学園長が恵を乗せたストレッチャーを押して出て行くと、瀬戸口もいったん席を
外したが、10分ほどですぐに戻ってきた。
さっきの採取した血液を検査してきたらしい。
何の検査だったのか気になって尋ねても瀬戸口は何も答えず、また注射器を構えた。

「ま、また……」
「ん? いや、これは採血じゃなくてホントに注射」
「注射って……何の薬ですか。まさか……」
「ヘロイン? 覚醒剤? そんな野暮なことはしません。毒物、劇物でもない。
心配しないでいい」
「で、でも、あっ……」

心配するなと言われても、得体の知れぬ薬を注射されるのは気味が悪いに決まって
いる。
しかし、否応もなく針を突き立てられ、薬液を注射されてしまった。
そして、なぜかもう一本細い注射器を取り出して香織に注射した。
すぐに終わり、注射を片付けると、瀬戸口は学園長から渡されていた香織とけっこう
仮面の資料を読んでいる。

「……なるほど、まだけっこう仮面としては新人の部類のようですね」
「……」
「ん?」

資料を読んでいた瀬戸口の動きが止まり、無表情だった顔に感情が蘇る。
眉間に皺が寄り、唇が僅かにわななく。

「……そうですか、あなた医学部事件に関わったけっこう仮面だったんですね」
「……」
「僕が最初に捕らえていたのが夏綿先生か。なるほど、あのむっちりした先生です
か、確かに面影はあったな」

瀬戸口の脳裏に、けい子を思うさま責め抜いた記憶が戻ってくる。
生徒たちを巻き込んで、けっこう仮面の腹の中まで犯し、その中を覗き見て辱めた
のだ。
瀬戸口自身も、存分にけっこう仮面の肉体を味わった。

「そして次の朝、医学部棟に忍び込んで夏綿先生と入れ替わってベッドにいて……」
「……」
「僕をヌンチャクで叩きのめしたわけだ」

瀬戸口は右手で持った資料を握りつぶした。

「お陰で僕の右手は複雑骨折ですよ。リハビリで何とか日常生活が送れるくらいには
なったけど、繊細なメス捌きを要求される高度な外科手術なんか出来なくなった」

それまで敬語の「ですます」調だった口調が変わっている。
感情がにじみ出ていた。

「町医者程度なら充分だけど、僕が目指していたのはそんなものじゃない。結局、
外科医は諦めるしかなくなった」
「……」

そんなことは自業自得である。
そもそも瀬戸口が学園長の口車に乗り、悪事に参画したのが悪いのだ。
高給と圧力に押されて学園に赴任したくらいならいい。
だが、実績を上げようとして違法な遺体解剖を施したのは遺体損壊という立派な犯罪だ。
しかもそれを生徒にやらせていた。
そしてその秘密を知った女生徒──高橋真弓を亡き者にしようとしたのだ。
どこから見ても悪党そのものではないか。

その結果としてけっこう仮面──夏綿けい子に乗り込まれたが、真弓を人質にして拉致
し、この上ない恥辱と屈辱を与える責めと激しいレイプを繰り返したのだ。
挙げ句、最後には生体解剖するつもりだったらしい。
けっこう仮面──若月香織に逆襲され、張り倒されたからといって恨むには値しない
だろう。
殺されなかっただけマシだと思うべきである。

香織はそう思っていたが、今は何を言っても通用しないだろう。
逆恨みとはそういういものだ。
まして瀬戸口本人は決して逆恨みとは思っていないはずだ。
その彼に囚われの香織が与えられたらどうなるか。
もし浣腸、排泄の勝負で香織が我慢し切って恵が負けていたら──瀬戸口が責めるの
が恵だった場合、瀬戸口は恵を知らないわけだから、香織ほどではないだろう。
しかし責める相手が香織だとしたら、瀬戸口は常軌を逸した責めを躊躇する理由がなく
なる。
そこまで香織が考えていると、一転して瀬戸口が明るい声を出した。

「でもね、今では感謝してますよ。僕、外科医から転向したんだ。何だと思います?」
「……」
「産科医ですよ、産科医」

香織は答える気にもならなかったから黙っていたが、答えを待つまでもなく瀬戸口は
すぐに打ち明けた。

「臨床医学なら外科、それも心臓外科や脳神経外科くらいにしか興味なかったんだけど、
なかなかどうして産科医も奥が深いですよ」

どうせ産科医といっても、女性器だとかの猥褻なこと目的なのに決まっている。
香織がそう思うと、案の定、外科医崩れの産科医は言った。

「いやもう、女性のあそこ見放題ですしね。まあ美人じゃなきゃ願い下げですけど」
「……」
「とは言っても、実際の診療の時はそんなこと考えてる余裕ないですけどね。仕事と
してやってるわけだし、よほどのことがない限り、おかしなことを思ったりはしない」
「……」
「今回はその「よほどのこと」なんだよ、若月先生。いや、やっぱりけっこう仮面と
お呼びしたいな。従って、僕の好き放題にさせてもらう。学園長には、殺さなければ
どんなに責めてもかまわないと言われているしね」

けっこう仮面はもぞもぞと身体を捩った。
長い間三つん這いの姿勢のままだったから、肘や膝の間接の具合がおかしくなってきて
いる。
痛みもあった。
何より、こんな恥ずかしい格好はもういやだった。

「ね、ねえ、もういい加減に解いてよ」
「だめですよ、そのお尻を突き出した格好のままでいてくれなきゃ」
「ま、まさか、また……」
「そう」

瀬戸内はにやっとして手にした器具を見せつけた。ガラス製の浣腸器だった。

「浣腸に決まってるじゃないですか。仕置きと復讐を兼ねてね。さあ、覚悟したまえ」
「い、いやっ……、それはもういやあっ!」
「嫌がるからこその仕置きじゃないですか。喜ぶことをしていちゃ仕置きにならない。
ま、そのうち浣腸されて気をやるような変態にしたててやりますがね」
「け、けだものっ……!」

たっぷりと薬液を充満させた浣腸器を見て、けっこう仮面はおののいた。
剥き出しになっているアヌスはまだ膨らみ、爛れている。
そんなところにまた酢混じりの浣腸などされたら、そのつらさはさっきの比ではある
まい。

「ああっ、いやあ!」

冷たい硬質な感じのものが、ぷすりと肛門に突き刺さる。
根元までノズルを埋め込まれると、キィッとガラスが鳴ってピストンが押されていく。

「ひっ、あ、あむむっ……!」

500ccは楽に入りそうな巨大な浣腸器から、グリセリンと酢の混合液がけっこう
仮面のアヌスから注入されていく。
長大なシリンダーが押されるごとに、どくどくと腸内に流れ込んだ。
けっこう仮面は喉を絞って呻き、悲鳴を上げた。

「こ、こんな……い、いやあああっ……」

さっきの大量浣腸で、もうすっかり便は出てしまったせいか、少し注入されただけで
凄い刺激があった。
酢とグリセリンのビリビリ痺れるような刺激が、爛れたアヌスから腸管の粘膜までをも
きりきりと締め付けるようにかきむしる。
早くも便意が膨れあがってきた。

「あうむっ……や、いやあっ、入れないで……ひぃっ……」
「まだ半分も入ってないよ。さっきはあんなに飲んだじゃないですか」
「う、うむ……やめ、て……き、きつい……ああ……」

けっこう仮面の身体がぶるぶると震え、その痙攣が止まらなくなった。
再び脂汗が浮き、水玉を作り、肌を伝っていく。
瀬戸口はじわじわとゆっくり注入したり、エネマシリンジのようにびゅっ、びゅっと
リズムをつけて噴き出させたり、変化をつけて注入した。
瀬戸口は苦悶するけっこう仮面の美貌を食い入るように覗き込み、欲情した笑みを
浮かべている。
浣腸され、身体が内側から炸裂するような苦しさに顔を真っ赤にさせていたけっこう
仮面は、たちまち青白くなってわなないている。

「あ……うむ……うむうっ……きつい……こ、これ以上は……」
「ふふ、何だかんだ言ってうまそうに飲むじゃないか。その調子ですよ」
「やめてもう……だめっ……い、入れないで……あむう……」
「全部入るまではやめないよ。ほら、今400だ」
「やあ……も、漏れちゃう……うむ……」

けっこう仮面は荒々しい便意を押しとどめているのが精一杯で、もうまともに喋れも
しない。
全身に粘っこい汗が浮いて裸身を光らせている。
豊満そのものの尻はぶるぶる痙攣しながらうねり、ブーツの先がカタカタとストレッ
チャーを叩いている。

「もう入れないで……だめっ……あ、もうおトイレっ……」
「あと50だ、すぐですよ」
「い、いやもう……我慢できないっ……おトイレに行かせてっ……」
「やれやれ仕方ない。それじゃ一気に行きますよ。それっ」
「うひぃっ!」

ピストンを一気に押し込み、残りをまとめてどっと注入すると、けっこう仮面は鋭く
叫んでぶるるっと裸身を大きく震えさせた。
目の前が真っ暗になり、がっくりと顔を寝台に押しつけて呻いている。
その中で、急上昇してくる便意だけがけっこう仮面の意識をじりじりと灼いていた。
瀬戸口は、けっこう仮面の震える尻の前に大きな医療用バットをあてがった。

「さ、いつでもいいですよ。またじっくり見せていただこう」
「い、いやここでは……。何度そんなところを見ると言うの……あ……」
「何度でもですよ。けっこう仮面が完全に屈服するまでね。そのうちあなたの方から
浣腸をねだるようになるまでだ」
「へ、変態っ……ああっ……」

けっこう仮面は気力を振り絞るようにして瀬戸口を罵ったが、そこまでだった。
便意は限界を超え、必死に引き締めようとしていたアヌスの痙攣を自覚した。

「ああ、もう出てしまうっ……いやあっ、ど、どこかへ行ってっ……見ないで!」
「見ますよ」
「そんな、いやあっ……そ、そんなに顔を近づけないで……あ、あ……出るっ、見な
いで!」

悲鳴とともに、抑えようがなくなった便意が一気に迸った。
慌てて止めようとしても止まるものではない。
後から後から迸らせながら、けっこう仮面は羞恥と恥辱で悩乱し、泣き叫んだ。
瀬戸口は飢えたけだもののような視線と冷静な医師の視線をない交ぜにしながら、
けっこう仮面のアヌス粘膜の動きや噴き出される溶液を観察していた。
香織には、そんな瀬戸口の目が自分のどこを見ているのか痛いほどにわかった。

「ああ、ひどい……見ちゃいやあ……」

けっこう仮面はマスクを涙で濡らしながら頭を振りたくった。
さっきの大量浣腸ですっかりひりだしたせいか、もう排泄されるのはほとんど溶液
のみだ。
それでも排泄を見られることは死に勝るほどのつらさとおぞましさだった。
ぶるぶると豊満な臀部を震わせて激しく薬液を排泄した。
痙攣が止まって、一度途切れたものの、またすぐにぶるっと震えてどばっとしぶか
せている。
酢の混じった濃厚な薬液の匂いが辺りに漂った。

「あ……ああ……」

ようやく全部出し終えたけっこう仮面は、反抗することも忘れて嗚咽に咽せていた。
変態医師に浣腸され、あまつさえ排泄までじっくりと観察されたという絶望と屈辱
が、聡明な香織の知性を穢していく。
けっこう仮面は、夢なら醒めて欲しいと思い、堅く目を閉じてこの恥辱に耐えていた。
が、すぐに現実に引き戻された。ガラスの鳴る音がしたからだ。
ハッとして振り返ると、瀬戸口がまた満タンにした浣腸器を構えてにやついていた。

「そ、そんな……もう終わったのに……」
「だから何度でもすると言ったでしょうに。仕置きなんだから、けっこう仮面が
まいるまでしますよ」
「ゆっ、許して、もういやあっ……」
「許さない。はは、今夜は寝る暇もないでしょうね」
「いやああっ!」

泣き叫ぶけっこう仮面を嘲笑い、瀬戸口は爛れたアヌスにノズルを突き刺していった。

────────────────────

全身を汗びっしょりにして、けっこう仮面は息も絶え絶えだった。
前につんのめるようにして顎を寝台につけ、膝立ちのまま尻を突き出す姿勢は変わっ
ていない。
そのまま、もう8回も連続して浣腸されていた。

「あ、ああ、もういや……これ以上はいやよ、ああ……つらい……」

白かった肌はピンクに染まり、それまで受け続けていた激しい責めを思わせる。
玉になった汗が肌理の細かい肌をつうっと滑り、ぽたぽたとストレッチャーのシーツ
に染みこんでいく。
シーツは薬液とけっこう仮面の汗を吸い取って、すっかり色が変わっていた。
赤いマスクを剥ぎ取ってみれば、香織の髪もじっとりと汗を吸っていることだろう。

「苦しいっ……やめてください……ううっ……」
「まだ8回目じゃないですか。もっと味わって浣腸のつらさを快感に変えるんです
よ」
「そんなことあるわけが……苦しい……」

瀬戸口はせせら笑ってシリンダーを押していく。500ccを注入し、排泄させる
ことをずっと繰り返していた。
重たく強烈な薬液がズーンと頭の奥に響くように流入してきて、けっこう仮面はその
刺激に総毛立った。
何度味わっても決して馴れることのないつらさだ。

「きつい……ううんっ、きついっ……」

薬液は冷たいのに、まるで熱湯が注入されてくるような感覚にけっこう仮面はたま
らず呻いた。
とてもじっとしてはいられず、わなわなと尻を震わせ、重たげな乳房を大きく揺ら
して身を捩った。

「き、きつい……死ぬ……死んじゃう……ああ……」
「大丈夫、これくらいで死にはしませんよ。ましてけっこう仮面、あなたくらいの
体力があればね」
「許してっ……ああっ、苦しい……い、入れないで……うむ……」

けっこう仮面は哀願し、耐えきれないように喉を絞って訴えた。
腸の中に何もなくなったこともあって、酢の刺激が強烈だった。
はらわたがかきむしられるかのような感覚であり、それが回を増すごとにひどくなっ
てくる。相当に腸内が荒れているに違いない。

「そうやって強いヒロインが苦しむ姿ってのはいいですね。凄い色気ですよ」
「く、苦しい……もう入らない……うんむっ……」

長いシリンダーがぐぐっと押し込まれ、夥しいほどの量がけっこう仮面の腸管に流し
込まれる。
けっこう仮面は、肛門や腸管だけでなく、内臓すべてに薬液が入ってきているような
錯覚を受けた。
身体の隅々にまでおぞましい浣腸液が染み渡り、じりじりと身が灼けるかのようだ。
けっこう仮面の身体から痙攣が止まらない。
瀬戸口や学園長に対する怒りや、浣腸責めされる屈辱や恥辱も消え失せ、今はただ
圧倒的な便意の苦しみのみがけっこう仮面を支配していた。

「う、うむ……もうだめっ……で、出ちゃいますっ……」
「途中で漏らしたら今度は倍の2リットル入れますよ。それがイヤなら全部入るまで
我慢しなさい」
「そんな……苦しくてもうだめ……」

瀬戸口にも、もうけっこう仮面が限界に近いのは医師の目でわかっている。毎回10
00cc以上も8回続けて浣腸されれば、どんな人間でもまいってしまうだろう。
まして浣腸責めは体力を消耗させるだけではなく、恥辱を与えて精神力をも削り取っ
てしまうのだ。
瀬戸口は力を込め、一気に薬液を注入すべくシリンダーを押し込んだ。
大量の薬液が激流となって注入され、けっこう仮面の腸内で渦巻いた。

「うああっ、き、きつっ……きついっ……し、しないで、入れないでっ……!」
「ようし、これで全部ですよ」

瀬戸口がノズルを抜くと、けっこう仮面は赤いマスクを振りたくり、背筋をぐうっと
伸ばしてぶるるっと震えた。
その様は、まるで気をやったかのようだった。
医師がけっこう仮面の顔を覗き込むと、マスクに隠れたその美貌は汗まみれで、必死
に唇を噛んで堪えていた。
失神しそうなほどの疲労と羞恥だが、その意識を白く灼くように極限の便意が襲って
くる。

「あっ……もうだめ……ああ、おトイレ……」

無駄だとわかっていても懇願せずにはいられなかった。
けっこう仮面とはいえ、若い女性だ。
秘められた排泄行為を見られることほどつらいことはなかった。
瀬戸口は意地悪く笑うだけでトイレに連れて行く気配もない。
それどころか、例のバットを持ち出してけっこう仮面の尻にあてがっている。
それを気にするどころか、むしろ容器を当てられたことで、けっこう仮面の排便欲が
さらに膨れあがった。

「で、出ちゃうっ……」
「出していいですよ。また見てやります」
「い、いやっ……ああもう我慢が……も、漏れちゃいますっ……ひっ……」

普通、ここまで連続浣腸すれば、我慢も何もあったものではなく、注入が終わったと
同時に排泄してしまうものだ。
しかし、そこはさすがにけっこう仮面で、この期に及んでぎりぎりまで耐えている。
瀬戸口はそんなけっこう仮面の排泄を促すかのように、便意で苦しむ肛門を指で揉み
出した。
香織は驚愕して絶叫する。

「ひっ!? な、なんということを……」

湿り気を帯びた粘膜を丹念に指でこねくると、けっこう仮面は狂ったように暴れ出した。

「やっ、やめて、そんなところ触らないで! ああっ、出る、出てしまいますっ……」

そうでなくとも今にもドッと出てしまいそうなのを必死に堪えているのに、アヌスを
ゆるゆると円を描くように揉み込まれて、けっこう仮面は鳥肌を立てた。
けっこう仮面は目の前が暗くなってきた。肛門を揉み込んでくる指の動きが、膨満
した腸内にビンビンと響いてくる。
暗くなりつつある意識が、淫らに動く指で叩き起こされ、堅くつむった目の奥で火花
を散らす。
人差し指でアヌスを揉みほぐされながら、親指で媚肉をちょんと刺激されると、けっ
こう仮面は悲鳴を噴き上げて崩壊した。

「で、出ちゃうっ……ひっ、ひっ、出るっ……!」

けっこう仮面は全身をぶるるっと大きく震わせたかと思うと、瀬戸口の指を弾き飛ば
して薬液を噴き出した。
注入した量がそっくりそのまま出る感じで、けっこう仮面の締まったアヌスが見事に
口を開いて薄黄色の薬液を迸らせる。
ドッと噴き出すといったん止まり、すぐにまたドッと排出した。

「み、見ないでっ……ああっ、し、死にたいっ……やああっ……」

官能的な尻たぶをぶるぶる震わせながら、何度も排泄の発作を繰り返した。
肛門は内部から膨れあがって開き、爛れた腸粘膜まで晒して薬液を絞り出していた。
妖美としか言いようのない眺めに、瀬戸口は思わず勃起した股間を押さえた。
ようやく排泄の発作を終え、最後にぴゅるっ、ぴゅるっと残った薬液を吐き出すと、
けっこう仮面はへたりと顔をシーツに突っ伏した。
それでもまだアヌスは苦しげに開閉を繰り返し、とろりとした粘液を滴らせながら
喘ぐように蠢いていた。
完全に閉じきらず口を小さく開けたままだ。

「どうです、全部吐き出したかな?」
「……」

瀬戸口に聞かれてもけっこう仮面は答えることも出来ず、堅く目を閉じたまま荒く息
を吐くばかりだ。
突き出した尻たぶは粘っこい汗でぬめぬめと鈍く光っており、むせ返るような官能さ
を見せている。
その尻から目を離さず瀬戸口は言った。

「さあ、また浣腸だ。今日は10回はしますよ」

────────────────────

香織は、昼夜を問わぬ浣腸責めを受け続けていたものの、未だ凌辱されていないこと
に疑問を抱いていた。
学園に赴任して最初の事件だったSSSの時も、阿久沢に囚われて浣腸責めはされた
が、それだけではなくレイプもされた。
瀬戸口にしたところで、夏綿けい子を埒した時は、しっかりと輪姦しているのだ。
それなのに、なぜか今回は香織は浣腸で責められるばかりで、一向に犯されなかった
のだ。
浣腸ばかりの三日間は確かにつらかったが、犯されていないことには不審を抱きつつ
も安堵していたのだ。
この日も3度目の浣腸の洗礼を受けている。

「……いつまで我慢できるかな」

瀬戸口はそう言ってけっこう仮面の尻を大きく割り開いた。

「や、やめて……ああ、もう……」

荒れ狂う便意を必死に堰き止めているけっこう仮面の肛門の痙攣が、尻たぶを掴んで
いる瀬戸口にも伝わってくる。
我慢も限界に達し、けっこう仮面のひきつったような声が出る。

「やめて離してっ……む、向こうへ行ってぇ……あああ……」
「今さら何です。いつものように思いっきりひりだしていいんですよ」
「い、いや……見られるのはいや……」

そう言いながらも、瀬戸口の視線を肛門に意識すると、もう耐えきれなかった。
けっこう仮面の裸身がぶるるっとひときわ生々しく震えたかと思うと、懸命に窄めて
いたアヌスの痙攣がやみ、激しく収縮を始めた。
そして、ぐぐっと内側から盛り上がったかと思うと、堪えに堪えていた便意が一気に
噴き出した。

「あ、ああっ、見ないで……見ないでっ……」

高々と突き上げた豊満そのものの臀部をぶるぶる震わせながら、激しい勢いで排泄が
始まった。
一度出てしまったものはとどめようもなく、後から後から噴き出してくる。

「あっ、ああっ、いやあっ……!」

出るのはもう薬液だけで、銀色のバットにしぶきを上げて吐き出された。
勢いよく噴き出し、気泡混じりの薄黄色の液体がバットの中で渦巻いている。

「全部綺麗に絞り出すんですよ。じゃないと、また浣腸するからね」
「ああっ……」

尻たぶから太腿までぶるぶると痙攣させながら、恥ずかしい女の生理をすべてさらけ
出すつらさに、けっこう仮面は唇を噛みしめて堪え忍んだ。
ようやくすべてを吐き出すと、がっくりと脱力して顔を伏せた。
目を閉じ、マスクの下の唇は力なく半開きのままで、はあはあと喘ぐばかりだった。
悪魔の溶液を排泄し終えたアヌスは、まだ生々しく口を開けたままで、粘液を滴らせ
ている。
腫れぼったくなっている肛門の中を覗くと、腸壁までが爛れているのが判った。
バットの中身を観察していた瀬戸口がつぶやくように言った。

「ふむ、腸の中は綺麗になったようだな。本当に浣腸液しか出してない」
「……」
「それじゃあ、これからが本番だ」

その言葉を聞いて、けっこう仮面は弱々しい声で言った。

「こ、こんなひどいことをして……まだ責めるというの……」
「まあね。けっこう仮面の中でも僕にとって恨み骨髄の若月香織先生だ。こんなもん
じゃ済まないよ」
「……」
「とはいえ、浣腸はもうおしまいにするよ。今日はね」
「……」

返事はしなかったが、それでも香織はホッとしていた。
事前に瀬戸口は、けっこう仮面も普通の女ももっとも嫌がる責めをすると宣言して
いたが、それがこの浣腸だったらしい。
確かに香織にとっても、数ある責めの中で恐らくいちばんイヤだろう。
とりあえず、それは終わりだと言われただけでも安堵したくなる。
浣腸責めは、射精のように女の体内におぞましい液体を注入し、苦痛と便意にのた
うち回され、最後にはその場で排泄させられる。
その上、そのすべてを見られるのだ。
そのどれもが最高に恥辱的かつ屈辱的だった。
それくらいなら、寄って集って犯された方がまだマシな感じすらする。
浣腸以外なら、どんな責めでもいいような気がした。
それでも「犯される」ということは女性にとっては脅威であり、身を固くして構え
ていた。
しかし瀬戸口は、けっこう仮面の汗に濡れた尻や背中を撫でたり、マスクを弄んだり
はするものの手は出さず、彼女に向かって話しかけた。

「ところで先生……じゃない、けっこう仮面。きみは妊娠したことがあるかい?」
「え?」

あるわけがなかった。
もちろん処女ではないし、香織ほどの美貌だから恋人がいたこともある。
しかし香織は色恋にのめり込むタイプではなかったらしく、医師資格と教員免許を
取ることに集中していたため、長続きしなかっただけだ。
第一、学園に来てからも阿久沢にイヤと言うほど犯されている。
それでも妊娠はしなかった。恋人とのセックスでは避妊していたし、阿久沢に凌辱
された時もタイミングが良かったのか、中出しを何度もされたのに懐妊はしなかっ
たのだ。
瀬戸口は香織の返事を待たずに話を続ける。

「きみは確か医師免許も持っていたね? 婦人科ではないだろうが、排卵くらいは
知っているだろう? 黄体化ホルモンが卵巣内に分泌されて、充分に成長した卵胞
を排出することだ」
「……」

それくらいは医師でなくとも知っているだろう。
香織もけい子の代わりに保健の授業を受け持つこともあるから、そうしたことはわか
っている。
それよりも瀬戸口がこんな話を始めた理由がわからない。

「卵子を排出すると言っても、卵巣の出口からするっと出るわけじゃないんだね。
卵巣の壁を破って……というより破裂させるようにして卵巣から外へ出るんだ」

そんなことはどうでもいいと思いつつも、香織は考えた。
卵子は卵巣から卵管が吸い上げるものだと思っていたのだ。

「卵管は卵巣から卵子を吸い上げるんじゃなくって、卵巣からポンと飛び出た卵子を
追いかけて吸い上げるためにあるんだ」
「追いかけてって……」

卵管って動くのだろうか?
卵巣や子宮にくっついてるものだと思っていた。

「子宮と卵巣に繋がっているチューブのように見えるんだけど、実際は卵巣側にくっ
ついている方が、卵巣から離れて動けるんだね。こう、にゅーっとね」

瀬戸口は腕で卵管を表すように曲げて説明している。
何のためにそんな話をしているのかわからないが、香織も現状を忘れて聞き入って
いる。
瀬戸口の方も大学で講義しているようなつもりになっているようだ。

「卵巣の壁を破って出てくる時、たまたま血管のあるところを破っちゃって出血する
こともあるんだな。すると、その血が腹腔内に溜まってしまって腸を圧迫して痛みを
起こすこともあったりする」
「……」
「まあ、その時の出血が排尿の時に出てきて、生理や不順じゃないかと勘違いする
女性もいるんだね。ま、それは余談なんだけど、じゃあ子宮外妊娠も知っているね?」
「……」

反抗する意味で答えず黙っていたが、もちろんそれくらいの知識はあった。
確か、受精卵が卵管を通ってくる時、卵管が何らかの原因で腫れたり詰まったりして
いると、詰まってしまうことがあるのだ。
すると子宮に落ちて着床することが出来ないし、卵管内で動けない状態のまま細胞
分裂して大きくなっていってしまう。

「通常、子宮内で成長するはずの卵子が、何らかのトラブルで卵管に引っかかったり
すると、そこで成長していく途中で卵管より大きくなり、仕舞いには卵管が破裂して
しまうんだね。これは卵管流産てやつだけど、それだけじゃなくって卵管にも入らず
お腹の中でそのままになっちゃうやつもいる。腹腔内流産っていうんだけどね、いずれ
にしてもそれ以上は成長できないから流れちゃう」

香織は疑問を感じた。
よく考えれば不思議な話なのだ。
そもそも、どうして卵管に入っていく時に、もう受精してるのだろうか。
素人考えだと、精子と卵子は子宮の中で出会って受精して、そのまま着床というイメ
ージがある。
見透かしたように瀬戸口が問いかける。

「……なぜ子宮に届く前に、卵子が受精するかわかるかい?」
「……」
「射精された精子はね、子宮や子宮頸管の外に出てしまうことがあるのさ」
「え……」
「信じられないという顔だね」

それはそうだろう。
精子が女性の胎内──子宮に入ってくる機会は、膣に男性器を挿入しての性交をおい
て他にはない。
人工授精というのもあるが、あれは子供を作るためのいわば擬似性交であろう。
オーラルセックスやアナルセックスをして、口腔内や腸内に射精したところで意味は
ない。
食道や胃、そして腸も子宮とは繋がっていないからだ。
受精のしようがないのだ。
なのにこの医師は「精子が膣外へ出ていることもある」と言っている。

「確かにね、セックスで射精した場合、精液つまり精子は膣に放出されるんだけども、
排卵期のあたりだとね、膣壁が精子の通過を許しちゃうことがあるんだな」
「ええっ!?」

そんなことは初耳だ。
瀬戸口はなおも解説する。

「子宮頸管から分泌される頸管粘液は排卵期に多く出てくるんだけど、これは膣や
子宮内への異物の侵入を防いで、精子が子宮の奥の卵管まで進むようにサポートする
役目をする。けどこれには相性があって、粘液と精子の相性が悪いと、精子は異物と
判断されてしまって、粘液はサポートするどころか精子を阻んで奥へ進めないように
しちゃうんだ。これも不妊の一因で、この場合、男性側つまり精子にも、女性側つま
り卵子にも問題はないのに子供が出来ないことになる」
「……」
「で、逆に相性が良いと、膣壁を守っている粘膜が精子の通過を許可しちゃって、
膣の外、つまり腹腔内に出てしまうことがあるわけだ。これはこれで困った現象で、
さっき言った子宮外妊娠になってしまう。まあ、相性が悪いとまず妊娠できないし、
相性が良い場合のこの障害の確率はそう高くないからいいんだけど」

もと医学教授は、香織の前で何度も行き来しながら講義を続けた。

「さっきも言ったけど、排卵てのは卵巣を破ってポンと腹腔内で出てきちゃうわけだ。
そこに、相性の良かった精子が膣からしみ出てきてしまい、それが出会うと見事に
受精と相成るんだね」
「そ、それが何だと言うの!」

私には関係ないと言わんばかりにけっこう仮面は強く言った。
まったくそれどころではないのだ。
こんな恥ずかしい姿勢のまま聞く話ではない。
瀬戸口はそこで足を止め、にやっと笑って言った。

「だからさ、膣内に射精しないでも受精するかも知れないって思わないかい?」
「な、何のことよ……」
「話は変わるけど、三日前に打った注射のこと覚えてるかな」

何が言いたいのか、さっぱりわからない。
話に脈絡がない。
そう言うと、瀬戸口は「いやいや」と顔を振った。

「関係あるのさ。あの時二本打ったうちの一本はね、内臓壁を守る粘膜や分泌液が、
男性の精子をスルーしてくれるように働きかける薬なんだ」
「?」

意味がわからない。

「つまりね、膣内に射精すればもちろん大半は胎内に精子が行くけども、一部は膣
壁から漏れ出て腹腔内に漏れ出るようになる。これは別に異常な現象じゃないから、
そう難しい薬効ではない」
「……」
「普通は膣だけなんだけど、あの薬はね、あらゆる臓器でそれが可能なように調合
したものなんだよ。わからないかい? 要はどこで射精してもあなたの体内に入った
精液はそこから漏れて腹腔内に出てしまうってことだよ」
「え……」
「わかりやすく言えば、アナルセックスで直腸内に射精しても、腸壁からにじみ出て
腹腔内を精子が泳ぎ回るから、そこにある卵子と受精が可能ってことさ。わかるかい?
肛門性交でも妊娠させることができるってことさ」
「な……」

けっこう仮面はその衝撃で、マスクの目出し穴から眼球がこぼれ落ちそうなほどに
目を見開いた。
何と言うことを考えつくのか。
正常なセックスではなく、変態的な排泄器官を使ったセックスで孕ませるとは思いも
寄らなかった。
今さらながら、この悪徳教授の恐ろしさに身震いした。

「アナルセックスだけじゃない。フェラして精液を飲み込んでも同じさ。胃か腸まで
届けば、いいや食道からでも精子が飛び出るだろうね。肝心の膣を犯されなくても、
尻や口を犯されれば立派に孕めるというわけだ」
「く、狂ってる……」

けっこう仮面はわなわなと震えていた。

「狂ってるわ、そんなことっ。あ、あなたどうかしてるわよ! どうしてそんな恐ろ
しいことを……!」
「決まってる。僕は尻責めが好きだからだ。嫌がる女を孕ませるってのも好きだけど、
肛門をいくら犯してもそれは無理だったからね。それが不満だったんだ。けど近年に
なって、膣壁から精子が漏れ出ることが子宮外妊娠の原因だと医学的にわかってから、
希望が出てきたんだ。僕はそれを人為的に引き起こせないか、そして膣以外の臓器
でも発生させることができないか研究してきたんだ。そしてそれは出来た。なに、
そう難しいものでもなかったさ」
「信じられない……。絶対あなたおかしいわっ……」

大けがさせられ入院し、リハビリの最中でも、瀬戸口はその研究と開発に没頭して
いた。
けっこう仮面への復讐ということもあったが、何しろ自分の嗜好が叶うことが大き
かった。
確かに彼は悪党であり、変質者でもあったが、同時に天才的な医学研究者でもあった
のだ。
その希有な頭脳を持った医師は言った。

「あ、それと言い忘れたけどね、あの時採血したでしょ? あれはあなたともうひとり
のけっこう仮面……紅恵くんだったかな、彼女の生理状態を調べたの」
「え!?」
「その結果、もう排卵期だったみたいだね。三日間、きみを浣腸責めにばかりして
いたのは、尻責めに馴れさせる意味もあったけど、排卵されるまで待ってたんだ。
二本めの注射は念のための排卵誘発剤だから、もう間違いなく排卵していると思う
よ」
「そんな……」

けっこう仮面は青ざめた。
確かに時期的にはそうなのだ。
だから、この時期に囚われて凌辱されたらまずいという思いはあった。
けっこう仮面たちは万が一の時のために、一応アフターピルは用意しているが、なる
べくならその世話にはなりたくないと思っていたのだ。
しかしそれどころではない。
敵は完全にけっこう仮面たちを孕ませる気でいるのだ。

「じゃ、じゃあ……」
「そう、ご明察。きみの身体はもう、どこを犯されても中に出されれば受精して
しまう確率がかなり高いってわけだ。だから別にオマンコを責める必要もない。
僕はきみのお尻を徹底的に犯して、その結果として孕ませるつもりさ」
「ひ……」
「まあ確実にうまくいくとは限らないけどね。言った通り、それは子宮外妊娠に
なってしまうわけで、そのままでは孕むことは出来ないし。うまく卵管がその卵子
を拾ってくれないと意味がない。ま、それが出来なかったら開腹して受精卵を取り
出し、それを子宮に着床させるけどね。人工授精みたいなもんだけど仕方がない」
「そ、そんな、いやあああっっ! ぜ、絶対にいやあっ!」

けっこう仮面はその恐怖に絶叫せずにはいられなかった。
堪えようともせず、何度も何度も悲鳴を上げ、つんざくような声で叫ぶ。
おぞましい肛門性交を挑まれ、それで孕まされるなど、香織の想像を絶していた。
しかしその地獄は間違いなく眼前に迫っている。
脅えてがたがた震えているけっこう仮面の尻を叩き、瀬戸口は服を脱ぎ始めた。

「普通、卵子が受精する能力は排卵してからおおむね8時間から12時間ほどだ。
あまり時間がない。だからその間、きみは休む暇もないよ。僕の方は精子が続く
限りやるからね。出なくなったら他の人に頼もう。受精のチャンスを逃さないため
には、少なくとも8時間以上はぶっつづけてセックスしてもらわないと」
「ああ……」

けっこう仮面は目の前が暗くなり、くらっと意識が途絶えかけた。
瀬戸口はそれも予測していたかのように、気付け薬の入った小瓶を取り出した。
香織がこの恐ろしい話を聞いて失神するのを想定していたのではなく、恐らくは繰り
返しレイプする中で、その快楽と疲労で意識を失うかも知れないと思って用意した
のだ。
アンモニアで作られた気付け薬を鼻先に突きつけられ、その強烈な刺激臭でけっこう
仮面は強制的に意識を取り戻させられた。

「うっ……」
「目が醒めましたね。では行きますか」
「ひっ……、いやあっ、そ、そんなことするくらいなら……いっそ、いっそ殺して!」

それは香織の本音だったろう。
8時間以上も休む間もなく犯されるだけでなく、妊娠するまで犯される。
しかも膣ではなく肛門をだ。
アヌスの粘膜が爛れるまで、いやそうなってもペニスを受け入れさせられる。
腸管が瀬戸口の精液で溢れかえるま犯されるのだ。
その大量の精液のうちの一部が腹腔内に漏れ、もう卵巣から飛び出ているであろう
卵子と精子が出合い……。
考えるだけで発狂しそうになる。
そんな目に遭うくらいなら死にたかった。殺して欲しかった。
しかし瀬戸口がそんなことをするわけがない。
香織を、けっこう仮面を生かしたまま辱め、苦しめるのが彼の目的なのだ。
瀬戸口がけっこう仮面の尻を撫で回す。

「覚悟は決まりましたね」
「いっ、いやっ……、そんなこと絶対にいやよ!」
「あなたに拒否権はないんですがね」
「そっ、そんな……じゃ、じゃあ、せめて前にして」
「前? オマンコ犯されたいんですか?」
「……」

そんなわけはない。
わけはないが、それでも排泄器官を嬲られるよりはマシに思う。
形は強制でも、まともな性行為を行う場所ではあるのだ。

「前をやっても、結局孕むまでするんですけどねえ」
「それはいや! 好きにしていいから、避妊だけはして……お願い……」

ふふんと鼻先でせせら笑った瀬戸口は無情に言った。

「お願いできる立場じゃないでしょうに。僕はけっこう仮面の肛門を犯して孕ま
せる。それは譲れない」
「ひっ……! いや、いやあっ!」

全裸になった瀬戸口を見て、けっこう仮面は絶叫した。
その股間には、すらりとした彼には不釣り合いなほどの逸物がぶら下がっていたのだ。
医師はけっこう仮面の後ろから迫り、嫌がって振りたくる臀部を押さえて、その間に
潜む秘穴にペニスを押し当てた。

「許してぇっ……お尻はいやあっ……」
「大げさに騒がないで。経験あるんでしょうに」

確かに阿久沢にそこを犯されている。
しかし何度味わってもイヤなものはイヤだった。
その点、浣腸と同じである。
今にも押し入られそうな恐怖に、けっこう仮面はひきつったような声を出した。

「やああっ、そこはいやですっ……お願い、前にしてっ!」

けっこう仮面は我を忘れて叫んだ。
膣を犯されるのも充分に屈辱なのだが、それを顧みる余裕もなく、排泄器官を犯さ
れる恐怖と恥辱から逃れたい一心だった。
瀬戸口のペニスが人並み以上に大きかったのは見ただけでもわかったが、それが
アヌスにあてがわれると実感として感じる。
熱くて硬く、それでいて適度な弾力のある男根の感触だ。
どんなに逃げたくても、手首足首をベルトで繋がれた姿勢ではどうしようもない。
突き出した尻を振り立てるのが精一杯だ。
そこへ、肛門にぐぐっと圧力がかかってきた。

「あっ……ああっ……!」

太い肉棒のもっとも太い亀頭部がじわじわと押しつけられ、けっこう仮面はおぞま
しさと恐怖で絶叫した。
たった今見せつけられた瀬戸口のペニスの長大さを思い起こし、けっこう仮面は
目眩がした。
脅えて肛門が収縮してしまうが、それが引き化される苦痛を増大させる。
浣腸責めで痺れたアヌスの粘膜が軋むようだ。

「いっ……たいっ……いやっ……あ、ううむっ……ひっ……痛い、裂けちゃう!」
「裂けはしないと思うがね。心配なら尻の穴を開く努力をしたまえ。排便するように
踏ん張ればいいんですよ」
「いっ、やあっ……やめて……ひぃっ……!」

けっこう仮面は狂ったようにマスクを振り立てて喚いた。
もうけっこう仮面の肛門はほぼ極限にまで引きはだけられ、熱い肉棒を飲み込もう
としている。
皺が伸びきって広がっているのが痛々しい。
それでもこの巨根は簡単には入っていかない。

「む、無理っ……絶対無理ですっ……ひっ、裂けるっ……た、助けて!」
「もう少しですよ。自分から飲み込むようにしなさい」
「いや……ゆ、許して……ううっ……」

けっこう仮面の臀部の筋肉が固まり、ぶるぶると震えている。
肛門粘膜も何とか異物を押し返そうとするのだが、それがかえって肉棒に絡みつく
形になっている。

「あ……あ……う、うむ……」

香織は目の前が暗くなるのを実感した。
恐ろしいものがメリメリと音を立ててねじ込まれてくる。
錯覚だったのだが、本当にベリッと裂かれたような音が聞こえた。
その時に、もっとも太い亀頭の頭がけっこう仮面の中に入り込んだのだった。
瀬戸口は、ひくつき、ペニスに絡みつく熱い粘膜を愉しみながら、腸管を押し広げ
ていった。
ゆっくりと腰を進め、けっこう仮面の張り出した尻に下腹部が当たった。
ようやく根元まで埋め込まれたのだ。

「ようし、全部入りましたね。どうです、ひさしぶりのアナルセックスは?」
「ううっ……くる、しい……はあっ……」

圧迫感とぴりぴり走るアヌスの痛みに、身動きの取れないけっこう仮面は肩を僅か
に動かして苦しそうに浅く荒く呼吸していた。
恐らく真っ赤なマスクの下で蒼白になっているであろう美貌をひきつらせて、唇を
噛みしめている。
今にも弾けそうなほどに拡張を強いられている肛門は、押し入っているたくましい
ものをきりきりと食い締めていた。
今さらながら、自分の排泄器官を深々と貫いているものの大きさに圧倒され、目が
眩むようだ。

「い、いや……ううむ……」
「苦しそうな顔をしてるが、もう気持ちいいんじゃないですか? 尻の中は灼ける
ように熱いですよ」

瀬戸口はけっこう仮面のなだらかな背中に覆い被さり、尻にやっていた手を前に回
して乳房を鷲掴みにして、ゆっくりと揉みしだいた。
横から覗くけっこう仮面の苦悶した美貌を見ていると、ますます男根に力が籠もる
のがわかる。

「本当に痛いんだとしても、なに、すぐに取り戻しますよ。尻を犯られる快感をね」
「ああっ、う、動かないで!」

瀬戸口は乳房を揉んでいた手をまた尻に戻し、がっしりと掴むと、ゆっくり腰を突き
上げていった。
ただでさえ狭隘な肛門に太いものが強引に入り込んでいる。
加えて、さっきまでの浣腸責めによって腸内が爛れているのだ。
そこを無理矢理こじ開けられ、硬く反り返ったペニスで直腸をかき回される苦痛に、
けっこう仮面は呻き、苦悶した。

「ひっ、痛いっ……ううむっ……」

痛みと屈辱に耐えるけっこう仮面の腸内を、瀬戸口は遠慮なく突き上げていく。
深く浅く、そして強く弱く尻を揺さぶられ、もうけっこう仮面はされるがままだった。
パン、パンとけっこう仮面の尻たぶと瀬戸口の下腹部がぶち当たる肉の音が響くと、
身体中が痺れて背筋が灼けるかのようだ。
大きなものが腸内にすべて収まると、その圧迫感で呼吸困難にすらなった。

「き、きつっ……きついっ、苦しいわ……ああっ……ふ、太いっ……」

媚肉に入れられても目を剥くほどに大きなものがアヌスに入っているのだから、
それは苦しいだろう。
けっこう仮面はぎりぎりと音はするほどに歯を食いしばって、死にそうなほどに苦し
そうな悲鳴を上げた。
それでも弱まることのない息苦しさと苦痛、そして汚辱感にマスクを振りたくって
耐えた。
少しでも身体を動かせば、少しは紛らわせるのに、かっちりと固定されていて身動き
が出来ない。
そのことがけっこう仮面の苦悶を増大させていた。

「形が崩れてないからバージンアナルに近いと思ってたけどなかなかどうして。かな
り良い具合ですよ、こりゃあけっこうベテランだったかな?」
「ち、違いますっ……は、恥ずかしいこと言わないで! ああっ……」
「そうかな? でもあなたのお腹の中はペニスに馴れてる風ですよ。……そうか、
肛門性交の経験自体は短いけど、その短期間でかなり仕込まれたってことですか」
「ああ……」

けっこう仮面は顔を振りたくった。
否定しているのではない。
羞恥と屈辱の記憶を振り払おうとしていたのだ。
香織は咎島で阿久沢の手に落ち、アナルばかりいやというほどに仕込まれていた。
それまでまったくそうしたアブノーマルな行為は知らなかったのに、執拗かつ濃厚に
肛門を責め抜かれ、とうとうそこで快感を得て絶頂してしまうところまで成長させら
れていたのだ。
それを見抜いたような瀬戸口の物言いや責め口に、けっこう仮面はおののくしかなか
った。

「おや、お尻の中が少し柔らかくなってきましたね。気持ちよくなってきたんでしょう」
「違っ……いますっ……あっ、ああっ……き、気持ちよくなんか……ひぃ!」

ひときわ深く突き上げられて、けっこう仮面は絶句して背を反らせた。
けっこう仮面のマスクから、ぽたぽたと汗が垂れてきた。
マスクは防湿性に優れ、見かけによらず風通しも良いのだが、それでも長時間着用
していれば汗はかなりかく。
さらに、これだけ責められ続けているのだから、その顔は汗びっしょりなのだろう。
犯されるアヌスだけでなく、腸の中まで熱く灼けている。
瀬戸口の腰が激しく動くたび、そして覆い被さられて乳房を揉み抜かれるごとに、
けっこう仮面は泣き、呻き、悲鳴を上げた。
意識していないのに肛門は勝手にくいくいとペニスを食い締める。
かと思うと痙攣するように窄まったりもする。
責める男にとってはたまらない感触だった。

「おっ……ますます良い感じだ。本当に感じてますね」
「そ、そんなわけが……あうう……」

けっこう仮面は否定したが、いつしかその媚肉は淫らに口を開き、そこだけ別の生き
物のように蠢いていた。
もうアヌスを抉られる感覚に、もうそこまで感じ取る余裕がないのかも知れない。
けっこう仮面の膣口は、瀬戸口が動くのに合わせてひくつき、もぞもぞと何かを欲し
がるかのように蠢いている。
それとほぼ同時に、けっこう仮面は苦悶と悩乱の中で身をうねらせ、喘ぎ始めていた。

「あ、あうう……」
「ほう、喘いできましたね。敏感な尻だ」
「い、いや違う……あああ……」

よりはっきりとした喘ぎを上げているけっこう仮面をさらに追い込もうと、媚肉に手
を伸ばし掛けた瀬戸口だったが、それは止めた。
もう半ばアヌス快感を得ているようだ。
何も媚肉への愛撫を連動させて追い上げる必要もなさそうだったからだ。
むしろしつこいほどに肛門ばかりを責め上げて、絶頂させる方が効果があると見ていた。

けっこう仮面の方はすっかり悩乱していた。
めいっぱい拡げられたアヌスと腸管がただれでズキズキと疼いている。
そしてその奥底から得体の知れぬ──それでいて過去にも味わった妖しい快感が込み
上げてきた。

「あ、ああ、いや……お尻は許して……ああ、もう……」

膨れあがる一方の妖しい感覚を振り払うように、けっこう仮面は喚き、呻いた。
肛門を犯されて感じるわけがないと思い込もうとしても、以前にも強制的に感じさせ
られたことを思い起こさずにはいられない。
肛門が痙攣し、収縮するのがわかる。
同時に、アヌスを拡張され蒼白になっていた美貌が、汗とともに上気してくる。
苦悶と快楽が激しく入れ替わり、徐々に快楽が威勢を増していった。

「ふふ、もう感じてしようがないようですね。正直に言いなさい、お尻が感じる、
お尻の穴でいきそうだ、ってね」
「いやっ……ああっ……お尻、きつい……おかしくなるぅ……」

からかわれても反論も出来ず、けっこう仮面は苦悩と愉悦の狭間に溺れ、為す術も
なく性の狂乱へ追い立てられていく。
尻に異常な関心を示す悪徳医師はさらに腰を激しく動かして突き上げ、けっこう仮面
のアヌスをこねくり回した。

「ひっ、いやあっ……は、激しっ……激しすぎますっ……あっ、むむっ……」

けっこう仮面はマスクの内側を噛みしめてその強烈な刺激を堪え、それでも収まらず
臀部を大きく痙攣させた。
アヌスから通された電流が背筋を突き抜け、脳天にまで達したようにのけぞり、
しなやかな肢体をひきつらせつつ、肛門を強く締め付けた。

「おう、すごい締め付けですね。お尻でいくつもりかな?」
「いっ、あああっ……ひっ、ひっ……だ、だめえっ……」

けっこう仮面は呻き声を絞り出し、何度も大きく全身を震わせて、のたうち回った。
何度も太くてごついもので激しく出し入れされているアヌスはすっかり爛れ、火の
ように熱くなっている。
その熱が身体中に広がって、全身が灼け尽くされるかのようだ。
媚肉は開き切り、ぼたぼたと熱い蜜を滴らせていた。
もうすっかりアナルセックスの快感に浸り、あられもなく狂瀾し、よがっている
けっこう仮面の痴態が瀬戸口を昂ぶらせていく。
本当に食いちぎられそうなほどに男根を肛門に締め付けられ、瀬戸口も堪えきれなく
なる。

「くっ……残念だけどこっちが先に音を上げそうだっ。それっ、それっ、おまえも
いけっ!」

けっこう仮面のとどめを刺すように、丸くてほどよい弾力のある大きな臀部を潰し
ながら、何度も大きく腰を使って抉っていく。
内部で一回り太くなったようなペニスを感じ、けっこう仮面はその圧迫感に目を
剥いた。

「ひぃっ、お、大きいっ……く、苦しいっ……ああっ……お尻、変っ……」

けっこう仮面に気をやらせるというより、自分がいきたい一心で瀬戸口は腸管を
抉るように責め抜いた。
何度も何度も奥深くまで抉られ、腸壁を削られて、けっこう仮面はよがるより呻いた。

「あ、うむっ……あっ……あっ、あっ、あっ、ああっ、ひっ、やっ、あっ、ああっ!」
「くぉっ!!」

瀬戸口は、耐えに耐えた欲望を出来るだけ奥で出そうと、けっこう仮面の尻を押し
つぶして届く限り深いところで射精した。

どびゅるるぅっ。
どぶどぶっ。
どっぴゅうっ。

身体を内側から引き裂きそうなほどにググッと膨張した肉棒をまともに感じ、けっ
こう仮面は絶叫した。

「うひぃっ!!」

そこから勢いよく噴き上げてくる熱い精液を腸管に食らい、赤いマスクのヒロインは
目を剥いて呻く。
濃い粘液が腸壁に吹き付けられるたびに、目の前でバチバチと火花が散るような錯覚
があった。

どびゅっ、どびゅっ。
びゅるっ。
びゅくくっ。

際限なく射精してくる瀬戸口の威力に、けっこう仮面はたまらずガクンとのけぞった。
激しいほどの迸りを腸管深くに感じ、けっこう仮面は白い首を反らせて喘いでいた。



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