シリアの苦悩は深まるばかりだったが、「仕事」を怠るわけにはいかなかった。
彼女はどうあれ、情報屋のファーゴを通じて依頼は入ってくる。
本業のランジェリー・ショップの方は、他に店員もいるから、特別シリアがいなければなら
ないということはない。
まったく顔を出さないわけにはいかないが、たまに店頭に出れば済む。

問題なのは裏稼業、つまりブーマ事件の請負の方だ。
ひとつ間違えば命に関わる仕事である。
これはシリアひとりの問題ならばまだいいが、シリアに雑念を抱え迷いが出るようでは、他の
メンバーを危険にさらすことになるだろう。
といって、来る依頼をすべて断ることも出来ない。
そんなことをすればファーゴだけでなくプリスたちにも訝しく思うだろうし、仕事が回って
来なくなるだろう。
それに、自らもブーマ絡みで両親を喪っているだけに、依頼してくる側の立場もよくわかる。
軍や企業の依頼ならともかく、個人が必死に貯めた金で依頼してくるものは、出来るだけ受けて
あげたいのである。

そして、あの事件から二日目、シリアたちはブーマ退治に乗り出していた。
ゲノム関連の警備会社に所属するガード・ブーマによって殺された父親の仇を討って欲しいと
いう依頼だった。
もともと、行き過ぎの過剰防衛が問題となっていた警備会社で、シリアもいつかは鉄槌を下す
必要があると思っていた矢先だった。

プリスとリンナが、5〜6体のブーマ集団の中に突っ込んでいく。
場所が廃工場で障害物が多く、あまり派手な火器は使えなかったが、その社のガード・ブーマの
性能は大したことがないようで、ふたりは余裕すら見せて屠っていく。

この日はマッキーが出動していないため、ネネは完全にバックアップである。
各種センサーを使って隠れている敵機をサーチし、前線に伝える。
熱線追尾式の小型ミサイルが発射されると、フレアを放出して攪乱した。
もちろん各機の通信中継も行なっている。
通信や情報は、通常マッキーが指揮車で行なうのだが、例の事件以来、彼も部屋に閉じこもり
がちなのだ。

マッキーはそれでもいいが、シリアがそうなることは出来なかった。
プリス、リンナの活躍を見守っていたと言えば聞こえはいいが、実際はぼんやり眺めていた
だけだった。
冷静沈着、集中力の塊である彼女にしたら、珍しい光景である。

プリスは敵ブーマを殴り倒しながら、リンナは鋭い蹴り込みを入れながら、そしてネネはジャミ
ングシステムを起動させながら、彼女たちのリーダーの異変を感じ取っていた。
プリスが個人通信を使ってリンナに言う。

『なあリンナ』
『なによ、まだ戦闘中よ。あんた、支配下地域内の全敵機を沈黙させるまでは無駄口たたく
なっていう決まり忘れたの!?』
『わかってるよ、けどさ……』
『ああ……、あたしも何となく気が付いたけど……』

そこにネネの通信が割り込んでくる。

『あんたたち何やってんのよ! プリス、そっちに一体行ったわよ!』

結局、出動してから23分。
6体ほどいた警備ブーマは全滅した。
周辺の警戒センサーは眠らせておいたが、それにしてもゆっくりは出来ない。
まだボーっとしているようなシリアにプリスが強く言った。

『シリア! 終わったぜ!』
『え……? ああ、ご苦労様……。ケガはない?』
『……。ないけどよ、シリア、あんた……』
『じゃあ引き上げましょう。指揮車に戻って』
『……』

シリアの前に集まった三人は、それとなく顔を見合わせる。
精彩を欠く、などという程度のものではなかった。
彼女の様子は、やる気がないというよりは、億劫がっているようにすら思えた。
シリアがプリスやリンナたちを叱咤することはあっても、その逆はあり得なかったのだ。
言葉もなく見つめる三人の視線を避けるように、シリアはワゴンの中へ入っていった。

* - * - * - * - * - * - * - * - * - *

弟も悩んでいた。
あれ以来、まともに姉の顔が見られない。
姉も同様のようで、食事の時以外、ふたりは顔を合わせることはなかったし、その食事中でも
互いの顔を見ようとしなかった。

だが、この姉弟の悩みの種は、同質のものではなかった。
シリアの方は、マッキーの前で暴漢に凌辱され、反応したさまを見られたこと。
そして、心ならずもその弟と関係してしまったことで打ち沈んでいた。
姉としては当然の感情で、これではマッキーと顔を合わせにくくなっても致し方あるまい。

しかしマッキーの方は別種の問題だった。脅迫されたとはいえ、唯一の肉親である姉を犯して
しまったことも、無論悩んでいる。
だが、それ以上にマッキーを苦悩させているのは、その姉に対する性欲である。

実のところ、彼は姉に対して『性』を感じていたことはない。
意外なようだがそうなのだ。
マッキーが隠しカメラ等を使って、ナイトセイバーズの着替えを覗き見していたのは事実だ。
その中には姉であるシリアも含まれていたし、彼女のなめらかな女らしい肢体を覗いて、ささ
やかな喜悦を感じていたのも確かだ。

しかし、その姉に対して肉欲を抱いたことはない。
シリアのヌードもプリスやリンナのヌードも、マッキーの中では同等だったのである。
つまり、魅力的な美女の裸体という意味であり、それがセックスと直接は結びついていなかった。
18歳になったばかりの男の子としては、至極当たり前の第二次性徴であり、そのための関心
事項に過ぎなかった。
これが、恋愛手前程度まで行っているネネになると、また感情が複雑になってくるのだが、
いずれにせよ、彼女たちのヌードは雑誌のグラビアのそれと大差なかったのである。

プリスやリンナは、マッキーにとって「姉の友人」であり、印象としては『近所のお姉さん』、
あるいは『従姉妹のお姉ちゃん』なのだ。
身近な存在だから、綺麗な女性であることは嬉しかったが、それ以上のものではない。

シリアとなると、それ以上である。
マッキーにとって彼女は、姉であるし、生き残ったただひとりの肉親、言ってみれば母親の
ような存在だ。
実際、彼は小学生低学年の頃に両親を亡くしており、シリアに育てられたようなものだからだ。

従って、姉・シリアに対して邪な思いを抱いたことはなかった。
これは実際に姉や妹のいない男性にはよくわからないかも知れない。
いくら美人であろうが可愛かろうが、姉は姉であり、妹は妹だ。
それ以上でも以下でもない。
まして、彼女らがセックスの相手として浮上したことはないし、夢想したことすらないのだ。
なのに、こうだ。

あの一件以来、マッキーはシリアを姉として見られなくなってしまっていた。
それと同時に、抑えきれないほどの性欲が溢れてきた。
彼はそのことを非常に恥じている。
だからこそ、シリアをまともに見られなくなっていたのだ。
それだけではない。
まともにその愁いた美貌を見てしまったら、あさましい思いが噴き出してしまいそうだった
からだ。

彼とても、年齢相応に自慰行為くらいはする。
特定の恋人のいないマッキーにはそれしかないわけだが、その対象、いわゆる「オカズ」は
ダウンロードしたポルノ画像であり、秘匿しているエロ本なり雑誌、あるいはアダルト映像
である。
それで充分だったわけでもないが、特に不満があったわけでもない。

プリスたちをその対象にすることもなかった。
少々生真面目なところもあるこの少年は、そうした夢想も彼女たちに申し訳ないと思う心根
があった。
だから、隠しカメラを通して覗きはしたが、いずれもライブで見ただけであり、それを撮影
して保存しよう、などとは考えなかった。
もちろん、見ている時にオナニーする、ということもなかった。
こういう感情のわからない者もいるだろうが、こうした一線を引くことのできる者もいるの
である。
マッキーもそうだった。

実際、見られている彼女たちもそう思っていた。
でなければ、たびたび覗きをしているこの少年を許すはずもなく、袋叩きにでもしているはず
である。
結局、プリスたちもマッキーを弟のように思っており、覗きも『過ぎた悪戯』として済ませて
いたのだ。
これが撮影でもしていようものなら、いかに彼女たちが寛大でも許さなかっただろう。
マッキーと彼女たちの関係とは、そうしたものだった。

しかし、シリアとのみ、その関係が崩れようとしていた。
ヌードグラビアを見ても、ポルノ映像を見ても、そこに写ったモデルや女優の顔に、姉である
シリアの顔がダブってしまうのだ。
挑発的なポーズで妖艶な笑みを見せるモデルの顔も、映像の中で悶え、喘いでいる女優の姿も、
みなシリアのそれが透けてくるのである。
いくら振り払おうとしてもダメだった。

マッキーが行為に没頭してくると、いつのまにかオカズの女性がシリアになってくる。
興奮の極に達した時、彼はシリアをイメージしていたのである。
そのたびに、マッキーは己の薄汚れた欲望に傷つき、落ち込んでいく。
なのに、彼の若い肉体は底のない性欲を見せ、繰り返し自慰をして射精しても、一向に落ち着き
を見せなかった。
日に5度も6度もしているのに、それでもしたくなる。
射精したくなる。

そんな時、マッキーは思い出す。
あの時の、シリアの咥内を、そして膣を。
今、自分が情けなく手でしごいているこの醜いペニスを、姉の柔らかい手がさすり、口にし、
あまつさえヴァギナに挿入した。
その時の感覚、感触の素晴らしさといったら、比肩するものがないほどだ。
こんな手淫など、文字通りの子供だましだと思った。

だからと言って、姉をこれ以上穢すことなど出来なかった。
これ以上、悲しませることなど出来るはずもなかった。
だが、それも昨日までだった。
もう堪えきれなくなっていた。
あの時、男が言った捨て台詞が今も耳に残っている。

−見たか? おまえの姉貴は、弟の前で犯されて感じるような淫らな女なんだ。

−どうだ、姉貴の抱き心地は? これでおまえも同罪だ、何しろ、血の繋がった姉を犯しち
まったんだからな。

−これからはただの女だと思って犯っちまえばいいんだ。

−中に出しちまったって? 気にするな、孕ませるつもりで思い切り犯りゃいいさ。

−すぐ近くにこんないい女がいるんだ。手を出さねえなんてどうかしてるぜ。

* - * - * - * - * - * - * - * - * - *

マッキーはこの後、姉の部屋へ行くまでの記憶がない。
しかし、無意識のうちに姉の動静を探っていた。
よほど苦悩が深かったのか、彼は姉が帰宅したのに気づかなかった。
ホーム・セキュリティ・システムでチェックすると、姉は在宅していた。
マッキーはゆっくりと立ち上がり、自室を後にした。

シリアは、仕事を終えて帰宅してからも気の抜けたようになっていた。
大体、自分が何をしたのかよく憶えていない。

(これではリーダー失格ね……)

シリアは自嘲した。
役に立たぬどころか、これではプリスたちの足を引っ張るようなものだ。
いっそ、ナイトセイバーズを解散するか、あるいはシリアが身を引こうか、とも思った。
父の仇であるゲノムやブーマへの怨み、憎しみよりも、ある意味でこの前の事件の方がイン
パクトが強かった。
いくら考えてもどうなるものではないが、考えぬわけにもいかぬ。
ドアが開き、弟が入室してきたこともわからなかった。

「姉さん……」
「……マッキー……」

ふたりはどちらともなく、ひさしぶりに目を合わせた。
姉は弟の瞳に、自分と同じ悔恨と悲哀を汲み取っていたが、明らかに勘違いだった。
潤んでいるように見えたマッキーの瞳は、姉の肉体への限らない淫らな欲望に支配されていたのだ。
淫靡な熱に冒され、虚ろだったのだろう。姉は聞いた。

「どうしたの、マッキー……。もう身体は大丈夫なの?」

マッキーが今回の仕事に出撃拒否したのは、体調不良ということになっていた。
実際、熱っぽいようだったが、それは感冒の熱ではなく女肉を欲する熱い欲望だった。
悪寒に震えていると思ったが、それは姉の裸体への卑猥な関心で鳥肌が立っていたのだ。
ふらふらと姉に近づいたマッキーは、その手前で歩を止め、がくりと顔を伏せた。
シリアが心配して弟の肩に手を置く。

「マッキー、まだ体調悪いんじゃないの? なら……」
「もう……もう僕はダメだ」
「ダメって……。どうしたの? 言ってみて」
「もう我慢できないんだ!」

弟はそう叫ぶと、姉の手を振り払って腰を突きだした。
不審に思ったシリアが視線を降ろしたその瞬間、鋭い悲鳴が上がった。

「ひっ……」

マッキーの股間が盛り上がっていたのだ。
ジーンズの固い布地に逆らってファスナーを弾き飛ばさんばかりにテントを張っている。
姉は後じさって弟を見た。
恐ろしいものでも見るかのような目だった。
シリアはようやく声を絞り出す。

「マ、マッキー、あなた……」
「ごめん、姉さん……。僕、自分でも情けないと思ってる」
「……」

弟は素直に謝罪した。
姉に対して欲情しているということ、そのことで姉が嫌悪というか恐怖していることもわかって
いたからだ。
それでも、もう自分ではどうにもならなかった。
勝手に手が姉の方へ伸びていく。
シリアはその手に、そこはかとない恐怖と淫靡さを感じ、思わず掴んで止めた。

「マッキー、あなた、まさか……」
「ごめん……でも、もうどうにもならないんだよ」

シリアは、迫ってくる弟の両肩を手で押さえている。
マッキーはもう興奮して、呼吸すら乱れてきていた。
あの経験が弟を狂わせてしまったことは明らかだった。
もう、こうなったら止められないのだろう。

いっそ、マッキーを気絶させてしまうかとも思った。
一時の激情なら、それで収まるかも知れない。
しかし、シリアにはマッキーを手にかけることなど出来なかった。
悪戯をした弟の尻を叩いたり、頬を張ったりするのとは訳が違うのだ。
姉は懸命に弟を説得した。

「お願いマッキー、落ち着いて。冷静になって!」
「わかってる。わかってるんだ、姉さん。だけど、どうにもならない……」
「マッキー……!」

マッキーはいったん姉の制止を振りほどき、上着とシャツを脱ぎ捨ててから、また近寄ってきた。
姉は思わずブラウスの胸元を合わせ、後じさった。
どうにか、どうにか逃げる術はないのか。
マッキーの目を覚まさせることは出来ないのか。
手段がないことを覚り、シリアが絶望に苛まれていると、弟の方が折衷案を出してきた。

「姉さん……僕はもうこのままじゃどうにかなりそうなんだ」
「……」
「だけど、また姉さんの身体にひどいことをしたくない」
「マッキー……」
「でも、もう収まりそうもないんだよ。だから……」
「……?」

マッキーは、少し言いづらそうにして声を出した。

「その……。ね、姉さんの口で、あの……」
「……」

シリアは奈落に引きずり込まれるような錯覚を覚えた。
弟は、抱くのは諦めるからフェラチオをしてくれと言っているのだ。
実の姉に対して、である。

マッキーの股間は、見るも無惨なほどに膨れあがっている。
ジーパンの下に押し込まれているペニスが苦しそうだ。
シリアは男ではないからよくわからないが、ああなってしまったら抑えが利かないのだろうと
いうことはわかる。
といって、またしても弟と肉の関係を結ぶなど出来ない。

シリアはマッキーの顔を見つめた。
真剣な表情だった。
弟なりに、考えに考え、我慢に我慢を重ねた上での結論だったのかも知れない。
そう思うと、シリアは折れた。
もちろん弟のペニスを口にするなど、悪寒がするほどにおぞましいことだ。
そんな比較論は意味がないことはわかるが、抱かれるよりはマシであろう。
シリアは覚悟を決めた。
口にたまった唾液を無理に飲み込んでから言った。

「……わかったわ、マッキー」
「……」
「でも」
「……」
「でも、本当にそれだけよ。それに、もうこういうことはこれっきりにして。そして、あのこと
も、このことも、忘れてちょうだい……」

弟は、了解したと言うようにうなずいた。
そして姉に歩み寄った。
シリアは弟の前に跪いた。
顔の正面にマッキーの股間があった。
シリアは顔を逸らしながら、震える指をファスナーにかけた。
うまく下ろせない。
見もしないでやろうしているせいもあるだろうが、マッキーのそこが硬く大きく勃起していて
下ろしづらくなっているのだ。
シリアがようやくジッパーを下げると、トランクスから飛び出るように若いペニスが露出した。

「……!!」

その勢いの良さに、シリアは呆然となった。
先はもうすっかりカウパーが零れており、周囲にぷんぷんと青臭い性臭を撒き散らしていた。
シリアの視線は自然とそこにいった。
あの時も思ったが、ここはもう立派なおとなのものだった。
シリアを見て興奮しているのか、そこはビクビクと震えてさえいた。
シリアはおののく心を鼓舞して、マッキーのものを手にした。
もう覚悟を決めたのだ。
あとは早く終わらせることだ。

「ひ……」

その硬さと熱さで、軽い悲鳴を上げた。
もう手で扱かずとも、すぐにでも射精しそうだ。
シリアは目をつむり、それを飲み込んでいった。

「ん……んん……んふ……あむ、んんっ……」

シリアは唇を絞ってマッキーのペニスをしごいていく。
すぐに彼女の唾液にまみれ、弟の肉茎はぬるぬるとした肌触りになっていった。
舌は使いたくなかったが、そうすることで早く終わるのなら仕方がない。
シリアは舌先を裏筋に這わせ、弟に呻き声をあげさせた。

「はっ……ああ、姉さん……うっ、あ……」

マッキーは、姉のもどかしい愛撫に焦れてきたのか、腰を突きだしてさらなる快感を要求した。
姉はその仕草を哀しい目線で捉えながら、弟の希望を叶えていく。
少し強く吸い上げ、ほっぺの裏のぬめぬめした粘膜でマッキーの亀頭部を刺激する。
それも、左右の頬粘膜を交互に使って、弟のペニスを愛撫していた。
姉の美しい唇の中に、己の醜悪な性の塊であるペニスが挿入されている。
そのことだけでも、マッキーは達してしまいそうなくらいの性的昂奮を覚えていた。
ぬるぬるとした、生暖かい粘膜に包まれた肉棒は悦びに震え、今にも暴発してしまいそうに
なっている。

「んん……んじゅっ……ん、んむ……むむっ……はむっ……」

シリアが懸命に自分の肉棒を咥内愛撫している音が耳に達し、マッキーは腰がぶるぶる震えて
くるのが抑えきれない。
あの時、男に強要されてシリアにフェラチオされたのは、まるで悪夢のような感じだった。
しかし、今こうして再度シリアにくわえてもらっている感覚は、まぎれもない本物だった。
姉はマッキーのペニスをくわえ、射精させようとしているのだ。

陶然となっていたマッキーを現実に引き戻したのもシリアの口技だった。
ペニスを吐き出すようにして、カリと尿道口を舌先でぐりぐりと抉るような刺激を与えた。
そして今度は、ぐぐっと思い切り奥まで飲み込み、喉の奥近くまで亀頭部を届かせ、先端を
くすぐった。
25歳のおとなの女性の愛撫に、18歳の若者はひきつるような声をあげて、その快楽を
訴えた。

「ああっ……うっ、く……あ……」

マッキーは、シリアの繰り出す舌技に恍惚としながらも、必死に射精を耐えている。
それはあの事件の時と同じだったが、思いは違っていた。
あの時は、姉の口に射精など出来ないという思いだったが、今は、何とかこの快楽を長い時間
味わいたいからこそ我慢していたのだ。

シリアは、弟に対して技巧の限りを尽くし、射精を促している情けなさに泣きたい思いだった。
それでもやめられない。
ここでやめたら、何のためにしたのかわからなくなる。
姉は弟のたくましいペニスをくわえ、顔を前後に揺すってピストン運動を繰り返した。

シリアの鼻腔や口の隙間から漏れ出る吐息が熱を帯びてきている。
呼吸そのものもリズムがなくなってきていた。
太いものをくわえさせられているのだから息苦しいというのはあるだろうが、それ以上に彼女も
次第に上気してきていたのだ。
成り行きとも、なし崩しとも言えぬまま、またこうして弟と肉を交わしている。
膣でないことが救いだが、これがエスカレートしないとは限らないのだ。
なのにシリアは少しずつ興奮してきている。
弟への屈辱的な口唇愛撫を強いられながらも、シリアの「女」としての部分がこみ上げてきて
いるのであろう。

絶妙な愛撫に追い立てられながらも、マッキーも姉の異変に気づいてきている。
透けるように白い美貌が朱に染まり、息を弾ませ、目が潤んできている。
姉も欲情してきているのではないだろうか。
その思いが、弱気な弟をして強気にさせた。

「んもっ……もがっ!……」

シリアは突然の攻勢に目を白黒させた。
マッキーが腰を使い始めたのだ。
しかも、シリアの頭を両手で押さえ込んで、である。
動きの自由を封じられた美女は、少年の意志で勝手に顔を揺さぶられていく。

「んうっっ……うむう! ……んっ、んぐ……うむうっ……ちゅむむ……んむむっっ」

喉の奥を硬いペニスの先で小突かれ、苦しくてしかたないのに、シリアの愛撫には熱が籠もる
一方だった。
舌使いは激しさを増し、マッキーの肉棒を舐め回し、こねくり回す。
頬の裏、舌の裏、上顎の裏といった、あらゆる粘膜を総動員して、弟のペニスを揉みほぐして
いった。

マッキーはもう声もなく、姉の顔を抱え込むようにして腰を送った。
シリアは、突き込まれる苦痛で涙を滲ませながらも、マッキーのものに舌を這わせることを
忘れない。
口に突っ込まれているのはマッキーのものではないと思えば楽だと考えたのだが、逆効果
になった。
男のたくましいペニスで口を犯されているという妄想が広がり、シリアを逆に追い込んで
いく。
ハッとそのことに気づき、これは弟だ、マッキーだと思うと少し激情が去るのだが、今度は
弟の性器を口にしているという恥辱と羞恥がシリアを責め苛み、それが妖しい感覚を産み
出した。

マッキーはもう一匹の牡獣に過ぎず、ただ目の前の美女を犯すことしか考えていない。
シリアの、前後する口の動きに合わせて思い切り腰を打ち込んでいく。
喉の最奥に亀頭部が当たり、シリアの苦鳴がするのも無視して腰を使っていた。

「うっ……ああ……」

マッキーの痙攣が大きくなっていく。
腰がガクガクと震え、シリアの咥内を犯す肉棒も一層ぶくりと膨らみ、熱を帯び、ビクビク
痙攣している。
弟が送ってくる腰の運動も不規則かつ小刻みになっていた。
射精が近いのだ。

シリアは慌ててマッキーの腰を手で押しやろうとした。
いくらなんでも、このまま口に精液を放たれるわけにはいかない。
あの時、顔にかけられたのも不本意だったが、口に出されるのはもっとイヤだった。

しかし、マッキーはそんな姉の気持ちを知ってか知らずか、かえってグイグイと腰を押しつけ
ていった。
恐らく、姉が口内射精を嫌がっているのはわかっていただろう。
それでも、というよりも、だからこそ彼はシリアの口に出したかった。
そうすることで姉を自分のものに出来るような気がしたからだ。

マッキーはシリアの無言の懇願を許さず、両手でがっしりと彼女の頭を抱えてピストンした。
シリアの柔らかく熱い舌と咥内粘膜に嬲られ続け、限界を超えた肉棒は、マッキーの唸り声と
ともに一気に炸裂した。

「んんんっ!? ……ん……んぐ……んんん……」

シリアは驚愕したように目を見開き、顔を振って離れようとするものの、マッキーは抑えた頭を
離そうとしない。
そして、射精の発作で腰を揺すり、何度も何度もシリアの口の中に精液を放っていった。

弟はしっかり顔を固定して、離してくれそうにない。
シリアの咥内には、むっとするような精液の匂いがこもっていった。
それが鼻に抜けるのがたまらない。
このまま口に溜めていても、マッキーは許してくれない気がした。
シリアは諦め、毒を飲み下すような覚悟をして、弟の精液を嚥下した。
マッキーは、姉の喉が何度となく上下し、自分の精液を飲み下していることに満足し、強い
満足感を覚えた。
そして言った。

「最後までして。残ってるのを吸い上げて」
「……。んんっ……んく、ごくっ……んくっ……」

シリアは弟に従って、尿道に残っていた残滓まで飲み干した。
そうすることで、マッキーはようやく顔を離してくれた。
途端にシリアは咳き込んでしまった。

「がっ……がほ、げほっ……んほっ……げほっ……」

口の生臭さはだいぶ収まったが、まだ残っている。
逆に、ザーメンを受け入れた胃の腑が腐ってしまいそうな感じだ。
咥内のあちこちに、まだマッキーの精液が残っている。
どろどろした、というか、ぼとぼとするような精液があちこちにこびり付いていた。
濃厚のカルピスというよりも、溶けかかったアイスクリームのような固体感があった。
喉や食道にも粘り着いているそれを飲み込むのは難しかった。

マッキーは、ちょっと信じがたいほどの快感に酔っていた。
姉に、というより年上の女性に奉仕させた征服感がたまらない。
凌辱の快楽を感じていた。

「……」

涙ながらに苦しそうに咳き込む姉を見て、マッキーは思った。
フェラチオでは、女はほとんど快感などないだろう。
だから姉はあんなに辛そうなのだ。
ならば姉も自分と同じように、性の快楽を味合わせればいいのではないか。
マッキー自身も、最初は非常な抵抗や背徳感があったが、それを乗り越えた今は素晴らしい
恍惚感を得ていた。
シリアにもそれを体感させれば、あんな哀しそうな顔はしなくなるのではないだろうか。
もしそうなれば、マッキーも遠慮なくシリアを犯せる。
シリアを屈服させたと信じていた少年は、うずくまる美女を見下ろして言った。

「姉さん」
「……」
「姉さんてば」
「……もういや……。気が済んだでしょう、マッキー。出てって」
「……いや、まだこれからだよ」
「え……ああっ」

姉を押し倒す弟の脳裏に、あの時の暴漢の声が響いている。

−すぐ近くにこんないい女がいるんだ。手を出さねえなんてどうかしてるぜ。

−これからはただの女だと思って犯っちまえばいいんだ。

マッキーは姉の腿を割った。
ぱっくりと音がしそうなくらいに見事にそこは開いた。
弟は覆い被さり、シリアの官能的な太腿の間に割り込んだ。

「だっ、だめっ! だめよ、マッキー、やめて!」

シリアは柳眉を逆立てて激しく拒絶した。股の間に入り込んでしまった弟を、何とか思い留まら
せようと、姉は必死に言った。
マッキーのペニスは、さっきシリアの口にあれだけ放出したばかりだというのに、早くも屹立し
びくびくと痙攣している。
シリアは、それだけは逃れようと懸命に抵抗した。

とはいえ、相手はマッキーである。
まさか殴る蹴るといった暴行はできない。
言葉でダメなら、ケガをさせないよう突き飛ばすしかないのだ。
だが、そんな半端な気持ちではマッキーの思いは止まらない。
シリアは油断していたが、彼ももう18歳。
体格は一人前である。
インドアな少年だからあまり体力はないし、常に肉体を鍛えているシリアと比べれば勝負に
ならないだろう。
しかしあまりに突飛な展開で、シリアの方がすっかり動揺してしまっていた。
押さえつけるマッキーの腕に爪を立てたり、じたばたと脚をもがかせるくらいのことは出来
ても、その程度ではかえって少年を興奮させるだけだ。
犯すべからざる神聖なものを汚すという、背徳と征服の欲望が燃え上がる一方である。

暴れていた腿は膝で押さえ込んだ。
抗っていた腕も手首を掴んで床に押しつけた。

「ああ……」

シリアが絶望の虚しい声をあげる。
そしてすぐに耳をつんざくような凄まじい悲鳴に代わった。

「きゃあああっ、マッキーだめっ! あ、いや、やめて、ああっ!!」

少年は巧く腰を使い、肉棒の先端を押し開かれたシリアの割れ目にあてがった。
その熱くて硬い感触に、シリアは顔を振りたくって嫌がった。
もちろんマッキーはそのまま腰を押し込んでいった。
年齢にしてはよく張っているエラが、ググッと姉の膣に沈んでいく。

「い、いやあ、だめ、マッキー! ああ、お願いよ、こ、こんなことだめっ!」

シリアの熱い肉を感じ、マッキーは有頂天になっていた。
予想に反してシリアのそこは、しっとりを潤いを帯びていたのだ。
ぐしょぐしょに濡れそぼっていたわけではないが、乾いてはいなかった。
少年は不思議に思ったが、すぐに思い当たった。
さっきペニスをくわえた時に、姉も感じていたのではないか。
そんなことがあるわけがないという常識は、マッキーの脳裏に甦る暴漢の言葉で打ち消された。

−見たか? おまえの姉貴は、弟の前で犯されて感じるような淫らな女なんだ。

そうだ。
取り澄ましているようで、姉のシリアは実は淫らなのかも知れない。
きっとそうに違いない。
あの時、弟の自分に犯されていた時ですら、感じていたみたいだった。
そして今もだ。
身体をいじられたわけじゃない。
ただ男のペニスを口にしただけだ。
それも弟の。
なのに感じていたらしい。
濡れているのがその証拠だ。

そんなマッキーの心の声をシリアが聞いたら、激しく首を振って否定しただろう。
確かに膣は濡れ気味だった。
その理由は自分でもわからない。
しかし、マッキーに男を感じていたわけではない。
彼はあくまで弟なのだ。

だが、そんなシリアの思いなど無視するかのように、マッキーの肉棒が膣を貫いていく。
自分でもわかるほど、シリアのそこは熱く潤っていた。
その襞を巻き込むように、マッキーの若い性器が埋め込まれていった。

マッキーは深々と奥まで貫くと、満足したようにホッとした。
そして改めて姉の美貌を眺めた。
弟に犯され、苦悶する表情が妖しく悩ましかった。
それを見ているだけで、さらに肉棒が太く硬くなる気がする。

マッキーのそれは、あの時の暴漢ほどではなかったが、シリアを泣かせるほどの大きさはあった。
あの男のものは、ただ入れられただけで裂けそうなくらいに太かったし、常に子宮口を舐めら
れるほどに長かったが、さすがに弟はそこまではなかった。
しかし、若さのせいか、その硬さだけは凄かった。
少し左に曲がっているペニスが、膣の襞を擦りつけると思わず声が出そうになる。

(だ、だめっ……ああ、こ、これはマッキーなのよ、ああ、か、感じたらだめ……)

健気なほどのシリアの決意を、マッキーの動きが打ち砕いていく。
大きく腰を使い、シリアの胎内を攻撃し始めたのだ。
ずんずんと深く突かれ、シリアはのけぞって悲鳴を上げ、呻いた。

「ああっ、だめっ、マッキー、いやっ、はっ、早く抜いてっ、ああっ、抜いて、ああっ」

激しく膣を突かれて、シリアはまとまった言葉が出ない。
マッキーのペニスが奥まで届くたびに言葉が途切れてしまう。
またしても弟と肉の契りを結んでしまった。
その悲劇に苦悩する暇もなく、シリアは弟の責めを受け続けた。

マッキーが時々、腰の位置を変えるように動きを止めることがある。
そのたび、シリアの膣はくわえこんだものを確かめるかのごとく、食い締めてしまっていた。
そのことはシリアも気づいていたが、そこは彼女の身体ではないかのように言うことを聞いて
くれなかった。
気弱な弟に似つかわしくないほどのたくましいものを、じわじわと締めていく媚肉の感触に、
マッキーが気づいてしまったらどうなるのか。
ますます図に乗って責めてくるに違いない。
シリアは腰をよじって誤魔化そうとしたが、その動きがかえってマッキーの肉棒に快感を与え
てしまう。弟は唸るようにして、姉を犯すのだった。

「うああっ、い、いや……ああっ……こ、こんなの……こんな恐ろしいこと、ああっ……だめっ
……やめ、やめてぇっ……」

次第に女の反応を見せてくる姉に対し、マッキーも上擦っていく。
自分の分身を熱く優しく包み込んでくる膣襞の感触がたまらなかった。
時折ひくついて締め上げてくる心地よさも絶品だ。
加えて、知性的な美貌を歪めて喘ぐ姉の媚態が、いやが上にも興奮を煽った。

「だめえ……マ、マッキー、あなたは、ああっ……私の弟なのよ、あっ……血の繋がった弟、
ああっ……」
「確かにね。でも気にすることはないよ、今はただの男と女さ」

−これからはただの女だと思って犯っちまえばいいんだ。

男の言葉がリフレインのように繰り返し響いていた。

マッキーに貫かれ、何度も何度も腰を使われてしまうと、シリアは打ちひしがれたようにすすり
泣いた。
今はそれすら、マッキーの性欲を昂進させるための媚薬に過ぎなかった。
徐々に高まっていくシリアの様子と、甘美としか言いようのない媚肉の感触で、マッキーは早く
も射精欲がこみ上げてきた。
まだだ、まだこの快楽を味わいたい。
それに、これではまだ姉を感じさせることは出来ないに違いない。
少年は歯を食いしばって姉を責めていった。

突き刺される肉棒が、シリアの媚肉を蹂躙し続けた。
中に沈む時は周囲の襞を巻き込み、抜かれる時はへばりついてくる襞を引きずり出すようにめくり
上がる。
突き刺される時に感じる摩擦感もたまらなかったが、絡みついた襞ごと引きずり出される感覚が
シリアには堪えた。
これが弟でなかったら声を出してしまったかも知れない。
自由な脚をその腰に巻き付けたい気持ちを抑えるのに必死だった。

「んん! ……ああ、あうっ……やあ……うむむっ……はうう……」

マッキーは意識していないようだが、突き込んだペニスの先が子宮を擦ると、シリアは喘ぎを噛み
殺すのに苦労した。
同時に、肉棒を覆っている襞がぐうっと強く収縮してしまう。
否応なく、マッキーに感じさせられていることを実感させられた。

マッキーは両手でそれぞれの腕を押さえ、のしかかるようにしてシリアを犯している。
腰を打ち込むたびにゆさゆさ揺れる大きな乳房にも大きな魅力を感じ、揉みほぐし、舐め回したい
欲求はあったが、今はちょっと無理かも知れない。
ならばと、シリアの媚肉を責め抜くことに専念した。

姉の膣はもうすっかり愛液で満たされ、粘着質の水音を立てて弟の肉棒を受け入れていた。
シリアの諦めと絶望、恐怖と苦悩、そして時折兆す官能の表情に、マッキーはますます高ぶって
いくのを感じた。
頭が良く、強く、それでいて優しく、料理も上手だったあの姉が堕ちていく様を見ると、マッキー
は得も言われぬ愉悦を感じていく。
そして、シリアをさらに感じさせようと頭を巡らせていった。

そして思いつく。
あの時、姉は男にあそこをいじられて、信じられないほどに感じていたように思える。
シリアの抵抗がすっかり弱まったのを見計らって、弟はそこに手を伸ばした。
途端に姉の絶叫が響いた。

「きゃああああっ!! マッキー、そこっ! ああ、そこはだめ、汚いっ!!」

マッキーの指はシリアのアヌスを捉えていたのだ。
シリアは信じられなかった。
そんなところをいじられるという愛撫自体いやなのに、あの男はしつこくそこをいじってきた。
イヤでイヤで仕方ないのに、同時に肛門が熱くなっていくのも感じていた。
括約筋を絞っているのに、男の手でほぐされていく感覚がたまらなかった。
いじられているのはアヌスなのに、媚肉が濡れに濡れて反応してしまう。

その愛撫を、今また弟によって施されている。
シリアは気が狂いそうだった。
それでも、弟の繊細な指がくねくねと動き回り、シリアの肛門をいびっていく。
暴漢のように、女の弱点を探り当てるような動きではなかったが、時々急所に触れ、そうでない
ときはその周辺をまさぐる指がこそばゆく、膣の奥から熱いものが滲み出てくるのが止められ
なかった。
少年は敏感に姉の声が変わってきたのを知った。

「んうっ……いや、そこ、ああうっ……触らないで、あっ……だめよ、ああああ……」

声が弱々しく、熱く甘くなってきている。
シリアの四肢からすっかり力が抜けた。もう抵抗する気も起きないようだ。
弟の繰り出す愛撫に身を委ね始めている。
それを良いことに、マッキーの指はシリアの処女地にまで入り込んでいく。

「んあうう……いや……い、入れないで……ああ、マッキーの指が、あううう……」

あれほど堅く引き締まっていたシリアの肛門がウソのように柔らかくなっていた。
この間、膣に挿入したペニスは止まったままだったが、その存在感は少しも揺るがなかった。
シリアの膣口は、太いペニスをくわえ込まされひくついたままだ。
アヌスをいびられるのを避けようとして腰を捻ると、いやでも膣も動き、挿入された肉棒で
擦られてしまう。
それがまたシリアを官能の淵に追い込んでいくのだ。
もうシリアのアヌスはすっかり柔軟化しており、弟の指を難なく根元まで飲み込んでいた。

「だめよ、そんなの、ああああ……マッキー、指を抜いて、あうう……く、狂ってしまうわ、
あああ……」

もはや隠しようもない快感がシリアを襲った。
排泄器官だったそこは、くわえこんだマッキーの指を締め上げるような反応を見せている。
呼応するかのように、膣の奥がカッカと燃え上がるのだ。
いびられているのは肛門なのに、どうして胎内がとろけてくるのか、彼女にはさっぱりわから
なかった。
責めるマッキーも、妖しさを一段と増してきている姉の官能図に、アヌス嬲りに一層熱を
上げるのだった。

「あうっ……!」

マッキーが指を抜くと、シリアはぶるっと震え、気をやったような声を出した。
散々虐められた肛門は、まだひくひくしている。
指を見ると、シリアの腸液でぬめっていた。
マッキーはたまらなくなって、膣に埋め込んだペニスを激しく抜き差しした。

「ああっ、またっ! あっ、だめ、あっ……マッキー、もう許して、ああっ……」

悪夢のようなアヌス責めが終わったかと思ったら、媚肉への責めが再開された。
それも、ざきほどよりもずっと強烈な突き込みだった。
肛門責めで痺れるような肉悦を得ていたシリアは、さらに敏感になった膣を抉られ、口から
洩れる喘ぎ声を隠しようがなくなっていた。
増して、マッキーの矛先がどこに向いてくるのか想像もつかない。
性体験がほとんどなかったということもあり、ただ闇雲にシリアの中を突き進んでくるだけだ。
それが逆に姉を困惑させる。
思いも寄らなかった箇所を責められ、突かれ、抉られる。
それがたまに急所にあたると思わず身悶え、よがってしまいそうだ。
弟がけしかける。

「ほら、姉さんも腰を使って」
「いやっ!」

姉は、思わず動いてしまいそうな腰を我慢していたが、どうしても上へ上へとせり上がって
しまう。
弟のペニスが奥まで欲しくなっているのだ。
頬や首筋を赤く染めて羞じらいながらも、高ぶっていく喘ぎ声が口から出てしまう。

「あ……ああっ!?」

シリアは、膣の奥に悪寒にも似た戦慄を感じた。

(い、いきそうになってる……。私、マッキーにされていきそうに……)

そのことに気づいたシリアは最後の抵抗を見せ、身体の上に乗った弟を引き剥がそうと腰を
跳ね上げたが無意味だった。
むしろ腰を押しつけ、奥深くまで弟が入り込んでいく。
深まるばかりの愉悦に押し流されそうになりながらも、シリアは耐えた。
弟に犯されて絶頂まで押し上げられるわけにはいかない。
いかないが、肉体は言うことを聞いてくれなかった。
激しく貫かれる媚肉は悦びを隠せず、膣の奥から淫らな涎を吐き出し続けている。
膣が締まっていくのをシリアは自覚した。

「あ、ああ……あ、マッキー、あ、あ、もう……ああ、もうっ……」

マッキーも姉の変化を感じ取った。
ペニスの根元が締め上げられる。
胎内の襞はうねるようにして、肉棒から精を搾り取ろうとしているかのようだ。
間違いない。
姉はいきそうなのだ。

「ね、姉さん、いきそうなの?」
「いやっ……は、離れてマッキー、お願いっ! じゃないと、私……ああっ!」

それがシリアの最後だった。
弟の硬いもので抉られ続けた膣が限界だった。
腰の奥がとろけるような悦楽が漂ったかと思うと、いきなり頭に突き抜けるような強烈な一撃
がきた。

「ああ、あああっ……あ、あああっっ!!」

はっきり「いく」とは言わなかったが、シリアが激しく気をやったのはマッキーにもわかった。
そのきつい締めつけに耐えきれず、性に狂った姉の妖しい美貌を見ながら、弟はその胎内に
思い切り射精した。

* - * - * - * - * - * - * - * - * - *

シルキー・ドール。
シリアのランジェリー・ショップだ。
すでに閉店している時刻、この店の前で、女性の下着とは無縁そうな武骨な男がふたり、こそ
こそと立ち話をしていた。
黒島とコリンズである。
黒島は新聞に目を落としながら聞いた。

「で? 首尾はどうだ?」
「上々だ。……と思うがね」
「どういう意味だ?」

曖昧な返答に、サングラスの男は上目遣いにコリンズを見た。
コリンズは肩をすくめて言った。

「そうたびたび強盗のマネが出来るかよ。向こうさんだってそれなりに警戒してらあ。モニター
カメラをセットしたわけじゃねえしな」
「……」
「だがまあ、うまくいってるようだな。情報屋の話じゃ、やつらは仕事の受注が著しく減ってる
そうだ。それも依頼がないわけじゃない、やつらの方が断ってんだ」
「……」
「つまり、シリアのやつが仕事をやるような状態じゃねえってこったろ?」

確証はないが、多分そうだろう。
だとすれば、原因はコリンズの事件以外考えられない。
弟の目の前で凌辱してやり、挙げ句、その弟にまで犯されたのだ。
平静でいられるわけがない。
黒島はサングラスを指で上げて言った。

「じゃあどうする? そのまま開店休業状態にさせるのか?」
「でもねえらしい。ジェイコブがいろいろ考えてるみたいだがな」
「……」

コリンズが、口にくわえたタバコを指で弾くのを合図に、ふたりの男は別々の方向に歩み去って
いった。




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