劇場版フザケンジャー! 恐怖のイマドキスクール!! ~その2~


 僕の名は関口勇樹。今年で中学2年生になる。

 今日も長い一日だった。授業が終われば夕方まで部活動。そのままその足で学習塾へ。講習時間は8時過ぎまである上、日によっては更に補習。しかも地元から二駅またぎで通っているため、家に帰る頃には11時近くになっている。

 通塾電車の帰宅ラッシュに巻き込まれるたび、僕ら中学生の忙しさも周りのサラリーマンたちと変わらないんじゃないかと、憂鬱になる。外で遊ぶ暇も、家でテレビを見る時間もない。家に帰れば夜食を食べて寝るだけだ。いつからだろう。こんな機械的な生き方しかできなくなったのは。

 中学に上がる前は、友達と外で虫取りやったり、河川敷を探検したりして楽しかったな。暗くなるまで外の世界をたくさん冒険して。それが今では、まるで工場の作業機械のように、ひたすら淡々と試験勉強だけに没頭する毎日。その勉強にしたって、小学校の頃なら、知らなかったことを知るという楽しみがあったはずなのに。今では試験のため、受験のためという強迫観念しかない。こんなんで勉強が楽しく思えるはずがない。

「あ、待って。扉閉めないでー!」

 沈んだ気持ちに囚われながら、アパートの自宅に戻るエレベータに乗ろうとした時、甲高い声と共に、一人の少女が駆け寄ってきた。隣の部屋に住む、みはるちゃんだ。彼女は僕より二つ年下で、小学6年生になる。

 僕がボタンを押し続けていたおかげで、彼女はかろうじてエレベータに間に合う事ができた。

「よかったぁ、間に合って。関口くん、えらいえらい」

 馴れ馴れしく、彼女は僕の頭を軽くポンと叩く。相手が年下なだけに、ちょっと不愉快だった。

「やめてよ。そういう子供みたいな扱いは。僕の方が一応、年上・・・なんだから」

 ビシッと説教してやるつもりだったが、途中から気まずくて声が縮れてしまった。確かに僕の方が年上なのは事実だ。しかし、背丈に関しては・・・彼女の方がちょっと大きいのだ。

 僕は同年代の子に比べて成長が遅めだ。1学期の身体測定で、ようやく150を超えたかという程度。

 対する、みはるちゃんはというと・・・既に成人女性と同等くらいの背丈があった。だから、僕よりもおでこひとつ分は抜けている。きっと、はたから見れば僕の方が年上だと分かる人は少ないだろう。

「なあに。よく聞こえなかったけど?」

 わざとらしく、みはるちゃんは上から僕の顔を覗き込んできた。

 う・・・明らかにこちらの考えが見透かされている。

「えへへー、また背比べみはるの勝ちだねー♪女の子って、大人になるの早いでしょ」

「ど、どうでもいいだろ。そんなこと・・・」

「なによ、本当は悔しいくせに。でも、私なんかまだ後ろから5番目くらいだよ。中には、女の先生より大きな子だってたくさんいるんだから」

 正直言って悔しかった。口には出せないが。

 みはるちゃんが僕の身長を追い越したのは、大体去年の春頃からだ。それまでの彼女は、僕よりも頭一つ分小さく、ショートカットにぽっちゃり体型、黒ぶちメガネという、どちらかというと地味で、学年でも目立たないような子だった。

 ところが、5年生になってから、彼女は急激に変わった。身長が伸びただけではない。体型もスリムで足長、髪の毛も腰付近まで伸ばし、派手にウェーブを巻くようになった。服装も、それまでダボダボのオーバーオールだったのが、積極的にヒラヒラのミニスカートとか、ピチピチしたショートパンツをはくようになって、最近では軽く化粧をしたり、アクセサリーまでつけるようになっていた。性格も活発になって、男の僕にも積極的に話しかけるようになった。どうして彼女は、急にここまで変わってしまったのだろう。

 確かにこの時期、男の子よりも女の子の方が発育が進んでいるというのは知っている。でも、小学生の女の子とでさえ、ここまで差が開く一方だとは思わなかった。仮に、僕の方が急成長して、みはるちゃんの背丈をようやく越えたとしても、彼女よりも大きな子が学校にはまだまだ沢山いる。険しすぎる道だと思った。

 ところで、みはるちゃんは既に160近い成人女性並の体格なわけだが、体の他の部分も男子よりうんと大人なんだろうか。例えば、胸なんか結構たわわにふくらんでいたりして。下着も大人っぽいものを選んでいたりとか・・・。

 いや、いやいや!一体何をいかがわしい想像をしているんだ僕は。でも、僕は思春期真っ盛りの男の子。女の子との体の違いに興味津々だ。だから、考えまいと思っても、つい色々と、みはるちゃんの体について想像してしまう。想像しているうち、下半身の辺りがムズムズくすぐったくなってきた。いけない、カバンで何としても隠さないと・・・。

 やがて、二人を乗せたエレベーターが上昇を始めた。

「私ね、最近『イマドキスクール』っていうのに通ってるんだ」

「イマドキスクール?」

「うん。オシャレの仕方とか、ダイエットの仕方とか、女の子にとって大事な事をたくさんお勉強できるの。関口くんの身長を追い抜けたのだって、イマドキスクールでシェイプアップしたおかげなんだから!」

 みはるちゃんは自慢げに語る。

 今は狭いエレベータで二人っきり。上下クッキリとくびれ、すっかり女らしくなったみはるちゃんの全身から、ほんのり甘い香りが間近で伝わってくる。うう、情けない。年下の、それも小学6年生のみはるちゃんに、ドキドキ緊張してしまう自分がいるなんて。

 スカートもヒラヒラと薄い布地で、ちょっと風が吹くだけでまくれ上がってしまいそうなくらい短い。そして、そこから伸びる二本の足は、色白ですらりと長く伸び、太ももの部分も程よくムチムチの脂肪を蓄えていた。

 いかん、あまりマジマジと見つめていると、どうしてもいやらしい方向にばかり想像が行ってしまう。こんなとびきりの美少女と至近距離で対面していたら、気がおかしくなってしまいそうだ。とにかく、気を紛らわすために会話を続けないと。

「で、でもさ、夜遅くまで外に出るのは危ないんじゃないかな?お母さんだって心配するだろうし」

「大丈夫。だって、おととしに離婚してから、ママってば仕事を理由に夜遅くまで帰ってこないもん。お部屋に化粧品が増えていたから、多分また新しい男の人でも見つけたんじゃないかな」

「そ、そう。お気の毒に」

「平気だよ。みはる、小さい頃から保育所で育ってきているから、いてもいなくてもあんまり変わんないし。別に、無理して一緒にいる事もないんじゃないかな」

 あっけらかんと、みはるちゃんは答える。

 今の子って、皆こうなのかな。小学生なら、普通親がそばにいないと寂しくて不安になるものだと思っていたけど。女の子は大人になるのが早いから違うのかな。

 でも、考えてみればウチも似たような物かも知れない。ウチでも両親が一昨年の辺りから、お父さんが家事をやらない、お母さんがご飯を作り忘れただの、些細な理由でケンカし始めている。このままだと、みはるちゃんの家庭と同じく、離婚も時間の問題かもしれない。でも、そうなったところで今は生活保護も充実しているし、特別困るような事もないんだろうな。両親の事も、別にどっちも大して好きじゃないから、どっちについても僕自身は変わらない気がする。

 もやもやと息苦しい気分になって、僕はふと顔を上げた。「あっ・・・」その時、僕は偶然にも、みはるちゃんの上着越しに、薄く浮かび上がる小さな布地を見つけてしまった。

 みはるちゃん、小学生でもうブラジャーをつけている・・・。そりゃ、僕よりも断然背が高いんだから、体つきも半分は大人なわけで、ブラジャーをつけていても不思議じゃない。

 でも・・・「ブラジャーをつけている」と知っただけで、僕はみはるちゃんが随分と大人びて見えるようになってしまった。僕なんて未だに下の毛も生えなくて、下着もブリーフのままなのに。きっと、彼女には年上のボーイフレンドも大勢いるんだろうな。そして、かわいいブラジャーも彼らの思いのまま・・・。

 あぁもう!僕ってば相変わらず情けない。たかがブラジャーひとつで、悶々と妄想を膨らませてしまうなんて。でも、体の反応だけはどうしても逆らえない。ちょっぴり期待もしている。アパートに戻るまでの短い間、もしかしたら、もしかしたら、彼女のヒラヒラしたミニスカートが目の前でうっかりめくれるとか、そんなうれしいハプニングに巻き込まれないかって・・・。

 だ、ダメだダメだ!これ以上、ミニスカートとかブラジャーとか、頭の中で色々考えちゃいけない。早く、エレベータの扉が開いてくれないかな。余計な妄想ばかりしたせいで、ズボンの中が窮屈に張り詰めている。苦しい。

 みはるちゃんがこの事を知ったら、きっと軽蔑するだろうな。気色悪いチビの男子だって。そんな風に嫌われるのだけはイヤだ。

「ああ、今日も疲れたー。帰ったらお風呂に入って早く寝なきゃ。イマドキスクールで習ったんだけど、夜は下着だけで寝ると美容にいいんだって。私も最近暑いから、パジャマはいつも上着だけなんだ。関口くんも頑張ってみはるの身長追い越してね。バイバ~イ」

 ようやくエレベータの扉が開き、みはるちゃんは笑顔で手を振り自分の部屋に戻っていった。彼女の後姿を眺めながら、何事もなくてほっとした気持ちと、ちょっぴり残念な気持ちとが僕の中で入り混じっていた。ああ、一度でいいから、あの悩ましいミニスカートの中を、下から覗いてみたかった・・・。でも、現実でそんな事をしたら犯罪だ。だから、悲しくも頑張ってガマンするしかない。

「ただいま」

 アパートの部屋に戻って、声をかけてみたが、案の定誰もいなかった。鍵もかかっていたから、期待もしていなかったけどね。お互い、顔も見たくないから、家にも帰りたくないんだろう。ある意味好都合かもな。・・・さっきのエレベータで溜まった鬱憤を、誰も見ていないところで晴らせるし。

 食事はラップでくるまれた物が一式、レンジの中に入れてあった。きっと、両親のどちらかがいったん家に戻り、再び出かける時に用意したのだろう。ガキには最低限エサ与えときゃ十分ですか。そうですか。不満に思いつつもお腹は減っていたので、サッと温めて手短に食事を済ませた。小学校までは、家族そろってテレビを見ながら、学校の事とか友達の事とか話しながら、楽しく食事ができていたはずなのに。これじゃ家にいてもまるで他人じゃないか。ここは家庭じゃない。居候が3人いるだけの空間だ。

 後片付けが終わったところで、僕はお風呂に入った。温かい湯船に浸かって、色々と考え事に浸る。そういえば、みはるちゃんも今はお風呂に入っている最中かな。ウチとは風呂場が隣同士だから、僕のすぐ真後ろで、裸のみはるちゃんが気持ちよさそうに入浴しているわけで・・・。

 うう、イケないと分かっていても、みはるちゃんみたいなかわいい女の子が、すぐ隣の風呂にいるというだけでドキドキする。僕よりも背が高いから、浴槽の端から端まで足が届くんだろうな。体はどこから洗うんだろう。すっかり大人っぽくなったみはるちゃんの体に、直接泡を塗ったら気持ちいいんだろうなぁ。もしかしたら、直接泡風呂を作って、泡まみれになったまま浴槽で無邪気にはしゃいでいるかも。

 もうダメだ。おちんちんがくすぐったく疼いて、パンパンに張り詰めている。エッチな事ばかり考えるものだから、精子がいっぱい溜まっちゃったんだ。オナニーしたい。ガマンできない・・・。

「もう、関口くんたら。じっとしてなきゃダメでしょ!」

 いつの間にか僕は、みはるちゃんに背中を流してもらっている光景を思い浮かべながら、ゴシゴシとみっともなくペニスをこすってしまっていた(もちろん湯船から上がって)。家に帰るまで外でずっと我慢してきたから、ちょっとの刺激にも敏感になってる・・・。

「ほら、もっとよっかかってごらん。お姉ちゃんがピカピカにしてあ・げ・る♪」

 みはるちゃんは背が高いのをいい事に、すっかりお姉ちゃんぶって僕の全身に石鹸の泡を塗り付けてきた。ああ、きっと女の子の手って柔らかいんだろうなぁ。僕は汗だくになりながら、必死にみはるちゃんの大人っぽい体つきを想像し、ペニスをしごき続けた。

 そのうち、彼女は大胆にも僕の内股にまで泡まみれの手を伸ばしてきた。「あっ、だめ・・・」「もう、なに恥ずかしがってるの!」そうして揉みくちゃになる内、みはるちゃんは全身で上からおおいかぶさってきた。そして、偶然にもお互いの唇が重なり合うという、うれしいハプニングに発展し・・・。

「う、くぅっ・・・!」


びくん!ぴゅるっ・・・!


 とうとうガマンしきれず、僕はお風呂場でエッチなお漏らしをしてしまった。ペニスがビクビクと痙攣し、ネバネバした汚らしい精液が飛び散る。下半身をコチョコチョくすぐられるような快感に、僕はしばらく悶えた。ああ、女の子のカラダを想像しながらおちんちんをいじるのがこんなに気持ちいいなんて。これだからオナニーはやめられない。ここに来て、ようやく外で溜まった鬱憤を晴らせた気がした。

「・・・・・・・」

 風呂場のタイルにはそこかしこに僕の精液がこびりつき、鼻をつく嫌な臭いを充満させている。それらをシャワーで洗い流していくうち、はあ・・・と、口からため息が漏れた。

 正直言って、みはるちゃんでオナニーしたことを僕は後悔していた。彼女が一生懸命スタイルを磨き、積極的に男の子とコミュニケーションをとっている時に、僕は一人でむなしくオナニー。終わっても、しばらく経てばまた我慢ができなくなって、再びオナニーにふけっては自己嫌悪に陥る。その繰り返しだ。

 僕は居心地が悪くなって、さっさと入浴を終える事にした。みはるちゃんの方はまだ体を洗っている最中かな。女の子って、お風呂の時間がとても長いという話だから。あの柔らかそうな体に何度も石鹸を塗りたくって・・・。いやいや!もうそんないやらしい想像をしちゃいけない。ちょっとでも油断すると、また股間がムズムズしてガマンできなくなる。気を付けないと。

 パジャマに着替え、僕はベッドに潜り込んだ。でも、初夏の微妙に暑い季節だからか、中々寝付けない。そういえば、みはるちゃんも最近暑いからパジャマは上にしか着ないとか言ってたっけ。という事は、下半身は女の子のかわいらしいパンツと、そこから伸びるきれいな生足がむき出しという事態に。それって、ある意味素っ裸よりいやらしい・・・。

 あぁもう!どうしていつも変な事ばかり想像してしまうんだ僕は。でも、彼女が上だけパジャマのパンツ丸見えの格好で、ベッドの中をモゾモゾする姿が、どうしても頭の中から離れない。布団にくるまっているから、一緒に寝たらお互いの体が見えなくて、ふとももやパンツの部分が、男の子の一番大事なところに偶然当たっちゃうかも・・・。

 ダメダメ!今日はお風呂で一回オナニーしたんだから、これ以上はきちんと我慢しなきゃ。でも、ペニスはさっき出したとは思えないくらいパンパンに固まって、ほのかに下半身全体をムズムズと刺激してくる。精巣にもたっぷりと、ネバネバした精液が蓄積されている気がした。

 ガマンしなきゃ、ガマンしなきゃ・・・。必死に言い聞かせるが、僕の体はかえって欲望を発散したいともがき狂っている。こういう時は円周率の計算でもやって・・・でもゆとり世代だから3から先が分かんねえ。

 もう止まらなかった。僕はズボンとブリーフを下ろし、くすぐったく疼くペニスにゴシゴシと刺激を与えた。ああ、どうしていつもこうなんだ。いけない事だと分かっていても、背が高くてナイスバディなみはるちゃんの体が気になってやめられない。

 僕は、みはるちゃんが先に寝付いたのを見計らって、下着がむき出しの下半身を手でまさぐる妄想に浸った。きっと、女の子向けのパンツって、僕がはくブリーフなんかより、よっぽど肌触りがいいんだろうなぁ。ふとももとお尻も、女の子らしく十分に発達しているから、直接触ったら柔らかくて気持ちいいだろうな。

 ああ、さっきから、女の子の生の感触が気になって仕方がない。小学校時代のフォークダンスでちょっとぐらいしか、僕は女の子に触ったことがないんだ。一度でいいから、手を握るだけじゃなく、思い切り抱きついて、胸とかお尻とか、女の子の柔らかい部分を存分に味わってみたい。そして、パンツの真ん中部分、女の子がおしっこをするところ。あれ、触ったらどんな感触だろう。あの部分だけはどうしても想像がつかない。想像つかないだけに興奮する・・・!

 みはるちゃんのふとももを、恐る恐る指先でつつくたび、ふとした拍子で目が覚めてしまうのではないかとハラハラする。その恐怖感と緊張感とがたまらない。彼女が深く寝入っているのをいい事に、僕は更に激しく二本の生足を揉みしだく。

「・・・もう、関口くんのエッチ!」

 気づかれた!?が、みはるちゃんは特に嫌がったりせず、むしろ片膝を上げ、僕の顔を股間に挟み込んできた。なんて大胆で積極的なんだ。イマドキスクールで女らしさを磨いてきただけはある。・・・全部妄想だけど。

 僕は、ペニスをこするペースを更に上げ、みはるちゃんのパンツとふとももの感触を一生懸命想像した。ああ、先っぽがくすぐったくなってきた。早く、早く出してしまいたい!


びくっ・・・!


 ガマンの限界を迎えたペニスが、ビクビクと激しく脈打つ。さっきのお風呂の時と比べて精子の量は少なかったが、それでも十分すぎる快感と満足感を、僕は全身に感じた。それでも、終わってしばらく経ってみれば、後悔さき立たずというむなしい気持ちだけが残った・・・。

 はあ、どうしていけないと分かっていていながら、いつもやめられないのだろう。一度ならず二度までも。きっとみはるちゃんも含め、皆はこういう事を我慢しながら、勉強や部活に一生懸命取り組んでいるだろうに。こんな時にエッチな想像ばかりしている男なんて、世界中で僕だけなんだろうな。この事が家族や知り合いにバレたらと思うだけでゾッとする。こんなだから、女の子にさえ背比べ負けちゃうんだろうな。

 今日は仕方がなかった。でも、明日からはきちんと我慢できるようにしよう。ミニスカートの女の子やスタイル抜群の女の子を見ても、なんとも思わない真面目な男になろう。そうやって自分に言い聞かせていくうち、僕はだんだんと眠気に襲われて、深い眠りについた。


 夜が明けた。親に持たされた携帯電話のアラームで、僕は目が覚めた。目が覚めた途端、下半身がパンパンに張り詰めて、苦しい気分になった。朝勃ちだ・・・。

 どうしよう。ちょっと腰を引いただけでも、下着が擦れて股間がムズムズくすぐったい。一回出してスッキリしないと、どうしても収まらない気がする。こんなに溜まった状態で出してみたら、すごく気持ちいいんだろうな。一度でいいからやってみたい・・・。

 いいや、ダメだダメだ!昨日、あれほどエッチな想像はしないって誓ったじゃないか。ここで出したらまたスケベ男子に逆戻りだ。ちゃんとガマンしなきゃ。オナニーを我慢してきちんと運動さえしておけば、みはるちゃんの身長だってあっという間に追い抜いて、元のお兄ちゃんの地位に返り咲く事だってできるんだ。

 ああ、でも昨日のみはるちゃん、小学生とは思えないくらい大人っぽかったなあ。きっと胸もお尻も柔らかいんだろうなあ。パンツもかわいらしいんだろうなあ。もし、このまま身長を追い抜けなかったら、彼女の方がずっとお姉ちゃんのまま・・・。

 僕はパジャマとブリーフをずり下ろし、またもやペニスを一生懸命しごいてしまっていた。ああ、ナイスバディなミニスカートのみはるちゃんに、密かな憧れを抱く自分がいるのを否定できない。まだ肉体的に成長し切っていない未熟な僕と、すっかり女らしくなったみはるちゃんとが、お互いに抱き合ったらどうなっちゃうんだろう・・・。

 あぁ、今の妄想でペニスがこれまでにないくらい敏感に。もう、ガマンがっ・・・


びくっ!どくっ・・・どくっ・・・


 ああ、またやってしまった・・・。昨日の誓いはなんだったのか。こんなだからみはるちゃんに子供扱いされてしまうんだ。僕って一生このままオナニー我慢できないままなのかな。

 自己嫌悪になるのはよそう。とにかく学校に行かなきゃ。行っても退屈な所だけどね。


 学校での退屈な一日は、あっという間に過ぎていった。ただ長ったらしく講義の続く授業ならどんなにありがたいか。わざわざ席の近い子たちと議論の方式を取らせたり、それをレポートで発表させるようなやり方はタチが悪い。先生が最初から答えを教えてくれればいいんだ。そして、各教科ごとの膨大な量の宿題。子供たちを外で遊ばせる気はゼロだ。

 部活も最近は休みがちだった。どうしてもどこかの部に入らなきゃいけないから、仕方なく卓球部を選んだに過ぎないだけだ。他の子たちも半分以上さぼっているし、今さら僕一人抜けようと知った事ではないな。

 今日も部活はほったらかしで、僕はさっさと家に帰ることにした。どうせこの後はすぐ塾に行かなきゃならないけど、それでも家で多少ゲームしたりネットをやる時間は作れるだろう。

 帰り道の途中、僕は電気屋の前でふと足が止まった。店頭に並ぶテレビ画面に、見覚えのある顔を見つけたからだ。ウェーブをかけたロングヘアーに、年齢に似つかわしくない、スラリと引き締まったモデル体型。間違いない、お隣に住むみはるちゃんだった。

 何かのインタビュー番組だろうか。彼女の隣には他にも二人、かわいらしい女の子が並んでいて、周囲にはテレビの撮影スタッフと女性アナウンサーの姿が見える。画面の右上には「流行の先端を突き進むスーパー小学生アイドル軍団!『ボルテージ』に密着!!」と、鮮やかにテロップが貼られていた。

 すごい・・・みはるちゃん、小学生なのにテレビ番組で大活躍じゃないか。そりゃ、あんなにスタイル抜群の美少女を、タレント事務所が放っておくはずないよな。イマドキスクールというのは、タレントの養成所も兼ねているのか。

「いやー、小学6年生でこれだけのナイスバディ!同じ女性として、実にうらやましいですねー」

 テレビ画面から、女性アナウンサーの感激に満ちた声がこだまする。無理もない。顔立ちが幼い事を覗けば、みはるちゃんやその他二人の女の子たちは、隣のアナウンサーお姉さんとほとんど体型が変わらないのだ。きっと、彼女たちがお姉さんと同年代になる頃には、それまで以上にモデルらしい完璧な体つきになっているに違いなかった。

 テレビでは、更にみはるちゃんたちのグループがファッション雑誌でモデルとして活躍している事や、グラビアモデルとしてプロモーションビデオを出版している事なども紹介されていた。画面には、みはるちゃんたち3人の女の子が、派手な水着姿でプールをはしゃぎ回るDVDの映像が映し出されていた。あんな大胆な仕事までやっているんだ・・・。

 あのビデオ、最後まで見てみたいなぁ。みはるちゃんと、彼女と同じくらいスタイル抜群の女の子たちが水着を着ているというだけでドキドキする。今はインターネットでこの手の映像が山ほど流出している。アイドルグループの名前で検索してみたら、ちらほらと手頃なのが出てくるだろう。


 家に帰ってから、僕はパソコンをインターネットに繋ぎ、早速「ボルテージ 動画」で検索してみた。そしたら、SC2動画というサイトで、先に電気屋で見た映像と同じサムネイルの作品が、いくつかアップされているようだった。10分単位の短いもの、30秒程度しかないもの、それ以上の長時間モノなど、内容は同じでも再生時間がまばらだ。中には架空請求サイトに飛ばされる釣り動画なんかもあるから気をつけないと。

 僕は、全部で45分もある長時間の動画をクリックした。タイトルは「ボルテージ「スリースウィート」(フル)」という名前だ。きっとDVD一本分の内容が丸々収まっているのだろう。こういう物に巡り合えるのは運がいい。ビデオ屋さん涙目だな。

 動画は、予想通りタイトル画面のテロップから始まった。そして、先の電気屋で映されていたのと同じ面々、みはるちゃんと両脇の美少女二人が、水着姿で「スリースウィートぉ~!」と、視聴者に元気よく呼びかけた。

 序盤はDVDの見どころ映像がダイジェスト方式で次々と切り替わっていった。プールで水遊びをしていたかと思えば、かわいらしいミニスカートでトランポリンに挑戦したり、はたまた白と紺の体操着姿でバランスボールに乗ったり、再び水着姿に戻って仲良くシャワーを浴びたり。

 こうしてみると、最近の小学生ってやっぱり発育がすごいんだなあ。みはるちゃんの隣にいる女の子たちも、彼女と同じくらい背が高くて、露出の高い大人用のビキニもそつなく着こなしている。きっと、あの中に僕が紛れ込んだら、4人の中で一番小さくて子供っぽく見えるんだろうな。

 やがて映像は、みはるちゃんたちがプールで遊ぶ場面に落ち着いた。ここからは5~10分単位で映像が切り替わるのだろう。オープニングの様子からして、どれも見ごたえがありそうな刺激的な映像ばかりだった。みはるちゃんは前がスカート状になった旧型のスクール水着。右側のツインテール娘はハイレグのきわどい競泳水着。もう一人の金髪娘は、大胆にも露出度の高いビキニを着こなしていた。

「きゃっ」「やだぁ♪」水かさの低い子供用のプールで、ひざ下半分ほど浸かったみはるちゃんたちが、きゃいきゃいはしゃぎながらお互いに水を掛け合う。3人ともあっという間に水浸しになったが、シミひとつないピチピチの素肌が、水滴をことごとく弾いてくれた。あれだけ肌がきれいだと、柔らかいだけじゃなくて、肌触りもスベスベして気持ちいいんだろうな。

 お次は体育館の映像が映し出された。「美容体操、いっくよ~!」体操服にブルマー姿のみはるちゃんたちが、ポンポンと跳ねるゴム状の巨大なボールにそれぞれまたがってジャンプを始めた。バランスボールというやつだ。さっきから見ていると、彼女が一番リーダー格みたいだな。

 彼女たちの重みでボールはグニャリと形を変え、ちょっと動くだけで激しくバウンドした。ゆっくりと円を描くような腰の動きが、下から何かを吸い上げているように見えて、よく分からないがいやらしいと思った。僕が仰向けになった状態で、あんな風にグリグリと腰を押し付けられたら気持ちよさそうだ。

 その内、彼女たちは暴れ馬にまたがるように、上下に激しくグラインドし始めた。バランスボールも一緒に空中に浮いている。やがて、姿勢を支えきれず、彼女たちは前のめりに倒れてしまう。その時腰が上向きになって、もろにお尻がつき出される。都合よく、カメラワークもブルマーのお尻部分にズームアップしてくれた。

 僕らの世代はハーフパンツだから気づかなかったけど、ブルマーってヒップラインが強調されていて、お尻の肉が普段よりも豊かに見える。あれをわしづかみしたら、物凄く気持ちいいんだろうなあ。あぁ、さっきからセクシー小学生たちの悩ましい動きに惑わされて、勃起が収まらない。僕はここでいったん、動画を美容体操序盤の部分まで巻き戻した。そして、バランスボールで円を描く動きから、彼女たちに上からまたがられているのを想像して、パンパンに張り詰めたペニスをゴシゴシとしごいた。金髪娘が仰向けの僕に膝枕を、ツインテール娘が腰にまたがり、みはるちゃんが僕の顔にブルマーの桃尻を押し付ける所を想像し、ビクビクと白い白濁液をティッシュの中で暴発させた。

 それでも、更なる期待から興奮が収まらない。今度は一般住宅のリビングらしき部屋に、チアガール姿のみはるちゃん達が登場。チア衣装は上の露出こそ控えめだが、ぴっちりと体のラインを浮き上がらせる仕様のもので、下半身は際どいフリフリのミニスカートだった。10代の女の子って足が汚れていなくてきれいだから、ミニスカートがとてもよく似合うんだな。

 彼女たちはその格好のまま、部屋に置いてあったトランポリンで、勢いよくジャンプを繰り返した。ミニスカートがヒラヒラと揺らめき、あわや際どい部分までめくれそうになる。もうちょっと激しくジャンプしてくれれば、下着が丸見えになるかも。そんな淡い期待に応えるように、みはるちゃん達の動きがいっそう激しくなった。そして、勢いのついたジャンプから下降する拍子に、ふわっ・・・と、ミニスカートが思い切り反対側にめくれ、フリフリのかわいい真っ白なアンダースコートが画面上に露出された。「おお、やった!」見えそうで見えなかった女の子のパンツがようやく丸見えになって、僕は感嘆せずにいられなかった。

 すると、さっきのジャンプの様子が、もう一度スローモーションでリプレイされた。なんという親切設計。有無を言わさず、僕は絶頂したばかりのペニスを再びしごき倒した。ああ、女の子のパンツって、なんてかわいらしいんだろう。みはるちゃんみたいな美少女だとなおさらだ。お尻のラインはムッチリと膨らんでいて、そこから伸びるきれいなふとももがたまらなく興奮する。真ん中にはうっすらとスジのようなくぼみが写っていていやらしい。そして、前後とも腰回りを余すことなく包んだ、上品なフリル生地。女の子のパンツと生足のあらゆるパーツが僕のスケベ心を刺激し、ペニスからだらしなく精液がこぼれた。

 次は、何やら大がかりなマット状のセットが運ばれてきた。マットは薄いゴム材質で、表面にはカラフルな丸印が一面ずらりと並べられていた。確か、テレビ番組でこういうのを見た事があるぞ。

「ツイスターゲーム、スタートぉ!」

 みはるちゃんの呼びかけで、僕はゲームの内容を思い出した。ツイスターゲームというのは、親が指定した色とマス目を、プレイヤーたちがそれぞれ手足を使って踏んでいくゲームだ。これを女の子と一緒にやったりすると、お互いの体が偶然に触れ合ってしまったり、踏んだマス目によってあられもない恥ずかしいポーズを取ってしまったりと、うれしいハプニングに発展することも。これを、あのナイスバディ小学生軍団が実際にやるというのか。

 みはるちゃんがルーレットを片手に「青の4!」と呼びかけ、それに応じて他の二人が順番にマス目に手足を置いていく。みはるちゃんが親の役か。ちょっぴり残念。とはいえ、他の二人もみはるちゃんに勝るとも劣らないとびきりの美少女だ。ゲームが進むにつれ、お互いの体が無茶な姿勢で重なり合ったり、スカートがまくれ上がったり、僕は女の子たちのあられもない姿を前に興奮をおさえられなかった。

 ああ、僕もあの二人の間に混じってゲームに参加してみたい。そんな妄想にふけって懲りずにペニスをしごく中、とうとう二人とも姿勢を支えきれず、お互い揉みくちゃになってしりもちをついてしまう。僕は二人の間に押しくらまんじゅうされるシチュエーションを想像し、快楽のフィニッシュを迎えた。

 ダメだ。いけないと分かっていても、どうしてもみはるちゃんたち3人を、ついいやらしい目で見てしまう。これは大人向けのアダルトビデオとは違う、あくまで彼女たちのさわやかな日常を映し出すプロモーション映像のはずなのに、動画の内容ひとつひとつが男のエッチな妄想を掻き立ててやまない。彼女たちのグループに入って、一緒に遊びたい。そんな切実な願望を抱く自分がいる事を否定できなかった。

 今度こそ、今度こそ健全な目で彼女たちを見てあげなくちゃ。そう誓って再び画面に目をやると、今度はシャワー室の映像が映し出され、僕はつい打ちのめされてしまった。オープニングでちょっと見たけど、みはるちゃんたちはここでお互いに泡を塗り塗りするはず。ある意味、一番期待していたシーンだった。

 案の定、みはるちゃんたちはキャッキャッとはしゃぎながら、水着姿のまま石鹸をお互い積極的に塗りたくった。競泳水着のツインテール娘はハイレグの生足やお尻部分を、ビキニの金髪娘は年齢に似つかわしくない豊満なバストを、旧型スクール水着のみはるちゃんは、スカート下のパンツ部分を重点的に洗われた。「きゃ、くすぐったぁい♪」泡まみれになったまま、彼女たちの無邪気なはしゃぎ声がこだまする。あまりに多量の石鹸を使ったため、彼女たちの体が泡で見えなくなってしまった。だが、これがたまらなく色っぽいと思った。

 その内、彼女たちは大胆にも、お互いの全身を積極的に擦りつけ合うようになった。ニュルニュルと泡で体が滑り、発育し切った女体がグニュグニュとはずんでは潰れ合う。ああ、あの子たちの間に割って入ったらどんなに気持ちがいいだろう。きっと、首から下はあっという間に泡まみれにされ、勃起していても分からないだろうな。前後左右とも、四六時中彼女たちの柔肌が張り付いて、あっという間に射精してしまうに違いない。精液も泡に隠れてほとんど見えないに違いない。

 そんな妄想を動画は察してくれているのか、泡まみれの彼女たち3人は肩組みで真ん中にわずかにスペースを空けたまま、こちらに笑顔で手を振ってくれていた。まるで「私たちの間に入っておいで」と、やさしく手招きしてくれているかのようだった。

 当然、僕はみはるちゃんたちの間に入って、彼女たちに揉みくちゃにされる妄想に浸ってイチモツをしごいた。背の高いみはるちゃんたちが、僕の未発育な体に絶えず泡まみれの体をすり付けながら、優しい笑顔で見下ろしてくれている。快感に悶えてジタバタするが、既に3人娘に囲まれた中で逃げ場もなく、余計にふとももが擦れてペニスが刺激される事だろう。

 僕は我慢の限界を迎え、あっけなく絶頂に達してしまった。さすがに何度もイッたため、精液は枯渇して何も出なかったが、ペニスの激しい痙攣と気持ちのいい感覚は相変わらず持続していた。ああ、これだからオナニーはやめられないんだ・・・。

 動画はまだ10数分ほど続きがあるようだったが、さすがに疲れてきたため途中で再生を中断した。もしかしたら、後半はもっといやらしい映像が流れているかも知れない。最近はグラビアアイドルでもあんなに大胆な事をやってしまうんだな。未成年の僕にはあまりにも刺激が強すぎた。

 相変わらず、僕はエッチな妄想をガマンできないダメな男だった。女の子として発育し切ったみはるちゃんたちのピチピチな水着姿や、かわいいミニスカートのふわふわめくれる有り様に、心の中が甘酸っぱいトキメキでいっぱいになる。みはるちゃんは特別好きな女の子ではない。でも、小学6年生とは思えない長身と大人っぽい雰囲気に、密かな憧れを抱いてしまう自分を否定できなかった。ちょうど、年上のお姉さんに対する憧れと一緒だ。彼女の方が年下であるにも関わらず。ああ、一度でいいから、男の子と女の子の体の違いについてやさしく手ほどきしてもらえないかな。でもきっと、彼女は年上の男の子とのデートに夢中だ。僕の願望は妄想だけで終わってしまうんだろうな。

 これ以上自己嫌悪はよそう。そろそろ塾に行く時間だ。オナニーのし過ぎで体が重いけど。いや、体よりも気持ちの方が重いかも知れない。特に、熱血教師を気取った数学の先生が一番嫌いだ。本人は熱心に指導しているつもりだろうけど、生徒たちからすれば騒がしいだけのヒステリー野郎だ。あいつは生徒の将来の事なんてなにも考えちゃいない。ただ、熱血指導をする自分の姿に酔っているだけだ。こういう自分勝手な輩が感情をおさえられず、体罰に走ったりするんだよな。あいつの機嫌を取る側の身にもなって欲しい。僕たち子供の方がよほど現実主義で、論理観に長けているのはこういう大人たちに囲まれているからだ。

 支度が済んで、僕は家を出た。すると、隣の部屋のドアも同時に開き、中から数人の女の子が出てきた。

「あっ、関口くん」

 僕の姿を見かけて、真ん中にいたみはるちゃんが真っ先に反応した。まさか、さっきまでオカズにしていた女の子が、すぐ隣の部屋にいたなんて。できれば顔を合わせたくなかった。

 両脇の女の子二人も、先のグラビア動画で見たのと同じ顔触れだった。3人とも、プライベートでも仲良しなんだな。すると、左側のツインテール娘が急に顔を近づけて

「かわいい~!ねえ、キミ何年生?」

 と、気さくに声をかけてきた。彼女の整った顔立ちが目の前に接近し、僕は恥ずかしくてたまらなかった。当然、舞い上がって返事がつっかえてしまう。

「ああ、彼はね、お隣の関口勇樹くんて言うの。こう見えても、私たちより2つも先輩なんだから」

 隣から、みはるちゃんがフォローを入れる。いや、フォローにはなっていないだろう。

 その証拠に「ええ、ウソー!?」と、年齢よりも幼く見える僕に対し、二人とも失礼極まりないリアクションをかましてくれていた。

「とてもじゃないけど、年上に見えないよねー。ほら、見て。私の方が身長勝ってるー♪」

「日本人、背が低いから仕方ないヨ。高校生でも子供に間違えられる男、現地でもたくさん多いネ」

 悔しい。動画を見て分かり切っていた事だけど、やっぱり他の二人にも背比べ勝てなかった。やっぱり背が低くて子供っぽいと、すぐからかわれちゃうんだな。それにしても、もう一人の金髪娘は、たどたどしい日本語から察するに外国人なんだろうか。他の二人と比べても、胸やお尻のボリュームがとても豊かだった。

「関口くんは今から学習塾?大変だね」

 みはるちゃんの問いに「う、うん」と、僕は曖昧な返事しかできなかった。3人とも、テレビで見るよりうんとかわいくてスタイル抜群だから、こちらの気持ちが落ち着かないのも無理はない。

 でも、このままお姉ちゃんぶられるのは悔しい。こちらからも、何か話題を振って余裕をアピールしないと。

「えっと、みはるちゃんもだっけ?その、なんとかスクールっていう」

「うん、イマドキスクールね。実は、お友達のまなみちゃんとエレナもクラスメートなんだ」

 ツインテール娘がまなみちゃんで、金髪の外人娘はエレナか。

「私たち、ボルテージっていう3人組のユニットで、雑誌とかテレビで結構人気なんだよ。すごいでしょ」

 まなみちゃんが自慢げに語る。

 まさか彼女も、ついさっきまで僕がボルテージ3人のプロモーションビデオをオカズにしまくったなんて、夢にも思わないだろうな。

「あっ」すると、まなみちゃんが何やらひらめいた様子で

「そういえば、イマドキスクールって最近男子生徒の募集もやってるよね。私たちも、異性との交流で女らしさを磨かなきゃいけないから」

「そうそう。知り合いの男の子をたくさん紹介できれば、私たちも次のクラスに上がれて『実習』の授業に参加できマース。ユーキは美少年だから、クラスの女の子にきっとモテモテだヨ~」

 エレナも便乗する。っていうか、男を下の名前で呼び捨てとか、どういう神経してんだこの外国人は。

「あ、ダメダメ。関口くんは、これから受験勉強で忙しいんだから」

 みはるちゃんが、今度はフォローらしいフォローを入れてくれた。彼女のおかげで、オカズにした3人娘とこれ以上関わらなくて済みそうだ。

 ・・・関わらなくて、本当にいいんだろうか。イマドキスクールには、彼女たちのようなスタイル抜群の美少女達がたくさんいるに違いない。興味がないと言えば・・・ウソになる。

「それじゃ、またね~」

 アパートを出ると、みはるちゃんたちはイマドキスクールに向かって歩き出した。

 ・・・どうする?エレナの話だと、あそこは男子も募集中だとか。彼女たちにお願いすれば、喜んで歓迎してもらえるに違いない。いや、実は僕をからかっているだけで、男子生徒募集の話もデマだったらどうしよう。スケベ心をむき出しにして、大恥をかくなんて最悪だ。

 ああ、でも気になる。イマドキスクールには、他にどんなかわいい女の子がいるんだろう。エレナの言う通り、本当に彼女たちにモテモテなんて状況になったら、一体どんなにバラ色か。密かな期待から、心のドキドキが収まらない。ひょっとしたら、ビデオで思い描いたような妄想が、現実に起こり得るかも・・・。

「あっ、あの・・・!」

 僕は名残惜しさのあまり、つい焦って大声を上げてしまう。当然、彼女たちは足を止め、こちらに向き直った。

「なあに?関口くん」

 みはるちゃんの、透き通った声がこだまする。

 よし、ここまで来たらもう引き返せない。きちんと勇気を出して告白するんだ。僕も、イマドキスクールに連れて行って欲しいって。

「え、えっと・・・その、みはるちゃんたちの学習塾。だ、男子も募集しているって・・・本当?」

「・・・ふふ。興味があるの?」

 不敵な笑みを浮かべたまま、みはるちゃんが歩み寄る。

 僕は言葉が浮かばず、ただ首を縦に振るしかできなかった。

「でも、塾の方はいいの?関口くん、今年からはもう受験で手が離せないでしょ?」

「・・・いや、いいよ。別に。一日くらい休んだって。どうせ、帰ったって・・・親はいつもいないし」

 僕は本音を打ち明けた。

 正直なところ、もう受験さえどうでもよくなっていた。機械の流れ作業みたいに、勉強して帰って寝るだけのつまらない生活を繰り返すよりも、ここで新しい刺激を求めた方がマシだと思った。

「そっか。関口くんもみはるとおんなじだね。いいよ、一緒に行こう。関口くんが来てくれれば、私たちも次のクラスに上がれるもんね!」

「私もうれしー!やっぱり今時の女の子を目指すなら、年上の男子とも積極的に交流を深めなくっちゃね」

 みはるちゃんもまなみちゃんも、僕を笑顔で歓迎してくれた。「これからもヨロシク」エレナも僕を受け入れてくれるようだった。

 僕は彼女たちのグループに加わり、イマドキスクールまで案内してもらう事になった。その通学中、僕は彼女たちの後ろ姿をチラと眺めては、最近の小学生の発育の良さに改めて感心させられた。

 みはるちゃんは相変わらず薄手のブラウスに、ヒラヒラの短いプリーツスカートを身に着けていた。本人もミニスカートがよほどお気に入りで、自分のキャラの持ち味という意識があるのだろう。確かに、彼女の両足は余計なシミも体毛もなく、ツルツルしていてとてもきれいだった。ふともも部分の肉付きもよく、触り心地も滑り心地もよさそうだ。歩き方もモデルみたいに格好いい。これもイマドキスクールで指導されたのかな。一歩ずつ歩くたび、あわや際どいところまでふわふわと持ち上がるミニスカートが、たまらなくいやらしい。いやいや、いやらしくなんかないんだ!これはいやらしい目で見るものじゃない。評論家の人みたいに、女性らしく美しくて素敵だ、というさわやかな見方ができるようじゃなきゃ。

 ツインテールのまなみちゃんは、上はカッコいいピンクの英文字がデザインされた、黒のTシャツから白の長袖が伸びた一枚組の上着で、生地が薄いためきれいなボディラインがぴっちりと浮かび上がっている。下はデニムのぴっちりしたミニスカートに、ひざ上までの長いしましまのニーハイソックスを履いている。全体の露出はみはるちゃんに比べてかなり控えめな分、膝上わずかに露出したふとももが悩ましい色気を演出させていた。いわゆる絶対領域という奴だ。ああ、あの絶対領域に顔を挟まれたまま、スカートの中を覗いてみたい・・・。ダメダメ!もう、どうして僕はいつも女の子を見てはいやらしい空想にばかりふけってしまうんだ。これからは僕もイマドキスクールで男を磨くぐらいの覚悟でいなきゃ。

 金髪ブロンドが印象的なエレナはというと、ヘソが丸見えのタンクトップに破れかけのショートパンツという、最低限の部分を隠しただけの、ある意味で一番際どい格好だった。おかげで、白人女性ならではのきれいな素肌が体中余すところなく晒され、豊かなバストは絶えずプルプルと弾み、ショートパンツは巨大なヒップに揺さぶられて、今にもはち切れんばかりの有り様だった。

 うう、誰も彼もスタイル抜群のうえ服装も刺激的すぎて、どうしても目のやり場に困ってしまう。周囲の若い男たちからも、ちらほらと羨望の眼差しが向けられていた。彼らにしてみれば、どこかの大学生かプロのモデルさんが歩いているように見受けられるだろう。とんでもない。彼女たち3人とも、これでも僕より年下の小学6年生なのだ。改めて、最近の女の子は発育がいいものだと思い知らされた。

「きゃっ」

 不意に、猛烈な突風が僕たちの前を突き抜けていった。その拍子に、みはるちゃんのヒラヒラのプリーツスカートが、一瞬だけ、ふわり・・・と、真っ逆さまにまくれ上がる。「ああっ!」それまでミニスカートにおおわれて見えなかったピンク色のパンツが、僕の視界にダイレクトに飛び込んできて、思わず驚きの声を上げてしまった。

 僕は、生まれて初めて女の子の下着を見た。みはるちゃんのパンツ・・・なんてかわいいんだ。今までこんなに心のときめく光景を、僕は見た事がなかった。女の子らしさを象徴する、カラフルな明るいピンク。前後とも、うまい具合にふとももを露出させた逆三角形の布地。左右の腰回りを、かわいい花柄に見立てた縫い目のラインと、真ん中の小さなリボンが男の淡いトキメキをくすぐってたまらない。そして、真ん中部分のスジのように浮き出た柔らかそうなくぼみ。どれもこれも、みはるちゃんのパンツは僕の妄想を遥かに超えた、美しく完璧な芸術の賜物だった。人によってはただの布と思うかも知れない。だけど、たかがパンツ一枚にここまで感動を覚えた事が、僕はうれしくてならなかった。

「やだ。関口くん、鼻血大丈夫!?」

 まなみちゃんの小さな悲鳴を聞いて、僕は我に返った。

 指で鼻の周りをすくってみると、真っ赤なヌルヌルした液体が。「うわっ!」こんなに濃い血を今まで見た事がなく、僕自身も驚いてしまった。

 まずい、このまま放置しておくとみはるちゃんたちに怪しまれる!万に一つでも、スカートの中を覗いた事が彼女にバレようものなら・・・。

「ちっ、違うんだ!これは体育の時間に頭を打って。その、粘膜の周りが傷んでいて、つい・・・」

 焦って言い訳しながら、僕はポケットティッシュであわてて鼻血を拭いた。切羽詰まった状況だからか、今までで一番恥ずかしがらずに会話できた気がする。

 急いで処理したおかげか、みはるちゃんたちにはそれほど怪しまれずに済んだ。多分、あまりに風が強すぎて、僕以外はパンツ丸見えになった事に気づかなかったのだろう。ホッと、僕は心の中で胸をなで下ろした。

「あれがそうだよ」

 しばらく進んで、みはるちゃんが目の前の大きな建物を指差した。

 彼女の言うには、あの建物全部がイマドキスクールの施設らしい。他の商店や住宅地と比べても、かなり巨大なビルだ。みはるちゃんたちがアイドルデビューできるのも、なんとなく分かるような気がした。

「行こ、関口くん!」

 みはるちゃんたちに導かれて、僕は期待と不安の両方が入り混じった面持ちのまま、ビルの中に足を踏み入れていった。


 その頃、イマドキスクールの塾長室では・・・
女講師「塾長。Cクラスの生徒たちが、生贄を一人連れてきたようです」

佐久葉「よくやってくれました。これでCクラスに集まった生贄の男は10人。対するクラスメートの数は30人。いいでしょう。彼女たちにもそろそろ実習を経験させてあげなさい」

女講師「かしこまりました」

佐久葉「ただし、いきなりセックスを強要させるような真似だけは慎みなさい。生贄の中にはごくまれに、女性に手馴れた者や我慢強い者もいて、怪しまれたり、あるいは逆に女子生徒の側が快楽の虜にされてしまうかも知れない。あくまでも表向きは受け身に徹することがイマドキスクールの流儀。しばらくは様子を見て、生贄たちの女への嗜好を徹底的に調べ上げたうえで行動に出なさい」

マミー「生贄たちはまず、体験入学という形を取らせ、新入生の歓迎会に招待なさい。イマドキスクールには、それぞれのクラスに一人ずつ、直属のサキュバスたちが紛れ込んでいるわ。彼女たちに歓迎会の理事を任せておけばうまくいくでしょう。

 それと、この建物は呪淫の結界が常に張られていて、ここに来た男は自動的に第4級、つまり、女性の色香に反応しやすく、性欲が異常にあふれかえった状態になる。だから、無理にこちらが襲わなくても、それとなく、ソフトな誘惑に徹するだけで、生贄たちは理性をおさえきれなくなるはずよ」

女講師「かしこまりました」


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