実戦指揮および訓練、そして私生活に於いて碇シンジを管理、統制そして監視する
役目なのが葛城ミサト三佐である。
対して、彼およびEVAの能力向上、そして開発・実験を担当しているのが赤木
リツコ工学博士だ。
両者は、先日「不慮の事故死」を遂げた特別監査部の加持リョウジとともに、第二
東京大学時代からの同窓でもある。

ここは技術局第一課の課長執務室、つまりはリツコの個人ブースである。
間取りは、オフィスと仮眠用の寝室の二間だ。
寝室といっても、簡易ベッドがようやくひとつ入るスペースしかなく、あとはナイト
テーブルがあるだけだ。
ジオフロントでの面積当たりの建坪価格は、地上の10倍を軽く突破する。
高名な赤木博士の部屋とて、そう贅沢なスペースは取れない。

他にユニット式のシャワー&トイレがある。
マンションに帰らず、そのまま徹夜仕事になったり、朝方近くまで仕事になることが
珍しくないため、こういう造りになっている。

オフィスのデスクには、ところ狭しとプリントアウトした資料やハードコピー、
マニュアル、冊子類が乱雑に置かれていた。
この辺はミサト同様であり、どうも整理整頓は不得手のようである。

室内にいるのはリツコだけだった。

「う……ん……」

軽い疲労を感じたリツコは、椅子に腰掛けたまま腕を伸ばし、背を反らせて伸びを
した。
続けて首をくるくると回し、肩も同じように回転させた。
関節のゼラチン質が不足しているのか、首も肩も鎖骨のあたりもグキグキと音が
しそうだ。

「……」

普段は意識しない年齢を実感させられるのがこんな時である。
若い頃に比べ、確実に身体の節々が硬くなっている。
疲れもとれにくくなった。
目の奥が熱い。

そろそろ休んだ方がいいのかも知れないと、時計に目をやると23時を過ぎている。
根を詰め過ぎかも知れないが、少々気になることがある。
その解析でここまでかかってしまったのだ。
照明輝度を落とした室内でひとつ、リツコの前にある液晶モニタだけが光り輝いて
いる。

「……」

リツコが引っかかっているのはシンジのデータである。

シンクロ率の上昇度合いが並みではないのだ。
もともと素養が高く、伸び率も高かったアスカのそれを遙かに凌駕しており、今では
あっさり抜き去っている。

確かにシンジは初号機に初めて搭乗した時でシンクロ率が40%を超えるという常識
はずれの数字を出してはいるし、その後の伸び率も大きかったのだが、ここ数週間の
伸びは異常なほどである。

率が高いに越したことはないのだが、あまりに急激だとパイロット本人に影響が出か
ねない。
その辺のチェックが必要だった。

EVA本体に関しては、装甲板の新調とか、アクチュエータの調整とか、その手の
ハード面しかいじっていないはずだ。
それもコックピット周りの手直しは行なっていない。
まして神経回路などは以前と変化ないのだ。

となると、あとはシンジ本人に何かあったとしか思いようがなかった。
それとなくミサトに訊いてみても、特に収穫はなかった。

だいいち、ミサト自身、最近ちょっと様子がおかしい。
これはこれで気になった。

「……」

リツコは冷めかかったコーヒーを口にする。
うまいまずいではなく、もう習慣のようになっている行為だ。

ふと灰皿に目をやると、堆く積み上げられたタバコの吸い殻の端っこに、吸いかけ
のが一本あった。
もっとも、最初吸い付けただけで、あとはほとんど吸わないまま灰と煙になって
しまっていた。
リツコはそれに手を伸ばすと、最後の一口だけ吸って、頭の火の部分だけ器用に
灰皿に落とすと、吸い殻を上に積んだ。

リツコにとって、コーヒーやタバコ、アルコールを嗜むという行為は、おとなの
証明のようなものだった。

母親を嫌い、彼女を追い越すことだけを考えていた彼女は、早くおとなになりた
かった。

だから、さしておいしいとは思わなかったタバコも酒も若い頃から口にした。
この旨さ、良さがわかるようになるころ、自分はおとなになっているだろうと思
った。
今がその時のはずだが、心身両面でおとなになっている自信はあまりなかった。

シンジの父であるゲンドウと愛人関係を結び、寝ているのも、言ってみれば母親を
超えるためだった。
でなければ、当て付けに等しい児戯的なものだったのかも知れない。

「ふう」

データのハードコピーと、モニタに表示させたシンジのデータを見比べていた
リツコは、頭の芯に軽い痛みを感じて目をつむった。
疲れている時にムリに頑張っても、あまり意味はない。
集中力に欠けるときの思考など、後から見れば単純なミスばかりが目立つろくでも
ないものになりがちだ。

リツコは踏ん切りをつけて、端末をホストから切り離し、モニタの電源も落とした。

シンジが部屋に訪ねてきたのはそんな時である。

 コンコン、と控えめなノックの音がする。

「はい?」

返事をしたリツコが立ち上がり、ドアモニタで外を見ると、ワイシャツと黒ズボン
の制服姿で、スポーツバッグを提げた少年が立っていた。
シンジである。

「シンジくん!?」

リツコは意外な訪問者に驚き、すぐにドアを開けた。

「ど、どうも……」

部屋に招き入れると、シンジは軽く会釈しておどおどしている。
ドアブザーがあるのに、わざわざノックするところなども、シンジらしいと言えば
シンジらしい。

「珍しいわね、こんなところまで。こんな時間にどうしたの?」
「はい……」

リツコはシンジを部屋の中央に設置されている応接用のやや広いテーブルにいざな
った。
椅子は一応四脚ある。
ひとつを引いて自ら座り、シンジにも座るよう勧めた。

シンジの視線は、自然と下がる。

短く黒いタイトスカートからのぞいている、すらりとした長い脚。
褐色のストッキングに包まれた、匂ってきそうな色気に溢れた美脚である。
時折、脚を組み替えると、その奥が見えそうで見えないところがたまらない。
シンジは思わず唾を飲み込む。

「シンジくん……?」

リツコの不審そうな視線に気づき、シンジは慌てて謝る。

「ごっ、ごめんなさい」
「どうしたの、ホントに」

リツコが苦笑する。
ミサトには多少、親近感を覚えてきて、頓着無く接するようになってきているよう
だが、自分やマヤなどにはまだ他人行儀のところがある。

そのシンジが自分を訪ねてくるなど初めてのことだ。
それだけに、何の用事なのか個人的にも興味があった。

「そ、その……」

シンジは自分でも情けないと思いながらリツコと話している。
ミサトはまだ接触する時間が多かっただけに、こんなにおどおどしないで済んだ。

そして彼女を思い通り凌辱し、グゥの音も出ないほどに犯し抜いて、少なくとも
セックスに於いては言いなりにした。
それで少々自信もついたのだが、リツコはまた別であろう。

手厳しいという意味ではミサト以上だし、ところどころ子どもっぽい箇所が残って
いるミサトに対し、リツコは見た目ほぼ完璧なおとなに思えた。
この女を自由に犯し、性奴隷にすることなど出来るのだろうか。
辱め、貶める前に逆襲されてしまいかねない。

「?」
「その……。ぼっ、僕、最近、シンクロ率上がってますよね…?」

リツコは「あら」という顔をした。
シンジの方でも気になっていたらしい。

「そうね、あたしもね、それが気になってさっきからずっと調べてたんだけど」
「え、リツコさんも……」
「ええ、そう。でも、お手上げ。わからないのよねぇ、はっきり」

そう言ってリツコは両手を拡げておどけて見せた。
リツコはふと気づいた。

「もしかしてシンジくんの方は、何か思い当たるフシがあるのかしら?」
「ええ……」

シンジは曖昧に答えながら、飲みかけのリツコのカップを眺めた。
それを目にしたリツコは、自分の気の利かなさに苦笑しながら言う。

「ごめんなさいね、いきなり切り出しちゃって。お客さんが来たら、お茶くらい
出すわよね」
「すっ、すいません、催促しちゃったみたいで……」

リツコはその声を背中で聞き、「気にしないで」と言いながら、部屋の隅にある
サイフォンまで歩いて行った。
シンジは、紙コップにコーヒーを注ぐリツコを盗み見ながら、ポケットをごそごそ
と探った。

「シンジくん、お砂糖とミルクはどうだったっけ?」
「あの、砂糖をひとつ。ミルクもあったら入れてください」
「はいはい」

三分もしないうちに、リツコが紙コップを持って戻ってくる。

「お待たせ」
「あ、ありがとうございます」

リツコは腰を落ち着けると、またすぐに切り出した。
何しろ、これで数週間来の謎が解明されるかも知れないのだ。

「それが正しいかどうかわからないんですけど……」
「いいの。ホント何でもいいのよ。今、八方塞がりの状態だから、どんなつまらない
ことでもいいから、気づいたことがあるなら教えて欲しいの」
「なら……」

シンジはリツコを上目遣いで見ながら言った。

「あの……。自信はないんですけど、シンクロ率が上がりだしたのって、綾波が…
…その、死んだ…あとあたりからじゃないかなって……」

「レイが…?」

リツコは慌ててプリントされたデータと、ファイルされている過去のデータをつき
合わせた。
なるほど、レイがシンジを庇って、零号機で爆死したあと、しばらくしてからアップ
率が上がり始めているようだ。

「……」

リツコは少し考え込む。そして目の前にいるシンジに訊いてみた。

「で、シンジくんは、これをどう思う?」
「はあ……」

シンジは、考えをまとめるように紙コップからコーヒーを啜った。
リツコも、それにつられるように、自分のカップを口にした。

シンジの目が鈍く光る。

そして、リツコの喉が何度か動いたのを確認して、おもむろに話し始めた。

「綾波の件がどう僕に影響しているのかはわかりません。確かに、ひどくショック
を受けましたけど……」
「そうね……」
「でも、もうひとつ原因らしいのがあるんですよ」
「それは?」

シンジはリツコのデータを覗き込むようにして言った。

「もう一回波がありませんか? ぐーんと上がってる時」
「え……?」

リツコが用紙を見ると、確かにレイの死の直後に高い数値を出しているが、その後は
落ち着いている。
ところが、それから一週間くらいすると、またしても上昇しているのだ。

「そうね、ここのことね? ここで何があったのか憶えてる?」
「ええ、よく憶えていますよ」
「なに?」

リツコの目がとろんとしてきている。
シンジはそれを見てはっきりと言った。

「その頃ですよ、ミサトさんを犯し始めたのは」
「……。え??」
「だからミサトさんを犯したんですよ」
「……」
「それも一回じゃない。何度も何度も。ええ、今も犯し続けています」
「あ、あなた……いったい、何を言ってるの?」

シンジは、さっきまでのおどおどした様子をすっかり潜め、椅子に深く腰掛けている。
そしてリツコの目から目を逸らさずに言葉を続けた。

「言葉通りです。ミサトさんはもう、セックスでは僕の言いなりなんですよ」
「ど、どういうことなの!?」

すっくと立ち上がったリツコを見ても、シンジは少しも慌てなかった。
それでも少し不審気な顔でつぶやいた。

「あれ、まだ効かないかな?」
「え……あっ…」

何を、と聞く間もなくリツコはドスンと椅子に崩れ落ちた。

さっきからおかしいと思っていたが、身体に力が入らない。
腕は肩が外れたみたいにだらりと垂れ下がり、股もぱっくりと開いてしまい、脚は
しどけなく脱力している。
首にも力が入らず、右肩に乗せるように傾けていた。

「な……」
「……にをしたの、って言いたいんでしょう? どうってことないです、リツコさん
のカップに、さっき薬を入れといたんです」
「な……」
「……んの薬なの、ってとこですか。大丈夫、おかしな薬じゃありませんから。睡眠
薬でもないです。筋弛緩剤。知ってます?」
「……」
「苦労したんですよ、手に入れるの。本当は睡眠薬にしようかと思ったんですけど、
即効性の強力なのって、なかなか手に入らないんですよ」

リツコは、もはや聞いているのかいないのかわからない風だった。
しかし、時々、眼球が動き、何とか喋ろうと口がわなないているところを見ると、
シンジの言葉を聞いてはいるようだ。

「筋弛緩剤だって普通は入手できないけど、ネルフの付属病院で偶然にね。だいぶ
勉強したんですよ。だって、この薬って投与する量が多すぎたら呼吸するための筋肉
や心臓の筋肉まで弛緩させてしまって死んじゃうらしいんです」
「……」
「といって、少なすぎたら全然効きません。その辺の調整がすごい難しいらしいん
です。その人の体格や体力なんかも影響するみたいだし」
「……」
「だから、本当のこと言うと心配だったんですよ、効くのかどうか。多すぎたら
リツコさん死んじゃうわけだから、それは困るしね」

喋れないリツコを見下ろして、シンジは語り続ける。

「で、リツコさん、ここまで聞けば自分がこれからどうなるのか想像つくでしょ」

そんなバカな……。

バカなことはやめなさい、と言いたかったが、まだ薬が効いている。
身体どころか口の自由すら利かない。

シンジは両手をぱんぱんとはたき合わせると、ぐったりしているリツコに近づいて
くる。

「さあ、薬が切れない内に移動しましょうか」
「う……」
「あ、口が動くようになりましたね。早くしないと」

シンジはリツコの膝の下と肩に手を回すと、そのまま抱き上げた。
思ったよりも重い。
これだけグラマーなのだから、当然と言えば当然か。

それでも、さほど苦労することもなく、隣の寝室まで運んだ。
そしてそのまま無造作にベッドに放り投げた。
ドサッと音がして、リツコの身体が弾んだが、それでも動けなかった。

「……」

シンジは少し考えたが、やはりリツコを丸裸にすることにした。
このまま、リツコのいつもの服装で凌辱する、というのも魅力的だった。

短い黒タイトを履き、ブルーのブラウスの上に白衣を引っ掛けている、あのスタイ
ルだ。
どうということはないファッションだが、この服装があれだけ映えるのはリツコ
だけだろう。

だが、シンジには確認したいことがあったから、まずはリツコのヌードを拝むこと
にした。

「や……」
「……めて、って言いたいですか。でもダメです」

シンジは手早く、かつ乱暴に白衣をむしり取り、ブラウスも剥ぎ取った。
現れた下着はシンジには初見のものだった。

「なんです、これ?」

シンジは知らなかったが、スリー・イン・ワンと呼ばれるものだ。
バストとウェストをそのまま白い下着が覆っている。
ボディ・スーツにも見えるが、下はなかった。
要はブラジャー、ウェストニッパー、ガーターベルトが一体になったものである。

「へぇ」

シンジはリツコの胸を見て目を見張る。
フルカップで覆われているそれは、寄せて上げるだの、脇の肉を寄せ集めるだの、
せこい真似をしなくても充分以上に見事な大きさを誇っていたからだ。

続けて、黒というより濃焦茶のタイトスカートもすっぽりと脱がせてみる。
中に隠れていたのは、真っ白なショート・ガードルだった。
下半身のラインを整えるためのもので、ヒップアップ効果があるらしい。
さすがに30歳だから、幾分でもお尻の垂れを気にしているのかも知れない。
太腿を押さえる機能もあるらしいが、リツコはミサトほど太腿はたくましくない。

そして美脚を覆っていたのは、ストッキングではなくガーターだとわかったことも、
シンジを高揚させるのに充分だった。

シンジは昔見た映画を思い出している。
確かイタリア映画で、年上の女性が童貞の少年に性の手ほどきをするといった内容
だった。
今思えば他愛もない話だが、当時はかなり昂奮した。
その時のヒロインが身につけていたのもガーター・ストッキングだったのだ。
もったいないとは思ったが、ガーターは脱がせた。

そして、脱がせにくいこと甚だしかったが、ガードルと上の3in1も剥いた。

その下から浮かび上がったのは、目にも鮮やかな白さを持ったリツコの素肌だった。
まさに真っ白という言葉がふさわしい白さで、羽二重のようなもちもちした肌。

ミサトは、いかにも日本人というかモンゴロイドのようなベージュ、いわゆる肌色
の身体で、見ていても抱いていても安心できるタイプだ。
ところがリツコのそれは、白人女優のような白さを持った日本人離れしたものだっ
たのである。

気高いほどの肢体と肌を持ったリツコに、シンジは少し気圧されたが、頭を振って
我に返る。
それから、ついぞ確かめたかったことを行なう。

「ん……ん〜〜……」

筋力が戻りつつあるリツコが、必死に声を出そうとする。
シンジがリツコの股を割ってきたからだ。

どうにもならず大股開きにさせられた。
リツコは羞恥で顔を染めた。
シンジはまじまじとその秘められた女の園を覗き込む。

「なぁんだ、やっぱりここは日本人なんですね」

シンジは苦笑して、少々がっかりしたように言った。
リツコはもしかすると、恥毛もブロンドなのではないかと淡い期待を持っていたの
である。

よく考えればバカげたことで、彼女は髪を染めているのであって地毛ではない。
眉は染めていなかったから、その色が地毛なのだ。
そしてそれは焦げ茶であったから、当然、陰毛にしろ腋毛にしろ、その色のはずで
ある。

「ま、いいや」

シンジは改めて哀れな30歳の女のヌードを眺めた。
実に見事な裸身だった。

肌は20代の張りをまだまだ残しているのに、脂の乗った成熟さは年齢相応のものだ。
バストもヒップも着衣の状態から夢想した以上に張っている。
乳首はミサトよりもやや大きいようだが、これはこれで色っぽかった。
この身体を見たら、シンジと同年代の女の子など子どもにしか見えない。
ましてや抱こうなどとは思いもしないだろう。

リツコの薬が切れかけている。
あまりのんびりと鑑賞しているヒマはないようだ。

シンジは持参したスポーツバッグから、真っ赤なロープを取りだした。
縛り上げようというのである。

リツコは、ある意味ミサトより気が強く、反発するタイプだろう。
誇り高く、自分にも自信がある。
こういう女は羞恥や屈辱で責めるのがいちばんだ。
SMがいいだろう。
ミサトには浣腸責めを中心にお尻を責め、ロウソクで嬲ったから、リツコには縛り
をしてやろうと思っている。
あとは苦痛責めだ。

そう思って、いろいろ準備してきていた。
ロープは、わざわざ専用のものを購入した。
毛羽立ちにくく、それでいてビニール・コートなどしていない高級品である。
赤い縄が、真っ白な肌によく映えるだろう。

「じゃリツコさん、失礼しますね」
「や……め……」
「…ませんよ。薬が切れる前に、リツコさんをぎちぎちに縛り上げますから」

そう言うとシンジはマニュアル本らしい書物を取り出し、ページを開いて、そこに
図解されている通りに縛り始めた。
何度も文章を確認し、写真で確かめる。

リツコを立たせ、両手は後ろ縛りにする。
そして天井から吊した。
本によると、正確にはたすき縛りというらしい。
幸い、何に使うか不明だったが、天井に何カ所か簡単なフックがついていたので、
そこに引っ掛けた。
そして、左脚の腿の中程と膝の下を縛り、これも天井からつるし上げた。
90度どころか100度以上も股間を思い切り開かされている。

この上下の縛りの組み合わせを、秘肉晒し吊り裏式というらしかった。
陰部をめいっぱい晒されているからこういう名なのだろう。

少し手間取ったが、なんとか縛り上げた。

「ふう、何とか出来ましたよ。すいませんね、まだ慣れてなくて」

リツコの肌には、縛り損なった際の擦り傷や赤い跡が何カ所か残っていた。
その痕跡に触れてシンジが言う。

「痛かったですか? 何しろ、1/1フィギュアで練習しただけなんで、生身の
女性を縛るのは初めてなんですよ。ああ、ミサトさんにも簡単なのはやりました
けど、ここまで本格的なのは初めてです」
「……な、なんで…」
「あれ」
「なんで、こん、な、こと、す、るの……」

リツコにようやく神経が戻ってきているようだ。
まだ身体はぎこちないようだが、何とか口は利けるらしい。

「危なかったなあ。いや、ちょうどよかったのか」
「し、質問、に、こ、たえなさい……」
「わかりましたよ」

シンジは頭を掻いて振り返った。
リツコのきりっとした顔をあまりまともに見ては、言えそうもなかったからだ。

「最初はね」

シンジはつぶやいた。

「最初はミサトさんが……誘って来たんですよ」
「何を言うの、この子は!」

完全にリツコの筋力は戻ったらしい。
シンジは肩をすくめるようにして答える。

「だって本当ですから。さっきも言ったけど、綾波が死んだ件。あれがきっかけと
言えばきっかけなんです」
「ど、どういうことなの……」
「僕は……僕はですね、綾波の死にひどくショックを受けたんですよ……」
「……」
「ようやく……ようやく綾波と、心を通わすことが出来かかった矢先だったから」

シンジはひとつひとつ、思い起こすように言葉を繋げる。

「そんなとき、綾波は僕を助けるために死んだんですよ…。その時の僕の気持ちが
わかりますか?」
「……」
「僕はね、泣きましたよ。自分の部屋で。綾波の気持ちを考えて。綾波を助けられ
なかった自分がふがいなくて。悲しくて。くやしくて」
「……」
「その時にミサトさんが部屋に来たんですよ」
「ミサトが……」

リツコは、自分は屈辱的なかっこうで縛られていることすら忘れて、シンジの話に
聞き入っている。

「そして僕に言うんです。「私に出来ることって他にないけど」って。そう言って
僕の手を握って、腿に触れてきたんですよ! これが何を意味してるかわかるでし
ょう!?」
「……」

シンジは軽蔑したような表情になった。

「僕と寝てやるってわけですよ。ええ、わかってます、ミサトさんなりに考えて、
僕を慰めてくれようとしたんでしょう。でもね……」

それ以上、シンジは言わなかった。
だが、その時シンジがどんなショックを受けたのか、それはリツコにも何となく
わかるような気がした。

「おとなって……女って、バカですよね。そんなことで男を慰めることが出来ると
思ってるんですから。身体を与えておけば何とかなると思ってるのかな。それとも
僕が子どもだから舐めてたのかも知れませんけど」
「……」
「でも、その報いは受けさせました。で、その時から僕は少し変わったみたいなん
ですよ。これがもしかするとシンクロ率に影響してるかも知れませんね」
「そんな……」
「だからですね」

シンジはリツコを正面から見て言う。

「リツコさんにも協力してもらおうと思って。もし僕が女を犯せばシンクロ率が上が
るなら、リツコさんだって僕に身を差し出すのも本望でしょう?」
「バ、バカなこと言わないで!」

リツコは不自由なスタイルのまま、ぴしゃりと言った。

「そ、そんなことが原因になるわけがないわ!」

確かにレイの事件が何らかの影響を与えているだろうことは否めない。
シンジのショックがそれほど大きかったのであれば、心理的なものが響いているの
かも知れない。
神経回路の感度はゲインをかなり上げているから、微妙な変化も感応するはずだ。

しかし、だからと言ってミサトを抱いたからだと結論づけるのは早急だろう。
リツコは必死にそのことを説明したが、シンジはうるさそうに聞くだけだった。

「そんなことはわかってますよ。だからリツコさんで実験したらいいじゃないですか」
「じ、実験て……」
「だから、ミサトさんだけでなくリツコさんを犯してみて、結果を見てみればわかる
でしょう?」

シンジはそう言うと、リツコのおでこをツンと突ついてやった。

「んっ……く……」

かなり固く縛り上げてあるらしく、リツコは苦しそうな声を上げた。

縦横無尽と言っていいくらい、リツコの身体を縄が這っている。
下半身は、腿の付け根、太腿の中程、膝の裏、足首に巻き付いていた。
そして臍のあたりで二重回しに、豊潤なバストの上下には四重にもなってかっちり
縛られてある。
さらに両の乳房を片方ずつ根元から括り出すように縛り、あまり筋肉のない二の腕が
二カ所と手首にも二重にロープが巻かれている。

動きを拘束するためというにはあまりにも厳重な緊縛であり、リツコにはわけが
わからなかった。

「うっ……どうして……く、こんなに…固く縛るの……」

気の強いリツコが辛そうな顔をするのを見るのが面白いらしく、シンジは笑みさえ
浮かべて答えた。

「リツコさんが逆らえないようにって意味じゃないんですよ」
「……」
「リツコさん、SMって知ってます?」
「SM……」

シンジはこっくり頷いた。

「あれで、こうやって女を縛って虐めたり犯したりってのがあるでしょう? あれ
です、あれ」
「……」
「他にもロウソク垂らしたりとか浣腸したりってのもあるんだけど、そっちはミサト
さんで遊んでるから」
「…あなた、ミサトにもこんなひどいことを……」

リツコの問いかけは無視してシンジは続ける。

「だからリツコさんには縄を覚えてもらおうかなって」
「お、覚えるって……」
「そのヴォリューム満点の身体にはロープが映えるんじゃないかなあって思うから。
だからリツコさんも、身体で緊縛の味を覚えてもらいたいんです、きっちりとね」
「じょ、冗談じゃないわ!!」

吐き捨てるようなリツコの叫びに、シンジは目を細め、冷たい視線で彼女を見た。

「まだよくわかってないみたいですね」
「う……」

少年は熟女の顎をつまみ、心持ち持ち上げて正面から顔を覗き込んだ。

「リツコさんには拒否する権利なんか、ないんですよ」
「ふざけないで!」

あくまで威勢の良い女に、シンジは軽くため息を洩らす。

「やれやれ、こりゃあリツコさんの性根を叩き直すためにはロープだけじゃダメかな」

そう言うとシンジは、きょろきょろと辺りを見回した。
探していたものが見つからなかったらしく、鼻を鳴らすと仮眠室から出ていった。

リツコは混乱する頭の中で必死に考える。
現状は、とても現実とは思えない。
なぜかわからないが、シンジは常軌を逸しているように見えた。

ここは居丈高に怒鳴りつけ、押さえつけるよりも、下手に出て彼の理性に訴えたら
どうだろうか。
リツコのよく知っている彼は、充分に理性的だったし、頭脳も明晰だったはずだ。
そこまで考えているとシンジが部屋に戻ってきた。

「代わりになりそうなものが何もなくって……」

そう言って彼が手にしていたのは金属製のスケール(定規)のようだった。
何のつもりなのかわからないが、とにかくやってみるしかない。

「ね、シンジくん。こんなことやめて」
「何を言ってるんです、いまさら」
「こういうことはよくないわ。シンジくんだって思春期なんだから、女性に興味が
あるのはわかるわ」
「……」
「でも、こういう無理矢理なのはだめよ。暴力なんかで女性を屈せようなんて考え
ちゃいけないわ。ちゃんと両性の同意のもとじゃないと……」
「同意?」

シンジはきょとんとし、そして哄笑した。

「面白いこと言うなあ、リツコさん。同意といっても、こんなことされるのを同意
してくれるんですか?」
「こんなことって……」
「こういう風にぎちぎちに縛られて犯されるってことに」
「するわけ……ないじゃないの」
「でしょう?」

シンジは何度もうなずく。

「だったら同意なんてムリですよ。僕はこうしてリツコさんを緊縛したいわけだし。
そもそも、相手が最初っから縛られることや浣腸されることを望むような女だった
ら、僕は興味ないですもん」
「……」

自分の説得がすべて不調に終わったと知り、リツコは絶望の思いに苛まれる。
甘く見過ぎた。
この子は本気なのだ。
といって、この状態では口八丁で乗り切るしか手段はなかったのだが。

「おしゃべりが過ぎましたね」

シンジは時計をちらと眺めると、リツコの側に寄る。
そして思い切り吊られている左脚の腿を押しこくった。

「んあっ……」

大して動いてはいないが、少しでも身体が揺れると、きつく縛られているロープが
リツコの柔肌に食い込んでくる。
リツコ自身の体重で、その揺れが大きな苦痛を彼女にもたらすのだ。

「痛そうですね。ならこれは?」

さっきより強くリツコの身体を揺らしてやる。
ギシギシとロープの音がして、リツコの裸身を締めつけた。

「あう!」

肩が、肘が、膝が、足首が、そして腰の各関節がぼろぼろと崩れ去ってしまうような
激痛が走る。
そしてロープの食い込んだ雪肌が、まるでロープの赤を吸い取ったかのように、
ほんのりと赤く染まっていくのだった。

「なんで……こんな……あ、くっ……」

痛みに身をよじりながら、リツコはシンジを見る。
少年は、哀れな美女を蔑んだような目で見ながら言ってやった。

「リツコさんみたいな美人が、苦痛に身悶える姿なんて滅多に見られるもんじゃ
ないですから」

苦痛に裸体をうねらせる美貌の熟女に、シンジの男が硬くなっていくのがわかる。
唾を飲み込みながらリツコの身体をさすり、揺らしていた。

「それしてもすごい色気ですよ、リツコさん。この有り様をビデオに撮って売った
ら、本番なしでもバカ売れするだろうなあ」
「ああっ……痛っ……う、う……きつい……苦しいわ……」

苦悶する美貌。
真っ赤なルージュを引いた唇からは、苦痛を訴える喘ぎが洩れる。
ぞくっとするような潤んだ視線を湛えた瞳は、目元の泣きぼくろも相まって、形容
しようもないくらいセクシーだった。
本当に、これだけでもオナニーできそうなくらいだ。

「そう辛そうな顔をしないでください。リツコさんもそのうち慣れてくるでしょう
し、そうすれば快感になるかも知れませんよ」
「いやっ……やめ、こんなことやめなさ……ああっ!」
「ミサトさんに浣腸した時も、同じこと言ってましたよ。でも終いには……」
「言わないで!」
「おお、おっかない」

シンジはおどけて言った。

「まだそんな気力が残ってるんですね。じゃあ、さっきのお仕置きも兼ねて……」

少年は手にしたスケールを軽く振り上げた。
天井の蛍光灯が反射して鋭い光がリツコの目に入る。
その直後、ひゅっと空気を斬る乾いた音がしたかと思うと、尻に激痛が走った。

「痛っ!!」

シンジがスケールでリツコの尻たぶをひっぱたいたのである。

「なっ……なにするの!」
「だからお仕置き。それと、ついでだから鞭打ちも覚えてもらうかなって」
「ふざけないで! そんなことやめなさい! そ、それとすぐに解きなさいっ」
「ありゃりゃ、キレちゃったかな、リツコさん。まあいいや」

きぃきぃ喚くリツコに構わず、シンジはスケールを鞭代わりに打擲を続けた。

ぱっちーーんっ!
「痛い!」

漫画の擬音のような打撃音を残して、スケールはリツコの白い肌に炸裂する。
シンジは大して力を入れていなかったが、リツコの大きく張ったお尻をスケールの
平たいところでパチンと叩くものだから、小気味よい音が響く。

ぴちん!
「うあっ!!」

ぴっちん!
「痛いっ」

ぱぁん!
「くあっ!」

ぱちぃっ!
「ぐっ……!」

シンジは尻にばかりスケールによる打擲を十数度も続けた。
そのたびにリツコは喉も張り裂けんばかりの悲鳴を上げて身をよじった。

尻たぶが弾けるかと思うくらいの痛みが連続して襲ってくる。
叩かれると思わず悲鳴が喉を割り、呼吸が止まる。
そして鞭打ちの鋭い痛みから逃げようと身体をひねると、食い込んだロープがリツコ
の肌を傷つけ、肉体を絞るように締めつけて激痛を与えることになってしまう。

シンジがようやく満足してスケールを置いた頃には、リツコは息も絶え絶えで、
ぐったりと縄目に身体を預けるだけになっていた。
シンジの執着で叩かれ続けた尻は、打たれるたびにスケールあとが筋状に残って
いたが、数が増えていくと、尻全体がほんのりと赤く染まるほどになっていた。

「ああ……」

シンジの激しい責めが終わると、リツコはホッとしたように息をついた。

はぁはぁと不規則な呼吸。
屈辱と羞恥、苦痛で汗にまみれた美しい裸体。
その美貌は固く目を閉じ、やはり汗を滴らせている。

ムッとするばかりのフェロモンが全身から匂い立ち、シンジも我慢ができなくなって
きた。
ワイシャツを脱ぎ、スラックスを下ろすと、その逸物はブリーフにテントを張って
おり、すっかり臨戦態勢だった。

少年は、その下着もむしり取るように脱ぎ捨てると、リツコに声をかけた。

「さあ、リツコさん」
「……」

恐る恐る目を開けたリツコは、目の前の少年が全裸なのに気づいた。
そして、その股間には猛々しいばかりの男根が屹立し、リツコの白い肢体を見て
よだれを垂らしている。

「シンジくん……もう、もうやめて……こんな怖ろしいこと……」
「怖ろしくなんかないですよ。リツコさんだって処女ってわけじゃないでしょうし」
「……」

それどころか、シンジの父親と関係を持っている。

「僕のシンクロ率は上がるかも知れないし、リツコさんも気持ちよくなる。いいこと
ばっかりじゃないですか」
「何を言うの! 私はそんな気は……」
「何回も言いますけど、リツコさんの意志なんか関係ないんですってば」

シンジはつぶやくように言うと、後ろに回り込んで腫れ上がったリツコの丸い尻を
撫でる。

「くっ……」

子どものような少年に尻を痴漢される屈辱と、何度もスパンクされた箇所がびり
びりと痛み、リツコの口から苦鳴がこぼれる。

後ろから大手を拡げて、ロープに絞り込まれた乳房を掴んだ。
かなり張りつめていたため、マシュマロのような柔らかさは実感できなかったが、
彼女のすべらかな肌は充分に楽しめた。

「やめっ、触らないで! ああっ!」

窮屈に縛られていたせいか、すでにむっくりと起き上がっていた乳首にシンジの指が
触れると、リツコはビクンと反応して首を反らせる。
バストの感触を味わうには不向きな縛りだったらしく、シンジは少し後悔した。
仕方がないので、揉むというよりは撫でたりさすったりする方に専念した。
肌が張って神経も鋭敏になっているだろうから、こっちの方がリツコを感じさせやす
いかも知れない。

外側から手のひらで擦るように愛撫する。
指先で乳輪の周囲をなぞり、硬くなっている乳首をひねった。

「あうんっ…」

リツコを責めて、初めて性反応の声を聞いたシンジはリツコの肩に顔を乗せ、そこ
から彼女の耳にささやく。

「いい声ですよ、リツコさん……。感じてきました?」
「バカッ……! 誰がそんな……やめなさい!」

シンジは舌を伸ばして女の耳たぶを舐めた。
ピアスがときどき舌にあたる。
そこを中心に舐め回し、耳孔にも舌を突っ込んだ。

「気持ち悪い! いい加減にして……こんなこと…ああっ……」

シンジの舌が耳の後ろから、生っ白く伸びる綺麗な首筋に移動する。
そこに彼女のツボがあったらしく、ギクンと身体を反らせて反応した。

シンジは感じたあたりを舐め、手の方はバストの愛撫を続けている。
リツコは嫌がって身体をよじろうとするものの、そうするとロープが締まって身体
のあちこちが痛む。
結局、彼の思うままにするしかなかった。

シンジの手指が、乳房、腋、脇腹、臍、尻に太腿、ふくらはぎを撫でさすり、揉み
込んでいく。

「ああ……」

苦痛に身悶えたからか、はたまた心ならずも感じてしまっていたのか、リツコの
全身は絞るような汗だった。
縛り上げる赤いロープは、その汗を吸い込んで余計に締まってしまい、リツコを
苦しめる。

「……」

シンジがひょいと股間を覗くと、いつしかリツコのそこはしっとりと露を帯びて
いた。
褐色の陰毛は濡れそぼち、その先には今にも垂れそうな汁が宿っている。

「あれ? 感じてるじゃないですか、リツコさん」
「なっ……違うわ! これは…ああっ!」

少年の手が、最も恐れていた股間に伸びたことを知ると、リツコはわなないた。
シンジの指が、リツコの分泌液でねっとりと濡れていく。
恐らくわざとだろうが、くちょくちょと卑猥な音をさせ、彼女の媚肉をまさぐり
続けている。

「ああ、やめて! …あ、あ……いじらない…でっ……あ、そこだめっ!!」

シンジが二本の指を使いクリトリスを摘むと、リツコの声が裏返った。
盛んに拒絶の声を発し続けるものの、シンジの指が暴れれば暴れるほど、リツコの
膣からは否定のしようのない愛液が漏れ続けてしまうのだった。

シンジは指からぽたぽたと淫液を垂らしながら言った。

「すごい濡れるんですね、リツコさん。それともひさしぶりだったからかな」
「……」

シンジはリツコの正面に回って正対する。

白かった裸身がほんのりとピンクに染まっている。
全身の汗と、濡れた股間から、妖しい女の匂いが沸き立っていた。

リツコは羞恥で固く目をつむっている。
大声で叫びたいが、何を言ってもシンジにいやらしく切り返されると思っている
ので、唇を噛んで耐えていた。

リツコは正面のシンジをぼんやりと見つめた。
少年の股間には、リツコの中に入ろうと勃起し切ったペニスが隆々としていた。

信じられない展開の連続で、虚ろになっていたリツコの頭が一瞬にして醒める。
いよいよ犯される。
リツコはまだ信じられなかった。
無駄と知りつつも、必死にシンジを思い留まらせようとした。

「お願いよシンジくん……。もう、もうこんなことはやめて…。まだ間に合うわ、
ここでやめてくれたら、このことは誰にも言わないから……」
「ここでやめるくらいならはじめっから何もしない方がマシですよ。そうは思い
ませんか?」
「……」
「それに、何か勘違いしてるようですけど、このことを誰かに言いつけるっていう
なら止めませんよ」
「え……」
「僕はバレたって構いませんってことです。ネルフを辞めれば済むことですから。
でも、リツコさんたちは僕が辞めたら困りません? 初号機は僕しか乗れないんで
しょう?」
「……」

信じられなかった。
この子はエヴァを脅迫のタネにしている。
最初は何度も乗機拒否し、家出までしたナイーヴな少年が、今度はそれを逆手に
とっておとなの女を脅しているのだ。

「覚悟、出来ました? じゃあ」

シンジは、吊り上げられたリツコの左脚の膝を右手で抱え上げると、反り返るほどに
屹立しているペニスを媚肉に押しつけた。

「いやあ! やめて、お願い!」

シンジは淫裂に亀頭を触れさせると、ぐりぐりと割り込むように中に押し込んだ。

「うあ……うあああ……」

思った以上に野太い男根が膣内に侵入してくると、リツコは少しずつ息を吐くよう
にして受け入れた。
イヤでイヤで仕方なかったが、身体の方は拒絶できなかった。

「う……う……うう……」

シンジが出来るだけゆっくりと、しかも最も深い箇所まで押し込んでいくため、
リツコはイヤでもその形状と大きさを知覚させられる。

「……」

シンジは根元まで沈めきると動きを止めた。
リツコの中は異様なほど熱かった。
そして、それまでぴくりともしなかった膣の襞たちが、時間がたつにつれじわじわ
と蠢いてくる。
中に入り込んだシンジの男根を愛おしむように、優しく包み込んでいた。

「いい感じですよ、リツコさん。名器ってやつかな」
「……」

リツコは目を閉じ、顔を背けて耐えている。
それを見たシンジは、いきなり大きく腰を動かした。
すっと腰を引いて浅いところまで引き抜くと、一気に最奥まで貫いたのだ。
身体を貫通されそうなところまで突き通されたショックで、リツコは思わず不自由な
腰をねじり、喉を反らせた。

「あう!」

リツコも、ミサトほどではないだろうが年齢相応のセックス経験はあるはずだ。
ならば、闇雲にピストンするよりは感じやすいところを擦りつけた方がいいかも知れ
ない。

そう思ったシンジは、奥まで入れたまま腰を動かし、奥を擦るように抉った。
途端に、リツコにビーンと強烈な刺激が来た。
こんな状況で犯されて感じるわけがないと思っていたが、これは快感としか思えない。

「んあっ……うっ……あ、あ……」

リツコの声がだんだんと艶っぽくなってくる。
シンジの目が光った。
どうやらビンゴのようだ。
ツボが最奥でなかったら、膣のあちこちやらGスポット探しやら、面倒になりそう
だったが、いきなり当たった。
幸運だった。

「ここがいいみたいですね、リツコさん。どうですか、奥をかき回される気持ちは?」
「あ……あくっ……う、うんっ……あうう……い、ああ……」

リツコの腰を抱え、ペニスを押し込んだまま腰を揺すり上げる。
膣からの出入りは少ないが、その分、肉棒の先端はリツコの子宮口にくっつきっぱな
しで、しかもシンジが腰を揺するたびに擦れてしまう。

「うっ……あっく……く、ぁ……んんっ……はあっ……」

もはや明らかな快感を得てしまっているリツコだが、それを口にするわけにはいかな
かった。
そこまで堕ちるわけにはいかない。
しかも今自分を責めているのはわずか14歳の子どもなのだ。

「は……ああ……ん……むぅ……はっ、ああ……」
「どんどん声が甘くなってきますね」
「違う……んんっ……くぅ……あ、だめ……」

なんとか常軌を保とうとするリツコだが、顔は上気し、膣からはこんこんといやら
しい液がとめどなく零れてくる。
割れ目に突っ込まれたペニスを吐き出したくて仕方がなかったが、媚肉の方は、
しっかりとくわえ込んで離さない。

「ああ……ああ……あうう……」

シンジの肉棒が子宮口を擦るごとに、リツコの唇からは艶めかしい呻き声が噴き
こぼれる。
拒絶の言葉は一切おもてに出なくなった。

たまに、ぐんっと突き込まれると、リツコはたまらず背を反らせ首筋を露わにする。
シンジは、リツコの腰が不定期にぷるぷると震えているのに気づいた。
なんだかんだ言って、イキそうなのかも知れない。

「そろそろですか、リツコさん」
「あう……んくっ……」
「最初だし、あんまり意地悪しないでいかせてあげますね」
「な、なにを……あああっ!」

シンジは突然、腰のピストンを大きくし、深い抉り込みを繰り返した。
リツコの背筋に、甘いというにはあまりにも強烈な痺れが走り、腰と子宮を直撃する。

「うあっ…うああっ……あ、や……ああっ……ああっ……」
「いきそうですか?」
「いやあ!」

そう言いながらも、リツコの膣が締まり出し、シンジのペニスを圧縮する。
心地よい刺激を感じ、シンジも性欲を解放することした。

「じゃ、僕もいきますよ。中でいいですね」
「だめっ!」

リツコは目を剥いて叫んだ。
いくらなんでもそれだけは許せない。

「ぜ、絶対だめよシンジくん!」
「だめも何もないです。僕は中に出したいんです」
「ああ、だめっ……」

シンジはズンズンと律動を大きく激しくした。
奥まで届かせると、子宮を奥まで押し上げるつもりで突きまくる。

「うくぅっ……あ、ああっ……あうっ…」
「いきますよ」
「だめっ……な、中だめっ……ああ、お願い、中だけは……あああっ!」

責め続けるシンジの肉棒に、きゅううっと強烈な締めつけが加わった。
リツコは大きくのけぞって、身体をがくん、がくんと揺らしている。
そんなリツコの絶頂シーンを見て、シンジも思い切り射精した。

「ああっ、中はいやあ!」

びゅるるっという音が外まで聞こえてきそうなくらいの射精を受け、リツコは絶望
的な悲鳴を上げた。

「いや……こんな…」

シンジは、いやがるリツコの腰を押さえつけ、最後の一滴まで膣の中に放った。



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