまま快楽に身を任せれば、自分の全生命力が奪われてしまいそうだった。

 僕はわけが分からずに、モゾモゾと体を蠢かせて脱出を図ったが、動いても繭がうねるだけで、結局、白い肌の暴虐からは逃れられなかった。

 手をピンと伸ばせば、繭の壁もそれに合わせてゴムのように伸びる。破れない。蹴っても柔らかい女の壁はビクともしなかった。かえって、その衝撃がうねりとなって、僕の体を刺激するだけだった。

 ぐにっ。

 ペニスが強い締めつけに襲われる。筒状に変化したパーツが繭の中で生成されて、ペニスを飲み込んだのだ。ぐにぐにと蠢く筒が、ペニスを揉みしだき続ける。思わず僕は快感で腰を引いたが、後ろには数本もの女の舌が待ち構えて、玉袋からお尻の穴まで舐め回されるのだった。

 「あが…」筒状の物体はとろけて、しなやかな手のひらに変化し、ぐちょぐちょとペニスをしごき始める。裏スジを滑って行く柔らかい親指の腹が、射精を促していた。

 会陰がしなやかな指先で押されている。ペニスが再び胸の谷間に包まれる。ぷるぷると上下左右になまめかしく蠢き、また素早く上下にしごきたててきたので、僕はだんだんイキそうになっていった。

 乳房が大きくなり、お尻の形に変わっていった。臀部のワレメにペニスが挟みこまれてスリスリと愛撫されたかと思うと、巧みに位置をずらして、臀部を僕の腰に押しつけてきた。

 「ぐううっ!」今までにない強い締めつけがペニスを襲う…これはオンナの感触じゃない! それとは違う、力強い直接的な圧迫だった。まさか…今僕が挿入しているのはアナルなのか!

 ぎゅううっと臀部が引き締まる。そして、バイブレーターのように小刻みに震えて、ぶるぶるし始めた。この震えに合わせて、僕のお尻の穴に捻じ込まれた舌先も震えた。玉袋が柔らかい口腔内でモゴモゴされている!

 「うああ!」僕は耐え切れなくなって発射準備に入った。

 ビクッ! ペニスがひときわ強く脈打つ。…。しかし射精ではない。イク瞬間を確かに味わったが、射精時のような数秒の持続がない。これではイッたことにはならない。

 まるで射精した瞬間、時間が戻って、快感を受け始めた時点に戻されたみたいだ。

 ガサ…ガサ…床を這う蛇とは違う、大きな乾いた音が聞こえた。下を見ると、部屋の奥から巨大な影が蠢いているのが見えた。僕の真後ろで蠢いている”それ”が何者であるのか、振り向くことができない僕には分からなかった。ただ尋常な相手ではないことだけは分かった。

 相変わらず繭の内部は、女体となって僕を責め続けている。射精しておらず、それどころか「振り出しに戻された」状態なのは、僕の体に受ける快感ダメージが物語っていた。

 ガサガサガサ…いやな感じの音がどんどん近づいてくる。僕は快感の中で恐怖した。殺されてしまうと、直感的に思ったからだ。そして…

 ピリピリピリ…

 背中の方の繭が裂けて行く音がした。ひんやりとした空気がどんどん背中に入り込んでくる。熱を帯びていた全身に、心地よい風が舞い込んできた。

 ほてった繭の中に入り込んできたのは、風だけじゃなかった。絹のようなふんわりした細いものが、裂けた背中から繭の中に捻じ込まれている。これは…糸か何かなのか。

 糸は繭の中を蠢いて、あちこちに枝分かれをし、僕の手首足首の四箇所に巻きついた。

 ビリリリ…!そのあと一気に繭が割かれ、女体のような白い物体がごっそりと僕の体から滑り落ちて行った。ローションをたっぷり含んでいた物体がベチャッと床に落ちると、糸が四隅の繭の柱を切り落とした。裸の僕の全身が露出される。室温はかなり低い。冷房がガンガン効いているみたいな部屋だった。さっきまでヌルヌルしたあったかい繭に包まれていたので、急に寒くなり、僕は大きく身震いした。

 繭から脱出したのに、僕の体は宙に浮いたままだ。手足を動かしても手首足首に白い糸が巻きつけられていて、身動きできない。この糸がどこから出ているのか、後ろを向くこともできない僕には確認できなかった。

 どっちにしても今、僕は尋常じゃない状態に置かれていることだけは分かった。

 下からヘビ娘たちのクスクスという笑いが響いている。あの時も、この化け物たちにいいように僕の体を弄ばれたんだった。

 糸が僕の体を後ろにぐいっと引っ張った。そうだ、思い出したぞ。この部屋にはヘビ娘の他にボスのような存在がいたんだ。…クモ娘が!

 背中にふにょっとした感触が広がった。彼女の口から飛び出した糸の束が僕の四肢を捕らえ、自分の方に引き寄せたんだ。僕は後ろから、クモ娘の女体に抱きしめられている。しゅるるるっと、さらに僕の頬をかすめて糸が飛び出し、僕の上半身にまとわりついた。ヌメリを帯びた糸の感触は、束になるとローションつきの女体と変わらなくなる。さっきの繭はクモ娘の糸の塊だったんだ。

 「くっ…」僕は何とかしてこの状態から逃れようとあがいたが、しなやかに伸びる糸は完全に僕の体を捕らえていて、離してくれない。手を伸ばしても糸が伸びるだけで、取り外せない。右手で左手の糸を外そうとしてもすぐに右手が後ろに引き戻されてしまう。

 しゅるる! クモ娘は口からだけ糸を吐けるわけじゃない。クモと同じように、お尻部分からも出せる。上の口の糸は僕の体を拘束するため、そして下の口の糸はさらに、ピンク色に染まっていて、粘液がトロトロと滴っていた。その糸が僕のペニスにまとわりつき、ニュルニュルと滑って行く。

 「はう…」僕は魑魅魍魎に感じさせられ、あっという間に勃起させられた。やっぱりさっきのは射精じゃなかったんだ。イキたい衝動にすぐに駆られた。

 糸が玉袋と棒部分に巻きつき始めた。細い糸がぐるぐるとペニスに巻きつき、隙間なく全体を包み込む。玉袋も一緒に「ピンクの小さな繭」に収まってしまった。さっきの白い繭とは比べ物にならない心地よさが、下半身に広がる。ピンクの糸は、さらにお尻の穴にも容赦なく捻じ込まれた。

 やわらかい糸の筒が、ふにふにとペニス全体を揉み始める。大量の粘液がまとわりつき、快感を高めていった。いや、ローション効果だけじゃない。この体液が僕に絡みついてから、性感がどんどん高まっていくのをはっきりと感じる。ピンクの体液が、僕の肌から吸収されればされるほど、僕の体の感度が上がって行く。

 ぎゅっ! 糸の束が締まったり緩んだりし始め、さらに蠢きながらスリスリと棒をしごきたてていった。丁度、裏スジに突起が当たるようになっていて「ペニスを包み込んだピンクの膜」が蠢くたびに、強烈な刺激が、下腹部から全身に広がって行く。

 僕は呻き声を上げながら、快感に抵抗しようと身を捩じらせるが、糸の拘束からは逃れられない。動けば動くほど、クモ娘の複数あるオッパイが背中を滑るだけだった。

 クモ娘の6本の腕が、僕の上半身をまさぐる。その内の二本は常に僕の乳首をつまんだり、指先で転がしたりしながら、そこだけを集中攻撃している。彼女の生足が僕の足に絡みつく。太ももが玉袋を押したり滑ったりして、ピンクの膜の攻撃力を高めてくれている。

 「ああっ、もう…」ビクン!

 ペニスがひときわ大きく脈打った。この後ドクドクと連続して脈打って、白濁液が噴き出す…はずだった。でも、一回脈を打っただけで、ペニスは反応を止めてしまった。

 イッた瞬間にペニスだけ時間が戻り、最初の状態に戻る。どうしても射精だけはできなかった。「うう…」僕はまた魔性の快楽に翻弄されながら、絶頂の瞬間まで高められた。そして「元に戻る」のだ。

 これでは、永久に快楽を追い求める状態に貶められてしまう。何とかしなければ…! だ、だれか…たすけて…

 クモの糸がひっきりなしに僕のペニスを高めては、一回だけの脈打ちに導く。このままだと本当におかしくなってしまう…

 「も、もう…ゆるして…」僕は後ろにいるクモ娘に懇願した。「クスクス…」魑魅魍魎たちが僕を見ながら笑っている。耳元の妖しい笑いはクモ娘のものだ。

 ずっと感じさせられているのに、絶頂の満足にいたらない。はっきりと僕の肉体と、特に精神に、疲労が溜まってくるのを感じた。目の前がぼやけてくる。もうだめ…。このまま自己を失ってしまうのか…

 ぐにゃりと視界が歪んだ。僕は地獄へとストンと落ちるように、気を失ってしまった。暗闇と無の中に突き落とされた。

 …。

 「ぅぅ…」まぶしい光に包まれて思わず目を開けた。いつもの天井が見える。ああ…夢だったんだ。

 起き抜けなのに疲れ果て、全身に重々しいだるさを背負いながら、何とかベッドから身を起こす。じわりと性欲が頭をもたげた。夢の中じゃ一回も出していないんだから当然だ。体が疼いている。でも自分でペニスをしごいても、一向に射精にはいたらなかった。やっぱり、体がおかしくなっちまってるんだ…

 もう時間だ。今日は女の子たちが来なかったな。しかしテーブルを見ると、ちゃんと料理ができていて、ラップが掛けられてあった。置き手紙があり「ちょっと早く来すぎてしまいました。まだ寝ていらっしゃるみたいなので、朝食だけ作らせていただきます。起きたら召し上がって下さい」と書いてあった。

 でも食べている時間はないな。起きるのが遅かったから。悪いけど今日は食べずに仕事だ。

 そういえば「創立記念週間」が始まって、そろそろ一週間になるか。たしか、この祭典は二週間、今月末まで続くんだった。つまり、今日でやっと半分過ぎるわけか。明日は休み、あさってから後半だ。

 あー、あと一週間も、女学生たちのあられもない制服を見せつけられるのか。気が重い。

 しかも、祭典で気が緩むのか、なんなのか知らないけど、彼女たち、今週に入ってからかなり積極的になってきてるんだよなあ。飛びかかってきて、全裸同然の体を僕に押しつけたり、露骨に誘惑してきたり。人気のないところだと、チャンスとばかりに迫ってくる。先日は負けてしまって、いけないことをしちゃったんだよな…ボートの上で。

 学校を見回る。相変わらず学生たちがキャピキャピ騒ぎ、開放的になっていて、どこもかしこもうるさい喧騒だ。彼女たちは僕を見つけると、若い肉体を駆使して、いつもどおり誘惑してきた。そして僕が逃げると、ピチピチした身体を弾ませて追いかけてくる。捕まったら、白昼堂々と学校の中で抜かれてしまいかねない勢いだ。さすがにそんなことになったらまずいだろう。

 それでも、いかんせん女の園なんだ。どこに行っても、必ず誰かに見つかってしまう。学校の中には、大勢の娘たちが集団でたむろしている。たびたび捕まっては女体を押しつけられ、そのたびに僕の服が消えてしまって、柔肌に包まれてしまうのだった。

 よりによって、今日は朝から一発も抜いていない。淫靡な夢で精巣の精子がいつ飛び出してもおかしくない状態だったから、逃れるのは難しい。

 昼休みには大追いかけっこ祭りになってしまい、学校中の女子たちが、僕一人めがけて押しかけてきた。ついに階段のところで大勢の女学生たちに捕まってしまい、もみくちゃにされてしまった。

 「えへへ〜☆」「用務員さんかわいい…」「やめろお…!」

 ぷにぷにの女の子の身体が前後左右に群がり、スベスベのふとももが僕の下半身を翻弄する。僕の胸板に何人もの胸が潰れ、這い回る。「ああっ!」ついに誰かのお腹に亀頭がめり込んだ時に、耐え切れなくなってしまった。胸でも足でもなく、わき腹の柔らかさに亀頭の先っぽが包まれ、体の奥の疼きが具体的な「形」になった。じわっとお尻の奥がくすぐったさに包まれる。

 「あっ、イカン!」僕は腰を引いて全身に力を入れて踏ん張ったが、もう遅かった。昨日の夜からじらされ続けたペニスのほとばしりを止められず、精液が女の子たちに向けて噴出し始めた。「やん!」「出たぁ〜〜!」「えっ、ホント!?」「あーん、見れなかった〜!!」

 これは大変な不祥事だ。とっさに僕は、女の子たちの間を掻き分けて、力ずくでその場を脱出すべく走り出した。女体の間を潜り抜けながら、溜まりに溜まった精液が放出されている。僕は走りながら射精していた。女の子たちの体が擦れるたびに、射精が延長する。

 後ろから歓声と笑い声を受けながら、僕は泣きそうになって走り続けた。何とか人気のない物陰に身を潜めた。

 こんなことがあと一週間続くのか。はあ…

 そのあとも、僕は女の子たちに見つからないように行動し、見つかったら全力で逃げた。思った以上に、体力を消耗する。夕方になるころには、ヘトヘトになっていた。

 追い回される一日だったけど、一回抜かれただけで(しかもほとんど不可抗力で)済んだのは、奇跡的かも知れない。僕はぐったりしながら、自分の部屋に戻った。

 ドアに張り紙をした。「今日は夕食は結構です。」朝食べなかった分があるからね。それに、できれば女学生に会う機会を減らしたかった。夕食の子たちは来なかった。

 

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