■party-night 08

「いいよ」
「だめ」
 恥ずかしいからかな。ユイは首を振って堪えた。
 ちゅ、とはだけた胸に吸いつく。もう片方は指の腹で優しくつぶす。
「っあ」
 素肌に絡めた触手には沢山粘液をにじませトロトロと締めたり緩めたり撫でて、だけど手足は自由にさせない。触手で押さえ付けた腰が跳ねる。
「ひあ」
 ぼくは膝を上げ、硬い感触を苛んだ。
「やっ……」
「嫌?」
 硬く尖った胸の先を甘噛みして、舌で擦る。ねっとりと2つの指で挟んで可愛がる。熱い身体が心地いい。甘い精気も。膝にはもっと力を入れる。
「っ!」
 涙が飛び散って、細い身体が淫らに痙攣した。
 妖しい気配が濃くなり、目の前が霞むくらい精気が流れ込んできた。おいしい。
「ああぁっ……」
 一度では治まらず、二度、三度と放ってしまう。ルナは瞑く輝く瞳を隠さずに、達して過敏になった肌を更に犯した。
「っ……っ……!」
 見せつけるように舌を出して、赤みを増して濡れた胸の先を舐める。
「……ぁ……ん」
 出せなくなっても昇り詰めて、震えていた身体から力が抜ける。触手が絡んでいるので倒れ込みはしない。
 半分意識を飛ばして息を上げるユイの頭を胸に抱いて撫でる。にじんだ涙がルナのシャツの生地に染み込む。
 膝立ちにさせた脚には、白いしずくが幾筋か伝い、触手とシーツを濡らす。
 下着と薄いパジャマの生地では吸いきれなかったみたいだ。倒錯的で可愛かったショート丈のズボンが淫らな惨状で、それは益々背徳的で、ルナの心を犯した。
「……あ、ゃ」
 触手を這わせて下着とパジャマのズボンを剥がす。布とは思えない音をさせて、白濁を引く。
 冷え切らない性器が軽く持ち上がり、先から透明なしずくをこぼす。
 脚を開かせて座らせて、おいしく眺める。かわいくて、どきどきして、嬉しくなる。
 ちいさくて、なまめかしい水溜りができてる。あちこちにおちた甘いしずくのせい。
「いっぱい、イったね」
 お人形さんみたいな身体に似合わない、精の匂い、こんなの苦いのに、甘い精気に誘われて、触手が蠢いて、水溜りを啜る。
「力はいらないの?」
 恥ずかし過ぎて、何をいっていいかわからなくなってるんだ。手足は触手に縛られたままだし、足の間の、まだ硬いトコロ。ワザとスルーして、晒したまま。血の通った綺麗な色してて普通に大人の姿、先からつ、と粘度の薄い液体がこぼれるのを見ると、その僅かなしずくに疼く。いますぐさわりたいけど、そこは後。
 ついでに、ベッドの下まで触手を伸ばす。床で冷たくなりかけてる可愛いパジャマを持ち上げて見せ付ける。やっぱり泣いちゃった、可愛すぎる。たべちゃいたい。
 ああもういっぱい、たべたり、たべられたり、しよ。
 ぼくもう、あなたが可愛すぎて、いっぱいいっぱい。
 自分の粘液にだって、少しはきもちよくなっちゃう。そういうコトしちゃったのがハァハァなの。もっと啜りたくて、とろかせた身体を留めることができなくなる。
 とろとろ、残り少ないえっちな身体から出てきたしずくを、半端に満たされて余計おなかがすいちゃった触手が、先を薄く平たくして、余さず掬い取ろうと絡みつく。
「……ぁ……ふぁっ」
 そうなると、感じやすい身体は可愛く震えて、心細げに、ぼくをみたりする。
 たべたいたべたいって、不定形な部分がとろりと、触手がにょろりと集まってくる。可愛い人をかわいがりたくて。


 って、たべるのは、ぼくなんだけど。そしてきもちよくお食事しちゃうのは、ぼくの恋人もおなじ。


「ふあっ……ぁ、あっ、ああっ」
「やらしい声、すごい、いっぱい出してるね……」
 細い触手を何本も絡めて擦り上げる。透明なしずくは、触手の粘液なのか彼のものなのかわからない。
 触手の下は硬く張りつめて、蠢いて辿る度に浮き出た血管の微かな隆起を感じる。可愛い顔してても、ここだけは違う。淫らに脈打ち、あつく、その気になれば多分、攫ったお姫様も堕とせる。
 でも、お姫様みたいにかわいくなくのがスキなんだよね。ルナはうっとりとほくそ笑んだ。
「あ……ん」
 完全にとろけて、開かせるとしどけなく濡れた脚が素直に従う。
 膝の裏を掬い絡み付いて僅かに浮かせると爪先が揺れた。
「……ぅ……あ」
 淫らな格好に反応して喘ぐ。括った手首に力を入れると硬いトコロがひくついた。素直な身体が愛おしい。
 少し硬めな襞をびっしり折り込んだ触手で胸と脇腹を撫でる。粘液を滑らせてざらざらと擦って、尖りきった先端を、挟んで、圧して、つつく。
「ひあ、や……」
「イヤなの?」
 すがりつくような目でみられる。
「こういうの、キライ?」
 身体を持ち上げて、太く柔らかい触手でお尻を撫で回す。張りつめたトコロを細い触手に扱かれ、尖ったトコロをざらざらした触手に苛められ、ひくん、と甘い震えをみせる。
 そんなには保たない。
「す……き……」
 吐息混じりの壊れかかった声だった。
 ルナは濡れて澱んだ瞳をのぞきこんで言った。
「まだ挿れてあげない」
 ひくん。また、限界が近い痙攣。
 すべすべの可愛いお尻を撫でながら、唇だけのキスをする。
「ひう」
「でそう?」
「……ぁ……、……て」
「なあに」
 もう一度唇をついばんで笑う。
「吸って、舌、すって」
 唾液がぽたぽたとこぼれた。
 触手がつよく締めつけ、拘束した身体を揺する。
「キスがすきなの?」
「すき」
 素直で可愛かった。深く口付けて、懇願どおり舌を吸う。柔らかくて、優しくて、少し傷付いたタマシイの味がした。触れたトコロから、流れ込み、喰われていく。自分の快感と相手の快感が溶け合って、交ざる。これが、一番簡単な精気の交歓だ。長じれば深く触れなくても得られるが、ルナとユイにはまだできない。魔として幼い二人はこうして交わし合う以外の手段を持たない。
 例え、他に方法があったとしても。
「ん……く」
「……んっ……ぅ……っ……」
 ぼくはあなたを抱きたい。ルナはずっと思っている。力が欲しくて交わしてるんじゃない。そんなのなくてもいい。
 抱き合って、手は恋人繋ぎして――ぼくに手はないけど触手でぎゅって、それか、仮の手でも――一緒に気持ち良くなりたい。
「……っ……」
「……ふ」
 あなたは違うの?
「ぅく」
「……、……」
 絡めた舌を、反対に、優しく吸われる。こぼれた唾液が肌を伝う。撫で返して、掬い取られて、柔らかく奪いあう。火照った肌が熱く、しっとりと湿った感触がある。触手の粘液とは違う。
「……かわい」
 薄く染まり、快感に震える身体を撫でる。
「きもちよかった?」
 血の通った色に戻った頬に軽く口付ける。そのまま辿って耳たぶを舐める。
「んっ……」
 目を閉じて、赤い顔で涙をにじませる。じっとみていると、恥ずかしそうに目を開けて、ユイはルナに言った。
「……ありがとう……」
「うん……だってぼく、あなたが大好きだから」
 ちょっと壊れてるトコも好き。血が欲しくなるくらいで嫌いにならない。
 されたいならしてあげるよ。
 欲しいだけ気持ち良くして満たしてあげる。
「えっちになってもだいすき」
 体中に這わせた触手を震わせる。そろりと動いて粘液を絡める。


「きょうは、どっちの身体がいい?」
 彼が望むなら、仮の姿でもいい。姿が違いすぎるって悩んで傷付いたこともあったけど、今はそんなのいい。
 ユイはぼくの外見が好きになったわけじゃない。むしろ、最初はすごく怖がってた。ぼくを傷つけないように気遣ってくれたけど、本当はこういう生き物が苦手。なのに恋人になった。
 豆の中のイモムシにだって飛び上がるのに、ぼくだけは平気だって。嬉しい。
 ウソじゃないのもわかる。
「……い……いよ」
「なあに?」
「どっち……でも、いいよ。ルナ」
 浅く息をあげて、ユイは切れ切れに言った。
「……」
「ルナが、きもち……いいほう……で……」
 ちょっとだけなきそうになった。
 こんなぐちゃぐちゃになってても、ぼくのこと考えてくれてる。
 ぼくはユイの可愛いお尻と華奢な腰を撫でた。薄くてとても柔らかい。優しい恋人の身体。
「じゃあ……」
 異様な気配にユイが振り返った。
「両方」
「……!」
 解放した魔力が溢れて、多分ぼくの瞳は濃く染まっていると思う。二本足からは最も遠いといわれるてるけれど、Lv次第じゃこんなこともできる。指先から、髪の一筋まで揃いながら、不定形な箇所も失わない。自分でも呆れるような異形ぶり。天使なら白い翼が生えるところから、スライムの体が流れて、触手が幾つも伸びている。
 ぼくの姿にユイが息を呑む。でも、もう口をきくのも苦しいでしょ。ぼくは弱い種族だけど、あなたの心と身体で、大きな力を得てる。いつかの夢のように、やり方次第じゃ、なれるかも。闇の中の王様とか。
 そんなのどうでもいいけど。
 ぼくはユイを満たしてあげられればいい。


 背中から無数に生やした触手を絡める。粘液に濡れたパジャマを剥がす。一枚だけ引っかかってた上着がなくって、隠れてた二の腕も背中も晒す。さっきまで括ってた跡が生々しく残る肌をもう一度。
 右手で肩を優しく押して身体を倒す。
「……! ……」
 触手に引かれた腰だけが浮いて、猫みたいに伏せたユイが、肩ごしにぼくをみる。少し壊れて澱んだ甘い瞳だった。
 ぼくが自分の脚の間で掴む手の中を、震えるお尻をつつく先が硬くいびつになった一本の触手を、とろんとした目で見つめてる。誘うような怯え方で、触手に縛らない手をシーツに置いたまま、微かで熱い呼吸を繰り返す。
「ぁ……」
「どっちも、いれてあげる」
 囁いて、2つを重ね合わせる。
 快感にこわばる太股を開かせて、突く。
「っあ……っ……ぁ……」
 瞳がどろりと曇って、一拍呼吸がとまる。強すぎる刺激に意識が、憔悴した神経が、悲鳴をあげて散る。


 本当は、制御はまだ上手くできない。気を失ってしまった身体を思うと、その繊細さにやさしくしてあげなきゃって思うんだけど、一方でもっと激しくしたらどうなるんだろうってたぎる。いうことをきかない触手が跳ねる。さっきは奪われた意識が、今度はソレに引き上げられて、濡れたまぶたが開く。
「おいしい……? ぼくの精気……」
 奥が震えて、とろとろ絡み付いてくる。
「……あああぁ……っ……」
 焦点のあわない瞳から涙が溢れる。放った飛沫がシーツを汚して、括った腰が力無く揺れる。先からはゆるゆると、透明なしずくが細く落ち、その色は時々薄く白く濁る。2つが入った刺激のまま、微かにだけど達し続けてるんだ。
「また気絶しそう? だめだよ、もっと感じてるトコ……みせて……たべて」
 ぼくは意識して精気を流し込んだ。目にはみえない筈だけど、陽炎のようにソレを感じる。清楚な身体で貪欲な、愛おしい人にあげる。
「……うあ……ぁ……ル……ナ、だめ……」
 弱々しく訴える。唾液が小さな点をつくり、布地に染み込んでいく。ユイは恍惚としながらも、ぼくを気にしてる。頭を上げよう、体を起こそうとするけど、力ははいらない。
「平気」
 優しく言って、ひと突きする。
「ひあ」
「っ……ん……」
 きもちいい。かわいい。
 お尻を撫でて、震える太股に触手を絡ませて、たっぷり受け取って、ぼくも身体が震えた。本物でも偽物でも構わない。触り心地のいい綺麗な肌。大好き。
「……ぼくも……あなたから貰ってる」


 腰を揺すってお腹を擦る。刻印するように、中奥[ナカ]を圧す。
 襞が淫らに絡んで、キツキツで、ぼくの触手とペニスも擦れあってきもちよかった。恋人を狂わせる為に作った細かな突起も、ぼくを追い詰める。お腹の粘膜と違って硬くて、傷付けない程度に尖った触手のトゲは、女の子みたいに喘いでしまうくらい。
 気持ちよくて、目が霞んでくる。
 だけどもう、魔物の気配も隠せない、甘く溺れた恋人の姿をみていたかった。
 2ついれられるっていうだけで、可愛く怯えてきもちよくなって、こうして両方に責められて、開ききって、心も身体もあずけてる。
 とろけた顔でないて、無意識にぼくを苛む。やけどしそうにあつい身体で締め付けて、緩めて、ほそく、高く声をあげてお尻を振った。もう、しんじゃいそう。なんて淫らな姿なんだろう。
 出し続けて、硬くなれないまま薄まったしずくを垂らして、気持ちよくなってるのに更にイってしまう。えっちな身体に、ぼくはもう何の余裕もなくなって、射精した。
 精液をいっぱい、やらしいお腹に吐き出した。二本挿れられて、こんなに欲しがられて、ぼくはもう、他のトコロを可愛がることも忘れて、淫らな内臓に夢中なった。
 高く腰を吊り上げて、失神しかかった身体を好きにひろげて、突いて、何回も出した。してると、お腹がうっすら膨らんで、エッチな音がふえて、お尻の縁から白く溢れた。勢いにはいりきらなくて、逆流して、脚と腰を伝って流れる。そのしずくがお腹をなでるのがとてもやらしくて、ぼくはまた激しく吐き出す。流れるのを感じるくらい。
 気持ちいい。あなたも、気持ちいいでしょ。奥に熱いしぶきを叩きつけられて、いままでみたことない淫乱な跳ね方をして、瞳孔が開いちゃうね。そうして止まった鼓動も、飽きることなく啜る精気で軽く取り戻す。ぼくのほうがころされそう。
「こんなに……エッチになるんだ……」
 やっと少し冷静になって、ぼくは喘ぐユイを抱き締めた。
 身体は離さない。だから背中から覆い被さる姿勢。ユイは苦しげに、でも甘く目を細めて、ぼくの腕に頬を寄せた。
「こういうのがスキなら、もっとしてあげればよかった」
「だめだよ……」
 返事が返ってくると思わなかったので驚いた。少しかすれた声が囁く。いっぱい喘いで疲れてるんだ。
 かわいい。
 ぼくの心に反応して、硬く震える。敏感なお腹の奥を抉ってしまう。
「……ぅく……ルナ……ふあっ……」
 涙ぐんだ目で、息をあげる。
「いつもしたら、からだ……こわれる」
「するのは好きなんだ」
 きもちいい。中がきゅって締まった。
「しらない人とはやだ」
「うん……」
 守ってあげられたらいいのに。この人を蹂躙するような誰かを退ける力なんかない。
「ルナがいい……」
 こうして、帰って来るのを待ってて、抱き締めるくらい。ぼくができるのはこれだけ。
「ぼくも、ユイとはいっぱいしたい」
 自分の家じゃないのが残念。卵を生めるチャンスだったのに。
「……じゃあ、して」
 ユイがぼくにお願いした。
「いいの?」
「うん……もう少しなら」
 してあげる。欲しいなら。
 こんな風に招きいれてくれる身体なら、解けた心なら、もしかしたら。
 卵を殖えられないのは残念だけど、かわりに、たくさんきもちよくしてあげる。
「いっぱいエッチになってね」


「あ……あ」
 挿れたときと同じように、一緒に抜く。擦られるのが、本当に気持ちいいみたい。その動きで、びくびくしてイったのがわかった。
「……っ……あっ……あっ……」
 痙攣のエッチさに、すぐにもう一度突き挿そうかと思ったけど、そうせずにみてあげた。
 触手が吊した腰の奥は、閉じたり開いたり何度かして、ぼくの注いだ精を零した。火照った肌を汚して溢れる。
「ふあ……」
「気持ちいいのがおわらないの?」
 敏感になった身体には、流れ出るアレも刺激になるみたいだ。
 残滓にまで犯されて腰が揺れる。そんなふうに動いたら、また溢れて、感じてしまうのに。
 ぼくは熱いままの身体から触手を解いた。くたりと崩れて、起き上がれない。
 シーツに爪を立てて、肩まで身を起こして、そこまで。
 立てなくなるまで犯してあげる。思ってたんだけど。
 正面に廻って、ぺたりと座り込んで、恋人の淫らな姿を味わう。恥ずかしさと情けなさにしにたいって顔してる。でも快感が抜け切れないから、視線は弱々しく澱んだまま。桜みたいに染まった肌も、おいしそうだった。甘くて美味しい感情。
「もしかして……立てないの?」


 いつもはそんなことしないやさしい触手を、こわい姿に変えた。我ながら悪趣味。可愛い胸にこんなの。どきどきする。
「……あ……ん」
 その間もぼくは、太股を粘液でドロドロにしながら撫で回し、触手を半分とろかせてスライムの体を絡めた。スライムには触覚、つまり触り心地が大切な感覚。見た目の美しさよりも、種族の中なら最も重要視される。好みの感触を持つ相手に惹かれて、恋をする。ぼくは違った出逢いをしたけど、でも、ユイのすべすべ柔らかな身体はとても好き。膝とか太股とか、特に好き。薄いお腹もまた違う感触があって好き。とろとろと這うと、心地よさに痺れがくる。
 やらしい身体、きもちいい。
 喘がせながら、ぼくも喘いでしまう。
 太股をいたぶりながら、胸に触れる。ふにふにと、先が丸くなった触手で圧す。
「ひゃ、ぃ……ぁ……」
 硬く尖ったかわいやらしい先を、何度も撫でる。
 脇腹をトロトロとぼくの体が這う。
 ユイは快感に任せて胸を突き出し、熱い息を吐いた。
 膨らみがあれば、ホントに女の子みたいだ。こんなトコロ触られて感じて、お姫様を攫って閉じ込めるのは、おとぎ話じゃあなたの役なのに。ないちゃうの?
 たべられたいんだよね。
 だからたべてあげた。丸い触手の先端が、すうっと分かれて開く。粘液を引いた細かな歯。小さな顎がぱくり、と噛んだ。
「っ……あ、ぅ……ルナ、……ルナぁ」
 後ろ手に縛られた腕をもどかしそうによじって、ぼくを見上げる。だから頭を抱いてあげた。ユイは甘くとろけきった顔でぼくの胸に頬を擦り付け、それから、猫みたいに舐めてくれた。
「ここもしようね」
 脚の内側を撫でると、控え目にだけど、自分から膝を立てた。
「あ……」
 括るといつも可愛くなって、ださせてってないてそのままイっちゃう。解いてあげると儚く喘いで、エロい男の子の顔をして何度も放ってしまう。きょうはどうしようか。もう沢山出したし、いれてあげる。
「……ぃっ……ぁあ゛っ………!」
 蜜の絡んだ繊毛をみせつけて、細い隙間へ挿し込む。送り出す筈の管を反対に進まれ、内側から淫らな針を刺されて、壊れそうに身体が震える。
「う゛あ、ぁ、………っあ゛――――っ!」
 あ、イっちゃった。ぼくは熱くなって、どこと言わず使ってないトコロまで、触手の先がぐっと硬くなった。
 ココを弄られるの、あんまり好きじゃないのはしってるけど、感度はすごくいい。いくら感じてもつかえて精は吐けないから、苦しそう。硬くなってひくひくしてる外側も、触手で撫でてあげる。余計きもちよくなっちゃうかな。
 噛みついたままの、甘い胸も好きだけど、ぼくはこっちを触るのも好き。ユイの男の子の部分をいじめてるみたいでどきどきする。女の子にはないから、まんまな意味だけど。
「きもちいい?」
「……」
 虚ろな目でうなずかれて、ぼくは熱くたぎった。
「このまま、最後までしようね」
「うあ」
 胸を噛んで、触手を出し入れして、ぼくは微笑んだ。耳の中を舌で辿って、言った。
「さっきみたいに、いれてあげる」
「うあっ……ぁ……」
 身体中をぬめぬめ這いまわりながら手足を持ち上げ、吊り上げてしまう。
 背中で括った手首や、開かせて膝を折り曲げたまま巻き付けてる脚以外にも、腰や肩に触手を潜らせる。でないと体が痛くなっちゃう。ケガさせるのはダメ。
「……ひぐっ……うあ……」
 広くとろけたり、軋んで伸びたりするぼくの体に、敏感に反応してる。噛まれて刺されながら、淫らに揺れる。
「きもちいい?」
「あ゛……」
「ほしいの?」
 力なく差し出した舌を吸う。優しくキスしてあげる。舌を絡めながら、ぼくの精気をおいしそうに奪う。うっとりと吸収される。いっぱい欲しいんだ。
 触手が湿った音をたてて軋む。吊した身体が震える。淫らなしずくがぽたぽたこぼれ落ちて、水玉がぼくを誘う。
 唇を解き膿んだ目をみる。
 満月じゃなくても、こんな色になっちゃうんだ。殺したくて殺したくて、殺されたくて。
 背中に廻ってちいさく丸いお尻を触る。可愛くてどきどきする。そっと左右に圧すと、隙間から白く染まった粘液が滴った。少しひらいて、とじそうになって、時折あかい色がみえる。お腹の奥が、とろけてひらく。
 ぼくは手をのばして、わざとゆっくり耳を撫でて、そのあと上の口に触れた。指を二本いれて、舌を挟んで揉みしだく。
 口の中されるの好きだから、身体がびくびくして揺れ動く。白いものがとろとろ零れて、粘液の絡んだ襞が音をたてた。
 指を出し入れすると、2つの場所からくちゅりとやらしげに届く。
「まだいれてないのに……もうきもちいいの?」
「……っ……」
 くぐもった呻きと、益々いかがわしい音が高くなるだけ。
「両方されるの、たのしみ?」
 歯を緩めて、いじめたままの触手をギリギリまで抜く。
「二本挿れるの、好き?」
 胸を噛んで、底まで貫いて柔らかな針を刺す。
「あ」
 悲鳴がききたくて指を離す。
「ぁ……っ……あ……ぁあ゛っ!」
 残酷な刺激に昇り詰めたところを押し開いた。激しく襞を擦って、ひといきに、奥まで。
「……っ……! ……ぁ……」
 慣れない身体。あんなにシたのに、キツくて、痛いくらい。待たずにくちくち動く。激しく達してるのがわかる。
「……あ……ひ……」
 かわいらしい痴態を晒して、精を放つ。ソレを悦しみたくて解放してあげた管をまた塞ぐ。痛みを和らげる為の蜜に侵されて、そこも欲しくなって震えてる。
「きもちよかった? ぼく、あなたのエッチな声すきだよ」
 こんなに乱れてしまったら、何の意味もないだろう首のプレートが、汗と粘液に濡れて揺れる。清楚なチョーカーが、持ち主と同じように染まる。
「うあ……あ……あ……」
 ぼくの体が這い回る度に感じて、窮屈な身体を揺らす。
「……ぁ……ん」
 ぼくは触手と重ねたペニスを優しく、ゆっくりと抜き挿しした。
「きもちいいね」
 奥まで届いたところで少し、力を込める。
「……ぁ……っ!」
 そうしてまた、そっと抜く。


「……っ……かはっ……」
 気を失ったところを揺り起こす。
「ユイ……」
「ふあ……」
「こうするの、好き?」
 やわらかくつよく、締め付けられて、続けて出してしまう。
 甘い襞に、ころされそう。
「ぁ、ユイ、それ……」
「……や、熱……っ……ぁ……」
「ひあ……ユイ……きもちいいの……ぼくもう……」
 堪えきれなくなって、擦りつけてしまう。もっと出したい。
「ユイ……もっと、していい?」
 ぼくに腰を押さえ付けられて、ユイはひくん、と身体を震わせた。
「……き」
「なあに」
 もうだめ。中でぎちぎち蠢いてしまう。
「……ひぁっ……ぁ……す……き……」
 ぼくは堪らなくなって、息を整えようとした。
「されんの……好き」
 とろんと絡み付かれて、二本があつく、大きくなる。
「ぁ……ルナに……されるの、すき……ぁあっ……」
 ユイは心地よさげに身体をあずけて喘いだ。色っぽい声だった。
「ユイ……ユイ……」
 ぼくは拘束を緩め、華奢な背中を抱き締めると、そのまま倒れ込んだ。
 優しくシーツに押し付けて、奥まで辿る。二本で挿し貫いたまま、夜がおわるまで抱いた。


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