スクヴス女学園14

 

 ずずず…ゾゾゾ…。「!?」あっ…! あれは…!?

 紫色に光る液体が流れてくる! 僕が逃げたと分かってから、彼女たちは僕を追い始めたんだ。ふたたび捕まったら今度こそ命はないぞ。僕はとっさに階段を駆け下り始めた。散々出し尽くしたからか、体が重い。足元もふらついている。しかし、捕まってはいけないという危機感から、僕は持てる力のすべてを出して階段を下りるのだった。

 スライムたちは規則正しく、非常階段を流れ下りてくる。僕は追いつかれないように全力で階段を下りた。やっと非常階段を下り、校舎から離れる。

 僕は用務員室めがけて足を急がせた。スライムたちは非常階段を超えて、さらに僕を追ってきている。捕まってなるものか! 僕は走り続けた。

 「あっ!」自分の部屋に行こうとしていたが、スライムたちの水の流れが先回りしていた。高度な魔族だけあって知性もある。僕の行動を読んでやがった。くっそ、これじゃあ部屋には戻れない。僕はあてもなくきびすを返して、別方向に走り始めた。

 あっちに走ってはスライムたちに先回りされ、こっちに走っては追い立てられるように後ろから迫られ、僕は自分がどこを走っているのか分からなくなった。しかし考えている暇はない。捕まったら最後なんだ。

 しばらく走った気もするし、短い間だった気もする。体力的に限界だった。多分そんなには走ってないだろう。すぐに限界に来てしまうほど、僕は衰弱していたのか…。あたりは真っ暗だった。

 後ろを振り返っても、スライムたちの姿はなかった。これ以上追ってこないのか。なんとか…助かったな。僕はフラフラになりながら、知らない道を歩いた。あせって逃げているあいだ忘れていた性欲が、ふたたび疼く。が、耐え切れないほどではない。思考も鈍らない。歩きながら考えよう。昼間…誰もいない校舎で化け物たちに襲われた。あれは一体なんだったんだろう? しかもスライムに襲われ、追いかけられて、いま自分は知らないところを歩いている。…これって案外危険な状況では?

 「!!」道の終わりに建物があった。「これは…」紛れもなく、自分の部屋がある建物だ。周囲をよく見ると、見慣れた場所だった。さまよい歩いた挙句、たどり着いたのは自分の安住の場所だった。「あ…助かった!」疲れが吹き飛んだ。僕は建物の扉を開け、吸い込まれるように中に入った。

 「…うっ!!?」建物の中は見慣れた光景ではなかった。いや…見たことはある光景だった。広いロビー、赤いじゅうたん、エレベーター…そして…内部に充満する甘い香り…「そ、そんな…」たしかに僕は自分の部屋に帰ったはずだった。が、その場所は用務員室ではなく、あの戦慄の女子寮だった! さっき外から見たのは幻影で、用務員室と思わせて僕を誘いこむ罠だったのか。それに気づいたときは扉は閉ざされ、薄暗いロウソクの光だけでライトアップされた女子寮に閉じ込められていた。

 「ぁう…はぅっく!」強烈な性欲が頭をもたげる。さっきのスライムの分と、建物内に充満する淫気のダブルパンチで、体が強烈に疼くのだ。この感覚は…さっきスライムから脱出したばかりの時に似ている。だが、さっきは脱出する目的があったから、考えをよそに向けることができたけれども、今は閉じ込められ逃げられない中で、同じ性欲に苛まれている。状況がまるで違っていた。

 「んふふ…」「くすくす…」暗闇の奥から若い娘たちの声が聞こえる。顔はよく分からないが、その姿をシルエットで確認することができた。数人、いやその向こうにも2,30人はいるぞ…。「あっぐ!」股間がきゅんとくすぐったくなる。強烈な淫気に毒され、性欲の塊となっていた僕の前に、大勢の裸の女学生たち…止められるはずもなかった。

 「うああ!」僕は娘たちのもとに走りより、近くの女学生に抱きついた。そのまま彼女を押し倒し、上に乗ってズリズリと体をこすりつけた。全身が柔肌にこすられ、心地よい感触が広がる。ペニスも彼女のツルツルオンナやおなか、ふとももにこすれ、快感にカウパーをどっさり滲ませる。彼女のほうも僕の首を抱きしめ、セックスに応じてくれた。「んあ!」数回こすりつけただけで僕は限界に達し、スベスベのふとももに体液を噴き出させた。

 それでも体の疼きはとまらない。「さあどうぞ…用務員さん…クスクス…」女の子は股を開いてオンナを突き出した。僕は何も考えられずにペニスをねじ込んだ。化け物とは一味違う、人間ならではのあたたかさとやわらかさに包まれる。いや…この感触とて、人間の娘のものかどうかも怪しいものだが…いまの僕にとっては、そんなことはどうでもよかった。オンナをかき回しながら、数回ペニスを前後させると、なまめかしい締めつけにあえいだ棒が、勝手に体液を彼女に提供してしまう。そのあいだ、ずっといとおしむような微笑で、女学生は僕を包み込んでくれていた。

 まだ足りない。僕の周囲に群がってきた娘たちに次々飛びつき、その柔肌を味わう。女性特有の、いやそれ以上のもっちりしたスベスベの体が、僕の体をやわらかくかわいがり、こすり、くすぐり、僕を高めてくれる。僕は女学生の貧乳に顔をうずめ、オンナに射精する。脈打ちが終わらないうちに、隣で寝そべっている女の子に抱きつき、ツルツルのオンナ表面に亀頭をこすりつける。彼女は巧みにペニスをふとももで挟み込み、やさしく精液を抜いてくれた。

 さっきよりは少し落ち着いたが、この甘い香りに脳を犯され、気を抜くとまた我を忘れてしまいそうだった。事実、定期的に我慢の限界に達して女の子に飛び掛り、脳も心も停止したまま、娘たちの体で満足する。射精すると落ち着くが、どちらかというと射精して初めて我に返るという感じだった。

 女子寮のあちこちに、全裸の美少女たちがいた。彼女たちは積極的に僕に襲い掛かってはこなかったが、クスクスと僕を見つめ、エッチなポーズを取ったり声をかけてきたりしてしきりに誘ってくる。甘い声と香りにほだされ、定期的に近くの娘に向けて射精してしまう。彼女たちは僕を受け入れ、オッパイや口や手や足、背中やおなか、お尻横尻、足の裏でさえ精を搾り取ってくれるのだった。

 僕はここから出られるんだろうか…どこまでも続くロウソクだけの薄暗い館内。いたるところで全裸で待ち構える女学生たち。電気が通ってないみたいで、エレベーターは動かなかった。階段を登っても、廊下も、部屋も、設備も、すべて若い娘たちで埋め尽くされている。トイレに行っても女の子たちは必ずいた。ときどき性欲に負けて、僕は彼女たちと交わってしまう。

 どこで自分に負けても大丈夫だった。そばには必ず2、3人…場合によっては何十人も、娘たちがいるのだ。その場で好きなように性欲を満たせばよかった。時間が経てば経つほど、淫気が体の奥までしみこんでくるし、また、交われば交わるほど、若い女の味があまりにも甘美で、ますます性欲の虜になる。なにかがおかしい…女学生たちの共通のたくらみのようなものが垣間見える…そんな危機感が心に警鐘を鳴らすが、それを跳ね除けてしまうほど強い性欲が、時間が進むにつれ、セックスの回数が増えるにつれ、ますます強くなってしまう。耐え切れなくなるまでの時間の間隔が、徐々に短くなっていった。

 やがて、目につく女学生すべてと交わるようになっていった。3人固まっていればその場で全員に精を提供し、すぐそばにいる別のグループに移る。5メートルの距離に7人いればその全員に射精しながら進むことになるので、5メートルでもずいぶん時間がかかった。

 まるでエッチな障害物競走みたいだった。ハードルの代わりに娘たちがいて、全員を乗り越え、射精しないと先には進めない。本来なら出してしまったら失格で、ハードル娘たちをイかせながら進むことになるのだろうけど、いくらでも射精でき、疲れることも萎えることもない体なら、出しながら進むことができるのだった。スライムたちの時と同様、ますます深みにはまっていく自分が恐ろしかった。

 一体自分は、どこをさまよっているのだろう。どこに向かって歩いているのだろう。まるで目的がなく、その場にいる女学生たちと交わるために、寮をうろついているようなものじゃないか。それがいかに異様なことか分かっていながら、目の前の裸体にむしゃぶりつかずにはいられないのだった。

 「クスクス…用務員さん。そろそろ地下に行ってみてはいかがですか?」座位で精を絞り上げた娘が結合したまま耳元で囁く。「ち、地下?」地下なんてあったかな。思い出せない。「そうです。この学園には文化祭がないから、その代わりに特別に、この地下にオバケ屋敷を作ってるんですよ。遊んでいってくれませんか?」「お…ばけ…」「今回は用務員さんのためだけのオバケ屋敷ですわ。さあ、御案内差し上げます。」

 廊下のロウソクがすべて消え、真っ暗になった。人の気配が消え、淫気の甘い香りがなくなった。僕は気が遠くなり、自分がしでかしたことについて考える暇もなく、深い眠りに落ちていった。

 …長い長い時間だった気もするし、一瞬だった気もする。気がつくと僕は、誰もいない廊下に投げ出されていた。「ここが…地下室…」天井などには見覚えがあったが、周囲はおどろおどろしいセットで埋め尽くされ、雰囲気として初めてだった。

 「そうだ…思い出した…オバケ屋敷…」狭い通路にはじゅうたんが敷かれており、青く暗い光が、淡くあたりを包み込んでいる。茂みや井戸など、オバケ屋敷っぽいセットが奥まで並んでいる。周囲の木が並んでいて、それが通路を示していた。

 周囲には誰もいなかった。どうやら僕ひとりで。ここをさまよわなければいけないらしい。淫気はなく、僕の性欲も落ち着いていた。しかし、どこからかほんのりと漂う甘い香りは、若い娘の体臭に違いない。つまりこのオバケ屋敷には、すでに大勢の女学生たちが潜んでいるということだな。…さっきのような失態は犯さないようにしなければな。なにがどうなっているのか、まだ十分に把握できてはいないが、性欲の虜となり、しばらくのあいだ、自分が自分でなくなっていたことが、いまさらながら恥ずかしかった。

 とにかく、この広い地下室から脱出すれば、戦慄の女子寮からも脱出できるのかもしれない。進んでいくしかなさそうだ。僕は立ち上がり、オバケ屋敷の奥に向けて、足を進めていった。

 足場は悪くない。理性も取り戻されているみたいだ。足取りもしっかりとしているし、魔性の影響さえなければ、以前のように毅然とした態度で脱出できるかもしれないな。

 「!!」突然周囲に青白い火の玉が浮遊してきた。へえ。火の玉の演出なんて凝ってるじゃないか。少し感心してしまう。と同時に、やはり誰かが潜んでいて、みだらな罠を仕掛けていることも確実、ということがわかった。何をされるかはわからないが、とにかく理性を保ち、我を忘れないようにしなければ。

 「むぅ…」火の玉が近づいてくる。青白い炎には熱はないようだ。というより、それは炎ではなく、何か霧状のものだった。中心にある球から発している、生々しいオーラが、火の玉に見えるのだ。

 しかもよく見ると、中心にある者は球状ではなく、少し細長い筒のようになっている。そして…その形は青白い光とともにあらわとなり、火の玉の正体がはっきりと見て取れるのだった。

 「…悪趣味にもほどがある。」火の玉は、ブルーに透き通ったオナホールだった。といっても、人工物という感じがせず、本物の女性の性器がかたどられ、特殊シリコンに変換されている感じだ。剛毛はなく”入口”も本物そっくりに精巧すぎる。ペニスをすっぽり包める伸び具合で、うにうにと蠢きながら、青い“炎”を発している。

 つまり、その火の玉は魔性の物体であり、そのかぎり本番ができるということだ。

 火の玉の出現によって、さらに周囲の状態をはっきり見ることができた。似たような”女性器だけの化け物”は、あちこちにいる。道端に生えている植物は、花びらを閉じると粘液をからませながらペニスをしごくことができる構造のようだ。高い柳の葉っぱからは、コンドームの化け物がいくつも垂れ下っている。ペニス状に伸びきった化け物は、白い透明なマニピュレーターで、全体から小さな触手が伸び縮みしている。

 火の玉にもいくつか種類があって、濃い青のものは、さかさくらげのように内部に触手が生えており、薄い色は名器おもちゃタイプ。小さなロリタイプから熟練し使いこまれた感じのおもちゃまでそろっている。

 火の玉は、僕の周囲を明るく照らしながら、僕が転ばないように道をエスコートしてくれている。不気味な植物やコンドームは、粘液を滴らせながら蠢きはするものの、火の玉も他の化け物も、それ以上には何もしてこなかった。突然この不気味な化け物に襲われるかとも思ったが、モンスターたちは周囲をつかず離れずで、それ以上攻撃してくる気配がなかった。

 ま、まあ、それ以上何もしてこないんだったらいいか。道案内もしてくれているし、不気味な植物も道の境界を教えてくれている。

 それにしても…

 魔性がかっているとはいえ、本当に精巧に作られている。形状、質感、やわらかさ、透き通って見える内側のヒダまで、本物のオンナそのものだ。つまり僕は、周囲に女性器をひきつれて、歩いていることになる…間近で見せつけられながら。

 だんだん股間が疼いてきた。い、いかんいかん、この程度で、しかもこんな化け物に欲情していては。僕はギュッと目を閉じて理性を保ちながら、歩を進めていった。もちろん、ずっと目を閉じているわけにもいかないので、落ち着いたらまっすぐ前を見て進むのだ。

 「!」火の玉が目の前を浮遊する。ツルツルのやわらかそうなオンナが目の前でうごめいている。「〜ッ!」打ち消そうとしても、さっきまでのみだらな饗宴がどうしてもフラッシュバックしてしまう。女学生たちのナマの感触が股間に思い出される。それと同じような器官が、今自分の目の前にあるのだ。

 「あぁ…」情けないため息が漏れた。ペニスが自分の意思に反して、膨張を始めたからだ。こんな不気味な物体に欲情してしまうとは、最悪だ…

 「!」半立ちのペニスに一体の火の玉が近づいて行った。股間にぴったりと寄り添う。そこで初めて、火の玉の炎の戦慄の正体がわかった。火の玉がペニスに張りついた途端、股間全体がぬるぬると湿り気を帯びる。放出された青白い霧状の炎は、魔性のオナホールから分泌される愛液そのもの、いやらしい粘液だったのだ。

 ぷにっとやわらかい特殊シリコンのような物体が、ペニスに押しつけられる。本物の女性の肉のように、筒状の物体がペニスにしなやかな弾力を伝えた。

 この誘惑に勝てなかった。ペニスはどんどん勃起し、血の巡りが良くなって、ひくひくと脈打ち始めた。

 「ああっ!」そのとたん、火の玉は…いや、魔性の女性器は、ペニスをすっぽりと包みこんでしまった。内側も外側も粘液で滴っているバルトリンホールは、あまりにもスムーズに、入口からペニスを飲み込み、根元まで食いつくしてしまった。

 「お…おぉ…」オンナだけの化け物は強く収縮・吸引しながら、激しく伸び縮みし、内側の名器ヒダで、これでもかと棒をしごきあげ始めた。締まり具合も濡れも良く、股間に集中する心地よい感触が、すぐに全身に拡がっていくのだった。

 僕は立ったまま化け物に挿入され、ぐちょぐちょに犯されている。

 まさに生身の女性とシているのとまったく同じ感触だった。いや、ひょっとするとそれ以上の快感かもしれない。腰がない分、オナホールは自在にハイスピードで動くことができ、手コキのような速さでペニスをしごくことができている。

 筒状の生き物は、普通のオナホールのように“出口”が反対側にあるわけではなく、それでいていきり立ったペニスを根元まで飲み込んでしまえるほど、伸縮自在であった。ひっきりなしに滴らせる粘液が、ヒダの攻撃力を格段に上げている。裏スジやカリの敏感なところが、やわらかくざらついた突起にこすられ、棒全体をきつく圧迫しながら、それでいて優しい安堵感を股間の奥に送り込んでいた。

 「あああ…」僕は立ったまま腰を引き、自分の股間部分をがっしりつかんで、何とかこの暴れる女性器を引きはがそうとしたが、火の玉はピッタリ張りついて離れてくれず、その激しい動きを止めることもできなかった。

 いくら腰を引いても、ぷにぷにした物質は根元まで咥えこんで執拗に責める。ぐっぽぐっぽといやらしい音が股間から響いている。僕はだんだん、自分の手でオナホールでオナニーしているみたいな錯覚に陥った。人工のおもちゃでは到底出せないような快楽が、魔性の道具によって、僕の股間を直撃している。

 「う!」あっという間に高められ、僕は精液を女性器モンスターの中に吐き出していった。強く収縮する名器は、揉みしだくように最後の律動が終わるまで精を絞りあげてくれた。

 すべてを吸いつくすと、火の玉はぐちょりとペニスを離れ、地にべちゃっと落ちた。もはや光を発さず、炎も出ない。特殊シリコンの抜け殻だった。白濁液は化け物と融合し、崩れゆく残骸とともに消えていった。

 出しつくしたペニスは、すぐには元気を取り戻さず、萎えきってしまった。さっきのような魔性の香りがないためか、以前のように射精後すぐには復活できなくなっている。それが奇妙な安心感を僕に与えるのだった。

 萎えたペニスには火の玉は近づかない。それで僕は状況を理解した。もし僕が、このお化け屋敷のトラップに欲情し、ペニスが反応した時には、周囲に張り巡らされたモンスターが容赦なく精を絞り取る。半立ちになった時点で化け物がすり寄り、完全に立たせてしまう。しかし、勃起さえしなければ、モンスターたちは襲ってこず、それどころか僕を出口まで案内してくれるわけだ。

 それなら、みだらな罠にはまるかどうかは、僕の意思次第ということになる。周囲のモンスターに女性性を感じさえしなければ、そして、この先にきっと仕掛けられている女学生たちの罠にも引っ掛からなければ…邪欲を掻き立てなければ、僕は無事に脱出できるのだ。よし、がんばろう!

 しばらく歩く。一度化け物の容姿に欲情して射精してしまっているから、その情けない思いが手伝って、もはや花にも火の玉にも劣情を駆り立てることはなかった。こいつらはただの明かりであり、道しるべだ。そう割り切って進む。

 「いちまーい、にまーい…」「むっ!?」枯れ井戸から声がする。「一枚足りないからベリマートで買ってきて〜…」「いや…そんなんで買えるような安物で化けて出られても…」

 井戸からヌッと、お菊に扮する白装束の幽霊があらわれた。もちろん、女学生が変装しているのだろう。皿を持っていないのに、皿を数える真似をしていた。幽霊のはずなのに明るく笑っている。

 「くすくす…」白装束の女の子は突然上半身をはだけさせた。下着を着けておらず、大きな乳房がいきなりあらわになる。乱れた装束が腰から下にぶら下がっていて、おなかから上が完全に無防備となった。

 彼女は自分の乳房を抱えて持ち上げ、僕に見せつけるように谷間を強調している。妖しい笑みと誘うような視線に、僕はくぎつけとなった。

 顔立ちは相当に幼い感じで、肩も鎖骨周辺もとても若々しい。それでいて乳房が女らしさをことさらに強調し、妖艶な雰囲気も兼ね備えていた。

 い、いけない! このお化け屋敷は誘惑の罠で満ち溢れているんだ。欲情して勃起してしまったら、周囲にたむろす化け物どもに抜かれてしまうんだ。女の子はおっぱいを強調する以上は何もしてはこない。だから僕が強い精神でやり過ごすことができれば、この誘惑に勝って先に進むことができる。

 ぴくっとペニスが反応を始めた。僕はギュッと目を閉じ、彼女に触りたい情念を必死て抑えつけた。今までそうやって羽目をはずして、破廉恥の極みをくり返し、どんどん背徳人間になっていったではないか。これ以上は絶対にだめだ!

 深呼吸をする。股間が静まって行った。よし、これで目を開けて大丈夫なら、さっさと先に進もう。正当な方法で誘惑をはねのけたのだから、逃げてなどいないのだから、ちゃんと先に進めるはずだ。

 目をあける。やはりすぐ近くに若い娘が上半身をはだけさせているというシチュエーションが情欲を誘うも、考えてみれば、似たような状態はこれまで、ここに来てから何度もくり返してきた。考えようによっては、いまさら感もある。よし、このまま先に進もう。

 「えー、わたしではダメですかぁ? こんなに柔らかいのに?」「あっ!」女の子は、僕が視覚攻撃だけでは靡かないと分かると、僕の手首をつかんで自分の胸に押しつけた。むにゅっと奥までめり込んでしまう大きな胸の感触が、僕の手のひらに伝わってくる。「もっと触ってもいいんですよ? ほらあ…」彼女は僕の手首を揺り動かす。手が女の子の柔肉の中で翻弄されてしまった。

 「ず、ずるいよ…」「そんなことないですよ。おチンチンに触りさえしなければ、なにしてもいいんです。覚えていてくださいね。」「そんな…」それで勃起したら負けなんて、無理に決まっていた。

 ペニスがどんどん反応する。「あはっ、やっぱり私の胸で感じてくれたんですね。うれしい…」半立ちのペニスに彼女の手が伸びた。半立ちにさえ持ち込んだら、ペニスに触れてもいいらしい。そういえばさっきのオナホールも半立ちになった途端にすり寄ってきたな。

 女の子のやわらかい手がペニスをやさしく撫で上げる。そのしなやかな感触に僕はすっかり欲情し、ペニスがみるみる大きくなっていった。

 しゅるっ! 「!!」上からひものようなものが飛んできた。

 それは正確にはひもではなく、木につるされていたコンドームの化け物だった。生き物と化したコンドームは、すでにペニスの形に伸びており、いつでもいきり立った棒を飲み込めるマニピュレーターと化していた。

 狙っていたように、コンドームがペニス先端に張りつき、ゆっくりと飲み込んでいく。やわらかい膜の感触は、ただのゴムとは違う素材でできていることを物語っている。内部は粘液で満たされ、スムーズにペニスを入れることができた。完全にペニスに張りつき、根元までおさまると、ギュッと棒全体を締め上げた。三段締めタイプだった。

 ぐにに…「あうう…」意思のあるコンドームの化け物は敏感なところを特に重点的に締めていった。密着し、先端の精子溜めに向けて空気が抜けていくありさまは、もはや避妊具ではなく、強烈な魔性のおもちゃであった。

 潤滑粘液がペニスの肌から浸透していくと、体が徐々に熱くなってきた。リズミカルに収縮するため、ペニスはいつも揉みしだかれている。それだけでも十分に感じる。

 しゅるる…「ひっ!」コンドームから無数の半透明の触手が伸びた。この化け物は男も女も狂わせることのできる魔性の遊具であり、女性に対しては硬さを保って挿入し、外側に向けて伸びる無数の触手が、内部やクリを徹底的に悩ませる。そして男性に対しては、ペニスにすっぽり収まって締め上げながら揉みしだきつつ、伸ばした触手で、股間の感じるところを徹底的にくすぐりまくるのだ。

 実際、触手はカリの敏感なところに無数に群がって外側からこちょこちょと刺激し、尿道口のあたりまで張りついて、激しく蠢いている。裏スジから根元までもツンツンと触手が敏感なところをいじめる。さらに、長くのびた触手は、玉袋を覆っていき、巧みに感じるところをつついたりくすぐったりしながら、全体をやさしく揉んでくれている。それでいて触手は太くはなく、コンドームの形をきちんと保ち、透き通っているので、ペニスが感じている様子を目の当たりにすることさえできるのだった。

 ペニス全体がコンドームに翻弄された。足のつけ根の敏感なところも、容赦なく細長い触手が伸びて刺激している。きわめつけは、コンドーム内側に一本だけ伸びた触手が、尿道口から侵入し、“内部”からペニスを快感にさらしている。全体が収縮して締め上げ、本物の性交にも負けない快感を演出していた。

 「このおもちゃの一番イイところはねえ。同時に男と女を悦ばせることができるのよ。その状態で挿入もできるし。そうすれば男女が一緒に天国を味わえるわ。それに…うりゃっ!」

 「はうああっ!」様子を見ていた女の子が腰をかがめ、ペニスを豊かな乳房の谷間に挟み込んできた! むにゅっとした圧迫がペニス全体をやわらかく締め上げる。

 女学生はリズミカルに胸を上下させ、ペニスを乳房全体でしごきあげてきた。「くすくす。こうするとコンドームの快感とパイズリの快感を同時に味わえるんだよ? 気持ちいいでしょう? ほれほれっ!」

 コンドームがピンポイントで性感帯を責め、それでいて女の子の胸のやわらかさを股間に感じる。特殊な膜でできたコンドームは、女の子の感触をいささかも防御することなく、肌の質感までしっかり伝えてきた。まるで肌が直接こすれあっているみたいな、すべすべの感触をじかに感じる。そのうえ、コンドーム内部の粘液がにゅるにゅると流動し、パイズリの感触をことさらに心地よいものに仕立て上げる。

 ひっきりなしに触手が敏感なところを責めあげる。時にはぶるぶると震えて、バイブ振動さえ送り込んでくる。女の子はゆったりとした乳房にペニス根元から包み込んで、大きく優しく、それでいてリズミカルにしごきあげている。このW攻撃に、僕はあっという間に高められた。

 「ああああっ!!」精液が勢いよく飛び出した。コンドーム先端に体液がどんどんため込まれ、あまりの量に先端が風船のように大きく膨らんだ。「わあ、いっぱい出てますね。」胸元を見て、女学生が歓声を上げた。

 精液が見る見るうちに消えていく。コンドームの化け物の体内に吸収されていっているのだ。透明だったコンドームは白濁色に染まっていく。触手が動きを止め、内側に引っ込んでいった。そして、薄い膜でできた物体は生の活動を停止し、乾いたオブラートのようにかさかさと崩れてしまった。

 ペニスが今度こそ生のおっぱいに包みこまれている。「うりゃうりゃっ! まだ離しませんよ!」女の子は、今度は左右交互に激しく乳房を上下させ、萎えかけのペニスをこれでもかと刺激し始めた。「うああっ、やめ…」

 ものすごいスピードで左右のおっぱいがペニスをしごきあげる。出しつくしたはずなのに、素早く滑っていくやわらかい乳房が、股間の奥底まで、くすぐったく刺激し続けた。彼女はときおり首を伸ばし、埋没しては顔をのぞかせる亀頭めがけてキスをしたり、ぷるぷるの唇で包み込んで舌先を転がしたりしてくる。

 ペニスは萎える暇を与えられず、ほどなくして、ふたたび快感の種がこみ上げてきた。「ああっ、また出ちゃう…」ペニスが再び律動した。さっきほどではないものの、透き通った精液が勢いよく飛び出した。お尻の奥がずーんと重くなる。体液は彼女の胸元に浴びせかけられた。

 「くすくす。この感じが欲しかったんですよ。」どうやら彼女は、自分の胸に精子をかけて欲しくて、無理やり射精させたのだった。「じゃあね、用務員さん。またどこかで遊ぼうね。」白装束の娘は井戸の中に沈んでいった。

 僕は出しつくした疲労感で、その場にへたり込んでしまった。股間の奥に鈍い痛みが走る。体に異常はなく、出したら疲れるという点ではまともなのが、救いに思える。いくら出してもどんどん欲情してしまうのでは、生命エネルギー自体を吸い取られているようで怖いのだが、今は、出せばもう出なくなるのだ。

 ということは、今度は簡単には勃起しないということだ。今の状態でどんどん進んでしまえば、たいていの誘惑は乗り越えられそうな気がする。よし、今がチャンスだ。

 僕は立ち上がり、薄暗い道を歩き続けた。

 歩いていると、体がだんだん軽やかになってくる。さっきまで出しつくして足取りもおぼつかない感じだったのが、数分も経つとすっかり元気になっていた。「…妙だな…」股間の痛みもなくなり、元に戻りつつある。いくらなんでも、回復が早すぎる…。

 嫌な予感がする。たしかに、ここにくる前みたいに、いくら出しても萎えることを知らない、魔性の催淫ガスにまみれてはいないから、出せば普通の男性のように疲労する。しかし…異常に回復が早いのだ。何らかの効果で、回復が早いということだろうか。言い方を変えれば、精巣にふたたび精子が溜め込まれる時間が、異常に短いということ。

 ということは、普通なら数日抜いていなければ性欲が強くなり、ちょっとしたことで欲情してしまうものだが、それがものの一時間程度で同じ状態になるということだ。これだけ抜いても数分で元に戻ることから逆算すれば、生殖器官の時間の流れ方は、相当のスピードになる。本当ならその日一日中はセックスからは完全に遠ざかるのだが、そういう嫌悪感など数分で終わってしまうのだ。

 だから、このお化け屋敷にいるかぎり、ペニスは生理的器官として、勃起しやすい状態にあるということになる。催淫剤がない理由がわかった。そんなものがなくても、ペニス内部の器官だけ時間が早く流れれば、それだけで僕を欲情させ、またあっという間に回復させることができる。そこへ化け物や女の子たちが誘惑してくるのだ。

 そうこうしている間にも、ペニスはすっかり元気を取り戻し、性的に興奮したらいつでも勃起できる状態に戻ってしまった。

 いや、たいへんなのはここからだ。仮に精神力でもって、女たちの誘惑を乗り越え続けたとしても、時間が経てば経つほど、精子が溜め込まれることになり、性欲に敏感になりやすくなる。つまり、時間が経てば、それだけ誘惑に屈しやすくなるんだ。そんな中を戦わなくちゃいけない。しかも誘惑は熾烈を極める。

 最悪のお化け屋敷に迷い込んでしまったようだ。

 「ああん、いいよぉ…」「もっとよ、もっとつよくこすってえ!」上空から悩ましい声が突然響いた。

 上を見ると、空中に浮かんだ透明のスクリーンにホログラムが浮き上がっている。特殊なスクリーンが立体感のある映像を映し出しているのだ。そしてそこに映っているのは、二人の美女が裸で濃厚に抱き合っているレズシーンだった。

 お互いの貝をぴったりくっつけ、二人ともいやらしく腰を動かしている。抱き合いながらすべすべの肌をまさぐりあい、乳房がくにゅくにゅとつぶれあっていた。いやらしい声が遠慮なく響き渡り、何も見えない様子で女どうしで激しく愛し合っていた。

 「あああ…イキそうだよお…」「あふう! おおっ、あは…」女同士だから女体の敏感なところが分かり、お互いにそこを責めあっている。息遣いも荒く、それでいて愛撫がねちっこく、弧を描く腰使いもなまめかしい。あちこちで肉がひしゃげ、質感のある臀部が快感に打ち震えるたびに、周囲の脂肪がプルンと震える。凄艶な汗のにおいまで伝わってきそうな勢いだった。

 女だけの禁断の世界を目の前で見せつけられ、回復しきっていたペニスがぴくんと反応した。い、いかん、このままでは立ってしまう。落ち着くんだ。女同士の絡みは、自分には、男にはまったく無関係の世界ではないか。完全に部外者なのだ。たとえレズビアンの女性を好きになったとしても、相手にはされない。それとまったく同じではないか。もっと冷めた目を持たねば!

 「あふ…」二人の貝が一瞬離れた。そこから糸のように粘つく愛液が滴り、お互いの性器をつなげている。ねっとりと混ざりあった体液が、たとえ離れても二人をつなげているのだった。その光景を見た途端、僕は誘惑に屈した。まるでエロビデオのレズシーンを見せられて勃起してしまったような、一種の敗北感を覚える。

 しゅるる…足元で音がする。下を見ると、今まさに足もとの植物がペニスをつかもうとしているところだった。

 肉質感のある赤い花びらが、全方向からペニスに覆いかぶさる。花が閉じていく。花びらの感触は植物のそれではなく、女体のやわらかさときめの細かさを備えていた。もはや花ではなく、花の形をした肉体であった。長い花びらはペニスをすっぽり覆う。その途端、食虫植物のように、内部から大量の粘液が噴き出す。

 ぬるぬるしたやわらかい花びらが、わきわきとペニスを撫でさすった。口をすぼめて狭いチューリップのような筒と化した花のモンスターは、芳香を発しながら、ぐちょぐちょとペニスをしごき続けた。まちがいない、これは欲情した男のペニスに張りついて、「歩く花弁」の異名を持つ生態兵器、コードネーム”ラフレシア”だ。魅惑の香りで男を惑わせ、勃起した隙に徹底的に精を奪い取り戦力を奪う、禁断の生物兵器!

 にゅるにゅるの花弁は、ペニスを包み込んだまま締めつけ、女性器さながらに激しくしごきあげてくる。雌蕊部分から伸びた触手が亀頭を撫で上げ、さらに棒全体を激しく舐めてくれる。ラフレシアは、女性器挿入の感触とフェラチオの感触を同時に味わわせることができるんだ。

 「ああっ、太いよ、痛い…」「大丈夫よ、すぐに気持ちよくなれるわ。」ホログラムではレズ美女が第二ラウンドに入っていた。二股に分かれた黒いはりがたをお互いに挿入している場面だった。ペニスを模した固い道具は女たちを痙攣させて、それでも膣はすっぽりと道具を飲み込み、自慢の肉壁で押しつぶさんばかりに締め上げている。僕はそういういやらしい動画を見せつけられながら、ラフレシアにかわいがられているのだ。

 くちょお…「ひゃっ!」突然お尻にくすぐったい感触が走った。見ると、別のラフレシアが伸びてきて、僕のお尻に張りついていた。ラフレシアは花びらの内側から長い舌を伸ばし、アナルをこちょこちょと舐め上げている。チロチロと素早く動く舌先が、お尻の穴周辺を敏感に舐め回している。

 「あ…やっ…」快感が倍増した。いや、数倍にも膨れ上がった感じだ。上の方にあったホログラムが徐々に下がってきて、僕の目の前で、いやらしい女同士の濡れ場が展開されている。僕はそれを目の前に見せられながら、股間の前後を同時に責められる格好になった。

 相変わらず粘液したたるラフレシアに、ペニスは翻弄され続けている。花全体が小刻みに素早く前後し、ペニスを根元からやわらかくしごきたてている。後ろは、数本に分かれた舌が、アナル奥部もお尻の穴周辺のくすぐったいところも、会陰にまで、容赦なく蠢いている。舌先からにじみ続けるラフレシアの体液が、僕の股間を完全に濡らしてしまっていた。

 僕は腰をくねらせ、快感にあえいでいた。腰を右にひねろうが左にひねろうが、魔性の花は前後ピッタリ張りついて離れてくれない。ペニスに強烈な快感が走れば、思わず腰を引いてしまうが、そうするとむき出しになったお尻の穴に、深くくすぐったくラフレシアの舌がくすぐりまわる。お尻を犯されて体内のスポットをいじめぬかれれば、反射的に腰を突きだしてしまうが、そうすればリズミカルに前後する前方ラフレシアが、容赦なくペニスをしごきまくる。こうして、僕はいたたまれなくなって腰を回転させ続けてしまうのだ。

 目の前のいやらしいシーンを見ながら、僕はラフレシアめがけて濃い精液を吐きだした。つい20分弱の以前は、戦慄のパイズリで二回抜かれたにもかかわらず、ため込まれた精液は相当に濃く、ねばついている感じがする。我慢していた体液が、一気に久しぶりに押し出された感じだ。

 花びらが散った。ラフレシアは僕の精液を受け取ると、瞬時に枯れてしまった。僕はまた負けてしまったのか。

 強い香りが漂ってきた。甘く、男の劣情を誘う香りだった。後ろのラフレシアは精液を受け取っていないから、まだ生きていたのだ。花が伸びて僕の前方に回ると、再び閉じてペニスを包み込んだ。

 頭がくらくらする。体の内側から熱くなり、性感神経が激しく疼いている。ラフレシアの放出する魅惑の香りは、男を狂わせ、性欲のとりこにしてしまうのだ。

 口をすぼめたラフレシアの姿は、まさに女の唇そのものだった。プルンとしていて、それがペニスをしごきあげると、多幸感に包まれる。それでいて内部では、花びらが棒全体を締めつけたり、数本もの舌が暴れまわってペニスの敏感なところを舐めまくったりしてくれる。

 べちょっ!「ああっ!」さらに別の花が動き出し、お尻に張りついた。さっきと同じように前後から責められている。ホログラムには、さっきとは違う女の子たちが絡み合っている。今度は片方がもう一人を一方的に悦ばせているシーンだ。

 だめだ、このままでは、また抜かれてしまう。出しても出しても、みわくのかおりで勃起させられ、気を失うまで放出させられてしまう。次から次へとお尻に張りついて、射精したらそいつがペニスに張りつく。まったくキリがなかった。それもそのはず、この兵器は敵の地に大量に種子をばら撒かれると、あっという間に成長して花となって、男たちを食いつくすのが売りなのだ。

 「いやああっ!」僕は渾身の力を振り絞って、前後のラフレシアを引き抜くと、全力で走りだした。快感によろけて倒れると、その勢いでラフレシアが離れた。その隙に何も考えずに起き上がり、前も後ろも分からずやみくもに走って逃げた。

 今自分がどこにいるのか、出口に向かっているのか、まったく分からなくなった。やみくもに逃げたため、道に迷ってしまった。

 明かりがない。さっきまで僕の周りを浮遊していた人魂も、左右にあった木も妖花もない。つまり僕は、完全にお化け屋敷として用意された道を外れて、さまよっていることになる。舞台の裏側なのか本道なのかもわからない。もちろん、どう行けば出口に向かえるのかもまったく見当がつかなかった。

 ヴウウウウウ…

 遠くから奇妙な機械音が聞こえてくる。音のする方を見ると、赤い二つの光が見えた。「ピピピ。生体反応確認。用務員さんを発見しました。ペナルティを課し、元の道に連れ戻します。」

 僕のところに飛んできたのは、一体の女の子ロボだった。整った顔立ち、長い髪、無機質な顔。耳から長くのびたアンテナが、ロボットであることを証明していた。小さなジェットで浮遊・高速移動ができる。赤く光っていたのは彼女の目の部分だった。そして彼女は全裸だった。

 背が高くスタイルがいい。胸も膨らんでいるが、乳首がない。もちろん毛が生えておらず、股の割れ目もくっきり見える。体はメカではなく、皮膚状の素材でコーティングされていた。真っ白い、美しいロボットだ。その柔軟な動きは、体のやわらかさと皮膚のきめの細かさを十分物語っている。

 いやいや、これで欲情したらまた負ける。僕はできるだけ下を見ず、彼女の首から上だけに視線を集中させて、勃起しないように気を引き締めた。

 「私はこの地下室の警備ロボです。ネクサス69−コード5963EX'hです。」「警備ロボット…」「あなたはお化け屋敷の道を大きく外れています。これより案内いたしますので、速やかにお戻りください。」「あ…うん。わかった。僕も迷って困っていたところだ。助かったよ。」なるほど、やっぱりお化け屋敷のコースは決まっているのが普通だよな。迷ったらこうして警備係が来て案内してくれるわけか。助かった。

 「その前に。道をはずれましたので、用務員さんにはペナルティを受けていただきます。」「えっ…」「自発的意思によるものでないコースの逸脱は、ネクサス担当。自発的意思によるもの…たとえば近道をもくろんだりする場合やコース自体からの自発的逃亡は、より強力なファティマが担当いたします。今回は、あなたは錯乱状態でコースを逸脱しましたので、私がペナルティーと案内を担当します。」「なっ…」

 ロボットが突然抱きついてきた。「うわっ!」思ったとおり、やわらかい皮膚で、女体とほとんど変わらなかった。全身を押しつけこすりつけ、僕を立たせようとしている。

 すべすべの足が絡みついてきた。そのシコシコした感触に思わず震えてしまう。むにっとつぶれた、特殊シリコン内蔵の乳房が、僕の上半身をこれでもかと刺激する。やっぱりここで戦うことになるのか。勝ち目あるのか?

 ロボットは突然僕の足を払った。「わあっ!」僕はバランスを失ってあおむけに倒れてしまう。後頭部をぶつけないようにロボットがしっかり抱きしめてくれていた。

 倒れた僕の上にロボがのしかかってきた。膝をついて、体重がかかりすぎて押しつぶされないよう気をつけながらも、僕を上から押さえつけるのに十分な重さはかけてくる。当然僕は、身動きが取れないまま、ぐにっとつぶれるロボの女体の感触を味わうことになる。作りものとは思えないぬくもりとみずみずしさが、僕の肌に刻まれた。

 ロボットは器用に体を回転させ、上下反対の体勢になった。ひざの裏に僕の腕を挟み込み、体重をかけすぎないように腰を落としてくる。本物そっくりに作られた、ツルツルのオンナが僕の目の前につきだされた。舌を伸ばせば届きそうなくらい、すぐ近くにいやらしい器官が迫ってきている。

 「!」股間にくすぐったい感触。突然の展開に驚く。萎えたままのペニスを、このロボットは口に含んでしまった。「ちょっ、立つまでは触らないんじゃ…」「これはペナルティであって、通常コースのルールではありません。」「あう…」ドリルのように唸る、しっとりした舌先がペニスのあちこちをなめまわす。

 「な、なんなんだよペナルティって!」「用務員さんはコース通りに歩かなければなりません。そこから逸脱すると、警備ロボがペナルティを課します。強制的に射精させ、その肉体を性欲に染め上げるのです。これがペナルティです。なお、非自発的逸脱によるペナルティは、2回の射精と催淫毒となります。毒は時間とともに自然分解します。短時間で効果は切れます。」「そんな…」

 全身にやわらかい圧迫を受ける。体は動かない。手足が完全に固定されてしまっている。ネクサス69は、その名のとおりシックスナインで男の精を抜き取るロボットらしい。

 ペニスは彼女の口の中でどんどん成長していった。口腔内のサーチシステムが、微妙に個人差のあるペニスの感じやすいところを的確に探り当て、敏感なところを集中して舌で責めまくる。

 大きく硬くなってきたら、ぷにぷにした唇の出番だった。彼女はあまりにもリズミカルな動きで、ペニスをしごきながら激しく吸引し始めた。数本もの舌が感じるところを同時に舐め続けている。

 僕は目の前にいやらしい割れ目を見せつけられながら、女の子ロボの体の感触を味わい、丹念なフェラチオで感じさせられている。首の動きはだんだん機械的になり、手で素早くしごくのと同じくらいの猛スピードになっていった。スピードが上がっているのに、内部の舌の動きは正確なままだ。もちろん、口腔内に満たされたローションが口から滴って、僕の股間全体を濡らしていた。

 僕は身動きが取れないまま、ロボットの性器を凝視した。やわらかく膨らんだ臀部、スラッと伸びた足、そして股の間にある、挿入可能な性器…。その美しい形状は僕をいやがおうにも興奮させる。そこへ研究し尽くされたフェラチオが襲い掛かっているのだから、ひとたまりもなかった。おまけにこの地下室では、通常よりもずっと早く精液が体内にため込まれる。

 「ああっ!」ペニスから白濁液がほとばしる。強い快感が全身を震わせたが、上にのしかかるロボットのやわらかさが、僕の絶頂をしっかり受け止めてくれていた。

 ぷしゅううう…「うわっ!!」突然、ネクサス69のオンナからスプレーが噴射された。霧状に広がり、僕の顔面に浴びせかけられたスプレーは、味も香りもとても甘い。

 「さあ。もっと吸ってください。私の特殊な液を吸い込むのです。」「あふっ…」ラフレシアのとは違う、人工的な甘さだったが、男の性欲を刺激する強い力があった。「私の性器から放出される霧は、男性の性欲を高め、また性感に敏感となります。この催淫毒を吸い込むことがペナルティなのです。」「うう…」

 ロボットの体の質感が変わった。すべすべしてやわらかい体ではあるが、ますますモチモチして、吸いつくような肌触りになっている。お尻の形も引き締まった足も、そして何より目の前で霧を吐き出すスジが、一層いやらしく思えてくる。これは…女性の体に敏感になったということか。魅了されやすくなっているし、もちろん、ちょっとしたことで性欲に支配されてしまう。

 すべて催淫毒の効果だった。出したばかりのペニスは律動しながらも、萎える気配を見せない。ネクサス69の口の中で、さらに快感に打ち震えている。ロボットは容赦なく首を動かし、ペニスを快感一色に染め上げてくれる。

 ぷしゅっ、ぷしゅううう…

 催淫毒はひっきりなしに噴霧され続ける。息を止めようが顔をそむけようが、息は続かないし、霧はすでに目の前で周囲を覆いつくすように噴射されている。催淫毒から逃れるすべはなかった。

 そのうえ彼女は、唇でペニスをしごき、バイブする舌先でカリや根元をいたぶりながら、両手で玉袋や会陰をくすぐっている。指先まで女性特有のやわらかさやしなやかさを備えていた。お尻の穴まで、容赦なくロボットの振動する指先がねじ込まれていた。シックスナインで上から組み伏せられた時点で、股間は無防備に敵の前にさらけ出されていたんだ。

 「あひいいっ!」僕はわけがわからなくなった。全身に襲い掛かる強烈な快感の中で、全身が律動する。精子は勢いよくペニスから吸い上げられていった。

 二回連続で出したのに、股間がだまくすぐったく疼いている。勃起したままだ。

 ネクサス69は不意に僕から離れた。「ペナルティ完了です。これより用務員さんをコースにお連れします。」「あふ…」立つことができない僕を無理やり起こし、ロボットは僕を抱きかかえながら空を飛んで暗闇の中を進んでいった。僕に張りつくロボットのもちっとした肌の感触だけで、ペニスはびくびくとカウパーをほとばしらせている。

 「あなたに投与した催淫毒は軽いものです。30分ほどで効果が切れるでしょう。それまでの間は、その体で進んでいただきます。それがペナルティです。」「あふ…」もし本気で、このロボットと戦ったら、僕は枯渇して絶命するまでシックスナインで射精させられていただろう。出しても出しても、噴霧され続ける催淫毒で敏感にさせられ、立たされて抜かれるのだから。とてもかなわない…

 僕は元の道に戻された。オナホールの火の玉が浮遊し、両側にコンドームの木とラフレシアが生息しているお化け屋敷のコースだ。

 ネクサス69の催淫毒のせいで、ペニスはギンギンに勃起している。これは非常にまずい状態だ。このコースでは、半立ちになっただけで無理やり立たされ、強烈な魔性の快楽で抜かれてしまう。場合によっては一度に数発も出させられることもある。だから、勃起しないように頑張らなければ、乗り越えてゴールにたどり着くことができないんだ。それなのに、体内に吸収された甘い毒のせいで、僕は性的に興奮し続けている。と、いうことは…

 クラゲのような形をした人魂が股間に張りついた。半透明のオナホールは、内部に細かい突起がたくさんついている“逆さクラゲ”タイプだ。オナホールは粘液を滴らせながらペニスを飲み込んでいった。

 「あふ…気持いい…」ヒダとは一味違う、無数にびっしり生えている突起がペニス全体に襲い掛かる。自動的に伸び縮みするクラゲは、ペニスのあちこちを突起で刺激しながら、収縮し続ける。強い締まりと、自在に動く突起が、ペニスの先端から根元までを責め苛んだ。

 カリの敏感なところに集中した突起は、うねうねとペニス先っぽをかき分け、どこまでもくすぐりぬいてきた。それに加えて、催淫毒が性感神経を敏感にしているのだ。

 僕は強く腰を引いたまま絶頂を迎え、クラゲの中で白濁液を放出した。が、今度は回復が追いついていなかったらしく、精液は薄かった。

 オナホールは消滅し、ペニスは肉体的な限界から萎え始めた。性欲自体は衰えを見せず、体の奥がくすぐったく疼いている。が、股間は疲れ果て、出しつくし、鈍い痛みで反応できなくなっている。まことに奇妙な感覚だった。もしペニスが回復しさえすれば、また激しく欲情してしまうに違いなかった。

 とにかく、回復する前に進めるところまで進んでしまおう。僕は井戸から立ち上がる女の子を無視し、いやらしいホログラフにも目もくれずに、ずんずん歩き続けた。お尻の奥が疼いて、性的な興奮は相変わらず掻き立てられているが、それにペニスがついていかない状態が十数分続いた。きっとネクサスが本気を出したら、薬剤の効果はこんなものでは済まないのだろう。戦慄を覚えながら、とにかく何も考えずに先に進んだ。

 そろそろペニスの機能が回復し、精子が溜め込まれ始めるころ合いだ。やはり薬剤が切れる気配はない。もう少し時間がかかりそうだ。これまでの疼きが肉体的な形となって表れ始める。

 「ばあっ!!」「ぎゃあああっ!!!」突然女の子が上から降ってきた。僕の目の前に、ひもでつるされた女の子が落ちてきた。僕はびっくり仰天して、危うく腰を抜かしそうになった。

 「びっくりしたでしょ。」「び、びっくりした…」「たまにはこんなお化け屋敷らしいのもいいでしょう?」「心臓が止まりそう。カンベンして。」

 女の子は全裸だった。まあ、上からいきなり何かが落ちてきて驚かせるのはよくある仕掛けだが…裸の女学生が降ってきたら勃起とかいう前に死ぬぞ。

 まぁおかげで性欲は止まり、ペニスも完全にしおれてしまった。薬剤は本当に弱いらしく、それだけで効果が抑制されてしまう。

 「じゃあ、ドキドキしているついでに、もっとドキドキしよう?」全裸の娘が抱きついてきた。体の位置を上手に調節して、ペニスに女体が当たらないようにしている。上半身におっぱいをこすりつけたかと思うと、彼女は後ろに回って僕を背中から抱き締めてくれた。

 女の子はすべすべの手で僕の上半身をまさぐりながら、すべすべの足もこすりつけてきている。首筋にむちゅっと唇が押しつけられると、くすぐったさに全身がぞくっと震えた。

 心臓が高鳴る。さっきのびっくりで心臓が高鳴っていたから、それが別のドキドキにバトンタッチされるのは簡単だった。くっそ、それが相手の作戦か。効果の切れていなかった薬剤が再び猛威をふるい始めた。

 半立ちのペニスに後ろから手が伸びる。両手で優しくしごく女手に、僕の股間は抑制が効かなくなった。

 再び木からコンドームが襲い掛かってくる。ペニスはまたもや薄い膜の化け物に包まれてしまった。

 「ね。知ってると思うけどさ、コレって、入れたまま挿入できるんだよ。やってみよう?」娘はコンドームごと両手でペニスをしごきたてる。体の力がだんだん抜けてきて、膝が震えた。そこに女の子の膝がつきたてられる。ヒザカックンで、僕はバランスを失ってその場に座り込んでしまった。素早く前方に回った全裸の女学生は、不敵な笑みを浮かべて僕を見つめた。

 くるりと僕に背中を向けると、足を投げ出して座っている僕の腰にお尻を向け、迫ってきた。彼女は巧みにペニスをつかむと、僕に背中を向けたまま後背座位でペニスを膣に飲み込み始めた。

 彼女の愛液と、コンドームからにじむ粘液で、ペニスはするりとオンナの中に収まってしまった。「いっぱいガマンしてね。出しちゃだめよ?」「うぅ…」

 温かい締めつけが一気にペニスに襲い掛かる。コンドームで隔てられているという感触がまったくなかった。女の子はお尻を前後左右にぐにぐに揺り動かしながら、ペニスを自慢の膣でこねくり回してきた。それだけで射精しそうになっている。

 「まだよ、もっと我慢するの。お願い! そろそろ始まるからぁ…」

 コンドームが蠢いた。触手が飛び出し始めたのが、感触からわかった。結合している僕たちの敏感な器官あちこちに触手が伸び、男も女も悦ばせる不気味なヒモが活動を始める。

 「ああっ、きたきたッ!! おほお…気持いいよお!」女の子は痙攣してぶるぶる震えている。触手が膣内部も陰唇もクリもまんべんなく刺激しているからだ。ペニスを収めながら同時にこのピンポイント攻撃は耐え難い快楽だろう。

 それは僕の方も同じだった。敏感なところも根元も揉みしだくように締め上げながら、あちこちをこちょこちょとくすぐりまくっている。結合部を飛び出した触手は女の乳首やわきの下にまで伸び、僕の玉袋やお尻の穴までまんべんなく責めまくっている。

 女の子は一心不乱に腰をくねらせ、快楽をむさぼりながらも、しっかりと男を追い詰めていった。僕は腰を滑る女学生のお尻の肌触りを愉しみながら、膣とコンドームに締め上げられ、ピンポイントで触手にくすぐられ続けるペニスが、あっという間に限界を迎えたことを悟った。

 体液は容赦なく精巣から押し出されていく。精液はコンドームに阻まれ、相手の子宮には届かない。僕は射精しながら、震える女学生の乳房に後ろから抱きつき、男の悦びに全身をこわばらせた。その直後、女学生も絶頂を迎えた。膣が収縮し、出しつくしたペニスを圧迫した。タイミングが良く、ペニスの律動を執拗に長引かせることとなった。僕は一度に二回イッたのだ。

 「あふ…」今度こそ腰が抜けた。立ち上がれない。「楽しかったよ。じゃあね。」女の子は全裸のままどこかへ去ってしまった。

 足腰が立たない中で、手で木につかまりながら何とか立ち上がる。膝が震える。股間は疲れ果て、ペニスは萎えっぱなしだ。ネクサスに吹き込まれた毒も消えていた。

 僕は木を伝うようにしてゆっくり先に進んだ。そのうち足にも力が戻ってくる。出しすぎて腰が抜けた状態も徐々に回復し、驚くべきスピードでペニスも元に戻っていく。10分も歩くと、すっかり元に戻り、普通に歩けるようになっていた。

 ぺた。ぺた。

 「ん?」ぺた。ぺた。

 まちがいない、どこかから足音が聞こえる。ぺた。ぺた。どこかぎこちない、はだしの足音のようだった。それも、一人ではない。同時に聞こえる音も多く、複数人数いることは間違いなかった。それも、全裸の可能性が高い。裸足でここにくるというからには、服は着ていないだろう。僕は警戒した。

 ボォー…

 前方に真っ白い脚が二本見えた。「!」さっきからの足音の正体はこれか。一体今度はどんな娘が相手…「!!!」両方とも右足だ。

 「ぎゃああああっ!」また腰が抜けそうになった。ぺたぺたと足音を立てて近づいてきたのは、女の子ではなかった。いや、娘であることはたしかなのだが、女学生ではない…もっと言うと、人間ではない。

 足音の正体は、まさに足そのものだった。若い娘の足だった。そして…足だけなのだ。腰も、おなかも、手も顔もない。太もものつけ根から足の指先だけで構成された化け物だ。彼女たちは「妖怪からかさ」のように飛び跳ねてここまで移動してきていた。

 つまり、この足だけの化け物が僕に近づいてきていて、しかもその足は10本以上あるのだった。ぺたぺたと飛び跳ねながら、足妖怪はさらに僕に近づいてくる。「あわわわ…」僕は恐怖で縮みあがった。

 思った以上のスピードだ。あっという間に、足だけの妖怪は僕の周りに集まってきた。そして、巧みにペニスをよけながら、足妖怪たちは僕の両足にすり寄ってきた。

 感触はまさに女の子の足だった。すべすべで弾力があって、きめが細かくて、太ももやふくらはぎがとてもやわらかい。妖怪たちは僕の股の間や外側に執拗に張りつき、すりすりと“全身”を押しつけこすりつけてくる。

 下半身を滑りまわるたくさんの生足が、僕の行く手を阻む。お尻も内股も、膝も足首も、女性特有のむっちりシコシコ生足に覆われている。形のいい脚は僕の下半身を圧迫しながらなめらかに滑り続けた。

 これで立ってしまったら、一体どんなことになってしまうのだろう。「くっそ、負けるものか!」僕は勃起しないように気を張りながら、生足たちを無視して先に進んだ。一定距離歩ききればこの妖怪たちも離れてくれるだろう。

 彼女たちは大股で歩く僕の足に容赦なく絡みついてくる。妖怪の不気味さを生足の心地よい感触が上回った時、ペニスは反応を始めてしまう。僕は股間を気合いで沈めながら、ゆっくり力強く歩いていく。

 そこに激しい勢いですり寄ってくる生足たちも必死だ。4本が協力して僕の両足を挟み込み、むちむちした弾力を刻みつけてくる。小刻みに滑ってきめの細かい肌触りや、筋さえある細いしなやかさを演出する。飛び跳ねてはお尻にも生足の感触を送り込んできた。

 歩きにくいのと心地よいのとで、僕の歩みはすこぶる遅かった。それに対して妖怪たちの動きはますます熾烈を極めていく。

 ぴょん! 左右一対の足が僕の前に躍り出た。そして内股ですりすりと左右の足を滑らせ、女の子らしいポーズできゅっと両足を閉じた。「〜ッ!」太ももの間の弾力があまりにも気持ち良さそうで、足の形があまりにもかわいくて、まばゆい肌触りが心地よくて、僕はつい半立ちを許してしまったのだった。

 目の前の太ももが飛びついてきた。左右の足でペニスを太ももの間に挟み込むと、すりすりとこすりつけてきた! あれほど心地よく滑っていたやわらかい脚が、今度は直にペニスを挟み込んで圧迫してくれている! ペニスはどんどん膨張した。

 完全にペニスがいきり立つと、生足が離れた。そこへ赤い火の玉が襲い掛かる。さっきとは明らかに色が違った。中身はオナホールなのはたしかだが、今までのよりも一回り小さい。入口はたしかにオンナの形をしているが、何かが違う感じだ。

 粘液を滴らせながら、オナホールがペニスを飲み込んでいく。「ああっ…あったかい…」今までとはまったく違う。快感が強いのはもちろんのこと、雰囲気自体が違っていた。無機質なおもちゃではない。

 これまでの人魂も生きている(という表現が正しいだろうか)が、その生命力がまるで違うのだ。青い方は、無機質のおもちゃに生命を吹き込まれ、魔法の力で動いている雰囲気だったが、赤い方はもっと生き生きしているんだ。

 本物。限りなく本物そっくりだとか、それを超えた機能という話ではない。こいつは本物そのものだ。生きた女の子から性器の部分だけを切り取って、独立して生かしているような、快楽以上の質感や背徳感があった。

 それに加えて、膣が異様に小さい。もし生身の人間から切り取ったとするなら、これは大人のそれではない。もともと毛の生えていない状態で切り取られた感じだ。もちろん、これが切り取って作られた、という確証はまったくないから、全部僕の気のせいなのかもしれないが。

 いずれにしろ、今ペニスを包み込んでいる女性器は、これまでのものとはまったく違っていた。筒部分は高速でペニスをしごきあげている。締まりも強く、肉質感がある。名器のヒダは容赦なく感じやすいところをこすりあげ、僕を快感に追い詰めていく。

 成熟する前の、あまりにきめの細かい体細胞が、ペニスを包み込んで、根元まで執拗にしごきあげている。これをサポートするように、生足の妖怪が全身に絡みついている。

 「あああ…」オナホールの周囲に幻が見える。宙に浮いた状態で両足を広げ、上半身をのけぞらせて全身を激しく前後させている、幼い女の子の姿だった。胸がぺったんこの、裸の女の子が僕の前で前後している。膣部分だけが質感を持ち、幼女は透き通った幻。だが、浮遊する女の子が僕を責め立てている。

 目を凝らせば、僕はこの女の子とセックスしているように見える。が、それはやはり幻なのか。気がつくと。オナホールだけがペニスをしごいている。どっちにしろ、この小さなモンスターが大人のものではないことはたしかなようだ。それがいやがおうにも背徳感を高め、僕を異常な興奮へと駆り立てるのだ。

 僕は無言のまま、精液を膣内に放出した。道具で出してしまった感じがまったくなかった。やはり本物とシてしまったという意識の方が強い。

 僕から精液を奪うと、赤い人魂は消えることなく、上空遠くに消えていった。青い方は崩れて消滅するのに、この点でもやはり違っていた。あれは作りものなんかじゃない。本物だったんだ。

 生足の妖怪たちも、ぺたぺたと去っていった。どっちみち今回も、僕の負けということだろう。

 胸がむかむかする。とんでもなく悪いことをしたという意識がぬぐいされない。こんなに激しく後悔したのも久しぶりな気もする。いや…ここにきてから後悔だらけだが、その時のような強い悔恨が胸を締めつけていた。年端もいかぬ女性器を味わい、さらに精を注いでしまうなんて。

 とにかく、これ以上ここで遊んでいるわけにはいかない。先に進まなければ。脱出しなければ!

 「ばあっ!」「うわあっ!」また女の子が空から降ってきた。「てめえふざけんじゃねえよ! そのびっくりはやめろって言っただろう! こっちは今機嫌が悪いんだ! とっとと消えて失せろ馬鹿野郎!!!!」僕は思わず怒鳴りつけてしまった。

 「あう…ごめんなさい…そんな怒ると思わなくて…うう…」女の子は泣き出してしまった。「う…その…は、反省したなら去れ。僕はもう先に行くから。」ものすごく気まずくなり、僕は先に行こうと思った。もともとこんな時に驚かすのが悪いんだ。いやその…つい怒鳴ったのは悪かった、かな。

 「あの…うらめしいんですけど?」井戸から別の女の子が姿を現した。「私もうらめしいです。そんなに怒らなくったっていいじゃないですか。」「あ、いや、その…まあ怒鳴ったのはわるかった、です。」「わかりました。そのことはもういいです。」ほっ。

 「でもうらめしいです。」「はい、うらめしいですー☆」「…なにがだよ。」

 女の子二人が迫ってくる。とにもかくにもお構いなしに誘惑戦闘か。まぁいい、さっきの背徳感で、性欲どころじゃないからな。回復までまだ時間もかかるし、ここは勝てるだろう。

 一人は上半身がブラジャー、下はブルマという女の子、もう一人は裸にワイシャツのお姉さんだった。幼い方は茶色いショートカットでメガネをかけており、童顔の割に胸がある。お姉さんの方は全体的にスレンダーで背が高い。ウェーブのかかった長い髪がお姉さんぽさを演出していた。

 これだけなら、なんとか誘惑も乗り越えられそうだな。体を触らせなければいい。「うらめしやー」「うらめしいー」「いや、そんな恰好で幽霊っぽくしてもなあ。もう行ってもいい? これ以上やっても僕は靡かないよ?」

 「幽霊のふりなんかじゃないです。」「よく見てくださいよ。」「?」よくわからないな。

 「じゃあ僕の勝ちね。先に行くよ。」僕はすたすたと先を急いで歩きだした。「ちょっ、待ってー!」女の子たちが追いかけてくる。しつこいな。

 「しつこいな、これ以上やっても…。」僕は目を疑った。女の子たちの体の向こうに、木が透けて見えた気がした。隣の井戸まで見える気がする。気のせい、だよな?

 「これを見たらわかりますよね?」娘とお姉さんはお互いの手を合わせた。するとお互いの手が体をすり抜け、融合してしまった。「!!?」

 やっぱり気のせいじゃあない。彼女たちの体は透き通っている。透明度が低かったから気つきにくかったが、彼女たちは人間ではなかった。お互いの手もすり抜けている。

 本物。「ひぃ…出た…」「だってお化け屋敷だもん。」「本物が出たって不思議ではないですよ?」「いやいやいや! お化け屋敷に本物なんかいないって! あわわ…」あまりにリアルなので、幽霊を見た瞬間のような驚きは鈍かったが、やはり足ががくがく震える。目の前のできごとが、まるで信じられなかった。

 巨乳ブルマ娘が言った。「私は着替え中に痴漢に覗かれてびっくりした拍子に転び、後頭部を強く打ちつけて死にました。」そしてYシャツのお姉さんが言った。「私も着替え中に痴漢に覗かれて、急いで窓を閉めたのはいいんですけど、いつのまにか窓から入ってきていたハチに刺されて死んでしまいました。」「…君ら本当にロクな死に方してないな。」それでそんなあられもない半端な格好で出てるのか。

 「というわけでうらめしやー」「いやいやいや! 僕のせいじゃないじゃん。てか200%自分のせいじゃないか。」「痴漢に覗かれたのが元凶です。だから男性はみんなうらめしやー」「めっちゃ逆恨みなんですけど…」

 とにかくアホにはつき合ってられん。相手が幽霊だろうがなんだろうが、さっさと先に進んでしまおう。

 「!」え? あれ? 自分の意思とは無関係に、ペニスがどんどん膨張していく。内部から浮き上がる性欲が全身を支配していった。別に彼女たちの肢体に欲情したわけじゃ…ないはずなのに…

 「言い忘れてましたけど、性霊は男性の脳に直接作用して、女性を一層魅力的に見せたり性欲を増幅させたりする力があります。」「一種の霊障です。」「なっ…!」

 言われてみれば、たしかに二人ともとてもきれいではある。性的な魅力にあふれ、肌のきめは細かく、唇も女らしい。でも、それを見たから勃起したわけでもない。色情霊が目の前にいるだけで、並の男はしたくなってしまうということか。そんなの反則だよ…

 「さあ、骨抜きにしてあげる。」ワイシャツのレディがふわりと近づいてきた。裸にワイシャツだけという姿が、何ともいやらしく大人っぽい。体重のない幽霊は僕にしがみつくと、変形駅弁スタイルでペニスを飲み込んでいった。僕は一切彼女を支えていないが、彼女は浮遊したまま立ったままの僕に一方的に挿入してきたのだ。

 「あふ! う…」これまでにない心地よさだった。ペニスが膣に包まれているだけで、全身に心地よい安心感が広がる。幽霊は相手の男の精神に影響を与えることができる、だから、快感を数倍にも高めることができるんだ。大人っぽい女性は腰だけをなまめかしく動かし、ペニスから全身、体の奥底まで快楽ばかりを送り込んできた。

 彼女が僕を抱きしめると、ちょうどむき出しの乳房が僕の顔を覆いつくす。肌の質感は幽霊とは思えないほど心地いい。ペニスを圧迫する優しい感触は、半ば強制的に精子を外に押し出していく。

 「ほらほら。もっと気持ちよくなって?」ブルマ娘が後ろから僕の腰をがっしり掴み、前後左右に揺り動かした。ペニスを揉みしだき、これでもかと翻弄していたお姉さんのオンナが、さらに甘く蠕動する。僕はブルマっ娘に腰を強制的に振らされ、さらに強い快感に包まれた。

 「ああっ!」精液が飛び出す。「ふふっ、ごちそうさま。でもまだまだよ。」お姉さんは下に降り、細い脚でペニスを包み込んだ。生身の女性と変わらない、いやそれ以上の吸いつくような肌触りがペニスを包み込む。

 ブルマの女の子がその前に回ってきた。つまりお姉さんのお尻の後ろにしゃがみこんだ。ワイシャツ幽霊の足が細いので、亀頭の尿道口のところがわずかに外に出ている。ブルマ娘はそこを狙っていたのだ。彼女はお姉さんの足を指先でかき分け、亀頭をさらに露出させると、舌先で縦にチロチロと執拗になめてきた。先っぽの強烈なくすぐったさに僕はつい呻いてしまった。

 生足に挟み込まれたまま、先っぽだけ舌で強く舐められている。この快感に抗うすべはなかった。しかも相手は幽霊、快感もひとしおだ。「あひっ!」男性機能も強化される、つまり絶倫になった僕は、あっという間にブルマっ娘の眼鏡に白濁液をぶちまけた。

 「次は私ね。」メガネ娘が抱きついた。お姉さんは僕の後ろに回り、僕をうつぶせに誘導した。「まずは私のお尻を楽しんで♪」ブルマを脱いだ女の子はパンティをはいておらず、膨らんだ臀部がむき出しになった。彼女もうつぶせになり、ペニスはお尻の上にぽよんと圧迫された。

 後ろからお姉さんが手を伸ばし、ペニスを女の子のオンナにあてがう。下の娘は巧みに腰を持ち上げ、ペニスを飲み込んでいった。男上背位で僕たちは結合した。僕は女の子のお尻の感触を腰いっぱいに感じながら、ペニスを締め上げられ、しごかれまくる体位に持ち込まれたことになる。

 女の子がむにむにとお尻を持ち上げ、臀部のやわらかさを刻みつけながらペニスを責めまくった。後ろからのしかかっているお姉さんも体を揺り動かし、僕の腰を誘導して快感を高めさせている。

 「ああっお尻やわらかい!」「くすくす。いっぱい出してくださいね。」間もなくペニスが律動する。白濁液は幽霊の中にどんどん吸い込まれていった。

 すぐに誘導され、ブラジャーをしたままの巨乳の中にペニスが挟み込まれた。僕は上体を起こして膝をついたまま、彼女の上半身付近に移動し、あおむけの女の子の乳房を味わわされている。お姉さんがしきりに僕の腰を前後に揺り動かし、下の娘のおっぱいでしごかれるように誘導している。ほどなく精液が若い乳房の中で爆発した。

 幽霊たちはしつこくしつこくセックスを求めてきた。萎えることを知らない僕は、何度でも射精した。

 おかしい。疲れなくなっている。これは幽霊たちが僕の精神を半ば支配してしまっているからだ。このまま交わり続ければ、確実に僕も性霊になってしまう。死にたくない。

 とたんに強い恐怖が頭をもたげた。

 「うわああっ!」僕はわけがわからなくなって、幽霊たちを押しのけて一目散に走り出した。道なき道を行き、とにかく彼女たちから逃れたい一心で、全力疾走した。

 なんか似たような展開がさっきもあったな。あ、そうだ、これで”コースをはずれた”場合、警備ロボットが来て、ペナルティつきで元に戻されるんだっけ。

 とにかく、今は幽霊から逃れる方が先だ。場合によっては出口に近い方に進めるかもしれないし。警備ロボに見つかる前にコースに戻ればいい話だ。たとえ捕まっても、ネクサスの口に二回抜かれて、30分の催淫剤をかがされるだけで済む。死んで幽霊にさせられるよりましだ。

 …。どうにか幽霊はまいたみたいだ。これ以上追ってこない。よし、あとはロボに見つかる前にコースに戻ろう。途中から冷静になって、どの方向にコースがあるかは把握している。こっちをまっすぐ進めばコースに戻れる。しかも、もしかしたらそこはだいぶ近道になっているかもしれない。だとしたらラッキーなのだが。

 遠くから赤い目が近づいてくるのに気づいた。まずい、警備ロボだ。捕まる前に先を急ごう。僕は身を低くして見つからないように息を殺しながら、コースめがけて足を速めた。

 ゴオオオッ! 「!」

 「ピピピ。生体反応確認。用務員さんを発見しました。ペナルティを課し、元の道に連れ戻します。」僕の目の前に赤い髪のロボットがあらわれた。あんなに遠くにいたのに、次の瞬間には僕の目の前に来ていた。なんてスピードだ。

 しかもこいつは、さっきのネクサス69とは違う。耳のアンテナや体つきのしなやかさはさほど変わらないが、髪が真っ赤で、ネクサスとは雰囲気がまるで違う。

 「…あっ!」いまさらのように思い出した。たしかにロボットは言っていた。二種類あって、ファティマとかいう別のものがいると。そして、自発的にコースを外れた場合ファティマがペナルティを課すのだと。

 「ちょ、ちょっとまってよ、僕は幽霊が怖くて無我夢中で逃げたんだぜ? これは非自発的な逸脱だよ!」「…。”とにかく、今は幽霊から逃れる方が先だ。場合によっては出口に近い方に進めるかもしれないし。警備ロボに見つかる前にコースに戻ればいい話だ。たとえ捕まっても、ネクサスの口に二回抜かれて、30分の催淫剤をかがされるだけで済む。死んで幽霊にさせられるよりましだ。”」「う!」

 「あなたはたしかに、そのように思考しました。きわめて冷静な判断です。したがって自発的なコース逸脱の条件を満たします。有罪です。」「そんな…」僕の思考が読まれている!? 一体ファティマとはどんなロボットなんだ?

 「私は異星よりきたロボットです。あなた方の文明よりも数千年は進んだ科学力を持ったところで作られ、宇宙侵略兵器として使用されている。戦闘による征服ではなく、生物の根幹である生殖を掌握することによって、その星を支配する侵略装置です。具体的には、男性の一生分の精液を奪い、またはコントロールすることによって、生殖による自然的な子孫の存続を断ち、我らに完全に服従した者にだけ子を授けることを許可する方法です。これによって、我らに従順な生物だけが生き残り、反逆する者は子孫を残せずに一生を終わる運命にある。もちろんその星は我らに完全服従し続ける…自動的に。」「…。」

 「そのためには、その星の男性の精を絞りつくせる実力が必要となる。私にはそれが備わっている。これでお分かりか。」「まぁ、なんとなく…スゴイってことは。」なんてこった、ネクサスなんかと全然スケールが違う。

 「では、コースに案内する前に、規則に従い、ペナルティを課します。自発的逸脱一度目につき、内容は、精液5回分、カースレベルA。」「カース?」「時空を超えて超古代から配備される我らファティマには、呪いをかける力がある。神秘的なものではなく、科学的に男の肉体に呪いと同じ影響を与えられます。今回はレベルAで、最も軽い罰が科されます。すなわち、性感神経が過敏に反応します。この地下から出るまでこの呪いは続くことになります。」「そんな!」

 「ではペナルティを始めます。」ファティマは僕に高速で抱きついてきた。そしてすぐさま僕に足払いをし、自分から後ろに倒れた。僕は彼女の上にのしかかる格好になった。

 次の瞬間、ペニスはファティマの膣に収まっていた。彼女の性器部分が掃除機のように空気を吸い込み、萎えたペニスごとすっぽり吸い上げてしまったのだ。広がっていた膣は、ペニスを吸い込んだとたんにしっかりと閉じ、僕たちが倒れ終わるころには、すっかり挿入が完了していたのだった。

 「…認識完了。最適形状へと移行します。」

 ぐにゅ〜〜…。オンナの感触が徐々に変化していく。「あ…あが…はうぅぅ…!」股間の心地よさが一気に高まっていった。全体を単純に締め上げるのではなく、要所要所で強く圧迫するところ、細かいヒダを複雑化させるところなど、ペニスが一番感じるように膣内が変化していっているのだ。

 ファティマはペニスを細胞単位まで分析し、一人一人に最大の快楽が与えられるように、膣の形や圧力を自動的に変えられるのだ。むろん、ヒダの数や形もピンポイントで自由自在だ。

 結局、亀頭とカリのヒダが感じやすい僕のペニスには、先端に刺激が集中するような構造の膣となっていた。

 各人に最適となるオンナ。どんな男にとっても必ず名器となるよう計算された設計は、まさに神業。宇宙をまたにかける性的侵略兵器の名に恥じぬものだった。その体のやわらかさも絶品で、高分子構造のみずみずしいもち肌を再現しており、人肌のぬくもりさえ演出されていた。

 だが、侵略兵器の恐ろしさは、こんなものでは済まなかった。

 ファティマは僕を強く抱きしめ、身動きがとれないようにした。少し大きめに作られた宇宙ロボットは、ちょうど僕の胸のあたりに自分の乳首がくるよう、位置を調節する。

 彼女の乳房が自動的に蠢く。少し固めに作られた突起が、僕の乳首をくすぐった。そして大きな胸のふくらみが変幻自在に動いて、僕の上半身を滑り回るのだ。

 ファティマのツルツルの足は、僕の両足に容赦なく絡みつき、女足の心地よい感触を刻みつけてくる。

 彼女の腰・脇腹部分から、包帯のようなワイヤーが飛び出し、僕の腰や背中にまわり、がっちりと固定してきた。これで僕はファティマから逃れることができなくなってしまった。

 僕はファティマの上で、強制的に正常位で結合させられたまま、じわじわと押し寄せる快感に身もだえした。全身に密着するもちもちした肌触りがこまかく、部位によっては大きく蠢き、心地よい感覚を刻みつけてくるし、そのうえ、自分にとって最も快感の大きい形に変化したオンナが、動いてもいないのに僕の体の奥から射精感をこみ上げさせるのだ。

 僕の背中やお尻には、包帯ワイヤーが巻きついて、彼女のムニムニしたおなかや、やわらかい腰に密着している。両手ごと彼女の腕に抱きしめられ、僕は全体重を彼女に預けるしかない。すると、僕の全身を下から支えるファティマのやわらかい弾力が、いやがおうにも下からはね返してくるのである。

 僕は悶絶しながらも、何とかこの正常位拘束から逃れようと、体をゆり動かし続けた。両腕は離してくれたものの、すぐさまやわらかいファティマの腕が背中を抱きしめ、上半身が固定されてしまう。腰部分はがっちり固められ、足をバタつかせてもファティマの生足をこする結果にしかならなかった。そうして、彼女は動いてもいないのに、こちらが一方的に高められ、締めつけるペニスの感覚だけでイッてしまいそうだった。

 じわっと強い快感がこみ上げる。これ以上は耐えることなどできそうになかった。「あふ…」僕はファティマに体重をかけたまま、オンナの感触だけで精を放出し始めた。全身がぶるっと震え、多幸感に包まれる。ペニスが脈打ち、精液がとめどなくファティマの膣に流し込まれてゆく。

 射精直後、股間ににぶい倦怠感が広がる。

 「プロラクチン反応を確認。これより戦意喪失プログラムを発動します。」

 ファティマの目が一瞬光る。もともと僕とそれほど身長が変わらない宇宙ロボットの顔は、僕の目の前にある。気付く暇もなく、僕は彼女の目をじかに見てしまった。

 

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