誘惑の白い城 ~父娘外典~ 4





 彼女たちは異性を選ぶ立ち位置で、行為についても慎重さを持っている、ごく普通の美少女たちだった。しかしその一方で、性的な自覚とともに、どこまでなら魅了できるか、この相手は自分を、どの水準で女と見ているのか、そういう目線は幼い頃からずっと忘れずに抱き続けている。

 見ず知らずの大人にも、近所の幼い男児にも、その観点で自分が品定めされている自覚があった。

 また、品定めさえされないのを、表面に出さないだけで、心の奥では残念がっている。そういう、抑圧されていても欲動を出させようとするオーラは、5年生時代には、とっくに発揮している。

 就学前からある程度自覚があり、本当に裸で脚を拡げて、股間のワレメを見せつければ、性欲の強いお兄ちゃんたちを、みるみる大きくさせるのはラクにできると、具体的イメージに直結せずとも、本能的に理解していた。

 学年が上がれば背も伸びて、どんどん女らしさが増し、男を惹きつける魅力になっていくはずだと、ひそかに周囲の反応を観察している。

 それでも、精神的には未熟で、はっきりと意図的に、そういう魅了を周囲に振りまくところにまで、肉体も脳も成熟できない時期が続いた。

 人体は定量的に成長するのではなく、フェーズに沿っていきなり変わるものだと、当事者になるまで気付かなかった。

 5年生、10歳くらいで、いきなり腰から下が女になったと強く自覚する。周囲の男の子たちの視線が、徐々に自分たちの脚に向けられ、胸の膨らみ具合を想像させていると、実感できるためには、最低でも10年は生きなければいけない。

 この男子とその兄は、きっと今夜自分をオカズにオナニーするだろう、と確信を持って観察できるまで、時間がかかった。が、徐々にその観察も確度が上がり、間違いなく誰と誰と誰が、自分をオカズにするかを見抜いた。

 そして、好みのタイプではまったくないけれども、彼らが自分を想い、肢体を想像して、自分の股間を慰めてくれるはずと思うだけで、ゾクゾクと興奮できる。そのことが少女たちのマスターベーションを動機づけた。

 実際に接近してくれば一生許さないが、自分が女性的だと確信を持つ道具としては利用できる、そういう立ち位置に、基準値以下の男たちを置いている。

 分際を弁えない男たちの愛情は、女子たちも天の存在も絶対に許さないが、想像の世界で自分で精を抜く分には、かろうじて許容範囲というわけだ。

 ちょうどその時期に、彼女たちは友人の父と一緒に入浴していて、わざとらしさを出さないように、お尻や生足、股間の一部を見せつけ、不可抗力のように押しつける。

 身体や髪を洗わせている間、娘たちは2人がかりで、洗髪中に背中を大人の上半身にもたれかからせたり、脚やお尻を洗わせる名目で、こっそり動きを変えたりして、じかにお父さんたちの手が、内股や臀部の肌にこすれるようにするなど、ちゃんと子供肌ながら、腰から下が女になっているのを、伝え続けていた。視覚情報も脳裏に焼き付かせる。

 クラス男子たちにはできないようなことだったが、お父さんたちは身近だから、そんな大胆な行動も取ることができた。

 その先に進むのは許さなかったが、女として魅了させるところまでは、むしろ積極的でもあった。こういう魅了の練習が積み重なることで、いやらしさを出さずに、なんとなくの雰囲気だけで、異性を自然と惹きつける手法を学んでいく。

 将来、大切なひとを恋人にするために、こういう媚態を身につけておく必要があった。父たちは、その実験台という位置づけでしかない。

 実際、元の世界では、それぞれの男性遍歴から、血筋の近い相手を選ばずに、同世代で好みの見た目をした男性を、恋人にしてきている。

 別れても、すぐに次の、もっと見た目のいい相手を選ぶことができ、男が常に余っている世界だからこそ、次のターゲットに狙いを定め、過去の男は憎悪対象にして、さっさと彼氏を作り続けることができる。

 途切れている時期は本当に短い。この脱出できない部屋に来た瞬間も、彼女たちには付き合っている男性がいた。それでも、順応しようとすれば、あっさりと気持ちを切り替えてしまう。

 恋人のことを忘れたわけではない。むしろ、彼氏たちも遅かれ早かれ、こっちの世界に必ず来ると分かっているからこそ、過去に誘惑したお父さんたちに抱きつくことを、まったくためらうことがなかったのだ。

 仰向けの2人は、性経験こそ娘たちの比ではなかったのに、記憶だけが断片的に残り、実感のすべてが、記憶から消え去っていた。童貞時代の、あまりに女慣れしていないペニスに逆戻りしている。

 年齢がそこそこ高めなのに、股間とその奥の器官すべてが、学生時代の若さまで逆戻りしている。女体に触れたことがないのと同じ全身になっているせいで、娘の友人がのしかかってズリズリ体中をこすってきた途端に、想定以上の快楽が体中にひた走っている。

 ヤリたい盛りのペニスに加え、女性に握られたことも、肌に触れたこともないところで固定されているので、彼女たちのハリのある全身がこすれる弾力だけで、思いとは裏腹に、彼らの股間はみるみる大きく膨らんでいき、すぐさま騎乗位スマタの動きに切り替えられている。

 娘たちは乳房を揺らしながら、自分の倍生きている男性を見下ろし、淫靡な笑みを浮かべている。

 その腰使いは、現実世界の騎乗位で、恋人たちを昇天させた自信のある動きであり、なおかつ魔界で自然に身についた、なまめかしい動かし方でもあった。

 ワレメに包み込むようにして、彼女たちは膝とスネで体重を支えつつ、くねくねと淫らな動きで、腰部分だけを小刻みに前後させ続ける。

 ずりゅっずりゅっとこすれていくオンナ表面からは、魔界の蜜が密着していて、ペニスの気持ちよさを何倍にも高めていた。芳香が彼らの精神に侵蝕していく。

 毛の生えていない股間のやわらかさが、ダイレクトに彼らの棒をしごき上げ、射精させようと、ぐにぐにした気持ちいい動きをくり返していた。

 決して大きな動き方はしていないが、前後させるごとに、ひねりの利いた妖艶なくねらせ方をさせて、棒全体をしっかり押し込むようにこすり上げてくる。

 彼女たちは本能的に、ペニスの先端部分にさしかかるときに、少しだけ体重のかけ方を変えて、裏スジ部分の敏感な場所だけは、さらに強く圧迫し、ぐにゅううっとこすって感じさせてくる。

 毎秒ごとに前後し続ける性感刺激に、挿入経験もないペニスが耐久力を維持できるはずはない。

 あっという間に、強すぎる快感が腰全体に沈み込んで、じんわりと全身に拡がったと思いきや、その多幸感がいきなり電撃のように強くこみ上げ、全身に駆け巡り始める。

 父親たちは、彼女たちの胸や股間を目の当たりにしながら、首から下は床にはりついたままなので、その体勢のまま、じっと堪え続けるしかなかった。

 かろうじてお尻部分だけが、床と接着していないようだが、それでもちいさな上下運動しかできない。

 この状況で上下に腰を振れば、確実に数秒で射精まで至ってしまうに決まっている。腰を引くことはできないため、ひたすら力を込めて、耐え続けるしかなくなっている。

 だが、ひっきりなしにこすれていく異性のスジとワレメのやわらかさで、凄艶な腰使いのまま、ズリズリズリズリと騎乗位スマタが続けられ、好色な目でクスクス笑われながら、精液を出してしまいそうなほどに高まっている。

 娘たちもこれを、ゾワゾワした反応から敏感に察知できている。友達のお父さんが、自分のお股に、挿入もしていないのに、こすり合うだけで、みゅ~~~~んと快感が高まって、すぐにでも脈打ちが始まりそうなところに来ているのを、誇らしげに思っている。

 やはり自分のカラダは、どの男にとっても気持ちいい。いかなるタブーも好き嫌いも存在しない、誰であれペニスを脈打たせることだけが価値を持つ世界で、この肉体は存分に悪魔たちの望む状況を、どんな男にでも与えることができる。

 さらに自信を深めながら、きもちいーい? だしちゃいなよー! とさらに腰を妖しくくねらせ、摩擦を強めてくる。彼女たちと目が合っている間、父親たちはその美しく成長した顔立ち、女として完成した肉体と下腹部、毛の生えていないオンナ表面の弾力を実感する。

 彼女たちが腰を前後させれば、当然内股太ももが一緒にこすりつけられ、腰回りに女子大生の生足感触が滑ってきている。

 娘たちは、相手の父親がイク直前のペニスになっているのを理解している。必死で抵抗して、脈打つ寸前のまま、ぎゅうっとガマンして、律動しないように若いマン肉のこすれる感触を耐え抜こうとしている。

 無駄な努力を続けていたって、もうすぐ出しちゃうに決まってんじゃんと思うと、父親の友人である、少し若返った中年の踏ん張りが、とてつもなく愉快で、愚かで、滑稽に過ぎていて、そしてほんのちょっとだけ、かわいいと思ってしまう。

 彼らの脳裏には強く、少女時代の娘たちのお尻や素足、成熟し切れていないように見えたオンナ表面が、フラッシュバックし続けている。

 彼女たちが当時、本気で性行為に持ち込まれないようには、拒む気持ちでいながら、しかし彼らが、自分の下半身に女を感じ取り、その魅力に惚れてほしいと密かに願っていたのを、まざまざと彼らの頭の中に流し込んでいる。

 ヤラせてはくれないのに、自分の魅力に性欲だけは持ってほしい、でも男としてこれ以上は近づくなと、様々な面で矛盾を抱えながら、しかし一人でも多くの男に、性的に意識してもらえるようにするのを忘れなかった。

 幼少時代から、自分の腰回りだけは、お兄ちゃんたちも大人の男の人たちも、この下腹部と生殖器官に、性欲を持たせようとはしてきた。

 そういう水面下での努力を重ねて、吸い寄せられていく男子の中から、好みの相手を見つけて近づけばいい。その実践はすでに、誰彼構わず続けていた。混浴中に行われていた、ちょっとしたラッキースケベも、少女たちにとっては、計算ずくの動きでもあった。

 いま、魔の世界の入り口で、当時の思い出が射精に役立っていることが、彼女たちにとっては、頼もしい武器となっている。

 勝敗が決着して、完全に魔界の住人になれさえすれば、いつでも小学時代の肉体に若返ることができるし、中高生に戻ることもできる。

 その上の世代を狙うこともできた。彼らの脳裏に、5年生のお尻がアップで映し出され、記憶の中なので、もはや目を反らせない。股間のワレメの形状も、大きさこそ違うけれども、すでに高学年生時代には、挿入器官として出来上がっていたのだと、いまになって父親たちに思い知らせている。

 彼らは、子供時代の女体と、現在の大学生の肢体の両方をガン見させられながら、多幸感に抗って、ドクドクしないよう、死力を振り絞って踏んばっている。

 娘たちは分かっていた。どんなにお父さんたちががんばっても、自分たちの騎乗位スマタで、童貞と同じペニスに戻されているなら、必死で抵抗して時間を延ばしても、その分さらに強い多幸感がキュンキュンこみ上げ続けて、いつかは耐えきれなくなる。

 あと数秒、何回か腰をズリズリさせるだけで、彼らは精液を吐き出し始めるだろう。ほんの一瞬でも気を抜けば、今すぐにでも彼らはイクだろう。その瀬戸際で、数秒間引き延ばしているのは、ひとえに娘を助けたい一心で、父として最期の抵抗をする証だ。

 勝負の名目上は、たしかにスワップして、友達のお父さんを先に射精させたら助かる、自分も実の父親も、元の世界に戻れる。逆に実の父親が友達のオンナ表面に負けて先に射精してしまったら、自分もお父さんも魔界に閉じ込められて、永久のセックス天国に魂ごと堕とされてしまう。

 現実世界では、生まれていなかったことにされてしまう。なんとしても、そのギリギリのせめぎ合いで、最期の抵抗をしているだけなのだと。友達の父親を先に射精させなくっちゃ。そういう思いで勝負がスタートし、娘たちも懸命に全身ズリして、勝ち残ろうと上から相手に抱きついていた。

 たしかに、その気持ちに偽りはなかったが、魔界の掟も同時に理解し、心の中で矛盾を抱えたまま、じわりと好色な、本来の女としての強欲と、魔の意思への強い受容を優先させていく。

 そうしているうちに、彼女たちが騎乗位スマタに移る、つまり相手の勃起が確認できた段階で、すっかり心変わりしてしまっているのだった。そんな揺れ動く微妙な女子の心理さえ、父親たちは気付けないままでいた。

 ほんの1秒でいい。いや、0.5秒で構わない。ごくわずかだけ、隣の男性より自分の射精するタイミングが遅ければ、自分たちの勝ちだ。彼らの思考はそれだけに縛られ、その深淵に思いを致す余裕などない。

 親友やその娘さんには悪いが、自分の娘だけは助けたい。とっくにイッているはずが、その瀬戸際でがんばっちゃってる股間は、もう強い多幸感で満たされ、本当に1秒後にはびゅくびゅくっと、ワレメの間から勢いよく噴き出してしまいかねないほど、追い詰められていた。

 娘と同い年の女子大生スマタは、異性に触れたこともない男性にとって、非常に短時間で精液を出してしまうほど溌剌としていて、同時に20歳とはとても思えないような、妖しい色気と肉体に仕上がっている!

 びゅ! びゅるるん! びゅくくっ!!!

「あうああぁああ!!!」

 悲痛な叫びが聞こえる。騎乗位スマタでのしかかられているペニス先端から、大量の白濁液がほとばしり始めている。自分の真下で射精している、友人の父親の、性的に満たされた恍惚の表情は、とてつもなくゾクゾクさせるほど情けない表情だった。

 申し訳なさに満たされながらも、肉体はこの上ない快感で何も考えられず、とめどなく精子が出続けている中で、思考が凝り固まり、非常に狭い範囲だけで完結していく。

 精液を出しきるオスの本能だけが残り、それ以外は何がどうなっているかさえ、気にも留めることがない。

 男は射精時に、とことんまで思考が真っ白になって、ただ脈打っている時間、イキ終わるまで、他がどれほど悪化しているかを忘れてしまう。相手が誰であるかさえ、本能の上ではどうでもよくなっている。妻であってもなくてもいい。

 受精卵を形成する以外は、大脳新皮質の機能はむしろ妨げにしかならない。そこが急に停止し、律動しまくっている快楽だけに反応してしまう。それ以外がすっぽりと思考から消え去ってしまう。

 そういうものだというのも、彼女たちはよく分かりきっていた。相手が実の娘だろうと、あるいは小中学生くらいの小娘でも、あまり好きではないが一緒にさせられた相手でも、射精する瞬間、多幸感が途切れるまで、何も考えられなくなってしまう。

 何らかの間違いで、女子中学生と性行為に至ってしまい、さらにコンドームをつけることもせずに、成り行きだけでハメ込んでしまうことがあった場合、出し切ってから、ヤバすぎることをしてしまった、この先、自分の人生は閉ざされる、この娘の将来はどうなるんだろう、彼女の体内に確実に自分の子供が宿っているなど、複雑な人間社会の事情が、出し終わってから初めて、その深刻さを思い知らせる。しかし、そうなってしまったらもう、時すでに遅し。

 一方、される側は行きずりでも、抱いてくれる相手に好意を抱き、この人の心をつなぎ止めていることに夢中になる。

 それでいて、受胎の可能性は絶えず頭から離れることはなく、このまま突き進めばまずいことになるのは分かりきっていた。

 この土壇場に来て、いきなり冷めてしまったら、相手も興ざめするかもしれないと、まだ成熟していない精神で、カラダだけが発育してしまった女児は、14歳くらいですっかり女体になっているせいで、そのままラストまで、相手のペニスを受け入れてしまう。

 ヤバすぎる、という感覚は、男性以上に強く、ナカダシされてしまったことで、強い絶望感を抱くことも、少なからずある。

 また、男性の方も、快感に夢中になって頭の中が真っ白になるが、出し終わってしまったら急に冷静になってしまい、本当に好きな相手に、子種を提供したのかどうか自問する。お互いに賢者モードになってしまう。

 女の方は妊娠していさえしなければ、すでにペニスを受け入れた相手だから、そのまま好意を抱き続けるが、男の方は必ずしもそうではない。出し終わってから、急に好意が冷めてしまい、態度が急変することも、少なからずある。

 出し終わってからの相手の言動がいきなり悪くなったなら、いかに見た目がいい相手であっても、早めにそいつとは縁を切った方がいい。性欲解消道具にしか思われていなかった、何よりの証拠だ。

 逆に、彼が安心しきって、そのまま眠ってしまいそうになるくらい脱力したなら、彼は本気でその女性を愛してくれている。そのまま寝させてあげられるくらいなら、愛し合う2人として完成したことになる。

 だが、魔界ではそういう現実世界の理屈など通用しなかった。睡眠があっても淫夢しか訪れることもない。男たちは誰彼構わず惚れ込み、出し終わった余韻をじっくり楽しんで、すっかり満足してまどろむ……そんな余裕など、魔族は1秒たりとも与えてはくれない。

 すぐさま次の女性が待ち構えていて、萎える暇もなく、次の娘の肉体で気持ちよくなり続けるしかない。休息はない。枯渇も痛みも飽きもない。射精と快感を妨げる、あらゆる要素が完全に排除される。

 女たちも、行為が終わった後などという感覚は不必要だ。いくらでもいつまでも、そして誰とでも抱き合え、その精を受け止め続ける。自分だけの世界で周囲の時間が止まったところ、魔の存在からのお礼で、通常の何十倍以上のエクスタシーで、一度に数百回アクメに陶酔することも珍しくない。

 再び時間が動き出したとき、自分は別の異性に群がり、他の子たちと混じって、次の相手を性的に悦ばせればいい。搾精だけが目的で、それ以外に価値がない世界だ。

「くすっ……負ぁけちゃったね☆」

 そう言って見下ろしているのは、自分の実の娘だった。先に射精したのは、隣の男の方だった。本当にギリギリのところだった。

 彼の娘が、騎乗位スマタで、自分のペニスを必死にこすってくれていたが、それでイキそうになっても、必死で堪え続け、僅差で娘の方が勝ち。隣の男性の方が先に精液を出してしまったのだった。

 勝敗はついた。その瞬間、仰向けで身動きが取れなかった親友の男性は、すうっと半透明になり、出し尽くした余韻で思考停止したまま、消滅していく。

 本当に消えてなくなったのではなく、彼は魔の世界で、次の女子たちを相手に、永遠に射精し続ける運命に堕ちてしまったのだ。

 勝負である以上、彼の娘、つまり自分のペニスを気持ちよくしていた女子大生も、同じように消えかかっていき、やがて姿も声も分からなくなった。だが、非常に奇妙なことに、敗北して射精してしまった、申し訳ない、と父親さえ思うことが、ほぼできなくなっていた。

 出してしまったその瞬間の恍惚のまま、魔界に引きずり込まれていった。彼の娘は、お父さんががんばってくれなかったから、帰れなくなった、などと隣の実父を睨むこともしなかった。

 実際にどっちが先に精子を出してもおかしくなく、父親が敗北したのを理解すると、くすっと妖艶な笑みを浮かべて、一緒に消えていったのだ。

 彼女もその父親も、これで現実世界に戻る手立てを、完全に失った。現実世界では、初めから存在していなかったことにされる。生まれてこなかったのと同じだ。したがって行方不明になる、などという事件にはなりえない。

 全存在が初めから発生していなかった世界軸だから、この父娘が魔界に堕ちていっても、現実で誰かが困ることは決してないのだった。

 もっとも、神魔の世界バランスが傾き、闇のパワーが勝って行くにつれて、娘たちの方は。ゆくゆく現実世界に帰ってくるかもしれない。

 それはしかし、肉体のみ戻ってくるようなものであり、魂は魔界にある。むしろ分裂して、コピーされた女体が、現実世界でも精を集める目的で、魔界から送り込まれる場合だ。

 それは生まれ育った痕跡も問われることはなく、年代も自在に操れる上、もはや見た目だけ人間の女であり、種族そのものが、もう完全に魔族と同化してしまっている。

 彼女たちは、現実世界に必死で生き残っている男たちを見つけ出し、追い回して、集団で追いつめ、次々と精を抜き取っていく。

 その際、いくらでもコピー肉体を送り込むことができるので、同じ娘でも小学時代の子、高校時代の子、大人になった子と、同一DNAなのに成熟度合いが違う娘たちを、いっぺんに抱かなければいけなくなるケースも増える。

 ここまでバランスが崩れるなら、もう有性生殖の繁殖などという機能は、完全に魔界の糧として悪用され、現実世界でも、確実に未来が閉ざされていくだろう。

 全員が死ぬこともない代わりに、四六時中、誰彼構わずセックス三昧で、休みなく射精され続け、それなのに子供が誰も誕生しない世界となる。永遠と無とは紙一重であった。

 繁殖の機会に、ほぼすべての生き物が、子孫を残せるオスと残せないオスに厳格に分けられ、無駄死にするだけの悲惨な一生を送らされてきた。

 ヒトであっても事情はまるで変わらなかった。はじき出された犠牲者たちの、どうにもならない現実に対する積み重なった怨恨は、ここでようやく果たされる。

 同一空間では距離が邪魔をするため、この現実世界で、別の有性生殖が行われているのを、お互いに観測することができないが、次元を自由移動できる粒子なら、何億光年離れていても同時に反応する。

 同様にして、地球以外の場所の有性生殖もまた、同じ悲惨を強いられている。その苦難をも、一瞬ですべて救済する。

 夫婦一対の原理という建前でありながら、誰にも愛されることがない、愛し求めれば憎しみだけが返ってくるだけで、打ちひしがれながら、その生命を終わらせるしかなかった者たちの、まったく報われない悲惨が、ここでようやく、初めて救い出される。

 世界にリベンジするのもいいだろう。方法はたくさんある。法に触れないかぎり、誰からも追い詰められる筋合いはない。堂々と復讐を果たしきるのは、この世が魔族に制圧されたときだ。

 それが最大のチャンスとなる。それまでは、小出しにするような仕返しを続けるだけになるが、いつの日かは、残りまとめてを、全部ぶちまけて、光の栄誉そのものを、完膚なきまでに破壊し尽くしてやれ。

 イク寸前、ギリギリのところで、親友の娘も魔界へと消えていく。片方の家族だけが、元の世界に帰れる。本当にギリギリの危ないところだったが、精液を相手の股間で吐き出す前に、消滅してくれた。

 助かった。自分の実の娘だけでも、元の世界に戻してもらい、ここでの出来事をすべて忘れる。その約束だ。淫魔といえども、デビルの高度さを獲得しているなら、約束や契約は確実に守る。助かったんだ……!

「20歳になったばっかりの女子大生なんだもん。キモチイイに決まってんじゃん。ね、おとーさぁん☆」
「!!!!」

 自由の身になった娘が、いつの間にか自分の腰に跨がっている!

 な、なにをしているんだ……やめ……なさ……

 言葉が出かかって、非常に絶望的な事態に気付いた。大切に育ててきた愛娘の顔、声、表情……そのすべてをしっかり覚えている。

 それなのに、彼女の名前が、まったく出てこない。自分が誰であるかも分からない。父親と娘の親子関係だということと、それだからこそ禁断のセックス相手になっていること、そして……。実の娘の裸なんて、10年くらいは見たことがあるわけもない。

 彼女の乳房も下腹部もお尻も、ましてやその生殖器官も、目の当たりにすることはなかったはずだ。

 禁断の相手とはいっても、ちゃんと性は意識している。特に若い彼女の方が、その自覚が強い。同じ下着を洗うことさえ嫌悪するくらいだから、膨らみきったおっぱいを見せることも、成熟しているオンナを見られることも、決してありえない。

 家の中だから多少は気を抜き、キャミソールに半ズボンといった、風呂上がりの姿の時もありはするが、ブラジャーもパンティも目の当たりにすることはなかった。

 それ以上に裸を知っているわけがないんだ。こちらが少しでも、娘の脚の女性的なのを認めた瞬間、彼女は慌ててジャージをはいて、こちらを睨み付ける。見てんじゃねーよと冷たい地声で反発してくる。そうだ。それが本来の姿なんだ。

 でも……。自分の腰に跨がっている、生まれたままの熟した裸の娘の声は、男に可愛がられるために出す高い声色であり、魅力を伝えるための、作られた声の出し方だった。メスとして男を魅惑するための、演じられた高さでもあった。

 友達や彼氏と電話している高校娘の声は、普段聞いているのとは別人とさえ思える。そっちの声色になっているということは、彼女は依然として、自分を父親と認めながら、性欲相手としても見ている証拠にほかならなかった。

 全員が必ずとは限らないが、甲高い若い声の女性と、地声の低めの声の女性で、既婚か子持ちか、ある程度判別はつけられる。

 かつての高い声を用いる必要が、仕事でも私生活でもなくなれば、楽な地声で話すに決まっている。そうはいっても、あくまで日本の文化的背景が、下地にあるように思う。

 西洋では婚姻の有無にかかわらず、若いうちから地声で話す。そっちが本来のあり方なのかもしれない。かわいい声を出すように仕向けるのは、むしろ不自然でもある。

 だがそれでも、相手の精を奪って、魔力提供に奉仕するためなら、金髪娘もかわいらしい声色にすることだろう。その方が奪える精が多いならそうする。変わらないなら別に何も変えなくていい。魔界では、その男性の好みに合うように作り替えられるばかりだ。

 もう言葉も出かかって、それなのに一言も出せなくなっている。

 ペニスはさっきの女子大生の子に散々しごかれて、射精寸前だったが、多幸感を残したまま、急に消えてしまったため、脈打ちが始まらずに、少しずつヒートアップから冷め始めている矢先だった。

 イクことに意識を向けず、現実世界にこれで帰れる、という思いが先立ったため、律動しそうで、じわじわとクールダウンしている、そんなさなかだった。

 消えた女子大生の代わりに、かわいらしい実の娘が、自分の真上にいる。ペニス先端が、彼女のオンナ表面に軽く触れた状態だ。ぞくっとイヤな予感が駆け巡る。

 性感のゾワゾワではなく、カッターで手を切ってしまった瞬間などに感じる、ぞっとする危機感と緊張だ。痛みや出血の前に感じる、深く切ってしまったかもしれない、という恐怖の寒気に酷似している。

 それは、半分魔界にいて、外に出られない部屋に密閉された父娘の、逃れようのない運命に飲み込まれていく絶望感にそっくりだった。

 話が違う。だが、魔族は約束を守る。一体……どっちに転がるのか。それを決めるのは、娘ではなかった。

 本当に、完全に本能的な動き、一瞬のためらいが出たときにはすでに、父としての前に、男としての本能部分の欲求が、勝ってしまっていた。

 首から下のほとんどは、接着剤でもつけられたように、床に吸い付き、動くことができない。首から上、頭部を動かせるのは、股間にいる女体を、間近で凝視するためだった。

 そしてもう1カ所、お尻のところだけは接着されていなかった。これはつまり、腰だけは上下に動かせるということだ。

 ほんのわずかな気の緩みで、父親は女子大生の股間めがけて、腰を上げてしまったのだった。彼女のお股が、垂直にギンギンと固まっているペニス先端に触れている。その一瞬、お尻を浮かせ、腰を持ち上げて、ペニス先端を、強く娘の股間に押しつけてしまった。

 その一瞬だけ、相手が実の娘だと忘れてしまったように思えた。あるいは、何かの夢であってほしいと、事故が起こってから本気で思えるような、そういう精神的な逃避だったのかもしれない。

 魔の存在は、その瞬間を絶対に見逃さない。

 こっちの世界では、ペニスの一部でもオンナ表面に触れたなら、勝手に吸い込まれるように根元まで挿入されてしまう仕組みだ。

 だが、約束では「勝った方が現実に戻れる」だった。だから、ただ股間の一部が触れあっているだけだったら、即座に挿入にはならない。契約どおり、元の世界に帰れるはずだった。

 だが、娘たちはすでに、魔の思想に完全同意し、相手が誰かに関係なく、好色にその全身で男を襲う目的だけを持っている。

 父が必死で、現実に娘を帰したいと踏んばっている一方で、当の本人たちは、もはや魔の行為に積極的になり、肯定だけをして、どうあってもこっちの世界で、肉欲のかぎりを尽くしたいと思ってしまっていた。

 親友とその父親は、先に魔界へと移転してしまっていた。本来は、出口が開き、父も仰向けから解放され、娘とともに、光の長方形扉をくぐりさえすれば、この場所での記憶がリセットされて、「いつもどおり」の朝を迎えていたはずだった。

 娘は魔界へ行くことを望んでいた。そのせいで契約と実行がズレてしまって、父親は床に吸い付けられたままになってしまっていた。射精寸止め状態だったものの、出してしまう直前で女子大生が消え、ゆるやかなクールダウンが始まっていた矢先だった。

 徐々に記憶が戻り、肉体も元通り、セックス慣れして、性欲もがた落ちの初老男性、それもうら若い女子といっても、実の娘には欲情しない状況になり始めれば、若い男たちのように勝手に精液が出てくる事態だけは、かろうじて回避できていた。

 そのすべてを、ほかならぬ実子が打ち崩してしまっていた。

 彼女は親友の代わりに、実の父親の腰にのしかかり、友達と同じく成熟した大人の肉体と、スベスベの柔肌で、ペニス先端を付け狙って見下ろしている。

 その妖しい笑みは、相手がお父さんであることを理解していながら、自分の名前も相手の名前も覚えておらず、ただ情欲対象として、禁断の性結合だけをしたいと望む、魔族の手先になってしまっている。

 彼女もまた、元の日常のこと、消えた友達のことや、その父親のことを半分以上、忘れかけていた。ただただ、自分のオンナ表面で、その男性の体液をしこたま絞り出し、相手方を敗北に追いやったことを覚えている。

 その自信が、なによりも女として誇らしく、魔界で与えられた目的に添えることが、至上の喜びだ。世界の目的に合致し、それを自身の目的として、かつそれを達成できるなら、そこで生きることに、とてつもない満足感を得られる。

 どちらか片方の家族は元の世界に戻る、とデビル契約は絶対的に裏切らない。だが、当事者たちが、自らその契約を履行しないなら、反則として、淫魔たちから手厳しい報復制裁を受けるか、どうあっても契約どおりにするように、強制的に約束した状態に持ち込もうとする。

 世の栄華を200年間、若いまま享受し続ける代わりに、自身の魂を売り渡す契約を悪魔と交わしたなら、必ず物理法則無視で、そのとおりになるよう、結果をねじ曲げ、何が犠牲になっても、本人は200年間、若いまますべての富と権力とセックスを恣にする。

 だが、200年目でいよいよ寿命だと分かると、とたんに心変わりをして、死にたくない、死んでも魂を奪われて、転生できなくなるのはイヤだ、魔界に囚われの身になりたくないと、急に抵抗し始めたところで、必ず契約どおりに命を奪って、自分の世界に引き込もうとする。ごね得など悪魔に通用するわけがない。

 ありえない生存期間、老いることのない肉体、すべてが思いどおりになって、大儲けし周囲を服従させてきたなら、そいつが生きている200年間は、周囲は何代にもわたって、地獄を見せられてしまう。

 その男に奪われて逆らえないなら、ただ弾圧だけをされる。他の男たちと結ばれるはずの若娘たちを強奪し、貪り喰っては飽きて捨てる……。

 妊娠しようとするまいと関係なく、用済みなら自死に持ち込ませるか、勝手に子供でも産ませて、育てられないからそのまま、湖に沈めて殺害してしまい、残りの余生をすべて牢獄で過ごすことになっても、その女性や子供たちの、運命と未来を歪めて、徹底的に不幸にしてもいい。

 そいつにもし良心が残っていて、悲しみに打ちひしがれるようなら、悪魔は記憶を消して、栄華を押しつけ続ける。それだけのことを一事が万事行うなら、自分が幸福になる分だけ、別の誰かがきっかり大損をし、報われず、邪魔者として排除され続ける。

 悪魔の栄華は、強奪以外の手段を取ることができない。この世の資源は希少だから、独り占めするなら権力をかさに、本来享受されていた側の人物を葬る必要がある。

 自分だけがよければ、生きている間に誰が不幸になろうと、知ったことではない。契約を徹底させるなら、そのくらいは強欲でなくてはなるまい。

 そこまで収奪しておいて、いざとなったら魂を明け渡すのを拒むなど、許されるわけはない。何が何でも地の底へ引きずり込まれるに決まっている。

 死の間際に多くを助ける事業に汗を流して、償いと生きる喜びを、強欲ではない状態で実現するなら、契約の強制履行を邪魔する光の存在が介入しうるが、そうでなければ、決められたとおりにさせられる。

 悪魔は約束を破らないが、人間はよく約束を破り、裏切ってくる。しかしながら、対人的に裏切りがまかり通っても、悪魔相手では通用しない。

 この場合も、強制的に片方の家族を、現実世界に押し戻すか、裏切りへの制裁を発動させるか、どちらかになる。その内容はすでに、契約の中身にすっかり盛り込まれており、神仏の介入で邪魔立てされないかぎり、条件どおりに強引な結果が導き出されてしまう。

 この場合、勝った方の父娘が、契約に裏切りを示してしまった。娘の方はすでに淫欲に取り憑かれ、魔の世界で、放蕩のかぎりを尽くしたいと決め込んでいた。自分の父親が勝っても負けても、どちらでも構わなかった。

 勝敗がついたあとは、いずれの場合でも、必ず自分は魔界に行き、男たちの精液を搾り取る手先になろう、と決め込んでいた。

 魔族たちも当然、彼女たちの思惑は見抜いている。2人の娘はどちらも、淫行三昧の世界にのめり込む気で、相手の父親を勃起させ、騎乗位スマタで気持ちよく刺激し、射精させようとしていた。

 表面的には、いきなり現実から離れた場所に、強引にワープさせられ、死にたくなかったら相手のお父さんを絶頂させなくてはと、懸命に腰を前後させるように見せる。

 しかし本心はすでに、勝っても負けても現実に戻る気は、彼女たちにはないのだった。父たちだけが、自分はどうなってもいいから、娘だけは助けたいと、必死に快感を堪え続け、イク寸前まで追い詰められていた。

 どちらの男性が先に精液を出してもおかしくなかった。偶然、片方が先にイッてしまい、彼とその娘が、先に下の世界に移行した。消え去ったように見えたが、淫靡な快楽だけが支配する世界に、契約どおり引きずり込まれただけだった。

 かろうじて勝負に勝った父親と、その実の娘が取り残された。このままなら、2人ともすぐに、出口のない部屋の閉じ込めから解放され、光にあふれた出入り口に、全裸で向かっていけば、それで解決のはずだ。

 実際に2人が白く光る扉の先に進めば、一瞬でこの部屋の出来事を完全に忘れ、現実での夢として消滅処理される。夢の記憶さえも残らないので、普通に目が覚めて、いつもどおりの朝になるだけだった。勝った父の方はそうする気だった。

 だが、娘の方は違った。相手方の女子大生は先に魔界に移行した。実の娘がすり替わり、父親の股間の真上で待ち構えた。

 彼女が邪な性欲に取り憑かれていない、現実感覚を保っていたなら、お父さんの腰に跨がった体勢など、強すぎる拒否感で飛び跳ねるように立ち上がり、我先にと光の出口に走り去ったはずだ。

 父親の生殖器官が触れあう、肌がこすれていて密着している感触は、身の毛もよだつ強い嫌悪感に満ちあふれる。

 近親者でオッサンな男の裸と、勃起した股間に吐き気が止まらない。言葉を交わすこともなく、この部屋から一目散に逃げるのは、父親に自分の裸さえ見せたくない思いが強いためだ。

 禁断の肉体関係など、射精する側は快感かもしれないが、現実には受け止めさせられる実子の方は、強い恐怖と憎悪だけが残る。

 そのため、娘はたちまちこの世界から脱出し、起き上がった父親も、彼女が現実に戻るべく脱出の光に飛び込んだのを見届けてから、安心して同じ出口をくぐったに違いない。これで万事解決、契約どおりでもあった。

 20歳の若い女子大生のキレイな全身、膨らみきった乳房、おとなになったお尻や股間や素足の感触は、どの男性でも脈打たせることができる。

 それどころか、少女時代の入浴場面でも、彼らが操を立てて、性衝動に取り憑かれない常識人だからこそ、事なきを得たが、心の奥底で彼女たちは、自分の性的な肉体を誇示し、魅了させる本能を、心ならずも発揮していた。

 その時の彼女たちのお尻や股間、少しだけ膨らんだ小柄なお胸を、この部屋で彼らの脳内に再現させ、じっくり凝視した状態で、おとなになった相手の娘の、タテスジでこすられ続けた。もはやそれで体液を出さずに済ませることは無理だ。

 その上、自分ががんばらないとお父さんを助けられないから、相手の父を1秒でも早く射精させようとした……と思わせて、妖艶な腰の前後運動で魅了しながら、多幸感を味わわせていたのだった。

 もはや相手が誰であろうと、自分のカラダで律動に持ち込むことが、唯一絶対の目的であり、それに沿っていれば、永遠に安泰だとして、いち早く適応しただけでなく、むしろ開放感にあふれて、新しい世界で、永遠に欲情の赴くままに、性結合と多くのペニスを昇天させるべく、積極的に行為に耽りたくて、自ら積極的に受け入れてしまい、それを愉しんだ。

 禁断の相手であれば、それだけ男の側に抑制が働き、理性で乗り切ろう、我慢して精液を出さないようにしようとしつつ、一線を越えてしまっていることへの背徳感にまみれながら、快感に勝てずに律動し、激しい脈打ちで、どばどばと粘液を吐き散らかす結末に、がんばったのにイッてしまったと、強い自責の念に駆られながらも、快感にどっぷり我を忘れることになる。

 そのときの射精が、非常に強い魔力へと転化していく。淫蕩に没頭することも、反人倫的であり、さらには致してはならない相手、姉や妹や娘、法的道徳的に許されていない幼い子たちで射精する……悪だと分かりきっていながら、快楽の刺激に無力だと思い知らされる。

 その悲愴と悪慾が、悪魔の意図にすっかり合致している。現実世界では虫唾の走る、本能的な嫌悪感を抱くはずの、女性側の方が、いかなる邪魔立てもなしに、あっさりと垣根を越えてきて、自分が禁断の相手なら、なおさら美味しい精を絞れると分かりきって、実父こそ愛欲対象と、魂の奥底から淫乱な行動を、自分から仕掛けてくる。現実と真逆なのだ。

 そして、娘の側が好色に見下ろし、その肌の滑らかさ、胸の膨らみ、生足のもっちり具合を凝視しながら、同時に彼女の少女時代の姿もしっかり脳内に刻まれ、再生され続けている中で、イク寸前の多幸感まで、彼女の親友だった子に、オンナ表面でこすられ続け、ようやくクールダウンが始まって、異様な性欲と、快楽の禁則性に気付き始めた矢先、今度は愛娘本人が、股間の真上に腰を据えている。

 その光景と意志を瞬時に読み取った。彼女の方は初めから、魔界に足を踏み入れる準備が整い終わっていることも。ほんの一瞬の隙だった。あと10秒弱もあれば、本来の現実感覚を取り戻せていたはずだった。

 父親はその刹那、ただの男に成り下がってしまっていた。その一瞬の隙が命取りだった。全身のほとんどは、床に吸着したままだが、首から上と、お尻部分だけは、持ち上げることができた。彼女のツルツルの股間に、勃起したままのペニス先端がひっついている。

 ついさっきまで、彼女の友達に騎乗位スマタを受け、腹部に反り返っていたのが、わずかに腰を浮かせた娘のワレメまで跳ね上がっていた。

 娘も淫魔も、父親がほんのわずかだけ、色狂いに陥りさえすれば、違約の条件が整うのを理解している。ほんの一瞬だけ、ついうっかり、彼は腰を浮かせ、ぐいっと勃起した股間を、愛娘のワレメ部分に押しつけてしまったのだった。

 ほとんど無意識に、そうしてしまっていた。しまったと気付いたときには、もう遅かった。ただの女体に、本能的に腰を突き上げて、射精直前の棒を押しつけ、異性の股間めがけ、自分から性欲のたぎりを、ぐにっと押し返してしまった。

 その相手の姿を見たとき、ハッと我に返って、浮かせた腰を再び床に押し戻し、腰を引こうとしたが、間に合わない。腰を持ち上げて、ペニスを異性表面に押しつけた瞬間に、父も娘も「契約違反」をした証拠を示してしまう。

 娘の側は初めから、計画的に魔界行きを望み、あとは父親の方が、自身の性欲動を露骨に表明すればよかった。

 腰を持ち上げて、娘のオンナめがけてペニスを押しつけた刹那、彼は現実に帰るより、魔性の肉欲に、身をやつすことを選んだものとみなされる。

 実際に、全裸の若い女性とセックスをやりたいと望み、その肉体に欲情の勃起を押し当てた時点で、現実世界への帰還を、自分から拒否したのだった。

 直後に、その不道徳と甘い罠に気付いて、腰を引こうとしても、せいぜい数センチ持ち上げた臀部を、再び床に落とすくらいしか動けない。そんな短い距離では、亀頭先端はずっと、彼女の股間にくっついたままだ。

 それ以上に腰を引くことができない以上、禁断の女性器のやわらか感触から逃れることなど不可能だ。

 こうなってしまうと、たとえ肉体の自由が戻ったとしても、父親のペニスは、娘の膣内にぐちょおっとねじ込まれたまま、出し入れだけはできるけれども、どちらかがイクまで、引き抜くことができない縛りに従うしかなくなる。

 父娘の違約とはまさしく、勝った家族は現実に帰して出来事を忘れる約束だったのに、自分たちの方から現実を拒否して、魔性の性感にエクスタシーを感じ、これに没頭することにほかならない。

 元の世界に戻す約束だが、人間の側がそれを拒んだなら、その父娘ともに、強欲の快感世界に連れて行き、二度と戻れなくなる決まりだ。初めから契約の条件に、このことが含まれていた。

 娘たちはそれをよく理解していたが、奮闘していた男性たちは、どことなく予感だけはするが、はっきり自覚するに至っていない。

 だが、非常に長い文章と小さすぎる文字でびっしりと「利用規約」が表示されても、じっくり時間をかけて読み込んでから「同意する」を選択しなければ、アプリの使用ができない条件下では、全部を読み完全理解してクリックなどしない。

 書いてあることは、サービス提供会社の無責任を受け入れる条件、と決まり切っている。甲は、乙はとややこしい言い回しにして、とかくすべてを免責させることに、同意させなければいけない状況に持ち込む。

 どのアプリの使用条件でも、言い回しは似たり寄ったりになる。それで「いつものこと」として同意を選択したあとで、実は致命的な一文が紛れ込んでいたとしても、それは規約に同意したものとして通用させられてしまう。

 人間社会でも、日常的に強制する常套手段だ。悪魔が同じ手を使わないはずがなかった。

 たちまち部屋の壁も床も崩れ去り、周囲が完全な闇に包まれ、ゴゴゴゴと自由落下していく感覚が全身を襲うが、大気中を落下しているのではないので、摩擦熱もなく、慣性も働かない。

 近年のエレベーターは、上下したときの重さや軽さを「初めの1,2秒だけ実感する」だけで、それ以降は、引っ張られている感覚がなくなるように設計されているが、かつてはそんな工夫もなく、猛スピードで下に降りている箱の中では、ひどく体が軽くなっているように感じ、逆に猛スピードで上昇しているときは、床に押し込まれそうな重みを感じたものだ。

 これが慣性の作用だが、闇の世界での自由落下は、もう落ちているのか浮かんでいるのかを、感じ取ることもできなくなっている。精神の側面で世界転移をするのだから、現実世界の物理法則など意味をなさない。

 落ちている感覚が、ゴゴゴゴと音を立てたのもほんのわずかで、あとは何もない時空を止まっている、動いていないように思える。だが、心の内側は確実に「堕ちて」いるのを、親子ともしっかり理解している。

 娘はクスクスと、思いどおりになっていることを喜んだが、父の方は後悔先に立たずの苦悩が頭をよぎった直後、股間から全身に拡がっている快楽の連鎖に、すぐに理性的な意志や感情を失っていく。

 すでに壁も天井も床もなく、重力が機能しているか否かも分からないような虚空に、裸の男女だけがいる。いや……仰向けに寝そべって安定している以上、見えない床の上で、自分たちが禁断の挿入関係に入っているように思えた。

 虚空であり、虚空でもない。奇妙に過ぎる出来事だった。悪魔に魂を売った男が、現実世界で、ありえない夢のような出来事を体験するが、歴史上そのような人物を、我々は目にしたことがない。

 それは契約に入って以降は、パラレルな時空に移って、何もかもが同じ現実なのに、彼の身にだけ、都合が良い出来事を連鎖させることで、つじつまを合わせているからだった。

 現実であって現実ではない。夢であって夢ではない。空間の外側だ。本当に起こっている出来事なのに、違う世界に実存する。この奇妙な転移こそ、契約を完全たらしめる素地になっている。

 当然、夢のような出来事が終わった暁には、すでに魂ごと別世界にあるのだから、そのまま引きずり込んで、二度と戻ってこられなくするのも、造作もない手続きになる。

 時間があり、時間がない。戻りもすれば止まりもする。上も下もなければ、落下も上昇もない。多面的な時空を、同時に垣間見続けて断片化されている。

 父娘が一瞬だけ見かけたのは、先ほど勝負で隣にいた、中年男性の姿だった。彼は裸のまま、右向きに横たわって、敷き布団の上にいる。

 目覚めたばかりでまどろんでいるような、あるいは許されるなら、このまま二度寝してしまいたい、目覚ましを止めた直後の、2分程度をもう一度寝ているような、身体も頭脳も思うように働いておらず、寝てはいけない、起きなければ遅刻する、と分かりきっているのに、半分夢の中にいるような状態に思えた。

 遅刻できないと分かっているのに、眠気が勝ってしまうそのわずかな時間が、誰にとっても至上に快い。それは禁断を犯して、違反の安楽を貪っているからだ。強引にそのようなまどろみに近い状態にして、彼は身動きが取れなくなっている。

 それにもかかわらず、自分の敗北を知っていて、この先に起こるであろう天国を予感しつつ、どうにかもう一度チャンスはないものか、などと考えているようだった。

 が、その淡い期待は、虚しく打ち破られていく。みるみるうちに彼は若返っていき、ちょうど娘が10歳を超えたあたりの、一緒に入浴していた時期に戻っていく。

 もっと幼い時期なら分かるが、メンスを知っている少女が、父親と混浴は考えにくい……もしかしてその思い出自体が、魔の存在によって、でっち上げられたものでしかないのではないか。そんなことに気がつきながらも、もう彼にはどうすることもできない。

 現実世界なら、なにか行き違いが生じてしまっても、時節を待てば、何らかのチャンスが到来する可能性も残る。未来に多様性を持たせてある。それでも、念力を得て自在に空を舞うような、超能力が身につくわけではない。あり得ないことは起こらない。

 あり得ないことを起こそうとする、どうしてもその状態を獲得したいと、絶望的な願望を強く持てば、破滅だけが待っている。

 恋愛や結婚に足るだけの見た目や若さなどがないのに、異性を求めるのは天罰対象だ。激しい憎しみだけが返ってきて、一生恨まれ続けることとなる。和解は絶対にありえない。

 その人数が増えれば増えるほど、絶望的な針のむしろが加増され続け、ついにはあらゆる生活手段を失って、死を待つだけの人生となるだろう。

 ちょうどそれは、空を舞って自在に飛び回る念力を獲得しようとして、無理に崖から飛び降りるようなものだ。太陽の光が届かないほど深い地面に叩きつけられる前に、重力に逆らって、浮遊できる超能力を獲得できなければ死ぬ。

 チャンスを掴もうと恐怖に耐えながら、懸命に浮き上がろうと、全身を突っ張らせたところで、そいつは必ず、地面に激突して全身を飛散させるだけになる。

 掴めないチャンスは求めず、一定程度の関わりにとどめて、それ以上は自身の想像世界に押し込めて、外部に発露しない、告白しない、好意を寄せない。と割り切っている間は、バランスよく生き延びられていた。

 これを欠いた瞬間、崖から転落しているのと一緒の運命になる。後悔してもしきれない。ありえない願望でないなら、チャンスは巡ってくるかもしれない。

 それを掴めるかどうかは天意次第だが、未来に希望を抱き、不確定なところへ思いを馳せることが、まだ現実になら残されていた。

 だが、魔界ではその希望もチャンスも、すでに失われている。結果が出てしまえば、もう変えられない。魔の存在の意志のとおりに物事が進み、快感だけで永遠に閉じ込められる。覆る可能性がまったくない。

 そのことを、堕ちていく人々は思い知らされる。女子たちはそれをワクワクしながら受け入れ、男たちはこの上ない快楽から、一瞬たりとも離脱できないにもかかわらず、抗う心を持ちながら、抗えない矛盾の中で、強引に飲み込まれるしか選択肢がない。ペニスの脈打ちを耐えて回避するチャンスが、永遠に失われている。


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