リツコは複雑な気持ちでエレベータに乗っている。

二日続けての徹夜作業の後、軽く仮眠をとっただけである。
疲労の色の濃かったマヤは先に帰していた。
ようやくデータのチェックとシミュレーションに一区切りをつけ、帰宅しようと
したときシンジに捕まった。

いきなり部屋を訪れた少年は、中をざっと見回してから、彼女をじっと見つめて
いた。
爬虫類を思わせる、冷たい熱を感じさせる視線だった。

血の気が失せ、立ちすくむリツコ。
今の今までシンジをチェックしていたということが後ろめたく思われたのだろう。
シンジにそのことがバレているはずもないのだが、何もかもお見通しのような顔で
こちらを見ている彼が怖ろしかった。

しかし少年はその場では何もせず、彼女に対し、マヤのマンションへ来るように
言った。
それだけ言うと、少年は無言で部屋を去った。
リツコがシンジに追いすがったが、少年はとりつく島もなく振り切って外に出た。

彼女は、マンションへ行く道すがら、何度すっぽかそうと思ったか知れない。
体力の限界を超えてまで凌辱してくるシンジ。
その少年のペニス、性技に溺れさせられ、自分の肉体が彼の責めに順応していくのが
たまらない。
女としての、おとなとしてのプライドをズタズタにされ、それでもなお肌が少年の
愛撫を望んでしまう。
こんなことが続けば一体どうなるのか。

しかも、今日はよりによってマヤの部屋で犯されることになるのだ。
忌まわしい記憶が甦る。
シンジが最初にマヤを襲ったのがそこなのだ。
リツコも同席させられた。

今度はリツコがマヤの目の前で犯されるのだろうか。
後輩の前で少年に何度も犯され、よがり喘いで絶頂を極めるところまで見られるのか。

だが、もしリツコがそこへ行かなかったらどうなるか。
代わりにマヤがイヤというほどいたぶられ、嬲られることは目に見えている。
我が身可愛さでそんなことは出来ない。
まだ性経験の少ないマヤに、これ以上シンジの鬼のような責めを受けさせるわけには
いかなかった。

─────────────────────────────────

「ああ! う、うあ……だめぇ……ああ、あ……あは……」

シンジが後背位でマヤを責めている。
言うまでもなく、貫いているのは肛門だ。

シンジは慌てることなく、ゆっくりと腰を揺すっている。
そのたびに、マヤの綺麗に伸びた背筋がさらに伸び上がっていく。

いやでたまらないのに、少年の責めに応え、肛門括約筋はきゅっと締まる。
シンジは大きく腰を動かし、長大な肉棒をめいっぱい使って長いストロークを送って
いた。
浅く引き抜かれた時は、カリがアヌスを限界まで拡げ、奥へ進んでいけば太い部分が
直腸粘膜を端から端まで拡げていく。

とてもじっとしておられず、腰を揺すり、全身を震わせた。
マヤの、着やせする見事なバストもふるふると揺れている。
その若々しい胸の隆起に手を伸ばし、少年は鷲掴みにする。
力任せにこね回しても、その指をはじき返すほどの弾力を持っていた。
なのにマヤは、そこからもどうしようもない快楽を感じ取ってしまうのだった。

「あう! つ、強い……」
「強く揉まれるの、好きなんでしょう?」
「い、いやああ……あうう……あっ……くぅぅ……」

汗でぬめる乳房を揉み、乳首を摘まれると、どうしても喘いでしまうのを止められ
なかった。

「あっ……あああっ……」

マヤの腰がぶるるっと一際大きく痙攣する。
シンジのペニスを締めつけるアヌスも、きゅううっと締まる間隔が短くなってきた。
彼女の呼気も荒く不規則になっている。

そろそろいきたいのかも知れない。
それを察知したシンジは、責める腰の動きを緩めた。
途端にマヤの激情は薄まってくる。
なくなりはしないが、とろとろと炙られているような感じだ。

「ああ……」

少し失望したような、ほっとしたようなマヤの表情を見てシンジが言った。

「いきたいんでしょう、マヤさん」
「……」
「すみませんね、もう少し待ってもらえますか」
「……」

何を考えているのかわからないが、どうせろくなことではないだろう。
それでも、少年の前で絶頂に達するという恥を晒す時が延び、回数が減るのなら
それでよかった。
と考えていたとき、突然、ドアが開いた。

「ひ……」

シンジに貫かれたままのマヤが大きく瞳を見開き、首を絞められるような悲鳴を
発した。

「マ、マヤ……」

そこにリツコが立ちつくしていた。
両手で口を覆い、脚をふらつかせてドアにもたれかかってしまう。

大きく動揺するふたりの女に対し、少年は慌てず騒がず、新たに入室してきた女に
言った。

「ちょうどよかったリツコさん。マヤさん、もういきたくてしょうがないみたい
だったですから」
「……」
「そこ、閉めて中に入ってくれます?」

このまま開けっ放しにしているわけにもいかない。
リツコは黙ってドアを閉め、ロックした。

ゆっくりと腰を振りながらシンジは命令する。

「リツコさんも脱いでください」
「……」
「僕たちだけ裸なんて不公平ですしね」

リツコはわなわなと震えている。
目の前の惨劇が信じられず、かつそこに加われと言われているようで、とても従え
ない。

「早く。じゃないと、いつまでもマヤさんこのまま犯されっぱなしですよ」
「いやあ……も、もう、いやあ……」

ゆっくりとはいえ、シンジの野太い肉棒を突き刺され、ピストンされていることは
変わらない。
一気に燃え上がり、気をやるほどではないにせよ、じわじわと灼けるような快感を
送り込まれている。

リツコの見ている前でシンジに嬲られる羞恥。
必死に感じまいとするのだが、マヤの若い性がそれを許さない。
先輩が見ているというのに、恥ずかしい声が洩れてしまう。

「…あ、ああ……うんっ……やあ……ああ、あうう……」

もうこれ以上、後輩が嬲られるのを黙視は出来なかった。
意を決してリツコが口を開く。

「わ、わかったわ……」
「……」
「脱げば……マヤを解放してくれるのね…?」
「はい。約束しますよ」

それを聞くと、リツコは観念したように服に手をかけた。
決めた以上、のろのろしても意味はないと思ったのか、上着だけでなくインナーを
取るときも躊躇なく脱ぎ捨てた。
この辺の潔さも彼女らしいといえば彼女らしい。

「……」

シンジのいやらしい視線を避けるように、リツコは顔を逸らせ、目を閉じる。
しかし、そこから少年の指示は来なかった。
代わりに聞こえてくるのは、後輩の熱い喘ぎ声だ。

「あ! ああっ……あんっ……はっ……はああっ……ああ……あっ……」
「……」
「あ、あ、ああ……あ、もう……く……」

リツコはたまらず目を開ける。
飛び込んできたのは、バックから責め抜かれているマヤと、飽きもせずに律動を
繰り返しているシンジだった。

「も、もう、やめてシンジくん……。言われた通り脱いだのよ……。もうマヤは
いたぶらないで……」
「やめてったって……。マヤさん、感じてますし、いきたがってますから」
「だめよ、そんな……やめて……」
「待ち遠しいのはわかりますけど、もうちょっと待ってくださいよ、リツコさん」
「……」

そうからかわれるとリツコも何も言えなくなってしまう。

それでも、少年もそろそろ、このお尻を犯され続けている少女にカタをつけようと
思っている。
長めのストロークに、さらに変化を加えた。
引いたとき、完全に肛門から抜き去ってしまい、カリ部分でアヌスを激しく擦り
上げる。
そして突く時にもカリでまた肛門が大きく拡げられ擦られる。
貫きっぱなしでピストンされるよりずっと強烈な挿入感に襲われ、マヤは悩乱し、
錯乱する。

「くっ、ああああ! だめ、それ激しいっ……ああ、お、お尻……ひ、開いちゃ
うっ!」

もこりと大きな亀頭部がアヌスを通過するたびに、マヤの肛門の襞がめくれ上がり、
めくれ込まれる。
アヌスが腫れぼったくなるまでそれを続けられると、今度は深くまで突っ込まれ、
そのまま腰を揺すられた。

「うあ、うあああっ……いっ……も、いいっ……あうううっ……」
「お尻、いいんでしょう?」
「いいっ……」

マヤはもうリツコの視線を気にする余裕もなく、顔を仰け反らせっぱなしだ。
呼吸するのも苦しいほどに、大きな快楽が押し寄せ続ける。

「お尻……すごいっ……くぁぁ…深い……ああ、いいっ……もう、もう……」
「いく時はわかってますね」
「い、いきたいぃ……」

シンジはマヤの腰に腰を密着させたまま、擦りつけている。
奥まで入れられたまま、ぐりぐりと腰を回されている。
ペニスの根元で肛門を拡げられ、竿や亀頭で腸内の襞を抉られる。
そのどれもが恐いほどの愉悦をマヤに提供してくるのだった。

「も……だめっ……ああ、ああん、いく……ま、また、いっちゃ……あ、ああっ…
…」
「リツコさんが見てますよ、思い切りいきましょうね」
「せっ、センパイ、見ちゃ……いやあ……あ、いいっ……いくぅ…」
「マ、マヤ……」

シンジが思い切り奥まで貫き、両手で握りつぶすように乳房を揉み込むと、マヤは
一気に頂上まで追いやられた。

「くああ……だめ、いく……うんっ…い、いく……い、いきますっ!」

マヤが絶頂に駆け上がると、シンジを飲み込んでいたアヌスも収縮し精液を欲して
いたが、少年はそれに耐え、放出はしなかった。
そして、激しい官能の高ぶりを爆発させた女の肛門から、まだ硬いままの肉棒を
抜いた。
マヤの腸液をたっぷりと浴び、ぬらぬらした凶器は湯気すら立ち上りそうな生々
しさを湛えている。

「……」

大学と仕事の後輩が絶頂の余韻に浸るさまをリツコは声もなく眺めていた。
見てはいけないと心が否定するのだが、リツコの瞳は閉じることなく、少年に犯さ
れ、気をやったマヤの痴態を見続けている。
そしてその目が、マヤをいたぶり抜いた少年の性器に向けられる。

「……」

何というたくましさなのか。
これほど「男」を感じされるものはなかった。

リツコも、シンジの肉棒は散々媚肉に押し込まれていた。
女の部分が、シンジのペニスを記憶している。
割れ目が裂けるかと思われるほどの太さだった。
その熱さに膣内が燃え上がりそうだった。
あまりの硬さに、かき回される襞が擦り切れるかと思った。

マヤはその肉茎を肛門で受け入れさせられているのだ。
その圧迫感は想像もつかなかった。

そしてその肉の凶器は、間違いなく今度は自分を襲うはずだ。
さっきはマヤの媚態を見せられたが、今度は自分のセックスをマヤに見られること
になる。
いやだいやだと思う裏腹に、もやもやした気持ちが股間にまで届いているのを知り、
懊悩するリツコだった。

シンジはそんなリツコを見やっている。
何も言わないが、彼女もマヤとの絡みを見せつけられてだいぶ煽られているはずだ。
ここで料理してもいいが、もうちょっとぎりぎりまで追い込んでやろうと思った。

「ほら、マヤさん、しっかりして」
「……」

シンジが声をかけてもマヤははぁはぁと呼吸する音が聞こえるだけで返事も出来ない。
少年は、汗で光るまろい尻をぴしゃんと叩いた。

「マヤさんてば」
「あ……」

マヤはようやく焦点が合ってくる。
目の前には、散々マヤを泣かせてきたペニスがぶらぶらしている。

「ひ……」

マヤののどがか細い悲鳴を絞り出す。
また犯すというのか。
もうこれ以上耐えられない。

「もう……許して……」
「まだですよ、僕、出してませんから」
「そんな……も、もうムリです……」

むずかる尻を押さえ、少年が尻たぶを割ると、たまりかねたようにリツコが口を
挟んだ。

「もう、やめてあげてシンジくん……」
「だから僕はまだ……」
「だ、だったら……」

リツコはごくりと喉仏を動かして言った。

「わ、私が……」
「リツコさんが?」
「私が……相手…するから……。マヤはもう許してあげて……」
「ふーん」

シンジは思わせぶりにそう言い、リツコの見事な肢体を眺めている。
そしてちらりと横たわるマヤの裸身に目をやった。

「でもいいや。まだマヤさんとやりたいから」
「そんな……」

絶句するリツコを後目に、シンジはマヤの尻を撫で回している。

「ねえマヤさん。マヤさんだって、もっと感じたいよね」
「い、いや……」
「でもほら」
「……あっ」

シンジの指が、荒らされたマヤのアヌスを嬲る。

「ここ、まだ欲しいって言ってるよ」
「も、もうダメ……」
「やめてシンジくん!」
「いきますよ」
「もう……もう、いやあ…」

というマヤの声を聞くと、なぜか少年の動きが止まった。

「そんなにイヤですか」
「やあ……」

シンジに犯されるだけならともかく、リツコに観察される羞恥は耐えられない。

「でも、マヤさんが気をやるところを見たいしなあ」

思わせぶりにシンジはリツコを見る。

「な、なに……?」

その視線におぞましさを感じて、リツコが恐る恐る訊く。
シンジはまたマヤを見る。

「マヤさん、じゃあリツコさんに可愛がってもらう?」
「え……」
「それとも、また僕がお尻を犯そうか?」
「いや! も、もうシンジくんはいや!」
「それじゃリツコさんにしてもらうしかないね」

思わぬ展開に呆然となっているリツコに声を掛けた。

「そんな……だ、だめよ……」

そんなこと出来るわけがない。
リツコは激しく首を振って断った。

マヤを私が犯す……?

リツコにはまるでレズっ気はない。
それはシンジにもわかった。
よくわからないが、女同士をいやがるというのは、シンジが男を抱く気にならない
というのと同じなのだろう。
男側の妄想として、男同士より女同士の方がずっとマシに思えるが、女の方はそう
は思わないようだ。

それでもシンジはリツコにマヤを抱かせる気だった。
リツコにもマヤにも性的なタブーを根こそぎ喪失してもらうつもりなのだ。

「マヤさんもいいね?」
「え……あ……」

マヤは戸惑った。

確かにリツコに憧れを持ってきた。
最初にシンジに犯された時に告白させられたように、リツコを想って自慰したこと
もあるくらいだ。
シンジによって無慈悲に強姦され続けるよりは、リツコに愛してもらった方がどれ
だけ良いか。
しかし、それがこのように強制されて、しかもシンジという観客付きで行われると
いう。
どうすればいいのか、わからなかった。

両者から返事がないので、シンジはいかにも「仕方がない」という仕草で、マヤの
尻を割り、ペニスを押し当てた。

「やめっ……きゃあ!」
「やめてぇ!」

マヤとリツコが同時に叫んだ。

「わ、わかりました……」

マヤがか細くそう言うと、リツコも覚悟を決めたように続けた。

「やるわ……」

それを聞くと、シンジはニンマリした。
レズに興味はないが、このふたりを精神的に追い詰めるには悪くない手段だろう。

「ごめんなさい、マヤ……。もう、こうするしか……」
「センパイ……」

ふたりの美女が潤んだ瞳で見つめ合う。

「もうすっかり盛り上がってますね。じっくり拝見しますよ」

シンジのからかいもふたりの耳には入らなかった。
もう、死んだつもりで演じきるしかない。

「ほら、なにもじもじしてるんですかリツコさん。先輩なんだから後輩をリード
してあげなきゃだめでしょう」

観客のシンジがなじる。
厳しい口調だが、内心ほくそ笑んでいる。
高貴なリツコが、ここまで堕ちるとは思わなかったからだ。

「もうマヤさんの身体は出来上がってますから、まどろっこしいのはいらないです
よ。さっさとオマンコでもいじってやってください」
「……」

リツコはさすがに少年をキッと睨んだが、やがて諦めたように白く細い指をマヤの
股間に伸ばしてきた。

「あっ……ああっ…」

汗の浮いているのど頸を晒してマヤが仰け反る。

あれほど憧れていたリツコの指が、自分の恥ずかしい股間をまさぐっている。
それを感じると、腰の奥からじぃんとする甘い疼きがこみ上げてくるのを抑えよう
がなかった。

リツコの指が、シンジのそれと同じように蠢き、媚肉をいびってきても、受ける
イメージがまったく異なった。
シンジの行為が「責め」なら、リツコのそれは愛情表現にしか受け取れなかった。
もちろんそれはマヤの思い込みなのだが、セックスとはある意味そういうものだろう。

「すごい濡れてますよ、マヤさん」
「やあ……恥ずかしい……」

少年の指摘に、マヤは顔を真っ赤にする。
自分でも信じられぬほど、膣の奥から蜜が溢れてくる。
それはきっとリツコの指もしとどに濡らし、気づかれているに違いない。
そう思うと、たまらない羞恥に苛まれる。

「あ……あ、ああ……」

さっきシンジに犯され、いったばかりだというのに、マヤは早くも燃え上がる。

リツコの白い指先は、マヤの花園周辺を嬲り、ほぐれさせている。
それでも、中に指を入れることまではしなかった。
何しろ、マヤはまだ完全な処女なのだ。

リツコの指は、まるでピアニストのようにマヤの股間を自在に動き回る。
媚肉から肛門までの間を盛んに撫でさする。
マヤの媚肉はもう半分以上ほころび、うねうねと伸縮さえしていた。
何かくわえたくてしようがない、かき回されたいと訴えている。

それを見るとリツコも説明し難い思いがこみ上げる。
ふと、マヤのそこを犯してみたくなっていたのだ。
紛れもない欲情を心の片隅に覚えていた。

(だめ! ああ、なんてこと考えてるの……)

リツコは激しく頭を振って淫らな思いを断ち切ろうとした。
そして、膣への関心を薄れさせようと、しなやかな両腕を伸ばし、マヤの胸乳を
愛撫し始める。

「ああ、む、胸は……」

リツコは優しくマヤの乳房の下から上へと撫で上げている。
その指の動きを関知すると、マヤは乳首がひりひりと疼いてくるのを感じる。
そしてその乳首をこねられると、まるで乳房の根元から乳首まで熱いものがこみ
上げるように昇ってくるのだ。

「あ、あ……はぁ……う、うん! ……あああ……」

宝物でも扱うように柔らかく揉まれると、乳房の中からこそばゆい感覚が生まれ
出て、乳首が見る見る硬く勃起していった。
シンジの荒々しい揉み込みとはまったく違う、まさに愛撫だった。

「ああ、センパイ……うっ……い、い……あ……」
「気持ちよければ、そうリツコさんに教えてあげたら? マヤさん」
「……」

少年にからかわれ、マヤは唇を噛んで耐えた。
リツコはその唇を奪う。

「ん! んん……」

マヤは突然くちびるを重ねられ、狼狽えたが、それがリツコの柔らかいものだと
知ると、口を開けて受け入れた。
リツコは激しく舌を入れることはせず、マヤの唇を優しく自分の唇で挟み、舌で
軽く舐めた。

それだけでもマヤは天にも昇る気持ちだった。
とうとうリツコからキスを受けることが出来たのだから。

「ああ! んああっ、か、感じます! ……ああ!」

リツコは片手を股間に戻し、クリトリスを愛撫する。
まさぐり、入念に愛撫するとマヤは感極まったように喘ぎだした。
その悩ましい嬌声を耳にすると、リツコにあの感覚がわき起こってくる。

「……」

思わず人差し指でマヤの媚肉を犯そうとして、慌てて引き戻す。

いったい自分はどうなってしまったのだろう。
シンジに倒錯的なセックスで責められ続け、自分も性的におかしくなってしまった
のか。

「じれったそうだね、リツコさん」
「……」
「ほら」

シンジはそう言うと、手にした道具を見せる。
細長い形状で、恐らくは淫らな玩具なのだろう。
少年はそれをリツコにムリヤリ握らせると言った。

「それ使ってマヤさんをいかせてあげてください。あ、言うまでもないけど前は
ダメですよ。それでお尻を犯してあげるんです」
「……」

シンジの渡したのはアナルバイブだ。
長さ20センチほど、直径は3センチほどで、ぼこぼこした形状だ。
串に刺した団子のような形で、それが反っている。
こんなものをお尻に入れられたらたまらないだろう。

そう思ってリツコが躊躇していると、シンジがけしかけた。

「出来ないの? なら……」
「わ、わかったから」

シンジが犯そうという素振りを見せると、リツコは従わざるを得ない。
こんなおもちゃで肛門をいたずらされるのと、シンジのペニスを入れられるのは
どちらがマシか、など考えられない。
少しでもマヤの苦悩が少ない方を選ぶしかなかった。

リツコは固く目をつむったままバイブを受け取り、震える手でその先端を後輩の
肛門に押し当てた。

「そ、そこっ! ああ、だめですセンパイ……」

アヌスに異様な感覚を覚えたマヤは、それまでの恍惚感を忘れ、リツコに叫ぶ。
リツコは泣きそうな顔でマヤを見つめた。

「ごめんなさい、マヤ……。でも、こうしないとシンジくんが……」

そう言ってさらにバイブに力を入れると、いやがるようにマヤが尻を振った。

「ああ、だめっ! ……本当にそこはダメなんです……ああ、あ……い、いや……」
「ごめんなさい……」

リツコがぐっとバイブをマヤの中に押し込んでいく。
窄まった肛門は、その異物をウソのように飲み込んでいった。

「うっ……あ……あ、入って……入って…きちゃうう……」

締まっているようでも、シンジに犯され、腸液が滲み出ていたアヌスは案外とあっ
さりバイブを含まされた。
ずるん、ずるんと団子状になっている部分を飲み込むたび、肛門がぐっと開かされ、
マヤはひぃひぃと悲鳴を上げた。
だがそれも、バイブをすっかり埋め込まれる頃になると、熱い吐息に変わっていた
のだった。

「すっかり入っちゃいましたね」
「……」
「言わなくてもわかるでしょう? 入れるだけじゃなくって、ズコズコ出し入れして
やっていかせるんです」
「……」

露骨な物言いに、リツコは自分のやっている行為を思い起こし羞恥にまみれた。
だが、いちばん恥ずかしい思いをしているのは、自分に責められ、シンジに見られ
ているマヤなのだ。

それでもリツコはマヤを犯さずにはいられない。
そうしなければシンジに責められるからなのか、それともリツコ自身がマヤを犯し
たいのか、よくわからなくなっている。

「あっ……ああ……ああっ……あ、あう……そんな……深いですぅ……あああ……」

リツコはバイブをマヤの尻に突き刺し、出し入れを始めている。
なるべく優しくしてやろうと思うのだが、こんなことをするのは初めてで加減という
ものがわからない。
加えて、リツコ自身、マヤの反応を愛しく思い、この玩具をペニスとして犯してやり
たい気持ちも隠せなくなっている。

マヤも、肛門という恥ずかしい場所を憧れの人に犯されるという異常なシチュエー
ションに、いたたまれない羞恥と倒錯感に酔っていた。
ボコボコしたところが菊座を押し開き、中で襞を擦ると痺れるような快感が腰から
全身に走っていく。
リツコは無意識にバイブを回しながらマヤのアヌスに挿入していたため、肛門の
粘膜がねじれるようなきつさを感じ、マヤは身を震わせて呻いていた。

「あうっ……あ、あむむ……あ、センパイぃ……あ、い……く、いい……」
「……」
「はぁぁ……いいっ……あ、いいですっ……も、もっと奥まで……」

自分の手で燃え上がらされていくマヤを見て、リツコも背徳の恍惚感を得てくる。
もっと燃えさせ、灼き尽くしてあげたいとすら思った。

リツコはもうシンジに何も指図されなくとも、アナルバイブをこねくり回し、空いた
左手でバストを揉んだ。
唇は、後輩の可憐なそれを覆って舌を甘く吸い上げ、首筋や耳元にも進出していく。
そして、バイブで抉りながら唇で乳頭をくわえねぶると、マヤは今にも気がいかん
ばかりに喘ぎよがった。

「ああ、いいっ! …あ、気持ちいい……センパイ……も、もっと……ああ……」

バイブで荒らされているのは肛門だというのに、前の媚肉が疼いてしょうがない。
膣からは無尽蔵なくらいに愛液がこんこんと湧き出ている。
マヤは肉欲に浸りきった瞳でリツコに訴える。

「あ、センパイ……お願い……です…」
「……」
「ああ……ま、前を……わ、私の……お、オマンコ……に、して…ください……
ああ……」
「!」

リツコは思わずシンジを見やる。
しかし、少年は冷たく首を振るだけだった。

「ごめんなさい、マヤ……。でも、こっちで……」
「ああっ」

リツコのピストンが激しくなる。
マヤをいかせようとしているのだ。
突然激しくなった律動で、お尻が痺れるように感じる。
お尻の中でこねくりまわされると、たまらずマヤはぐんっと腰を反らせる。
すると括約筋が引き締まり、リツコの操るバイブに力がかかってくる。

「……」

バイブをマヤのお尻に持って行かれそうになるくらいの引き締めに、リツコまで高ま
ってくる。

彼女は自分のことを思い出している。
シンジに犯されていきそうになると、膣がきゅっと締まるのが自分でもわかった。
マヤの肛門も、今まさにそうなのではないのか。
ならば、この恥辱を長引かせないためにもいかせた方がいいのかも知れない。

リツコはそう整理をつけたが、実際はマヤの媚態に昂奮し、この美女を自分の手で
絶頂まで感じさせたいという淫らな思いもあったのである。

そんな美女ふたりの絡みを見て、シンジも徐々に昂奮してくる。
レズに興味はないが、これはこれで悪くないではないか。
そう思い始め、唾を飲み込んでリツコとマヤを見ると、後輩はもうだいぶ追い上げ
られているようだ。

「ああ! ああ! あっ……あ、いいっ……い、いくぅ……センパイ、いっちゃい
ますっ」
「マヤ……」

リツコの手がさらに早まった。
マヤの肛門に出入りしているバイブの見え隠れする速度が速まった。
マヤは腰をぶるぶる痙攣させている。腿も、ふくらはぎも、そして脚の指まで力が
入り、内側にかがまってきていた。

「だっ、だめ、いく!」

マヤの身体ががくんがくんと大きく震え、肛門がきゅううっと引き締まった。
リツコによって追い立てられ、身を焦がすほどの激しい絶頂に達してしまった。
括約筋が思い切り締まり、リツコの手からバイブを奪い取ってしまう。
バイブをくわえたままの丸い尻が、ぶるるっと細かい痙攣を繰り返していた。

「……」

自分の手でエクスタシーを感じ、気を失うほどの快楽を与えられたマヤをリツコは
見ている。

ここまで激しく責め落とすことはなかった。
演技をしていればよかったのだ。

なのにリツコは、いつしかシンジに言われてではなく、自分から積極的にマヤを
犯し、最後まで追い込んでしまった。
言いようのない汚辱に打ち沈む。
これでは自分もシンジと変わらない。

「さて」

それまで観客に徹していたシンジが立ち上がった。まだ呆然としているリツコの顎に
手をやり、その顔を覗き込みながら言った。

「よくやりましたね、リツコさん。マヤさん見事にいっちゃったじゃないですか」
「……」
「いやだいやだって言いながらこれですもんね。リツコさんも好き者だってことです
か」
「……」

リツコは屈辱と恥辱で顔を染め、顔を背けようとするが、シンジに顎を掴まれていて
動けない。
美女の形の良い顎をつまみながら、少年は宣告した。

「だんまりですか。ま、いいです。とにかくちゃんとマヤさんはいかせたんですから、
リツコさんにはご褒美あげないと」
「ご、ご褒美って……」
「ええ」

シンジはにこにこして言う。

「こいつでリツコさんを思いっきりいかせてあげますよ」
「な……」

少年が左手で逸物をつかみ、誇らしそうにリツコに見せつける。
リツコは顔をよじり、視線から外しながら喚いた。

「や、約束が違うわっ。あ、あなた、私がマヤに……その、したら、もうしないって…
…」
「ええ、そう言いましたね」
「じゃ、じゃあ……」
「だって、それはマヤさんに、でしょ」
「……」
「誰もリツコさんを犯さない、なんて約束してないですよ」
「ひどい……」

確かにそうだが、これでは騙しではないか。
リツコとマヤが恥を忍んでレズプレイをしたのも、この性魔のような少年の凌辱から
逃げるためだったというのに。

「僕まだ出してませんしね」
「……」
「それに」

シンジはリツコの顎を離す。
途端にリツコは少年から逃れ、横座りになって顔を背けた。

「リツコさんだって、まだ物足りないでしょう?」
「……え?」

シンジはいきなりリツコの股間に手を伸ばした。

「きゃあ! 何するの!」
「ほら、これ」
「あ……」

少年の指はべっとりと濡れていた。
紛れもなく、リツコの膣から生み出された蜜によって汚されたものだ。

そう、リツコはマヤを責めながら感じていたのだ。
自分は何も愛撫されていないにも関わらず、媚肉は濡れそぼっていた。
自分の手で感じ、最後までいったマヤの姿に欲情してしまっていたのだ。
そして本人も知らぬうちに、その股間をたっぷりと濡らすほどに淫蜜を垂らして
いた。

少年はリツコの背中から手を伸ばし、その胸と媚肉をいじりだした。

「ほら、感じるんでしょう?」
「い、いや……」

そして、勃起しているペニスをなめらかな背中に押しつけた。

「あっ……」

その、硬く熱い感触にリツコは思わず声が出る。
そのペニスがおぞましかったからなのか、それともそれで貫いて欲しかったから
なのか。

シンジは正面に回り、座り込んでいるリツコの前で仁王立ちになる。

「あ……」

少年の、どちらかと言えば細身の身体に不似合いなほどのたくましいペニスが天を
突くばかりにそそり立っている。
びくびくと震え、血管が浮き出ている。
先っちょからはぽたぽたと先走り液が滲み出ていた。

リツコはどうしてもそれを凝視してしまう。
魔に魅入られたかのように見つめ、ごくんと唾を飲み込んだ。

「欲しいでしょう?」
「そんなこと、ない……」
「でも、これはリツコさんの中に入りたがってるんだけど」
「だめよ……そんなこと……」

リツコの言葉に、力がこもらなくなってきた。
抗う心に対し、シンジを欲しがる身体の欲求が大きくなっているのだ。

なぜこれほどまでに脆くなってしまったのだろうか。
何度も何度もこの少年に凌辱されたせいなのか。
それとも、絶頂に達した恥ずかしい姿をさらし、それを目の当たりにされたため
なのだろうか。

黙って近づいてくる少年から逃げることは、もはやしなかった。
逃げなければ、という考えすら浮かばなかった。
抱かれたいと思っているわけでもない。
でも動けなかった。

シンジはリツコの背面に回ると腕をつかみ、そのまま横向きに押し倒した。
そしてゴロリと回転させてうつぶせの姿勢にした。

「……」

この間、彼女はまったく抵抗しなかった。
シンジがリツコの腰に手を入れ、ぐいと引き起こした時も素直に従った。
リツコは顎と両ひざの三点で身体を支える格好になっている。

(ああ……このまま、後ろから犬のように犯されるんだわ……)

彼女はその姿勢が嫌いだった。
獣の体位だと思っていたからだ。
しかし、今ではほとんど抵抗はない。
むしろ、こういう屈辱的な体位や不自由な格好で犯されると、より一層感じてしまう
ようになっている。
被虐の悦びがリツコを覆い始めていたのである。

少年に言われる前に、尻をシンジに向かって突き出すようにしていた。
シンジはぺたりとリツコの白い尻に手を置くと、前触れなくいきなり媚肉を貫いた。

「は…あぁっ……う、ううんっ……くぁっ……」

ためらいなくひと突きで根元まで、そして奥まで刺し貫いた。
右手を前に回し、びんびんになっていたクリトリスをつまみ上げる。

「なんだ、オマンコも濡れ濡れだと思ったけど、ここも腫れ上がってますね。こん
なんで恥ずかしくないんですか」
「……」

羞恥で答えられないリツコを少年が責める。
腰をしゃくり上げるようにしてリツコを抉った。
奥の奥を擦りつけられ、リツコはたまらず媚声を上げてしまう。

「あああ! く、くんっ……あ、あう……あっ…あっ…ああっ…」

ペニスの先が子宮口を突っつくと、呼応するように重たげな乳房がゆらゆらと揺れる。
ずんずんと責め抜かれ、リツコは切なそうな泣き声と喘ぎを交互に洩らしていった。

「う……あ……あ、あんっ……はああっ……くう……あ、ああっ……あう、あうう……」

シンジは慌てず、上下縦横に緩急をつけて腰を動かしている。
リツコの膣襞も、シンジの怒張を包み込み、やわやわと締めつけていた。

リツコはその感覚に戸惑っている。
腿を乳房にくっつけられるほどに身体を押し曲げられ挿入される。
腿を横抱きにされて、松葉崩しの体位で互いの股間を密着させて貫かれる。
そしてこの後背位。

これも腰を押しつけられ、最奥まで突き刺されている。
そのどれもがシンジの好みである。
彼は、より深いところまでの挿入を好み、出来るだけ奥までペニスを埋め込むのが
好きだった。
どうせ射精するのなら、最奥でなければ面白くないと思っているのだ。

一方、リツコもそのシンジの性癖に慣らされていった。
媚肉入り口あたりやクリトリスをまさぐられても強い性感を感じはするが、奥の奥
まで入れられて子宮を直接抉られると、爆発しそうなくらいの悦楽を享受するよう
になっている。
膣道を太く硬いペニスでぎちぎちに埋め込まれ、こねくられると気が狂いそうな
ほどの官能の渦が脳髄を直撃するのだ。

リツコが高ぶってきたのを知ると、シンジはぴたりと腰を止めた。

「…あ……」

リツコは恨めしそうに、そして物欲しそうに後ろを見やり、シンジに濡れた瞳を
向ける。
そして自分の浅ましい欲望に気づくと、ハッとして唇を噛みしめるのだった。
それでも、ペニスを埋められたまま動かずにいられる状態に、何分も保たなかった。

無意識のうちにリツコの腰がうねくり出した。
シンジが動かないのなら、自分で動いて摩擦感を得たいのだ。
みっしり埋め込まれているから、ほんの少し動くだけでも痺れるような快感が味わ
えた。

リツコが密やかな愉しみに浸っていると、シンジは後ろからがっしりと腰を掴み、
彼女の動きを封じてしまう。
最後の手段も奪われた美女は、もう切なげに呻くしかなかった。

「ああ……ん……」

ブロンドに染めた髪をやるせなげに振り、リツコは熱く太い吐息を洩らしている。
少年はそんな美女の哀れな様子を見やり、やっと声をかけてやった。

「どうしたんですリツコさん」
「……」
「動いて欲しいですか」
「……」

なよなよと首を振るが、リツコが崩壊するのも目の前だった。
シンジはゆっくり腰を動かし出した。
円を描くようにしてリツコの媚肉を押し広げ、膣の粘膜を巻き込むようにして抉る。
腰が自由になったリツコも、たまらず腰を呼応させる。
こちらもくるくるとお尻を回し出したのだ。

「あ……あ、あ、ああ……あ、う……だ、め……い……」

シンジは腰を押しつけているが、それでも何かのタイミングで離れることもある。
その時は、すかさずリツコがせがむように腰をシンジに突きつけた。

いつの間にか、リツコは肘を立て、完全に四つん這いになっていた。
それでも、背筋を思い切り逆ブリッジに反らせて、出来るだけ尻を高い位置に置き、
シンジが責めやすい姿勢になっていた。
ふたりは互いに8の字を描くように腰をうねらせ、互いの性器で鋭い快感を貪って
いる。

 そんな時、リツコに気をやらされ気を失っていたマヤが意識を取り戻した。

「……」

ぼんやりした目で辺りを見回すと、うごめく白いものが視界に入った。
目を凝らすと、熱く絡み合っている一組の男女であった。
真っ白の裸身の女に覆い被さるようにして責める男。

シンジがリツコを犯しているのだ。

しかし、それはもう凌辱とは言い切れなくなっていた。
リツコの方も盛んに快楽を表現し、シンジの責めを積極的に受け入れているのだ。

「あ、ああ……んっう……あはあ……」

シンジはリツコの張った腰から手を離し、前に回して乳を揉んだ。
汗にまみれたそれは、歳の割りに固くしこり、弾力に富んでいる。
揉み潰すような勢いで鷲掴みにし揉み込むと、バストからずーんと痺れる悦楽が頭と
膣奥を直撃する。

もともとリツコはこのような荒々しい愛撫より、撫でられるような柔らかいそれが
好みだった。
だが、媚肉と同じくシンジに慣らされ、乳房の形が変わるほどの激しい揉み方を
されると、それだけで達してしまうくらいに強い愛撫を好むようになっていた。

まさにシンジの色に染め直されているのだ。

「くぅ! あ、あ……ふ……んうっ……あ、は……い、い……」

言ってしまってから慌てて口をつぐんだ。
またしても少年に責められ、よがってしまった。
なるべく表に出したくなかったが、彼の責めと愛撫が本格的になってくると、どう
にも我慢が出来ない。
それを口にしないと、頭も心臓も破裂してしまいそうなくらいの快感に苛まれるのだ。

「く……あ、もう、だめ! …いっ、いいっ……」
「……」

マヤは信じられぬ思いで憧れの人を見つめている。

考えてみれば、マヤはリツコが犯されているのを見るのは初めてなのだ。
さきほどは自分が昇り詰めたところを見られた。
今度はリツコがそうなるのを見なければならないのか。

見たくなければ目を閉じていればいい。
だいいちマヤは縛られているわけではないのだから、いやなら部屋から出ていけば
いいのだ。
しかし、なぜかそう出来なかった。
マヤのぱっちりした瞳は、尊敬する先輩の痴態から離せなくなってきていた。

シンジはそんなマヤの様子もちらちらと横目で確認している。
その間もリツコは大きな官能の波に巻き込まれ、肉の疼きに流されている。

「んああう……んくぅ……いい……くぅ、いいわっ……」
「何がそんなにいいんですか」
「あ……し、シンジくんの……お、おっきいのが……入ってる……」
「入ってる?」
「……わ、私の……くああ……オマンコぉっ……うんっ、いいっ……」
「……」

寝そべっていたマヤはいつしか横座りになっていた。
そして、あろうことか、左手を自分の胸に、右手を股間に伸ばしているではないか。

いや、予想の範囲内だったのかも知れない。
リツコを夢想して自慰していたマヤである。
それが、リツコの激しいセックス・シーンをナマで見ているのだ。
それも、息苦しいほどの媚態を晒し、辺りにフェロモンと女臭を撒き散らすほどの
官能を見せつけているのである。
そうなっても不思議はなかった。

今のマヤには、リツコを犯しているシンジの姿は見えていないはずだ。
責められ、感じさせられているリツコしかその目には映っていないだろう。

シンジはそれに気づかぬ振りをして、リツコを犯し続けた。
乳房を根元から絞り込むように揉み上げ、乳首がちぎれそうなくらいに力を入れて
こねる。
その痛みすら、リツコには激しい快感として受け取られていた。
すらりと伸びた綺麗な背筋に舌を這わせると、リツコは感極まったように喘いだ。

「ああっ、あ……ううんっ……だめ、いいっ……」
「……あ……あ、あ……」

リツコの、燃え上がりそうな熱いよがり声と、マヤの控えめな喘ぎ声が混じってきた。
マヤの華奢な手がやわやわとバストを優しくさすり、揉んでいる。
右手は割れ目の縁をなぞるように愛撫し、人差し指の先で肉芽をこねるように軽く
潰す。
それだけで腰が震えるほどの快楽がマヤを包み込んでくる。

リツコはシンジに突かれ続けている。
シンジはリツコの張った尻をぴしゃぴしゃ叩きながら膣を抉る。
腰をうねらせるのを止め、今度は深くまで叩き込むように挿入を繰り返し始めた。

「うあっ……んくっ……ふ、ふぁぁっ……ああ、ああう……あ、いい……あううっ」

少年に責められる美女は眉間に皺を寄せ、押し寄せる快楽に耐えている。
ついていた手が蠢き、シーツを握りしめた。
と、すぐに離し、指を一本一本拡げていき、そしてまたぎゅっとシーツを掴み直す。
膣から子宮に流れ込む凄まじいばかりの快楽に、身体の先端部に自然と力が入るのだ。
脚の指もかがまり、そして反らせている。

「んあううっ……くぅぅ、す、すごっ……お、オマンコ、いっちゃいそうっ……」
「あ、センパイ……い、いい……です……」

リツコがシンジに追い詰められていくと、マヤの手の動きも大きく激しくなっていく。
乳房がたぷたぷと音がするくらいに両手で揉んでいたかと思うと、下半身に手が伸びて
クリトリスといじくっている。

そして、とうとう両手を下に持っていってしまう。
左手で媚肉をさすると、なんと右手はアヌスに伸びてきた。
マヤはとうとう自慰でも肛門をいじるようになってしまったのだ。

だいぶ躊躇していたが、人差し指をアヌスの中に潜り込ませてしまった。
ツーンと痺れるような鋭い快感がマヤの頭を痛撃する。

もう歯止めがなくなった。
マヤはタガが外れると、人差し指でアヌスをピストンし、抉ることまで始めていた。
左手は媚肉を嬲り、乳を揉んだ。

シンジは、マヤのオナニーも盛り上がってきたのを確認すると、リツコを最後まで
追い込むべく、激しい責めに切り替える。

「んあっ……あ、ああ、激しっ……いいっ……」

シンジは腰でリツコの尻たぶをぱんぱんと叩きつけるように打ち付けた。
そのたびに、尻を濡らす汗と、媚肉から湧き出る愛液が少年の美女の股間の合わせ目
から飛び散った。

リツコはますます姿勢を低くし、なおかつ腰を高く掲げた。
シンジの目の前には、雄大という言葉すら使いたくなるほどの豊かな尻が妖しく
蠢いている。
少年の律動が少しでも緩むと、せがむように、あるいはけしかけるようにその尻が
うねり、さらなる快楽を要求していた。
シンジは最奥まで抉り込み、リツコの子宮を貫く勢いで突き上げる。

「くぅあっ……深い…ふ、深すぎるぅっっ……」
「でもそれがいいんですよね」
「ああ、それ、いいのっ……んああ、いいっ……」

亀頭部で子宮を確かめると、腰を押しつけてぐりぐりと子宮口を摩擦する。
その、ごりごりした感触にリツコは気も狂わんばかりに喘ぎ、よがりまくった。

それを見ていたマヤは、もう辛抱たまらなくなり、先輩より一足先にエクスタシーを
駆け抜けた。

「ああ……センパイっ……い、いっちゃううっ」

人差し指を根元までアヌスに押し込み、マヤは全身をぶるるっと震わせて達した。
リツコもマヤを追いかけるように、絶頂へ向けてぐんぐんと走り出す。

「あ、あ、ああっ……あ、もう、い、いきそうっ……」
「そんなに気持ちいいんですね?」

リツコは何の抵抗もなく、がくがくとうなずいた。

「いい……気持ちいいっ……い、いきたいっ……いかせてぇ……」
「よぉし、いいですよ」
「ああっ」

シンジはぷりぷりしたリツコの白くて丸い尻を掴むと、ぐっと手前に引き寄せる。
そこに思い切って腰を打ち込んだ。
リツコもそのタイミングを待っていたかのように、尻をシンジに突き出した。
そのため、ぐぐっと最も深いところまで肉棒が押し込まれ、子宮を上へ押し返すほど
に突き上げることになった。
肉棒のカリが、リツコの背筋の側の膣襞をぐりっと擦り、抉り上げる。

「ああ、いく! うんっ……く、あ……い、いっちゃう……い、いくっ!」

リツコは背骨が折れそうなくらいに背を反らせ、激しく気をやった。
きゅううんっと膣が締まり、中で暴れ回っていた肉棒を押さえ込む。
その瞬間、シンジも耐えきれず、ペニスの先っぽがぐんっと大きく跳ね上がって、
勢いよく射精した。

どぴゅるるっ。
びゅっ、びゅびゅっ。
びゅるっ。
びゅっ。
びゅっ。

「う、うああ……出、出てる……あっついの……」

シンジはリツコの腰をしっかり押さえ、そのままの位置で射精を続けている。
リツコは、白く濁った粘液が子宮と膣内に溢れんばかりに放出されているのを、いや
というほど感じさせられた。

びゅるんっ。
びゅっ。
びゅっ。

「あ、あ、ああ……出されてる……こ、こんなにたくさん……ああ……」

そう言いながらも、リツコの膣はシンジの射精に合わせるようにして襞が肉棒を
締め上げている。
その締めつけで、シンジはさらに精液を放ち続けた。

びゅ。
びゅ。
びゅ。

シンジは尿道の中の精液まで出し終わると、まだ硬いままの肉棒をリツコの中で
何度も揺すった。
膣内に溢れるほど注ぎ込まれた子種を、子壷に押し入れてやろうというのだ。
いかされ、射精されたあとも膣内で動き回るペニスの威力に、リツコは視界が薄れ
ていった。

──────────────────────

 リツコとマヤがシンジの性宴に饗され、終わりのない凌辱の輪廻に取り込まれ
つつある時、ミサトは覚悟を決めていた。

まどろっこしいことはしていられない。
保安諜報部もアテにはならぬ。
というより、もはやはっきりと「敵」だ。

このままでは身が保たぬ。
あの後、二度目の浣腸を受け排泄、そしてまた長芋と肉棒の両穴責めで何度もいか
された。
それを二度繰り返され、四度目の浣腸と排泄が終わると、仕上げとばかりに肛門を
犯された。

シンジが出すまでに続けざまに3度もいかされ、牝奴隷になると何度も誓わされた。
そして少年が腸の奥深くに射精したとき、この日最後の絶頂に激しく達し、果てた。

こんなハードな責めを受け続ける自信はない。
心身共に疲労の極に達し、胸に辞表すら用意して部屋へ向かった。

司令公室だった。

アポはとったので、すんなり通された。

ミサトは中に入り、碇司令と対峙した。

「失礼します」

彼我の距離は7,8メートルはある。
ミサトに言わせれば、公室は無駄に広い。
30メートル四方ほどの部屋にあるのは大型液晶モニタと司令のデスクのみだ。
書棚などはすべて壁の中である。

ゲンドウは入ってきたミサトに目もくれずにファイルを読んでいる。
視線を書面に落としたまま彼女に言った。

「お互い忙しい身だ。手短に願おうか、葛城三佐」
「……はい」

ミサトは、相変わらず何を考えているかわからない男だと思っている。
彼女の方はゲンドウから視線を逸らさずに言う。

「実はシンジくん……いえ、初号機パイロットのことなのですが」
「初号機パイロット? ……パイロットがどうかしたかね。また搭乗拒否でもしたか」
「いえ、そうではありません」
「では何だね」
「その……プライベート…といえばプライベートなのですが」
「……」

ゲンドウはファイルの上からミサトを上目遣いに眺めた。

「初号機パイロットの件は、私生活も含めて君に任せてあるはずだが」
「……」
「……」

ミサトが黙ってしまったのを見て、ゲンドウは軽くため息をついた。
そしてファイルをデスクに投げ出すと、椅子にもたれるように座り、両手を腹の上で
組んだ。
彼にしては珍しい格好だ。

「初号機パイロットが……シンジが、君らを性的に暴行している件についてかね?」
「!」

やっぱり知っていたのか。

ミサトはふつふつと怒りがわき起こる。
保安部長の監視も、やはりこのネルフの独裁者の指示によるものだったのだろう。

「……」

そこまで考えるとミサトは気づいた。
今、この男は何かとんでもないことを言ったのではないか?

「今……、「君ら」と仰いましたか?」
「ほう、知らなかったのかね」

ゲンドウは意外そうな声を出した。
そして言を続ける。

「そうだ。シンジに暴行されているのは君と赤木博士、そして伊吹二尉の三人だ」
「リツコも……。それにマヤも?」

リツコたちはシンジに告げられ、ミサトも犯されていることを知った。
だがミサトの方は何も知らされなかったので、リツコたちも凌辱されているとは
知らなかった。
わざとシンジがそうしたのかどうかはわからなかった。

「じゃあ……もしかして…」
「弐号機パイロットかね? 心配ない、そっちは無事だ。もしシンジが弐号機パイ
ロットにまで手出ししようとすれば、それは止める」
「……」

しかし、中枢部の女性を三人も毒牙に掛けている少年をなぜ放置しておくのか。
父親だからかとも思ったが、この男にそういう感情はないだろう。

「な、なぜ……」
「放っておくのか、と言いたいのかね」
「そ、そうです」

ゲンドウは回転椅子をくるりと回し、ミサトに背を向けた。

「シンジが君らを襲ってから、エヴァとのシンクロ率が異常に上昇していることは
知っているかね」
「え……」
「知らんか。まあ仕方がないがね」
「本当……なのですか」
「間違いない。今、赤木博士たちが原因を調査中だ」
「……」

ミサトの怒りが増幅されてくる。
手が白くなるほど力を籠めて拳を作った。

「そ、そのために……」
「……」
「そのために彼の……シンジくんの行為を黙認するということですか」
「……。そうだ」

無駄だと思ったが、ミサトは言ってみる。

「私たちの人権は……」
「人権……?」

ゲンドウが嗤ったように見えた。
ミサトは屈辱で頭の中が白くなる。

「……」

しかし、確かにミサトたちに人権を口にする資格はないのかも知れない。
アスカはともかく、シンジはあれだけ搭乗を嫌がったのにムリヤリ乗せたのは彼女
たちなのだ。
その彼女たちが小賢しくも人権を口にする。
それをゲンドウは嗤ったのかも知れない。
それを言うなら、ゲンドウの方がより罪は重いだろうが、彼にはためらいはない。

ゲンドウの背中が言った。

「シンジに抱かれるのはそんなにイヤかね、葛城三佐」
「あ、あれは「抱かれる」なんてものではありません!」

きっかけは自分だったことは認める。
しかし、その後は半ば強引にシンジが押し倒したのだ。
挙げ句、スタンガンで気絶させられて犯された。

「そうかな。君だって満更……」
「司令! 言っていいことと悪いことがあります!」

この男も、ミサトの犯される映像は見ているらしい。
シンジの手練に下り、喘ぎ悶え、絶頂まで極めたところをこんな男に観察されていた
ことを思うと、ミサトの胸は屈辱で灼けた。

「……。いや、すまん。こんなことを言うつもりはなかった」
「……」

ゲンドウはまだ背を向けたままだ。

「現状が我慢できない、というのであればどうするね、三佐」
「……」

胸ポケットに辞表は用意してきている。
しかしこれは最後の最後だ。
ミサトだってネルフに未練はあるのだ。

「退役するかね?」
「……」
「無論、退役するのは君の自由だ。ネルフ内部の人事はともかく、辞職するという
人間の意志を無視するまでの権限は私にはない」

抑揚のないしゃべりが続く。
ミサトは黙って聞いていた。

「だが、辞めたあと、どうなるかはわかるかね?」
「……わかっています。退官後も、職務上知り得た内容に関する完全な守秘義務が
あります。また、その履行が果たされているかの確認のため、保安部の監視がつき
ます」
「……そうだ。表向きは」
「表向き……?」

ミサトの顔つきが変わる。
視線が鋭くなった。

「実際は、そうはならん」
「……」
「退官は認める。だが、このネルフ本部内に留まってもらうことになる」
「ネルフ本部に……?」
「そうだ」

ミサトの顔から血の気が引く。
まさか、という悪い予感がした。

「居住スペースがあるから、そこで寝起きしてもらう。そして……」
「そして?」
「わかるだろう。シンジの相手をしてもらうことになる」
「なんですって!?」

予想通りだ。

「私に、シンジくんの情婦になれってわけ!? それに監禁までする気!?」

思わずタメ口になってしまうが、ミサトはそれに気づかぬほど昂奮した。
一方のゲンドウはまるで気にした様子もない。

「監禁とまではいかんと思うがね。本部内の移動は基本的に自由だ。ま、軟禁だな。
情婦というのは、当たらずと言えど遠からじ、というところだ」
「そんな……」
「機密保持ということはもちろんだが、シンジのはけ口がなくなるのも困る」
「く……」
「それに」

後ろ向きのゲンドウはぴくりとも動かない。
マネキンを座らせ、マイクで喋っていると言われてもわからないだろう。

「仮に君らがいなくなったら、シンジはまた他の女を漁るだろう」
「つまり……私らは生け贄になれ、とでも……?」
「君の想像に介入する気はない」
「……」

絶望的な顔でミサトは小刻みに震えている。

どうにもなりそうにない。
こと本部内に於いては、この男は絶対君主だ。
絶大な権力を持っている。
言っていることも脅しではないだろう。

ミサトが沈黙したところで、スモークの眼鏡をかけた中年の司令は正面に向き直
った。

「君の想像通りにはなりたくあるまい?」
「……」
「勘違いしないで欲しいが、私はこれでも葛城三佐の……赤木博士や伊吹二尉の
能力も高く評価しているつもりだ」
「……」
「だから正直言って、君らには辞めてもらいたくない。君の実戦指揮能力、作戦
立案、シンジへの指導力、管理能力、そして作戦一課の運営能力。さらに部下から
の人望。どれをとっても君が一流の指揮官であることは認めている」
「……」

ミサトは微動だにせず、直立不動の姿勢を保ったままゲンドウの言葉に耳を傾けて
いる。

「だからここは今まで通り、ということでどうかね?」
「今まで通り……ですって?」
「そうだ」

ゲンドウの目が、スモーク・レンズ越しに光った。

「このまま作戦一課長として職務に就いてもらう。異例だが、もう一階級上がれば
戦術作戦局を任せるつもりでもいる」
「……」
「そしてシンジが要求するときには相手をしてもらう」
「そんな……いやよ!」

ミサトの、血の出るような叫びも無視してゲンドウは進める。

「これは君のためでもある。シンジの能力が上昇し、使徒を倒し続ける。これは君の
目的にも適うのではないのかね?」
「……」
「もちろんシンジが君らに飽きるかも知れない。その時は以前の生活に戻れる。
それがいつになるかは保証の限りではないがね」
「……」
「君が望むなら監視も緩めよう。以前のように、君のマンションでの監視は行わない
ことにしてもよい。監視カメラや盗聴器はすぐにでも撤去させる」
「……」

ミサトに選択の余地はなさそうだった。
断れば、事実上拉致されるのと同じだ。
少年に身体を汚される屈辱にさえ耐えればいい。
司令はそう言っているのである。

ミサトは思う。
屈辱だけではない。
徐々にシンジの暴虐に身体が馴染まされていくのが怖かったのである。

シンジの責めを受け入れ、望むようにすら変化していく。
肉体だけでなく、精神まで汚されることになる。
それはもうひとりの女ではなくなってしまうのではないだろうか。
葛城ミサトという個人ではなくなってしまうのではないだろうか。
そう考えると、ミサトの脚はまるで根が生えたようになり、そこから動けなくなって
いた。

ゲンドウはデスクに両肘をつき、両手を組み合わせた。
その姿勢のまま、やや前屈みでミサトを見ている。
彼のいつものポーズだ。

ミサトは我に返り、敬礼もせず振り返り退出しようとした。
その様子を見送っていたゲンドウは、彼女が出口まで行ったところで声をかけた。

「生き物の中には……」
「?」

突然、声を掛けられてミサトも思わず立ち止まる。
しかし振り返りはしなかった。

「脱皮して成長するものがいる」
「……」
「これには二種類あるらしい。ひとつは、何度も脱皮を繰り返すタイプだ。元の形状
はそのままで少しずつ大きくなるものだな。蛇やトカゲのような爬虫類がそうだ」
「……」

この男は何を語ろうとしているのだろう。

「もうひとつ、これはたった一度の脱皮だが大きな成長を遂げるものだ」
「……」
「蝉を思えばいい。長い間、地中で息を潜めて暮らし、蛹になる。そしてこの蛹の皮
を破って出てきたそれは、以前とは別の生き物となって現れてくる。俗に変態と呼ば
れるものだ」
「……」
「シンジは……どっちのタイプだと思うかね、葛城三佐」
「……」
「それを見届けたいとは思わないかね?」
「……」

手で隠れていて表情は読めないが、きっとゲンドウは口を歪めて嗤っていたことだろう。
ミサトはそれを確認するまでもなく、無言のまま部屋を出た。

葛城三佐が退出すると、反対側のオート・ドアが開き、白髪痩身の男が入ってくる。

「……彼女はわかってくれると思うかね」

冬月コウゾウ副司令がゲンドウの脇に立ち、訊いた。

「彼女の意志など関係ない」
「しかし、自暴自棄になられても困るだろう」
「問題ない。以前の恋人と同じ運命を辿るのもイヤだろう。それくらいは理解している
はずだ」
「……碇、本当にこれでいいのか?」

ゲンドウは両手で表情を隠したまま、何も答えなかった。

                           < 取りあえず(^^;)完 >


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