翌日も試験休みということもあり、寮の朝食後すぐ、午前9時前には坂崎らは処置室に集まっ
てきた。
誰も彼も息を飲んで、目の前に横たわる哀れな生贄を見つめていた。

「……」

すぐにでもむしゃぶりつきたかったが、それだけは出来ない。
彼らには彼らなりの打算も常識もあるからだ。
瀬戸口の言いつけを破ったりして、この先彼に睨まれるようなことがあれば、将来に影響する。
それに、こういう役得にありつけたのも瀬戸口のお陰だからだ。
これからも教授に従っていけばきっとうまくいく、いいことがあるという、信念にも近い確信を
持っていた。

外の廊下から足音が近づいてくると、申し合わせたように川村と長谷部が扉を開けた。
両手に器材を抱え持っていた瀬戸口に、坂崎と田島が近寄って受け取る。

「やあ諸君、おはよう」
「おはようございます、教授!」
「早くから感心だな。そんなに実習が楽しみかね?」
「おわかりでしょうに、教授」

瀬戸口と生徒たちは笑い合った。
彼、瀬戸口にとっても彼らは子飼いなのだ。
将来、大学病院、あるいはその先の議員生活になっても忠実な部下として期待している。
直近の部下として期待しているだけに、無能では意味がないから教務では厳しく躾るが、たまに
こうして「いい目」も経験させておく。
瀬戸口なりの「飴と鞭」であった。

「ん……」

けい子が目を覚ましたのはそんな時である。
上半身をぎゅうぎゅうに縛っていたゴム管は取り除かれていた。
処置台にくくりつけられているのは同じだが、昨日と違って仰向けにされていた。
ほぼ大の字の格好だから、何も着けていない股間は丸見えである。
黒々と、そして艶々とした女の茂みも晒していた。
恥ずかしいとは思ったが、任務柄、身体をさらけ出すのは仕方がない。
それよりも、マスクを取られていないことにホッとする気持ちの方が強かった。
正体がバレでもしたら、けっこう仮面としての命脈が絶たれるとともに、夏綿けい子としても
学園に残れないだろうし、教職そのものも失いかねない。
生徒たちも不思議に思うのか、川村が瀬戸口に聞いた。

「教授。なぜマスクを剥がしてけっこう仮面の正体を暴かないんです?」

他の生徒たちも、そうだそうだという風に頷いた。
瀬戸口は軽く頭を振り、指を立てて言った。

「若いな、君らは。そうではない。このままけっこう仮面として犯した方が楽しくないかね?」
「それはまあ……」
「仮に正体がわかったとして、それが何だね? 得体の知れない女だったとしても、あるいは
顔見知りだったとしても興味半減しないかね?」
「うーーん……」
「それにだ。こうしてマスクをしているからその顔が拝めない。それは確かだが、もしマスクを
取って、それが不細工だったらどうするのだ」

それを聞いて、田島たちもゲラゲラ笑いだした。

「だろう? こうしてマスクのままなら、かのけっこう仮面を凌辱しているという優越感ととも
に、そのマスクの下の美貌を想像して愉しむこともできるのだ。一石二鳥ではないかね」
「わかりましたよ、教授。その通りです」

瀬戸口はバットの上に並べた医療器具をいじりながら言った。

「それにな、最後にはきみたちの所望するアレをさせてあげるよ」
「ええっ!?」

坂崎たちが色めき立った。

「ほ、本当ですか!?」
「本当だとも。それもけっこう仮面でね。どうだい、昂奮しないかね?」
「そ、そりゃあ……」

坂崎は唾を飲み込んでようやく言った。

「そりゃあこれ以上ない興奮だとは思いますけど……。でも、大丈夫なんですか、そんなこと
して? 今までだって遺体だったからよかったけど、それでもバレたらタダじゃ……」
「坂崎」

瀬戸口が厳しい声で言った。

「滅多なことを言うな。誰が聞いているかわからんのだぞ」
「あ、教授、けっこう仮面が……」

長谷部が、けっこう仮面が起きたことに気づいた。
瀬戸口は、そら見ろ、とでも言うように坂崎を見ると、坂崎は恐縮したようにまた頭を下げた。
教授はその様子を確認してから、けっこう仮面に視線を移した。

「やあ、けっこう仮面。お目覚めだね」
「……もういい加減に解きなさい」

瀬戸口はニンマリした。
まだ生意気な口が利けるようだ。
いたぶりがいがある。

「いやいや、そうもいかなくてね。今日も大事な実験をしなければならないし」
「実験ですって?」

けい子はカッとした。

「あ、あのいやらしいことが実験だというの!? あなたも教育者なら、いえ、医師の端くれ
なら恥を知りなさい!!」
「恥を知るのはあなたじゃないのかね、けっこう仮面。昨日あれだけ恥ずかしい格好を晒して
おいて、よくそんなことが……」
「うるさいっ、黙れ、言うなっ!」

けい子は激しく顔を振って叫んだ。
昨日された変態行為を思い起こすと、その恥ずかしさに顔から火が出ると同時に、激しい怒りが
こみ上げてくる。
瀬戸口はそんなけい子を心地よさそうに眺めながら言った。

「それだけ元気なら今日も嬲り甲斐があるというものだ」
「!!」

けい子は教授の手にしているものを見て、さっと血の気が引いた。
また注射器を持っている。
またぞろ、あのおぞましい浣腸をされるのではないのか。

「それ……、ま、また浣腸する気なの……」
「ほう、浣腸されたいのかね。思ったより早く成長……」
「違うわ、言わないで!」

固定された手首足首の拘束具を、引きちぎらんばかりに暴れるけっこう仮面を宥めるように
瀬戸口は言う。

「そんなに浣腸されたければまた後でしてやるがね。残念ながらこれは違うよ。第一、こんな
小さな浣腸器じゃ物足りないだろう」

瀬戸口教授はそう言って大笑いした。
彼が持っているのは予防接種にでも使うような、細い小さな注射器だった。
容量は30ccもないだろう。
いちばん異なるのは、先にちゃんと注射針がついていることだ。
瀬戸口は、口の端ににやっと笑みを浮かべてけっこう仮面の乳房を触った。

「こいつはね、こうするんだよ」
「な、なにを、きゃあああっっ!」

けい子は絶叫した。無理もない。
瀬戸口は、左手でけい子の乳房を掴むとアルコールを浸した脱脂綿で拭い、いきなり注射器を
突き立てたのである。
けい子は激しく動揺した。
乳房に、それも乳首の真ん中にプスリと注射されたのだ。
驚くなという方が無理だ。

「いや、いやああっっ!」

叫び、暴れるけっこう仮面を、坂崎らが手足に取り付いて押さえ込む。
その間に、瀬戸口はけっこうの左右の乳房の頂点に、半分ずつ薬液を注射していた。
生徒たちも激しい興奮を見せていた。
美しいバストに注射するという、その残虐かつ耽美的な行為に早くも股間が膨らんでくる。

乳首の真上から垂直に注射していくと、その弾力で注射針に押されて乳首が沈んでいく。
そして針の圧力に耐えきれなくなると、乳首にぷすりと刺さっていくのだ。
けっこう仮面は痛みよりも、その異様な行為に恐怖した。
この瀬戸口という男、何をしでかすかわからない。

早くもズボンの上から股間を押さえる生徒たちを後目に、瀬戸口は乳房への注射を終えた。
エロティックな残虐ショーに興奮した坂崎が、生唾を飲み込みながら教授に聞いた。

「教授、それ、何を注射したんですか? もしかして……」
「いやいや、麻薬だの覚醒剤だの、そんな物騒なものじゃないさ。興奮剤の類でもない」
「……」

それを聞いたけい子は少し安堵した。
もしこの状態で覚醒剤漬けにでもされたら、中毒者への道をまっしぐらだ。
だが、ホッとしたのもつかの間だった。
なんと瀬戸口はけい子の股間まで狙ってきたからだ。

「な……やめなさいっ、あなた! 何してるのっ!」

瀬戸口は無言で坂崎たちにけっこう仮面を押さえ続けるよう合図した。
そして自分は、けっこう仮面の媚肉の花唇を丁寧にアルコール消毒し始めたのだ。
逃げようと身体をよじり、悲鳴を上げ続けるけっこう仮面の割れ目に注射針を立てた。

「やめて、やめてぇっっ!!」

けっこう仮面の絶叫を快く聞きながら、若い医学者は青いシリンダーを押していく。

「ああ、あああっっ!!」

けい子は苦痛とも恐れともつかぬ悲鳴を出した。
最初はそんなところに注射されるという恐怖と、針に刺される痛みだったのに、すぐにそこが
燃えるように熱くなってきたのだ。

注射液はただのアルコールである。
無害ではあるが、もっとも敏感な箇所に皮下注射されたのだから、たちまち熱をもってくる
のは当たり前だ。
塩酸ペプチドやケタミンなど、ある程度の媚薬効果のある薬物はある。
これらは対象者の精神的に作用し、思考能力を低下させたり、迷妄現象を起こさせるものだが、
瀬戸口はそれを使おうとは思わなかった。
それより、精神的にはまだ正常なのに肉体だけが燃え盛るようなものを使いたかったのだ。
その状態でけっこう仮面を肉体的に貶め、精神的にも屈服させたいと思っていた。
だからアルコールを使用したのだ。

「あ……、あ……こんな……あっ……」

けい子は自分の肉体がカッカと燃えてきているのに気づいた。
注射された液体が、ドロリとした熱い血液に置き換わり、針を刺された割れ目から膣へ、そして
さらにその奥へと浸透していくのがわかった。
もう、子宮と言わず膣道と言わず、秘部全体が火のように熱くなっている。

それだけではない。
先に打った乳房へのアルコール注射も効果を発揮し始めて、柔らかかった乳房にしこってきて
いる。
乳輪がぷくりと膨れ、その上の乳首は痛みを感じるほどに充血していた。

勃起していたという点ではクリトリスも同じだった。
包皮から完全に顔を出し、ヒクヒクと蠢いているのではないかというくらい疼いている。
思わず乳房と股間をいじりたくなり、けい子は固定された手を動かそうする。
その思いの浅ましさに気づき、マスクの下の顔を染めた。

瀬戸口は、予想以上に注射の効果が出ていることに満足した。
それまでぴったりと閉じ合わさっていた媚唇が弾けるように花開き、中に口を開けかけた膣口を
覗かせていたのだ。
色はどちらも赤みがかったピンク色で、けっこう仮面が性的に興奮していることは明らかに
見えた。
心はまだまともなのに、身体の方が裏切って燃え盛っているのだろう。
けっこう仮面はその葛藤に苦悩しているに違いない。
そこを犯すのが最高なのだ。

「あっ、ああっ……」

けい子は媚肉に男の指を感じた。
瀬戸口に違いないが、拒む気になれなかった。
彼がわざとけい子の愛液でいやらしい水音をたてながらいじっているのにそれも気にならな
かった。
熱くてたまらない陰部をそうしていじってもらうと、いくらか収まってくるようなのだ。

けい子は必死に女の反応を見せることを抑えていた。
それでいて、もっといじって、強く擦って、という心の叫びを否定しきれない。

「そんな、あっ……」

いつの間にか、瀬戸口だけでなく取り巻きの生徒たちまでけい子の裸身に群がっていた。
媚肉も乳房や乳首もこねられ、揉まれていく。
思わず、「気持ちいい」と口にしそうになる。
けい子は、淫魔どもの責めに耐え抜く気力が徐々に薄れていくのがわかった。

* - * - * - * - * - * - * - * - *

「これは若月先生。どうかしましたかな?」
「……」

香織は学園長執務室にいた。
行動に出ると言っても、けっこう仮面になるわけにはいかない。
けい子がけっこう仮面になっている可能性がある以上、迂闊に変身できなかった。
ふたりが出くわしでもしたらまずいことになるからである。
もちろん、けい子の命に危険があるような場合は、四の五の言っていられないが、まだ状況が
わからないのだ。
けっこう仮面にならず、ひとりで出来ることをするしかなかった。

室内に入ると、学園長は両肘をデスクにつき、組んだ手の上にアゴを乗せていた。
何度見ても馴染めない異相であった。

何しろ、着ているものは形容が難しい。
袖のあるポンチョを被ったような格好、として言いようがない。
まるでおとぎ話に出てくる老女の魔法使いのような服装なのだ。
色は紫である。
頭にはすっぽりと黒いマスクを着けている。
広く開いた袖口からは、肘くらいまで覆っている黒手袋が見えた。
履いているのも黒いブーツだ。

そして極めつけに異様なのは、顔面につけた面である。
頭から被った黒マスクは顔全体を面に出しているのだが、その上からまるで般若か悪魔のような
面を着けているのだ。

初めて学園に来て紹介を受けた時には本当に驚いたが、生徒や教職員たちはそれを当たり前と
して受け入れているのを知り、もっと驚いた。
聞いたところによると、時折、島を訪れるPTA代表や文科省の役人たちに対してもこの格好
で会うらしい。
とにかく徹底して肌を出さないようにしているみたいで、学生や職員たちの噂では、身体中に
ケロイドがあるとか、入れ墨が入っているとか言われているようだ。

いずれにせよ、このスタイルのせいで妙なカリスマ性や威圧感は抜群に出ているようで、生徒も
教師も学園長の前では畏怖している。
けい子も言っていたが、最初は仰天し、不気味に思っていたが、慣れてくると「そういうもの
だ」と思うようになってしまうらしい。
絶海の孤島という、ある種の密閉環境の中でのことだからそうなのかも知れない。
普通の社会ではこうはいかないだろう。
まだ不慣れな香織は、学園長の前に出ると少し竦む。

「ふふ、まだ先生には私の格好に慣れていただけてないようですな」
「い、いえ、すみません……」
「かまわん、最初はみんなそうじゃからな。で、何用かな?」

学園長はそのままの姿勢で聞いた。
言葉遣いが少し爺臭いが、これでけっこう若いらしい噂がある。
40代にもなっていないのではないか、という説もある。
立つとそれなりに大柄で、がっしりとしているようだ。
「ようだ」というのは、例のマントのようなものを着ているので、体格もよくわからないからだ。
香織はその独特の迫力に気圧されながら言った。

「その……、昨晩のことなんですが」
「……」
「森村亜美さんの……」

それを聞いた学園長は、椅子に深くかけ直した。
そしてくるりと一回転して後ろの大きな窓を見るようにして、香織に背を向けた。

「森村さんの自殺、昨日の教職員会議では崖からの飛び降り自殺と発表されたと聞きました。
でも彼女の死因は……」
「若月先生」

学園長は香織の言葉を途中で止めた。

「昨夜、言っておきませんでしたかな? そのことは他言無用だと」
「はい、ですから誰にも言っていません」

と香織はウソをついた。
けい子には事実を報告したからだ。

「でも、なぜそんな事実と異なることを発表なさったんですか?」
「それを先生が気になさる必要がありますかな」
「……」

きいっと椅子が鳴って、学園長が向き直った。

「2−Bの森村亜美くんは、残念ながら自殺してしまった。学園の力及ばず残念だった」
「……」
「しかし、もう死んでしまったのだからどうしようもない」
「ですが、それと死因を偽るのとどんな関係が……」
「死因? 自殺したという事実は変わらんのだ、死因にどんな意味があるのかね」
「そんな……」

異相の学園長は、すっと椅子から立ち上がった。
やはり上背もある。
180センチくらいはあるだろう。
彼は、後ろ手を組みながら天井を見て言った。

「自殺したことは事実だ、そのことは職員はもちろん生徒たちにも発表せねばならん」
「……」
「これを正直に、部屋で首を吊ったと言ったら生徒たちがどれだけ動揺するか、カウンセラーの
若月先生にわからないわけがなかろう」
「……」
「森村くんの部屋はもちろん、寮自体が忌み嫌われるものとなりかねない。幽霊だの何だのと、
くだらん噂話も出てくるだろう」

そういうことはあるだろう。
死後まもない今なら幽霊騒ぎになるだろうし、時が経って実感が薄れれば怪談扱いされ、肝試し
などをやる不届き者も出るかも知れない。

「そんなつまらんことで生徒たちを動揺させ、学習に影響が出ることは避けねばならんのだ」
「だから……」
「そうだ」

俯いて聞いていた香織の真ん前に学園長は来ていた。
そして両手を彼女の肩に置き、言い聞かせるように言った。

「まだキミには言っていなかったが、ここでは自殺者は皆あの崖から飛び降りたことにしている
のだ。首を吊ろうが手首を切ろうがね」
「……」
「あの崖は危険だし、自殺の名所ということで生徒たちが近づかなければそれに越したことは
ないしね」

一石二鳥と言いたいのだろう。

「キミもカウンセラーなのだからわかるね? 生徒たちにはなるべく精神的なショックを与え
たくないのだ。昨夜言った通りに……」
「他言無用ですか……」
「そうしてもらえると助かるね」

香織は、学園長が不気味な面の下でニヤッと笑ったように見えた。

* - * - * - * - * - * - * - * - *

「い、いや……もう、もう許して……それはいや……ああっ」

処置室からはけっこう仮面の悲しげな、そして妖しい呻き声が流れてくる。
彼女は、またしても上半身をゴム管でぎちぎちに縛り上げられ、仰向けに寝かされた上、両方
の足首もゴム管で縛られ、それを天井から吊られていた。
けっこう仮面の美しい脚は、V字型に開かれて、その股間にある恥ずかしい箇所を堂々と晒し
ていた。
そして、その状態のまままたしても浣腸責めをされていた。
もうこれで三度目に注入になる。
ノズルを深々と差し込んで、ビュッビュッとリズムをつけて注入していく浣腸に、けい子も
だんだんと慣らされてきてしまっていた。
瀬戸口の言うように、まるで肛門から射精されているような錯覚を覚える。

「うひっ……ああっ……ひっ……いやっ……ひあっ……」

ビュッと入れられるたびに、けい子は仰け反り、身体をうねくらせて呻き、喘いだ。
腸内にはもう便はなく、流入してくるグリセリン液が直接腸内の襞に染み渡ってくるようだ。

「いやっ……もっ、苦しいっ……入れないでっ……あひっ……」

500cc入れ終わると、たちまち激しい便意が襲ってくる。
身体が瘧に罹ったように震えだし、腹部が鈍く痛み出し、あっというまに我慢が出来なくなっ
てくる。
それでも、いやらしい瀬戸口たちの前で排便する恥辱だけはもういやだ。
けい子は、死んでもいいから我慢しようと思う。

「ああっ……苦しい……あああ……」
「ほう、さすがに我慢強いな。三度目ともなれば、普通は一瞬も耐えきれずに排泄するものだが」
「ですね。じゃあ教授、けっこう仮面がしやすくなるよう手伝いましょうか」
「そりゃいい」

教授の許可を得ると、生徒たちは一斉にけっこう仮面に手を伸ばした。
汗でぬめる乳房を揉まんだり、肌を舐めたりしたが、何をされても肛門が爆ぜそうになるほど
に膨れていく。
破局はすぐに来た。
坂崎がけっこう仮面の下腹をマッサージし出したのだ。

「ああっ、ううんっ……い、痛い、お腹痛いわっ……」
「だったらさっさと出すものを出せばいいんですよ」
「そんな、いやっ……く、苦しいっ……あ、あは、だめっ……出る、出るわっ」

全部言い終わる前に、けっこう仮面はアヌスをわななかせてドッと排泄した。

「いや、見ないでぇっ……ああ、出る、まだ出るっ……」

血を吐くような叫びを上げながらも、けい子は排泄を止めることが出来なかった。
瀬戸口たちは血走った目でけい子の排泄を観察していた。
肛門は爛れ、赤く腫れぼったくなっている。
そこから、次々と透明な液体が噴出していた。
すっかり排泄が終わると、瀬戸口はいきなり指をそこに突き刺した。
異物を入れたのは恐らく初めてだろうに、けっこう仮面のそこはするりと教授の指を飲み込
んでいた。

「……あ……いや……」

けい子は肛門に異様な感覚を感じていたが、繰り返された浣腸責めですっかりまいっており、
ろくに抵抗できなかった。
教授の指が根元まで押し込まれても、度重なる浣腸でアヌスがバカになってしまったのか、
そう苦痛もなくなっていた。
それをいいことに、瀬戸口は指先でけっこう仮面の腸内をまさぐっている。
内部も肛門と同じく、熱く爛れているかのようだった。
時々襞が煽動し、瀬戸口の指を締めるような動きを見せた。

「けっこう仮面わかるかね。おまえは今、尻の穴に指を入れられてるんだぞ」
「指を……」
「そうだ。けっこう気持ちいいものだろう」
「いや、そんな……。しないで……あっ……」

だんだんと感覚が戻ってきたけい子は、瀬戸口の指が腸の中を蠢くたびに背を反らせて呻き
だした。
汗まみれの全身をぶるぶると震わせ、喘ぐように口を開ける。

「やめて、そんなとこ……いやなの……あっ……あああ……」

瀬戸口は、けっこう仮面のアヌスの中を散々いじくり回すと指を抜き取った。
ぬぷり、と、粘着質の淫らな音がした。
指先にはまったく便はついていない。
頃合いだと思い、教授はニンマリしてけっこう仮面の股間に入った。
生徒たちも、彼が何をするのかわかっているようで、吊られたけっこう仮面の脚をさらに
前に倒した。
ぐぐっと「く」の字になり、腰が持ち上がり、背中も少し浮くくらいに前屈になった。
けっこう仮面は少し苦しそうに呻いたが、浣腸、指責めと続いたアヌス攻撃で朦朧となって
いた。
そこに仕上げをしてこようとは思っていなかった。
しかし、いじめ抜かれてひくついていた肛門に熱いものが押し当てられて、はじめて事態を
察した。

「ひっ……」
「む……熱い尻の穴だな、けっこう仮面。感じていたか?」
「そんな、違……ああっ」

けっこう仮面が、頭に抜けるような悲鳴を出した。

「な、なにをっ……やめ、そこ、違うわっっ!」
「違わんさ。僕はけっこう仮面のアヌス……、肛門を犯そうとしてるんだよ」
「そんな……、あ、いやあ!!」

仰向けだが、脚を拡げられ、足首を前の方に倒されている姿勢では、見事なくらいに尻を突き出す
ことになる。
瀬戸口もさすがに興奮し、けっこう仮面の尻たぶを掴むとぐいと割り、腰を押しつけた。
けっこう仮面は青ざめて絶叫した。

「だめだめっっ、ああ、そんなの無理、絶対無理よっ!」
「無理なことはないさ。指もあっさり飲み込んだし、こんなに柔らかくなってるんだ」

肉棒の先端が、ぐりぐりと肛門に押し込まれていく。
身体が引き裂かれる感覚と襲いくる激痛で、けい子は狂ったように叫んだ。

「あ、あひいぃっっ……い、痛い痛いわ、裂けるぅぅっ!!」

泣き叫んで拒絶するけっこう仮面に反して、彼女の肛門はペニスに合わせてにゅるるっと広がり
始め、徐々に受け入れていった。
それでも指と瀬戸口の肉棒では太さも長さも段違いだが、これだけ熟れた見事な肉体の持ち主
なら何とかなるという確信があった。
体力的にはまったく問題ないはずだ。

けい子の小さなアヌスを、もっとも太い亀頭部が潜り込んだ瞬間、彼女は首がもげそうなくらい
にガクガク頭を振りたくって呻き叫んだ。
それでも最大の難関を突破すると、ウソのようにずぶずぶとけっこう仮面のアヌスにおおきな
ものが飲み込まれていった。

「……」

坂崎や田島たちは、けっこう仮面の裸身をいじくるのすら忘れて、この凄まじい肛姦劇に見入
っていた。
ビデオや写真ならともかく、ナマでアナルセックスなど見るのは初めてだ。
しかも犯されているのはけっこう仮面なのだ。
もしけっこう仮面を「処理」した後でも、このシーンをしっかり頭に焼き付けておけばしばらく
はオナニーの材料には困るまい。
息詰まるレイプ・シーンを半ば呆然と眺めていたが、けっこう仮面の悲鳴で我に返った。

「ああ、うああああ!!」

その瞬間、けい子は思い切り首を仰け反らせてわなないた。
瀬戸口が根元まで押し込んだのだ。
気絶しないのが不思議なくらいの激痛と屈辱だった。

犯した瀬戸口も唸っていた。
膣とは全然違う、痛いくらいの締め付けが彼のペニスを責め苛む。
傷つけたりしないよう、ゆっくりと挿入するのがつらいほどだった。
まるで、輪ゴムで根元を絞り上げられてるような感じがした。
彼の肛門性交の経験でも、ここまで括約筋が強く、丈夫そうな女はいなかった。
これは、仕込めば大変な女になる。

「あ、ああ……痛い……んんん……」

けい子は苦悶し、マスクの下の顔を歪めていた。
それでいて赤く上気しており、全身が絞るような汗だ。
痛みに耐えかねてけい子が腰をよじると、腹や腿から汗が滴り落ちてくる。
まだアヌスだけで感じさせるのは不可能と見て、瀬戸口は媚肉もいじくり出した。
途端にけい子は呻く。

「ふふ、はじめて尻を犯されて、もう感じているのか」
「違う……痛いだけよ、ああっ……ぬ、抜いて……痛くて、もう……あああ……」
「ウソをつくな。オマンコをこんなに濡らしておいて」
「ああ……でも、あっ……」

媚肉が濡れそぼち、クリトリスと乳首が勃起しきっているのは、もちろんさっきの注射のせい
である。
しかし瀬戸口は、けっこう仮面が肛門を犯されて感じているのだと思わせるよう仕向けていった。

「けっこう仮面、おまえはこうしてお尻を犯されても感じる破廉恥な女なんだよ」
「違う……違うわ……」
「じゃあなぜ肛門を犯されてるのに、こうしてオマンコを濡らしておっぱいが張ってるんだ?」
「そ、それは……ああっ!」

その言葉を合図に、生徒たちが一斉にけっこう仮面を責め出した。
坂崎と長谷部が左右の乳房をひとつずつ受け持ち、揉み上げ、乳首を吸い上げた。
田島は盛んに首筋やうなじ、耳や鎖骨を舐め回している。
川村は彼女のたくましい太腿にご執心で、手で揉んだり擦ったり、舌を這わせてその感触を
愉しんでいた。
窪田は、太い瀬戸口のペニスが貫いている肛門の上にある媚肉をいじくり、クリトリスを
つまみ、その両方をベロで舐め上げていた。

アヌスを犯す瀬戸口は、ゆっくりとしたピストンを始め、太いものをムリヤリ埋め込まれている
肛門周辺を指でなぞって、けっこう仮面に悲鳴とも喘ぎともつかぬ美声を絞り出していた。
時間をかけて、緩慢なピストンを30回も繰り返していると、だんだんとけっこう仮面のアヌス
が瀬戸口のペニスに慣れてきているのがわかった。

「あ、あうう……だめ、もう……いや……あ、あむむむ……」

けい子は、自分の悲鳴が変質してきていることがわかった。
同時に、肛門から裂けるほどの激痛が薄れてきている。
痛いことは痛いが、我慢できないほどではなくなった。
もちろん、坂崎たちが乳房や媚肉などを愛撫しているせいもあるだろう。
そのせいかどうかわからないが、瀬戸口のピストンに合わせて、腰の奥が熱くなってきている。
それが官能的な快感によるものだとわかり、けい子は愕然とした。
否応なく、肉体は瀬戸口らの責めを受け入れだしてきているが、それでいて、有り得ぬところを
犯されているという恥辱だけは残っている。
相反する精神と肉体の感覚に、けい子は拒絶と受容の境界線でうつろっていた。

「う、動かないで! ……ああ、もう死んじゃううう……」
「死んじゃうとは弱気な発言だね、けっこう仮面。持ち前の反発心はどうしたね」

瀬戸口も生徒らも、けっこう仮面の弱気な声を聞くと、かさにかかって責めてきた。
腰の律動を速めると、途端にけっこう仮面の口から悲鳴が零れ出るが、瀬戸口は止めなかった。
最初は小刻みに3センチくらいの距離で抜き差ししていたものを、徐々に大きくしていく。
今度は5センチ、次に8センチくらいと、少しずつ距離を伸ばし、それぞれを30回くらいの
ピストンでけっこう仮面のアヌスに馴染ませていった。

「こ、壊れる……もう壊れるっ……も、やあ、お尻っ……やああ……あうう……」

けい子の方も、苦痛だか痺れだかよくわからなくなっている。
苦痛がないでもないが、それよりも甘ったるい感電のような刺激の方が大きくなってきている
気がした。
おぞましいのは、その感覚が決して不快なものではないと思ってしまったことだ。
瀬戸口がずずっと肛門の奥まで押し込んでくると、前からじゅぶっと蜜が零れ出るのがけい子
にもわかる。
それをまた、窪田がずるずると啜っていくのがたまらなかった。

瀬戸口がけっこう仮面の肛門を貫いて30分以上が経過していた。
もう彼は、ペニス全体を使って彼女のアヌスを犯せるようになっている。
瀬戸口の長いものが、彼の腰とけっこう仮面の腰が密着するまで埋め込まれる。
そして今度はそれがずるずると引き抜かれると、けっこう仮面の腸内襞が彼のペニスに粘り
着くようにめくり出されてくる。
また押し込むと、肛門周辺までめくれ込んでいって奥深くまで沈んでいった。

けい子は気が狂いそうになった。
彼がおおきなペニスを根元まで埋め込んでくると、その先が子宮の裏側を押し上げるような
形になり、ビーンと強い、はっきりとした快感を得てしまう。
抜き取られる時も、名残惜しそうに肉棒に絡みついてくる襞を、瀬戸口はけい子の愛液で
ぬるぬるにした指でなぞりあげてくるのだ。
どちらの刺激も、叫びだしたくなるほどの甘美な官能だった。
認めたくないが、こうも肉体が裏切り、燃えてきてはけい子にもどうしようもない。
ただアヌスを犯されているだけならともかく、昨夜からの激しい浣腸責め、アナルいじり。
生徒たちによる酸鼻な輪姦。
この時は媚肉にも口にも、生徒の若いペニスを押し込まれてしまった。

そして今日も朝から何度も浣腸責めされ排泄まで見られ、こうしてアヌスを犯された。
しかもその間、生徒たちに身体をいじくりまわされているのだ。
けい子の精神の平衡感覚はスパークしそうになっていた。

そんなけっこう仮面の精神状況を察しているのか、瀬戸口の責めはよりハードになっていく。

「だ、だめっ……ああ、そんな激しいっ……そんな深く入れちゃあ……ああ、だめえっ!」

突き上げる腰の動きを大きく、速く激しくしていくと、けっこう仮面は汗を飛び散らせて
身悶え、泣き叫び、喘いだ。
前後運動が強くなっていくと、けっこう仮面の腰が持ち上がり、尻たぶはぶるぶると震えて
止まらなくなってくる。
その頃になってくると、泣き喚くだけだったけっこう仮面の唇からは、すすり泣くような細い
呻き声が漏れ出てくるようになった。
ずん、ずんと深く貫くと、弾みで媚肉に溜まった蜜も飛び散るが、同時に瀬戸口との結合部
からも湿った音が響いてきた。
ぐちゅぐちゅとしたそれは、明らかに腸液だった。
けっこう仮面がアナルセックスを嫌悪しているのは確かだが、その敏感な身体は、倒錯的な
セックスを受容し、淫らな反応を見せていた。

もう最初から数えれば100回以上はピストンしているが、けっこう仮面の肛門は一向に傷つか
なかった。
爛れ、腫れぼったいのは確かだが、壊れる印象はなかった。
瀬戸口が遠慮なく律動を強くしていくと、けっこう仮面の叫びや喘ぎはさらに高ぶっていき、
熱っぽい媚態すら示すようになってきていた。
坂崎たちも、けっこう仮面の変化に気づき、いっそうその裸身を責め上げていった。

けい子はもう抑えが利かないところまで押し上げられていった。
坂崎らが乳首を吸い、乳房をこねくり回し、窪田がクリトリスを同時に吸い上げた瞬間、思わず
「いいっ」と言ってしまいそうになったくらいだ。

「ああっ……あううっ……く、くううっ……あ、い……むっ」
「いいんだろうが、我慢するな」
「だ、誰がそんな……ああっ……んあああっ……」

瀬戸口も、アヌスを犯され、はっきりと性の官能を見せて喘ぎだしたけっこう仮面に痴態に
我慢できなくなってきていた。
坂崎たちが乳を揉んだり、媚肉をいじったり、腋を舐めたりするごとに、媚肉からは愛液が
あふれ出し、瀬戸口を飲み込んだアヌスはきゅっと締まる。
女性遍歴の豊富な彼は我慢強い方ではあるが、けっこう仮面の肛門の収縮には脱帽せざるを
得なかった。
強いだけでなく、包み込むような繊細さと、媚肉とは異なる熱い肉の感触がたまらなかった。

突然、彼の背筋を強烈な電流が走った。
それが射精感だと気づいた時には、思い切り腰を突きだしていた。
瀬戸口の精液が腸内で弾けた途端、けい子は絶叫した。

「いや、いやあああああっっっ!! だめええええっっ!!」

けい子はとうとう肛門で射精されてしまったことを覚った。
慌てて身をよじり、何とかペニスを抜こうと試みたが、身体中に生徒たちがまとわりついており、
どうにもならなかった。
後ずさりして逃げようとするけい子の腿を抱え込んで、瀬戸口は尿道口が痛くなるほどに激しく
射精してのけた。

「いや……いやあ……」

けっこう仮面は泣きながら身体をくねらせたが、瀬戸口は腰を押しつけたまま逃がさなかった。
肛門が収縮するごとに、びゅっ、びゅっと射精し、けっこう仮面の腸内に白濁した粘液をぶち
まけたのだ。
瀬戸口は未練がましくけっこう仮面の腰を掴み、最後の最後まで注ぎ込もうと腰を使っていた。
思い存分、けっこう仮面の肛門で射精し、満足した瀬戸口は、そのまま前に倒れ込み、彼女の
上にのしかって言った。

「どうだ、けっこう仮面。おまえもアヌスは初体験だったのだろう」
「……いや……」
「そんなによかったのか」
「……は、恥ずかしい……」

まだ荒い呼吸をしているけっこう仮面の胸を揉みながら、その耳元でささやくように言った。

「まだまだだぞ、けっこう仮面。おまえが僕から離れられなくなるまで仕込んでやるぞ」
「いや……もういやよ……」
「だめだ。肛門を犯されて悦ぶようになるまではな」

それを聞いて、けい子はぶるっと震えた。
そして憎い男へ、泣きそうな瞳で哀願した。

「それだけは……それだけはやめて……」
「……」
「お、お尻はいや……。犯すなら普通にして……」

瀬戸口は正面を向き、けい子の顔を両手で押さえて言った。

「なら、そう言え」
「……」
「ちゃんと、オマンコを犯して、と言うんだよ」
「……」
「言えなきゃ、また尻を……」
「ああっ」

アヌスに挿入したままのペニスをぐいっと動かすと、けい子は悲鳴を出した。

「言う! 言うからやめてっ!」
「じゃあ言え」
「……お尻はいや……。前にして」

けい子はゾッとするほど冷たい視線を瀬戸口に感じ、慌てて言った。

「オ、オマンコ……!」
「……」
「……オマンコ……を……犯して、ください……」
「もう一度」
「……。私の……オマンコを犯して……ください……」

瀬戸口は満足そうに頷いて言った。

「そこまで言うならオマンコも犯してやろう」
「……」
「もちろん、尻も犯すがな」
「そんな、いやあああっっ!!」



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