「……」

あれから何時間、何日たったのだろうか。
ハニーには時間の経過がわからなくなっていた。
艦内の窓のない部屋につなぎ止められ、太陽の姿も見られない。
食事も与えられなかったから目安もない。

ハニーに与えられたのは、ドルメックの精液のみであった。
もう何度犯されたかわからない。
浣腸され、犯され、挙げ句、肛門や膣の中まで見られてしまった。
彼女の心は大きくヒビが入り、決壊しそうに脆くなっていた。
それを何とか留めていたのが直慶の存在だった。

「直慶くん……」

ハニーは虚ろな目で、天井に浮かんだままの少年を見ていた。
彼も食事を与えられていない。
お腹も空いているだろう。
しかし、少しも身動きしないし、声も出していない。
恐らく意識を失わせたまま、放ってあるのであろう。
少年の純真な目で、自分の痴態を見られていないことだけが、ハニーの救いだった。
彼の無事こそが、ハニーの希望であり、このまま負けていられないという反骨のもとでもあった。

そこへドルメックが入ってきた。
不機嫌そうな表情を浮かべた魔の帝王は、ハニーの前へ歩み寄った。
彼も、予想外の展開にやや動じていた。
キューティーハニーが一向に堕ちないのである。

何度犯してやっても、その快楽に屈することがない。
人間の女では考えられぬ意志の強靱さだ。
ハニーは超人的な運動能力の持ち主ではあるが、同時に精神面でもかなり補強されているのかも
知れなかった。
犯している最中はそれなりに感応しているようであり、快楽に身を任せている面もあるのだが、
ドルメックの虜になるほどではない。
その理由がわからなかった。
ここまで人間そっくりに作られている以上、どこかに弱点はあるはずであり、そこを突けば性的
に堕落するはずなのだ。

まさか、このことあるを予想してプロテクトをかけたとも思えなかった。
実際、如月博士はそんなことは露程にも想像していなかったので、ドルメックの予想通り、その
きっかけさえ掴めば屈服させることも可能なのだ。

「そうか……」

ドルメックが入ってきたことにも気づかず、力なく少年を見つめていたハニーを見て、ようやく
彼は気づいた。
彼らには理解不能だが、ハニーは人間に対する深い愛情と憧憬を持っている。
特に身内、つまりはあのジジイやこの小僧に執着しているらしい。
ならば、小僧をダシに使えば案外簡単に堕ちるのではないだろうか。
ハニーを初めて責めた時、小道具として直慶を使うつもりではいたが、今までその機会がなかった。
なかなか思うようにならないハニーに焦っていた。
それで気づかなかったのかも知れない。

ドルメックは力を使って、少年を天井から下ろした。まだ意識はない。
ハニーはそれを目で追っていた。

「な、なにするの……」
「……」
「私が言うことを聞けば直慶くんには手出ししないって……」
「安心しろ、傷つけるつもりはない」

ドルメックはニヤッと嗤って言った。
そして指をパチンと鳴らすと、直慶は突然その目を開けた。
ハニーはハッとして叫んだ。

「直慶くん!」
「……」
「直慶くん! 大丈夫!?」
「……」

返事はない。
少年は、目こそ開けてはいるが、まだ朦朧としている。
しかし、浮いていたところから自分の脚で降り立った。

「……?」

しかし様子が変だ。
意識がない時と大差ない気がする。
まるで夢遊病者のようだった。

「直慶くんに何したの!?」
「何もしてはおらん。ただギャラリーになってもらおうと思ってな」
「ギャラリーって……ああっ!?」

ドルメックは、糸縄で縛られたハニーの柔肌に触れてきた。

「ま、まさか直慶くんの前で……」
「察しがいいな、その通りだ。小僧にも愉しんでもらおう」
「いっ、いや!!」

上半身を縛られたハニーの肢体を起こすと、そのまま自分に乗せた。
美女のなめらかな背中が腹や胸に当たる。
ハニーの身体を支えながら、後ろから手を伸ばしてその太腿を撫で、大きく拡げさせた。
そして、もううっすらと汗をかいている豊かな胸の膨らみを揉み、同時に股間をなぞり上げた。

「うあっ……」

その感触にハニーが仰け反る。
ドルメックは、ハニーの引き締まった裸体を抱きしめ、柔らかい胸を揉みしだき、膣を指で嬲り
だした。
唇はうなじや首筋を這い、乳房をこねくられ、媚肉やクリトリスを責められる。
複数の性感帯をいっぺんに責められ、つい淫らな喘ぎ声が出た。

「あっ、ああ……」

短い間に、強制的に快楽や愉悦を覚え込まされた肉体は、意志を無視して快感がわき起こる。
ハニーは、ぼうっとけぶるように赤くなっていく肢体をうねらせ、必死に暴虐に耐えていた。
虚ろに佇む少年に見せつけるように、ハニーの豊満な乳房を揉みながらドルメックは言った。

「くく、もうこんなに身体が熱いぞ。そんなにいいのか?」
「ばっ、バカな! そんなことが、ああっ……」
「正義のヒロインはウソがヘタだな。随分、息が乱れてきてるじゃないか。小僧に見られて興奮
しているのか?」
「ちっ、違……ああっ、直慶くん、だめっ……見ちゃだめよ!」

顔を背け、固く目を閉じ、意識がないような少年に叫んだ。
彼女は、消えてなくなりたいような羞恥を覚えながら、直慶のことが気になった。
彼なら、こんな場に立ち会わされれば元気いっぱいに反抗するか、あるいはハニーのように恥辱
に耐えるはずだ。
それが、ただぼうっと見ているだけなのだ。

だが、ハニーにとってどっちでも同じだった。
直慶の前で嬲られることがつらかった。
少年の前で性に乱れた姿を見せたくない。

こみ上げる愉悦を何とか押さえつけているハニーだったが、その肉体はもろくも崩れかけていた。
何度もドルメックに性交を挑まれ続けるうち、ハニーの身体は確実に成長していった。
彼女の望まぬ方向へ。
繰り返し犯され、辱められ、ハニーはの喘ぎ声は少しずつ大きく甘くなり、わずかではあるか
腰を打ち振るようにもなっていった。
ドルメックはさらなる堕落を求め、犯される様を直慶に見られるよう仕向けたのである。
女のことなどまるで考えない無遠慮な愛撫が、ハニーの肉を揉みほぐしていく。

「もうこんなに乳首が硬いぞ。きさま、見られると感じる女だったんだな」
「違うって言ってる、ああっ……やめてっ」
「やめてほしいわけがないだろう。こうして乳首をコリコリされるのが好きだったな、それ」
「ひぃっ……あ、ああっ……」

ハニーは身体を固くして、ドルメックの愛撫と直慶の視線に耐えていた。
少年の目が、自分の胸やあそこを見ている気がする。
またそこをドルメックがしつこく嬲った。
太い指でこねられた乳頭はズキズキと痛みにも似た痺れで疼き、媚肉の割れ目はもうパックリと
口を開けていた。
包皮から顔を覗かせたクリトリスをくいっと捻ると、ハニーは甲高い悲鳴を出して仰け反った。

「ひぃあっっ……つ、つまんじゃ、ああっ、だめえっ……」

その悲鳴も上擦ってきている。
嬌声との区別が付きにくくなっていた。
儚い抵抗の声も語尾が情けないほどに震え、その悦楽を否定しきれない。
媚肉からはとめどないほどに愛液が零れ、淫核はひくつき、大きく開いた割れ目は奥まで見せて
いた。
ドルメックはクリトリスをしごき上げると、ハニーは喉を絞るような喘ぎを放った。

「ああうっ……ひっ、ひぃっ……やめ、やめてっ……くっ……んくうっ……」

まだ直慶の目が気になるのか、ハニーは何とか喘がないよう口を締めようとするが、それを押し
破るように、次々と快楽がつぎ込まれていく。
ハニーの裸体は、もう誰の目にも明らかに上気し染まっていく。
とても我慢しきれない快感が電気のように全身を走り、ハニーはビクン、ビクンと全身を痙攣
させた。
しつこくいびられた淫核は、今にも血を噴き出しそうなくらいに充血している。
膣口も、まるで男を欲しがるようにヒクヒクと蠢き出した。

「どうだ小僧、見えるか? おまえの慕うキューティーハニーはこの程度の女だ」
「いやあ、見ないで! だめ、直慶くんっ」
「どんなに嫌がっても、ちょっとオマンコをいじってやればこの通りだ。ただの淫売だ」

ハニーは「違う、違う」と言いながら、激しく首を振った。
顔から涙が飛び散ったが、少年は無表情だ。
ハニーの全身からすっかり力が抜け、甘く熱く喘ぐだけとなった時、ドルメックはいよいよ彼女
の両脚を抱えた。
そして、もうすっかり受け入れ態勢の整った媚肉に、極太の逸物を押し当てる。
ハニーは、目がこぼれるほどに見開き、身体を打ち振った。
腿は抱えられており、上半身はがちがちに縛られている。
どれほども動けなかった。

硬くなった肉棒を膣に押し当て、そのまま腰をぐっと沈め込んだ。
よくもあれほどのものがと思うほどのペニスが、苦もなくハニーの媚肉に埋め込まれていった。

「だめっ……あ、入れちゃ、ああっ、は、入って……くる! ……か、硬いのが……いやああ
あ……」

ずずっと音を立てて、ドルメックのものがハニーに割り入っていく。
充分に熱い蜜で潤ってはいるが、彼の大きなものを入れるのはまだ足りないらしい。
熱く火照った膣道を進めていくと、みちみちと裂けてしまいそうになる。

「く……きついな。小僧に見られて感じてるのか?」
「違うって、言って、ああ……んっ……うああ……」

ペニスの先端がハニーの中で壁に当たると、ドルメックの腰が止まった。
すっかり中に張り込んでしまうと、ハニーの膣はドルメックの肉棒をきつく締めつけ、収縮して
きた。

「どうだ、見られてるといつもよりずっと感じるのだろう」
「んっ……や、やめて……見ないで、ああ……き、きつい……あっ……んはっ……」

ドルメックが律動を始めると、途端にハニーの声が裏返った。
貫かれている淫穴からは、ペニスの出入りごとに蜜が溢れ、濡らした。
肉棒はさらに蜜をほじくり出すかのように、何度も何度も繰り返し突き入れられた。
ペニスの激しい動きは、愛液だけでなくハニーの快楽もほじくり出していった。
一度、男の味を覚え込まされ、以降も繰り返し凌辱を受け続けた肉体は、ハニーの思いに反して
高まっていく。

「ああ、こんな……あっ、あうう……」

ハニーの頭は混乱していた。
ドルメックの腰が送り込んでくる、狂騒せんばかりの快楽。
それを拒絶したいが、とろけてしまっている肉体。
そして、恥ずかしい女の本性を直慶の前で晒している恥辱と羞恥。
悩乱するハニーの思いも、激しい律動の前に、涙とともに飛び散っていく。

「だ、だめ、ああっ……ひっ……うっ、ああ……くううっ……うあっ……」

ドルメックは、上気したハニーの尻たぶを掴むと、ここぞとばかりに深くまで抉り上げた。
ハニーがその責めに反応し、声を上げるごとにドルメックの肉棒が締めつけられる。
バックから、ハニーのむっちりした尻がつぶれるほどに激しく打ち込んだ。
ドロドロに熱くとろけた媚肉からは粘っこい蜜が溢れ、ハニーの腿とドルメックの腰をベタ
ベタにしている。

「うああ……うぐうっ、ふ、深いっ……あ、だめ、そんな……お、奥まで……お腹、抉られ
てるぅ……」

あまりの悦楽に首を仰け反らせ、嬌声すら絶え絶えになる。
膣をこねくり回すように肉棒を抉り込ませ、張り付いてくる襞を引き剥がすように腰を引き、
そしてまたズンと奥まで突き入れる。
最奥にぶちあたり、疑似子宮にペニスが当たると、ハニーは全身を震わせて喘いだ。

「いああっ……そ、それ、ああっ……あ、ああ、いっ……だめえっ……」

子宮を小突かれて痛いはずなのに、ハニーの口からは喘ぎしか出てこなくなっていた。
媚肉が急速に収縮し始めた。
うねるようにペニスに絡みつき、きゅうきゅうと締め上げる。
美女は絶息するような声を出し始めた。

「あっ……あああっ!? ……あ、も、ああっ……」

絶頂に向かってひた走りかけたその瞬間、ドルメックは思わぬ行動に出た。
ペニスをハニーから抜き去ったのだ。

「あ……」

あまりのことに、ハニーは口を開けたまま後ろを振り返った。
その瞳は肉欲で虚ろになっている。
ドルメックは喉の奥で嗤いながら言った。

「どうした、なんだその顔は? 最後までして欲しかったか?」
「……そ、そんなこと……ない……」
「して欲しければそう言え。私を犯してください、気をやらせてください、とな」
「……」
「言えばおまえの望み通りにしてやろう。くく、小僧の前でそんな恥ずかしいことが言えるのか?」
「……!!」

言われてようやく直慶のことを思い出した。
今までも、獣人たちとの苦しい戦いの中、ピンチの時にはいつも直慶たちのことを思った。
そして、彼らのためにも負けられないと、気力を振り絞って戦い抜いたのである。

なのに今回は、最初こそ直慶を気にし、抗っていたのに、すぐにドルメックの手管に囚われ、
淫らな性の欲望に火を着けられてしまった。
そしてその間、直慶のことを考える余裕すらなかったのだ。
その悔しさと恥ずかしさに、ハニーは震える思いだった。

「直慶くん……」

ハニーは少年を見た。
相変わらず表情も意識もないようだ。それでいて、その目はぱっちりと開き、彼女を見つめている。
ドルメックはハニーの耳元で言った。

「そんなにあの小僧が気になるか?」
「……」
「そうか、ならば……」

ドルメックが直慶の目を睨むと、少年はビビッと感電したように直立した。
そして、そのままふらふらと歩いてきた。
操られているのは明白だった。

「直慶くん?」

少年は、訝しげに見ているハニーに近づくと、犬這いになっている彼女の後ろで止まった。
そしてドルメックが場所を代わるようにその場から動くと、敬愛しているハニーの尻にその手
を置いた。

「ちょ、直慶くん、まさか……あっ!」

少年はハニーの腰を掴むと、そのままぐるっと捻った。
軽く悲鳴を上げて、美女は仰向けに転がされてしまう。
ハニーの美貌から、さあっと血の気が引いていく。

「だめ、直慶くん、ああっ……」

止めようとしたハニーの声よりも早く、少年の手が彼女の乳房に伸びてきた。
ドルメックに犯され、揉まれていた胸肉はすっかり汗をかき、ぬめっている。
直慶はその豊かなバストを両手でぎゅっと掴んだ。

「ふっ、ああっ……」

途端に流れ込んでくる快感に、ハニーはピクッと背を反らせた。
少年は、自分の手が沈み込んでしまうほどの大きな乳房をぐにぐにと揉み込んでいた。
その柔肉の感触は素晴らしく、催眠状態の少年ですら、恍惚とした表情になってくる。

「だめ、しないで……ああ、そんなことしちゃだめよ、直慶く、ああっ……」

まだ童貞の直慶にテクニックなどなかった。
目の前にある見事な乳房を、ただひたすら本能に従って揉むだけだ。
ドルメックのように、責めに強弱をつけて嬲ってくることはない。
ぎゅうぎゅうと強く揉んだ後、優しく乳首を舐められ、舌先で埋め込まれるように愛撫されると、
泣きたくなるような愉悦がわき起こり、ハニーは喘ぐしかなかった。

だが、少年にそんな性技はない。
なのにハニーは、直慶の愛撫に戸惑いを覚えていた。
慈しんでいた少年に愛撫されているという倒錯感とともに、妖しい被虐の炎がちらついてくる。
同時に、あまり考えないで揉まれているせいか、ハニーが思いも寄らぬところを責めてくる
ことがある。

あくまで柔らかく、それでいて肉の充実感たっぷりの乳房を盛んに揉み込み、形が変わるほどに
きつく絞り上げる。
無我夢中で揉んでいるうち、時折、指先が敏感な乳首に触れてくるのだ。
全体を強く揉まれる被虐の快感に加え、指が乳首を擦り、弾く時に起こる鋭い快感。
鋭敏な箇所を責められるたびに、ハニーは「ひっ」と喉を絞り、背中を反らせて喘いだ。
背中につぶされた手が、強い快感を覚えるたびにぎゅっと握りしめられる。
ハニーのおっぱいに酔いしれ、少年はその口を近づけた。

「くふぁっ……あ、そこはぁっ……ひっ……だめ、ああっ……」

直慶が歯で甘咬みし、吸い上げると、ハニーはつんざくような悲鳴を出す。
感じやすい突起を襲い来る少年の責めに、美女は胸を反らせて喘ぐしかなかった。
乳房と乳首を執拗に責め抜かれ、ハニーは激しく首を左右に振って身悶えていた。

「あっ……ううんっ……ひうっ……そこっ……だ、だめだったらあっ……」

抗っているのかよがっているのかわからない甘い声が、少年の耳に浸透していく。
ハニーの熱い喘ぎは、聞いているだけで射精してしまいそうな艶っぽさだった。
意識をコントロールされ、自我を失っているはずの直慶も、その媚声にほだされたのか、だん
だんと呼吸が荒くなっていく。
それを見てドルメックが言った。

「小僧、その女が欲しくなったか?」
「……」
「だめ、直慶くんっ」
「何をしてもいいのだぞ。おまえの好きなようにしてやるがいい」
「……」

微かに直慶がうなずいたように見えた。
すっかり力の抜けたハニーの両ひざを掴むと、少年は大きく脚を割った。
大きな目をいっぱいに開け、信じられないように直慶を見て、ハニーは叫んだ。

「だめっ!! だめよ、直慶くんっ! そ、そんなことしちゃ、ああ、だめえ!」

直慶の耳にはハニーの声もドルメックの声も入ってくるが、頭で理解できるのはコントロール
している魔王のものだけだ。
薄い繁みの中で息づいている薄紅色の秘肉は、直慶の目にも映っているはずだ。
ハニーの媚肉は、ドルメックに中途半端な状態にされたまま疼いている。
肉襞はひくつき、たっぷりの蜜を湛えていた。
そんなところを見られていると思うと、ハニーは気が狂いそうになった。

ハニーの股間をぱっくりを拡げ、少年が覆い被さろうとする。
その股間でビクビク動いているものを見て、ハニーは「ひっ」と喉を鳴らした。
直慶の、少年らしい体つきには見合わない逸物だ。
もちろんドルメックの巨根には比べるべくもないが、意外と立派な男根がハニーの媚肉を求めて
ひくついている。
その先端からは、あさましい肉の欲望を表すかのように、粘った透明な汁がだらだらと滴って
いた。

「ちょ、直慶くん……」

ハニーは息を飲んだ。
今まで、子供だ子供だと思っていた少年は、たくましいものを持ってハニーに迫っている。
悪夢だと思いたかった。

直慶は、美しい曲線を描く太腿を割り、その身体をハニーに被せる。
ドルメックなら、ここでいきなり挿入せず、媚肉や淫核を嬲り、さらにしつこく乳房を責めた
であろう。
少年は回り道せず直球勝負、というよりも、これしか知らないとばかりに結合を求めていた。
熱くたぎっているペニスが、憧れ続けていた美女の媚肉に押しつけられる。

「だ、だめぇぇっっ……!!」

ハニーの悲鳴が虚しく響き、少年の男根がそこを突き破った。
まるで吸い込まれるように中へ導かれたペニスは、奥へ奥へと膣道を割り入っていく。

「うっ、ああああっ……いやああ……だめっ……」

少年のものは、悩ましい匂いを放ち続ける肉の壷に少しずつ、だが確実に埋め込まれていった。
年齢にふさわしくないほどに笠を開いたカリが、ハニーの膣襞を擦りつけるように刺激する。
直慶が根元までぶち込むと、何とかその先がハニーのいちばん奥に掠った。

「ひぃっ……あ、ああ……ちょ、直慶くん、あっ……か、硬い……」

少年のペニスの硬さに、ハニーは目を剥いた。
ドルメックほどの大きさではないが、その硬さと熱さは恐ろしいほどだった。
これが肉だとはとても思えない。
まるで棒を突っ込まれているかのような感触だ。

「あっ……あっ、く……あうっ……くうっ……」

ハニーは不可思議な快感を感じつつあった。
ただ入れて突き上げるだけ。
同時に他の箇所を愛撫し、責めるなどという発想も余裕もない。
そんな幼く稚拙な性交ではあったが、それだけにどこを突かれてくるのか想像がつかない。
浅い深いの強弱もなく、ひたすら奥を目がけて突き込んでくる。

ただ、その肉棒はがちがちに硬直していたから、それで膣壁を突かれたりすると、お腹が破れ
そうな痛みが走る。
それでいて、ハニーが今まで経験のない箇所まで抉られることもあり、新たな快感スポットを
教えられ、喘がされることもあった。
少年らしい熱心さでズンズンと律動され、痛みと鋭い快感の狭間で、キューティーハニーは、
いつしかドロッとした肉悦を覚えつつあった。

「あああ……」

今度は直慶が唸りだした。
初めてのセックス、しかも名器中の名器に挿入したのだ。
もう暴発寸前のようである。
今は催眠コントロールされているからまだしも、これが正常で相手がハニーだと意識していれば、
入れただけで射精していたかも知れない。
少年は顔を真っ赤にして、ズコズコと本能に従って何度か腰を振ると、呆気なく終点に達した。

「ううっ……」
「ああ!」

その瞬間、ハニーも軽く達した。
まだその媚肉には物足りなかったろうが、ドルメックに見られながら、こともあろうに直慶に
犯されるという異常な状況で、倒錯した快楽がその裸体を染めた。

だが、少年はほとんど精液を出せていなかった。
あまりにも興奮し、ぎちぎちに勃起していた性器は、頂点に達してもまだその強張りがまるで
解けていなかったのだ。
膨らみきった亀頭部からは、ドロリとした粘液が少し零れ出たに過ぎなかった。
まだそのペニスはガチガチだ。
直慶は、まるでそれが当たり前のように、再び腰を送り出した。
ハニーが悲鳴を上げる。

「あ、ああっ!? 直慶くん、もう……ああ、いやあっ……」

少年は奥まで叩きつけるようにペニスをぶち込み、大きくグラインドを始めた。
ぶくりと膨れた亀頭部のあたりを、ハニーの膣内部の上の方を擦り上げる。
抜けそうになると、カリに引っかかってようやく内部に留まった。
そしてそのまま、かき回すようにぐるぐると腰を回転し始めた。

「あはあっ……ちょっ、けい、くんっ……うああっ……」

思わぬ刺激にハニーは大きく喘いだ。
まるで女を愉しませるようにテクニックを使い出したような気がした。
だが、実のところ直慶は自分の快楽のためにのみ動いている。
相手が誰だとか、ハニーに快感を与えようとか、そんな気持ちはない。
自我を眠らされ、本能のみで操られているのである。
ペニスをいっぱいに使って媚肉を抉り、カリでこすりつけるようにしてかき回しているのに、
すべて自分自身が気持ちいいからだ。

それでも、同時に女体にも大きな愉悦を与えていることに違いはない。
ハニーの裸身が弓なりに反り返り、汗に濡れる美貌には苦悶と見分けがつかぬ、悶えた表情を
晒していた。
肩が激しく動き、背中で縛り上げられた腕が盛んに蠢いているのは、犯す直慶を抱きしめた
かったからなのかも知れない。

そのうち直慶にもコツがつかめてきたのか、ハニーの腰が沈んだ時に腰を引き、浮いた時に
思い切り貫いた。
そうすることで前後のグラインドがさらに大きくなり、少年の性器と美女の性器により一層
の快感を発生させていた。

「ひっ……あっ……ああっ……ううんっ……ああ、あっ……くあっ……んああっ……」

少年の腰は少しも疲れを見せず、律動はさらに激しくなっていく。
直慶の目は相変わらず光がなかったが、表情には変化が見えだした。
口が半開きになり、口の端からよだれが垂れてきた。

「ああ……」

意識はないながら、ペニスに感じられる快感はどんどん少年の全身へ、そして脳へと流れていく。
もう身体が勝手にハニーを犯し続けていた。
もし、今意識が戻ったとしても、直慶はこの快楽から逃れられず、そのまま腰を振り続けたか
も知れない。

少年の若いピストンが激しくなるにつれて、ハニーはだんだんと息もつけなくなってくる。
バラバラにほぐれた赤い髪をたなびかせて、顔を何度も振りたくった。

「ああっ、も、もうっ……ああ、だめ直慶くん……も、もう、私、あああっ……」

キューティーハニーの表情から、恥辱や羞恥の色が消えていく。
自分を凌辱しているのが直慶であることも気にならず、ただひたすら肉悦を求め、愉悦に溺れ
ようとしていた。
ハニーの腰が少年の動きに重なってくる。
直慶が突きやすいように膝を曲げ、腰を沈めた。
熱くドロドロにとろけた媚肉に、硬いペニスが攪拌するように前後運動し、拡げるように回転
する。
そのたびに淫らな水音が響き、次々に蜜が零れていくが、それを恥ずかしいと感じる理性も失わ
れつつあった。

「あああ……い、あああ……い、いい……ああ……」

ハニーの膣襞は、激しく中を貫いてくる直慶の肉棒にぴったりと張り付き、それ以上動かさない
ように締めつけている。
しかし少年の腰はそんなものには負けず、へばりついた粘膜を引き剥がすように肉棒を操っていた。

「だ、だめっ……あ、ああ、もう来るっ……あ、ああっ……」

それまで口を挟まず、ハニーと少年の狂おしいセックスを眺めていたドルメックは、その言葉を
聞いて言った。

「ほう、キューティーハニーよ、きさま、この小僧に犯されて気をやるというのか」
「いっ、いやっ……ああっ、直慶くん、ひぃっ……も、もうだめよ、ああ……くうあっ」
「よし、そんなにいきたければいくがいい。しっかり見ていてやるからな」
「み、見ないで、ああっ……んむうっ、あ、もう、来る!」

ハニーは、直慶に突きまくられる膣の奥から、ピリピリするような何かが来そうになっているの
を、さっきから何度も押さえ込んでいた。
多分、これがオーガズムなのだろう。
ドルメックのいう「気をやる」ことに違いない。
そんな女の絶頂を、直慶に犯されて演じるわけにはいかなかった。
だが、ハニーの決意とは裏腹に、少年に責められる肉体はとろけきり、精神にも「楽になれ」と
ささやきかけてくる。
その決意自体も、直慶がひと突きするごとに打ち砕かれていく。

「ちょ、直慶くん、お願いっ、ああっ……こ、これ以上されたら、私……あああっ……」

ハニーの体内温度は上昇する一方だ。
肉体的に興奮し、精神的にも肉欲に流され、もはや制御不能になっている。
彼女の性感の高まりにつれて温度は上がり、冷却装置が効かなくなってくる。
直慶の肉棒をくわえこんでいる膣も、小刻みに痙攣し、盛んに収縮を繰り返していた。

「ああ……うう……」

少年は、ハニーの締めつけに耐えながら腰を振り続けた。
よだれを垂らしながらその快感を受け入れ、なおも肉棒を突き入れる。
射精を長引かせることで快楽が長続きするということを、肉体が知っているかのようだ。

「ああ、だめ……ほ、ホントにだめえ……ひっ、ひっ……ああっ」

ビクビクと全身を痙攣させ、甲高い嬌声を発し続けるハニーは、もう全身汗まみれだ。
ハニーの切羽詰まったような喘ぎ声を耳にして、少年も頂点が迫ったのか、ふたりの腰が砕ける
かと思うくらいに下半身をぶっつけ出した。
少し長さの足りなかった直慶のペニスも、そこまで押し込むとハニーの子宮にかするように当たる。

「あ、ああっ……だ、だめっ……あ、もう……い、いくうっ……」

その瞬間、ハニーは大きく背を反り返らせ、自由に動く脚は少年の脚に絡ませていた。
足の指がぐぐっと内側にかがまり、膣がきゅううっと締まって、ハニーは激しく絶頂に達した。

「う……ああっ……」

その収縮に耐えようもなく、直慶もガクガクと腰を小刻みに打ち込んで、たちまち射精した。
今度は、さっき出なかった分もまとめて出たようで、粘っこい精液が暴発するように何度も何度
も噴き上がった。
熱い男のエキスを胎内に撒き散らされ、ハニーはぐぐっと全身を強張らせて、また気をやった。

「うああっ、い、いく! ……で、出てる……直慶くんのが……あ、ああ、すごい……こ、こんな
にいっぱい……ああ、ま、まだ出てる……あうう……」

直慶が腰を震わせて射精している間、ハニーはとろけるような法悦の表情を浮かべ、熱く喘いで
いた。
少年が射精の発作で腰を振ると、ハニーもビクンと腰が震えている。

ようやく直慶がすべての精液を膣内に放ち終えると、ハニーは全身から力が抜け、くたりと床に
転がった。
まだ絶頂の余韻があるのか、時折、ビクン、ビクンと尻や腰が痙攣している。
やっと直慶が、愛しいハニーの媚肉から肉棒を抜き去ると、ハニーの膣と直慶の肉棒を、愛液と
精液の混じった淫液が繋いでいた。
よほど少年が注ぎ込んだ量が多かったのか、ペニスを抜いた膣口からは、とろりと白い粘液が
零れ出ている。

「ふん」

ドルメックは、正義の美女と人間の少年の無様な姿を見やると、くいと指を上げた。
さっきまでハニーを凌辱していた少年は、声もなくまた天井へと浮き上がっていく。
そして、まだ荒い呼吸をし、全身をほのかに染めているハニーを軽く蹴飛ばして言った。

「恥ずかしい女だな、きさま。あんな小僧に犯されて気をやったのか」
「……」
「それとも何か、俺が見ていたから興奮したわけか?」
「……」

ハニーは力なく顔を横に向けた。
何と言われても反論できない。
直慶に犯され、「いく」と言ってしまった。
言い訳のしようがない。

「しかし、あの小僧もきさまもかなり好き者だな。人前でよくもまあ、あれだけ……」
「言わないで!」
「……」
「わ、私はいいわ。でも直慶くんにひどいこと言わないで」

ハニーは顔を背けたまま言った。
ドルメックはニヤッとした。
ここで一方的にドルメックだけが喋ってハニーを言葉で辱めるのもいいが、適当にハニーに反論
させて、それを論破するように責める方が効率が良い。

「何を言うか。小僧は、おまえの身体を貪るように犯していたぞ。よほど執着していたのだろうな」
「……」

直慶は確かに催眠コントロールされてはいたが、それが自我を一時的に殺しただけで本能は生か
している。
つまり直慶に性欲がなければ、こうはならなかったはずなのだ。
とはいえ、性欲と無縁の男というのは99.9%いないし、思春期である少年に性への関心が
ないわけはない。
そして、直慶がハニーに特別な意識を持っていたのは確実だし、それはハニーにもわかっている。
だがその関心は、自分を性の欲望の対象として思っているわけではないと理解していたのだ。
ドルメックが、ハニーの心の隙間をこじ開けるように言う。

「あの直慶とかいう小僧、いつもおまえを見ていたのだろうな、いやらしい目で」
「……」
「おまえがシャワーを浴びたり、寝ているところを覗いていたかも知れんぞ」
「……違う……」
「違わないさ。きっとおまえの裸を見て、淫らな姿を想像してオナニーしていたに決まっている」
「い、言わないで!」

耳を塞ぎたかったが、腕は縛られている。
ハニーは血が出るほどに唇を噛みしめて、悪魔のささやきに耐えていた。

「きさまもきさまだ。あんなガキに犯されて気をやるとはな。そんなにああいうことが好きなのか?」
「……」
「相手は誰でもいいのだろう。小僧だろうが魔物だろうが」
「違う……違うわ……」
「なら、やっぱりあのガキがよかったのか? ちょうどよかったろう、小僧もおまえを見て普段
から欲情していたのだ。双方の願いが叶ったというところか。俺に感謝して欲しいくらいだな」
「だ……黙りなさい……」

ハニーの否定に力がなかった。

「放っておけば、おまえの方からあの小僧をベッドに誘ったかも知れんな」
「……」
「ロクに経験がないくせに、俺はともかく童貞のガキに犯されていくとはな。きさまは生まれつき
淫乱なのだ」
「……ち、違うわ……」
「獣人どもと戦っていて物足りなかっただろう? こんな弱い連中じゃダメだ、と」
「……」
「きさまはな、こうして俺たちに囚われ、辱めを受けることを望んでいたのだ。激しく凌辱され、
発狂するまで犯されることをな」
「違う、違うっ!!」

ハニーは激しく顔を振って叫んだ。
頬には悔し涙が流れている。

「おまえがどう言い繕おうと、小僧に犯されていったことは事実だ。忘れるなよ」
「……」
「まだこんなもので終わったと思うな。気が狂うまで犯してやるからな」
「……いやよ」
「人間の女なら、とても保たないくらいめちゃくちゃに犯してやる。だがおまえはアンドロイドだ、
どんなムリでも利くだろうな」

ドルメックはハニーの髪を掴んで顔を持ち上げた。

「だが、死のうなんて思うなよ。きさまが自殺でもしたら、小僧やジジイに後を追わせてやるからな」
「ああ……」

最後の望みも絶たれ、ハニーは悲しげに呻いた。
それでも、まだ敵に対する闘志は失っていない。
それどころか、ドルメックへの怒りは増す一方だ。

「……絶対に許さない……」

怒りの灼熱で燃え上がったハニーの瞳を見て、ドルメックは満足する。
それでいいのだ。
人間どもの邪心や欲望、そして怒りや悲しみこそ、魔界に通じる扉をこじ開けるためのパワーと
なる。
それに加え、正義の信望者であるところのキューティーハニーの、悪に対する怒りと憎しみ。
このふたつがあれば、邪神復活は遠くない。
ハニーの憎しみと怒り、そして悲しみをさらに引きずり出すため、ドルメックは新たな凌辱を加え
ようとしていた。




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