フレデリカ・グリーンヒル・ヤンは、ふたりの凌辱魔に散々犯された翌日、重い体
と心を引きずるようにして軍務に就いた。
迫る帝国軍艦隊との決戦を間近に控え、出撃準備にてんてこ舞いのヤン艦隊には彼女
の能力が不可欠だった。
なにより、これ以上勤務を休んでは、夫たるヤン・ウェンリーに精神面と業務面双方
に負担をかけることになる。

フレデリカが、上官であり夫であるヤンの執務室に出頭すると、案の定、フレデリカ
が休んだ昨日の事務決済は、どうしてもその日にしなければならないものを除いて、
見事なくらいため込まれている。

「ごめん、なんとか頑張ってみたんだけど、これで精一杯だったんだ」

と言って、頭を掻くヤンにフレデリカは笑顔で答える。

「十分ですわ。提督には提督にしか出来ないお仕事があるんですから、こういう散文
的なものはお任せください。それが副官の仕事ですから」

それでもヤンはフレデリカを気遣う素振りを見せる。

「それより、体調はもういいのかい。ユリアンの話じゃ、まだちょっと疲れている
みたいだそうだけど」
「……」

ユリアンの名を聞いて、ピクリと反応する。
どんなことがあっても、ヤンに気づかれてはならない。
自分が我慢すればいいだけだ。
それに、あのユリアンがいつまでもあんなことをするとは思えない。気の迷いに違い
ないのだ。
ヤンに知れたら悲しまれるだけである。
なんとか早いうちにユリアンを立ち直らせればよい。

「もう大丈夫です。ご心配かけて申し訳ありません。もし、本当に体調が悪くなれば
その時は申し出させていただきますから、ご心配ないよう」
「そうか、ならいいけど」

ヤンは、政戦方面では空恐ろしいくらいの洞察力を発揮するが、こと私生活レベルに
なると、まるで鈍い傾向にある。
故に、滅多なことでは表沙汰にはならないはずだが、フレデリカ自身の立ち振る舞い
やユリアン、マシュンゴの言動には注意すべきだろうとフレデリカは思った。

フレデリカは、ヤンの執務室から出るとコンピュータに入力されていない書類の類を
持って自室に戻った。
取りあえず、未決済の書類整理を頼まれたからである。
これだけあればかなりの時間がかかるはずだ。
仕事に打ち込むことで、昨夜の悪夢を取りあえず遠ざけることができるだろう。
その他の今日の日程は、午後から艦隊指揮官たちとの幕僚会議があるだけである。
取りあえず、ユリアンとの接点はここだけのはずで、その時でも多数の人間がいる
し、何よりヤンもいる。
下手なことはできないだろう。

それ以外は、ヤンに呼び出される場合を除いて自室に籠もっているつもりだ。
仮にユリアンが訪ねてきても入室はさせない。
これで今日は乗り切れるはずだった。

…結論を言えば、フレデリカは甘かった。
ヤンのユリアンに対する評価は今まで通りかそれ以上なのだ。
当然、フレデリカとの関係も良好だと思っている。
ユリアンがフレデリカにほのかな憧憬を抱いていたことは、キャゼルヌやシェーン
コップあたりでも気づいている。
ヤンもそれに感づいていれば、そもそも自分たちと同居させるのもまずいとわかる
はずだが、まるで気づいていない。
同居することで、様々な「刺激」がユリアンに加わるはずで、それが高ずれば良く
ない現象も想像できないわけではないのだ。

が、仮に気づいていたとしても、ヤンは同居を望んだろう。
それだけユリアンはヤンにとってなくてはならない存在であり、家族以上でもあった。
そのことを理解しているだけに、フレデリカの苦悩は一層大きなものとなっていた。

────────────────────────

フレデリカの部屋にユリアンがやってきたのは午前11時過ぎである。
何の用件もなく訪ねても、部屋に入れてくれないだろうからユリアンも困っていた
が、ヤンが救ってくれた。
エル・ファシル政府から、戦勝記念祝賀会の演説を頼まれたのだ。
まだ会戦がはじまってもいないのに「戦勝」とは気楽なものだと思うが、ヤンは
いわば軍最高司令官にあたるわけで、出席しないわけにもいかない。
当然、スピーチもさせられるだろう。
ヤンがすべて掌握しているイゼルローンであれば、例の2秒スピーチでいけるのだが、
エル・ファシルではそんなわけにもいかないだろう。

そういうわけで、フレデリカに、その草稿を書いてくれるよう頼みたいとのこと
だった。
そのための資料を持って、フレデリカに届けて欲しいとヤンに頼まれたのだ。
ブザーが鳴った。

「少佐、ユリアンです」
「……どうぞ…」

フレデリカは唇を噛んだ。
ヤンから連絡は受けている。
断るわけには行かなかった。
ドアが開くと、スリムな体型を軍服に包んだユリアン・ミンツが立っていた。
ドアの前で敬礼して「入ります」と言い、入室した。
シュッと音を立ててドアが閉まると、ユリアンはニヤリとする。
その笑みにフレデリカは怯えた。
まさか、こんなところで何かするつもりなのか……。

デスクから立ち上がり、身構えているフレデリカにユリアンは言った。

「そんなに警戒しないでくださいよ、フレデリカさん」

美しい女性士官はキッと少年を睨んだ。
こんな子どもの言いなりになってたまるものか。
確かにユリアンはヤンの家族の一員かも知れない。
だが、自分だってヤンになくてはならない有能な副官であり、愛妻である。
引け目などないはずだった。
毅然としてフレデリカは宣言した。

「資料を置いたらさっさと出てって。あなたにはあなたの仕事があるはずよ」
「つれない言い方ですね。一昨日、昨日と、あんなに愛し合ったのに」
「な……」

やっぱり、この子は…。

「それにね」

ユリアンは続ける。

「資料って、もうひとつあるんですけどね」
「な、なに?」

訝しむフレデリカに、ユリアンはデータ・ディスクを見せた。
無言でそれをデスクのコンソールにセットすると、ノイズの後に映像が飛び込んで
きた。

「…! こ、これって……」

フレデリカの顔からサッと血の気が引いた。
モニターに映されているのは、昨夜のフレデリカの痴態だったのである。
ユリアンは、部屋にカメラをセットしたと言った通り、嬲られ犯されるフレデリカを
逐一撮影していたのだ。
カメラは天井四隅と床の四隅の1台ずつ計8台。
無論、定点固定だが、それら8台のカメラに記録された映像をつなぎ合わせ、ズーム
も使って、臨揚感溢れる「作品」に仕上げられていた。
ヘイゼルの瞳をいっぱいにひろげてフレデリカの見つめていた画面に映っていたのは、
浣腸され今にも排泄しそうな自分の哀れな姿だった。

「気に入ってくれました? あ、ほら、そろそろフレデリカさんのお尻からぶわっと
…」
「やめて!」

フレデリカは激しく頭を振って絶叫した。

「こ、こんなもの……」

青ざめていた顔が、羞恥と怒りで真っ赤に変色した時、フレデリカはコンソールから
ディスクを排出させ、奪った。

「こ、これは預かります!」

わなわな震える唇でフレデリカは叫ぶ。
ユリアンは少しも慌てず、胸のポケットからもう一枚のディスクを取り出してみせた。

「1枚だけじゃありませんよ。コピーだってあります」
「よ、よこしなさい! それを渡しなさい!」

フレデリカは我を忘れてユリアンに飛びかかる。
フライング・ボールのMVPでもある身軽な少年は、「おっと」とつぶやきながら、
突っかかってくる美女から身をかわした。
かわされたフレデリカが、さらにユリアンの手にしたディスクに向かってくると、
今度はその手首を掴み肩を押さえて彼女の動きを封じた。

「く……放しなさい! ユリアン、あなた何をしているか、わかってるの!?」
「ええ、十分にわかってますとも。こうでもしないと、フレデリカさん、僕の言う
こときいてくれないから」

ユリアンはそう言うと、そのままフレデリカを引きずるように部屋の隅のソファまで
連れていき、そこで突き倒した。

「あっ」

護身術にも優れたフレデリカだったが、為す術もなく倒れ込んだ。
目の前に、亜麻色で腰のなさそうな髪をした少年が仁王立ちしている。
この期に及んでも、フレデリカにはどうしても信じられなかった。
まったく、こんなことをする子ではなかったのだ。

「どうして……どうして、こんな…。ユリアン、あなた、どうしちゃったの?」
「…自分の感情に素直になっただけですよ」

そのままユリアンは語り始めた。

最初は本当に憧れだけだった。
身近な、綺麗なお姉さん。
けぶるような微笑と優しさ、しかし決してなよなよしたところのないキリッとした
美貌。
そんな年上の女性が、二次性徴期の少年の前に現れたのだ。
クラクラしない方がおかしい。
徐々に親しくなり、一緒に過ごすことも多くなる。

すると、今まで気づかなかった魅力も目に入るようになる。
キュッと締まった足首。
軍用スラックスの上からもはっきりとわかる形の良いヒップ。
美しく繊細な手、指。
そして、近づくと感じる、得も言われぬ女性の甘い香り。
辛抱たまらず、何度フレデリカを夢想して自慰したことか。

「……」
「だって仕方ないですよ。思春期の僕のそばに、こんな綺麗な人がいるんだもの。
男だったら誰だってオナニーしたくなるって……」
「言わないで!」

ユリアンからそんな言葉を聞きたくはなかった。

生臭い男の感情。
フレデリカとて、同僚の軍人がいやらしい視線で自分を見ていたことがわからなか
ったわけではない。
が、まさかユリアンまでが、浅ましい思いを自分に抱いていたなんて…。
絶句しているフレデリカに、ユリアンは続けた。

「ずっとフレデリカさんを抱いてみたいとは思ってましたよ。だけど手を出そうと
までは思わなかったんです。なぜだと思います?」
「……」
「フレデリカさん、処女だったんでしょう?」
「! な、何を言うの!」

14歳の時にヤン・ウェンリーを見初めたこの知性的な女性は、それ以来ヤン以外の
男性にはまるで興味がなかった。
長じるにつれ、その美貌にも磨きがかかったため、言い寄る男は多かったが、誰
ひとりつき合ったことはなかったのだ。
そして、とうとう22歳でヤンの副官となり、26歳で結婚、希望通りヴァージンを
捧げたことになる。
そこまで純潔で通す女性は極めて稀であったが、フレデリカのヤンに対する感情から
して、まず処女だろうと踏んだのである。
となれば、ユリアンとしては尊敬するヤン提督に先んじてフレデリカを犯すわけには
行かないという気持ちになったわけだ。

ユリアンの話をフレデリカは黙って聞いている。
ここまで考えていたとは思わなかったのだ。

「それで、798年の9月に、僕は辞令でフェザーンへ行ったでしょう?」

駐在武官に就くことになったのだ。

「その時、いろいろ経験したり教わったりしたんですよ」

もうひとり新たに任命された駐在武官補としてルイ・マシュンゴ准尉(当時)がいた
わけだ。
これはヤンやシェーンコップの推薦で、いわば敵地に乗り込む形になったユリアン
の護衛という意味合いである。
推薦したふたりは良かれと思ってそうしたわけで、実際、マシュンゴは忠実にユリ
アンに従ったわけだが、ユリアンの性的な経験、知識はほとんどこの時にマシュン
ゴから授かったものである。
無論、ユリアンが思い悩んで打ち明け、それにマシュンゴが応えたということだが、
マシュンゴがユリアンよりヤンに忠誠を感じていれば、ユリアンの邪な思いも防げた
可能性はあった。
だが、ヤンの指示は「ユリアンに従い、守れ」ということだったから、この黒人は、
その言いつけを守ったのだった。

それに、マシュンゴもかなり「好き者」であり、その道にかけてはなかなかのもの
だった。
少なくともユリアンなどでは足元にも及ばない経験と知識の持ち主だった。
少年に乞われた部下の黒人は、「実戦」や知識面で全面的にサポートした。

ユリアンがフレデリカに手を出さなかった理由は、実はもうひとつある。
ユリアン自身が童貞だったからだ。
まったく経験がないまま、思うにまかせて襲ったとしても痛烈な失敗を演じるのではないか。
そうなったら目も当てられない。
だからユリアンとしては、「実戦」を経験し、経験を積み重ねる必要があったのである。
フレデリカは、信じられないという目でユリアンを見る。

「あなた、まさか……他の女性にも、あ、あんなひどいことを……」
「ひどいなんてそんな。フレデリカさんだって、泣いて歓んでいたじゃないですか」
「何を言うの!」

ユリアンは笑って、「まあまあ」と怒る美女をなだめた。

 確かにユリアンは、フェザーンにおいて初めて性体験をし、また性遍歴を重ねた。
が、その100%が合意の上での行為だった。
最初のセックスを含め、いわゆるプロを相手にすることもあったが、基本的には素人
娘と寝ることが多かった。
言うまでもなく、ユリアンはルックス的にも整っており、黙っていても若い女の子が
関心を示すのである。

おまけにスポーツ万能で頭も良い。
性格的には、押しが弱い面もあるが、その穏やかさで警戒されない。
特にユリアンがモーションを掛けなくても、いくらでも女の子は寄ってきたのである。
そこを「合意の上」で行為に及んだ。
何一つ、後ろ指をさされるものではない。

と言って、深みにはまりそうな相手は意識的に避けたため、ドロドロした愛憎劇も
なかった。
言ってみれば、一夜限りの相手を探したナンパそのものだった。
ユリアンとしては、恋愛対象としての相手を見繕っていたわけでなく、ひとえに
「経験」を重ねるためだったのだから、それ以上の関係は望まなかった。
そしてフェザーンには、その相手となる若い女性がいくらでもいたのだ。
マニアックな行為や変態的なプレイもあったが、いやがる女性にはやらなかったので
犯罪とされることもなかった。

それらの体験の中で、マシュンゴの指導や書籍、映像等の資料から、さまざまなセッ
クスについて知ることになる。
そして、ユリアンがもっとも興味を示したのがアヌス責めであり肛門性交だった。
マシュンゴもその気があったから、喜んでユリアンに教授したのだ。

「だからですね」

ユリアンは言った。

「フレデリカさんが心配しているような、違法行為も犯罪もしていませんよ」
「……」

言葉もないフレデリカを見下ろして、ユリアンは手にしたデータ・ディスクを彼女の
膝の上に放った。

「え……」

呆気にとられるフレデリカにユリアンは告げる。

「どうぞ。欲しかったら差し上げますよ」

慌ててディスクをつかむフレデリカを冷たく見つめて、こう付け加えた。

「まだマスターはありますから」
「……」
「それに、マスターが消えても8台のカメラで撮った大元がありますしね、困りま
せんよ」

ガクリとフレデリカの肩が落ちた。

「どうしようもないですよね」
「……どうしろと言うの……」

力無く問うフレデリカに、ユリアンは腕組みして言った。

「そうですね、じゃあ取りあえず、まだしてもらってないことをしてもらおうかな」
「……」
「フェラチオしてください」
「!」
「聞こえませんでしたか? フェラチオですよ、僕のチンポをくわえて欲しいんです。
したことくらいあるでしょう? 提督のを」
「そんな……」
「いや、なんて言いませんよね。出来ないって言うなら、その映像と画像を提督の
コンソールに送り込みますよ」

目を細めて告げるユリアンを、怒りと屈辱で小刻みに震えながらフレデリカが睨む。

「出来ますね?」

歯を食いしばって少年を睨みつけていたが、やがて諦めたのかうつむいたまま小さく
うなずいた。
言われるままにユリアンの前へ行き、跪いた。
その瞳には、うっすらと涙すら浮いている。

「こんなところで……」
「だからいいんじゃないですか。スリルがあるでしょう?」

さあ、と言われてフレデリカは前の前にあるスラックスのファスナーを下ろした。
フレデリカの執務室でムリヤリくわえさせるというシチュエーションに興奮したの
か、ユリアンの逸物は既にトランクスにテントを張っていた。
フレデリカは顔を逸らすようにして、その窓口を開放した。
むっとする性臭に、フレデリカは目眩がするようだった。
若いためか、夫のヤンのそれよりずっと濃厚な匂いだ。
ユリアンは、顔を背け目を堅く閉じているフレデリカの頭を掴み、正面に向けさせた。
恐る恐る目を開け、フレデリカは思わず息を飲んだ。
細面のユリアンに似つかわしくない、たくましい男根が血管を浮かせてビクビクして
いるのだ。

「い、いや!」

たまらず逃げようとするフレデリカの顔を両手で押さえ込み、ムリヤリ自分の股間
に押しつけた。
もうカウパーが漏れだし、まるでそびえ立つかのように屹立している。
先走り液を顔に塗りたくられる不快感に顔を歪めたが、ユリアンに叱責され、おず
おずと口を近づけた。

「ん……んちゅ……んん……」

申し訳程度に小さく開けた口に亀頭の先っぽを含ませた。
舌先で、尿道の割れ目をなぞるように上下させる。
勃起した竿に、根元から先にかけて舌を這わせる。

「…まだまだ未熟ですね。でもそんなに悪くない。さ、次は口の中でやってください」
「……」

フレデリカは肉棒を口の中程まで招き入れ、そのカリの部分を舌の横の部分で舐め
擦り始めた。
さらに、そこを頬の内側の粘膜部で刺激する。

「んむ……むっ……ん、ん……うん……」

舌全体で、ユリアンのペニスをくるむように舐めながら、唇は竿の根元をキュッと
絞る。
もう肉棒はフレデリカの喉のあたりまで届いている。
たまった唾液を啜るように唇を細めてペニスを刺激すると、さすがにユリアンにも
口唇愛撫の快感が突き抜ける。

「あ、んんっ……い、いいですよ、フレデリカさん。その調子です」

ユリアンはそう言いながら、フレデリカの頭を掴み、自ら腰を動かし始めた。
必死に自分のモノをくわえる美女の髪から、甘い女の匂いが沸き立ってくる。
亀頭部を頬の内側に押しつけると、フレデリカは肉塊をくわえたまま、顔を上下に
揺さぶりだした。

「ふぅ……うん……んくっ……むっ……む……んん……」

急激に高まる悦楽に、ユリアンの肉棒はさらに熱を持ち、充血した。
フレデリカはクラクラしていた。
あれだけ立派だった勃起が、さらに口の中でむくむくと膨らんでいく感じだ。
フレデリカは無意識に、舌でカリの裏あたりを責めた。
ザラザラした舌表面が、敏感な部分を舐めさする感触に、ユリアンの腰の動きも
大きくなる。
尿道口を舌先で突っついたり、中に押し込むように刺激したり、カリ周囲を舐め回す。

「あっ……うう……」

ユリアンが情けない声で呻き始めると、男根がビクンビクンと痙攣してきた。
射精が近いのかも知れない。

(ああ、早くいって……。早くしないと、誰が来るかわからないわ……)

昼間の執務室。
早く済ませないと、誰が訪ねてきてもおかしくないのだ。
フレデリカは愛撫するスピードを上げた。
激しく美女の口から出入りする少年の肉棒は異様な熱を帯びていて、フレデリカは
唇が火傷するかと思ったくらいだった。
一段と太くなり、もはやフレデリカの口はいっぱいに拡げられていた。

「んっ、んっ、んっ、んっ…」

一気にのどの奥まで飲み込み、先端を粘膜で愛撫した。
不思議と吐き気には襲われなかった。
ユリアンはもう余裕がなくなった。
どちらが犯しているのかわからないくらい、追いつめられた。

「フ、フレデリカさん、出すよ、出しますよ! 飲んでください!」
「んんっ……」

フレデリカは拒絶の声のつもりだったが、ユリアンはそう受け取らなかった。
フレデリカは膨張しきった男根の下部に舌を這わせ、さらに舌の裏側の粘膜で亀頭
部を覆うように舐めしゃぶった。
その、ぬめぬめした感触にユリアンはたまらなかった。

「あ、精液……精液、飲んでっ!」

ユリアンが泣くような声を上げると、フレデリカの口の中で亀頭部がふくれあがり、
一気に暴発した。

「んん!」

大量の精液が口の中で吐き出されると、フレデリカは嫌悪のあまり口を離そうとした
が、ユリアンはがっちりと頭を押さえ込み、それを許さなかった。
ユリアンは、怒張が脈打つたびに腰を突き出し、フレデリカの喉深くに注ぎ込んだ。

「んん! んーーー! んぐ……」

いやいやをする美女の頭を押さえ、最後の一滴まで放出したが、それでもフレデリカ
を解放しようとしなかった。
しばらく股間にフレデリカの顔を押しつけたままでいると、ようやく彼女の白い喉が
コクリ、コクリと動いた。
それを確認すると、ユリアンはフレデリカを突き飛ばした。

お尻から床に落ちたフレデリカは、激しく咳き込みながら、放出されたユリアンの精
を吐き出そうとしたが、おびただしく出されたにも関わらず、戻せたのはわずかだった。
まだ喉に絡みつく粘い感触に顔を歪めながら、フレデリカは激しく息をしている。
ユリアンは、そんなフレデリカの手首を掴んで立ち上がらせた。まだフラフラして
いるが、容赦しなかった。

「まだですよ、フレデリカさん」
「そんな……もう、これで許して……」
「だめです」

ユリアンはポケットからじゃらじゃらと何かを取り出していたが、フレデリカはユリ
アンにフェラチオさせられ口に射精されたショックで周囲に目が行かない。

「脱いで下さい」
「……」
「聞こえたでしょ、脱ぐんです」
「ユリアン……」
「脱ぎなさい」

言うことを聞くしかないようだ。
ぐずぐずしていると、本当に誰か来てしまうかも知れない。
でも、こんなところで辱められるなんて耐えられない。
フレデリカが決心つかずにいると、ユリアンは口調を改めて優しく言った。

「大丈夫ですよ。今はしません。今はね」
「……」
「だから脱いで下さい。下だけでいいですから」

諦めたフレデリカはスラックスに手をかけた。
美しい象牙色の素足が現れる。
スラックスの下にストッキングは履かない人のようだ。

「ショーツもです」

なるべく見られないように、フレデリカは身体を折り曲げながら下着をとった。
右手で前を、左手でお尻を隠している。
もちろんユリアンはそんな行為は許さない。

「隠さないでくださいよ。せっかく綺麗な身体なのに」

おずおずとフレデリカが手をどけると、前には淡い恥毛が、後ろにははち切れんばか
りの尻たぶが晒された。
まじまじとそれらを眺めると、ユリアンは次の指示を出す。

「今度は屈んでください。そうですね、デスクに両手を突いてお尻を突き出すよう
にね」
「……いや…」

小さな声で反論したが、聞き入れない。
フレデリカは言われた通り、両手を突いてユリアンに向かってヒップを突き出すスタ
イルをとった。
犯さないと言ったのに……。
不安そうに後ろのユリアンを見るフレデリカに、ユリアンはそのまま前を向くよう
に命令した。
ユリアンは手にローションを塗ると、フレデリカの股間にあてがった。

「あ、いやあ!」

思わずフレデリカは声を上げて腰を捻った。

「動かないで!」

ビクッとしてフレデリカの動きが止まる。
ユリアンはローションを陰部に塗り、肛門にも塗った。
前の敏感な肉目や媚肉、後ろの肛門に塗り込まれる時だけ、フレデリカは腰を振って
いやがったが、それ以上は抵抗しなかった。
その無意味さを悟ったからである。
ねっとりとした愛撫ではあったが、さほどの快感は感じなかった。
ユリアンとしても、ほぐすのが目的だったから感じてなくても構わなかった。

だいぶ媚肉も菊座も緩んだのを見計らって、ユリアンは先ほどの「じゃらじゃら」の
ひとつを指でつまんだ。
中央部がやや膨れたカプセルのような形である。
長さは4〜5センチほど、もっとも太い中央部直径が2〜3センチといったところ
だろうか。
ローターと呼ばれるその性具を、もちろんフレデリカは知らなかった。
ユリアンは、いきなりそれをフレデリカの割れ目に押し込んだ。

「きゃあ! なにするのぉ!」

異様な感覚に驚いて振り返るフレデリカの尻を、ユリアンは思い切り叩いた。

「痛い!」

痛みよりも、ぱちん!という乾いた大きな音にびっくりしてフレデリカは仰け反った。

「静かに、フレデリカさん。ただ入れるだけですから。すぐに済みます」
「そんな……いやよ、そんなこと……」

フレデリカの哀願を無視してユリアンは作業を進める。
つるり、と、あっさりローターを飲み込んだ媚肉に、ふたつめを入れる。
フレデリカはぶるぶる震えて何も言わなかった。
さらにもうひとつ入れ、4つめを入れようとしたところで、フレデリカから泣きが
入った。

「も、もうムリよ、入らないわ……」

それでもユリアンは押し込むようにして4つめを詰め込んだ。
ぎくりとフレデリカは背筋を反らし、入れられてしまうと「ああ…」と吐息を洩ら
してうなだれた。

今度ユリアンが手にしたのは、同じローターでも少々形が違った。
さっきとは逆に真ん中がくびれており、繭のような形状だった。
一回り大きく、長さは5〜6センチほどで、太さは3センチほどあった。
ユリアンはニンマリして、それをフレデリカの菊門に押しつけた。

「あ、ああっ…そ、そこはいや! だめよ、ユリアン!」

今度こそ、跳ね上がるように腰をうねらせ、フレデリカは抵抗した。

「動くなと言ったでしょう!」

ユリアンは、ぴしりと厳しく言うと、またしても尻たぶをスパンキングした。
それだけでフレデリカの反抗は収まってしまう。
どうしてなのか、フレデリカにもわからなかった。
ぐぐっと力を込めて、ユリアンはローターを挿入させる。
3センチの太さだったが、事前にローションで揉みほぐしただけあって、思いの外
あっさりと受け入れてしまった。

「あ……」

前と後ろの穴を埋められている感覚がたまらない。
フレデリカは膝をガクガクと震わせて、ようやく立っていた。
彼女の股間を見つめていたユリアンが感心したように言う。

「フレデリカさんの前、4つとも入っちゃいましたね。すごいじゃないですか」
「……」

少年のからかいにも反論できないフレデリカ。
今はもう、早くこの場から逃げ去りたい気持ちでいっぱいだった。
そんな哀れな美女を、ユリアンはさらに追い込む。

「これ、こんなことも出来るんですよ」

ユリアンは手にした薄い板状のコントローラをフレデリカに見せ、タッチ・パネル
を操作した。
ピッと軽い電子音が響くと、フレデリカは「ああっ」と悲鳴を上げて身を揉んだ。

「な、なにこれっ! ああ、やめてっ」

フレデリカは必死に股間を押さえた。
いちばん出口近くのローターが突如振動し出したのである。
中から揉みほぐされるようなバイブレーションに、フレデリカは仰け反った。
そこでユリアンがスイッチを切った。

「あ、あああ……」

フレデリカは腰の力が抜け、へなへなと床に崩れてしまった。

「もっとも、電波が届く範囲内じゃないとリモコン出来ませんけどね」

ユリアンは念を押す。

「そいつを取ろうなんて考えないでくださいよ。もし取ったりしたら、例のビデオ
を…」
「わ、わかったわ……」
「…もっとも、自分で取るには指でほじくるしかありませんけどね。かなり恥ずか
しい格好だと思いますよ」
「……」

ぺたりと尻を床に落としているフレデリカの腋の手を入れて起こしてやる。

「ほら、フレデリカさん立って。もうお昼ですよ。昼食後は幕僚会議でしょう? 
そろそろ士官食堂へ行きましょう。提督も待ってますよ、きっと」

────────────────────────

午後1時15分。

定刻通りに幕僚会議が始まった。
出席者はヤンの他、アッテンボロー中将にフィッシャー中将、ムライ中将、パトリ
チェフ少将、メルカッツ元帥、シュナイダー中佐といった面々である。
直接、艦隊運営に携わる将官の会議だったので、将官でも陸戦隊指揮官のシェーン
コップ中将や空戦隊指揮官のポプラン中佐らは出席していない。
無論、フレデリカ・G・ヤン少佐もヤンの副官として列席、そしてユリアン・ミンツ
中尉も参加している。

もっとも、フレデリカは席があるが、ユリアンはヤンの後ろで立ち番である。
もともと参加資格はないのだが、ユリアンの知謀はヤン艦隊の誰もが知るところで
あり、この手の幕僚会議に「見学者」として立ち会うことを咎める人間はいなかった。
もちろんユリアンがヤンの従卒的な意味合いの人間だということも作用している。

「作戦の概要については、全体の幕僚会議で説明した通りだ。今回は艦隊レベルで
の運用について詳細を詰めたいと思う…」

ヤンがこう口を切って会議が始まった。
ヤンの席は上座にある。
その左脇にフレデリカが座っている。
ユリアンはちょうどふたりの中間あたりに立っている。
フレデリカは気が気でない。
いつユリアンが、あのおぞましい機械を動かすか。
座ったり立ったりするだけでも、膣に詰まった4つと肛門に潜り込んだ1つのロー
ターがフレデリカを責め苛んでいるというのに。

窮屈そうに内壁の襞を擦ってくるのだ。
フレデリカは、少年によって器具で責められる屈辱に、身体の奥底に倒錯の熱い
うねりがわき起こるのを押さえきれなかった。
ローターの存在を意識するたびに、ズクリと子宮が快感を呼び起こす。

はしたない、提督がそばにいるというのに…。
フレデリカは会議に集中し、ローターを忘れようと努力した。
すると、思い出したようにユリアンがローターを動かしてくる。
膣に収められたローターが「ヴィー」という低い駆動音を立てて振動した。
ちょうど真ん中のものが動いているらしく、前後のローターにも微妙な動きを加え、
フレデリカを懊悩させた。

「…あっ……」

フレデリカは思わず、軽い悲鳴を出してしまう。
そして慌ててヤンの顔を見、周囲を確認した。
議論は白熱しており、フレデリカの微妙な変化に誰も気づいていない。
ローターの動きが止まり、フレデリカもホッとした。
その後も、時折ローターが蠢き、フレデリカを悩ませた。
そのたびにフレデリカは、耐える色っぽい表情を見せていて、ユリアンを高ぶらせた。

「まずい」と思い、股間を軽く押さえる。
もうすっかり隆起している肉棒に、ユリアンは苦笑した。
眉間に小さな皺を寄せ、形の良い唇を軽く噛んで耐えるフレデリカ。
ややもすると、その力が緩み、熱い吐息すら洩らしている。
ユリアンは改めてその魅力にぞっこんとなった。
苦悶し懊悩する顔がこれほど艶っぽい女性が他にいるだろうか。

会議も終盤となり、最後の質疑応答となった。
別働隊を指揮するアッテンボローが、ヤン本隊との連携についてヤンに訊いている
時、ユリアンは仕上げにかかった。
その時まで、膣に侵入させたローターをひとつだけ10分ほど動かしていたのだが、
残りの3つも全部振動させたのだ。

「あ、あくぅっ……」

ひとつの振動には何とか慣れ、堪え忍んできたフレデリカだったが、一挙に4つ
全部動いたのを感じて狼狽した。

「ああ、あ……あ、あふ……くぁぁ…」

ローターどもは、自分の存在を主張すべくフレデリカの膣内を暴れ回る。

「ヴィー」と響く駆動音に、「カカカカッ」と、揺れるローター同士がぶつかり合う
音が生じた。
フレデリカの粘膜内にあり、その上に下着とスラックスを着けているのでくぐもった
音ではあるが、外に漏れることを恐れ、彼女は必死に股間を押さえた。
フレデリカがおかしな声を出したことに気づいたメンバーも何人かいたが、さして
気にも留めなかったようだ。

ユリアンも、フレデリカの喘ぎ声が少し大きかったので、バレたかと一瞬青くなった
ほどだった。
しかし、各員、熱の入った討議をしており、喘ぎ声もモーター音も耳に入らないよう
だった。
ユリアンは少しホッとした。
もし、その道に長けているシェーンコップやポプランがいたら、きっとバレていた
だろう。
安心したユリアンは、とどめとばかりに、肛門に挿入したローターをも振動させた。

「くぁぁ……」

フレデリカは腰を揉んで呻いた。
首筋や美しい額にはうっすらと汗がにじみ、吐息は燃えるように熱い。
膣のいちばん奥に押し込まれたローターは子宮口を揺さぶり、出口間際のものは媚肉
を揺らし、肉芽まで震わせた。

そこにアヌス深く詰め込まれた大きめのローターが激しくうねりだしたのだ。
背筋がビリビリと痺れだした。
その痺れは脳天にまで到達し、フレデリカの頭の中を真っ白にする。
押し寄せる愉悦の大波に、フレデリカは陶然となった。
このままでは気をやってしまうかも知れない。
こんなところで生き恥をさらすわけには行かないが、もう耐え切れそうもなかった。
が、ここに至って、ようやく野暮天どもがフレデリカの異変に気づきだした。

「マダム・ヤン、どうかしましたか?」

アッテンボローが不審そうにフレデリカの顔を覗き込んだ。
さすがにヤンも気づいたようだ。
それはそうだろう。
フレデリカの表情は虚ろで、顔はと言えばうなじや耳朶まで赤く染まっている。
おまけに吐く息まで熱いとなれば、これは風邪でもひいたのかと思われても仕方が
あるまい。

「少佐、今日はもう戻っていい」
「いえ……そんな、提督…」
「ムリしないでいいさ。もう終わりだから」

ヤンは愛妻の身を案じて言う。
彼の気遣いに心が痛んだが、このままではいつまで保つかわからない。
幹部たちも口々にそう言うので、その優しさに甘えることにした。
どことなくふらついているフレデリカを見て、ヤンはユリアンに耳打ちする。

「どうも、まだ調子が悪そうだ。ユリアン、悪いがフレデリカを休ませてくれないか。
私の部屋には簡易ベッドもあるから……」
「わかりました提督。でも、提督は……」
「ああ、今日はもう執務室には戻らないから。これが終わったら、空戦隊の連中と
打ち合わせがあるんだ。それが終わったらフロアへ直接帰るよ」
「じゃあ今日は……」
「だからユリアンはフレデリカを少し休ませたら、そのまま一緒にフロアへ帰ってて
くれないか? フレデリカには、あまりこっちは心配するなと言っておいてくれ。
後の仕事は、特に副官がついててくれなくても平気だから」
「わかりました、提督」

ユリアンはそう言い、笑顔で敬礼した。



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