龍田はリツコの私室に呼び出され、彼女と対峙していた。
もともと怜悧な美貌だったリツコだが、今日は氷点下の表情で彼を見つめていた。
入室した龍田に椅子を勧めるでもなく、向かい合って立っている。
気まずい沈黙の中、龍田の方から口を開いた。
「……剣呑な顔してるな、リッちゃん」
「……」
「何か用かい? なら早く言ってくれよ、僕もきみも忙し……」
「すぐ終わるわ」
「……」
リツコは白衣の左ポケットに手を突っ込んだまま、感情を込めぬ声でそう答えた。
「確かめたいことがあってね」
「……ほう」
「あなた……、アスカに何したの?」
「……」
「ついでにミサトにもね。龍田くんがアスカやミサトをあちこちに連れ込んで、こそこそ何かやってるってことは、みんな薄々感づいてるのよ」
そう言ってからデスクへ戻り、引き出しから何か取り出すと、今度はそれを右のポケットに収めた。
「監視カメラの死角に隠れたり、カメラ自体を破壊したりコードを切ったりしてね。そんなこと、他の人が気づかないわけがないでしょう。それにしても、まさか保安部の一部を買収してるとまでは思わなかったけどね」
「……」
龍田は無言のまま息を飲み、硬直している。
額には汗が滲み、やや狼狽の表情が窺えた。
「確かにあなたが来て以来、アスカのシンクログラフは驚くくらい上昇したわ。EVAの起動には何ら差し支えない……どころか、今はシンジくんすら凌駕するほどの成績よ。一度は弐号機のコア差し替えを考えていた司令も、この数字を見て考え直したみたいだから」
「……それならいいんじゃないか? 何か問題でも……」
「あるわよ」
「……」
アスカやミサトのように怒鳴りつけるのではなく、至極冷静で感情を殺した状態で切り替えされ、龍田も返事に詰まる。
「アスカの場合、EVAに乗る時以外の普段の行動がおかしくなってるわ。感情の起伏が激しすぎる。テンションの高い時も低い時も、もう他の人を寄せ付けなくなってる。シンジくんですら、心配しながらも気味悪がってるくらいなのよ」
リツコはコツコツとヒールを響かせて、龍田の正面まで歩み寄った。
「ミサトもそう。彼女の異変に気づいたのは加持くんだったんだけどね。彼の証言によると……」
「……」
「……どうも加持くん以外の男ともつき合ってるらしいわ。いいえ、そうじゃないわね。はっきり言えば、他の男とも寝ている。そういうこと」
さっきまでたじろいでいた龍田の表情が消えた。
汗も引き、瞳に生気がなくなる。
びっくりするほど感情のこもらぬ声で龍田が言った。
「それがどうかしたかい? 不謹慎な関係を咎めるのか? 葛城だって、もういい歳だ。恋愛……かどうか知らんが、プライベートなことなんか放っておけばいいだろう」
「それで仕事に支障が出なければ、ね」
「出てるのかい」
「その徴候があるってことよ。龍田くん、あなたが何を考えてるのか私は知らない。もしかしたら上の方から指示を受けて密偵しているのかも知れない。でも、これ以上やられたらネルフの……、いいえ私の職務にも影響が出るの。もう、やめてくれる?」
「……」
「まだ保安部には通報してないわ。司令にも言ってない。だから正直に言ってくれないかしら。何を考えてどうするつもりなのか。同窓生の誼よ、場合によっては穏便に済ませてあげる」
「……ありがたいことで」
「動かないで!」
手を伸ばし、掴みかかって来ようとした龍田に対し、リツコは咄嗟に右手を向ける。
そこには、ポケットから抜いた拳銃が握られていた。
さっきデスクから出したものだろう。
龍田は無表情でその銃口を見つめている。
「……随分と物騒なものを持っているんだな。きみは科学者だろ? 葛城のような軍人じゃあない。そんなものを振り回すなんてきみらしくないぜ」
「私もそう思うわよ。でも、時と場合によるわ。これは護身用に渡されたもので、幸いまだ使ったことはないわ。それをあなたに対して使いたくない」
そう言って、美貌の科学者はグロック26の銃把を握りしめる。
セーフティはデスクから出す時に外している。
指先がトリガーにかかった。
「じゃ、確かめさせてもらうわよ」
リツコはそう言って、今度は左ポケットから小さな箱を取り出した。
ちょうどタバコの箱くらいのサイズで、形状もそれに似ていた。
その箱の上部を龍田に向けると、右側についている小さなスライドスイッチを前に持っていく。
すると赤外線のような赤い光が発射され、龍田の着ている白衣の胸部分にそれが命中する。
赤い光は、彼の身体に当たった途端、青い光に変化していた。
「……やっぱりね」
リツコはそう言いながら、光をあちこちに移動させる。
脚も肩も、そして顔も、どこに光線を当てても、返ってくる光はブルーだった。
「まさか、こういう侵入法をとるとは思わなかったわ」
「……」
「あなたが最初から使徒だったとは思わない。いつからなの? ここに来た時にはもう人間じゃなくなっていたのかしら?」
「……」
「もう、その状態じゃ元に戻れそうにないわね。今、保安部に連絡するから。私は撃ちたくないから動かないで。中身は違うでしょうけど、見た目は龍田くんなんだもの」
冷たい声でリツコがそう言った数瞬後、部屋の中に銃声が轟いた。
それから、人が揉み合い、争う音がすると、今度は籠もったような銃声が二発ほど聞こえた。
直後、ドタッと何か重たいものが倒れる音がした。
────────────────────────
「んんっ! はああっっ!」
壁に手を突いたミサトに龍田の肉棒が挿入されていく。
今日は龍田の医務室でミサトが犯されていた。
制服の上に赤いジャケットといういつもの服装で、黒いワンピースのミニスカートを捲り上げられて白い臀部を男に突きだしている。
その豊満な尻肉に、男の腰が埋まっていた。
「あっ、あっ……んあっ……こ、こんなこと……ああっ」
「こんなこと? なんだおまえ、まだ僕とこういう関係になったのを悔いてるのか?」
「そ、そうじゃなくて、あうっ……リ、リツコが……はあっ」
ミサトは喘ぎ喘ぎしながら、快楽の渦に巻きこまれながらも龍田に言った。
「リツコが、ああっ……、こ、殺されたのよ、んんっ……し、しかもネルフ内部で……ああ……」
「……」
「保安部だけじゃなくて、あうっ、ネ、ネルフ本部が大騒ぎよ、んくっ……こんなことしてる場合じゃ、ああっ、な、ないのにっ……」
「じゃやめるか?」
「あ、いやあっ」
龍田が腰を引く仕草を見せると、ミサトは慌てて尻を彼の腰に押しつけていく。
男はにやっと笑いながら、女の柔らかい尻肉を撫で回している。
「そうだろう。おまえはそういう女なんだ。友人の死なんかより今の快楽が優先する。最低の女だ」
「だっ、誰が、ああっ、そ、そういう女にしたのよっ。あ、あんたのせいじゃないのっ!」
ミサトはアスカと同じような抗議をした。
「そうかも知れないが、もともと葛城にそういう素質があったってことさ。セックスが好きで好きでしょうがない。だろ?」
「す、好きだけど、んんっ……でも、時と場合による……ああっ」
「喘ぐか文句言うかどっちかにしろよ」
そう言いながらも龍田は腰を使うのを止めず、ミサトの蕩けた媚肉を貫いている。
角度や深度を変えて突くポイントを調整し、ミサトがその日もっとも反応する箇所ばかり意地悪く責め立てるのだ。
「ところで葛城。おまえ、加持ともやってるのか?」
「んんっ、ばかっ、こんな時に何を……ああっ!」
「言えよ、ちゃんと加持とセックスしてるか?」
「し、してるわよっ、龍田くんの言いつけ通りにっ……あ、あう……き、昨日も加持くんとホテルへ……ああ……」
「男を取っ替え引っ替え、連日セックス三昧か」
「あ、あんたがそうしろって言ったんでしょう!?」
「そうする必要があるからな。で、ちゃんと中出しさせてるのか?」
「う、うん……」
ミサトは、突き上げられる膣への快楽を噛みしめつつ、夕べの加持とのプレイを思い起こしている。
「はっ、はあっ……いいっ……か、加持も最初はびっくりしてたけど、んんっ……だ、だんだんと慣れっこになったのか、ああ……き、気にしなくなったわ……今では何度もあたしの中に出してくれる……あああ……」
突き出す腰を完全に受け止めて柔らかく潰れる尻たぶを見つめ、龍田の劣情はますます高ぶっていく。
男の腰に負けぬほどの大きさで安産型だが、形状は美しく、大きすぎる感じはまったくない。
肉感的な太腿と相まって、成熟した「おとなの女」を演出していた。
「それにしてもいい尻だな。熟れた女の肉だ。アスカじゃ、こんなことは出来ないからな」
龍田はそう言ってミサトの尻肉を鷲掴みにする。
成熟しきって肉づきが豊かで柔らかい女でなければ、手に余るほどの肉の感触は得られない。
アスカの尻は形は良いが、まだまだ青く堅い。脂肪より筋肉の方が発達していて、ゴリゴリとした手応えだった。
それも悪くはないのだが、やはり女の肉はある程度こなれて脂肪も乗っている方が犯していて愉しいと思う。
自分はやはり、根本的にはロリータ趣味はないのだなと龍田は改めて思った。
「んっ、ア、アスカにまで手を出すなんて、んんっ……た、龍田くんだから信頼してアスカを預けたのにっ……いっ」
「その信頼に応えて、アスカを立派に女にしてやったじゃないか」
「ふざけないでよっ、あたしはそういうことを……いあっ!」
「もうそのことはいいだろう。今は愉しもうぜ」
「くっ、ひ、卑怯者っ……あんたはいつもそう言ってあたしを……あくっ」
表向き反発はしているものの、ミサトはもう龍田の性奴に近かった。
今日にしても、龍田が無理矢理ミサトを引き込んだではなく、ミサトが呼び出しに応じて訪れたのだ。
呼び出されればどうなるか、いやというほどわかっていて応じているのだから、ミサトも彼に犯されることを望んでいたとしか言いようがなかった。
最初に犯されて以来、もう何度龍田に抱かれているだろう。
もう5回や6回ではとても済まない。
両手の指の数以上は犯されているはずだ。
始めのうちこそ抵抗はしたものの、次第に龍田とのセックスにのめり込んでしまい、今では完全に言いなりになっている。
ミサトはなぜ自分がこうなってしまったのかわからない。
アスカも龍田のものになったらしいことから、そのセックステクニックのせいなのかとも思うのだが、それも違和感がある。
ミサトは確かにセックス自体は嫌いではないのだが、充分に理性で制御できると思っていたし、事実今まではそうだったのだ。
どうしてこの男の場合はそれが出来ないのか理解できなかった。
まさか龍田の体液によって体内を冒され、次第に隷従していってしまっているとは気づかなかった。
もしリツコが生前に気づいていれば、龍田の特異性に感づいたかも知れない。
だがミサトにそういった科学的考察力はあまりなく、「おかしい」と思いつつも流されるように爛れた関係を積み重ね、今日を迎えているのだった。
「だめっ、いいっ……くうっ……!」
既に性的にも成熟した肉体を、ミサトの身体を熟知した龍田に責められては、どうにも抗いようがなかった。
一度突っ込んでしまえば、ミサトの方から動いてくる。
龍田に犯されれば理性は消え失せ、本能のままに肉欲に浸ってしまうようになっている。
龍田の手が下から回り込み、ワンピースのボタンをさっと外してしまう。
ブラ越しにゆさゆさと重そうに揺れ動く乳房をぎゅっと握りしめた。
このヴォリュームもおとなの女ならではで、アスカはまだとてもこの域に到達していない。
たっぷりの肉感を手のひら全体で愉しみ、ブラの隙間から指を入れてもうコリコリになっている乳首を転がし、乳輪に埋め込んだ。
「んはあっ! む、胸は……ああっ、乳首だめえっ!」
「乳首が弱いのはアスカと同じだな」
「いちいちアスカのこと言うのよしてよっ、ああっ、ちょっと強く揉み過ぎだってばっ」
「乱暴に揉まれるのがいいんだろう? 物みたいに扱われて、男に好き勝手されるのが好きなんだよ、おまえは」
「だ、だからそういうのはみんなあんたが仕込んだのよっ……くっ、気持ち良いっ!」
乳房への愛撫が併用されると、ミサトの腰の動きにも一段と拍車が掛かる。
ペニスを食い締める膣も激しく収縮していた。
そこを龍田が思いきり突き込み、いちばん深いところまで抉っていく。
「うああっ、奥っ……いちばん奥まで来てるわよっ……あうっ、いいっ……」
「そんなに奥がいいのか?」
「い、いいわ、ああ……こ、こうされると……もう、ずっとこうされていたいくらいに……い、いいっ……」
「すっかり子宮責めがお気に入りか」
「これも龍田くんのせいなんだからっ、いいっ……あんたはあたしを犯す時、んんっ、い、いつもバックとか深いところまで入れられる体位ばっかなんだから……ああ……」
そうなのだった。
龍田は、後背位であるとか正面座位だとか、あるいは松葉崩しや極端な屈脚位など、ペニスを出来るだけ奥まで挿入できる体位を好んでいた。
深く貫くことが好きだったのに加え、バックや屈脚位など「女はされるがまま」という格好がよかったのだ。
女に人格を認めず、自分本位だということだ。
それでも龍田にそうされると、アスカにしろミサトにしろ、例外なく肉の愉悦に落とし込まれ、淫らな言葉を恥ずかし気もなく吐くようになるのだ。
「んうっ、いい……いいっ……あうっ、先が当たってるっ……し、子宮に……うああっ」
龍田の手が乳首とクリトリスに伸び、双方をくりくりとしごくと、たちまちミサトは頂点に追い上げられる。
「ああっ、だめえっ……くっ、ああ、もういく、いきそうっ……やはあっ、いいっ……」
「いっていいぜ」
龍田はそう言いながら、ガンガンと子宮口を亀頭の先で突き上げた。
内臓まで犯されたミサトは、子宮口に加えられる暴力すらも快楽と変え、さらに激しくよがり始める。
龍田はミサトの身体が浮くほどに突き上げ、子宮口に亀頭を食い込ませて腰を振ってきた。
「ああっ! いくいくいくっ、だめ、いくっ……いっく……やはあああああっっっ!!」
ミサトは黒髪をばさばさと振り乱しながら背中をぐううっと弓なりにして絶叫した。
ガクンガクンと仰け反り、膣を思い切り食い締める。
激しく達した媚肉の収縮に耐える気もなく、龍田も一声吠えて射精してのけた。
びゅるるっと精液が発射され、口を開けてしまっていた子宮口から直接子宮内に射精が始まる。
子宮内に精液の熱さと濃さを実感し、ミサトは歯を食いしばってのけぞった。
「ぐううっ、いくっ……で、出てる、龍田くんのが出てるっ……あ、熱い……ああっ」
射精されている間中、ぶるぶると痙攣していたミサトは、精液の奔流が止まると、ガクッと膝が崩れた。
すかさず龍田がその腰を掴んで支え持ち、まだびくびくと震えているミサトの尻肉を腰に押しつける。
足腰がガクガクになっているのか、ミサトは履いているシューズをカタカタ鳴らしてわなないている。
膣を締めて射精を促し、絶頂した余韻に浸っていたミサトが目を剥く。
「ひっ!? ま、また……また龍田くんの、あたしの中でおっきくなってるっ」
収縮してくる膣襞を押し返すように、龍田の肉棒がむくむくと硬く膨れあがっていく。
龍田は頭の芯からくる決定的な頭痛を感じつつ、なおも込み上げて止まないミサトに対する激しい欲望──女の子宮に射精したいという根本的な欲求を抑えきれない。
ミサトの女陰の具合の良さも相まって、男根はすぐにでも使用可となっていった。
大量の精液と愛液でどろどろになった胎内で、硬くそそり立ったペニスが再びミサトの子宮口をなぞり始める。
朦朧としてきた意識の中で、龍田はミサトを犯すことだけ考えて再び律動を繰り返していった。
「んんっ、はううっ、すごいっ……こ、こんなすぐにまた出来るなんて……ああっ」
今年30歳になる美女は上擦った喘ぎ声を放ち、崩れかける腰と膝を奮い立たせて自分から動いていく。
そのミサトの動きだけでも充分に男根は刺激され、男に快楽をもたらしていたが、あくまで「女を犯す」というスタンスにこだわる龍田はそれでは満足しない。
震える女の腰を抱えつつ、その最奥に叩きつけるようにしてペニスを打ち込み、何度も何度も大きなグラインドで子宮を抉った。
カリ首が膣口に引っかかる辺りまで引き抜き、そこからまた腰がぶつかるほど強く突き上げる。
ミサトがその感触に慣れてくると、今度は半ばまで抜いて腰を回転させて内部をかき回し、膣襞をいやというほど擦ってやった。
「ん、はああっ、いいっ……こ、これいい……ああっ、いいっ……うんっ、いっ……いやあっ!」
ミサトの肢体がぐうっと反り返り、大きく何度も腰が振られる。
壁に突いた手のひらは、握られたり開かれたりを繰り返し、かりかりと壁に爪を立てている。
「あ、あんっ……うんっ……いっ……ふ、深いっ……うんっ……うんっ……いあっ」
ズンと深くまで突かれると、ミサトの腰が持ち上がって爪先立ちとなる。
ヒールの踵が宙に浮き、また落ちて床に当たって「カツン」と音を立てた。
室内は、ギシギシとミサトの身体が軋む音とヒールが床を叩く音が響き、それに混じって女の喘ぎ声と男の踏ん張る声が交互に聞こえてくる。
またピストンが強く激しくなってくると、ミサトのよがり声も甲高くなり、喘ぐばかりで呼吸がしにくく、息苦しくさえなってきた。
「いいっ、あっ……いいわ、龍田くん、あっ……くうあっ……いっ……はあっ、んんっ……いっ……ああっ!」
龍田はブラを引き剥がして床に投げ捨てると、ぽろんと顔を出した真っ白い乳房に指を食い込ませる。
アスカとは違い、乳輪の色もやや濃くなり、肌の張りも弱くなっていたが、それを補って余りあるほどに大きくて柔らかく、揉み応えのある乳房だった。
吸っても揉んでもこねくっても敏感な反応を示し、連動して膣が締まるのがたまらなかった。
その膣も、激しい挿入を抵抗なく受け止めて食い締め、襞が総動員されて奥の方へといざなっている。
男女の結合部からは、いっきりなしにボタボタと粘っこい蜜が溢れ出し、床に小さな水たまりをいくつも作っていた。
ミサトは「もう我慢できない」とばかりに、ぶるぶると小刻みに震えだした。
「くっ、来るっ……ああ、来ちゃう、またいく、いきそうっ……い、いやなのに身体が勝手に……身体が勝手にいっちゃうのよぉっ……んんっ、だ、だめ……ひっ、い、いく!」
ぶるるっと全身をわななかせ、ミサトはまた気をやった。
きゅうきゅうとペニスを膣で締め上げ、射精するよう促しているものの、龍田の男根はまだ粘ってその勃起を保っている。
まだこの快楽を愉しみたいのだ。快感でびりびりと痺れている膣内が、まだ硬いままのペニスにかき回され、ミサトは絶頂を告げる声の直後から、またよがり声を放っていく。
「あ、だめ、いったばっかだからっ……た、龍田くん、ちょっと、ああっ……くううっ、いいっ……ああっ!」
乳搾りでもするみたいにぎゅうぎゅうと揉み込まれ、白かった乳房に龍田の指の跡が赤く残るようになっている。
乳首はさらに色濃く染まり、さらに感じやすくなっていた。
乳首を転がされ、潰されるだけでいってしまいそうになる。
「いいっ、そこっ……た、龍田くん、だめっ……あああっ、いいっ……いい、気持ち良いっ!」
ミサトの女体から、むっとするような濃厚な女臭が漂い始める。
媚肉から漏れ出す愛液のの匂いだけでなく、全身から滲み出ている汗の匂いも混じっていた。
アスカの汗のような、薄く青い香りではなく、甘ったるい女の匂いがした。
突き込まれると女体が大きく揺れ動き、乳房もぶるんと重そうに揺れる。
疲れるたびに膣が勝手に締まってしまい、敏感すぎる襞がより強くペニスを感じ取っていた。
「すごっ……すごいっ、オマンコとろけそうよっ……いいっ……ううんっ、いいっ!」
「そんなにいいのか、葛城。どうだ、加持とどっちがいい?」
「くっ……!」
ミサトは「またか」と思って何度も顔を振った。
これがいつものパターンなのだ。
ことさらミサトに加持を意識させることで背徳感と被虐感を引き出し、より大きな快楽を与える。
同時に「加持よりもいい」と言わせることで、男としての満足感を得るのだ。
「ほら、言えっ!」
「はうっ! ……くっ、いい……た、龍田くんの……ああっ、龍田くんの方がいいわよ……か、加持よりも……ああっ」
「どんな風にいいんだ?」
「チ、チンポは同じくらいだけど、んんっ……加持よりもずっと硬いのよ、痛いくらいに……あはっ……そ、そこ……加持よりもずっと深くまで突いてくるしっ……ひあっ」
「もっと言えよ、加持よりいいってな」
「加持よりいいわよっ……いいっ……ずっといいわ、ああう……やああっ、また来るうっ……!」
「またか。一度いったら底なしなんだな、このスケベ女め」
加持のことを口にするたび、意識させられるたび、ミサトの媚肉が反応し、膣が何度も収縮した。
しなやかに身体をうねらせ、跳ね上げ、甲高い声で喘ぎよがり続ける。
もう龍田も限界であり、一層に強くミサトの奥を抉った。
突けば突くほどに鋭敏となっていくペニスと引き替えに、龍田の意識と理性が薄れていく。
それでも本能に突き動かされ、ひたすらミサトの子宮めがけて思い切り深くまで貫いている。
「こっ、壊れる! 壊れちゃうわっ、いいっ……気持ち良いっ、し、子宮がおかしくなるっ……」
ミサトは壁に突いていた手で拳を作り、ドンドンと壁を叩いて限界を伝えてくる。
頬が紅潮し、白かった首筋もピンクに染まり、揉みしだかれる乳房も赤くなり、腰が叩きつけられる臀部も赤みを帯びてきていた。
ひっきりなしに嬌声を上げ続けるミサトに欲情し、龍田は子宮を打ち壊す勢いでペニスを叩き込んだ。
ミサトは目を剥き、爪先立ちになった脚がカタカタ鳴っている。
「いくのか、葛城っ!」
「い、いくっ……!」
ミサトは首が折れそうなほどに何度もガクガクと頷いた。
「た、龍田くんっ、中っ……中に出しても……いいっ……ああ、いくう……」
「か、葛城っ……!」
「いかせて早くっ……いいっ、も、もう保たない……い、いっちゃう……んんんっ、いっ、いく……いっくうううっ!!」
ミサトの背中が大きく仰け反り、全身がビクビクと痙攣し、またしても激しく達した。
ミサトの膣収縮に耐えきれず、龍田は大声で叫んで欲望を吐き出した。
「うおおおっっ!」
どっびゅ、どぶううっ。
びゅるるっ、びゅるるっ、びゅくびゅくっ。
どびゅうっ、どぶどぶどぶっ。
ミサトは顔を仰け反らせて射精の実感を噛みしめている。
再び浴びせられた精液の濃さと熱さにくらくらした。
「んんっ、出てる……あたしの子宮の中にびちゃびちゃ出てる……すごい……精液すごい……ああ……」
どびゅっ、どぶっと射精されるたびに、ミサトは小さく喘ぎ、小さく腰を痙攣させていた。
膣圧がペニスを食い締めて射精を促し、襞が蠢動して精液を子宮内部へと送り込み、子宮内部が収縮してそれを吸い取っているのがわかった。
「んっ、あう……まだ出てる……ああ、もう子宮いっぱいなのに……中に熱いのが……ああ……」
龍田は腰をしゃくり上げながら、ミサトの腰に自分の腰を密着させ、子宮内部へ一滴も漏らさぬかのように射精していた。
射精の間中、その噴き上げられる感覚と精液の濃さと熱さを味わっていたミサトは、ペニスからの放出が終わると腰が砕け、壁に突いた手がずるずると滑り落ち、そのままがくりと膝を床に着いた。
ミサトからペニスを抜き去った龍田も、ふらっと身体をよろけさせた。
「う……、あ……」
身体に力が入らないかのように倒れかかり、デスクに手を着いて身を支えようとした瞬間。
ぱんっ、と音がしてその身体が内側から弾けた。
まるでパンパンに水を詰めたビニール袋に針を刺したように、龍田の身体は一瞬にして崩壊──というより、なくなった。
「……」
ミサトはその異変に驚く様子もなく、すっと立ち上がった。
そして、LCLと化し、実体のなくなったかつての同窓生の残骸を無表情で見ていた。
デスク脇にあったスポーツタオルを手に取ると、自分の汚れた股間を無造作に拭いている。
それから、ひきはだかれ、乱された着衣を元に戻してから、床に零れているLCLの水たまりを龍田の着ていた白衣と制服で適当に拭き取った。
いい加減な掃除だったが気にした様子もなく、仕上げにモップをかけるという発想もないらしかった。
そのまま、自分を拭いたタオルと床を拭いた龍田の服をひとまとめにして、壁にあるダストシュートへ放り込んだ。
それからふと思いついた表情になり、リツコから渡されていた簡易使徒発見器をポケットから引き出すと、スイッチを入れて自分に照らした。
赤外線状の赤い光は、手のひらや腕を透過していくと紛うことないブルーに変化している。
ミサトはそれを顔に向け、目に向かって照射した。
眼球を通して青い光が脳内に入り込んでくるような気がした。
ミサトは、その不愉快な機械を両手で雑巾でも絞るようにして捻り壊すと床に投げ捨て、龍田の部屋を後にした。
────────────────────────
部屋を出るとアスカと出くわした。
ミサトは無表情だったが、アスカは「あら」という顔になっている。
「ミサト」
「……なに? アスカ」
「あいつは? 部屋?」
「あいつ……?」
ミサトは少し天井を見上げてから、すっとアスカに顔を向けた。
「龍田くんはもう「ない」わ。彼の役目は終わったの」
「……そう」
さしたる感慨もなさそうに、アスカはそうつぶやいた。
そして、ミサトの内腿を伝い落ちている白い液体に目をやりながら言った。
「ミサトはこれからどうするの? 加持さんは?」
「加持はもう「こっち」側よ。彼は今、マヤをね……」
「そうなんだ。じゃ、あたしはシンジでいいのね?」
「ええ。嬉しい?」
それまで表情を消していたアスカの顔に、僅かに感情が浮かんだように見えた。
「……別に。あたしが言い寄ればシンジなんかイチコロよ。ミサトこそ、シンジとしたかったんじゃないの?」
まったく感情のこもらぬ人形同士の会話のようだったが、ミサトの表情にも一瞬何かが掠ったように見えた。
「……どうかしらね。以前の気持ちなんてもう憶えてないわ」
「そうね……。で、シンジを取り込んだらどうするの? シンジにファーストでもやらせる?」
「レイ? ……そうか、あなたはまだ知らなかったのね。レイは例外。彼女はね……、「違う」から」
「そうなの? よくわかんないけど……。じゃあミサトは?」
「あたしは……、取り敢えず日向くん、かな」
そう言うと、アスカは「あ、なるほど」という顔になった。
彼がミサトに惚れているらしいことは、関係者なら誰でも知っている。
「うまくいけば青葉くんも同時にしようかと思ってる。その方が効率良いしね」
「そうね。……あたしはイヤなんだけど、司令とか副司令はどうすんの?」
「放って置いていいわ。あたしにあなた、加持にシンジくん。マヤと日向くんに青葉くん。これだけ抑えれば実戦部隊はほとんどこちらのものよ。リツコも処分したし、もう充分に行動を起こせるわ。唯一、レイの零号機だけが問題だけど、アスカとシンジくんが二機がかりでいけば何とかなるでしょ」
「はん! ファーストの零号機なんてあたしだけでお釣りが来るわよ。バカシンジのサポートなんかいらないわ」
「頼もしいわね。じゃあ頑張ってね」
「ミサトもね」
青い眼をしたふたりの女は踵を返し、それぞれの目的に向かって歩み始めていった。
戻る 作品トップへ 第十話へ