結局、アスカは一週間保たなかった。
昨日行われたシンクロテストの結果が思わしくなかったということもある。
ほとんど前回と変化なかったのだ。
とはいえ、それはアスカ個人の見解であり、リツコやマヤの評価は悪くない。
前回の上昇が大きすぎただけであり、その数値は良かったのだから無理にこれ以上シンクロ率は上がらずとも、充分にEVAに乗れるし、戦えるだろう。

しかしアスカは満足しなかった。
数字がまだシンジより低かったからだ。

アスカは、彼に対する感情を持て余していた。
気になる存在なのだが、シンジに負けるのが悔しくてならない。
それにシンジの方が、アスカに対してどういう感情を持っているのかもよくわからないのだ。
嫌っているようには見えないが、それもわからない。

アスカは、自分が高飛車で居丈高であることは承知している。
そんな女、男から見たら可愛くないだろうし、表面上つき合っているだけかも知れない。
アスカは、加持を除くそれ以外の男にそう見られても、別にどうということはなかった。
自分はもともと「独りぼっち」だと信じていたからだ。
それが、ミサトやシンジとの同居生活もあって、人恋しさが募るようになってきている。

彼女の気持ちは些か極端で、シンジが完全に自分のものになるのでなければ、親しくなる必要はないと思っている。
白か黒か、はっきりしないとイヤなのだ。
シンジはああいう優しい──アスカに言わせれば優柔不断な──性格だから、例えアスカが気になっていても告白するというのは難しいだろう。

それにレイの存在もある。
アスカは自分が嫉妬しているとは思いたくないのだが、レイとシンジが一緒に居ると感情が波立つ。
穏やかではいられなくなる。
ならばアスカからシンジにそう告げればいいのだが、彼女の性格からして間違ってもそんなことは出来ない。
シンクロ率でも使徒撃退でもシンジの風下に立たされている。
その上、自分から「好きだ」などと言えるはずもなかった。
理想は、何事に於いてもシンジより上回り、その上でシンジに告白されるパターンである。
今はまさに真逆なのだ。

だからこそアスカは焦った。
龍田の処方したあの薬さえあれば、数値はまだまだ上がるに違いない。
効くことはわかっているのだから、龍田もさっさと寄越せばいいものを、もったいつけるかのように渋っている。
何でも、それなりに強い薬だから飲み過ぎると身体に負担がかかるとか、依存症が出てくる可能性もあるらしいが、そんなことはどうでもよかった。
目に見える効果と結果、そしてみんなからの賞賛が欲しかったのだ。

加えて、身体の変調もある。
以前と比較して明らかに自慰回数が増えているにも関わらず、それでも一向に欲望が治まらない。
むしろエスカレートしていっている気もする。
理由は不明だが、あの薬を飲むと少し落ち着くのだ。
だからこそ欲しかった。
アスカは、それまで寄りつかなかった龍田の部屋に、それこそ日参している。

「ねえったら! 薬ちょうだいよ!」
「だめだと何度も言ってるだろう、アスカ。まだ早いよ」
「一週間おけばいいって言ってたでしょ! もう一週間たったじゃない」
「それは最短で、だよ。僕は10日間隔くらいとも言ったよ」

龍田は、困ったような表情を浮かべてそう答えた。
アスカは、学校から帰るなり、部屋にも寄らずにここへ直談判に来ているのだった。
というのも、今度は学校にいる時に「欲しく」なってしまい、我慢するのが大変だったのだ。

授業中、ふと気づくと、手がスカートの中に潜り込んで、下着の上から触っていた。
あまりのことにアスカ自身が驚いてしまい、気づかれていないかとヒヤヒヤした思いで周囲を確認したくらいだ。
アスカの深刻な心配とは裏腹にクラスメイトは誰も気づかず、真剣に、あるいはぼんやりと授業を受けているか、居眠りしているか、こそこそとおしゃべりしているかのいずれかであった。

部屋に帰ってオナニーすれば多少は治まるものの、もうほとんど日課となってしまったその秘められた淫らな行為に嫌悪感すら抱いてしまっている。
女にも性欲はあるとあの医学書にもあったから、たまにするのはいいだろうが、こう毎日となってはさすがに気恥ずかしくなるし、自分が惨めにも思えて
きてしまうのだ。

「でも……」
「何かおかしいよ、アスカ。どうかしたのかい?」
「な、何もないわよ、別に」

見透かすように顔を覗き込んできた龍田から、アスカは目を逸らした。
まさか、いやらしい欲望を鎮めるためだとは言えない。
それに、能力アップを望んでいることは事実なのだ。
龍田の目がすうっと青くなる。
さっきまでとは目つきが変わっていた。

「……当ててやろうか」
「何をよ」
「どうにも我慢できなくなった。違うかい?」
「が、我慢て何のことよ」
「これ」

龍田はそう言って、テーブルの上にあったリモコンを操作すると、アスカの真後ろにあるモニタにスイッチが入った。
思わずアスカがそっちへ振り向くと同時に、映像が流れ始める。

「え……、あ!」

何気なく画面を見たアスカが凝固した。

そこに映っているのが自分だったからだ。

しかも見覚えのある場所だった。
アスカの新しい部屋だったのである。
そこには、ベッドに仰向けで横たわる制服姿のアスカが映し出されていた。
どうやら天井に隠しカメラか何かが仕掛けてあったようだ。

「ちょっと……! これ……」
「監視カメラだね。アスカも知ってるだろうが、本部内にはあちこちにこの手の監視カメラが設置されている。今、きみが使ってる部屋は物置だったが、
以前は何か他のことに使っていたのだろうね。だからカメラもあった。使われなくなって放置されても、カメラはそのままだったわけだ」
「なんであんたがそのビデオ持ってんのよ!」
「そんなことはどうでもいいさ。それより、ほら見てみなよ。これから何が始まるのかな?」
「や、やめて! ちょっと、見ないでよ! 早く消して!」
「そうはいかないさ。きみの悩みもこれだろう?」
「……え?」
「ほら、見なさい。アスカが何をしてるのかがわかる」
「っ……」

見るまでもなかった。
あの時、部屋掃除を終えるなりオナニーを始めてしまったシーンである。

アスカの顔が見る見る赤らんだかと思うと、一転して血の気が引いた。
オナニーしていたことを知られてしまった羞恥と、それを知らないうちに撮影されていた恐怖のせいである。
アスカが、バッと龍田に飛びついた。

「消して、早く!」
「おっとっと」

龍田は、アスカを軽く片手であしらい、その腕を掴んだ。
アスカがその苦痛に顔を歪める。

「い、痛いっ……離して、痛いわよ!」
「飛びかかってきたのはアスカの方だぜ」
「当たり前でしょ! 消してよ、早く! それと、そのビデオ返して!」
「返して? そりゃ変だろう、これはきみのものじゃない」
「映ってるのはあたしよ! あんた、これ犯罪行為よ、わかってんの!?」
「そうだけどね。でも、これを取り上げても何にもならないと思うよ」
「ど……どういうことよ」
「だからさ、このビデオを撮影したのは誰かってこと」
「誰って……、あんたでしょうに、この変態!」
「違うよ、心外だなあ。さっきも言ったろ? あのカメラは僕が設置したものじゃないんだ」
「あ……」

アスカの動きが止まった。
龍田はふっと息をついて、制服の首ホックを外した。

「そう。ここの監視カメラはすべて保安部が設置したものだ。当然、その映像を録画して保管しているのも保安部だ」

つまり、龍田が個人的に保有している録画テープを処分させても、保安部には残っているということだ。

龍田の説明は、半分は正しいが完全な事実でもない。
あの部屋にカメラがネルフ側でセットされ、無人となってそれを取り外すのを怠っていたのは事実だったが、今でもそのカメラが生きているのは
龍田がやったからである。
保安部はカメラが残っていることは承知していたが、空き部屋とはいえまた今後使用することもあり得るとして、そのまま残置させたのである。

但し、監視対象からは外していたので回線は切られており、保安部の集中監視室での録画はもちろん、監視すらされていなかったのだ。
あの部屋にアスカが寝泊まりすることを知り、龍田がカメラを監視システムとして生き返らせ、録画も行なっていたのだった。
アスカは龍田の手を振り払うようにして立ち上がり、部屋を出ようとした。
その背中に龍田の声が掛かる。

「どこへ行く?」
「決まってるでしょ。保安部に行ってテープ消してもらうのよ。それと、あんたの悪行も言いつけにいくから」
「保安部が監視テープを消去すると思うかい? それに何て言うつもりなんだ、きみは。まさか「あたしのオナニービデオを消してください」とでも?」
「……!」

アスカの足が止まった。
その背中が小刻みに震えている。
そのまま膝が崩れ、ぺたんと床に座り込んでしまう。

「どうすればいいのよ……。あんなテープを見られたら、あたしは……」
「ま、そう落ち込むな」

龍田は、アスカの薄い肩にポンと手を置いた。

「心配しないでも、僕が何とかしよう。幸い保安部にも少しコネがある。僕から依頼すれば何とかなるかも知れない」
「ほ、本当に……?」
「ああ。そもそも、あんな映像、彼らの仕事とはまるで無関係だからね」
「……あ」

アスカは、龍田に手を引かれ立ち上がらされると、またソファに座らされた。

「それと、きみの悩みも解消してあげる」
「じゃ……、じゃあ薬くれるの?」
「いいとも。しかも、さっき言った通り、保安部のビデオも消去させるし、何なら、これからはアスカの部屋を監視対象外にするよう進言してもいい」

アスカは心から安堵したようにホーッと息を抜いた。
強張っていた表情が幾分和らぎ、身体の硬直も解けてきた。

「僕の持っているこのビデオも消去してもいい。ただ、条件はあるよ」
「条件て……?」

アスカが眉をひそめた。
考えてみればアスカは完全な被害者であり、加害者側である龍田に条件など出される筋合いはないのだ。
龍田は、めまぐるしく表情を変える少女の貌を面白そうに見つめながら言った。

「なに、簡単なことさ。しかもアスカの今のお悩みまで解決できるというおまけつき」
「だ、だから何よ! はっきり言って!」
「アスカの、その身体さ」
「は……?」
「惚けてるのか? それとも鈍いのかな? わかりやすく言えば、セックスの相手をしてもらおうってことだ」
「なっ……!」

アスカは大きく目を見開き、口をあんぐりと開けた。
まさに、開いた口がふさがらないといった感じである。
こうもストレートに言いにくいことを言うとは思わなかった。
それともこの男は、そうしたことに羞恥など感じていないのだろうか。
年端も行かぬ少女に性行為を求めるという、人道に悖るような行為を何とも思っていないのか。
アスカは、恥ずかしさと怒りで顔を真っ赤にして怒鳴った。

「あ、あんたバカぁ!? 自分が何言ってるのか、わかってんの!?」
「もちろん。何度でも言うさ、えっちしようぜ、アスカ。えっちだよ、えっち。セックスーー」
「ばっ……バカバカバカっ! えっち、痴漢、変態! 信じらんないっ!」
「騒ぐなよ。そうすれば、アスカの当面のお悩みはすべて解決するんだぜ? 保安部の件もビデオの件も隠しカメラの件もね」
「……」
「それに」

龍田は思わせぶりにアスカの肢体を舐め回すように見つめる。
そして、いかにもいやらしそうな口調でこう言った。

「アスカだってそうなんじゃないのか? 男が欲しくて我慢出来ず、オナニーしてるくらいだしな」
「あ、あれはっ……」
「あまつさえ、それでも我慢しきれず僕のところまでやってきた」
「だ、だからそれは薬が欲しくてっ……」
「なぜ薬が欲しいのかと言えば、それを飲めば一時的に性欲が治まるような気がするからだろ?」
「ど、どうしてそれを……」
「ふふ……」

龍田は笑いながら白衣と制服の上着を脱ぎ始めた。
あまつさえ、下のワイシャツ、そしてTシャツまで脱ぎ去った。
アスカは真っ赤な顔を背けて叫んだ。

「なっ、何で服なんか脱いでんのよっ」
「脱がなきゃ出来ないだろう。それとも着たままするのが趣味か?」
「ふざけないでよっ! あたしが何であんたとなんかっ……」
「何度も言わなきゃわからんか? アスカには選択肢はない。そうするしかないんだよ。賢いアスカにはそれくらいわかるだろう」
「でもっ……」
「もしかして、おまえ、まだ……」

その質問に限りなく屈辱を感じ、アスカはカッとなって怒鳴りつけた。
綺麗な目の縁に涙がじわっと膨らむ。
龍田が腕を掴んできたが、必死になって振り払おうとする。

「う、うるさいっ! 大きなお世話よ、あたしは……」
「そうか、そうか。てっきり加持のやつともう愉しんでいるのかと……」
「加持さんはあんたみたいなロリコンじゃないわよっ!」
「なら「初物」ってことか」
「は、初物って……」
「ま、そんなことはしてみりゃわかる。さ、アスカ」
「いやっ! 絶対にいやだからっ!」
「聞き分けのないことを言うな。抱かれるしかないんだよ。それに、そうなればアスカのいやらしい欲望だって冷ますことが出来るんだ」
「いやらしいって何よ! あたしは別に……」

アスカが血を吐くように叫ぶと、龍田はなぜか彼女の腕を離し、そのままソファに腰掛けた。

「無理強いはしないよ。アスカ自身が決めるんだ」
「だから、いやだって言ってるじゃないのっ」
「本当にそうか? そうならアスカの恥ずかしい秘密は公然のものとなる。薬も処方しないから、シンクロ率もガタ落ちだろうな」
「そんな……」
「そうなればEVAにも乗れなくなる。きみはネルフからも放逐されるわけだ。しかも、ふつふつと沸騰している淫らな熱もそのままアスカの身体に
残ることになる。それでいいのかな?」
「……」

龍田はそっと腰を上げ、アスカの隣に立った。
うつむき、黙り込んでしまったアスカの震える肩に、龍田の手が置かれる。
骨がゴツゴツと感じられるほどの薄い肩で、彼女のスリムさが窺えた。
まだおとなの肉や脂が乗る前の身体なのだ。

心身両面から責め立てられたアスカは、もうどうしようもなくなっていた。
そんな難題は、14歳の少女に何とか出来るものではないのだ。

「……どうしろって言うのよ」
「きみから何かする必要はない、まだね。ただ、そこでおとなしくしていてくれれば万事丸く収まるって寸法だ」
「卑怯よ、そんな……」
「わかってるつもりだよ。でも、それしか手段がないってこともわかるよね」
「……」

どうにもならなかった。
もう割り切るしかないのだ。

この男に弄ばれる。

それは絶筆に尽くしがたい屈辱、恥辱ではあるが、龍田の言う通り利点がないでもない。
今まで通り薬が処方され、EVAに乗れる。
あのビデオも消してもらえる。

そして。

ごくりとアスカの細く白い喉が動いた。
この身体の熱い疼きが何とかなるかも知れないのだ。
この年頃の少女だから、アスカにだってセックスには興味がある。
だからこそ自慰もしていたわけだ。
しかし少女らしい潔癖さも持ち合わせていたから、そうした行為が酷く汚らしく、穢らわしく思えていたのも事実だった。

そして恐怖もある。
自分の身体の中に異物──男性の一部が侵入してくる様子など、想像もつかなかった。

そして貞操である。
アスカはそこまで処女性を大切に思っていたわけではないが、それでもセックスするなら好きな男とだと思っていた。
特にヴァージンを捧げるとあれば余計にそうである。

それが今だと思えばいいのだ。
しかし相手は加持でもシンジでもない。
龍田は、暴力的にではないが、脅迫という薄汚い手段でアスカの処女を奪おうとしている。
それに屈しなければならないのは、アスカにとって許し難い恥辱だ。

だが他に手段はなく、その上、龍田の言う通りプラス要素もいくつかある。
イヤなのは、こんな男に抱かれるということだけなのだ。
逆に言えば、それさえ我慢すればいいのである。
それに、将来シンジとそうなることがあったとして、自分が「経験者」であれば恥を掻くこともなく、シンジをリードできるだろう。
龍田が念押しするように言った。

「いいな?」
「……勝手にすれば」

アスカはふて腐れたようにそう吐き捨てると、肩に乗った龍田の手を振り払った。
そして、龍田ですらたじろぐほどの目で叫んだ。

「あんたは最低の男よ! シンジ以下のウジ虫だわ! 大っ嫌いっ」
「アスカは、その最低のウジ虫に抱かれるわけだ。よし、こっちへ来い」
「く……、あっ!」

龍田は、渋るアスカの腕を無理矢理引っ張り、そのまま備え付けのベッドに突き転がした。
そのショックでスカートがめくれ、アスカが慌ててそれを押さえる。

「何すんのよっ」
「何って、決まってるだろう。セックスだよ、セックス」
「ほ、本当にあんたって最低っ。あ、触らないで!」
「いい加減に覚悟を決めろよ、アスカ。それともここでやめるか? 僕はそれでもいいんだぜ」
「っ……」

アスカは、相手を睨み殺さんばかりに睨め付けてから、プイとそっぽを向いておとなしくなった。
仰向けに寝転がされているが、スカートは直している。
裾から伸びた若い脚に、男の視線が走るのを感じ、寒気と虫酸が走ったが、そのおぞましさを飲み込んで堪え忍んでいる。

この時間だけ、嵐にでも遭ったと思ってしまえばいいのだ。
そう割り切ろうとしたものの、アスカの年齢では冷静になるのは無理だった。
犯される恐怖もあって、アスカはまだ小さく震えている。

「じゃ、スカートでもめくってみるか」
「いやよ! あ、いやっ……!」

アスカは口で抗うのみで、ほとんど抵抗しなかった。
というよりも、事前の脅迫もあって出来なかった。
悔しそうな表情を浮かべるし、手も握り拳を作って屈辱で打ち震えている。
龍田は、アスカのような気の強い少女を、脅しで精神的に雁字搦めにしてやって弄ぶことの愉しさに酔っていた。
暴力的に押さえつけ、肉体的に縛り上げて自由を奪って犯すのもいいが、こうして、逃げようと思えば逃げられるのにそれが出来ない状況に追い込んで
嬲るというのも悪くなかった。
龍田は、わざと羞恥を煽るような言葉でアスカを辱める。

「ほう、シンプルなパンティだな。アスカなら、もっと派手なやつかと思っていたが、そこはまだ中学生ということか」
「うるさいわねっ。あ、見ないでよっ」
「そう言われても、目の前にあるんでね。うーん、女子○学生の白いパンティか。はは、ロリコンにはたまらない光景なんだろうな」
「あんたがそうなんでしょ、この変態っ」
「いやいや、僕は本来、もっとおとなの女性が好きなんだけどね。でも偏食は良くない。アスカみたいな青い果実もまたいいもんだ」

陳腐な言葉で己を表現され、またアスカに怒りの感情が湧いたが、これも龍田の策だった。
マグロのようになられてもつまらないので、せいぜいアスカには強がって抵抗してもらうのだ。

龍田の手がアスカの太腿を撫でていく。
アスカは喉から迸りそうになる絶叫を辛うじて押さえ、ジタバタと下半身を暴れさせた。

「触らないでって言ってんのよ、このバカっ」
「触らなくちゃ出来ないよ。ほら、動くなよ、おとなしくしてればそれだけ早く終わるかもよ」
「……」

再び男の手が腿を這い回り、その気持ち悪さにアスカは鳥肌が立った。

龍田の方は、14歳の少女の肌触りを充分に愉しんでいる。
その白い肌はすべすべで、まさに陶器の如しだった。
ミサトの肌とはまるで違う、大理石のような乳白色だ。
恐らくリツコも脱がせればこんな肌だろうが、若さのせいもあって、こんななめらかできめ細かいものではないだろう。
さすがに西洋人の血が混じっているだけあって、透明感のある肌というよりは純粋に白い色の皮膚である。
触り心地も満点で、若さを示す弾力感のある肉体の張りがわかる。

男のものとは明らかに異なる愛らしい膝頭から、すーっと太腿を撫で上げていくと、アスカは悲鳴を噛み殺しつつ、懸命に脚を閉じ合わせていた。
龍田が感心したように誉めあげる。

「本当に綺麗な脚だね、アスカ」
「あ、当たり前よ。あんたなんかに触らせるのがもったいないくらいにね!」

まだそんな毒舌を吐くアスカに苦笑しながら、龍田も相手をする。

「そうかもな。細くてすらっとしているけど、触ってみると素晴らしい弾力もあるよ。それにO脚でもない。綺麗に両脚が閉じ合わされて隙間が
ないじゃないか。すごいな」
「あっ! ちょっとやめてっ」

龍田の手のひらが、ぴったりと閉じ合わされたアスカの両脚の間にねじ込まれていく。
アスカは慌ててさらに脚を強く閉じようとしたが、膝同士がぶつかってそれ以上は無理だった。
龍田の手は、太腿の柔らかさを利用してその隙間に潜り込み、ごしごしと内腿を擦っていく。
アスカはその手を追い出そうと必死に脚を閉じるものの、そんなことをしてもかえって手を締めつけて龍田に快い感触を伝えるのみだ。
腿に男の手が触れるおぞましさに、アスカは手をぎゅっと握りしめ、顎を反らした。
悲鳴を押さえ込んでいるせいか、唇が震えていた。

「気持ち良いよ、アスカ。もっと脚に力を入れてくれ」
「こっ、このっ……」

一所懸命に脚を閉じようとしても、いったん潜り込んでしまった手は抜けそうになかった。
少し力を抜くと、龍田の手はアスカの太腿に挟まれたまま、撫でるように動かしてくる。

嫌がるアスカが脚に力を入れ、腰をうねらせるが、まるで抵抗になっていない。
龍田は、おとなになりかけた少女の太腿の動きを手のひらで吸い取るように撫で擦っている。
腿に隠れた若い筋肉の動きが好ましかった。

「やめて……、もうやめてっ」

アスカの哀願を聞き流し、龍田は喉を鳴らして少女の身体をいじくっていく。
腿の肉と皮膚にしっかりと食い込んだ男の指が微妙の動きを見せ、アスカの内腿を刺激する。
ぞわっとするおぞましさにアスカは全身で激しい拒絶反応を見せた。
その顔は、彼女らしからぬ羞じらいで真っ赤である。

「よして……触らないで! いやらしいっ」

龍田は憑かれたように若い肌の暖かさを味わっている。
指先にぐっと力を入れて内腿を掴むと、アスカの脅えと動揺が波動となって伝わってくるかのようだ。
少女の柔らかい腿肉をこねくりながら、その手が徐々に上へと進んで行くと、アスカの身悶えが激しくなっていった。
それもそのはずで、彼の手のすぐ先には少女の股間があるのだ。
アスカは唇を噛んで悲鳴を押さえて腿に力を入れ直すが、淫らな手のひらはじわじわと少女の秘所を目指して進んで行く。
腰が前後左右に激しく動き、スカートがさらに派手にめくれていった。

「おいおい、そんなに暴れるとスカートに皺が出来るぜ」
「それなら触んないでよ! あっ、それ以上上はだめよっ」
「なんで?」
「な、なんでって……き、決まってるでしょ、このバカっ」
「そうか。じゃ、こっちにするか」
「な、なに……? ひゃっ!?」

龍田が覆い被さったかと思うと、アスカの首筋に唇を這わせ、ぺろりと舌で舐めた。
ぞくっとした悪寒が走り、アスカの身体が硬直する。
声を出すまいと噛みしめた唇の隙間から、僅かに悲鳴が漏れた。

「んっ……いっ、いやらしいわねっ、あ、舐めないで、気持ち悪いんだからっ! 汚いでしょっ!」

男の唇と舌が、アスカの白い首や顎、鎖骨の辺りを、触れるか触れないかくらいの微妙な愛撫を加えてくる。
そのたびにアスカの若い肉体がビクッと反応し、震えた。
無論、快感ではなく、そして恐怖でもなく、ただひたすら嫌悪感からの痙攣だった。

「ひゃうっ!」

堪えていた声がつい甲高く上がってしまう。
龍田が耳の中へそっと息を吹き込んだのだ。

拒みたくとも拒めないアスカは、必死になって龍田の悪戯に堪え忍んでいる。
触れられたり舐められたりする箇所にどうしても神経が集中してしまうため、彼の手が密かにブラウスのボタンをひとつずつ外していたことに気づくのが遅れた。
「あっ」と思った時には、リボンタイは外され、ブラウスの前は開かれて胸元から腹部まで露わとなっていた。
そこには、白い生地に負けぬほどの真っ白い肌がさらけ出されていた。

「あっ、こ、こいつっ」
「暴れるなよ。ほう、綺麗な肌じゃないか」
「見るな! 見ないでってばっ」

男に素肌を観察される恥ずかしさで、さすがのアスカも頬を染めた。
生意気を言っても、まだまだ初々しい反応を見せるアスカに、龍田の劣情がいや増していく。

「さ、触らないでよっ」

指先でそっと身体に触れると、その若々しい肌から素晴らしい感触が伝わってくる。
肌理が細かいというのか、滑らかでシルクのような手触りがした。
着痩せしているのではなく本当にスリムなので、どこにも無駄な肉がついていない。
といって、貧相な感じもしなかった。
まだ若くて女の身体になりきっていない華奢な肉体なのだ。
清潔感の漂う白いブラも、なだらかなカーブを描いているものの、まだ本格的な膨らみとはなっていなかった。
ミサトのような完成系の女体ではないが、将来は抜群のスタイルになるであろうことが約束されているかのような身体だ。
括れた腰も、その真ん中にある控え目なヘソまでもが若い魅力に溢れ、ロリコンでなくとも生唾を飲み込むような肉体である。

我慢しきれなくなった龍田が、ブラの上から乳房を手のひらで軽く潰して愛撫してやると、アスカは恥辱よりも悔しさで表情を強ばらせ、微かに声を漏らす。

「くっ……いや!」
「こんなもんで嫌がっていては身が持たないぞ。そら、アスカのおっぱいのお披露目だ」
「ばっ、バカっ、誰が……やだあっ!!」

剥き出しになった乳房は、やはり雪白だった。
丸くふっくらしているものの、ミサトのようなボリュームはない。
まだ膨らみかけであり、芯の方はまだ青く硬くしこっていそうな瑞々しい胸肉だ。
乳首はぽっちりと小さいが、乳輪は少し大きい。
しかし、淡くピンク色に染まりつつある肌色であり、上品かつ幼い感じがして、まだ誰にも手を触れられていないのが見ただけでわかる。
龍田の淫らな視線を感じるのか、アスカは身を捩り、暴れ出した。

「みっ、見ないでよっ! 誰の許可であたしの胸、見てんの!」

いかに気の強いアスカとはいえ、丸出しになった乳房をこうまでじっくりと観察されては平静でいられない。
それまで屈辱にまみれながらもおとなしくしていたが、ここに来て激しく抵抗してきた。

しかし龍田は少しも慌てず、軽くアスカの両手首を片手でまとめて押さえつけてしまう。
アスカは怒りで顔を紅潮させて暴れるものの、自衛官の訓練を受けている男の力には到底敵うはずもなかった。

「許可も何も……、これだけ綺麗なおっぱいなんだ。もっと見せてやればいい。シンジくんなんか喜ぶだろうよ」
「バカぁっ! なんでこんな時にバカシンジの名前出すのよっ」
「ふふ、シンジくんを意識しすぎて余計に感じちゃうってか?」
「あ、あんたホントにバカぁ!? んなことあるわけが、ひゃっ!」

アスカの暴言を止めるかのように、龍田の指が乳首に触れた。
ちょんと触れただけだが、アスカには背筋を突き抜けるような強烈な快感だった。

「さ、触るんじゃないわよっ、あっ! やめなさいって言って、んんっ……!」

アスカは、男に身体を触られる気色悪さと、そこから込み上げる確かな快感に戸惑い、時折甘い声を放ちながらも元気よく龍田を拒絶している。
しかし龍田の方は、そんなアスカの抵抗を愉しむかのように、乳房への愛撫を繰り返した。
まだ頼りない胸の膨らみを少し強めにぎゅっと揉み、奥の硬い芯をゴリゴリとしごいてやるとさすがに痛いらしく、少女は悔しさと苦痛を混ぜ合わせた表情で呻く。
そうしたところに、今度は指の腹でそっと撫でるような優しい愛撫を交え、乳首を舌で転がす。強弱の緩急をつけられて乳房を愛撫されていくと、アスカはその美貌に困惑した色を浮かべている。
嫌で嫌で仕方ないのに、明らかな性的快感があるのだ。
張りのある乳房はいっそうに張り詰め、乳首は立つというよりも硬くしこってきている。

「やっ、めて……あっ……やめなさいよ、んんっ……はっ……」
「声がとろけてきたな。気持ち良いんだろう?」
「ふざけないでよっ、誰があんたなんかで、あっ……くっ……うんっ……」
「そうか? 見ろ、二の腕なんか鳥肌が立ってるじゃないか。ぞくぞくするほどいいんだな?」
「ち、がうって言ってる……くあっ!!」

中指と親指で乳首を摘まれ、そのままクッと引っ張り上げられると、アスカは思わず仰け反って喘いだ。
乳首を引っ張られた乳房は、綺麗な三角錐を描き出している。
摘まれた乳首を軽くクリクリと捻られ、擦られると、アスカの華奢な身体がそのたびにビクッ、ビクッと波打ち、面白いように反応した。

「んっ、はあっ……いっ……あうっ……」
「ほう、顔色が良くなってきたな。そんなにここが良いのか」
「いっ、いい加減にしなさいよ、あっ……くうっ、ひ、引っ張っちゃだめえっ!」

龍田はアスカの敏感さに感心して責めているが、アスカ本人もまた、強烈な快感に驚き、動揺している。
オナニーの時でも、胸を優しく擦ったり軽く揉んだりするのは定番だった。
乳首には鋭い性感帯があることも知っていたし、「仕上げる」時にはそこを使うことも多かった。

しかし今は、自分でする時よりも遥かに大きな快楽があった。
男に手に触られ、愛撫されていると、ぞくぞくするような痺れが背中を走り抜ける。
ポイントを突かれると、その電流が脳天に直撃するかのようだ。
自分でする場合は、触りたいところを触れるが、他人にされる場合はどこをどう愛撫されるのか見当がつかないので、不意打ちのような感じがあるからだろう。
加えて、アスカ程度の指戯では、年齢と知識、そして経験を積んだ男の愛撫には到底及ばない。
アスカは、自分が喘いでいることにも気づかず、身体の奥から熱くなってくる感覚を持て余していた。

「い、やっ……こ、このっ……ど、どうして、おっぱいばっかり……んんっ……」
「そりゃあ、きみが気持ち良さそうだからさ。ふふ、シンジくんがこんな情景を見たら、興奮してオナニー始めそうだな」
「だっ、だからシンジのことを言わないでって言ってんのよっ……あっ、もう……胸、いや……ふわっ……」
「とても嫌そうには見えないがね。では、こっちに行くか」

少女の胸から名残惜しそうに手を引くと、今度はスカートに伸びていく。
剥き出しになった腹部を指でなぞられるこそばゆさと不快感で顔を顰めていたアスカは、龍田の手がスカートを大きくめくり上げたのを知り、驚いて叫んだ。

「あ、だめっ! バカバカバカっ、何してんのよっ」

アスカは咄嗟に腰を暴れさせた。そのせいでスカートの乱れはさらに大きくなり、真っ白いショーツに包まれた下半身が露出された。

色もだが、思いの外オーソドックスな下着だった。
生地はマイクロファイバーのようにで、柔らかく履き心地の良いのが特徴だ。
まだ下着姿を男に見せる想定などないだろうから、こんなものだろう。
赤いフロントリボンのワンポイントがあって可愛らしく、清純な色気も感じさせるものだった。

すっかりスカートがまくられてしまうと、アスカは目を堅く閉じて顔を背け、震えるほどの力を込めてぎゅっと両脚を閉じてしまった。
内腿に潜り込もうとする龍田の指を拒み、意外なほどの筋肉をその指先に感じさせている。
龍田はわざと呆れたような顔をして、アスカを叱った。

「……またかい。聞き分けがないな、アスカ。賢いきみなら、こんな抵抗が無駄だということくらいわかるはずだ」
「わかっててもイヤなのよ、あんたに触られるのは!」

そう言いつつも、アスカは脚の力を少し緩めた。
男の言っている意味がわかったのだ。
このまま弄ばされなければ秘密を暴露する、処方もやめる、という脅迫である。
アスカは憎々しげに龍田を睨みつけつつ、下半身から力を抜いて脚を僅かに開いた。

すかさず龍田は股間に身体を割り込ませ、すべすべした内腿や太腿を撫で上げていく。
くすぐったいのか不快なのか、アスカは顔を背けて唇を食いしばっていた。
身体は自由にされても、悲鳴なんか出さないという強気さが顔に出ている。
それでも、男の指が股間中心部に到達し、下着の上から秘所に触れてくると、さすがに眉間を寄せて呻いた。

「くっ……、いや!」

さすがに緊張しているのか、それとも望まぬ快感のせいなのか、アスカの脚も幾分汗ばんできている。
若い娘の汗の香りは格別だった。
おとなの女の、甘ったるい熟し切った匂いも悪くないが、まさに青い果実のような薄甘い清潔感あふれる匂いがいい。
指先を軽く曲げて、クロッチの上からこそこそとくすぐるように刺激してやると、アスカの腰がもじもじと蠢き、居心地悪そうに何度も姿勢を変えようとした。
下着の上からぐっと強くその部分を押しこくると、アスカの身体がびくっと震えた。

「……」

龍田はあることに気づき、にやっと笑った。

「アスカ、これは何だ」
「……何よ」
「下着だよ。湿ってるぞ」
「っ……!」
「なんだかんだ言っても気持ち良かったんだな。若いから素直に反応したらしい」
「ち、違うわよ、これはっ。こ、これは……」
「これは? 何だと言うんだ?」
「しっ、知らないっ……」
「そうか。じゃあ、わかるまでしてやろう」
「やっ! もういやよ、しないで!」

アスカの暴れる身体を押さえながら、龍田は下着の上から割れ目をなぞるようにすっと何度も指先をなぞらせる。
そうすると、アスカのそこにくっきりとした秘裂が布越しに現れてきた。
指がそこを刺激するたびにアスカは喉の奥で「くっ!」と呻きながら身悶える。
しかし、徐々に腰の奥からじわじわと熱が発生し始めて股間が熱くなり、ますます下着を汚していくのをアスカ自身が実感していた。
恥ずかしさと悔しさでアスカはますます紅潮し、それを誤魔化すかのように身悶えを激しくさせていく。
ほんの少し腰が浮いた隙に、龍田はアスカのショーツを尻からするりと引き下ろした。
アスカが「あっ」と叫ぶ間もなく、ショーツは一気に膝まで引き下ろされてしまった。

「あ、いやあ!」
「やっぱりな。見ろ、こんなに濡れて……」
「う、うるさいっ」
「気持ち良いなら素直にそう言えよ」
「気持ち良くなんかないっ、全然良くないっ……」

脱がされたショーツの内側は、透明な粘液でねっとりと濡れ、糸すら引いている有様だった。
それを知られたアスカは恥辱と羞恥で一層に赤く顔を染め、さらに罵言を浴びせようとしたが、それより先に龍田がそこに息を吹きかけてきた。

「あうっ……!」

吐息を浴びただけでもぞくりとするほどの快感に襲われ、アスカは背筋を震わせた。

(な、なんで……? なんでこんな男に身体をいじくられて、こんなに感じてるの、あたし……)

龍田に触られ、いとも容易く感じてしまう自分の身体を呪うアスカだったが、それも仕方のないことだった。
もともと、もうオナニー程度では身体の疼きが治まらなくなり、それを鎮めるために薬を求めてやってきたのだ。
一層に感じやすく敏感になっているのは当たり前であった。
もちろん、アスカの若い肌が男の手に馴染みやすく鋭敏だったのも事実だ。

「ひっ、ひゃうっ! んひっ! そ、そこだめっ、ひあっ!」

龍田の指が割れ目の頂点にある愛らしい肉芽を軽く突いたり、引っ張ったりすると、アスカはガクンガクンと全身をわななかせて奇妙な悲鳴を上げた。
そこを責められると、下半身が痺れてしまい、つい腰が持ち上がってしまう。
脚が引き攣るほどに力が入り、内股に屈まる。
足首が何度もくねくねと蠢き、足の指も反り返り、そして内側に屈まることを繰り返している。

「生意気なアスカでも、ここは感じ過ぎるようだな。よし、じゃあ指じゃなく口で愛してやるか」
「く、口って、あんた……、ひっ、いああっ!」

まだ小さく幼いクリトリスが、男の口中につるりと入り込んでいく。
男の熱いぬるぬるした舌が、性の神経が集中している箇所をねっとりと舐め上げると、アスカは思わず声を漏らした。
腰の奥の熱が全身を蕩けさせてしまいそうな官能と駆け巡り、少女はぶるるっとスレンダーな肢体を震わせた。
思わず手がシーツを握りしめようとするが、指先が滑ってうまく掴めない。

「だめっ、いや、ふああっ……な、なにこれぇっ!? ひっ、ち、力が……抜けちゃうっ!」
「そんなにいいか、アスカ」
「よ、良くない、全然良くないっ……良くないからやめ、んああっ……ひっ……あああっ」

アスカの反応が目に見えて良くなると、龍田は気をよくして口に含んだ肉芽をしゃぶっていく。
唇で挟み、舌で軽く転がすようにすると、頼りなかったクリトリスが見る見るうちに膨れあがり、ひくひくと蠢きすらした。

クリトリス責めと同時に龍田の指が割れ目の上下をゆっくりとなぞっていく。
中には入れず、その周辺だけを集中的に嬲っていった。
もちろん片手でアスカの乳首をこねくることも忘れない。
乳首に媚肉、そしてクリトリスの三点を同時に責められ、アスカは何度も身悶えた。

「んっ……く、くううっ……いっ……ああっ……ひんっ……」

男の指や手のひら、唇や舌が敏感な箇所を撫で、舐めるたびに、アスカの押し殺した声が響く。
必死に声を押し殺そうとしても、噛みしめた唇の隙間から呻きとなって零れ、最後には悲鳴や喘ぎに変化して口から飛び出ていく。
濡れた舌で舐められ、強く吸われると、もう声を抑えようがなくなる。

「いっ、うああっ……んっ……いっ、うんっ……そこ、あっ……あああっ!」

龍田の舌はしつこいまでのクリトリスを責めたあと、いったんそこから引き上げた。
アスカはホッとしたが、すぐにまた別の箇所を口で責められた。
今度は割れ目を舌でこじ開けられ、その内部をべろりと舐められたのだ。
そうでなくともそこは執拗な愛撫でほころびかけており、小さな小さな膣口までが顔を覗かせていた。
そこを何度もべろりとやられ、アスカはつんざくような悲鳴にも似た喘ぎを放ちながら、腰を龍田の顔に押しつけていた。
アスカの膣内がぐっと広がったり、きゅっと締まったりを繰り返し、生きているかのようにバクバクと動き始める。

(ああっ、やあっ! ……あ、あそこと……お、お尻の穴が……しっ、締まるっ!)

龍田の口が再びクリトリスを捉え、それを思い切り吸い上げる。
そして舌で強く押し、こねくると、アスカは身体をギクンと震わせて絶叫した。

「いっあああああっっっ……!!」

心臓が爆発するかのようにドクッ、ドクッと鼓動を速め、お尻の穴から腰、そして背中を突き抜けて脳天まで凄まじい痺れが弾けるように飛んで行く。
全身が何度もビクッと痙攣してから、ふうっと消え失せるように力が抜けた。

「はっ……はっ……はっ……はっ……はっ……」

まだ身体をぴくぴくさせたまま、何度も上下している薄い胸を撫でながら龍田が言った。

「随分と派手に気をやるもんだな、アスカ。いき慣れてるのか? 早熟なんだな」
「……気を……やるって……」
「知らんのか? 「いく」ってことだよ。絶頂。オーガズム。何と言ってもいいが、要するに官能の最高潮ってことだ」
「……」

(これが……「いく」ってことなんだ……。自分でした時にも少し感じたけど……あ、あんなのとは全然違う……。すごかった……)

ほとんど初めてに近い絶頂の余韻に浸っているアスカは、まだ動けなかった。
龍田はそんな少女の服を脱がせ、下着を外してしまう。
アスカは少しむずかるような動きを見せたものの、ほとんど抵抗できずに全裸にされてしまった。
そのままごろりと寝かされても、まだ意識は朦朧としており、身体にも力が入らなかった。
龍田にのしかかられ、股間に彼の身体を挟んでいたことを知ったものの、押しのける気力もなかった。

「さあ、アスカ、行くぞ」
「いや、よ……もう、いや……」
「愚問だが、一応確認させてもらおうか。おまえ、初めてだな?」
「っ……!」

さあっと頬を紅潮させたアスカは、何も答えず必死に顔を背けた。
その態度が回答になっている。
龍田はいやらしく笑うと、これ見よがしに己の股間を見せつける。

「じゃあ、こんなのを見るのも初めてか? ネットや雑誌なんかじゃなくて、本物は初めてだな?」
「そっ……、そんなもの見せないでよ、汚いわねっ」

とうとう犯されると知ると、アスカにまた抵抗心が蘇ってくる。
気の強い少女がぐったりと弱った状態になったところでレイプするのも悪くはないが、やはりアスカにはその瞬間まで元気一杯に抗って欲しかった。
龍田にとっては願ったり叶ったりだ。

「ほらほら、どうだ? すごいだろ、これが「男のもの」さ」
「だから見たくないってんでしょっ」
「後学のためだ、よく見なさい。イヤでもこれから何度でも間近に見なけりゃならないんだ」
「いやだったらっ!」
「ふふ、そのうちシンジくんと寝ることになっても、見慣れておくに越したことはないんじゃないかな」
「だっ、だからいちいちバカシンジのこと言わないでっての! んあっ……!」

龍田の指がまたクリトリスをいじくり始める。
途端にアスカにまた愉悦が湧いてきた。
さっき、初めての絶頂を味わってすっきりしたはずなのに、こうして愛撫されると身体はまた反応してしまうのが信じられなかった。

「どんどん溢れてくるじゃないか、アスカ。濡れやすいんだな、もっとしてやろう」
「や、やめてよ、もう……ああっ……だめ、おかしくなっちゃうからっ……んんっ」
「おかしくなるほど気持ち良いってか? 愛撫くらいでこれじゃ、本格的にセックスを覚えたら大変なことになりそうだな」
「だめ、こんなのっ……あ、あ……また、来ちゃうじゃないのっ……あっ、ううっ!」

こんこんと溢れてくる愛液を指にまぶし、それをアスカの腿になすりつける。
割れ目を指で開き、膣口を刺激しながら、クリトリスの根元をしごくように擦った。
アスカはたちまち切羽詰まった声を上げ、腰がわなわなと痙攣してくる。
一度オーガズムを迎えた肉体は、早くもその快感を覚え込み、絶頂へといざなうようになっていた。

「もういきそうだな。いきたいか、アスカ」
「ぐっ……うるさ……ああっ……」
「よしよし、だがもう手じゃいかせないぞ。これを入れてやるからな」

龍田はそう言うと、薄く開けた口からどろりと大量の唾液を垂らし、己のペニスを濡らしていく。
アスカの媚肉は、もうそんな潤滑剤など必要なさそうに見えるが、敢えて龍田は体液で男根をどろどろにしていった。
体液を粘膜に接触させれば吸収も早い。

「入れるぞ、アスカ」
「いや……」

アスカは弱々しく顔を振った。
快楽で身体の力が抜けていることもあるが、ほとんど抵抗できていない。
それどころか、彼女の貌から強気の色が抜け、驚いたことにうっすらと涙を浮かべてさえいるではないか。

「お願い、許して……それだけはいや……」
「……」

生意気な少女だが、やはり初めての行為は怖いのだ。
処女を失ってしまうという恐怖と、知識で得ている肉体的な苦痛を思う脅えが、このプライドの高いアスカをしておののかせている。
だが、普段のアスカを見慣れているからこそ、龍田にはそのアスカがここまで脅え、涙を滲ませて哀願する仕草に限りない劣情を覚えてくる。

「どうせ誰かに捧げなきゃならんものなんだ。それが少し早くなるだけだよ」
「でもいや……、ああ、やめて、しないで……」

龍田の指がそっと割れ目を拡げるのを感じていたが、もはやアスカにはそれを拒む気力も体力もなかった。
処女とは思えぬほどに拡げられてしまった大陰唇にペニスが押しつけられると、一瞬びくりとしたアスカだったが、もう諦めてしまったかのように
がっくりと首を横に向けた。
そして、濡れそぼち、口を小さく開けていた膣に男根の先端が潜り込もうとすると、アスカの裸身に活が入ったように跳ねる。

「ひぐっ! いやいやいや、いやあああっ……!」
「ここまで来たら諦めろ。身体から力を抜くんだ、余計に痛いぞ」
「くっ、だめ、無理ぃっ……痛い、入らないわ、やめてよぉぉっ……!」
「これくらいで痛がってどうする? まだ先っちょしか入ってないぞ」
「入れないでよ、バカぁっ! あ、ぐぐっ……無理だってばあっ」

裂ける音が聞こえそうなほどに膣襞が拡げられ、太く硬く勃起した肉棒がアスカの中へ入っていく。
バリッと内部で何かが裂けた音がした気がする。
それでも太いものが狭隘な膣道を無理矢理に通ろうと進んできた。
アスカはその違和感と激痛に、身を仰け反らせて苦鳴を放った。

「痛い痛い痛いぃぃっ! い、痛いってのよ、このバカぁっ! やめて、しないで、抜いてぇっ……ひっ、んんっ……ぐううっ……!」

龍田は冷酷にアスカの中をこじ開けていく。それでも焦ることなく、無理をさせない範囲でゆっくりと挿入していった。
膣口はめいっぱい拡げられ、それまで指すら入れたことのないアスカの媚肉を通り抜けていく。
身が張り裂けんばかりの激痛に、少女の胎内も敏感に反応し、一気に愛液を分泌してきた。
無論、快楽のためではなく、膣内を硬い異物で傷つけぬようにするためだ。

「ぐ、ぐ……い、たい……」

アスカは歯を食いしばり、全身をいきませて激痛に耐えているが、これではかえって痛みが増してしまう。
どうしても身体が逃げてしまい、腰が勝手にずり上がっていく。
龍田がアスカの背中から肩に手を回し、ずり上がらないように押さえ込んでしまうと、アスカはその痛みを一身に受けることとなる。
綺麗な額に脂汗を滲ませ、小鼻をひくつかせて呻いている。

「アスカ、力を抜け。力んでも痛いだけだ」
「そ、そんなこと言ったって……ぐぐぐ……こ、こんな痛いなんて……あぐっ」

アスカの手がぎゅっとシーツを握りしめる。
握りしめるだけでなく、引き千切らんばかりに力を入れた。
その腕は小さく痙攣し、噛みしめていた歯がガチガチと鳴っている。

「身体を楽にするんだ。もう一息だからな」
「……」

アスカは涙ながらに頷いている。
龍田のものになることを甘受したわけではなく、避けられない苦痛なら、さっさと終わって欲しかったからだ。

そう決断すると、痛みを堪えつつも、言われた通りに力まないよう努力してみる。
アスカの裸身から、僅かに力が抜けたのを感じ取ると、龍田は最後まで突き通すために、また少し腰を送った。
緊張したアスカの手に力が入り、シーツに皺が出来る。
アスカの顔を起こし、目の縁に涙を溜めた少女の顔をじっと見つめながら、龍田は腰を沈ませていく。

「んんっ!? ぐううっ、い、ったいっ……バカバカ、嘘吐きっ! ち、力抜いたって痛いじゃないのよぉっ……うああっ!」

その瞬間、アスカは顎を反り返らせてガクンと腰を跳ねさせた。
堅く閉じた目の端から涙が流れ落ち、綺麗な眉を寄せて激痛を必死に堪えている。
噛みしばった唇から漏れる息は火がつくほどに熱くなり、苦痛で白くなっていた全身の肌もほんのりピンクになってきている。
しばらくは痛みに呻き、呼吸も荒かったものの、次第に落ち着いて来たようだ。
龍田の胸で潰された薄い乳房も、ドクッ、ドクッと鼓動に合わせて小さく揺れている。

「……終わったよ、アスカ」
「あ……、も、もう……もうこれで……いいの?」
「アスカも目出度く「女」になったってことだ」
「……」

とうとうこんなやつに犯されてしまった。
また一筋涙が伝い落ちる。

アスカはそれほど処女性を重要視していたわけではないし、貞操観念もまだ曖昧だった。
それでも「女」にされたことへのショックと感慨はあるらしく、さっきとは別の涙が頬を伝う。
なぜかシンジのことが心をよぎった。異性として意識するようにはなっていたが、シンジとセックスすることなど考えたこともなかった。
まだそこまで関係は発展していなかったが、こうして処女喪失した今、思い浮かんだのがシンジのことだったのだ。

「痛かったろうが、あとはもうだんだんと気持ち良くなっていくんだ。で、どうだ? ペニスをくわえこんだ感想は」

お腹の中の圧迫感が半端じゃなかった。
この吐き気を催す異物感は何なんだろう。
狭いところに大きなものがいっぱいに詰め込まれていて息苦しいほどだ。
ちょっと動くだけでも、びりっとした痛みが膣に走る。

「ほら。これがアスカの処女の証だよ」
「あ……」

龍田の指が目の前に差し出されたが、その指先が血で滲んでいた。
アスカと龍田の結合部を指で擦り、愛液と混じった血液を指に採ったらしい。
それを見て、アスカは本当にヴァージンではなくなったと覚り、全身から無駄な力が抜けていった。
もう拒む意味もないのだ。龍田が冷酷に言った。

「では、これからが本番だ。少しずつセックスを覚えてもらおう」
「ぐっ! うんっ……んっ……痛いっ……や、動かないで……ああっ!」

龍田が少しずつゆっくりと腰を使い出すと、アスカはたちまち冷や汗をかきながら呻き出した。
内臓を圧し、傷口をいじられる激痛に咽び、龍田の腕を掴んだ手が爪を立てている。
その爪が食い込み、男の皮膚を破った。
処女膜を破られ、出血した状態の膣をペニスで抉られる。
まるで、擦りむいた傷口を擦られるような痛みが膣内に走った。
愛液と同時に、また新たな出血が起こった。

「あっ、あっ、んぐっ……痛いっ……やあっ、こんな……中で……中で動いて……痛いっ……」

貫通された痛みは一向に治まらず、アスカに容赦ない苦痛を与え続ける。
さすがに龍田も腰を緩めるものの、突き込みをやめるわけにはいかない。
ここでやめてしまったら、アスカはいつまで経っても慣れることがないだろう。
アスカの腰がまたずり上がって逃げようとするものの、龍田の手が両肩を上からがっしりと抱え込んでしまっているため、どうにもならない。

「くうっ……やっ……やめ、て……ぐぐ……うんっ……」

アスカは歯を喰いしばって懸命に耐えていた。
もう「痛い」とは口にしなくなっている。
痛くなくなったわけではなく、苦痛を表現し、泣いて縋ることがこの男への屈服になってしまうと思い込んだせいだ。
アスカらしい意地の張りようであり、矜恃だった。

苦痛を堪え忍ぶ美少女の表情や仕草は確かに性的な魅力もあったが、やはり龍田は相手が嫌がりながらも反応してくれないと今ひとつ盛り上がらなかった。
だからこそ、アスカよりもミサトを犯す方が愉しかったのだろう。
それだけにアスカをなるべく早く成長させる必要があった。

「んっ……はあっ……んんっ……あっ……ふっ……ううっ……」

だんだんとリズムを掴んだのか、アスカの呼吸が龍田の腰の動きに合ってきている。
どうすれば苦痛が少なくなるのか、どのタイミングで呼吸すれば負担が減るのか、身体で覚えてきているのだ。
まだ痛みは強いらしく、アスカの手は龍田の腕に爪を立てたり、シーツを握ったりと忙しなく動いている。

膣の方は少しずつ性交に慣れてきて、ぬっ、ぬっと無理なくペニスが出入りするようになっていた。
押し込まれ、引き抜かれる男根にはアスカの血が絡みついており、それが白いシーツとアスカの白い肌を赤く染めていく。
それでも、アスカの膣が締めつける圧力はかなりのもので、ぎちぎちに龍田のものをくわえ込んでいた。

普段と違うアスカの反応や仕草、そして肉棒に感じる膣圧により、龍田もそろそろ達しようとしていた。
アスカに気を遣って動きを緩くしていたが、だんだんと自分の快感に耐えられなくなってきている。
動きが短く素早くなると、アスカは新たな痛みを感じたのか、首を仰け反らせて呻きだした。

「くううっ、そ、そんなに動かないで、あっ……くっ、まだ……あうんっ!」

思わず「痛い」と叫びそうなのを必死に堪えているアスカの表情が悩ましかった。
それを見た龍田は一気に追い込まれ、ストロークは短いものの強く腰を打ち込んでいった。

「ア、アスカ、出すぞっ」
「なっ……何でもいいからっ……は、早く終わらせてよっ……くあっ、だめ、そんなっ……激しいわよっ……いああっ」

内部でぐぐっと膨らんだペニスの凄さにくらくらしながら、アスカは悲鳴を上げ続けている。
なおも強く打ち込んできた龍田の腰が止まったかと思うと、アスカは胎内に熱い感触を得て全身を震わせた。

「んくっ……!!」

びゅるるっと膣内に射精され、アスカはその熱さに呻いた。
射精は一度では終わらず、何度も何度もアスカの中にびゅくびゅくと精液を注ぎ込んでくる。

精液を全部注ぎ終えると、龍田はホッとしたようにアスカから肉棒を引き抜いた。
身体の圧迫がなくなると、アスカはホッとしたようにベッドに身を沈めるのだった。



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