「鞭の味はいかがかしら、けっこう仮面さん」
「た、大したことはないわ」
「それはそうね。これは痛みよりも快楽をあげるためのものだから」
「……」
そう言われれば、確かに官能の火が疼くような気はする。
しかし、それがパッと燃え上がるほどではなく、物足りないというか切ない感じだった。
生ぬるいような鞭打ちが終わると、今度はまた後ろに回っていたゆりが絡みついてくる。
淡いピンク色の鞭跡がいくつも刻み込まれたけっこう仮面の肌に、ゆりの華奢な手が這い進んできた。
「やっ……! やめ、あっ……くうっ……!」
「どう、けっこう仮面のお姉さま。さっきよりずっと気持ち良くなったでしょう?」
「しっ、知らない……ああっ!」
まだ振動するローターが着いたままの乳首を、ゆりが軽く指先で突っつく。
それだけでけっこう仮面は大きく喘いでしまった。
指先でちょんちょんとごく軽く触れると、けっこう仮面は身を捩って声を絞り出す。
ゆりが面白そうに嗤う。
「あらあら、はしたないこと。そんなに気持ち良いの?」
「……」
思わず漏らしそうになった声を噛み殺したものの、ゆりが手のひらの真ん中で硬くしこった乳首を転がしてやると、たまらず声が出る。
「んくっ! ああっ……!」
「いいみたいね。どう、もっと続けて欲しい? それとも激しく揉んだ方がいいかしら?」
「……」
危うくけっこう仮面は頷きそうになる。
軽く、焦らすように乳首を転がされると、ローターの動きも相まって、乳房にたまらない快感が突き抜けてくる。
逆に、わしわしと強く揉みしだかれることにより、ジンジンし始めてきている膣や肛門の疼きを押さえて欲しかった。
ゆりの巧みな責めにより、わざと中途半端な愛撫を続けられて、けっこう仮面の官能は一気に爆発することなく、
内部でぶすぶすと燻ってしまっている。このままで責められたらおかしくなりそうだ。
どうせなら一気に責め立てられて、官能の炎を燃え尽きさせて欲しいくらいだ。
「あう……む……」
ゆりは乳房を揉み、乳首を責めるだけでなく、けっこう仮面のうなじや喉にも小さな舌を這わせてくる。
手指も活発に行動した。胸を揉み、なめらかな腹部の肌を擦り、揉んでいく。
指先で強く揉むこともあれば、指の腹でぐっと按摩するように指圧したり、手のひら全体を使ってさすり上げたりもした。
「あ……あ……い、いや……んむっ……」
「あらまあ、けっこう仮面さん、うっとりしちゃって」
鏡子が哄笑した。いつの間にか、手にはさっきとは別の鞭を持っている。
「ゆり、もういいわ。ちょっと離れて」
「いいわ」
すっとゆりが身を引くと、彼女に肉体を預けていたけっこう仮面がくたりと力を抜いた。
両手をバンザイさせて、縄に身を預けている。
ぐったりしているようだが、時折、ぴくっと臀部や腹が震えた。
そのたびに、張り型を飲み込んでいる媚肉やアヌスから、つうっと汁が伝い落ちた。
例の自白剤と、けっこう仮面自身の体液のブレンドしたものだ。
室内は、けっこう仮面の汗と愛液のほのかな甘い香りでむっとしてきている。
男がこの部屋に入れば、その熱と香りでたちまち野獣と化してしまいそうだ。
ゆりをどかして後ろに回り込んだ鏡子は、有無を言わさず鞭を振るった。
「あぐうっ!」
けっこう仮面の丸いふくよかな尻に、強烈な鞭の一撃が来た。
今度は本物の鞭で、しかも乗馬用のものだった。鞭と言うよりはパドルに近い。
さっきのものとは段違いで、激しい痛みとショックがあった。
打たれた衝撃と反動で、思わず股間に入ったディルドを思い切り食い締めてしまう。
「な、何をするの!」
「さっきの優しい鞭は物足りなそうだったから、今度は本物をあげるのよ」
「も、物足りないって何だよ! やめろ! ぐあっ!」
ビシュッと鋭い音がして、けっこう仮面の尻たぶに鞭が食い込んだ。
鞭の先には、フラップと呼ばれる小さな板がついていて、そこで対象物を叩くのだ。
もっとも、乗馬用鞭というのは、馬を傷つけるためのものではないから、音が大きな割りには衝撃や痛みは少ないように
出来ている。とはいえ、元々人間相手に使うものではない。
今打たれているのは尻の皮の厚い馬ではなく、人間の女であるけっこう仮面なのだ。
「ぐっ……!」
またビシッと心地よい音がして、けっこう仮面の尻が打たれる。
激しい痛みの中、けっこう仮面は戸惑っていた。
確かにかなり痛いのだ。
しかし、それだけではなかった。
鏡子の緩い鞭と、ゆりの焦れったい乳房愛撫で燻っていた欲求不満が、激しく鞭打たれることにより、一瞬だがスッと
引いていくような気がしたのである。
痛みで膣とアヌスを食い締めると、また薬液がじわっとしみ出てその内部を侵していく。
その気怠い快楽が、また鞭で解消される。
その繰り返しであった。
けっこう仮面の微妙な変化を敏感に感じ取ったのか、鏡子はにやりとしながらグリップを握り、鞭を叩きつける。
ビシッ!
「あう!」
ピシン!
「んぐっ!」
バシィッ!
「ひぐっ!」
ビシュッ!
「ああっ!」
感度は鈍いはずの尻だが、鞭で打たれれば十二分にその刺激を感じ取れる。
恵は、苦痛と焦燥を伴うような快楽に囚われつつあった。
奴隷や獣のように鞭で打たれるという屈辱も、恵自身の被虐性を刺激している。
ともすれば「もっと打って欲しい」と思ってしまう心を叱咤し、けっこう仮面は堪え続けた。
鞭の衝撃は半端でなく、乳房に貼り付けていたローターが剥がれ、飛んで行った。
ピシッ!
「あぐ!」
バシ!
「や、やめ、ひっ!」
パッシン!
「んあっ!」
鞭でしばかれるたびに、天井から吊られたけっこう仮面の肢体はゆらゆらと揺れ動いた。
汗で濡れた裸身は、室内灯を妖しく反射させて、得も言われぬ色香を漂わせている。
鏡子が勝ち誇ったように言う。
「なによ、偉そうなこと言っていたくせに。けっこう仮面さんたら、もう鞭の味を覚えたみたいね」
「……ち、違う」
「どこが違うのよ、オマンコこんなに濡らしておいて」
「やめろ、触るなよ! あっ……」
膣から漏れ出ているのは愛液だけではなく、ディルドに仕込んで置いた薬液もあるのだが、そんなことはけっこう仮面は知らない。
それに、最初はともかく、今では薬液よりも女蜜の方が遥かに分量が多くなっていることだろう。
鏡子の指が、けっこう仮面の濡れた媚肉をいたぶっていく。
ディルドの刺さった膣口周辺をねっとりと撫で擦り、割れ目の襞をくすぐるようにこそぐ。
もう屹立しかかっていたクリトリスの根元を指で軽くしごかれると、敵に嬲られていることも忘れて喘いでしまうのだった。
「うふ、良い具合ね。オマンコもよく練れてきたし、けっこう仮面さん自身もね……」
「くっ……、ふざけるな、このスベタ!」
「……」
「こ、こんなことであたしが……けっこう仮面が屈服するとでも思うなよ!」
鏡子の表情がすっと消える。
ゆっくりとけっこう仮面の前へ行く。
恵は内心「しまった」と思っていた。
屈しないことを示すのは大事だが、必要以上に怒らせるのは得策でない。
対等な立場であれば、相手の感情を乱すことは大きな利点だが、今ここで鏡子にキレられたら、偏執狂的な鞭打ち
されることもあり得た。
大けがしてしまっては、いざ動けるようになっても抵抗出来ないだろう。
鏡子の怒りに気づいたのか、ゆりが慌てて駆け寄った。
「鏡子! キレちゃだめ!」
「……わかってるわ、ゆり。心配しないで」
鏡子は、素性が良いこともあって、女性としての侮蔑的な表現をされると、怒りで見境がなくなることがある。
つまり「ビッチ」だの「スベタ」だの言われると激怒するということだ。
鏡子はひとつ深呼吸して感情を沈めると、威嚇的に乗馬鞭をぐいぐいとしごいた。
「学院長の手前もあるし、我を忘れたりはしないわよ。でも、この小生意気な正義のヒロインさんはもう少し痛めつけて
あげないとね」
「鏡子!」
「このぉっ!」
ビシュッと鋭く空気を裂く音が響くと、鞭はけっこう仮面の乳房に叩き込まれていた。
「んひああっ!」
尻たぶを打たれた時とは比較にならない激痛が、恵の胸に弾け飛んだ。
大げさでなく、乳房が裂けるか、もげるかと思ったくらいの衝撃と苦痛だった。
バシンっ!
「きゃあっ!」
ビシィッ!
「痛っ……!」
バシュッ!
「ひぐあっ!」
天井からぶら下がったけっこう仮面の身体が、鞭打たれるたびにビクッと大きく揺れ動いてロープが軋み、うねっている。
打たれたショックと激痛で肉体が跳ね、首に巻いたチョークの赤いリボンが宙を舞う。
鞭が離れると、揺り戻すようにゆっくりと揺れ動いた。
たちまちけっこう仮面の若い乳房に、見るも無惨な赤い条跡が刻み込まれていく。
尻たぶについた鞭跡とは段違いに色濃く、赤黒くすらなっている。
ゆりは、本当に鏡子がけっこう仮面をしばき殺してしまうのではないかと気が気でなかったが、どうやら彼女は平静の
ようである。
注意して観察すると、鏡子はそれなりに手加減して叩いているのがわかるのだ。
適度に間隔を開けてけっこう仮面の呼吸が整うまで待ち、その上で打ち込む腕をきちんと「締めて」いる。
力任せに打っているのではないのだ。
けっこう仮面としては、そんなことに気づく余裕はなく、ただひたすらこの激痛に耐えていた。
しかし、鞭打たれる間隔がわかってくると、少しだけ身体に余裕が出てくる。
打たれる間隔だけでなく、感覚までわかってきた。
どうやら、効果はさっきと同じようにあるらしい。
つまり、鞭打たれることで、体内に溜まっていた快楽が吐き出され、鎮まってくるのだ。
もちろん、媚肉と肛門を締め付けて、中の張り型から液体を絞り出すのも同じである。
「ああ……」
十回ほど激しく胸を鞭打たれると、ようやく鏡子の手が止まった。
けっこう仮面は、ホッとしたように脱力する。
腕や脚が固定されていなければ、へなへなと崩れ落ちてしまっていただろう。
全身汗びっしょりで、荒い呼吸が盛んに胸を上下させていた。
ゆりがけっこう仮面の顎を指でつまみ、その顔を上げさせる。
その顔を除き込みながら鏡子が言った。
「……だいぶ効いてきたんじゃない? 鞭の痛みもお薬の方も」
「……」
「試してみようよ、鏡子」
「そうね」
ゆりに急かされ、鏡子は大きく頷いた。
腕組みをして尊大に訊いてくる。
「もう一度訊くわね。あなたのお名前は?」
「く……れない、恵……」
「そう。じゃあ、あなたの所属する組織は?」
「っ……」
「……言えない? それなら上司や仲間の名前をおっしゃい」
「……」
けっこう仮面は歯を食いしばって、喋りたい、話さないといけない、という誘惑を堪えていた。
肉体的な拷問でなく、心理的なものだけにきつかった。
しかも相手が仕掛けてくるのではなく、自分の心が「言ってしまえ」「ウソはだめだ」とけしかけてくるのだ。
これを押さえきるのは相当な精神力が必要になる。
このけっこう仮面は、そうした強靱な心を持っているらしかった。
ゆりと鏡子は顔を見合わせた。
呆れると同時に感心する。
ここまで強靱な意志力を持った相手は初めてだったのだ。
「……すっごいね、この人」
「薬が効かない……ってことはないわよね。体質的にこの薬の抗体でもあるのかしら」
「そうは見えないわ、鏡子。だって、けっこう仮面のお姉さまのオマンコ見てよ」
そこはもうぐっしょりである。
太腿の内側を伝って、愛液が流れ落ちているのがわかる。
薬は効いているのだ。
あまり薬を使いすぎて廃人にしてしまっては元も子もない。
さてどうするかと思案している鏡子に、ゆりが悪戯っぽく言った。
「ねえ、今度はあたしが尋問していい?」
「いいけど……、この女、滅多なことじゃ喋りそうにないわよ」
「だからね、もっと喋りやすいことから聞いてあげるのよ」
なるほど、組織とか仲間の名とか、そういう絶対に言えないことではなく、もっと話してもそう問題はないことから
訊くということだろう。
それに慣れさせてから大事なことを訊けばいい。
呼び水にするということだ。
さっき、このけっこう仮面が言いかけた組織名は恐らく文科省内部のものだろう。
それも秘密には違いないが、つい言いかけている。
それでいて仲間の名前は決して口を割っていない。
それは、けっこう仮面が文科省に関係しているらしいということは、まことしやかに噂となっており、公然の秘密めいた
ところがあるからだ。
真相は知らなくとも、予想はついているわけだ。
だからけっこう仮面としても、組織の方はまだ言いやすいのだろう。
千鳥格子のハンチングという時代錯誤的な帽子をかぶった黒髪の少女が面白そうに言う。
「ね、けっこう仮面のお姉さま。あたし、他のこと訊くわね」
「……何よ。あたしは何も言わないわよ」
「そんな大事なことは訊かないわ。けっこう仮面のお姉さま自身のこと」
「? あたしの……?」
「そう。あのね……」
何だろうと思ったけっこう仮面は、とんでもないことを訊かれて驚いた。
「前に犯された時のこと、教えてよ」
「な……」
「学院長先生から軽く聞いているの。あなた、スパルタ学園時代に教師たちに捕まって正体知られたそうね」
「……」
「でも、その時は学院長先生がそれを信じなくてバレなかった」
「……ああ、そうだ」
「で、捕まってた時のことを訊かせて。犯されたんでしょ?」
何でそんな破廉恥なことを訊くのだ。
犯された女が、その時の状況のことなど詳しく人前で説明できるはずがない。
しかし、そう訊かれた時けっこう仮面の腰の奥と背筋に、ズクンと妖しい電気が走った。
恥ずかしいことを訊かれ、それを言わされることに、恵は激しい羞恥と恥辱を覚える。
それはどの女性でも当然ではあるが、彼女の場合、厄介なことにそれがややもすると性的な興奮になってしまうことがある。
認めたくはなかったが、自分には少しマゾ体質があるらしい。
そのことは、佐田に犯された時に判らされていた。
それをこの女たちが知っているはずもないが、被虐体質はゆりの質問に反応し始めている。
もちろん薬効もあって、その相乗効果でけっこう仮面は追い込まれつつあった。
ゆりが甘えたような声で訊いてくる。
「ねえ、けっこう仮面のお姉さま。教えてよ、どんなことされたの? オマンコ犯されたんでしょ? お尻も虐められたの?
どんな風に嬲られたのかしら?」
「……くっ」
悔しくて上げた声ではない。
頭の中に、もやもやと白く霞がかかってきている。
それを振り払おうとしたのだが、どうにもならなかった。
頭を振りたくろうとしたが、その力も入らない。
「言え」「正直になれ」「素直に口にするのだ」と、恵の意志に反して、薬に侵された精神が、屈服を強制してくる。
また、ゆりの甘い声が余計にけっこう仮面の心へ拍車をかけてきた。
厳しい声で尋問されればともかく、優しく訊かれるとつい言ってしまいそうになるのだ。
「あんた、自分の趣味で訊いてない?」
「いいじゃないの、これくらい。役得よ」
呆れる鏡子にゆりが軽くウィンクして言った。
「言って、お姉さま」
「……っ」
「犯されたんでしょ?」
「お……かされ、た……」
けっこう仮面は、つい言ってしまってからハッとなったが、またすぐにゆりの質問が意識に被ってくる。
「やっぱりね。お尻は? お尻も責められたの?」
「か……浣腸……された……」
「まあ、やっぱり。その後どうされたのかしら」
「いやらしい……お、大人のおもちゃで……お、お尻の……穴を……」
「抉られたりしたんだ」
ゆりが顔を覗き込むと、けっこう仮面は悔しそうな表情を浮かべながらも小さく頷いている。
「それで? それでどうされたの?」
一度それを口にしてしまった恵には、もう障壁はなくなっていた。
言ってはいけない、恥ずかしい、悔しいと言う思いはもちろんあるが、もう精神は自白することを強要している。
同時に、羞恥心を覚えると肉体的に燃えてしまうという恵の体質も影響していた。
「あ、あそこにも……入れられた……」
「ふうん。バイブ? ディルドかしら?」
「ディルド……。レザーの下着を履かされたわ……ま、前と後ろに……変な突起が伸びたいやらしいのを……」
「あらまあ、それでアヌスとオマンコの両方にそれが入っちゃうんだ。それで?」
「か、身体中にゴムの……ゴムのベルトを巻かれて……それを引っ張られて……バチン、バチンて肌を何度も……叩かれたわ……」
「わあ、すごい。それ、オマンコにディルド入れたまま?」
こっくりとけっこう仮面が首肯する。
「それじゃ刺激がすごいわね。けっこう仮面のお姉さま、それでいったの? いかされた?」
「い……いって……しまった……」
それを聞いて鏡子が爆笑する。
まさか、けっこう仮面の口から「いってしまった」という言葉が出るとは思わなかったのだ。
けっこう仮面は屈辱と羞恥でカッと全身を赤く染めている。
それにしても、やはりこのけっこう仮面──紅恵は、間違いなくマゾであろう。
今、彼女が証言した内容からもそれはわかった。
「かなりハードに責められたのね、うふふ。でも、それでしっかり感じて気をやっちゃうんだから、けっこう仮面のお姉さまも好き者よねえ」
「く……くそ……。あたしは……」
「余計なことは言わないでいいわ、続きを聞かせて。それからどうやられたの?」
言うもんかと唇を噛みしめるものの、けっこう仮面の脳裏には、あの時、佐田に犯されたシーンが明瞭に浮かび上がっている。
寝台に固定され、両脚を思い切りロープで引っ張られてしまい、45度くらいの角度で大股開きにされている。
ロープは頭の方から伸びていて、腰が持ち上がるくらいに引き延ばされていた。
当然、まんぐり返しとなって、憎らしい教師の前で、堂々と性器に肛門を晒してしまっていたのだった。
そこに、バイブを手にした佐田がいやらしい笑みを浮かべて近寄ってくる。
「バ、バイブで……ま、前と……後ろに……交互に入れられた……」
「いったの? またいったのかしら」
「い……いきそうになると……バイブを抜きやがった……醒めてくると、またバイブで……」
「やるなあ、その教師。つまり焦らし責めされたんだ。それからやられたの?」
「は……恥ずかしいことを……何度も何度も……しつこく言わされて……あ、あそこに佐田の野郎のものを……入れられた……」
ゆりと鏡子はもう黙って聞いている。
特に誘導しないでも、けっこう仮面はしゃべり続けていた。
「あ、あたしは……今度は何度もい、いかされて……前は佐田のが入って……お、お尻にはバイブが……ああ……」
言っているうちにどんどん思い出してきているらしい。
けっこう仮面の腿がもじもじしてきていた。
「さ、佐田はしつっこく何度も犯した……あたしは何度も気をやって……気を失っても、また起こされて犯されたわ……
お尻にはバイブが入りっぱなしで……気がおかしくなりそうだった……でも、それも気持ち……よくなってしまって……
い、いやらしいことや……恥ずかしいことを何度も……言わされて……前と後ろの穴を同時に責められて……気が飛ぶ
くらいの絶頂が何度も……それでも佐田は犯し続けて……何度もあたしの中で射精した……ああ……あいつの汚い精液を
……奥にいっぱい出されて……あたしはまた……ああ……」
ぶるっとけっこう仮面が小さく震えた。
悪夢のレイプを思い出し、話しているうちにどんどんと性感が上昇していたのは明らかだ。
もしかしたら、それだけで軽くいってしまったのかも知れない。
このけっこう仮面こと紅恵は、うまく責めれば、その肉体に触れずとも気をやらせることができるらしかった。
「……よく言えました。えらいわ、けっこう仮面のお姉さま」
「ああ……もう……いや……」
ゆりはまたけっこう仮面に絡みつき、優しくその乳房を揉み始めていた。
すかさず鏡子も背中からうなじ、喉もとへ舌を這わせていた。
たちまちけっこう仮面の官能がまたしても急上昇していく。
行き詰まるような熱い呼気がマスクから滲み出る。
「あ、あ……そんな、ああ……」
「いいでしょう、けっこう仮面のお姉さま。もっと気持ち良くしてあげてもいいのよ」
「い、いや……もうやめて……」
「随分可愛らしい言葉も言えるじゃないの、けっこう仮面さん。男勝りな口調もいいけど、陥落寸前のなよなよしたのも悪くないわ」
「ええ、そうね鏡子。そのギャップがまたいいわ」
鏡子とゆりの愛撫がぴたりと止まった。
けっこう仮面は、もどかしそうに肢体をうねらせている。
「ああ……」
「もっとして欲しい?」
「ち……違……。もうやめて……」
「そんな心にもないことを。してあげるから、ちゃんと質問に答えるのよ」
「な……何を言えば……いいの……」
けっこう仮面は、薬で崩れ去った心だけでなく、肉体も崩壊しかかっている。
彼女自身の心の動きで、身体の方までぐずぐずになっていたのである。
そこにゆりたちの緩い愛撫も加わり、正常な判断力を狂わせていた。
鏡子がにやりとした。
「素直になったじゃないの、それでいいのよ。じゃあ聞くわ。あなたを派遣した組織は?」
一瞬、口ごもったけっこう仮面だったが、気怠い快楽の前に屈していく。
「も……文部科学省……」
「あ、やっぱり。で、文科省の中の何て言う部署なのかしら?」
「だ……大臣直轄の……教育施設内……も、問題処理センター……」
ゆりと鏡子が顔を見合わせる。
感嘆したような鏡子の声がした。
「そんなのがあるんだ……」
「あ、でもそういえば、校長先生もそんなこと言ってたわ」
「へえ。じゃあ校長先生は知っていたか、予想はしてたのね」
サタンの足の爪は、文科省内部にもコネやスパルタOBたちによる情報網を持っている。
そこから、どうやらけっこう仮面はその部門から派遣されているらしいことは掴んでいたのである。
ただ証拠はなく、それ以上の情報はほとんど出て来なかったので、確信を持つには至らなかっただけなのだ。
「じゃ次ね。あなたを派遣した上司のお名前と、仲間がいるならそっちの名前も言ってくれる?」
「あ、あたしは……」
「なあに?」
「あたしはもう……けっこう仮面を……引退してる……」
「引退?」
鏡子はきょとんとして恵を見た。
「い、引退ってあなた、でもあなたはこうして三光学院に派遣されてきたじゃないの!」
「これは……あたしが勝手にしたことよ……寿々美たちのために……」
「個人的動機ってわけ? そのために、そんな恥ずかしい格好で、死ぬかも知れないのにここへ来たっての?」
鏡子は「信じられない」と肩をすくめた。
ゆりも首をかしげている。
「ウソ……ってことはないよね」
「違うと思うよ……。あの薬を使えば、この通りけっこう仮面でも口を割るし……、それにもし自白しないとしても、
喋らないのが限度であって、ウソをつくってことはあり得ないわ」
「だよねえ。じゃあ、このお姉さまったら本当に……」
ふたりはかなり驚いている。
彼女たちも三光学院の生徒であり、学院長の下僕であるから、サタンの足の爪の指令であれば命を捨てる覚悟はある。
しかしそれは大義のためであり、崇拝する学院長のためであるからだ。
そこらで知り合っただけの小娘のために命を張るなどという義侠は、彼女たちには理解の外なのだった。
「ま、いいわ、何でも。仲間や上司……もと上司でもいいわ、それを言って」
「く……」
けっこう仮面は、それだけは言わぬとばかりに激しく首を振りたくった。
白い羽根と赤いリボンが千切れるほどに宙を舞い、ゆりたちの顔に触れる。
目尻に深い皺が刻まれるほどに強く目が閉じられ、唇を噛み破るほどに強く噛みしめていた。
拳を作った手も、爪が折れるほどに強く握っている。
それを見たゆりたちがまた身体にまとわりついてきた。
鏡子が少し疲れたように言った。
「ね、ゆり。きりがないよ。またお薬使おうよ」
「だめ。浣腸で入れた量だって、普通使う時の倍以上なのよ。それでもダメだったから、オマンコにもディルド使って
入れたんじゃないの。あまり量を使って廃人にでもしちゃったら、学院長先生が黙ってないわよ」
「そっか……。あんまり大量に使うと害があるんだっけ」
「完全に副作用のない薬なんてあり得ないし、どれだけ効果がある薬だって、使いすぎれば毒になるのよ。それに、
ここまで崩れてきたんだもん、あたしたちが責めてあげればすぐに吐くようになるわよ」
ゆりはそう言って、またけっこう仮面の乳房に指を食い込ませている。
大きな丸い肉塊に、細く白い指がめりこんだ。
そのままぎゅうぎゅうと揉みしだかれている。
けっこう仮面が軽く首を仰け反らせて喘いだ。
「ああ……」
「うふ、いい声。感じてるのね、気持ち良いのね」
「気……持ちいい……ああ……」
「喋ってくれたらもっといいことしてあげるから素直に言うのよ」
「……」
けっこう仮面がまた顔を逸らせる。
絶対に言うものかという固い決意が眦に表れていた。
その強い意志を嘲笑うかのように、ゆりが意外なことを聞いてくる。
「ヴァージンはいつ失くしたの、けっこう仮面のお姉さま」
「……え?」
唐突な問いに、さすがのけっこう仮面も呆気にとられた。
けっこう仮面の秘密を聞かれると思っていたのに何を言い出すのだろう。
「そ、そんなこと……」
「だって、もう処女じゃないんでしょ? その佐田とかいうのに犯されてるんだから」
「……」
「でも、佐田にやられたのが処女喪失じゃなかったわけよね? だからけっこう仮面のお姉さまが……いいえ、紅恵さんが
初めて男に抱かれたのはいつかなって思ったの」
「お、大きなお世話……ああっ!」
けっこう仮面が強い口調で抗うと、すかさずゆりの手が乳房を愛撫してきた。
今度は弱点の乳首を指でくりくりしごいている。
硬く感じやすくなっているそこは、ゆりの指にいじられるとたちまち反応し、ジンジンと疼き、痺れるような快感が起こってくる。
「い、や……あ、あは……ああっ……」
「言ってよ。仲間の名前より言いやすいでしょ」
そうなのだった。
思いの外、恵の仲間への思いが強いと見たゆりは、それよりは口にしやすい話題から入っていこうとしている。
佐田から受けたレイプにしたところで、普通はとても言えることではないだろう。
仲間達へも、あれほど詳細には言っていないに違いないのだ。
それでもゆりたちに責められ、言ってしまっている。
ということは、仲間たちやけっこう仮面の秘密よりは、そうしたことの方がまだ言いやすいということなのだろう。
そうやって、普段なら言いづらいことを無理矢理言わせ、徐々に自白することに馴らしていこうというのだった。
「いつ? ねえ、いつなの? 最初もレイプだったの?」
「ち……がう……」
またもけっこう仮面は何かに屈した。
「じゃ、いつ?」
「ちゅ……中学の……時……」
けっこう仮面の顔は恥辱で真っ赤である。
あまりの羞恥で、身体が小さく痙攣しているほどだ。
それでも言わずにはいられないのである。
自白剤は恐るべき威力であった。
恵は譫言のように続けた。
今まで誰にも話していなかったことである。
「中学……2年の時に……」
「相手は? まさか先生?」
「違う……。こ、高校生の男子……だった……。あたしは……親に反発して……中学の時から族に入ってて……そ、そこで頭をやってた人……」
「あらあら。じゃあ恋愛?」
けっこう仮面は小さく首を振った。
「そんなんじゃ……ない……。あたしも……あの人も……そんな本気じゃなかった……と思う……あたしは……まだガキ
だったあたしは……早く女になりたくて……だから……相手は誰でも良かったのかも……知れない……」
けっこう仮面は顔を伏せたまま話し続けた。
全身からぐったりと力が抜けている。
「その先輩が……高校を卒業する前の日に……彼のアパートで……抱かれた……悔いはなかった……少しだけ……
虚しい気がした……けど……」
「ふうん。痛かった? それとも最初っから感じちゃったかな?」
「い……痛いのは……痛かった……と思う……血も……出たと思う……で、でも……少し……」
「気持ち良かった?」
けっこう仮面はカクンと頷いた。
「は、恥ずかし……かったし……余裕も……なかったけど……でも……先輩に……お、おっぱいを揉まれたり……
舐められたりすると……頭がピリッと……するような……変な……気持ち良いような……気がした……ク、クリトリスを
……舐められた時……は……本当にもう……」
「いっちゃったんだ?」
「わ……からないけど……多分……」
鏡子もくすくす笑っている。
女の子同士の間では、定番のセックスネタのひとつであろう。
だが、まさかけっこう仮面のそれが聞けるとは思わなかった。
調子に乗った鏡子が、たたみ掛けるように尋ねる。
「けっこう仮面さん、じゃあ、あなたオナニーするわよね?」
「あ……あたしは……そんなこと……」
「するわよね?」
強く聞かれたけっこう仮面は、思わず頷いてしまった。
「た……たまに……」
「あははっ、けっこう仮面もただの女ね。私やゆりと同じだわ。ねえ、それって、その佐田に犯されてから増えてたりしない?」
「……」
けっこう仮面が少し黙ったのは思い起こしていたからのようだった。
重い口を開き、言いにくそうに言う。
「そ、そう……かも……知れない……」
恵はあまり自慰の経験はなかった。
もちろん人並みに性欲はあるから、たまにすることはあった。
しかしスパルタに来てからはほとんどなかったのだ。
けっこう仮面活動で忙しかったこともあるだろう。
しかし鏡子が指摘した通り、あの佐田たちにレイプされた一件は思ったよりも重かったのだ。
恵にかなりの精神的ダメージを与えたということもあるし、佐田と片桐がほぼ完全に彼女の肉体を開発してしまっていたのである。
お陰で、以前よりも性感が鋭くなり、性感帯も増えてしまった。
おまけに、佐田たちに嬲られていた情景がフラッシュバックしてくる。
それで眠れなくなるようなことはなかったが、逆に身体が火照ってしまうことがあったのである。
それを慰めるために、恵はオナニーしていたのだ。
佐田などは吐き気がするくらいに嫌いなのに、あの男に強引に犯され、肛門まで嬲られたことを思い起こすと媚肉が濡れてくる。
乳首もクリトリスも硬く尖り、痛いほどに熱くなってくるのだ。
ついつい手が伸び、乳首をこね、クリトリスを撫でる。
指が膣に入っていく。
アヌスを指でいじることまであったのだ。
その時の快感は、以前の自慰とはまったく違っていた。
犯されて絶頂させられた時のオルガスムスには及ばぬものの、過去の自慰とは別物の激しい快楽を得られたのだった。
故に癖になってしまった。
週に一度はオナニーするようになってしまったのだ。
あまりの恥ずかしさと情けなさに泣きたくなったが、それでもせずにはいられなかった。
こんなこと、けい子や結花たちに相談できるはずもない。
保険医とはいえ、香織にも話しにくかった。
自慰行為は今に至るまで続いているのだった。
大学に進学してからは回数は減り、二週間に一度くらいにはなったが、それでも一ヶ月もしないでいるともやもやしてくる。
いらついてくることもあった。
あのスケベな悪徳教師のせいでこんな身体になってしまった。
しかし、発散させるためにはスポーツだけでは収まらず、結局オナニーすることでしか解決しなかったのである。
鏡子の割り込みに、最初は迷惑そうにしていたゆりも、まさかオナニーにことを聞き出すとは思わなかったらしく、
一緒になって笑っている。
確かにこれは言いにくい話題だ。
セックスの話題そのものは、拒否反応を示す子もいるが、女の子同士であればけっこう盛り上がる。
自分の体験談を「聞いた話」として話す子もいるが、堂々と自分のセックス談話をする娘もいる。
しかしそんな子たちでも、やはり処女喪失のことは話しにくいものだ。
だが、それよりも恥ずかしく、言いづらいのはオナニーのことなのである。
それを聞き出せれば、もうこのけっこう仮面の精神障壁はほとんど取り除かれたと見てもいいだろう。
であれば、けっこう仮面の秘密や仲間のことも聞き出せるかも知れない。
ゆりは興味津々という表情で尋ねてくる。
「ねえ! それじゃあけっこう仮面のお姉さまのオナニー・デビューはいつなの?」
それを聞いた鏡子が笑い転げる。
いちばん言いにくい事柄だろう。
それでもけっこう仮面は、少しためらったものの、ゆりの質問に答え始めていた。
「小……学校……5年くらい……」
猛烈な羞恥心を押しのけつつ、恵の心が自白を強要してくる。
もう、聞かれなくとも勝手に口が動いてしまう。
「こ、股間に……手を……右手を置いて……手のひらでその辺を……包むようにして……全体を揉んであげる……」
「すると? するとどうなんの?」
「な……何となく……気持ち良いって言うか……何だかふわっとしたような……くすぐったいような……むず痒いような
……不思議な感じがした……」
(ど、どうしてそんな恥ずかしいこと告白してるの!? だめ、言っちゃだめっ!)
恵は心の中でそう叫ぶものの、そんな理性はすぐに押しつぶされてしまった。
それこそ「何かむずむずするような」ものによって。
「それが……恥ずかしい行為だって……認識はあったわ……お、オナニーっていう言葉も……学校で男の子たちが……
言っているのを聞いていた……女の友達の……中にも……やっているらしい子がいるのを……知って……安心したりしたわ……」
俯いたまま、けっこう仮面の恥ずかしい告白が続く。
「で、でも……よくない事のような気がして……誰にも言えなかった……」
「そんなもんよね。でも、やめられなかった」
「そ……そうよ……」
「正直だこと。で、指とか入れてみた?」
けっこう仮面がゆっくりと首を振る。
「そ……そうしてみようかと……思ったこともあったけど……こ、怖くて出来なかった……。で、でも……何度もしてるうちに
……だんだんと……要領がわかってきて……少しずつ……気持ち良くなる度合いが……強くなるみたいで……」
「具体的にはどうやったの?」
「す、少し手のひらで……お腹の下とかを押す……感じで……。あ、あとは……大事な……ところとかを……ゆ、指で少し……」
「大事なところって? オマンコ?」
「そ……そう……よ。さ、最初は……おしっこが出る……ところだし……き、汚いと思った……それに……恥ずかしくって
……でも……でも……か、感じ方が……凄いところがあって……い、いつもはふわふわってするだけなのに……そ、その時は
……ビクッとした……」
「あら、おめでとう。初めていったのね、初エクスタシーかあ」
「……」
あまりの羞恥で、もうけっこう仮面は声も出せない。
淫らではしたない告白を進んでしてしまっている自分が信じられなく、また情けなかった。
鏡子が後ろからゆっくりと乳を揉んでくる。
「ねえ、けっこう仮面さん。こうやっておっぱいはいじってみなかったの?」
「ああ……。じ、自分であそこを……いじるようになって……そうしていると……おっぱいまで……むずむずするのに
気がついたの……ブラやTシャツに触れるだけで……ち、乳首が……すごい硬くなってて……痛いくらい……ジンジン
して……熱くて……何だかそこをいじってみたくなって……軽く揉んでみたら……ああ……ぞ、ぞくぞくするくらいに……」
「すっごいよかったんでしょ?」
「ああ……そう……そうよ……。そ、それからは……あそこをいじる時……には……おっぱいも一緒に……」
ゆりと鏡子がクスクス笑っている。
「やぁだ、けっこう仮面さんったら。案外おませさんだったんだあ。小学生でオナニー? だからこんなにスケベになった
んだね。ほら、こうやっておっぱいを優しく揉まれたり……」
「ああ……」
「こうして乳首をきゅっとこねくられると……」
「ああっ!」
「たまらないんでしょ? もっと揉んで欲しくなる。オマンコして欲しくなるのよね?」
「あ……あ……」
けっこう仮面は、随分とためらった後、微かにコクンと頷いてしまった。
自白剤の効果とともに、肉欲もかなり燃え盛ってきているらしい。
ゆりが妖しげな笑みを浮かべている。
「してあげてもよくてよ。して欲しいなら素直に言って。仲間の名前は?」
「そ……れだけは……」
「……言えないんだ」
「……」
鏡子もゆりも納得したように頷いた。
どうも薬だけではここまでのようである。
ならば責め落とすだけであった。
ふたりはけっこう仮面のグラマラスな肢体に群がるようにまとわりついていく。
「あっ……」
いきなりの変化にけっこう仮面は慌て、頭を振って意識を戻そうとしたが、ふたりはそれぞれ恵のポイントを愛撫していく。
鏡子が、けっこう仮面の開かされた両脚の間に跪くと、その股間に顔を埋めた。
舌先を伸ばし、けっこう仮面の濡れそぼった割れ目を舐め上げる。
さらに指でクリトリスの包皮を剥き上げてから、そこをねっとりと熱い舌でしゃぶってきた。
「ああっ!」
痛烈な刺激と強烈な快感に、けっこう仮面は大きく仰け反った。
思わず腰を振り、鏡子を弾き飛ばしそうになる。
鏡子はその暴れる腰をしっかりと抱え、なおも舌技でけっこう仮面から喘ぎ声を引きだした。
腰を押さえる腕は、左手で尻たぶを割り、右手の指でそっとアヌスをくすぐっている。
前後の穴を同時に責められ、喘ぐけっこう仮面が突き出した胸を、ゆりの手が揉みしだく。
「やっ! やめ、ああっ……」
「いいんでしょう、けっこう仮面のお姉さま。気持ち良いって言ってよ」
「そっ、そんなこと……あっ……」
けっこう仮面は戸惑った。
ウソがつけない。
快感を否定する言葉が吐けないのだ。
気持ち良いでしょうと聞かれれば、つい頷きたくなる。
「いい」と言ってしまいそうになる。
奥歯がぎりぎり言うほどに歯を食いしばって堪えようとしても、すぐに唇が緩み、熱い喘ぎとよがり声が漏れ出てしまう。
「くっ! やっ、す、吸っちゃ……ああっ!」
ゆりの可憐な唇が、けっこう仮面の淡い色をした若々しい乳首に吸い付き、思い切り吸い上げる。
ちゅううっと強く吸い上げられ、口を離すとちゅぽんっと音がしてぷるるっと乳首が揺れる。
その尖った先端を、舌先で素早くれろれろと弾くように嬲られ、けっこう仮面の喉から堪えきれない呻き声が零れ出た。
「くうっ! や、ああっ……んくっ……!」
ゆりは乳房に吸い付いた唇を移動させ、伸びきって露わになっている腋窩を、舌を長く使って舐め上げた。
けっこう仮面の甲高い喘ぎ声を聞きながら、爪の裏や先を使って、その背筋を優しくくすぐるように上下させ、撫で上げていった。
「うふふ、もう私たちの虜ね、けっこう仮面さん」
鏡子がそう言って、濡れた媚肉からようやく口を離した。
その妖しい唇は、べっとりとけっこう仮面の愛液にまみれている。
それをぺろりと舐め取ると、快感でひくひくしている膣口に、そっと指をあてがう。
「入れていいかしら?」
「ああ……だ、だめよ、そんな……」
「またウソをつくのね。こんなに濡れてるくせに。もう何か入れて欲しくてしようがないんでしょう?」
「ち……違……ああっ!」
鏡子の中指が、つぷりとけっこう仮面の膣に挿入されていく。
そこがもう蜜でどろどろになっており、鏡子の指が細かったこともあって、実にあっさりと根元まで埋め込まれてしまった。
鏡子はわざと呆れたように言う。
「まあ、簡単に入っちゃったわ。うわあ、中が熱い。どろどろよ、けっこう仮面さん」
「あああ……」
「でもけっこうきついわね。ふふ、男が悦びそうな名器ね。ほら、ここを擦られるとたまらないでしょ?」
「ひっ!? う、動かさないで! ひっ、ああっ……だ、だめっ……あうっ!」
鏡子が巧みに指を使い、膣を拡げるようにこねくり、内襞を擦るように撫でていくと、けっこう仮面は腿に力を込めて
ぐぐっと踏ん張り、その悪魔的な甘美に耐えている。
それをとろかせるように、ゆりが上半身を責め上げる。乳房を優しく揉みあげ、舌で乳首を転がし、両手で大きな臀部を
掴むと、すくい上げるように強く揉んだ。
「やああっ……あ、やっ……いっ……」
「いいって言ってよ、けっこう仮面のお姉さま」
「やあっ……いっ、いいっ……!」
もう自白剤の効果がなくとも、けっこう仮面はそう叫んでいたかも知れなかった。
まだ指を軽く挿入されただけで、あとは愛撫のみなのに、肉体的にはすっかりとろけさせられてしまっていた。
けっこう仮面は、責めてくるのはゆりと鏡子だけでなく、何人もの女に同時に責められているような錯覚を受けていた。
それだけふたりの責めは巧みで、多岐に渡っていたのである。
いくつもある性感帯をいっぺんに刺激され、ただでさえ感じやすかった恵の身体は悲鳴を上げるように反応した。
「やはあっ、だめええっ……いっ、いいっ……いいっ……ああっ、ひっ、や、やめてっ……苦しいわっ……!」
もう息をする余裕もないほどに喘がされてしまっている。
とろけるような心地よい快楽、身を任せたくなる快感などは通り越してしまい、息苦しく落ち着かない感覚が支配する。
そして気の違いそうな絶頂感が込み上げてきた。
汗ばんだ乳房を揉むゆりの手や、腋を舐める舌の動きが激しく忙しなくなり、濡れそぼった膣を抉る鏡子の指と、クリトリスを
吸う唇の勢いも増していき、けっこう仮面の官能は一気に頂点まで押し上げられていく。
「ああ、もうだめえっ……やあっ、いっ……い、いく……いっく……ううんっ、いっ、いく!!」
まだペニスは入っていないというのに、けっこう仮面の子宮からは熱いものが込み上げてきた。
それに気づき、一瞬だけ耐えたものの、ぶるるっと大きく痙攣し、背中を仰け反らせて、けっこう仮面は激しく達していた。
激しく分泌された愛液が胎内にしぶき出て、それが膣口からもぴゅっと噴き出したことに気づきもしなかった。
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