瀬戸口章介教授は、目の前に広がった望外の幸運を噛みしめていた。
無類の女好きである彼が、憧れてやまなかった女が今そこにいる。

けっこう仮面。
この女は学園長から「学園の敵」リストのトップに挙げられている。
彼女の身柄を抑えた者には、莫大なボーナスと直近の将来に躍進が約束される。
その生死は問わない。
けっこう仮面に関する情報提供も求められている。
もしその情報が、直接けっこう仮面を捕らえるきっかけになれば、これも多額の一時金と役職
昇格、そして昇給が保証されていた。

本来なら瀬戸口も、この時点でただちに学園側に通報するべきだろう。
しかし、これだけの美女を目の前にして放っておくことなど出来なかった。
ましてそれがけっこう仮面だ。
彼女を撮影した写真を、職員会議で何度か見せられた。
無論、資料としてだが、瀬戸口は初めてそれを見た時の衝撃が忘れられなかった。
こんないい女が全裸で飛び回っているのか。
しかも正義の味方を自称している。

正義のヒロインが悪の組織に囚われ、無惨に凌辱されるという妄想は、彼にとって若い頃から
の自慰材料だった。
地位もカネも、そして女にも困らなくなった今でも、瀬戸口はけっこう仮面の写真でオナニー
することがあった。
彼にとって、最高の材料が彼女、けっこう仮面であったのだ。

そのけっこう仮面が今、無防備な状態で彼の手が届く範囲にいた。
森村亜美の件がバレかけ青くなったが、一転、たなぼた的にけっこう仮面が手に入った。
災い転じて福となすとはこのことだと、瀬戸口はほくそ笑んだ。

改めて、処置台に固定されている美女を見下ろす。
素晴らしい肉体であった。
透き通るような白い肌の下に、程良く脂肪が乗っている。
うつぶせにしたので、半ば彼女の身体の下に隠れてしまっているが、それでもはっきりわかる
ほどのたっぷりとした乳房。
そこからグッと細くくびれたウェストラインが悩ましかった。
その締まった腹部から、豊かな臀部に伸びていくラインが実に官能的である。
まさに肉の柱のように見える、むちむちの腿。
そこからふくらはぎが美しい曲線を描き、赤いブーツに吸い込まれていく。
文句のつけようもない見事な裸身だ。

しかしこれはどう見ても熟した女だ。
一部には、けっこう仮面は女子生徒の中の誰かではないかという説があるらしいが、それは
誤りだろう。
これだけ色気たっぷりの肢体を持つ女は10代とは思えなかった。
もちろん最近の高校生は発育がいいから、サイズだけならこのくらいの女子もいないわけでは
ないだろう。
だが、このけっこう仮面の全身から醸し出されるフェロモンは、青臭い女子高生では無理と
いうものだ。

高橋真弓が泣きながら去った後、けっこう仮面−夏綿けい子は、沈黙に耐えかねて瀬戸口に
声を掛けた。

「……いつまでこんな格好させておく気なの」

かれこれ10分近く、瀬戸口はそのままでいた。
けい子の裸体に触れるでもなく、話し掛けるでもなく、ただじっと見つめていたのだ。
それも真後ろから。
けっこう仮面は、処置台にうつぶせにされ、手足をレザーベルトで縛られている。
その上、ちょうどくびれた腹部の辺りも、処置台から伸びた革ベルトでしっかり押さえ込ん
である。
手台は水平に、脚台は45度の角度で開かれていた。
「大」の字にされていたのである。

そこを股の間付近に立たれ、じっと見られている。
けい子は見られている箇所を想像し、顔を赤くして言った。

「どっ、どこを見てるの!」
「どこだと? 決まってる、けっこう仮面の尻の穴さ」

ようやく口を利いた瀬戸口はしれっと言った。
やはりそうだったのか。
ある意味、膣を見られることよりも恥ずかしい場所を観察されていたのだ。

「なんでそんなところを……」
「俺の勝手だ」

けっこう仮面は、少しでも脚を閉じようともがいたが、どうなるものでもない。
尻や腿がわずかに動くだけだった。

けい子は少々違和感を感じていた。
これまでも、何度か学園側に囚われたことはある。
これまでも学園長は、何度となく探偵や傭兵崩れの男たちを雇い、けっこう仮面の捜索、捕獲
に乗り出していた。
大抵は苦もなく蹴散らしたが、今回のように生徒を人質に取られたり、不意を突かれたりして、
不覚にも敵中に落ちたことはあった。
それはけい子だけでなく他のメンバーも同様である。

そういう場合、捕らえた男たちは例外なくけい子たちの美しいヌードに魅せられ、いかがわしい
振る舞いをしてきた。
サディスティックな拷問をされたこともある。
それでも、そういう男性心理につけこんで逆襲したり、仲間の助けで危地をくぐり抜けてきた
のだ。

現状のように、けっこう仮面を身動きできないような状態にした場合、連中はすぐに触ったり、
犯そうとしてきた。
だからこそ隙も出来たのだが、この瀬戸口はまだ見るだけで何もしてこない。
まるでガツガツしていない。
そこがけい子には不気味だった。

それからまた10分以上もじっと肛門を見られた。
けい子も段々とおかしな気分になってくる。
どこを見られようと無視しよう、全裸を見られるのはいつものことだと思った。
だが、今見られているのは尻だった。
もちろん媚肉を見られることだって恥ずかしいに決まっている。
しかし普段は、相手を叩きのめしたりしている中で、たまたま見えてしまっているに過ぎない。
敵の注意を逸らすため、わざと見せることもないではない。

だが、今はムリヤリ脚を拡げられ、普段は豊満な尻たぶの奥に隠されている肛門を見つめられて
いるのである。
羞恥が募り、けい子の首筋まで赤くなる。
そして妙な気持ちになってきた。
視線に物理的な力があるかのように、瀬戸口に見つめられているアヌスがもぞもぞしてきたのだ。
見られていると意識すればするほどに肛門がひくつき、恥ずかしい動きを見せてしまう。
気のせいかも知れないが、アヌスを中心に腰が熱くなってきている。
けい子はまたも耐えきれなくなって言った。

「……どうしようと言うの」
「……」
「黙ってちゃわかんないわ!」

ようやく瀬戸口が答えた。

「どうされると思う?」
「……どうせいやらしいことするんでしょ。……ああっ」

けい子は悲鳴をあげた。
瀬戸口がねっとりと彼女の尻を撫で回してきたのである。
形良く盛り上がった尻たぶを、両手で味わうように撫でさする。
もぞもぞと芋虫でも這い回るような気色悪さにけっこう仮面は身悶え、全身が総毛立つ。

「やめなさい! いやらしい触り方しないで!」
「ほう、じゃどういじって欲しいのかな」
「触らないでって言ってるのよ!」
「ふふふ……」

けい子の抵抗を心地よく感じながら、若い教授はしつこくゆるゆるとその臀部をいじくり回
した。
散々女遊びをしてきた瀬戸口にして、感動を覚えるほどの美尻であった。
そのむちむちした肉感、たっぷりと脂肪が乗っているのに形も美しい。
しこしこと適度に弾力にも富んで、柔らかいだけではなかった。
尻の頂が高いだけに、その谷間も深く鋭い。
最奥でむずがるように蠢く肛門を見ているだけで、瀬戸口は暴発しそうになる。
そこで彼は気づいて、処置台の脇についているスイッチを操作した。

「あっ……ああっ……」

けっこう仮面の口から不意を突かれた声が出た。
ちょうどお腹の下あたりからベッドが山形に折れ、彼女は持ち上げられた。
けい子は腹部を中心に「く」の字に曲げられ、いやでも尻を突き出す格好にされてしまった。

「くく……、これでますますよく見えるぞ」
「だっ、だから見ないで!」
「そう言われてもこんなに尻を突き出されては、いやでもアヌスが目に入るというものだ」
「だったら戻しなさいよっ! ああっ」

またしても瀬戸口がけい子の尻を撫で始めた。
イヤでイヤでたまらないけっこう仮面は、いじりまわされる臀部をぶるぶると震わせた。
小刻みだった震えが徐々に大きくなり、止まらなくなってきた。
嫌悪感で吐きそうになる。
そこへ瀬戸口が追い打ちをかけた。
突然、責めの矛先を尻たぶからアヌスそのものに移してきたのである。

「きゃあ! どこを……いやああっ」

けっこう仮面はそのおぞましさに絶叫した。
排泄器官である肛門を指で直接触るなど信じられなかった。
瀬戸口は指先を使って、けっこう仮面のアヌスを揉みほぐしてきたのだ。

「い、いやっ……やめて、やめなさいっ……そんなとこいやあっ」

じっと見られ続けて、もぞもぞとおかしな気分になっていた肛門を愛撫される。
汚い、穢らわしいと思っているのに、腰の力が抜けていく。
アヌスに熱がこもってくる。

瀬戸口は自分のテクニックを存分に使って、身動きのとれないけい子を責め上げていった。
指先でもみもみしてやったかと思うと、爪のつるつるした部分でアヌスを撫でる。
指の腹を押しつけるようにして肛門をグッと押し込んだり、アヌスの皺をほぐすようになぞっ
たりもした。

「はっ……いや……そ、そんなこといや……」

けっこう仮面は必死になって尻たぶを振り立てて抗い、叫んだ。
けい子は瀬戸口のやり方に戦慄を覚えた。
いきなりのしかかって犯そうともせず、念入りに愛撫してくる。
しかも、乳房や媚肉など放っておいて、ただひたすらアヌスばかり責め抜いた。
こんな責め方をされたら、いかにけっこう仮面でも、いびられる肛門に神経が集中してしまう。
そこをさらにねちっこく責めるのだからたまらなかった。

「ひっ……」

けい子が高い悲鳴を出した。
瀬戸口が、熱っぽく盛り上がってきた肛門の襞を爪の先で軽く引っ掻いたのだ。
アヌスが痺れるような痛みとわけのわからぬ感覚、そしてズーンと頭に刺激がやってきた。

「ほう、感じたかね」
「バカなこと言わないで! だ、誰がそんなことで、ああっ」

けっこう仮面の言葉は最後まで続かなかった。
瀬戸口が続けて同じ責めを繰り返したからである。
少々痛いくらいの責めの方が感じるらしいと察した瀬戸口は、さっきより少し力を入れて爪で
引っ掻いたり、指先でアヌスを縫うような動きを見せた。
けっこう仮面の反応は一段と激しくなり、全身から匂うような汗が浮き出てきた。

31歳の教授は満足した。
どうもこの女、被虐の気があるようだ。
見られることにも感応するようだし、優しく愛撫するよりは少しきつい責めの方が感じるらしい。
変態の瀬戸口にとっては理想的な女体であった。

「い、いい加減になさいっ、そんなこと、ああっ、やめて!」

けい子はたまらない恥辱で、いじられまくる尻をぶるるっと震わせた。
異様に熱い瀬戸口の指が、するっ、するっとアヌスを撫で上げている。
いじる瀬戸口は有頂天だった。
堅く閉まっていた肛門がかなり柔弱になっている。
このままぐいっと指を押し込めば入ってしまいそうだ。

「どうだ、けっこう仮面。ずいぶんと柔らかくなったぞ、指でも入れてやろうか」
「ふざけないで! だ、誰がそんないやらしいことを……」
「その前に清潔にしてやらんとな」
「……」

すっと肛門をいびる指が離れた。
けい子はホッとしたが、反面、不安でもあった。
これまでも、身体をいやらしく触られるなど、淫らな行為をされたことはあった。
だが、この変態青年のように、お尻だけいじられるというのは初めてである。
これから何をされるのか。
凶暴無比な相手でも、怯むことを知らなかったけっこう仮面だが、この時はそこはかとない
恐怖を感じていた。

何やらカチャカチャとガラスや金属の触れ合うような音がしたかと思うと、瀬戸口が戻ってきた。
彼は躊躇なく、けっこう仮面の肛門に嘴管を突き刺した。

「あっ、ああっ!!」

瀬戸口は、肛門に先を差し込み、ぐりぐりと押しつけてけっこう仮面の悲鳴を絞り出していたが、
すぐにじわじわとシリンダーを押した。

「あ、ああっ!? ……ん、んんっ、な、なにを……」
「わからんか? 浣腸だよ」
「カンチョウ?」

最初、瀬戸口は浣腸器をけっこう仮面に見せびらかせて、散々怖がらせてから注入してやる
つもりだった。
それが嗜虐度の高い彼の好みの責め方であったのだが、今回の場合、ヘタに先に見せると腰を
振って抵抗する可能性が強い。
腹はベルトで押さえてあるが、相手はけっこう仮面である。
念には念を押したのだ。
瀬戸口は面白そうに言った。

「浣腸を知らんのか?」
「……」

そうか、今はあまりそういう言い方はしないのだ。
するとすれば妊娠して出産前にするくらいだろうし、便秘気味の時にするイチジク浣腸という
のもあまり女性はしないだろう。
類似商品はあるが、あまりそういうストレートな商品名にはしていない。
瀬戸口は言った。

「なら、腸内洗浄なら知ってるだろう。コロン・クレンジングだよ」

それはけい子も知っている。
ダイエットでそういう手段があるのだ。
言い方を変えた浣腸のことで、美容整形などの医院でもしている。
最近は自分で出来るセットもあるらしい。

「それって……」

けい子はマスクの下で青ざめた。
あれはつまり、腸内に薬品を注入して便秘を解消し、さらには宿便までもとってしまおうと
いうものだ。
ということは、今、瀬戸口はけい子に浣腸して排便させるつもりなのか。

「わかったかね。じゃ、楽しんでくれ」
「いやあっっ!」

冷たい薬液が注入される感覚に、けっこう仮面の身体がピクンと跳ねた。
シリンダーを押し込んで薬液を注ぎ込むとぶるぶる尻が震え、止めると力が抜ける。
その様が瀬戸口には何ともエロティックに思え、自然とポンプを押す指にも力がこもるの
だった。

「あ……ああっ……う、ううっ……」

何かどろどろとしたような重い液体が流れ込んでくるのがわかる。
いくらアヌスを引き締めても嘴管をくわえこむばかりで薬液の流入は止められない。
シリンダーが押され、グリセリン溶液が腸内に入り込むと、身体が内側から爆発しそうな圧迫感
がある。
その間、息も出来ない。

「あ、ううっ……むむっ……う、うむ……」

とてもじっとしていられる感覚ではなく、けい子の腰が勝手によじれてくる。
そうすると瀬戸口がぴしゃっと尻をはたいて叱咤してきた。

「ほら、その大きなお尻を動かさないで。先が折れますよ」
「や、やめ……むうっ……やめて、こんな……あ、あむむ……」

けい子は恥ずかしかった。
性行為をさらしているわけではないし、まだ排泄しているわけでもない。
なのに、浣腸されている、またそれを見られているというのが、たまらない羞恥に感じられた。
けい子が懊悩している間にも、グリセリンは休むことなく腸管に注がれ続けている。
じたばたと蠢いていた動きが止まり、腰だけが妖しくぷりぷりとよじれる。
そんなけっこう仮面の痴態を見ていると、瀬戸口のペニスはスラックスのファスナーを突き破り
そうに勃起してきた。

「やめて、いや……ううむ……い、入れないで……あ、あむっ……んんんっ……」

注入量が増えるにつれ、重苦しい薬液が腸の襞に染み込んでくるのがけい子にもわかった。
お腹が、腸が気持ち悪い。
中で蠢いている。
けい子はふと気づいた。
その感覚に憶えがあったのだ。
それが苦痛を伴う便意であるとわかると、けい子は耐えきれないように言った。

「やっ、もういや! ……あ、あああ……あ、むむっ……入れないで……あっ……」

それと意識した途端、便意は急速に膨れあがってきた。
まだ我慢できる。
だが、このまま注入を続けられたらどうなるのか。
お腹が苦しくなってきた。
身体から脂汗すら滲んでくる。
だが、拘束されたこの状態ではどうにもならない。
けい子には呻くしかなかった。

瀬戸口の方は、そんなけっこう仮面の悶えと呻き声に陶酔にも似た感動を得ていた。
あのけっこう仮面に浣腸してやっているというだけでも射精ものなのに、彼女の反応は期待
以上だった。
浣腸されても、普通の女はただ泣き叫ぶだけである。
なのに彼女は、さすがに正義のヒロインだけあって、そんなことはなかった。
ひたすら堪え忍んでいるのである。
瀬戸口はうっとりした顔でけっこう仮面の裸身を見入りながら注入を続けた。

「あ、あ、あ……も、もう、いや……ああ……」

ピストンを押し込んでやるたびに、けい子はひっ、ひっと彼女らしからぬ悲鳴を上げ続けた。
そんな汚辱と屈辱にまみれたヒロインを、けっこう仮面を眺めながら、瀬戸口は嗜虐の血が
沸き立った。
彼女のこんな姿を拝めるのは自分だけなのだ。
シリンダーを押し込む手応えが心地よい。
浣腸初体験のけっこう仮面を壊さぬよう、ゆっくり目に注入していた教授だが、淫らな欲望を
我慢出来ず、最後の100ccは一気に流し込んだ。
その瞬間、けい子の全身が大きく震え、名状しがたい絶叫が迸った。

「うああああっっ!!」

グリセリンで濡れたアヌスから嘴管を引き抜いた。
軽くなったガラス製注射器を手にすると、けっこう仮面に一滴残らず注ぎ込んでやったという
満足感があった。
一方、けい子の方はそれどころではなかった。

「はっ……はあ、はあ……あっ、ううん……」

マスクの下ではその美貌が濡れるほどの汗をかいていた。
目と口を固く閉じていたが、どうしても苦しそうな呻き声が洩れてくる。
白かった裸身がもわっと赤く染まり、その首筋から汗が幾筋も流れてきた。
瀬戸口は、汗まみれになったけっこう仮面の尻を撫でながらニヤニヤして言った。

「どうだね、けっこう仮面。浣腸の味は?」
「……く……あ……むむ……」
「気持ちよくて返事も出来んか。そんなにいいなら何度もしてあげよう」
「だ、誰が、そんな……うむ……」
「遠慮しなくていい。いずれ浣腸して欲しくてたまらなくなるような身体に仕上げてやろう」
「だ、黙れ! 黙らないと……ああっ」

どんなに強がっても、けい子の腹は我慢しきれず苦鳴を上げだした。
グルルッ、グウッと腸の煽動する不気味な音が腹部から鳴り出す。
初めての浣腸はさすがに強烈だった。
我慢のしようがないのだ。
もういやらしい医学部教授に口答えする余裕もない。
腰が勝手に震えだし、マスクをかぶった顔を左右に激しく振り出した。

「あ……あ、く……あ、うう……」

けっこう仮面の身動きに切なさと切羽詰まった感が見え始めた。
瀬戸口はわざとゆっくり尋ねた。

「どうしたね、けっこう仮面。そんなに震えて」
「……」

言い返す気力もなく、けい子の腰の蠢きが露わになってくる。
片時もじっとしていられず、腰や腿を盛んにぶるぶると痙攣させていた。
恥ずかしさと悔しさで焼け死にそうだったが、生理の欲求にかなうはずもなかった。
けい子はおずおずと瀬戸口に言った。

「うう……降ろして……」
「ん?」
「は、早く、降ろして……。ああ、おトイレに……」

瀬戸口がけっこう仮面の顔を覗き込むと、マスク越しにその美貌が苦悶しているのがわかる。
便意が限界に迫っているのだろう。
彼女のような美女が、そして憧れ続けていたヒロインが苦悩する表情ほど瀬戸口を悦ばせる
ものはなかった。

「早く……な、なにをしてるのっ……ああっ、は、早くしないと……」
「早くしないとどうなるんです?」
「……」

そんな恥ずかしいことを言わせるつもりなのかと思うと、けい子の顔は朱に染まる。
しかしそれも、徐々に激しくなってくる腹痛と便意で、たちまち青ざめてくるのだ。
瀬戸口はそんなけい子の様子を眺めているのが楽しくてたまらない。

「ウンチが出ちゃうってわけですか」
「……」

ふざけるな、と怒鳴りつけたいところだが、便意はもう限界に来ていた。
ここで逆らっても、この変態を悦ばせるだけだと思い、けい子は半ばヤケになって言った。

「そ、そうよ! ……く、か、浣腸されたんだから当たり前でしょう!」
「そうか、けっこう仮面でもウンチするんですね」

教授は、さも可笑しそうに笑いだした。
けい子はもう一瞬も我慢できない。
固定された手足をジタバタと動かし、頭を振りたくってマスクのリボンを振り立てながら懇願
した。

「だからっ……ああ、だから早くほどいてっ……は、早くしないと出ちゃうわっ」
「おやおや、それは大変だ」

無理矢理、けい子の腸管に注入されたグリセリン溶液は、早く出させろと大暴れしている。
彼女の肛門は、ふっくらと膨れてきたかと思うと、慌てて窄まる動作を繰り返していた。
その間隔がどんどん短くなってきている。けっこう仮面の声が甲高くなってきた。

「はっ、早くぅっ! もう、もうホントにダメっ……で、出そうなのよっ」

けい子は語尾を震わせて叫んだ。
瀬戸口は、ふふんと鼻で嗤いながら、わざとゆっくりとそこを離れ、再び戻ってきた。
手には医療用の白い洗面器を持っていた。

「そら、したまえ」
「えっ……」

けい子は恐々と振り返ってギョッとした。
まさか、そこでしろというのだろうか。

「しないなら持っていくぞ。垂れ流すかね?」
「ちょ、待ちなさいよっ! お、おトイレに連れてってくれるんじゃなかったの!?」
「そんなこと誰も言ってないさ。ウンチさせてやる、とは言ったがね。だからここにしろ、と」
「そ、そんなところに出来るわけが……」
「じゃあ勝手にしたまえ」
「ああ、待ってっ!!」

いくら何でも垂れ流すわけにはいかない。
マスクを着けているとはいえ、妙齢の女性にそんなことが出来るはずもないのだ。
だが、ここで瀬戸口の持つ洗面器に出すのも同じことではないのか、ともけい子は思った。
とはいえ、我慢にも限界がある。
どのみち、破局は目の前なのだ。
この男は排便まで観察するつもりなのだろう。
彼の変態性と冷酷さに虫唾が走ったが、反発もそこまでだった。

「あ、あああっ」

瀬戸口が、けい子の蠢く丸い尻にチョンと洗面器を押し当てたのが合図になった。
その冷たい感触に、けい子はぶるっと震えて括約筋が緩んだ。

「いやあああっっ!!」

激しく物悲しい美女の絶叫とともに、苦痛の元が一気に吐き出されていった。

* - * - * - * - * - * - * - * - *

「……」

けい子は涙も出なかった。
こんな男の前であんな恥を晒したら泣き喚くか、舌を咬みきるかと思ったが、どっちもしな
かった。
あまりにもショックが大きかったからだ。

もともと、けっこう仮面は全裸で活動する。
当然、その美しい裸身を晒して戦っているのだ。
けい子も、けっこう仮面になることへのアプローチを受けた時は、なぜヌードにならねば
ならないのか不審に思ったものだ。

しかし、そうすることに関する理論というのは確立されているらしい。
どうしても男性は、目の前に登場した美しい女性の肢体に対して穏やかならざる感情を持って
しまうようだ。
冷静に相手を捕らえるとか殺すとかを飛び越えてしまうのである。

捕まえるにしても、捕まえたら凌辱してやろうという邪心が働く。
また、殺すつもりだったのに、けっこう仮面を目の当たりにすると、すぐに殺すのはもったい
ない、捕らえて犯し、愉しんでから殺そうと考えたりする。
邪心というか、つい余計なことを考慮してしまうのである。

無論、ごく稀にそういうことが通用しない男性もいるが、そういう相手には正攻法で臨めばいい
だけのことだ。
大多数の男は、彼女たちと対面すれば必ず動揺する。
その隙を効果的かつ最大限に利用するのが彼女たちけっこう仮面の戦い方なのである。

だからけっこう仮面は、仮に捕らえられでもしたら、通常の女性捜査員より遙かに多くの危険を
背負うことになる。
それだけに選りすぐりの女性たちが選抜されるわけだが、それでも100%成功するわけではない。
今回のように人質を取られることもあるし、ドジを踏むことだってある。
しかし、これまでのけっこう仮面の活動では、危機一髪なことは何度もあったが、実際に凌辱
されたりしたことはなかった。
性的な拷問を加えられかけたことはあったものの、手込めにされることは避けられた。
仲間に助けられたのである。

実のところ、けっこう仮面が複数いるという最大の理由はそこにあるのだ。
無論、けっこう仮面の正体をぼかすためという意味合いもあるが、もし敵方の手に陥ちたとき、
救出するのが最大の使命なのだ。
何しろ、この学園内に於いては、彼女たちに助けられる者はいても、彼女たちを助ける者は
いないからだ。
従って、今回のけい子のような災難は初めてのことである。

「う……」

けい子は股間に水圧を感じて呻いた。
冷たくはなかったから、ぬるま湯か何かをかけられているらしい。
何をしているのかと問う気力もなかった。
これ以上の生き恥はないのだ。

瀬戸口の方は上機嫌だった。
室内の大型換気扇を回して異臭を排出し、床に撒き散らされた汚物を水で流した。
検死や解剖をする処置室だから、水仕事をする仕様になっている。
彼は細い洗浄用ホースを使って、けっこう仮面の肛門周辺を洗っていた。
実のところ、この男にはスカトロ趣味はないから、この状況下で彼女を抱くつもりはなかった。
彼が浣腸や尻責めにこだわるのは、女の羞恥や屈辱で苦悶する顔を見て愉しむことと、アヌスに
一方ならぬ興味があったからだ。

「……」

瀬戸口は無言で綺麗になったけっこう仮面の尻を撫でた。
お湯で洗われ、つるつるした尻たぶが指を弾く。
開かれた股間に指を入れて肛門をいじったが、初めての浣腸と激しい排泄のあとで幾分腫れ
ぼったくはなっていたが、特に問題はなさそうだ。
ひくつくアヌスを見て、瀬戸口は性急にそこを犯したくなったが、今晩は我慢した。
いきなり強烈な責めの連打では、いかに正義のヒロインでも崩壊してしまうかも知れない。
今日のところはノーマルにいくつもりである。

瀬戸口は処置台のスイッチを押して、高さを調整した。
低い音がして寝台の脚が縮んでいく。
そこで少し拘束を緩め、けっこう仮面の腰に手をかけて膝立ちにさせた。

「……」

けい子は何をされるのかわかっていなかった。
まだぼんやりとしている。
瀬戸口が尻たぶを割って、腰を突きだしてきて初めて悲鳴を上げた。

「あっ……」

まさか、あんな行為の直後に直接的な行動をとってくるとは思わなかった。
瀬戸口はいきなりけい子の尻たぶを開き、その狭間にペニスを押しつけてきたのだ。
彼女の媚肉にあてがわれた逸物に力が込められていく。
愛撫も何もない状況だから、通常ならとんでもない苦痛に見まわれるだろうが、思ったほど
ではなかった。
けい子が浣腸で散々我慢させられ、括約筋を引き締めていたとき、たっぷりと股間にも汗を
かいていた。
同時に、なぜか膣も濡れており、それが挿入を助けたのだ。

浣腸や排泄が感じたわけではあるまいが、括約筋と同時に膣を引き締めているうち、蜜が少々
滲んできてしまったものらしい。
濡れそぼっていたわけではないが、粘膜を傷つけない程度には濡れていた。
瀬戸口はそこを一気に貫いた。

「くはあっっ……!」

けっこう仮面は背を反らせて大きく呻いた。びっくりしたということもある。
それに、瀬戸口のものがそれなりに立派で、彼女の膣口を思い切り擦り上げた感覚に堪えきれ
なかったのだ。
教授はけっこう仮面の尻を掴むと、後背位で肉棒を突き上げ始めた。

「んひぃっ……ひぃあっ……や、やめ、ああっ……そんなっ……ああっ……い、いやっ」

瀬戸口は感無量だった。
とうとう念願だったけっこう仮面を犯したのだ。
妄想していた時は、いきなりピストンなどせずに、最初は挿入して彼女の中をじっくり味わい
たい、などと思っていた。
しかし、いざその瞬間になってみると、もうけっこう仮面の膣を突き上げ、抉り抜きたいと
いう欲求ばかりが先に立っていた。

「い、いやあっ……う、動かないでっ……やあっ……ううっ……んくあっ……」

感激の凌辱に、瀬戸口のペニスはいきり立つばかりだった。
突き上げると、けっこう仮面の奥深くまで入り込み、腰を大きく振るごとに彼女の子宮口を
叩いた。
肉棒が激しく出入りと繰り返し、媚肉はめくれ、巻き込まれ、漏れ出る潤滑液でにちゃにちゃ、
ぬちょぬちょと卑猥な音を響かせていった。
けい子にとって、いやけっこう仮面にとってこんな屈辱はなく、死ぬほど厭な行為なのに、
まるで膣だけは悦んで瀬戸口のものを受け入れているかのような錯覚を受けた。
そんな身体が信じられず、けい子は絶叫した。

「もっ、もういやあ! ……ああ、もう、抜いてっ……お、お願い、ああ、動かないで!」
「そうかい? けっこう気持ち良さそうだけど」
「そんなことないっ……ああっ、こ、こんな……ふ、深いっ……お、奥まで、ああっ……」
「そうだね、僕もけっこう仮面の奥まで貫いてるのが実感できるよ。こうして突き込んでやる
と、先っぽにコツコツ当たるからね」
「いっ、いやだったらあっ……や、やめて、お願いっ、あああっ……」

まだけっこう仮面を燃え立たせるのは無理だろうが、瀬戸口にしてもそれなりには愉しみたい。
この男、これで強姦嗜好はないのである。
和姦もしくは、ムリヤリでも相手を感じさせないとつまらないと思う方なのだ。
だから、処女を抱きたいという欲求もない。
彼にしてみれば、処女相手など、汚れるし、感じさせるのも手間がかかるしで、面倒なだけ
らしい。
それよりは経験を積んだ妙齢の女性を、これでもかというほどに感じさせて屈服させるのが
趣味なのである。
だから、けっこう仮面のような相手の場合、最初から感じさせようとまでは思わない。
徐々に堕としていこうとするわけだ。

「ああっ、そこっ……」

けい子の声が変わった。
ただ突っ込んで犯すばかりだと思っていた瀬戸口が、突如、上半身にも手を伸ばしてきたのだ。
自由の利かないけい子の胸に手を入れ、大きな乳房を握り潰した。
背中に覆い被さってきた教授が、彼女の柔らかい胸肉をこねくりまわしていく。
背後から回ってきた手が、形の良いけい子の乳房を揉みしだいていった。

「だ、だめ、ああっ……む、胸なんて、ああっ……ひっ……」

腰の突き込みと乳房の揉み込みの相乗効果は覿面だった。
濡れていても嫌がるだけだったけい子の声が少しだけ甘くなってきた。
それが自分でもわかるだけに、彼女は気が狂いそうになる。
否応なく、瀬戸口のきつい責め方に身体が応じてきているのだ。
けい子の肉体が、浣腸、そして強制排泄という異常なシチュエーションで麻痺してしまったの
だろうか。

それでも、まだまだ快感よりは抵抗心や反発の方が強い。
それだけが彼女の救いだった。

「素晴らしいバストだね、けっこう仮面。さすがにオールヌードで校内に出没するだけのこと
はある」
「いや、いやあっ……、さ、触らないで、ああっ……」
「それにほら、この揉み心地の良さ。僕の手の中でとろけてしまいそうだよ。それでいてこの
充実感。肌触りも満点だ」

瀬戸口はうっとりして言った。
本当に、満点に近い見事な胸だった。
もともと胸はウィーク・ポイントで感じやすかったけい子だが、その快感に酔う暇もなかった。
今度は股間に手が伸びてきたのだ。

「ああうぅっっ」

瀬戸口は、肉棒が抜き差しされている割れ目の粘膜や、その上に鎮座しているクリトリスを
いびってきた。
ただ挿入されているだけの状態に比べて感度が倍増する。
けい子はたまらず呻いた。

「っむむっ……あっ、ああうっ……」

責める瀬戸口も手応えを感じていた。
揉み込んでいる乳房は汗ばんで手に吸い付くようだし、乳首はもう充分にしこってきていて、
クリクリと指で摘むと、けっこう仮面は喉を反らせて喘いでいる。
揉み込むごとにというより、感じれば感じるほどに張ってくる乳房らしい。

「はっ、はああっ……」

けっこう仮面の声が一気に艶やかになってきた。
甘く、熱くなってきている。
感じているのは間違いないようだ。
だが、まだ自分からそのことは口にしないだろうし、よもや求めもすまい。
それでいいのだ。
こういう女を堕とすことこそ男冥利に尽きる。

「ああ、もう、もう、いやあ……あああ……」

もう彼女の声は喘ぎに近くなっている。
それも半泣き状態だ。
感じてきている自分の肉体に絶望しながらも、何とか耐え抜こうとしているのだろう。
その泣き声や呻き声を封じ、喘ぎやよがり声しか出なくなるまで責め抜いてやるのだ。
瀬戸口はその想像に昂奮し、動きが激しく大きくなっていく。

「ああああっ……!」

それに応じて、けっこう仮面の悲鳴も大きくなる。
太いペニスに勢いよく貫かれた膣は、その内部を深くまで抉り込まれていく。
けっこう仮面の悲鳴が「ひっ、ひっ」と短いものになってきた。
瀬戸口が乳を揉みながら耳元で囁いた。

「どうだい、感じてきたろう?」
「やああ……ああっ、ふっ、深いぃぃ……そんな奥まで入れないでっ……ああぅ……」

イヤだと拒絶しながらも、けっこう仮面の秘部からはだらだらと愛液が溢れはじめてきている
のが、瀬戸口にもはっきりとわかる。
肉棒の突き込みが一層スムーズになってきたのだ。

けい子は自分の身体の変化が信じられない。
いやなのに、どうしてこんなに濡れてくるのか。
揉まれる胸はどうしてこんなに敏感になってしまうのか。

しかし、けい子に戸惑う暇を与えず、教授の責めは最終章にかかっていった。
胸をたっぷりと揉みほぐした手を腰に戻し、けっこう仮面の尻をしっかり掴むと一気に追い
上げていった。
激しい突き込みに、結合部分からはびちゃびちゃと蜜が弾け飛ぶ。
次第に、マスクに隠されたけっこう仮面の顔に赤みがかかり、唇から洩れる吐息には甘美な
ものが混じってきた。

「んっ……んんんっ……んあっ、奥っ……んんっ、お、おっきいのがあっ……」

もうほとんど喘ぎになっている。
ここで焦らして虐めるのも楽しいが、まず最初の一発目は自分が満足したかった。
喘ぐけっこう仮面の艶っぽさに、瀬戸口自身も我慢しきれなくなっていたのである。

「よし、取り敢えず最初はこんなところですか」
「ああ、いやあっ」

瀬戸口は大きなストライドから小さく速いストロークに変えた。
途端にけっこう仮面の喘ぎが高く短くなる。
膣を擦りつける長さは短くなったが、その代わり子宮口を突っつかれる間隔が短くなり、連打
されるようになったのだ。

「あ、あああっ……あ、あ、あ、あ、あっ……」
「それ、いくぞ!」
「だっ、だめ、いやああっ!!」

絶叫して拒否するけっこう仮面の膣内に、瀬戸口は思い切り射精してのけた。



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