「やすらぎメンタルクリニック」は小さな治療院だが、評判は良かった。
患者は途切れることなく診療に訪れ、医師はろくに休む間もない。
午前中の診療は12時までとなっているが、それは受付の話であり、当然のこと
ながら診察自体はその時間は終えることはまずない。
午後1時近くまで患者の相手をすることはザラだし、午前中に診た患者のカルテを
まとめておかねばならない。
その後も午後からの予約クランケのためにカルテをチェックしておく必要がある。
午後の診察は2時半からだが、医師の実質的な休憩時間は30分もないのが実情で
ある。
昼食も、店屋物や看護婦に買いに行かせたコンビニやスーパーの弁当やパンを10
分ほどでかっこむように食べるのが関の山なのだ。
看護婦たちはしっかり休ませなければならないから、その分、彼に負担がかかると
いうわけだ。
場所もメインの通りから外れているし、派手な広告を打つこともない。
評判を聞きつけたマスコミが何度か取材に訪れていたのだが、それらはすべて謝絶
していた。
にも関わらずこの病院は「知る人ぞ知る」著名な診療所となっていたのだった。
これは、とにもかくにもひとりしかいない医師──つまり院長──の評判がよかっ
たからに他ならない。
レスリー・リャン医師は、極めて人当たりが良く庶民的で、誰にでも愛想が良かった。
年齢は30台半ばくらいだと思われるが、独身のようである。
その点が女性患者を惹きつけているのかも知れない。
身長はやや低めだが、ルックスも良かったのだ。
イケメンというよりは童顔であり、つぶらな瞳で微笑まれると、女性患者がぼうっと
なってしまうこともあった。
時折鋭い視線を見せることもあったが、医師である以上、それも当然だったろう。
物腰が柔らかく、とにかく紳士的だった。
もちろん医師としての腕も確かなものだった。
これで評判にならない方がおかしい。
結果として、宣伝しているわけでもないのに、人伝、口コミで評判が広まり、こう
して千客万来となっている。
友人や銀行などがやってきて、これだけ繁盛しているのなら、規模を拡大しては
どうかと勧めるのだが、それもレスリーは断った。
自分としては他の医師を雇うつもりはない。
すべての患者を自分で診て、把握したい。
それにはあまりに大きな病院では目が行き届かなくなる。
このくらいの大きさの診療所が自分にはちょうど良いということらしい。
これがまた「欲がない」「患者本位だ」と評判になって、相乗効果でますます患者が
増えるような状況になっている。
この日も、最後の患者がまだ診察室に残っている。
時刻は20時を回っていた。ここでは、受付が18時30分までで診療は19時まで
であるが、こうして時間をオーバーすることは日常茶飯事だった。
それでいてレスリーは決して嫌な顔をしたり、めんどくさがったりもしなかった。
あくまで笑顔を絶やさず、患者本位に治療し、カウンセリングしていた。
「だいぶよくなったね、貴美子ちゃん」
「はい」
レスリーはニコニコしながら、目の前の女子中学生のカルテを書いていた。
彼女は、失恋を原因とした過度の拒食症に陥り、母親を伴ってここを訪れるように
なっていた。
最初は母親と一緒でも来るのを嫌がっていたのに、半年たった今では自分からひとり
で通うまでに回復している。
学校へも二週間前から登校し始めたらしい。
レスリーは笑顔を浮かべて貴美子を見た。
「うん、やっぱり貴美子ちゃんはそれくらいの方がいいよ」
「そうですか? でも、ちょっと太りすぎじゃないですか? 最近、ご飯がおいしくて
つい食べ過ぎちゃって……。これって過食症だったりして」
それを聞いてレスリーはおかしそうに笑った。
「そんなことないよ。育ち盛りなんだから、今の時期にたくさん食べるのは当たり前さ」
「でも、なんかぷくぷく余計なお肉がついてきてるみたいで……」
「どこにさ。大体、男より女の方が脂肪が多くて当たり前だし、二次性徴期なんだから
それが普通でしょ」
「そうかなあ……」
「そうだよ。だいたい、貴美子ちゃん、今、体重どれくらい?」
「え? その……、44キロ、かな。あ、身長は158です」
「それのどこが太りすぎなんですか。本当に肥満した人から怒られますよ、そんな
こと言ったら」
そう言うと貴美子も「あはは」と笑ってくれた。
この屈託のない笑顔を取り戻すまでに、この娘は半年近くもかかったのだ。
それを思うと、レスリーも満足感に満ちてくる。
「あなたの身長から考えれば50キロあっても全然不思議じゃありません。もっと
食べて、そして運動してください。若いうちに思い切り身体を動かしておかないと、
年を取ってから後悔するよ」
「先生もそうなんですか」
「あ、こら、僕は年寄りじゃないぞ」
冗談にも気軽に応えてくれるレスリーに、貴美子は楽しそうに笑っていた。
もうこの娘は心配ないだろう。
「……よし。じゃあこれで貴美子ちゃんはおしまいだ」
「え……」
「治療完了。もう通院しないでいいよ、きみは完治した」
「……」
貴美子のすっと表情が暗くなったので、心配そうにレスリーが覗き込む。
「どうしたの? 治ったのに嬉しくないの?」
「先生にはもう会えないのかなって……」
「……」
いつもこうなのだ。
思春期の女の子の治療をすると、貴美子のような反応を示されることが多い。
基本的に人が良く、フェミニストであるレスリーは女性受けが良い。
こうした恋愛感情──というか、擬似恋愛感情を持たれることも多かった。
中にはいい歳をしたおとなの女性でも、露骨な色目を使ってくる人もいるくらいだ。
レスリーも聖人君子や朴念仁ではないから、そうした誘惑に絶対乗らないという
わけではないが、何にでも食いつくほどに彼は女に困ってはいない。
その気になれば、そういう相手がいないわけでもないのだ。
ただ彼はそれなりに美食家であり、そうそう食指は動かない。
まして相手が患者であれば余計である。
どこからおかしな評判が立たないとも限らない。
彼がその気になった希有な例が、佐藤美和子であり、毛利蘭だったのだ。
「そんな顔しないで」
レスリーはあくまで笑顔を崩さずに言った。
「貴美子ちゃんの診療は終わったけど、別にここへ来ちゃいけないってわけじゃ
ないよ」
「……」
「また少し調子が悪くなってきたら……、いいや、何かあったら気軽にいつでも
来ればいいさ」
「……具合が悪くなきゃ来ちゃいけないんですか」
「そんなことはないけど」
レスリーは苦笑した。
「ま、毎日来られると僕も患者さんがいるから困っちゃうけど、前もって電話して
くれればいつでも来ていいよ」
「ホントですか?」
「ああ本当さ。だから今日はもう帰りなさい。さすがにお家の方でも心配してるよ」
「はい」
貴美子はすっと立ち上がり、鞄を持つと、ぴょこんとレスリーに頭を下げて「お世話
になりました」と挨拶した。
すらりとした彼女の後ろ姿を見ながら、レスリーは「悪くないな」と思っていた。
蘭や美和子ほどの器ではないが、あと4〜5年たてばけっこうものになるかも知れ
ない。
将来的には有望だ。
だとするなら、今のうちに「唾をつけておく」のも悪くない。
だが、今の彼女の様子なら、こちらから動かずとも向こうから勝手に掛かってくれ
そうだ。
だがまだ慌てることはない。
あくまで将来的なものだ。
レスリーは貴美子のカルテの隅に、小さくチェックマークを入れた。
そして貴美子がちらちらとこちらを見ながら帰宅していくのを確認すると、隣の
部屋に声を掛けた。
「蘭、もういいよ。こっちに来なさい」
「……はい」
ドアが開き、隣の部屋から毛利蘭が入室してきた。
その表情は虚ろで、既に催眠状態に入っているらしい。
いつもの溌剌とした健康的な笑顔ではなく、彼女らしからぬぼんやりしたような
美貌だ。
どことなく気怠げでアンニュイさがある。
瞳に力はないが、どことなく扇情的であった。
レスリーは貴美子のカルテをまとめながら、蘭の方を見もせずに命令した。
「さ、服を脱ぎなさい。そしてそこに横たわるんだ」
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看護婦も帰宅した診察室は、むっとするような濃厚な性臭が漂っていた。
若い女特有の、少し酸味の混じった薄甘いような香りが立ちこめている。
蘭は今、診察台に腰掛けたレスリーの腿の上に跨り、盛んに腰を擦りつけていた。
もちろん医師はスラックスを下ろして下半身が剥き出しであり、隆々とした男根が
少女の淡い陰毛をかき分けつつ、その媚肉を貫いていた。
「あっ、あうう……いいっ……、先生、いいっ……!」
自分から腰を使い、尻を持ち上げ、また落としている蘭は、吹きこぼれる嬌声を
堪えようともせず、セックスの悦楽を満喫していた。
明らかに催眠状態である。
精神的にズタボロだった蘭は、レスリーの操る術に苦もなく取り込まれ、その若い
肉体を提供しているのだった。
また、そうされることで彼女自身も性的欲求不満も解消され、焦燥した思いからも
解放されている。
日本とアメリカで受けた凄惨な調教により、すっかり成熟してしまった蘭の性は、
繰り返し濃厚なセックスを受けないと満足しきれなくなっていた。
新一もおらず(いてもどうにもならなかったであろうが)、我慢できずにオナニー
で慰めるだけでは収まらない肉体を持て余し、佐藤美和子刑事に相談してから早一ヶ月。
レスリーの診療所で「治療」を施され、彼女の「症状」は安定に向かっていた。
それと同時に、セックスに対する依存度は知らず知らずのうちに高まり、定期的に
レスリーの責めを受けねばならなくなっていた。
まるで薬物中毒のようなもので、抱かれれば欲望は一端かき消えるのだが、また
しばらくすると悶々としてくる。
そしてまた病院へ行き、医師に抱かれ、何度も気をやらされてようやく身も心も
リラックスできた。
問題なのはそのインターナルが短くなってきていることだ。
このままでは、遠からずセックス依存症の症状を呈してくることは間違いない。
レスリーはそのことを懸念しつつも、蘭の肉体の魅力に抗えず、なし崩し的に犯し
続けていた。
これでは治療しているのか、悪化させているのかわからない。
レスリーも蘭を本当に精神病に追い込んだり、ニンフォマニアにするつもりは
なかった。
健康体に戻しつつ、いつのまにか彼の手の内から離れられない状態にすることこそ、
彼の目的だったのだ。
だが、この調子では、そのうち診療の合間に我慢出来なくなった蘭が、他の男に
身を任せるようになってしまう危険性もある。
予想外だったのは、蘭の肉体が想像以上に鋭敏で、性的に極めて感受性が良かった
ことだ。
どんなプレイを教え込んでも、貪欲にその肉体は対応し、順応してくる。
それでいて恥じらいも忘れない。
ある意味、理想的な女体ではあったが、肉欲が理性を追い越してしまう可能性もない
ではない。
また、レスリー自身も蘭の身体の虜となり、のめり込んでしまうかも知れなかった。
そうなる前に「組織」へ引き渡さねば、蘭はもちろんレスリーの身も危なくなって
しまう。
どうするべきか……。
考えている最中にも、蘭は彼の膝の上で腰をうねらせている。
「ああっ、先生……先生っ……!」
レスリーは、蘭に従属願望があることを発見し、最初は「ご主人さま」と呼ばせて
いたが、どうもしっくり来なかったので、普通に「先生」と呼ばせるようにした。
平時の蘭とのギャップが少ない方が興奮するし、自分自身「ご主人さま」と呼ばれる
ような器ではないと思ったからだ。
とろけそうな表情で喘いでいる蘭を見ながら、その膣奥を突き上げてやる。
今では最も感じるところとなった子宮口を押し上げるように抉られると、蘭は恥ずか
しげもなくよがり、嬌声を上げた。
「ひっ、そこっ……! あ、いいっ……くっ、気持ちいいっ……ああっ……」
「蘭、ずいぶんと派手によがるようになりましたね。初めてここへ来た時のことを
思い出すと想像もつかないぞ」
「あ、あうう、言わないで先生……あっ……」
「事実でしょう」
「で、でもそれは、ああっ、せ、先生があたしを……」
「ほう、僕のせいだと言うのかい。では、もうやめようか」
「そ、そんなっ……!」
こんなところまで追い込んでおきながら、今さらやめられてはたまらなかった。
突然動きが止まったレスリーに驚き、それならと自分から腰を上下させようとした
ものの、その尻を彼にがっしりと両手で押さえ込まれてしまった。
膣内にペニスはあるのだが、思うように動けない。
動いてくれない。
それならいっそのこと抜かれてしまった方がいいのだが、男根は中にそのまま残って
いる。
じりじりととろ火で炙られ続けるような焦燥感に、蘭は半泣きになって哀願した。
「ああ先生、お願いです……」
「……」
「このままじゃ、あたし……ああ……」
もぞもぞと焦れったそうに腰を捩り、動かそうとする蘭の臀部を抱え込んだまま、
レスリーはその耳元に囁いた。
「……どうして欲しいんですか」
「う……動いて……ください……」
「なぜです? 蘭は僕に無理矢理犯されたからこんな身体にされたのでしょう?
それなら僕がやめれば君は元に戻れる。違いますか」
蘭はなよなよと首を振った。
「先生……意地悪です……」
「……」
「あ……たしが……」
「……」
「あたしが……いやらしいから、です……」
「君がこんなに乱れるのは、セックスが好きだからだと言うんだね? もともと
蘭自身がエッチな娘だったと」
「そう……です……」
レスリーの言いなりになって答えながらも、蘭は腰をもぞつかせている。
相変わらず言葉による羞恥責めには弱いようだ。
恥辱的に肉体を責めても感じるが、賢いせいか、こうやって言葉で嬲ってやった方
が、より鋭敏に反応する。
恥ずかしい言葉で虐められ、屈辱の言葉を吐くたびに、蘭の膣はひくひくと切なげに
くわえ込んだ肉棒を締め付けていた。
じくじくと愛液が滲み、今ではもうふたりの腿はべたべたになっている。
「先生……お願い……」
「わかった。じゃあ、ちゃんと言いたまえ」
「あ、はい……」
蘭は少しだけ火照った顔を伏せ、すぐにまた医師の顔を見つめて恥ずかしい台詞を
口にした。
「動いて……ください……」
「なぜだね」
「あたしがエッチだから……欲しいんです、先生のが……」
「よし、最初からちゃんと言うんだ」
「……う、動いてください……ずんずん突き上げて……。セ、セックスの好きな
あたしを……満足させて、ください……ああ……」
「よく言えたね」
「ああ……は、恥ずかしい……恥ずかしいです……」
「それでいい。君はそれくらいの方が可愛いよ」
「先生……」
「キスしてくれるかい?」
「わ……かり、ました……」
蘭は目を軽く閉じ、医師に顔を近づけてその唇を重ねていった。
「ん……んむ……ちゅっ……」
蘭はごく自然に腕を伸ばし、レスリーの背中を抱いていた。
はち切れそうな若い乳房が、男のたくましい胸板で柔らかく潰れている。
レスリーも両手で蘭の顔を持ち、その唇に吸い付いている。
熱烈な接吻で、傍目には夫婦か恋人同士にしか見えなかった。
「んっ、んむっ……むむ……じゅっ……じゅぶっ……んっ、んむ、ちゅっ……ちゅる
っ……」
薄く開けた唇を割って、医師の舌が侵入してくる。
蘭はこの瞬間が好きだった。
何だか口の中を強引に犯されているような気がするのだ。
閉じた歯をこじ開けられ、遠慮無く咥内を蹂躙する男の舌が感じられる。
上顎の舌をこそがれたり、舌の付け根付近をまさぐられたりすると、それだけで
子宮がジーンと痺れ、甘い呻き声が漏れてしまうのだった。
「ん……んん……んっ、んっ……んっ、ちゅ……むむう……」
蘭はレスリーの背中を両手で撫で回し、レスリーは蘭の顔を傾けてなるべく深くまで
舌を入れて激しいキスを展開している。
蘭は「んんっ」と呻いて顔をしかめたり、ぼうっとしたようなとろけた表情を浮か
べたり、自分から積極的に吸い付いていったりして、レスリーのキスに応えていた。
舌を根元から抜き取られるほどに強く吸われ、口中の唾液を吸い取られると頭が
痺れるような快感が貫いた。
レスリーの口から流れ込んでくる唾液は、喉を鳴らして飲み下していた。
レスリーの胸に押しつけられている乳首はこりこりに硬くなり、乳房を回転させる
ように動かすと、甘い痺れを伴った鋭い快感が蘭を恍惚とさせる。
「ん……んん……んんう……ぷあっ……はあ、はあ、はあ、はあ……」
長い長いキスを終え、ようやく口を離すと、ふたりの唇は淫らな唾液が糸を引いて
つながっていた。
濃厚なキスで呼吸すらままならない蘭に、レスリーは聞いた。
「よさそうな顔をしているよ、蘭。そんなにキスが好きなのかい?」
「ああ、はい……。キス、好きです……先生のキス、好き……、は、激しくて、
それだけでいっちゃいそうです……」
「可愛いよ、蘭」
「ああ、先生……、あむっ……」
また美少女の唇を奪うと、今度は蘭の方から舌を差し入れてきた。
その舌を強く吸い上げて蘭を軽く呻かせると、すぐに口を離した。
蘭は「もっとして」とばかりに顔を寄せてきたが、レスリーはそれを軽く受け流して
彼女の身体を揺すり上げた。
「ああっ!」
再び襲ってきた快感に、少女は仰け反って喘いだ。
「ご褒美だ。好きなだけいくといい」
「先生、ああっ……!」
膝の上に乗った蘭の臀部を両手で掴み、ぐいぐいと揺すってやると、刺激を求めて
うねっていた蘭の肉体はたちまち反応し、媚肉がきゅっと収縮する。
だんだんと動きを大きく大胆にして、深く浅く媚肉を突き込んでいく。
「ああっ、いいっ……ひっ……いいっ……ああ、もっと……ああ、そうですっ……
いいっ……」
責めが中断される前によりもさらに激しく悶え、喘ぎながら、蘭は媚声を放って
いた。
細い腰を掴んでぐいっと持ち上げ、カリに引っかかるところまで引き抜こうとする
と、膣が慌てて襞を動員して抜かれようとするペニスに絡みつく。
その結果、どろどろの蜜にまみれた内壁までがはみ出てくる。
今度は蘭の腰を思い切り腿に叩きつけるようにして根元までぶち込むと、襞が巻き
込まれて肉棒と一緒にずるずると膣内に収まっていく。
「ああっ、いいっ、いいっ……くうっ……」
蘭は両手を軽くレスリーの背に巻き付けている。
あまりに強く抱きしめると、男が動きにくいらしいとわかったようだ。
腰を持ち上げられると、協力するように力を抜き、尻たぶが潰れるまで腿に打ち付け
られると、ぐりぐりと尻をレスリーの腰に押しつけていった。
すっかり男の動きに合わせることを覚え、貪るようにペニスを食い締めていく。
もう、このまま普通に責められてもいってしまいそうだったが、医師は蘭の腰を抱いて
いた手の片方を、尻の狭間に突っ込んでいく。
美少女は慌てたように、腰を振るわせ、捩った。
「ひゃっ!? あ、先生っ、そこだめっ……ああっ、お尻はやあっ……!」
「いや? いやなのかい?」
「ああ……、い、いやじゃないです……」
「そうだろう? 蘭はここだって……お尻の穴だって感じるんだろう?」
「ああ……は、はい……」
「それならどうして「いや」なんて言った?」
「だって……は、恥ずかしい……です……」
「そうだ。その恥じらいを忘れないようにね」
「あっ、ああっ……!」
敏感になっているアヌスを指を這わされ、ゆるゆると揉みほぐされると、蘭は腰と顔を
振り立てて悲鳴を上げた。
「あ、あっ……お尻っ……先生、そこはぁっ……あああ……」
必死に窄めたところを揉みほぐされる感覚がたまらない。
思わず腰から力が抜けてしまいそうになる。
指の腹を押しつけられ、アヌスを中心に円を描くように擦られていくと、蘭は熱い
喘ぎを漏らしつつ、焦れったそうに腰をうねらせていく。
肛門がひくひくしてきたのと同時に、医師の指が肛門の中にぐっと潜り込んできた。
「ひっ!」
蘭はがくんと首を仰け反らせて呻いた。
知らず知らずのうちに腰を押しつけ、尻をレスリーの手に突き出すような姿勢になっ
ている。
胸を反らせて、尖った乳首を自分から男の胸板で擦るようにしていた。
反射的にぐっと腰に力が入り、レスリーの指に強い締め付けを与えていた。
しかしその収縮とて彼の指の侵入を拒むようなものではなく、少し入ってきた指先を
捉え、離さないかのような締め付けだった。
「あ、中に……先生のがお尻の中に、ああ……」
指先を鈎のように曲げられ、腸壁を軽くひっかくように擦られると、蘭は腰を踏ん
張って喘いだ。
指が根元まで沈み込んで、粘膜一枚で隔てている前に入ったペニスと擦り合わせて
やると、蘭は激しくよがって腰を跳ね上げていく。
「いいいっ……あ、あうっ、お尻がいいっ……」
すっかり指に馴染んだアヌスに、二本目の指が挿入されていく。
難なくするりとそれを飲み込んだ肛門は、いびつに広がりながらもそれをくわえ込み、
締め付けていった。
「お尻じゃない。お尻の穴がいい、だろう」
「ああっ……、お、お尻の、ああっ……お尻の穴が、いいっ……いいですっ……」
もう完全にレスリーの術中に嵌り、羞恥の言葉を投げつけられ、またそれに応えなが
ら、蘭は性の深淵へと沈んでいく自分を感じていた。
「あ、あっ……もう……もうっ……!」
「もういきそうなのか」
蘭は言葉もなくガクガクと何度も頷いた。
アナルと媚肉の同時攻撃に加え、乳首は自分で男の胸板で擦るという自慰まがいの
行為までして、三箇所の性感帯が燃え上がっている。
いびられるアヌスは柔らかくとろけ、僅かに緩んではまたきゅっと窄まるような動き
を示している。
その動きは、前で男根を食い締めている媚肉と連動し、男を揺さぶっているかのよう
だった。
「お尻が……お尻の穴が気持ちいいっ……ああっ……」
「いいのはお尻だけか? オマンコはどうだ?」
「オ、オマンコもいいっ……ひっ……」
「それは僕のチンポが入っているからだね?」
「そ、そうです、あうう……先生のチンポが……おっきいチンポが、お、奥まで届い
て、ああ……」
「それで?」
「あたしの、ああ、オマンコを抉って、ます……あっ……」
「もう一度「オマンコいい」と言いなさい」
「オマンコ、いいっ……」
「セックス大好き」
「セックス……好きっ……セックス大好きぃっ……いいっ……」
「よし」
レスリーは満足げに頷くと、蘭の口を吸った。
「うんっ……あうむ……んっ……んっ……」
「いきたいですか、蘭?」
「い、いきたい……いかせてください……あ、ああ……」
「中に出していいんだね? 蘭のオマンコの中に」
「いいです……オマンコにして……オマンコに出して……」
「何度も言うが、そんなことをしたら孕んでしまうぞ。それでもいいのか?」
「いい……に、妊娠しても、いい……だから、ああ……先生の精液……」
蘭は切なげにそうつぶやき、何度もガクガクと首を縦に振って中出しをせがんだ。
それを聞いたレスリーは、蘭の腰を抱え込むと激しく突き込んできた。
出来るだけ深くまで抉り込み、子宮口をごりごりと削るように擦り上げる。
尻を抱えた手は、狭間に指を伸ばしてアヌスを貫き、ぐりぐりと捻るように回転させ
ていく。
太いもので激しく膣口を擦られ、指で肛門粘膜が巻き込まれるほどに抉られて、蘭は
絶叫するかのように喘いだ。
「ひっ、ひっ……! 先生、激しっ……激しすぎますっ……ひっ、だめっ……ああ、
もういくっ……!」
「いけ! 蘭、いくんだ!」
「あひぃっ……! い、いくっ……またいくっ……いっ、いきますっっ!!」
レスリーの男根の先が子宮口をこじ開けるようにめり込んでくると、蘭は背骨を大きく
弓なりに反り返らせて激しく気をやった。
両腕は医師にしがみつくように抱きつき、両脚は彼の腰に巻き付かせて足首を絡ませ、
ぎゅっと締め上げていた。
その脚の指がぐぐっと内側に屈まっている。
ぶるるっと尻を中心に大きく全身を痙攣させ、その絶頂の激しさを物語っていた。
「くっ……!」
ペニスが食いちぎられるかと思うほどの強烈な締め付けを感じ、レスリーも射精した。
びゅびゅうっっ、びゅるびゅるっ。
どぶっ、どぶどびゅうっ。
びゅるるっ。
びゅくっ、びゅくっ。
射精の発作のたびに、レスリーは蘭の尻を抱え、強く自分の腰に押しつけて、なるべく
深いところで射精することを意識した。
精液を絞り取るかのような襞の収縮を受け、医師はなおも蘭と腰を密着させ、一気に
己の欲望を美少女の子宮に吐き出していた。
どびゅっ、どびゅっ。
びゅっ。
びゅっ、びゅるっ。
たっぷりの精の飛沫を胎内に浴びて、蘭はおののくように痙攣していた。
「あ、ああ、すごい……こんなにたくさん……すごい量です……ああ、まだ出てます
……」
ぴゅるっと精液が放たれ、それが子宮口に引っかけられると、蘭はそのたびにぶるるっ
と小さく震え、絶頂へ昇り詰めていた。
最後の発作が終わると、蘭は糸の切れたマリオネットのように力が抜け、そのまま
どさりと仰向けに倒れ込んだ。
医師は、横たわった蘭の腹部──たっぷりと彼の精液を吸い取った子宮の辺り──を
撫でながら聞いた。
「どうですか、蘭。満足しましたか」
「は、はい……。満足……しました……」
「思いっきり気をやって満足したのか、それともたっぷり出されて満足したのか?」
「りょ、両方……」
蘭は喘ぎ喘ぎ答えた。
「思いっきり……気をやって……満足しました……。たくさん出してもらって……
満足しました……」
「こんなに出されたら妊娠するぞ」
「ああ……。本当に妊娠しそうです……。ま、まだお腹が熱い……。溢れそうなくらい
いっぱい出されて……ああ……」
「そうか。では確実に妊娠させるために、もう一回犯してあげよう」
「ああ、許して……、先生、もうあたし、疲れてしまって……」
「いつもそんなこと言ってるが、入れられてしまえばすぐによがるだろう。大丈夫
だよ」
「そんな……、あっ、ああっ!」
医師は仰向けに寝転んだ蘭にのしかかり、もう勃起しかけていた肉棒を再びその膣へ
と挿入していった。
くたくたになっていたはずなのに、蘭はすぐに反応し、両手で医師の背を抱き、太腿
を彼の腰に絡めていくのだった。
────────────────────
ほどほどにしなくては、と思いつつも、レスリーは蘭を犯すのをやめられなかった。
犯せば犯すほどに妖しく輝き、女体の魅力が際立ってくる美少女の肉を存分に貪って
しまった。
蘭が失神するまで凌辱し、最後の射精を終えると、しっかりと膣洗浄をしておいた。
この類い希な美少女を孕ませて、完全に自分のものにしたいという欲望はあるのだが、
そうするにしてもボスの許可は必要だ。
蘭が有用と見て、組織が使う可能性もあるのだ。
まさか孕み女を差し出すわけにもいかない。
蘭には散々妊娠の恐怖を感じさせているが、それはあくまでプレイの一環であり、
孕ませられるかも知れない、でも膣内射精されたいという倒錯した欲望を植え込む
ためにしているものなのだ。
今後、この少女をどうするべきか考えつつ、医師は完璧に事後避妊を処置した。
時間はかかったが、それでも21時には終わらせ、自分のクルマで蘭の自宅まで送って
やった。
あまりに遅くなっては家族に心配をかけてしまう。
蘭は一応、部の懇親会があるので遅くなるかも知れないと告げておいたようだが、
それでも健全な女子高生の帰宅時間としては夜9時というのは遅いだろう。
レスリーに送ってもらい、蘭の方はすっかり恐縮していた。
セックスしたことは憶えていないが、若いとはいえ濃厚なプレイを何度もこなしたと
いうことで、身体の方はやはり疲れているらしく、その美貌には疲労の色がこびり
ついていた。
それでもクルマから降りると、元気よくレスリーに挨拶し、自宅へと戻っていった。
その後ろ姿を見送りながら、レスリーは考えていた。
蘭のことではない。佐藤美和子のことだった。
レスリーは蘭も気に入っていたが、実のところ美和子にゾッコンだった。
きりっとした美貌と物腰。
実際に仕事もかなり有能らしい。
レスリーは、ただ美人なだけ、スタイルが良いだけの女には、さほど関心はない。
綺麗なだけでなく、仕事も出来るような、二物も三物も天から与えられたような女を
籠絡するのが好きなのだ。
その意味で、蘭も美和子も見事に彼の趣味に合致している。
青い果実が今にも熟れていくような蘭の若い魅力もよかったが、どちらかと言えば、
美和子のように成熟しきった女体の方がお気に入りだ。
そこで、まずは美和子を何とかする気になっていた。
そうでなくとも、蘭の方は極めて順調にレスリーの虜となりつつあり、今度折を
見て、催眠なしで抱くことも検討している。
一方の美和子は、さすがに成人女性だし、刑事だということもあって、彼もあまり
無茶はしていない。
催眠にかけた上でのレイプは好き放題にしているが、平時では強引なことは何一つ
していなかった。
だからこそ、蘭はもちろん美和子もレスリーを信用しきっていたのだった。
蘭がここまで進捗している以上、美和子の方も一歩進めたかった。
蘭もそうだが、美和子も恥辱や屈辱を味わわせた羞恥責めがよく効いた。
気丈な面が強いだけに、裏では余計にそうした傾向があるのだろう。
特に蘭は、強い男に対する従属願望があった。
それを利用することで、あの美少女はレスリーの支配下になりつつある。
美和子には今のところそうした弱点とおぼしき性癖は見つかっていないが、恐らくは
似たようなものがあるはずだ。
虐められると燃えるという被虐性はある。
M属性なのも同じだ。
他に何か、精神的に責めるポイントが欲しいところだった。
「……そう言えば恋人がいると言ったな……」
同僚の刑事で、最近つき合いだした男がいるとか言っていた。
それを利用してはどうだろうか。
世には「寝取られ」属性というのがあるらしい。
男の側が、自分の妻や恋人、あるいは母や姉といった大事な女性を、他の男に寝取ら
れる屈辱をフェチズムとして感じているらしい。
レスリーはそれを聞いて、それは女性の側にもあるのではないかと思っていた。
つまり、夫や恋人がいるというのに凌辱される、あるいは理由があって仕方なく身体
を許すという背徳感に興奮するタイプだ。
他の男に抱かれながら、いけないと思いつつも、つい夫や恋人とその男を比較して
しまい、異様に燃え上がる。
そういった、いわば「寝取られ」願望は当の女性にもあっておかしくはない。
美和子もそうではないだろうか。
恋人とレスリーのテクニックや男根のサイズを比較させたり、またセックスを見せ
つけることで羞恥を煽ってやる。
そうすることで、美和子は一気に崩れないだろうか。
「やってみる価値はある」と、医師は思っていた。
おもむろに携帯電話を取り出すと、アドレスから美和子の番号を探し出し、呼び出し
ていた。
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