スパルタ学園には長期の休みはない。
年末年始の連続4日が最長である。
夏季や冬季の学期替わり、あるいは学年進級時の準備期間は、生徒たちには休日となるのが普通
だが、ここにはそんなものはなかった。
学校の週休二日化が進む中、土曜も通常授業が行われている。
祝祭日がない限り、基本的に週6日の授業があるのだ。

だが、例外的に連休となる場合もある。
マラソン大会や遠泳大会など、極度に体力を消耗する競技会があった後がそれにあたる。
この場合、翌日と翌々日の二日間が、体力回復のための完全休養日とされていた。
強制補習や部活動もなく、生徒たちにとって数少ない安息日になるのであった。
マラソンや遠泳といった苦行も、その直後の連休を大きな楽しみにして生徒たちは頑張るので
ある。

そして今日は、前日のトライアスロン大会の翌日ということで、教師、生徒ともに休日になっ
ていた。
そんなこともあり、学園長は咎島へ渡る気でいた。
けっこう仮面を捕まえた、正体は紅恵であるという、佐田、片桐両教諭の言を確かめるためで
ある。

昨夜の緊急全校集会で確認出来たように、紅恵はこの島にいた。
ということは、佐田らが何か勘違いしているのは明白である。
しかしながら、けっこう仮面を捕まえたという情報は無視できない。
一概にウソだ決めつけるには惜しい話だし、だいいち不自然である。

なるほど、教師や職員たちにも、けっこう仮面情報の提供を求めてはいる。
もし捕獲したなら、昇給、昇格も思いのままだとも言った。
だが、もしカネ目当てでウソをついたところで、そんなものはすぐにバレるのだ。
まして、阿久沢のようなプロがそう言えば、まだ騙されることもあるだろうが、普通の教師が
あのけっこう仮面を捕まえたと言ったところで、誰だって疑うであろう。
他にもウソはつきようがあるはずなのだ。
こんなバレやすい、しかもバレたらタダでは済まないウソをついて得などしないのである。
ということは、紅恵犯人説はともかく、けっこう仮面捕獲というのは本当かも知れぬ。

「……」

しかし学園長は、その前にひとつ確認したいことがあった。
紅恵である。
確かに昨夜は講堂に彼女らしい生徒はいた。
しかし遠くから見ただけだし、誰かが変装していないとは言い切れないからだ。

学園長は、お付きもガードもなしで学生寮へ向かった。
舎監も通さずに、直接女子寮へ入り、調べておいた紅恵の部屋を訪れた。
部屋の扉には、ルームナンバーとともにネームプレートが「紅恵」とあった。
ドアをノックすると部屋の中から「開いてるわよ」と、ぞんざいな返事がかえってきた。

「失礼」

そう言って、学園長はドアを開けた。
机に向かっていたらしい女生徒が、少し驚いたような顔でこちらを向いていた。
机には教科書や参考書、ノートが拡げられているところを見ると、自習をしていたらしい。

恵が自室で勉強していること自体は、不思議でも何でもない。
グレているとはいえ、彼女は学年トップクラスの成績を収めているのだ。
学校では教師に反発し、つっぱることでカッコつけている分、見えないところで勉強している
のだろう。

学園長は、腰掛けたままの少女を見た。
タータンチェックのポロシャツを引っ掛け、ジーパンというラフな私服姿だ。
トレードマークでもあるボサボサの赤い髪、やや吊り目がちの挑戦的な目つき、ジーパンが
パンパンに張っている見事なヒップ。
学園長の持っている、紅恵のイメージそのままであった。

「学園長……。あたしに何か?」

大抵の生徒や教師でも緊張する学園長に対し、座ったまま応対した上に、この言葉遣い。
間違いないだろう。
学園長は、彼女の無礼な態度に気を悪くした風もなく言った。

「……いや、何でもない。ちょっと確かめたかったのでな」
「確かめる?」
「いや、いい。疑いは晴れたわい、邪魔をしたな」
「……いえ」
「失礼した。勉強に戻ってくれたまえ」

そう言って学園長はそっと扉を閉じた。

紅恵はここにいる。
全校集会で欠員もなかった。
おかしな話だが、それでもけっこう仮面を捕らえたと言っているやつがいる。
自分の目で確かめるしかなかった。

室内では、ニセの恵−結花がホッとため息をついていた。
危なかった。
夕べ、けい子から指示がなければ、恵の変装を解いて自分に戻っているところだった。
咎島の恵を救い出すまでは、結花はそのまま恵になり、千草に結花になっていて欲しいと言わ
れていたのである。
学園長自身が直接確認に来るかも知れないという、けい子の懸念が当たった形になった。
もし確認に来たのが学園長でなく、2年A組の担任教師であったなら、恵と結花の微妙な違和
感に気づき、変装を見抜いたかも知れない。
学園長の独断が、この場を救ったことになる。

いよいよ自分が咎島で確かめねばならないかと思い、学園長が学生寮を出た時だった。
けたたましい警戒警報が鳴り、緊急事態を告げるアナウンスが絶叫した。

「校舎B棟にてコードK発生! 校舎B棟にてコードK発生! 生徒は自室へ戻って待機、
教職員は教員室、待機室へ集合せよ! 警備員とK事態担当教職員は直ちに現場へ急行せよ!
繰り返す……」
「けっこう仮面か……!!」

校内放送に即座に反応した学園長は、場所を確認しようと携帯を取り出したその時、電話が
鳴った。
その連絡かと思った学園長は、慌ててスイッチを押し、耳に当てる。

「もしもし、わしじゃ!」

−学園長ですか? 佐田です。

咎島にいる佐田教諭からだった。
急いでいる時に、のんびりとした口調で話し掛けてくる佐田に腹が立った学園長は怒鳴りつけた。

「なんじゃ! こっちは今、忙しい。おまえらに構ってる暇はないわい!」

−そんな、けっこう仮面を捕らえてあるんですよ。いついらしてくれるのかと……。

「バカもん! それどころじゃないわい! たった今、学園にけっこう仮面が現れよったの
じゃぞ!」

−なんですと?

佐田は一瞬、呆気にとられたが、よく考えれば、けっこう仮面は複数いる可能性が高いのだから、
別段不思議なことではなかった。

−じゃ、じゃあ、こっちには……。

「何度も言わせるな、そっちへ行ってる暇なんぞないわ!」

学園長はそう言って携帯を切った。
咎島でけっこう仮面を捕らえたというのは本当かも知れないが、今、校内にも現れているのだ。
これを逃す手はない。
船で行かねばならない咎島よりも、走っていけばすぐの場所にけっこう仮面がいるのである。
どっちが優先かは自明の理であった。
学園長はB棟へ向かいながら携帯で場所を聞いていた。

「わしじゃ、学園長じゃ。けっこうのやつはB棟のどこに現れよった!?」

* - * - * - * - * - * - * - * - *

「うっ……く……」

紅恵は呻いていた。
例によって身体の自由が奪われている。
仰向けの状態で手首には革ベルトが巻かれている。
チェーンでこれが吊られていた。
両腕ともピンと伸びている状態ではなく、ほんの少し遊びがあって曲げることは出来た。
両脚も同じように吊られている。
膝にやはりベルトが巻き付いていて、壁際の鎖で引っ張られていた。
片桐に責められた時と同じスタイルだが、違うのは腰の下の小さな台がないということだ。
片桐はそれなりに気を使って、腰の下に支えを置いてくれたのだが、佐田は容赦なかった。
手足を縛ったベルトだけで恵の身体を吊っているのだ。
全身の重さが手首と足首にかかり、力が入ると千切れそうに痛い。

それだけでない。
恵の裸身には、黒く細い紐が巻き付いていたのだ。
よく見るとゴムらしい。
丈夫なゴムひもで全身を荷物のように縛られていたのである。

腕や脚には螺旋状に巻き上がり、腿の付け根や腰の上にもグルグル巻かれている。
乳房の上下を挟むように二重、三重に回されているだけでなく、ちょうど乳首の上あたりにも
一本、黒々とした細いものが巻き付いて、形の良い彼女の乳房を無惨に潰している。
そして、どういうわけか黒い下着を履かされていた。
佐田は、苦しそうな呻き声を上げる恵を冷たく見やり、声を掛けた。

「苦しそうだな、え、けっこう仮面」

せっかく、こうしてけっこう仮面を捕らえたというのに、学園長に相手にされない。
ようやくその気にさせて、こっちに来させる手はずが出来たと思ったら、今度は学園にけっこ
う仮面が現れたという。
その捕獲に忙しくて、島へ行くどころではないということらしい。
佐田も片桐も失望し、また逆上もしたが、だからと言って、こちらから本島へ行くことも出来ぬ。
船はすべて本島へ帰還してしまっているからだ。

もっとも、こっちに船があったとしても、ここから出るのは得策ではなかった。
今はこうして拘束してはいるが、何しろけっこう仮面である。
僅かでも隙を見せれば、どんな逆襲をしてくるか知れたものではなかった。
船に乗せるには、一端、ここから出さねばならない。
緊縛を解き、港まで連れ出し、船に乗せる。
それだけの時間と機会があれば、けっこう仮面は難なく脱出するに違いないのだ。

結局、ここへ学園長を連れてくるしかない。
電話でしか連絡できないもどかしさ、こちらの話をまともに信じてもらえない悔しさで、佐田も
いらつき始めていた。
その不満解消は、こうして恵を嬲ることだったのである。

「……学園長はまだなの?」
「……」
「なんだかんだ言って、あんたらの言うことなんか信じてないんでしょ、きっと。あんた如きに
けっこう仮面が捕まえられるわけがない、と」

図星だっただけに佐田もカチンと来た。
腰を入れて手を振るった。

「あぐっ」
けっこう仮面の頬が高く鳴った。
強烈なビンタで、脳震盪を起こすかと思ったくらいだ。

「生意気な口を利くな。今また片桐先生が電話で説得してる。もう直だ」
「……」
「だからそれまで、この俺様がたっぷり可愛がってやるさ」
「きっ、きさま! また生徒を嬲りものにする気か!?」
「生徒? 今のきさまはけっこう仮面だ。知ったことかよ」

その通り、恵はマスクをかぶらされていた。
ご丁寧に、首はスカーフ、手袋にブーツまで履かされている。
恵の気丈な貌を見ながら犯すのもいいが、こうしてけっこう仮面にして凌辱するのもいいもの
だった。

「すぐにその口からよがり声しか出ないようにしてやるからな」
「ふざけるな! 誰がそんな、痛いっ!!」

けっこう仮面の皮膚が弾けた。
パチン!と鋭い音がして、その肌に赤い筋がつく。
佐田は、けっこう仮面の身体に巻き付けたゴムを引っ張り、離したのだ。
ゴムぱっちんというわけである。
中年男は、けっこう仮面の全身に巻かれたゴム紐を引っ張り、ぱちん、ぱちんとその肌を叩いた。

「ああっ! くっ……! ひっ……!」
「くく、いい声で鳴くもんだな」
「よ、よせきさま、ああっ……痛いっ……あひっ……」

情け容赦なくゴム責めを続けられ、けっこう仮面の素肌はたちまち幾重もの赤黒いゴムの痕跡を
残し始めた。
全身を走る激痛を堪え、恵は喘ぎ喘ぎ言った。

「こ、この野郎、こんな……お、女の自由を奪って、こんなマネをして恥ずかしくないのか!」
「恥ずかしい? そのうち恥ずかしい姿を晒すことになるのはおまえの方だ。そら」
「ああっ」

佐田はゴムをぐぐっと引っ張り、充分にけっこう仮面を脅えさせてからおもむろに離す。
張力で長く引かれたゴムが回復力で元に戻り、激しくけっこう仮面の皮膚を叩いた。

「ひぃあっ! くうっ! 痛っ! やめ、ああっ! んぐっ!」

鞭打ちにも似たゴム責めを受け続け、けっこう仮面は素肌にざわめく苦痛以外の感触に気が付いた。
確かにゴムで叩かれる、皮膚が裂けそうな激痛はある。
しかし、それとは別に、痛さと熱さの混じったような疼きも微かに感じられるのだ。

それは腰……股間からずんずんとわき起こっていた。
けっこう仮面が履かされていたのはエナメルの黒パンティだった。
ただの下着ではない。
大事な箇所をガードする部分には、にょっきりと樹脂製の張型が突き立っていたである。
膣部分だけではない。
そのすぐ後ろには、肛門を犯すアナル棒までついていた。

張型は10センチほど、アナル棒は7センチほどだったが、それがぴっちりとけっこう仮面の両穴
を塞いでいたのだ。
膣にくわえ込まされた太さ4センチの疑似ペニスと、肛門にぶち込まれた直径3センチの責め具が、
けっこう仮面を苦悩させていた。
太いものを狭い穴に埋め込まれているだけでも息苦しいし苦痛なのに、佐田から絶えずゴム責め
まで受けている。
ゴムでバチンと肌を叩かれるたび、痛みでけっこう仮面の身体がビクンと反応し、収縮する。
すると当然、前と後ろで食い締めた責め具が威力を発揮してくるのだ。

素肌をゴムで打たれる屈辱と苦痛、そしてそのたびに股間を襲い来る熱い疼き。
けっこう仮面の裸体からはじわじわと汗が滲み出ていた。
白い首筋、豊かな乳房の谷間、そして尻の狭間。
うっすらと汗が浮き、それが香しい女の臭気を醸し出していた。
責める佐田の手が止まるほどの色気が沸き立っている。
ゴムの苦痛で呻き、身を捩らせると、張りのある乳房が揺れる。
けい子や香織のような熟した柔らかさとは異なった、肉の詰まった充実した固さを持つ若い乳房
だった。
腕や腿も、脂肪もあったが、邪魔にならない程度の筋肉も見える。
それがおとなの女性にはもうない若さを感じさせ、10代の女性を意識させた。

けっこう仮面−恵は困惑していた。
ゴムで打たれて妖しい感覚を覚えてしまっている。
夕べも片桐に嬲られ、心ならずも気をやってしまった。
女同士、それも浣腸や尻責めなど、アブノーマルな方法で責めたてられ、否も応もなくいかさ
れてしまった。
それだけでも恥ずかしいし屈辱なのだが、今また、ゴムで肉体を叩かれるという尋常でない責め
られ方をして感じ始めてしまったのだ。

片桐に言われた通り、自分はマゾヒストなのかと思うと絶望した。
そんなことはないと心を強く持ち、この仕打ちに耐えようとしても、現実のゴムの痛みは変わ
らない。
そして、ゴムで苦痛を感じるたびに膣が締まり、肛門が締まり、突っ込まれた張型をいやでも
感じさせられた。
打たれれば、筋肉が収縮し、身が縮まるのは摂理であって、致し方ない。
それを利用し、いやでも張型を自ら食い締めるよう仕向けている佐田の淫虐さを呪いたくなった
が、そんな気持ちも性の疼きに飲み込まれつつあった。

「ううっ……あふうっ……くううっ……ふああっ……痛いっ……やあっ……あああっ!」

20分近くもゴム責めされ続けていると、もはや食い締める膣とアヌスで快感を得ているのか、
それともゴム紐の苦痛を快感と感じているのか、わからなくなってきている。
わかっているのは、けっこう仮面の呻き声に熱と妖しさが籠もってきていることだった。
尻たぶと乳首のあたりのゴムを思い切り引っ張られ、弾かれた時の激痛と痺れるような別の感覚
に、けっこう仮面ははっきりとした快楽を得てきていた。
ゴムに打たれた時に響き渡る悲鳴は、愉悦を表現した呻き声に取って代わられていた。

「く……あっ……んんっ……はああっ……あう……」

敏感にそれを察した佐田は嘲るように言った。

「ほう、もう打たれる味を覚えてきたのか?」
「……」

そうさせたのはおまえだ、と言いたかったが、それを口にしたら、打たれることで感じている
ことを認めることになる。
けっこう仮面は、自分でもそれと気づかぬうちに振られていた腰を悶えさせて言った。

「そ……んなこと……ない……」
「すぐバレるウソはつくな」
「……」

佐田はけっこう仮面の顎を指一本で支えて上を向かせた。

「おまえの股はもうびしょびしょだろうが。自分でも気づいていたのだろう?」
「……」
「おまえは男に虐められて悦ぶマゾなんだよ。こんなにオマンコ濡らしてやがって」
「ち、違う……違うわ!」

けっこう仮面は激しく顔を振って否定したが、佐田に指摘された股間はどうしようもなかった。
エナメルパンティの脇からは、ボタボタと粘っこい蜜が垂れてきていたのである。
ゴムで打たれることと、膣とアヌスを疑似性器で貫かれていることで、けっこう仮面の媚肉も
肛門もほぐれきっていたのだ。
履かされた時は、あれだけきつかった肛門と膣も、今では無理なく太いものを飲み込み、さら
に奥へと誘うような煽動すら見られた。

「本当に違うのか?」
「……」
「どれ、試してやるか」
「ひっ……」

佐田が、ことさら長くゴムを引っ張ったのを見て、けっこう仮面は思わず身体を強張らせた。
張型をくわえ込んだ膣もアヌスも締まる。その太さに甘い痺れを感じた途端、今度は強烈な激痛
が乳首に炸裂した。

「ひゃああっ!」

ギクンとけっこう仮面は大きく仰け反った。
佐田は続けて二発、三発と連続でゴムぱっちんを加えた。
ギリギリと長く引っ張り、強靱な弾力で復元力を見せたゴムは、容赦なくけっこう仮面の肌に
食い込んだ。
乳房や尻に埋め込まれるほどに深くまでゴムが食い込み、けっこう仮面は激しい痛みとあえや
かな悦楽で頭の中が白くなる。

「ああっ……あっ、く……あ、いい……」
「なに? もう一度言って見ろ」
「……」
「言え!」

佐田は太腿を縛っていたゴムを30センチ近くも引っ張り、そこで離した。
肌に打ち込む痛々しい音が響くと、けっこう仮面は首が折れるくらいに仰け反らせて叫んだ。

「いいっ……!」

腿にはミミズ腫れが出来、うっすらと血が滲むほどの強烈な打ち込みだったが、恵の感受性は、
それを快楽として受け止めてきていた。
興に乗った佐田が、面白半分に尻たぶや乳房にも同じようにきつくゴム責めを加えても、けっこ
う仮面の口から出るのは喘ぎ声と、甘い官能の匂った吐息だけになっていた。

SMの洗礼を受け、けっこう仮面は肉の疼きに沈み込んでいた。
確かに、苦痛責めと同時に、膣やアヌスと言った性的に敏感な箇所を責められていたから、と
いうのはあっただろう。
しかしそれ以上に、片桐の指摘通り、恵にはマゾの素養があったのかも知れなかった。
普段は強気一辺倒で押しまくるタイプだけに、その内面には「虐められたい」という秘めやか
な思いが隠されていたのかも知れない。
加えて性的にも敏感なタイプだっただけに、片桐や佐田の激しい責め苦を受け、一気に花開いた
のである。

「あ、ああ……だめ、いい……」

太い張型を差し込まれた肛門や媚肉への快感もあったが、それ以上にゴムで打たれる痺れを伴
った苦痛、その裏に隠されていた鮮烈な快楽に、恵は戸惑い、そして溺れていった。
このまま責められ続けたら、打たれるだけで達してしまうようになるだろう。
その時、けっこう仮面は佐田の軍門に降ることになる。
恵は、佐田に責め抜かれ、ゴムや鞭による殴打でいかされ、嫌がりながらも凌辱を受け、また
絶頂に導かれる自分を想像し、屈辱で胸が灼けるのと同時に、禁断の快楽への期待に心が渦巻い
ていた。

* - * - * - * - * - * - * - * - *

持田は、また高橋真弓を捕まえていた。
今度は別に強引なナンパをしようということではないようだ。
脅えて小さく震えている真弓に、持田は食ってかかっていた。

「おい高橋、待てよ」
「なっ、なんですか……。もう、あなたには……」
「勘違いすんな、聞きたいことがあるだけだ」
「……聞きたいこと?」

真弓を壁際に追い込むと、逃がさないようにその前に布陣した。

「あのな、おまえあれから紅のやつに会ったか?」
「紅さん……? いいえ、お会いしようと思ったんですが、留守でした」
「……やっぱりな」
「あの、「やっぱり」って……?」

恐る恐る尋ねる真弓に、持田は言った。

「あいつ、まだ咎島なんだよ」
「え?」
「あいつがけっこう仮面なのさ」
「はあ?」

真弓はキョトンとした。
持田の話は突飛すぎる。
確かに真弓は、あの時、恵に助けられた。
しかし、だからといって恵がけっこう仮面のわけはないだろう。
そう言うと、持田は勝ち誇るように笑った。

「信じられねえのも無理はねえさ。でも俺は見たんだ」
「でも……」

真弓は昨夜の集会を思い出して言う。

「でも、夕べの全校集会でも、紅さんいらっしゃいましたけど」
「それよ、問題なのは」
「……?」
「おめえ、その時、紅のやつと話をしたか?」
「いいえ……。私は隣のクラスですし、すぐに解散になりましたから、お話する時間なんかあり
ませんでした。でも、私の立っていたところから紅さんが見えましたけど」
「だから困ってんだよ」
「はあ……」

紅恵がけっこう仮面なのはほ間違いない。
咎島でけっこう仮面が佐田たちに捕まったのも事実だ。
捕獲に協力した持田にはそれがいちばんよくわかっている。
なのに夕べは、真弓の言う通り、紅恵は集会にいたのだ。
これで持田は混乱してしまった。
けっこう仮面が複数いるかも知れないという発想は、彼にはなかったからだ。

「そういうわけで、確かめてえんだよ。おめえ、紅を呼び出してくれや」
「紅さんを? 紅さんをどうするんですか?」
「そんなこと気にしなくていいさ。俺の考えが当たってりゃ、あの女はいねえはずだし、もし
いれば……」
「いやです」
「……」
「私、助けていただいた方を売るなんてこと出来ません」
「ほう、逆らおうてのかい」
「ひっ……」

持田は真弓の胸ぐらを掴み、軽々と片手で持ち上げた。

「もうどうせ紅はいやしねえんだ。俺に逆らうと……」
「どうなるのかしら?」
「!!」

真後ろに響いた涼やかな声に思わず振り向いた持田は、「あっ」と叫んだ。

「け、けっこう仮面……」
「その通り。いたいけな少女に不埒な振る舞いをする乱暴者。その手をお離しなさい、けっこう
仮面が許しませんよ!」
「そんなバカな。な、なんでここにいるんだ!?」

唖然とする持田の手から離れ、小栗鼠のように素早く逃げてきた真弓を後ろにかくまうと、けっ
こう仮面はヌンチャクを突き出した。

「私がなぜここにいてはおかしいのかしら?」
「だっておめえ、けっこう仮面は咎島で……」

けっこう仮面の目が鋭く光った。

「あなた、なぜそんなことを知ってるの?」
「そ、それは……」

狼狽える持田を睨みながら、けっこう仮面は小声で真弓に言った。

「真弓くん、お行きなさい。すぐに誰か……先生か警備員を呼んできて」
「はい!」

真弓が風のように走り去ると、けっこう仮面はじりじりと持田に迫っていく。
いつの間にか壁際に追い詰められた持田は、額に脂汗を浮かべている。

「あなた、いろいろ知っていそうね」
「……」
「ちょっとお話聞かせてもらおうかしら」
「うっ、うるせえ!」

圧倒的とも言える実力差を考えず、闇雲に殴りかかったのは、あまりにも短慮だった。
けっこう仮面は持田の右ストレートをあっさりかわすと、そのままその腕を掴んで肩に乗せ、
腰を払って一本背負いで投げ飛ばした。
受け身などロクに出来ぬ持田が、無様に背中から地面に落下する。
息が止まるほどの衝撃を背に受けた持田は、それでもすぐに立ち上がった。
少々ふらつく身体を叱咤し、なおも強敵に向かっていったが虚しかった。
けっこう仮面は、めちゃめちゃに左右の腕を振り回してくる持田をやり過ごし、腰を屈めると
右脚を扇のように回して脚を引っかけた。
両脚を掬われた持田が呆気なくぶっ倒れると素早く駆け寄り、その鳩尾に拳を一発叩き込んだ。

「ぐ……ふっ……」

けっこう仮面が、口から泡を吹いて失神した持田を肩に担いだところで、どやどやと乱れた足音
がいくつも響いてきた。

「来たわね」

けっこう仮面はニヤリとしてその方向を見やった。
制服を着た警備員数名が廊下の向こうから走ってくるのが見えた。
一緒にいるスーツやジャージ姿は教師だろう。
彼らの先頭には魔法使いのような格好をした大男だ。
頭巾をかぶり、面もつけている。

「あらあら、学園長自らご出馬とはね」

願ったり叶ったりということで、けっこう仮面はほくそ笑む。
自分の姿を学園長たちにはっきりと見せてから、飛ぶようにその場から脱出した。

* - * - * - * - * - * - * - * - *

地獄とも極楽ともつかぬゴム責めがようやく終わり、けっこう仮面の肢体からはゴム紐が外され
ていた。
身体に巻き付いた、憎い、そして愛しいゴムが取り払われる時、けっこう仮面−恵は、ぼんやり
と佐田を見つめていた。
てっきりゴム打ちでいかされると思っていたのである。
事実、そうならない自信はなく、きっと恥ずかしい姿を晒すことになると覚悟していたのに、
佐田はそこまで責めなかった。
恵の目つきに気が付いたのか、佐田はけっこう仮面を見ながら口の端を曲げて言った。

「なんだ、その不満そうなツラは」
「ふ、不満なんか……」
「正直に言ったらどうだ。どうしていかせてくれなかったの、ってな」
「……」

舐めるな、と叫びたかったが、どうしてか言えなかった。
その理由を思いつき、戦慄と絶望を感じていたけっこう仮面は、僅かに腰をよじった。
男の目には、欲しがっているように見えた。
佐田はそんなけっこう仮面の痴態を眺めながら、今度はパンティまで剥ぎ取った。
埋め込まれていた二本の張型が、ぬちゃりと淫らな湿った音をさせて、ふたつの穴から抜け落ちた。

「こりゃすごいな、え、けっこう仮面。見ろ、これを。びしょびしょに濡れてひどいもんだ」
「……」

確かに凄かった。
エナメルパンティの裏側、つまりけっこう仮面の肌に触れていた側は、少し白濁し、ぬめった
液体にまみれていた。
二本の樹脂製張型の付近は特にすごい。
佐田が少し傾けると、とろりと粘りのある汁が張型から垂れてくる有り様だった。
たっぷりと自分の愛液と腸液を絞り出したパンティから目を逸らし、けっこう仮面はマスクの下
の顔を赤く染めて背けた。

「よっぽどいきたかったらしいな」
「……」
「どうだ、いきたいか? いきたきゃ、いかせないでもないが」
「く、くそ……」

とうとうけっこう仮面も叫んだ。
言葉責めとはいえ、ここまでバカにされて黙っていられない。
恵の、というよりけっこう仮面の面目にかかわる。

「ふざけたことを抜かすな! きさま、タダじゃおかないからな!」
「おうおう怖いことだ。さすがにけっこう仮面さまか。というより、その口の悪さは紅恵の方か」
「うるさい! さっさと腕輪と脚輪を外せ! さもないと後悔するぞ!」
「おまえの腕輪を外してを自由の身にした方が後悔しそうだがね。まあいい。そのうち、そんな
口も利けなくなるさ」
「なに……」

けっこう仮面は青ざめた。

「佐田、きさま、またあたしに……」
「してやるよ。痛いのがいいか? それとも気持ちいい方が好みか?」
「やめろっ! もうやめろ、い、いやらしい!」

浣腸責めもくすぐり地獄も、そしてゴム打ちももうたくさんだ。
あんな非道いことをされ続けたら、自分を失って、どうなってしまうかわからない。
これから加えられるであろう淫靡な責めにおののいていると、カラカラと滑車が巻き上がる音が
した。
ハッとする間もなく、けっこう仮面の股間はさらに開かれていく。

「くう……よ、よせ! ああ……」

脚が開かれるのを防ごうと足腰に力を込めるものの、そんなことでどうなるものではなかった。
ギリ、ギリと不気味にチェーンが引かれ、少しずつ開脚されていく。
隠しておきたい股間が晒される羞恥だけでなく、股裂きの苦痛まで加わってきた。

「い、痛い……くああ……さ、裂ける……も、もうやめ、て……」

むっちり張り詰めた若い肌を湛える太腿がコンパスのように引き裂かれる。
内腿がつりそうになるほど引き延ばされ、内転筋がどうにかなりそうになる。
120度ほど開いたところで佐田は止めた。
それでもけっこう仮面にとっては、生きたまま八つ裂きにされていると錯覚するほどの苦痛だった。
苦悶するけっこう仮面に、そこはかとないセクシーさを感じずにはいられない佐田は、すぐに手
を伸ばしてきた。

「ああ!」

佐田の太い指が、けっこう仮面の割れ目の間に潜り込んでくる。
熱い指の感触を感じたけっこう仮面は、開かされた腿をビクンと震わせた。
媚肉をくちゅくちゅとほじくると、今度は肉の膨らみを探り出し、そこをこね始めた。
いけない、恥ずかしいと思えば思うほど、けっこう仮面の官能は高ぶっていく。
肉の疼きがビンビンと股間から子宮へ伝わってきた。

「ほう」

しばらく指で恵の媚肉を責めていた佐田は、改めてそこを見直して唸った。
ゴム打ちがよほど効いたのか、あるいはその後の指嬲りがよかったのか、けっこう仮面のそこは
実に素直な性反応を示していたのである。
まだ若々しく、慎ましやかに閉じ合わされていた秘裂は見事に赤く花開き、厚みを持った割れ目
が濡れていた。
その裂け目は大きくほころび、よく見ると膣の入り口まではっきりと目視できるほどになって
いたのである。
陰部に手を当て、パックリ割れている裂け目に沿って指を這わせると、恵は腿に鳥肌を立てて、
声もなく悶えていた。

責める佐田の指はねとねとした濃い蜜にまみれ、嬲るたびにひくひく痙攣するけっこう仮面の
襞を感じていた。
ゴム打ちで苦痛と快楽の狭間を何度も往復させられ、くすぶり続けていた媚肉を擦られると、
膣の奥深くから次々と愛液が滲んでくるのがわかった。
腰がとろけそうになる愉悦に陶然となりつつも、けっこう仮面は顔を振って耐えていた。

「やめ……ろ……あっ……くっ……あっ……んむ……」

次第に性の反応を露わにし始めたけっこう仮面に、佐田はさらに愛撫を重ねる。
もう媚肉周辺が甘蜜で濡れそぼつようになると、今度は人差し指を膣口に突っ込んだ。

「ひっ……」

突如感じた異物感に、けっこう仮面はつんのめるように仰け反った。
太い指を入れられて苦痛のあまり、ではない。
もどかしい愛撫に焦らされていたのが、やっと入ってきたという快感のためであった。

けっこう仮面のそこは、何の抵抗もなく佐田の指を飲み込んでいた。
一気に根元まで突っ込むと、指との隙間から蜜が押し出されてくる。
熱く灼けた女陰を感じながら、ゆっくりと抜き差しする。
そうして愛液を掻い出しながら、もう包皮から頭を出していたクリトリスも指で潰すように嬲った。

「あふぁっっ! あ、そこはぁっ……やあ……いやよ、あっ……くああっ」

声に喘ぎが混じってくるのと同時に、けっこう仮面の固く閉じていた目が緩んでくる。
噛みしめていた口も開き気味になり、ときおり熱い吐息も洩れてきた。
どうしようもない快楽を、肉体が受け入れ始めたのだ。

それを合図に佐田は指を一端抜き、今度は両手を使ってそこを開いてしまった。
両手の人差し指を左右の肉の割れ目に引っかけ、そこをこそぎ開けたのだ。
こじ開けられた媚肉からは、むあっとした濃厚な女の臭気が漂ってくる。
佐田の目に映ったのは、ほとんど色素のたまっていない美しい襞だった。
膣道の粘膜はやや濃いピンク色で、とろりとした粘液が絡まっている。
形状も色も、そして物欲しそうにざわめいている襞も、文句のつけようのないヴァギナであった。

「ほう、思いのほか綺麗なオマンコしてるんだな」
「バ、バカ野郎、見るな!」
「見るなと言っても、こう見事に大股開きじゃな。それにしても、つっぱってるようで、男遊び
はそんなにしてないようだな」
「うるさい、大きなお世話だっ……ああ、見るな! そんなとこ、ああ……み、見るなあっ」

媚肉どころか膣の奥まで覗き込まれる恥辱に、恵は気が狂いそうになる。
浣腸に排泄、絶頂した時の顔。
そのどれを見られるのもたまらなかった。
なのになぜ佐田たちは、こんな恥ずかしいものばかりじっくり見るのか。
悔しくて恥ずかしくて死にそうになるくらいだが、その裏で、得体の知れない背徳感もわき起
こっていた。
見られてはならないところをつぶさに観察されているという被虐感に、けっこう仮面は囚われ
つつあった。

「ああ、見ないで……あっ……あう……う、うむむ……」

執拗な愛撫に、けっこう仮面の性感上昇度は留まるところを知らなかった。
まだ挿入されたわけでもないのに息苦しいほどの愉悦を感じていた。
佐田に悪戯されている媚肉は、もっともっとと言わんばかりにひくつき、喘いでいる。
そして淫核を舌で舐め上げられた時には、ほとんど絶頂に達したような声を出した。

「そっ、そこっ! ああっ、あああっ……」

佐田の手がけっこう仮面のぷりぷりした乳房にかかっていた。
太い指が忙しなく蠢き、胸を揉みしだいていくと、けっこう仮面は「んんっ」と呻いてその快感
に耐えた。
既に半分方いきかかっているけっこう仮面は、ささいな愛撫にも過敏に反応していた。
乳首を潰すようにこねられ、豊かな乳房全体を下からすくいあげるように揉み込まれると、大き
く開脚された脚をうねらせて身悶えている。

「く、ああ……む、胸も、ああ……」

胸を揉まれる快感と、膣を舐められる快感が合わさり、得も言われぬ悦楽がけっこう仮面の心理
を淫靡に染めていく。
クリトリスも乳首も血を噴きそうなくらいに充血し、固く勃起していた。
そこを繰り返し責められ、指が膣をほじくると、とうとうけっこう仮面は白旗を振った。
性感も気力も、中年教師のねちっこい責めに尽き果ててしまった。

「だ、だめ……ああっ……」
「何がだめだ?」
「あ、ああっ……あ、もう……もう……」
「いきたいか」
「……」

何とか口にすることだけは堪えたが、無意識のうちに首肯してしまっていた。
そこまで追い込んだことに満足した佐田だったが、ニヤリと笑うと今度はバイブを取り出した。
それを見るけっこう仮面の瞳が潤んでいる。

「そ、それ……」
「欲しいか?」
「……」

思わず顔を背けたが、腰は勝手に蠢き、媚肉は欲しがるようにひくついている。

「身体の方が正直だな」
「……」
「よし、くれてやるか」
「あ、んっ……んんっ……はっ……んむむう……」

極太のバイブが、けっこう仮面の媚肉を引き裂くように膣内部へ侵入していく。

「き、きつい……こ、これ太すぎるわ……ああうっ」
「そうでもないだろう。どんどん入っていくぞ」
「あ、あううう……」

佐田の言葉にウソはなく、慎ましやかにさえ見えたけっこう仮面の膣に、太いものがずぶずぶ
と入っていった。
男は半分ほど挿入すると、こねるようにけっこう仮面の膣を責めていく。

「ああっ……あああっ……」

責め具がうねるたびに、ねちょねちょと粘った水音がし、けっこう仮面の胎内から愛液を掻い
出した。
太いもののカリ部分が膣の襞を擦りあげると、たちまち絶頂へ追い上げられる。

「ああっ……あ、も、もうっ……」
「いくか。なら」
「ああっ!?」

いく素振りを見せたら一気に奥まで貫いていかせてくれると思ったのに、佐田は逆に引き抜いて
しまった。
唖然とするけっこう仮面をニヤニヤ笑いながら見つめて言った。

「なんだそのツラは」
「あ……」
「そんなにいきたかったのか、スケベ女が」
「……」

恵が答えられずにいると、佐田はまたしてもバイブを突っ込んできた。
その強烈な刺激に、けっこう仮面はぐうんと身を仰け反らせる。

「くうあっ……」

右手に握ったバイブでぐいぐいと媚肉をこじ開けるように責め、左手で重そうに揺れる乳房を
こね回し、揉み上げる。
すると美少女の性感がまたしても上昇し、臨界点を突破しようとする。

「ああっ、あっ……あひっ……だ、だめ、もう!」
「……」
「ああっ、また!」

けっこう仮面がいきかけると、佐田は何気ない顔でまた責めを止めた。
今度はバイブをほんの少し膣に残している。
けっこう仮面の忍耐は1分も保たなかった。
入りかけているバイブから、ジンジンと甘い痺れが伝わってくる。
さももどかしそうに、けっこう仮面の腰が上下に動いてきた。
少しでも深くバイブを受け入れたいということなのだろう。
その恥ずかしい動きを羞恥と感じる余裕もないほどに追い込まれている。

「なんだ自分から腰を振りやがって」
「あ……」

佐田の嘲る声に一瞬理性が戻るのだが、すぐに肉欲にまみれてしまう。
恥ずかしい、あさましいと思いながらも腰の動きが止まらない。
そこを佐田がバイブの動きを復活させた。

「あふうっ……あっ……ああっ……あ、い……いいっ」

バイブでかき回され、乳を揉まれ、アヌスまでいびられる。
とろ火で炙られるような焦れったい愛撫に、けっこう仮面は身を捩って喘いだ。

「いいっ……あ、ああっ……くうぅっ……あ、い、いきそ……」
「だめだ」
「ああっ、そんな!」

またしてもバイブが抜かれ、けっこう仮面は焦れったそうに言った。

「ど、どうして……」
「そう簡単にいかせちゃつまらんからさ」
「そんな……おかしくなるわ……」
「なら、これでいくか?」
「そ、それは……」

佐田が見せたおぞましい性具を見て、けっこう仮面は戦慄した。
夕べ、片桐に散々泣かされたアヌス棒だ。
浣腸責めを何度も繰り返され、赤く爛れて敏感になっていた肛門に深く挿入され、気をやらさ
れた記憶が甦る。
黒い樹脂製のそいつの威力は、誰よりもけっこう仮面のアナルが知っていた。
あのイボイボにアヌスや腸の粘膜を思い切りこそがれると、灼けるような快感が突き上がり、
一気にいかされてしまうのだ。
恐ろしいと思っているのに、けっこう仮面の肛門はひくついていた。
昨夜の責めを思い出し、さっそく腸が熱を持ってきたのだ。

「あひぃっ」

佐田は前触れなく、いきなりアナル棒をけっこう仮面に突き刺した。
膣を責めたバイブよりは細めとはいえ、直径4センチもあるものをいきなり突っ込んだのだ。
思った通り、無数の突起がけっこう仮面の襞を擦り上げ、たちまちいきそうになる。

「うあああっ……あ、あう、い、いく……いくう……」

そこまでまた抜かれた。

「ああっ」

けっこう仮面は、はっきりと狼狽し始めた。
この男は、いきそうになると止めて、私がその切なさに泣き喚き、身悶えするのを見て悦んでいる。
自分の口から「いかせて」と言わせたがっている。
佐田は、先っぽだけアナルに入れた。
1センチもない。

「ああ……」

肛門に、微かな快感が走る。
佐田の動きは焦れったいほどにゆっくりだ。
深さ2センチかそこらだろう。
その状態で、のんびりと出し入れし、回転させている。
けっこう仮面の性感はじりじりと焦がされ、炙られていく。

「ああ、そ、そんな……うむ……あっ……も、もっと……」
「ほう、もっと尻をされたいか」
「ああ……も、もっと深く……擦って……」
「よし」

佐田はその言葉を聞くと、今度は根元までぶち込み、ぐりぐりとアナルを抉った。

「ひうっ……ああ、いいっ……お尻、すごいっ……いいっ……お尻があっ……」

淫具のイボが、けっこう仮面の肛門と腸内の襞をゴリゴリと擦り上げると、
腰がカアッと火と化し、揉み絞られるような性悦が沸騰する。
けっこう仮面はしなやかな背中をぐうっと反らして、ようやくいけそうな悦びに浸り、よがり続
けた。

「だめ、いいっ……そ、それ! ああ、も、もっと、ひぃっ……ああ、いいっ……」

佐田の手首がこねるように蠢き、アナル棒を操作する。
ぐりゅぐりゅと、にちゅにちゅと淫らな音を立てながら、けっこう仮面のアナルは腫れぼったく
なるまでこねくられた。
アヌスから胎内に伝わり、爆発しそうになっている快感は、そのまま子宮まで直結した。
けっこう仮面の腰はぶるぶると痙攣が止まらず、喘ぐ口は開きっぱなしだ。

「お、お願い、そのままっ……あ、ああ、いかせてぇ……っ!」




      戻る   作品トップへ  第四話へ   第六話へ