初日こそ、珊瑚のショックを考えて一度きりの凌辱に抑えた奈落だったが、二日目からはもう容赦がなかった。
当然のように、犯す時は縛り上げている。
もはやろくな抵抗は出来ないはずだが、そこは退治屋だ。
隙を見せれば何をしてくるかわからない。
珊瑚がまともな時でも、自分が負けるとはまったく思っていない奈落だが、抵抗ではなく自殺されたら元も子もないと
思っているのである。
今日も屈辱的な縛りで珊瑚を捌き、凌辱を重ねているのだ。
絶望のあまり自らの命を絶たないとも限らない。
その縛り方だが、この日は珊瑚の豊かな尻を強調するように縄目を走らせている。
うつぶせで膝立ちさせ、両足首に青竹を渡している。
そしてその足首を縄で竹に固定しているのだ。
後ろ向きでぱっかりと股を割った恥ずかしい格好なのに、さらに臀部へ縄を通し、尻穴を剥き出しにしている。
上半身は後ろ手で縛り、胸は亀甲にせず上下で縛り上げるに留めた。
「……」
ぎしぎしと音を立てて、奈落は珊瑚に腰を打ち込んでいる。
珊瑚の方は、もうほとんど無反応で奈落の責めを受け入れていた。
奈落の舌や指が珊瑚のツボに触れると、その時は眉をしかめるのだが、あとは完全に身を委ねてしまっていた。
「む……」
「あ……」
奈落が呻いて射精する。
珊瑚もわずかに反応したが、その顔は虚ろだ。
奈落はぐったりとしている珊瑚から離れると、一端部屋を出た。
「神楽」
「なんだい」
「確認しとけ」
「……」
奈落にそう指示されると神楽は露骨に顔をしかめた。
歩み去る奈落を見送りながら、ぶつぶつと不平がこぼれる。
「自分でやれってんだよ」
そうは言ったが、妖女は贄の女が囚われている部屋に入った。
そして珊瑚を見ると呆れた。
「あれまあ」
なんとも思い切った格好で縛られたものである。
同じ女でも気恥ずかしくなりそうだ。
神楽は苦笑しながら、珊瑚の尻の前にしゃがみ込んだ。
「どれ」
白い指をついと伸ばすと、奈落に散々荒らされた珊瑚の媚肉を押し開いた。
さすがに珊瑚も気づく。
「あ……」
「ん? 気づいたかい」
それでも神楽は、左手で珊瑚の豊満な尻を押さえ、右手で割れ目をくつろいだ。
珊瑚は何をされているのかわからなかったが、神楽が自分の恥ずかしいところを覗いていると知ると、電気に触れたように
ビクンとした。
「ちょ…! ちょっと、あんた、何してんのよ!」
「なにって、わかるだろうよ。あんたのオマンコ覗いてるんだよ」
「な……」
神楽の露骨な表現に、思わず顔を染めた珊瑚だが、すぐに怒りが湧いてきた。
「だっ、だから、やめろって言ってるんだよ!」
「そうも行かないんだよ。こうしろって奈落のやつがさ…」
「な、なんでそんな……」
「そんなこと直接聞きゃいいだろ」
神楽は珊瑚と言葉を交わしながらもチェックは怠らなかった。
媚肉の割れ目を開くと、中の襞を確認する。
まだ生々しく奈落の放った精がこびりついている。
さらに指を奥に入れ、人差し指と中指で押し開くようにすると、最奥に薄桃色の器官があった。
子宮である。
その入り口付近にも白い精液がまぶされている。
「や……やめろ……」
「……」
神楽は指を使って襞を擦ったかと思うと、いちばん長い中指で子宮口を触れようとしたが、さすがにそれは無理だったようだ。
「ん?」
ふと神楽はあることに気づいた。最初より媚肉が潤っている気がする。
珊瑚を見上げると、美少女は白い肌を赤く染めて屈辱と羞恥に耐えているようだった。
ぎりぎりと音がしそうなくらいに歯を食いしばっている。
「…あんた、恥ずかしいのかい」
「あ、当たり前だ! こ、こんなの……きさま、女のくせに…」
そう言うと、またとろりと襞から愛液が漏れてきている。
「ふーん」
神楽はその様子を見て、ひとつ確かめてみることにした。
指を珊瑚の膣から抜き出すと、わざとらしく盛んに振って見せた。
「ああ、汚い、汚い。まったく奈落の精はついてるし、あんたのいやらしい汁も出てるし……」
「う、うるさいっ……だったら見なきゃいいだろ!」
「でもさ」
神楽は意味ありげに笑みを浮かべると、低い声で珊瑚に言った。
「あんた、見られると感じるんだろ」
「な……」
何を言い出すのかと思った。
そんなわけがあるはずがない。
こんな格好で、神楽に股間を見られるだけで恥ずかしくて死んでしまいそうだというのに。
「だってさあ」
神楽はそう言うと、また珊瑚の股間に手を伸ばす。
「ああっ」
「あたしに覗かれてる時、あんたぽたぽた蜜をこぼしてたんだよ」
「う、嘘だ! この……でたらめ言うな!」
「ウソなもんか。ほれ」
「あっ」
神楽が割れ目に沿って指を這わすと、珊瑚はその鋭敏な感触に思わず仰け反る。
細い指に、珊瑚の愛液をたっぷりとまぶした神楽は、見せびらかすようにそれを少女の顔の前に持っていく。
「こんなに濡れてるじゃないのさ」
「…そこまでにしておけ」
いつのまにか奈落が部屋に入ってきている。
神楽にさえ、いつそこに来たのかわからないほど、この男は気配がない。
奈落はそのまま神楽を外へ引っ張り出すと口を開いた。
「で、どうだ?」
神楽はそのまま珊瑚の様子を話した。
性器は異常ない。
なかなか良質らしい。
「見られると感じる?」
「ああ。あたしにオマンコ見られてる時、蜜がどんどん湧きだしてきてたよ」
「……」
それを聞いて奈落は思い至る。
この娘、見られて感じるだけではないのだろう。
珊瑚が尻で感じることは確認済みだ。
腋や耳でも十分に反応していた。
つまり、恥ずかしい箇所を責められることで感じるのだろう。
被虐の悦びを、その裸身の中に潜めているに違いない。
奈落は、了解したとでも言うように片手を上げるて神楽を下がらせ、再び珊瑚の待つ部屋に入った。
襖の開く音を聞いて、珊瑚はその方向に顔を向ける。
そして入室してきたのが自分の処女を踏みにじった男と知ると、まなじりも厳しく睨みつけた。
奈落はそんな珊瑚を見て、わずかに笑みを浮かべた。
「まだそんな顔が出来るのか。男勝りだとは思っていたが、それにしても大したものだな」
「……」
「それとも俺が妖怪だから、退治屋の血が騒ぐと言ったところか。あるいは……」
奈落の目が光る。
「おまえの親父たちの仇だからか?」
「!」
珊瑚は思わずハッとする。
そうだ、こいつは私の純潔を汚しただけでなく、父上を殺し、弟を拐かした男なのだ。
「……」
「どうした、何か言いたそうだな」
「か、必ず……」
「ん?」
「必ず殺してやる……きさま、絶対に殺してやるっ!」
「憎き仇というところか? その仇に尻を向けて大股開いているわけか」
「うっ、うるさいっ! ちくしょう、ほどけ!」
諦めきったような態度だった珊瑚に生気が戻って来た。
縛られた少女は、必死に身体をよじり縄目を緩めようとしている。
身体にも張りと緊張が戻ってきたようだ。
感度が悪いまま受け身になった女体を責めても目的は達せられない。
奈落はわざと珊瑚を煽っているのである。
奈落は珊瑚の真後ろに座り、少女の股間を見ている。
「おっ…おまえ、どこを見ている!」
「知れたこと。おまえの膣だ」
「……」
「もっとはっきり言って欲しいか? オマンコだよ、珊瑚のな」
「きさまあっ……見るなっ…見るなと言ってるだろう!」
「……」
奈落は黙って見ている。
珊瑚は、奈落の視線がどこに当てられているか厭というほどわかる。
まるで見られている陰部が、視線に犯されているかのような錯覚を受けた。
嫌がる珊瑚は懸命に臀部を振っているが、くりくりと動く白い尻はまるで愛撫を望んでいるかのようにも見えた。
奈落の目線に揉みほぐされるかの如く、珊瑚の割れ目の襞がひくひく蠢いている。
しっとりと湿り気も帯びてきているようだ。
珊瑚はその感覚を耐え難く思っている。力任せに犯されるのならともかく、ただ見られているだけというのはたまらなかった。
その心の動きが、身体の動きにも現れていた。
さっきまで力一杯振っていた尻の動きが緩やかになり、もぞもぞとしたものになっている。
不自由な太腿を閉じて、なんとか擦り合わせようとしていた。
「……」
反応が出てきたのは女陰だけではなかった。
羞恥のためか、若い美貌をほのかに染め、口からは熱く太い吐息がためらうように漏れ出ている。
背中で合わされた両手は、ぎゅっと握りしめられていた。
「そろそろか?」
「……」
欲しくなったのか、という言葉を略して言ったのだが、珊瑚はその意味を解しているようだった。
しかし、その口からは否定の言葉も肯定の言葉も出なかった。
奈落は、ゆったりと振られている珊瑚の尻たぶを掴むと、硬直している肉棒をその割れ目に押し当てた。
もはやツバで湿らせる必要もないほど、珊瑚のそこは濡れそぼっていた。
「ん……」
奈落の亀頭部が当てられると、媚肉にその熱を感じた珊瑚がわずかに呻く。
奈落はそのままゆっくりと挿入した。
「あっ……」
昨日、破られたばかりの処女膜の血が乾く暇もないくらいに犯され続け、また太い男根を入れられる苦痛。
たくましい肉棒に膣を占領され、身体いっぱいに頬張らされる感覚は、自分が女であることを厭と言うほど感じさせられる。
縛られ、ろくに身動きできない珊瑚を捉えた奈落は、徐々に腰の速度を上げた。
「ああ……」
目を固く閉じ、両手を握りしめている珊瑚を見て、奈落が言った。
「どうだ、また痛いか?」
「……」
「痛いだけではないはずだがな」
珊瑚は、自分を覗き込もうとする奈落から逃げるように顔を背けた。
そんなことは言われなくても
わかっていた。
昨日、乱暴に犯された時とは違い、奈落に責められている今は、裂けるような痛みの他に、かすかではあるが官能の
うねりが起こっていたのである。
ずん、ずんとゆっくりとではあるがリズムをとって腰を突く奈落の責めに、珊瑚は膣の奥深いところと腰全体に鈍く痺れる
ような快感を感じ始めていたのだ。
「んっ……くっ……っあ……っあ……」
抑えきれず、珊瑚の口から呻き声が漏れ出る。
その声色は、苦痛だけのものとは思えなくなっていた。
奈落は唇をゆがめ、珊瑚の胸乳へ手をやった。
奈落が突き上げるたびにゆさゆさと揺れているふくらみを握りしめると、掌から柔肉がはみ出る。
「あ……ああ……」
括り出された胸をやわやわと揉み上げると、たまらないように珊瑚は尻を振った。
根元から絞るように乳頭まで揉み込み、くりくりと乳首を指でつまみ上げると珊瑚の反応が高ぶってくる。
背筋と腋を舐め、胸をこねくるように揉むと、はっきりとわかるほどに珊瑚の動きが妖しいものになってきた。
奈落は媚肉への責めにも変化をつけた。
深く浅くと調子をとり、抉り込むようにねじ込む。
最初の段階では、このような突き込みをやっても珊瑚は痛がるだけだろうが、今はこの技巧を感じ取れるほどに身体が仕上がり
つつあった。
もうひと息だと判断した奈落は、胸を責める手を引き上げ、珊瑚のもっとも恐れる箇所に移した。
「ああっ」
この男は珊瑚の尻たぶを割り、中に潜んでいた肛門に指を伸ばしたのだ。
「だめ、そこっ! …ああ、そこは……そこはいや!」
奈落の熱い指が菊座の襞に触れると、痺れるような感覚が尻から背筋に向かって走り抜ける。
肛門周辺をなぞるように指を這わせると、珊瑚は背中をぷるぷると細かく振るわせて耐える。
人差し指の腹で、菊門を押しつけるように押し込むと、珊瑚は首を仰け反らせて頭を振った。
中にこそ押し込まないものの、襞をいびったり、潜り込ませるかのように刺激すると、きっちり縛られた少女は不自由な裸身を揺さぶって嫌がる。
いや、迫り来る快楽に応えているのかも知れなかった。
「……」
その間も、絶えず腰を揺すって珊瑚の膣を貫いていた奈落は、己の肉棒がスムーズに動くようになったことを知った。
胸をこねくり回され、肛門をいじられることで、珊瑚はぬめるような愛液を多量に漏らし、奈落の剛直も滑るように
挿送できるようになっていた。
ぐっ、ぐっと少女の淫裂に肉棒を突き刺していた奈落は、突然動きを止めた。
「あ……」
「……」
それまでの動きと刺激がぱたりと止んでしまい、珊瑚は拍子抜けしたような顔を奈落に向けた。
そして慌てて顔を前に戻し、目をつむって動かない腰を前にずらし、奈落の男根を抜こうとする。
しかし、かっちり縛められた身体は、ほんのわずか肉棒を膣の外に出すことしか出来なかった。
それ以上どうにもならず、珊瑚は奈落を膣に受け入れたままの姿勢で動かなくなった。
だがそれもさほど保たなかった。
「はあ……ああ……は……」
珊瑚は、自分の膣にみっしりと埋まっている奈落の男根の形を厭でも意識させられた。
動かないことで、挿入されていることを強烈にイメージしてしまう。
自分の媚肉を犯している奈落のものの硬度、太さ、熱さ、長さ。
その全部が珊瑚の膣に覚え込まされるかのようだった。
「んん……あ……」
切なくてたまらない。
子宮が疼くようだ。
割れ目の、膣の、子宮の襞が、動きを求めて挿入されている肉棒に絡みつきだした。
そして珊瑚の腰までもが、奈落の突き込みを欲しがるかのように蠢きだしたのだ。
「ああ……あっ…」
わずかしか動かぬ腰を無理に揺すると、奈落の太い肉棒が媚肉を擦って、痺れるような快感がもたらされた。
そう、珊瑚は、ここに至って、ほとんど初めて前門を犯されることによる快感を得ていたのである。
奈落は冷たい表情のまま、笑みを浮かべて言った。
「どうした、そんなに尻を振って。俺が欲しいのか?」
「……」
珊瑚はハッとして動きを止める。
あさましい思いを見抜かれた恥ずかしさで顔から火が出るようだ。
しばらくは我慢しているものの、心とは裏腹に身体の方が快楽を求めてしまう。
意識しないうちに、いつのまにか腰が勝手に前後してしまうのだ。
それほどに性の刺激は、珊瑚にとって鮮烈なものだった。
奈落が、ぐっと腰を珊瑚に突きだしてやると、珊瑚は背中をグンと反らせて痙攣を走らせる。
「あううっ」
珊瑚の口から女を思わせる艶めかしい声が吹きこぼれた。
しかし奈落は一度突き上げただけで、またも動きを止めてしまった。
珊瑚はさらなる刺激を求めて尻をうねらせている。
奈落はその蠢く腰すら押さえ込んでしまい、珊瑚の動きも止めてしまう。
「……」
珊瑚はうつぶせのまま、全身を細かく痙攣させて肉の疼きに耐えていた。
だがそれも限界で、膣を思い切り抉り回してもらわなければどうにかなってしまいそうだった。
奈落はそんな珊瑚を見透かすかのように言った。
「どうだ娘。欲しいならそう言ってみろ」
「……」
「…ふん、まあいいか」
そう言うと、奈落は珊瑚の豊満な尻たぶを鷲掴みにして、一転激しい動きを加えてやった。
突然再開された挿送に、しなやかな肢体は待ちかねたようにうねり出す。
「んああっ……あっ……あくっ……くっ……くはっ……あううっ…」
さっきまで、苦痛としか感じられなかった膣内の異物の蠢きが、形容しがたいむず痒さと心地よさを醸し出してきている。
引き抜かれるとき、中で留まっているときのむず痒さ、そして思い切り突き込まれたときの、痒さを解消する刺激、それに
伴う爽快感。
それが肉の求める快楽だと気づくには、珊瑚はまだ性的に幼すぎた。
そんな珊瑚に関わりなく、奈落は挿送を繰り返す。
押し込むだけでもきつかった肉孔は、ずるずるとした淫蜜で滑らかに動けるようになっている。
珊瑚の腰がぶるぶる痙攣し始めたのを見て、奈落は追い込みにかかった。
「あああっ……あっ、激し……ああっ…」
急に激しくなった攻撃に、珊瑚は女らしい優美な曲線を描いている背筋を大きく仰け反らせた。
奈落が、突き込みながら右手で肉芽をいびると、珊瑚はひときわ大きな悲鳴を上げて反応する。
「うああっ……かはあ!」
強烈な刺激を受け、責められる美少女はたまらず瀬戸際まで追い詰められた。
「あ、来る! …ああ、なんか来るぅぅ……」
腹の底から一気に、黒くて巨大なものが珊瑚に襲いかかる。
どす黒い得体の知れないものなのに、頭の中は真っ白になってきている。
「なにか来そうなのか? それが「いく」ということだ。これから何度も味わうことになる、よく覚えておけ」
奈落はそう言って珊瑚の尻たぶを掴み、一層のピストン攻撃を行なった。
抜き差しする肉棒は、珊瑚の膣からダダ漏れの愛液でぬらぬらである。
「まあ無理に覚えずとも、そのうちそれが病みつきになるはずだがな」
「あっ……あっ…ああっ……あ、もう……もうっ…」
「いくか。それ」
「あああっ」
奈落はぐいっと腰を珊瑚の尻たぶに押しつけ、出来るだけ奥まで挿入すると、根元をぐりぐり回して膣の中を抉り込んだ。
亀頭部で小突かれまくる子宮の痛みと、膣粘膜をこそぎとるカリのすごさに、珊瑚は半ば気を失いかけた。
「んんんっ」
珊瑚が喉の奥で呻くと、自分でもわからぬうちに頂点に達してしまった。
その瞬間、媚肉と膣が
きゅっと収縮し、奈落の男根を締め上げる。
「んっ」
奈落も一声呻くと、思うさま珊瑚の中に白濁液を放出した。
「あくっ……熱……」
子宮口に、灼けるような熱さを感じ取ると、珊瑚は続けて気をやった。
がっくりと力が抜け切り、うつぶせに突っ伏した珊瑚は、その全身を痙攣させている。
意識していないのに、膣はきゅっきゅっと締まり、奥に挿入された肉棒から精液を搾り取っている。
「……」
奈落は、自分の見立てに誤りのなかったことに満足した。
珊瑚の心はともかく身体の方は、強い男の精を求めようとしている。
動物的な子孫保存の本能、言ってみれば牝の欲望が、人としての、女としての羞じらいに優るとも劣らぬほど強いのである。
珊瑚という素朴で純情な村娘、慎ましやかな女性という一面の裏には、どろどろとした肉欲に悶える女の、剥き出しの性が
潜んでいたのだ。
奈落は、しっとりと汗を帯びたまろい珊瑚の尻を撫でながら、この絶品の素材を活かすべく次の思索を巡らすのだった。
*
**
*
「珊瑚ちゃん、いない?」
「さあ……今朝は見てませんね」
かごめの問いに、二日酔いで痛む頭を振って弥勒が答えた。
聞いたかごめの方も、夕べの深酒が祟って、顔を動かすだけでずきーんとした突き抜けるような痛みが頭を走る。
「あ、痛たたた……」
かごめは頭を抱えて、力なくへたり込んだ。
初めての飲酒であそこまで飲めば当然の結果だが、昨夜は異様なほどに盛り上がってしまい、止めるに止められなく
なってしまったのである。
珊瑚だって同じはずだが、朝、かごめが目覚めてみると、隣に寝ていたはずの珊瑚がいなかった。
しとね姿ではなく、ちゃんと普段着に着替えた後があったので、きちんと目覚めてはいたようだったが。
そこへ、戸が開いて、とととと七宝が戻ってきた。
「どうだった、七宝ちゃん」
「おらんかった」
そう言うと七宝は土間から上がり込んで、上がりかまちに腰掛けた。
「少しじゃが珊瑚の匂いは残っておるんじゃが…。おらは犬ほど鼻は利かんしのう」
「かごめさま、犬夜叉は……」
「あそこ」
呆れたようにかごめが指さした先に、半妖の少年が眠りこけていた。
「もしかして…」
「そ。あれっきゃ飲んでないのに二日酔いらしいのよ。信じらんない」
「やれやれ」
弥勒もため息をつくと、かごめの隣に腰を下ろした。
「このまま犬夜叉が目覚めるのを待っていても仕方ありません。我々も探しに出ますか」
「そうね…あ、痛……」
かごめが立ち上がろうとすると、またしてもズキンと頭痛がする。
これほどひどい偏頭痛は生まれて初めてだ。
がらりと襖が開くと、老婆が湯飲みと乳鉢を持って入ってきた。
「どうだ、少しは懲りたか?」
「あ、おばあちゃん…」
「子どものくせに大酒飲むからじゃ」
楓の言うことはもっともだと思いながらも、あまり責められても気の毒だと弥勒が助け船を出す。
「まあまあ。子どもと言いましても、珊瑚は十六、かごめさまも十五です。元服してもおかしくない歳だと…」
「屁理屈を言うな、法師。一緒に飲んでで止めなかったおまえも同罪じゃ」
「はあ……」
止めてはいるのだが聞いて貰えなかっただけである。
そう言おうと思ったが、考え事をすると頭痛がする。
その様子を見て楓は、痛む頭を抱えて唸るふたりに手のものを差し出した。
「これ……」
「薬じゃ」
二日酔いの薬らしい。
頭痛で眉間を寄せていたふたりは、ありがたく頂戴し、乳鉢に入った濃緑の粉末を口に入れた。
「に……苦〜〜〜! なに、これ」
「ニガヨモギをすりつぶしたもんじゃ。頭がすっきりするじゃろう」
「苦くてわかんない〜」
かごめは、その苦薬を白湯で何とか飲み干すと、ほっと一息ついた。
「うーーー、にが。でも、なんかすっきりしてきたよ。ありがと、おばあちゃん」
「良薬、口に苦し。少しは反省せい」
「はいはい。じゃ、探しに行ってくる」
「待て」
行こうとするかごめの袖を引いて楓が止めた。
「おまえも法師もそのザマだし、犬夜叉もダメだ。今少し休め。犬夜叉が起きてからでもいいじゃろう」
「でも……」
「もしまずい事態だったとしても、今のおまえたちじゃどうにもなるまいて。それに珊瑚とて子どもではない。大事ないじゃろう」
「…そだね」
不安は残ったが、かごめたちは楓の薦めに従った。
*
**
*
「……」
奈落が珊瑚を犯している部屋を覗いていた神無は、そのまま声をかけることなく無言で襖を閉めた。
神楽の待つ部屋に帰ろうと歩み出すと、戻るまでもなく神楽が廊下で待っていた。
「どうだった?」
「うん」
妹は姉を見下ろすように聞くと、妹の方は廊下を音もなく歩きながら言った。
一見、逆に見える姉妹だが、童女の神無が姉である。
「いつもとは違うわ」
「どう違う」
「だって今までの女は、半日も犯したら殺しちゃったじゃない」
「……」
正確には、奈落は殺そうと思って殺したわけではない。
結果として死んでしまったというのが正しい。
もっとも、奈落には女を生かそうとか殺そうとかいう意識がまったくなかったから、殺したと言われてもやむを得まい。
「あの女……珊瑚は、もうまる一日は経ってるし、さっき見たら、へばった珊瑚を見て、奈落は何か考えてたもの」
「ふぅん」
神楽は袂から長煙管と煙草袋を取り出すと、器用に片手で葉を詰めた。
そして、これも片手で火打ち石を合わせて火を着け、深々と一息吸い込んだ。
「なにを考えてるのかね、実際」
「気になる?」
「まあね。あの女は奈落が自分でかっさらって来たからいいけど、それまではあたしが女を調達してきてたんだからね」
ふーーっとため息のように紫煙を吐きながら、神楽は吸い口で軽く頭を掻いた。
神無は、そんな妹を無表情に見つめている。
「あんた、奈落が何をしようとしてんのか知ってるかい」
「さあ知らないわ。奈落は必要最低限のことしか言わないもの」
「まさかとは思うけど」
神楽は足を止めて神無を見た。
「あの女を嫁にでも……ってことはないね、さすがに。なら、うちらに引き入れるつもりなんじゃないかい?」
「……」
神無はちょっと驚いたような顔をしたが、やはり声には出さなかった。
嫁にする、という考えはまずないだろう。
奈落は確かに半妖であり、人間の要素が半分はあるはずだが、今までのことを思い返すとヘタな妖怪なんぞより、よほど
あくどいし妖怪らしいと言える。
仮に奈落が人間のように、人間の女に対して執着があるとすれば、それは桔梗をおいて他にない。
奈落の前身である鬼蜘蛛と呼ばれた野党は、桔梗に対する邪であさましい思いにつけ込まれて妖怪どもと合わさったのだから。
故に桔梗を捕獲して嫁にするというのなら話はわかるが、それが他の人間、まして小うるさい犬夜叉たち一行から選ぶと
いうことはまず考えられないだろう。
そこまで考えると、そのことは口にせず、姉の意見を短く否定する。
「そうじゃないと思うけど」
「なぜ?」
「だって、人間の女なら誰でもいいわけなの? 珊瑚の前に何人殺したと思うの」
そりゃそうか、と神楽もうなずく。
「じゃあ何だろうね。あいつ、急に女に目覚めたってわけかい」
「そうも思えないけど…」
神無は、また歩き出して言った。顔は、やや下を見ながら歩を進めている。
「あなた、もしかして妬いてるの?」
「妬いてる?」
今度は神楽が驚く番である。
目を丸くして姉を見ると、直後に哄笑した。
「そんなわけあるかい。あんたじゃあるまいし」
「……」
神無も歩みを止め、無感情というより路傍の石ころでも見るような目で姉を見上げた。
神楽はその視線を軽く受け止め、「ふん」と鼻を鳴らした。
どうも神無は奈落に対して一方ならぬ想いがあるようだが、神楽にそんなものはない。
というより、機会があれば奈落を始末したいとすら思っているくらいだ。
別にどうしても殺さなくてはならないというわけではないが、もう奈落に生殺与奪を握られるのはうんざりだと思っている。
奈落から逃げるためであれば、奈落を殺すことも吝かでないということだ。
ただ、今のところその機会はないし、殺すには実力差がありすぎる。
神無は、ぷいと横を向くと妹を無視して先に歩き出した。
神楽の方は、その様子を面白そうに見ながら、後を追うように部屋へ向かった。
*
**
*
珊瑚は思いもよらず頂点を極めさせられ、ぐったりとうつぶせている。
うつぶせと言っても、後ろ手に縛られているため、上半身は顔を畳について支えているだけだ。
脚は青竹に縛られて拡げられ、両ひざを立たされた状態である。
まだ三度、四度しか犯していないが、早くも苦痛から快感に変わりつつあるようだ。
それでもまだ愉悦に浸りきるというところまではとても届いていない。
早めに仕上げて目的を達しておかないと、犬夜叉たちがここを探り当てて邪魔立てするかも知れない。
それを考えると急がざるを得なかった。
となると、じっくり珊瑚の身体から性感をほじくり出しているヒマもない。
ならば、珊瑚の弱い箇所を集中的に責め、精神的にも凌辱してやることがいちばんだろう。
「やはり、ここか」
奈落が手を伸ばしたのは尻だった。
珊瑚の臀部の奥に眠る、秘めやかな菊門をいびり出す。
「あ…ああっ、な、なにを……」
肛門を触れられる異様な感触に、珊瑚は思わずびくりとなる。
奈落は構わず珊瑚の尻を割ると、指先で肛門の周囲をなぞり、中心部に指の腹を擦りつけた。
「んんっ…や、やめっ……そんなとこ……やあっ…」
珊瑚はいやいやと不自由な腰をよじり、奈落の責めから逃げようとする。
奈落は指をしゃぶって唾液で濡らすと、飽きもせず珊瑚の菊座を撫で、さすり、嬲った。
唇を噛んで耐えていた珊瑚だったが、奈落の指が敏感な箇所に触れるたびに、喉の奥を鳴らすような呻きを絞り出した。
「く……く、くんっ……うんっ……」
むずがるように尻を振っていた珊瑚は、奈落に愛撫される肛門が、いつしかほぐれ、ひくひくと蠢き出すようになると、
ぷるぷると細かく痙攣するようになっていた。
顔は耳まで真っ赤になって、否応なく盛り上がってくる悦楽を必死に堪えている。
唾液にまみれてぬるぬるした指先でゆるゆると揉みほぐされたかと思うと、今度はつるつるした感触の爪の裏で菊座の
襞を擦られる。強弱をつけた責めに、珊瑚の肛門は火のように熱くなってきていた。
真一文字に閉じていた口から、ときおり熱い吐息を洩らすようになってくると、奈落は次の攻撃に移った。
「きゃああっ」
珊瑚はその感触に甲高い悲鳴を上げた。
奈落は珊瑚の肛門に口を押し当て、舌と唇で愛撫し出したのである。気丈な珊瑚もさすがに動転した。
「やっ、やめろ、この……き、汚い! よせ、なにを…あああっ…」
無論、そんな珊瑚の悲鳴など奈落には何ほどのこともない。
熱く濡れた舌を伸ばして肛門周辺を舐めたり、軽く息を吹きかけて冷たい風の圧力を与える。
鋭敏な器官に熱冷交互の刺激を加えられ、珊瑚は我慢できぬといった体で肢体を揺すった。
そして奈落が菊門に唇を押しつけると、背を弓なりにてわなないた。
「うあああっ…」
奈落は珊瑚の肛門に口をつけ、思い切り吸い上げたのである。
そのたまらない刺激に、珊瑚は気がいったような絶叫を上げて、ぶるるっと大きく痙攣した。
奈落は、その舌先に珊瑚の腸液を感じると、ようやく口を離してにやりとした。
思った通り、羞恥を感じる器官に珊瑚は弱いのだ。
奈落は手を緩めず、今度は人差し指を珊瑚の肛門に突き刺した。
「く……い、痛い……や、やめろぉ……こんなの…」
「満更でもあるまい。どうやらおまえ、尻の穴が好きなようだしな」
「そっ、そんなことあるかっ……ああっ…」
奈落は第二関節まで押し込んだ。
思ったよりもあっさりと入ったようだ。」ちらと前門を見てみると、案の定、また湿ってきていた。
「んん!」
奈落は左手で敏感な肉芽を撫で、さらに淫蜜を絞り出すと、それを珊瑚の尻穴に塗りたくった。
「ひぃ…」
ぐぐっと中に押し入ってくる指の感覚に、珊瑚は目眩がするようだった。
排泄器官としか思っていなかったところをこのように責められるとは思ってもみなかった。
奈落の指が奥に進むごとに肛門が広がっていく感覚がたまらない。
とうとう指の根元まで押し込まれてしまった。
「……」
「どうした、声も出ないか」
奈落はそう言うと、指の付け根を肛門に擦りつけるようにぐりぐりと抉った。
もっと時間がかかるかと思ったが、予想以上に珊瑚が肛門で感じて腸液が出てきているし、塗り込んだ愛液の効果もあって、
するっと根元まで入ったようだ。
奈落は珊瑚の腸内にねじ込んだ指を鉤状に曲げ、腸の襞を指先で擦ってやると、珊瑚は感極まったように喘いだ。はっきりと
した快感を訴える声に聞こえた。
「ああっ……あう、あうう……」
「そんなにいいのか」
「違う……ああ、違……んんっ……」
違う違うと口では否定し、豊かな黒髪を振りたくっているものの、その股間は湿るどころか、ぽたぽたとだらしなく蜜を
垂らし始めていた。
奈落は続けて指を二本にした。人差し指と中指を絡ませ、回転させて指を抉り込む。
「ああうっ……いっ……痛い…」
「痛いわけあるまいが。ほれ、もう慣れてるようだぞ」
「そんなあ……あくぅっ…」
無理に引きひきはだかれる肛門から響くぴりぴりした痛みも、粘膜を嬲られる快感と混じり込んで訳がわからなくなっている。
指を一本にしてみると、まるで何かくわえこみたいが如く、珊瑚の肛門は緩めたり締めたりを繰り返しているのだった。
奈落は珊瑚の肛門の柔軟性にやや驚く。
ここまで早く菊座責めが馴染んでいく女も始めてた。
もう少し慣らした方が良いかと思っていたが、この分なら大丈夫そうだ。
奈落は指を引き抜くと、珊瑚の腰を両手で抱え持った。
「…あ………え?」
尻の穴から異物を取り除かれ、ほっとしていた珊瑚に新たな衝撃が襲いかかる。
指は抜き去られたが、代わりにやけに熱いものは押しつけられたのだ。
指先ほど硬くはないが、ずいぶんと大きな印象がある。
「な、なに……?」
珊瑚は恐る恐る奈落の方を振り返ると、ぎょっとしたように目を見開いた。
この半妖は、こともあろうに男根を自分の肛門に押しつけていた。
まさか、こいつそこを犯そうと…。
「ちょ、何してるの! そこ……違う!」
「違わない。ここでいいんだ」
「うそ……んああっ」
珊瑚は全部を言う間もなく、仰け反った。
奈落は遠慮会釈なく、ぐいぐいと珊瑚の菊座に肉棒を押し込んでいる。
「や、やめてぇっ……そんな、入らないわっ」
「大丈夫だ、入れてやる」
「そんな、い、いらないっ」
珊瑚は心底怯えた。
奈落の男根のたくましさは、媚肉でいやということわからされている。
そんな大きなものを肛門で受け入れされるなど、悪夢としか思えなかった。
小さな穴に太いものを入れられるという恐怖もあったが、それ以上に不浄の場所を性行為の対象にされるという羞恥と屈辱、
そしておぞましさが珊瑚の心を震わせる。
「やああっ…お、お願い、そんなことやめて! あっ、んくう!」
お尻を犯される恐怖と痛みに、奈落に懇願までしてしまう珊瑚だったが、それすら気づかぬほど動揺していた。
無理矢理侵入してくる太い肉棒に、肛門粘膜がじわじわと拡張される。
奈落は無理をせず、少し押し込んではまた引き戻すことを繰り返し、寸刻み分刻みで徐々に珊瑚の肛門に入り込んでいった。
先端が入り込み、もっとも太い亀頭部にさしかかると、珊瑚はたまらず呻き声を出した。
「い、いっ、痛いぃぃ……いや、あ、痛い…だめ、裂ける…裂けちゃうぅ…」
奈落はあまり珊瑚の尻たぶを拡げず、その菊座になるべく負担のかからぬよう挿入している。
ここで本当に裂きでもしたら、それが治るまで計画は延期せざるを得ないし、珊瑚も性交にひとかたならぬ恐怖を感じて
しまうことになるだろう。
激しく責めてやるのは十分に順応してからでもよい。
珊瑚は奥歯を噛みしめ、頭を振りたくり、裸身を揉みしぼって苦痛を訴えた。
この状態が続けば悶絶してしまいそうだった。
「裂けるぅ……あむ……かはぁ……し、死ぬ……死んじゃう…」
珊瑚の肛門がほぼ極限まで引き拡げられたかと思うと、奈落の亀頭部をずるりと飲み込んだ。
「んああっ」
喉の奥から唸るような絶息が引き出され、一瞬がくりと力が抜けた。
形の良い尻がぶるぶる痙攣し続けて止まらない。
お尻が内側から引き裂かれるような激痛が襲いかかり、冷や汗と脂汗が噴き出した尻たぶがぬらぬらと妖しく光っている。
さすがに奈落も「ふっ」と一息つくと、ゆっくりと中に押し込み始めた。
「あ、ううんっ」
そのままでもびりびりした痛みが走る肛門粘膜にさらなる動きが加えられ、珊瑚は活が入ったようにびくんと反り返った。
もう限界まで伸びきったと思った粘膜を、侵入してくる肉棒が巻き込んで奥まで進んでいく。
そのまま深くまで押し入れ、最後まで入ると動きを止めた。
「あ……あ…」
珊瑚はその深さに声もろくに出ない。
中に留まっているためか、その硬さや長さ、太さを思い知らされる。
みっちりと腸内いっぱいに詰め込まれたそれで、腸管を中から拡げられている感覚が伝わってきて、珊瑚は息が詰まり
そうになる。
いやだいやだと思っているのに、かえって神経がそこに集中してしまい、自分の菊門とそこに収まった奈落の肉棒を
意識せざるを得ない。
奈落は、自分のものを珊瑚の肛門が締めたり緩めたりし始めたことに気づいていた。
さきほど指を突っ込んだ時と同じである。徐々にではあるが、奈落の男根を珊瑚の尻が、そして珊瑚自身が受け入れつつ
あるのだ。
その若い美貌を覗き込んでみると、首から上を真っ赤に染めて、桜色の唇からは「はぁはぁ」と燃えるような吐息を洩らしている。
珊瑚も自分の意識が肛門に集まれば集まるほど、ただれるような苦痛の殻を破って禁断の快感が頭をもたげてくることに
気づいていた。
それを知ると、ハッとしたように顔を振って必死に堪えるのだった。
珊瑚の状態が少しずつ変化してきているのを把握すると、奈落はゆっくりと腰を突き始めた。
それに合わせて、珊瑚を縛り上げている縄がギシギシと軋る音が鳴っている。
「死んじゃうぅぅ……あ、あ……か、堪忍して……あ…う、うむ……」
突き込まれる菊門から背筋にびりりっと痺れるような感覚が突き抜けると、それがまた胎内に戻り、珊瑚の子宮に揺さぶるような
妖しい快感を導き出す。
爛れるような苦悶が全身を支配し、息が詰まるほどの圧迫感が頭を占める。
奈落が肉棒を奥まで捻り込むと、口から飛び出しそうな気がする。
そして引き抜かれると、今度は肉棒に引きずられるように腸までが外に出てしまいそうだ。
「あ……あ……あむ、あむむっ……んくぅ…」
奈落の肉茎でぎちぎちだったはずの腸管が、だんだんと滑らかにすべるようになってきた。
身体の防御反応か、あるいは感応しているのか、腸液が滲むように出てきているのだ。
見ると、珊瑚の媚肉もざわざわと蠢き、恥毛にも露が宿ってきていた。
明らかに、肛姦に反応してきている。
奈落は、ここぞとばかりに腰の運動速度を上げた。
「ああ、だめっ……そ、そんな激しく…あう、きついっ…」
さらに奈落は腰を掴んだ手を放し、珊瑚の前をいびる。大きく膨らみ、ピンと勃起していた陰核を指でくりくりしごいてやった。
新たに加わった鮮烈な快感に、珊瑚は背筋を弓なりに反って大きく喘いだ。
「ああっ……うんっ…あ、あああ……」
男根が肛門に加える激痛を、同じく男根が肛門に与える快感、指が肉芽に与える快感が上回り、珊瑚を懊悩させていく。
苦痛が快楽に駆逐され、抉り回される菊座の粘膜からも愉悦を感じ取れるようになってきていた。
奈落もそれを感じ取っていた。
突き込むごとに、奈落の下腹が珊瑚の尻に当たっていたが、最初はその尻たぶが固くしこていたのに、今では柔らかい肉になっている。
痛みによる緊張が取れ、力が抜けているのだろう。
「うんっ……あ……ああ、熱……な、なんでこんなに…」
珊瑚は肛門に突き刺される奈落の肉棒の熱さに目が眩む思いだった。
それは一方の奈落も同じだった。
めいっぱい拡げられ、今にも裂けそうだった珊瑚の肛門が、きつさだけでなくくわえ込むような感じが加わっただけでなく、
肛門や腸内の襞が灼けるような熱さになっていたのである。
「あうう……あ、あっ……」
「ふっ。どうやらおまえ、前より尻の方が好みのようだな」
「……」
「いいならいいと言ってみろ」
「うるさい、この……あ、ああっ……」
奈落が肉棒を出し入れすると、珊瑚は首を振り、尻をよじり、顔を歪ませた。
奈落のピストンが早まると、たちまち余裕がなくなり、恐ろしさもおぞましさも頭から消え失せる。
「気持ちいいのだろうが」
「……」
危うく珊瑚はうなずくところだった。
それほどに、初めて味わう肛交の快美感は凄まじかった。
媚肉での性交は破瓜の痛みばかりで、快楽を得るまでに時間がかかったが、肛門性交に関しては驚くほど早くそこまで到達して
しまっていた。
通常、逆なことがほとんどだが、珊瑚が自分の力に人一倍自信を持っており、それだけに屈辱的な行為に関して弱い面があったと
いうことだろう。
そこが奈落の付け目だった。
「ああ、あ……あっ……あ……」
張り裂けそうな苦痛さえも、肉の快感に飲み込まれていく。
奈落は珊瑚の尻深くまで押し込み、そのきれいな背にもたれかかるようにして腕を伸ばし、乳肉をこね回した。
「ひっ、ひっ」と珊瑚の口から絶息するような喘ぎともつかぬ呻きが洩れ出す。
腰はぶるぶると震えっぱなしだ。
奈落は再び腰を打ち付け、右手で膣を愛撫し、左手で乳を揉んだ。
三カ所から押し寄せる快感の波に、珊瑚は忘我となる。
「うああっ……だめ、もうっ……あ、もう…あああっ」
「いけ」
突如、強力な電流が流されたかのように珊瑚の裸身が突っ張り、驚くほど大きく仰け反りうねった。
「やあ……い、いっ……い、いく……ああ、いく!」
縛られた縄を引きちぎろうとするかのような力を込め、珊瑚がグンッと背を反らせた。
強烈な肛門の締めつけを来て、奈落もぐいっと奥までねじ込み、そこで発射した。
「ううんっ」
珊瑚は腸の奥深くに溶岩のような精液を浴びせられると、もう一度ぶるるっと大きく痙攣して失神した。
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