どうしてこんなにパパでいっぱいになっちゃうんだろう。
一緒にいればいるほど、どんどん好きになる。
首筋を優しく愛撫され、徐々に彼の唇が下に降りていく。
優吾が触れた場所は何だかあったかいような気がして、心が満たされた。
「・・・ん・・・っ、・・・」
彼がパジャマの下に手を滑り込ませ、直に肌に触れると華はピクリと反応し、可愛らしい声を発して身を捩る。
そんな姿は更に優吾を刺激し、もっと見たいと急かされるように次の行動へ移した。
「・・・あっ、・・・・・・っやぁん」
ブラジャーのホックを外され、優吾の目の前で胸が露わになってしまうと同時に彼の唇に直接愛撫され、益々身体が熱くなる。
いつから私はこんな風になってしまったんだろう・・・
パパにどんどん依存して。
離れる気なんて微塵もないけれど、絶対離れられないなって思う。
「カワイイ」
優吾は華が反応する都度そう言って嬉しそうに微笑んだ。
パジャマのズボンにも手を伸ばし、ショーツの中にスルッと手を滑り込ませて直接触れると、華の反応は一際大きくなり、息を弾ませ瞳を潤ませて優吾を見つめる。
「・・・ん、ん・・・・・やぁ・・・っ」
華の反応に、優吾はいたずらっ子のような顔をして彼女の顔を覗き込んだ。
「やなの?」
「・・・あっ、・・・え?」
「こんなになってるのに?」
「んっ」
くちゅりとワザと音をたて、中心に指を差し込み何度も往復させる。
華はガクガクと奮え、その刺激に堪えることで精一杯だった。
「・・・ふぁっ・・・やめっ・・・・・・」
「やめていいの?」
目の前のその顔はあまりに楽しそうで。
自分は全然余裕なんてないのにと思うと、ちょっと悔しくなった。
「・・・ずる、い〜・・・」
顔を真っ赤に染めながら発した華の言葉に思わず優吾の動きが止まる。
首を傾げると、きょとんとした顔で華を見つめた。
「? ずるい?」
「・・・・・・だぁって、私ばっかり・・・パパってば余裕なんだもん・・・こんなイロイロされたら何も考えらんなくなっちゃうよぉ・・・そ、それに・・・んっ」
えっちの時のパパはちょっとだけイジワルだ
そう言おうとした言葉はキスで塞がれ、発することが出来なかった。
かわりに彼の熱い舌が絡みつき、頭の奥まで麻痺させていく。
「・・・余裕なんてないよ?」
「・・・・・・・・・うそだもんっ」
頬を膨らました華を見て優吾は苦笑した。
まさか華にそんな風に見られていたとは夢にも思わなかったらしい。
「ホント。・・・ただ、華ちゃんのカワイイ声とかウルウルした目とかにドキドキしちゃって、もっとそういう顔見たくて。それにはたくさん気持ちよくなってもらわないとだよね」
「あんっ」
再び愛撫を再開する優吾の指に身体中が反応する。
「もうホント、スッゴクカワイイ!」
「んぅ・・・っ」
「何も考えなくていいんだよ」
「・・・やぁ・・・、ん」
そう言って耳の側で甘く囁かれると本当に何も考えられなくなってしまう。
益々頭の中がぼうっとして、ただ身を委ねるだけ。
と、
彼は思いだしたかのようにポツリと呟いた。
「・・・ね、もう一回名前、よんで」
「・・・え?」
───ナマエ?
彼の言っている言葉の意味が分からないほど朦朧とした頭の中で一生懸命考える。
やがて、その言葉と意味を同時に理解し、華の唇が彼の名前の最初の文字を形取ろうとした時、優吾はガックリと項垂れてしまった。
「僕の名前ってそんな呼びづらいのかなぁ・・・」
拗ねたような様子の優吾。
「パパって言うの、キライ?」
「ウウン、そんなことない・・・けど」
「・・・・・・」
どうしてそんな顔するんだろう。
普段は『パパ』と呼ぶことに何の反応も示さない彼が、この行為の最中だけは時々名前を呼ばれたがる。
その気持ちはよく分からなかったけれど、彼がそれで幸せそうな顔を見せてくれることだけは確かだった。
華はちょっと考えた後、優吾の首に腕を回して、
「・・・ユーゴ」
恥ずかしそうに頬を染めて彼の唇に自分のを重ねた。
それだけで優吾のご機嫌は最高潮だった。
もう天まで登りつめて、幸福感にどっぷり浸かりきってしまう。
そして、こんな些細なことで彼の理性がいとも簡単に吹き飛ばされてしまうキッカケになる、という事実を当の華は殆ど理解していない。
案の定、これ以上何もしないでいられるわけもなく、優吾は思うままに彼女を抱いてしまいたいという欲求をグッと堪えるために、華の首筋が赤くなるほどキスをした。
「・・・華ちゃん・・・・・・も、いいかな・・・?」
瞳を潤ませ華に確認をとる。
そんな表情をする優吾の言葉に華が首を横に振るわけもなく、小さく頷いたのを確認すると、彼はゆっくり自身を華の中へ沈み込ませた。
「ああんっ」
先程の愛撫ですっかり身体の準備が整っていた彼女の中は柔らかく優吾を包んでいく。
「華ちゃん・・・」
「ん・・・あん、まって・・・まだ、動いたり、したら・・・やっ」
緩やかに動きはじめると、ただそれだけで限界を感じるらしく、ビクビクと奮えて彼をきつく締め付ける。
「はぁ・・・っ、今日の華ちゃん、スゴイなぁ」
「・・・・・・っ、んっ」
一生懸命迫りくるものに堪え、精一杯しがみついてくる様子の華が堪らなくカワイイ。
優吾は華の背中に腕を回し、身体をより密着させた。
その方が動きづらいけれど、ずっと近くなったような気がする。
「大好き・・・っ、華ちゃんっ」
「あんっ、・・・私、もっ・・・だいすきっ、・・・んっ、・・・はぁっ」
緩やかに、本当にゆっくりした動きしかしていないけれど、すっかり限界にまで追いつめられていた華は、ビクビクと身体を波打たせて優吾にしがみついた。
「も、・・・やぁんっ、あ、ダメッ、あん、あ、あ、ああっ、・・・っやぁっ・・・」
「いいよ。いっぱい気持ちよくなって」
優吾のその言葉と、不意をついた突き上げるような動きがキッカケとなり、堪えていたものが堰を切って流れ出す。
「ああっ、あああんっ、パパっ、パパぁ・・・っ・・・っ」
華は思いきり優吾を締め付けると同時に一気に頂点に押し上げられてしまった。
ガクガク奮え、断続的に身体が跳ねる。
荒い息を吐き出し、優吾の腕の中で小さな身体が目一杯彼にしがみついて。
それが落ち着くまで優吾は抱きしめる腕を緩めることはしなかった。
「はぁ、・・・はっ、・・・あんっ」
まだ完全に息が整いきらないのに、優吾の唇が胸を愛撫しはじめる。
そのまま首筋まで移動して・・・
「・・・あぁっ」
優吾の動きが再開された。
一連の彼女の姿はあまりにも刺激的で、とてもじゃないがこれ以上はじっとしていられなかった。
華の方は、というと、まだ達したばかりの身体はとても敏感で、優吾の律動的な動きがより強く鮮明に感じる。
「・・・華ちゃ、ん・・・・・・っ」
幾度も呼ばれる自分の名前だったけれど、この時の優吾の声は熱を孕み、見えない力にがんじがらめにされているような気がして、目が逸らせなくなる。
「・・・あっ、ああんっ・・・あっ、・・・っ・・・」
───こうしていることが不思議だなと未だに思うことがある。
けれど、こうなる事は当然だったんだと思うこともある。
だって私はパパが大好きで、
もっともっとパパに触れたいってずっと思ってた───
「・・・っ、あぁあんっ、また、・・・ふぅ・・・はぁ、ダメぇっ・・・っ」
ぎゅうぅっと力いっぱいしがみつき、もう限界だと首を振って優吾に訴えかける。
彼の方も迫りくるものに息が上がり、華を抱きしめる腕はいつもよりも力が入っていた。
「・・・ん、華・・・ちゃんっ、・・・一緒に・・・っ」
言葉と同時に優吾の動きも一気に激しさを増し、華は何度も頷いて彼の名前を呼んだ。
激しい動きの最中、それでも最初の頃から変わらずに華を気遣う様子を見せる優吾。
普段はとても見ることの出来ない、追いつめられたような色っぽい顔とか。
その時はいつもよりも『華ちゃん』って呼ぶ声に甘えを含んでいたり。
均整のとれた綺麗な身体に何度見ても実はドキドキしてしていることとか。
パパ、知らないでしょ?
これってとっておきの私だけのパパ
「あっ、あっ、あぁん、・・・っ、ああああぁっんっ・・・っ!!」
「・・・っ、華ちゃ・・・っ」
身体を波打たせ、お互いを抱きしめながら最後の瞬間を迎える。
本当に何も考えられなくなってしまう。
頭の中が真っ白というか、今自分がどこにいるとかいうことまでも分からなくなって───
わかるのは・・・そう、パパが近くにいることだけだ・・・
そんな事を思いながら、やがて身体の力も抜けきってしまうと、とろんとした瞳で彼を見つめることしかできない。
脱力感と、疲労感と、そして幸福感。
普段の優吾からは想像できないほど力強い腕は、安心感をももらたしてくれる。
と、
「はぁ・・・はぁ・・・っ・・・・・・んっ、ごめん、ねぇ・・・」
華を抱きしめたまま、突然の優吾の謝罪。
「・・・・・・え?」
意味が分からなくて華が聞き返すと、優吾は瞳を潤ませ、この上なく色っぽい表情で華を見つめていた。
「あんまりカワイイから、つい・・・・・・」
「?」
「考えてみたら朝だもんねぇ。・・・はぁ・・・」
「・・・・・・」
思わず噴き出してしまう。
だって、そんなのお互い様って気がするのに、謝ることなんかじゃないのに。
「ウウン、いいの。そういうパパも好き」
キュッと彼にしがみつくと優吾は心底嬉しそうな顔をしたが、それも束の間、今度は困ったように華を見つめた。
「どうしたの?」
「・・・ん〜・・・・・・・・とってもとっても嬉しいんだけど・・・、あんまりそういうのされちゃうと僕またどうしようもなくなっちゃう・・・・・・」
はぁ〜っ、と自分を落ち着けるために深く息を吐き出すと、優吾はゆっくりと華から離れた。
何となくまだあのままでいたかったな、と思う華だったが、それを言うのは彼を誘っているみたいで恥ずかしくて、結局彼と一緒に大人しく起きることにしたのだった。
第2話につづく
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