神楽の策にはまり、珊瑚が色責めされて早一刻となる。
休む間もなく身体のあちこちを揉み込まれ、撫で回され、擦られまくった。
そのたびに、うねり、悶え、身体を突っ張らせた珊瑚はすっかり体力を消耗して
いる。

もう大丈夫だろうと、神楽は珊瑚の目隠しをとった。
神楽はいったん手を引いて珊瑚の様子を見る。
責め続けられた少女は、潤んだ瞳を半目にし、口からは「はぁはぁ」と甘い吐息を
洩らしている。
女の神楽から見ても、ぞくぞくするような色香を放っていた。

「珊瑚、あんた可愛いわよ。なんか本来の目的、忘れちゃいそう…」
わき起こる官能にを訴えるかのような珊瑚の顔を見ると、神楽は思わずごくりと
生唾を飲み込んだ。
そして、珊瑚の顔を両手ではさむと、そっと口づけた。

「んむ……」

珊瑚は軽く呻いたが、拒絶はしなかった。
神楽はすっかりその気になり、珊瑚の唇を割り、歯をこじ開けて咥内に舌を侵入
させた。
珊瑚の目がきらりと光った。
その時。

「!」

神楽は声にならぬ悲鳴を上げて、珊瑚から離れた。
唇の端から血が垂れていた。

「きさま…」

神楽は目を血走らせて珊瑚を睨む。
視線で射殺してしまいそうな瞳だった。

「べっ……」

珊瑚が口から何かを吐き出した。
珊瑚の口からも血が見える。
ぼとりと床に落ちたそれは、噛みちぎった神楽の舌先だった。

妖女が油断し無防備になったところを退治屋の少女は見逃さなかったのである。
もういちど珊瑚は「ぺっ」と血混じりのツバを吐き、叩きつけるように神楽に言った。

「あんたのベロだよ。良かったら切れたところから繋いでみなよ」
「調子に乗りやがって、この小娘が…。生意気なマネをした償いをしてもらうからね」
「ふん。何をしろってのさ」

圧倒的不利の状態から一矢を報いやった爽快感もあり、珊瑚は先ほどまでの屈辱的な
色責めから立ち直っていた。

「その身体、責め抜いてくれる。ケツだけじゃない、オマンコの処女もあたしが奪
ってやる。覚悟おし」
「どっちみちいやらしいことをしてくるんだろうが、この変態女が」
「よく言ったね。よおし、そっちがそうなら望み通り気が狂うまで責め堕としてくれ
るわ」

そう言うと神楽はごくりと喉を動かした。
口に溜まった血を吐き捨てるのではなく、嚥下したのだ。
その目は血のように真っ赤になっていた。

「女が味わえる快楽をすべて叩き込んでやる。極楽なんかじゃなく色地獄へ連れて
ってやろうじゃないか」

神楽は棒状のものを手にしていた。
よく見ると、やや反っている。
竹だ。
竹を縦に割ってしならせた棒だ。
長さは三尺ほどあろうか。

右手で持ち、左手のひらへぴしぴしと軽く叩いている。それをおもむろに振り上げる
と言った。

「覚悟おし!」

「痛っっ!」
ひゅんと空気を切る鋭い音がしたかと思うと、珊瑚の白い背に竹の鞭が炸裂した。
その痛みに、珊瑚は思わず喉を反らせて悲鳴を上げた。

「なにすんの!」
「まだまだ!」

そう言うと、神楽は再び竹鞭を頭上に振り上げ、今度は珊瑚のまろい尻たぶに振り
下ろした。
ぴしっと肉を弾く音が響くと、少女は逃げるように腰をひねった。

「痛い! …痛いってんでしょう!」

ぴしっ!
「痛あ!」

ぴしっ!
「ひうっ」

ぴしぃ!
「あくっ」

ぴしっ!
「ひぁっ!」

何度となく神楽は珊瑚の肌に鞭を叩きつけた。
そのたび、珊瑚は身体をうねらせ、髪を振り乱し、痛みに悶えた。
痛みに耐えている白い裸身は、脂汗にまみれ、むち打たれた箇所が赤黒く筋として
残り、またミミズ腫れになったところもあった。

それでも神楽は容赦なく竹を振るい続けた。
背。
尻。
前に回って乳房。
腹。
腿。

鞭が空気を切り裂き、珊瑚の白い肢体に打ち込まれる。
吸い込まれるように肌に叩きつけられた竹は、肉を打つ鈍い音を立てた。

無論、神楽は打ち据える鞭を加減している。
神楽が本気で鞭打ちすれば、肌は裂け、肉は爆ぜ、鮮血が噴き出すことになる。
目的は珊瑚に被虐の悦びを与えることで、傷つけることではないのだ。

「いやあ……痛っ! も、もう、やめて……あっ……痛い! …あくうっ……痛あ!」

珊瑚は、その苦痛と屈辱的な仕打ちのためにあふれそうになる涙を必死に堪えている。
口からは「ひぃひぃ」という掠れた悲鳴が零れてきた。

神楽は加虐の悦びに打ち震え、鞭を振るった。
珊瑚の身体はぐったりと縄目に預けられ、吊されていなければ立っていられないほど
だった。
相当堪えたことを確認すると、神楽の鞭はようやく収まった。

哀れ、白い肌を誇った美少女は、身体のあちこちに鞭の跡を残し、全身が冷や汗と
脂汗でびっしょりだった。
神楽は竹鞭の先で珊瑚のアゴを持ち上げて言った。

「どうだい、退治屋の娘。少しは堪えたかい? あたしに逆らおうなんてすればこう
いう目に遭うんだよ」
「……」
「もう素直に言うことを聞くんだね」
「…だ、誰が……」
「なに?」
「誰があんたなんかに屈服するもんか!」
「……。面白い、いたぶりがいがあるねぇ。そういうのを堕とすのが愉しいんだよ」

カランと乾いた音がして竹鞭が神楽の手から落ちた。
そして珊瑚に近づくと思わぬ行動をとった。

「あ、ひぃっ!」

珊瑚は背中に走る異様な感覚に悲鳴を上げる。
また鞭打たれるのか思いきや、神楽は腫れた傷を舌で舐め始めたのだ。
ジンジンと痛む鞭の跡に、熱く濡れた舌が這っていく感触。
びりびりと痛みが走ると同時に、鋭い快感が突き抜ける。
全身の神経が逆立ち、忘れていた先ほどまでの愉悦が甦るようだ。

「や、やめろ、この……ああっ……く…いや! ああ……よせ! あ…」

神楽は乳房を責めていた。
鞭打たれたというのに、その乳首は痛いほどに勃起していた。
柔らかいふくらみについた鞭の痕跡を指でなぞり、舌でなぞった。

ぞくぞくするような快感が痛みを駆逐する。
指でなぞる時は唇で乳首を吸い上げ、舌で転がす。
舌で鞭跡を舐めている時は、優しく乳房を揉み上げた。
またしても珊瑚の股間からは女汁があふれ出した。

「そんなに心地いいのかい。あんなに鞭で叩かれたっていうのにさ。あんた、虐めら
れて感じる女なんだねぇ」

と、珊瑚の被虐性を嘲る神楽だったが、珊瑚の耳には届いていなかった。
彼女の脳裏は、もはや傷跡を舐める舌と指しかなかったのだ。

「うあああ……あっ……い、痛……あっ……くうう…」

今度は神楽は尻の方に回った。
豊かに脂の乗った臀部にも無惨な鞭の跡が残っている。
そこを舐め、指でさすってやると、珊瑚の口からは呻きとも喘ぎともつかぬ声がまろ
びでた。

そして神楽が尻たぶを思い切り割り開いて菊座を露わにしても、倒錯した責めに打ち
震えている珊瑚の口からは拒絶の言葉は出なかった。
肛門に神楽の熱い舌が触れると、珊瑚はその異様な感覚に絶叫を上げた。

「ひぃっ! ど、どこを……ああっ」

固く尖らせた舌先が菊門の皺を縫うように、ほぐすように這い回ると、珊瑚は白い
尻を思い切り振りたくって反応する。
もがく腰をがっしりと押さえ込み、神楽は珊瑚のそこを執拗に責めた。
手を前に伸ばすと、女陰はしっとりどころかぐっしょりと濡れている。
神楽はそれを知り、「くくく」と喉で嗤った。

「あんた、ここが弱点なんだねぇ。そんなにいいのかい」
「だ、黙れ……い、いやなだけよ!」
「いやってこたないだろう、こんだけ濡れててさ」
「ああっ」

肛門がひくつくまで舐め回すと、神楽はようやく顔を上げた。
淫靡な責めを受け続ける少女は、その美しい顔を上気させ、熱い息を吐いている。
全身の力は抜け、もはや縄目に預けるのみだ。

神楽は頃合いと見て、生け贄を下ろすことにした。
後ろ手縛りはそのままに、天井の吊り金具から外し、両脚を固定していた縄も解いた。
そのままぐったりと妖女にもたれかかった珊瑚は、のべられた布団の上に突き転が
された。
神楽は、声もなくどっと倒れ込んだ珊瑚を見ながら、自らも着物を脱ぎ始めた。

帯を解き、扱きを抜いた。
紅や紫といった、当時としては珍しいほどに派手な着物を脱ぐと、無造作に床にうち
捨てる。
胸当てを取り、肌襦袢の紐をほどく。
白羽二重の腰巻きもあっさりと外し、最後に残った肌襦袢から腕を抜き取ると見事
な裸身が現れた。

若鮎の如き、珊瑚の健康的な身体に対し、神楽のそれはまさに熟し切った妖艶な女体
だった。
ぴちぴちした若さを主張する珊瑚の肌に対し、しっとりとして男の手を吸い込んで
しまいそうな肌の神楽。
珊瑚の肉体も、胸や尻など標準以上の豊かさを誇ってはいるが、まだ青い果実を思わ
せるものだ。

一方の神楽は、乳も臀部も脂が乗りきって、ほぼ完璧な形状で盛り上がっている。
左肩から右脇腹にかけて、袈裟懸けに斬られた刀傷があるが、これは犬夜叉にやら
れたものだ。
少々の傷なら半日もすれば完治するのだが、この傷は今でも残っている。

神楽の脳裏には、この成長過程の、それでいて十分に弾力に富んだ若い女体をずた
ずたにしてやりたいという加虐的な情欲が燃え上がっていた。
しどけなく仰向けになっている珊瑚の脇に滑り込むと、そのまま上にのしかかった。
珊瑚はぼんやりとした瞳でそれを見ているだけで、抗おうとはしなかった。

神楽は、豊かに張りつめた乳房を珊瑚の胸乳に押し当て、硬い乳首同士を軽く擦り
合わせた。
途端に珊瑚は裸身を仰け反らせて呻いた。

「んんっ……」

憎んでも余りあるはずの敵に嬲られる。
それも女同士という倒錯した形でだ。
にも関わらず、珊瑚の身体は力が入らず、媚薬を塗り込まれた膣や肛門は疼き、
子宮や乳首にもびりびりとした痺れるような快感が突き抜ける。
そのことを思い知らされると、珊瑚は救いがたいほどの激しい羞恥心を感じた。
しかし、その羞恥と屈辱の裏に、妖しい愉悦の炎がちらつくのを防ぐことが出来な
かった。
神楽は、皮の剥け切った珊瑚の肉芽を入念に責め始める。
珊瑚は耐えきれず、その口を割った。

「ああっ! や、やめて……いやよ……あ、あああ……いやあっ」

神楽は指で敏感な珊瑚の蕾とくりくりとしごき、人差し指で弾いた。

「ひぁっ!」

珊瑚は、妖しくほころびた秘肉から蜜を飛び散らすようにして身体を揺すった。
さらに神楽が、まだ身体に残る鞭の跡を優しく愛撫すると、その痛みと快感が入り
交じった微妙な快楽に、珊瑚は眉間を寄せて悶えるのだった。
珊瑚の乳首が痛いほどに勃起し、股間からは愛液がこぼれ布団に染みが出来る頃に
なると、神楽は珊瑚の脚の間に割り込んだ。
そして虚ろな瞳をした珊瑚の顔を両手で優しく固定すると、再びその唇を奪おうと
した。
今度は珊瑚も抵抗出来なかった。

「んん……」

僅かに顔を背けたが、すぐに諦めて神楽の思うままに任せた。
強く唇を押しつけ、舌を中に入れた。
抵抗なく歯を割り、舌を絡ませる。珊瑚はその熱い神楽の舌に、さきほどの食い
ちぎられた跡のないことに気づいたが、すぐに恍惚感に取って代わられた。

熟女の舌が、少女のうぶな咥内を蹂躙する。
歯茎を舐め、上顎の下を擦り、舌同士を絡ませた。
流れ込む妖女の唾液を、珊瑚はそのまま飲まされた。
初めての接吻にしては、あまりに無惨であった。

唇が離れると唾液が糸を引くほどのねっとりとした口づけを交わした神楽は、馬手
でたぷたぷと珊瑚の乳房を揉み、弓手を股間に伸ばした。

「あっ! いや、やめて…ああ、それだけは……いやあ…」

神楽の人差し指が、ゆっくりと珊瑚の身体を引き裂いて侵入してきたのである。
同時に親指で濡れた肉芽を嬲られると、操を奪われる恐怖心が薄れ、その悦楽に
酔いたいとすら思ってしまうのだった。

珊瑚の裸身を官能の火が燃え上がり、下唇を噛んで耐えた。
神楽がその白く細長い指を蠢かしてやると、珊瑚は無理矢理挿入された肉体的
精神的苦痛に苛まれながらも、その鋭敏な裸体は責めを受け入れ始めようとする
のだった。
神楽はいっぱいまで差し込むと指先まで抜き、そしてまた根元まで押し込むこと
を繰り返した。

「うっ……あう……」

珊瑚の白い身体を覆うのは、痛みや羞恥からくる冷や汗ではなく、襲い来る快楽に
耐えるために脂汗になっていた。
神楽は、そんな珊瑚をうっとりと見つめてささやく。

「ほぅら、満更でもないだろ?」
「いやあ……あ、あ、あ……あう……うんっ……あ…」

右手で珊瑚の膣を嬲っている間も、左手は乳房を愛撫することを続けていた。
こりこりと乳首を摘んだり、やさしく全体を揉み上げたり、力を入れて揉み込む。
珊瑚は口を開けてのけぞり、痛みと快感を同時に感じたまま恍惚の海の中で揺らめ
いていた。

神楽は珊瑚の首筋を舐めながら言った。

「どう? もう一本くらい入れていいね?」
「いや……」
「こんなに濡れているんだから痛くないはずさ」
「だめ……ああう……」

珊瑚の拒否もあらばこそ、神楽は人差し指に加え中指も膣に挿入した。

「ああ……」

またもぴりっと処女膜を破られる痛みが走ったが、痛みの中に痺れるような快感も
紛れ込んでいた。
神楽は、二本の指を絡ませてぐりぐりと膣内を抉ったり、指を開いて中をこじ開け
たりした。

「んむ! い、痛……あ……あうう……つっ……ああ…」

神楽は、この美少女の性感をほじくり出し、性の悦びを炙り出すことに昂奮を感じ
ていた。
珊瑚は腰をよじるようにして、中で暴れる二本の指を押し出そうと肉襞を締め付け
たが、その動きに神楽は満足する。

(これはなかなかの名器だねぇ。男がこの中に突っ込んだら、さぞや……くくく…)

神楽は甘い吐息を吐く珊瑚の唇に吸い付いた。

「うむ……むむう……うんっ……む……」

左手は相変わらず乳房と乳首を責め、右手は膣内と蕾、そして肛門も嬲っていた。
珊瑚は四カ所の性感をいちどに責められ、まさに忘我の状況に陥った。
身体の芯から燃え上がってきた官能は、いまや全身を覆い尽くしている。

珊瑚は無意識に神楽の指に合わせて腰を動かしていた。
唇も、舌を自ら神楽のそれに絡ませてくる。
すると一気に恍惚感が炸裂し、珊瑚はくぐもった呻き声を神楽の口の中に出して全身
から力を抜いた。

神楽はゆっくりと珊瑚の割れ目から指を取り出して、気をやったばかりの珊瑚に
見せた。

「おめでと。ほら、これがあんたの破瓜の証だよ」

二本の指は鮮血に染まっていた。それをちろりと舐めると、
「うん、なかなかいい味じゃないか」

と野卑な感想を述べた。
屈辱の涙を目の端から流し、荒く息をしている珊瑚を見て、神楽はこの際一気に作り
上げるか、と思った。

「ふんふん、鉄は熱い内に打てってね」

ぐったりと脱力した珊瑚を後目に、神楽は長い縄を用意してきた。
後ろ手で縛った珊瑚の縄を縛り直す。
両腕を頭の後ろでまとめて縛り上げる。
乳房を強調するように絞り込み、肩胛骨の下でまとめた。
後頭小手縛りという。
胸乳を強調し、腋の下を晒して羞恥心を煽るため、別名・腋晒し縛りとも呼ばれて
いる。

下半身は、腰骨と腿の付け根に縄を回し、股間に通した先を左右の尻たぶを割り裂く
ように縛った。
尻肉を左右に分け、菊門を外気に晒すこの縛り方は、菊門晒し縛りと呼ばれている。

器用に、そして手早く縛り上げる神楽の腕は一級品だった。
神楽は鞭に続き、珊瑚に縄の味も覚えさせようというのだ。

「どうだい珊瑚。こういうのも悪かないだろう?」
「う……うう……」

珊瑚は呻くだけだ。
苦しんでいるのかと思ったが、股間を見るとしっとりと濡れている。
この手の責めが嫌いなら、すぐにでも愛液は引いてしまうはずである。
どうやらこの娘は、鞭にも縄にも素養があるようだった。

ぎりぎりと縛り上げられ、苦しい姿勢のはずなのだが、身体をもぞもぞさせている
その目に嫌悪感は見られなかった。
飲まされ、塗られた薬の効果もあったろう。
痛いほどに張りつめた乳頭や媚肉、陰核、肛門だけでなく、子宮の中から疼いてくる
ような感覚は珊瑚を悩ませた。
荒縄で芋虫のように縛られた珊瑚に、神楽は手にした棒を見せる。

「こいつが何だかわかるかい?」
「……」
「男の代わりさ」

そう言って神楽は腰を下ろして手を置き、珊瑚を見下ろした。
それは擂り粉木のように見えた。
椚の若木を使った張り型である。

長さは七寸から八寸ほどで、太さは二寸あるかどうかといったところだろう。
おまけに椚のゴツゴツとした表皮は残してあった。
ご丁寧なことに、真っ直ぐではなくやや反ってさえあった。

その棒にとろとろとした液体をまぶすと、神楽は珊瑚の股間を覗き込んだ。
十分に濡れていることを確認すると、神楽はそいつを珊瑚の局部に押し当てた。

「あ……」

液体の冷たい感覚に、ぶるっと震えた珊瑚だったが、それ以上の抵抗はしなかった。
もっとも、ぐるぐる巻きに縛られていて抵抗しようにも出来ない。
神楽は、ぐっと力を込めて膣の中に押し込んだ。

「あうっ」

さすがに太かったのか、珊瑚は苦痛に耐える表情を見せ、腰をよじって逃げようと
したが、ぎりぎりと縛られた上に、さきほどまでの快楽劇で身体に力が入らなかった。
神楽はそんな珊瑚の様子を見て、無理をしない程度にねじ込んでは戻し、また中へ
侵入させる。
その間にも、内腿をさすったり、舐めたりして珊瑚の快感度数を徐々に高めてやった。
すると、神楽が中へ押し込めようとすると、珊瑚もそれに合わせるかのように腰を
うねらせるのだった。

「ああ……」

ずずっと張り型の先が中に沈むと、珊瑚は桜色の唇から思わず甘い呻き声を洩らした。
まだ痛みの方が強いはずだが、鞭や縄で痛みと快感を同時に与えられ続け、どちらか
どちらか判別しにくくなってさえいたのだ。
神楽は全体の三分の一ほど潜り込ませると、ぐりぐりと回転させて膣内の襞を刺激
した。
ゴツゴツした木肌は、とろりとした液体で覆われ、珊瑚の肉襞を傷つけることなく、
それでいて十二分な摩擦と刺激を送り込んだ。

「ああう、あう……ああああ……あ、あは……あ、いや……あっ……あうう…」

珊瑚の口から艶っぽい喘ぎ声がまろびでる。
我慢しようという気にすらならなかった。
神楽は続けて半分まで埋めてみた。
珊瑚はやや眉間を寄せ、苦痛を訴えたが、それもすぐ慣れたようだった。
責める神楽は乳房や腿を愛撫しながら、とうとう奥まで埋め込んだ。

「あう……」

珊瑚はびくりと身体を震わせたが、そのまま受け入れた。
媚肉からは次々と愛蜜が零れ出る。
神楽は深くまで抜き差しするとともに、時折ぐりぐりと張り型を回し、抉った。

珊瑚は辛抱たまらず、不自由な体をうねらせて、なんとか快感を逃がそうとする。
そんな珊瑚を、神楽は舌を使って愛撫する。
乳首や晒された腋、首筋。
舐めるたびに美少女はわなないた。

とうとう張り型は珊瑚の最奥にまで届く。こつんと当たった先には、珊瑚の子宮が
あった。

「ああっ……あ、だめ……あ、あ……いや……ああ、ああ……あむぅ!」

神楽は焦らずゆっくりと挿送を続けた。
深く差し込むと、こぽこぽと愛液が泡だって漏れ、浅く抜くとずるずると引き出さ
れる張り型にたっぷりと蜜がまとわりついてきた。

珊瑚は生まれて初めて味わう愉悦に溺れ、ぷるぷると総身を震わせてきた。
爪先がかがまり、喘ぎ声が短く太くなってくる。

そろそろだと感じた神楽は、少し激しく張り型を出し入れした。
途端に珊瑚は高まった。

「あああっ……ああ、いやあ……もう、もういや……ああっ…ああっ…あっ…あ
ああ…」
「もう少しだね、そら」
「ああっ」

ぐりぐりと抉り、根元までねじ込む。
そして子壷の入り口を刺激すると、珊瑚は絶叫して果てた。

「いやあ!」

全身を真っ赤に上気させ、はぁはぁと息をつく珊瑚は、だらしなく身体から力を
抜いた。
神楽は珊瑚の耳元に口を寄せ、ささやくように言った。

「また気をやったんだねぇ、あんた。いいかい、今度こうなる時には「いく」って
言うんだよ、わかったかい?」

無論、珊瑚は答えられない。
甘く激しい悦楽で、身体中痺れきってしまっているのだ。

神楽は、ここまで人間の女を責め落としたことはなかったが、まだやりたりない
思いであった。
舌を噛みきられた怨みもあったが、それ以上に、この珊瑚という娘の感受性に
惚れ込んでしまったのである。
とことん責め尽くしてみたいと思わせる素材だった。
そして、さらなる外道な責めを施してやろうとする。
尻で感じる女にしてやろうというのだ。

今度神楽が持ってきたのは竹筒であった。
一尺ほどの長さで、太さは一寸くらいだ。
ただの竹筒ではなく、先の方には竹の枝の先端部分がくっついている。
つまり、筒の先に細長い別の筒がついているようなものだ。
もちろん節は全部抜いてある。
そして後ろには竹籤がついている。
竹籤の先には布が巻き付けられ、筒の中に入っている。
筒の後ろの節は抜いてあった。

そう、これは現代でいうところの浣腸器である。
過去の経験から、神楽は尻責めするにあたり排泄物を取り除くために肛門から薬を
入れて排便を促すことを知った。
その行為を効率的に行なうために、この私製浣腸器を作り出したのであった。

薬の方も考案していた。
とはいえ、薬というほどのものでもない。
単なる塩水だ。
これに酒を加え、澱粉を混ぜ、軽く熱した溶液である。

酒は体内から酔わせ快楽を引き出すため、そして澱粉は液体にとろみをつけて腸粘膜
を刺激する目的で混入されている。
下剤効果は塩水で期待できる。
水や白湯でも効果はあるが、塩を混ぜることで効果は増大するのだ。

神楽は痺れるような快感に酔っている珊瑚をごろりと転がし、尻を上に向けた。
そして再び菊門に媚薬を塗りつけた。
珊瑚はびくりと反応したが、まだ身体が痺れているようだった。

竹筒の中に薬液を入れると籤を少し押し込み、細い先端部から少し薬液を出してみた。
とろみも十分のようである。
神楽は、すっかりほろこんでいる珊瑚の菊座にその先を挿入した。

「あ……」

むずかるように少し腰を揺すっただけで、珊瑚はまだぐったりしていた。
だが、神楽が竹籤を押し、珊瑚の腸内に薬液を送り込むと、さすがにハッとした。

「あっ…いや、何を……」

ずーんと腹に堪える異様な感覚に、珊瑚は尻を振って嫌がった。
それでも神楽は注入を続け、一合ほどの薬を流し込んだ。
量が少なかっただけあって、腹部に感じた圧迫感は少なかったが、それでも初めての
経験であり、まるで身体が破裂せんばかりの気持ちを味わった珊瑚だった。

効果はすぐに表れた。

「あ……ああっ」

ごろごろと腸が鳴る。
腑を手づかみされるような、絞られる苦痛を感じ、珊瑚は悲鳴を上げた。
何が何だかわからない。
きゅう、と腹が締まり、それが便意だと気づかされた。

「あ……こんな……いやあ…」
「ふふ、どうだい? お腹が疼くんだろうが」
「あ、痛……おなか、痛い……」

珊瑚はじわじわとわき起こる便意と腹痛に顔をしかめた。

「あ、あむ……苦しい……あ、いや……お願い…」
「ほう、なんだい?」
「……か、厠へ…」
「厠? 便所に行ってどうしようってんだい」
「……」

さすがに言えなかった。

「おや言えないのかい。なら我慢するんだね」
「……」

便意は加速度的に膨れあがってきた。
耐えようとする珊瑚だが、生理的な欲求は我慢の効くものではない。
暴れ狂う便意に今にも決壊しそうな肛門を必死に堪え、引き締めた。

しかし限界はすぐに訪れた。

「ああもう我慢できないっ……お願い、早くっ!」
「だから何をするのか言いなってんだよ」
「ああ…」
「言えないのかい、なら…」
「ああ、だめっ……あ、う、ウンチ…」

それを聞いて神楽はけらけらと嗤った。

「そんな恥ずかしいことがよく言えるね、あんた」
「いやあ……」

激しい羞恥に気も狂いそうになるが、いよいよ便意は炸裂寸前だ。

「あ、あ……はや、はやくっ……出る、ウンチ出ちゃうぅ……」

よしよし、と言って神楽は桶を差し出した。珊瑚は大きく目を見開いた。

「これがあんたの雪隠だよ」
「そんな、いやあっ!」
「いやならしなきゃいい」

珊瑚は片時もじっとしていられない。
汗にまみれた身体をうねらせ、腰をうごめかせる。
強烈な便意で、肌は青白く鳥肌立っていた。
肛門はふっとふくらみ、慌ててすぼまる様子を繰り返している。
あらがう気力はすでになかった。

「あ……お願いぃ……さ、させて……ああ出ちゃう……」
「いいんだね、この桶にするんだね?」
「ああ……し、したい……あ、出る、もう出るぅ……」

珊瑚がうなずくと、神楽は桶を構えて珊瑚の尻に当てた。

「み、見ないでっ」

叫ぶ間もなく、珊瑚の肛門が妖しくうごめき、薬液と腸液の混合液が漏れだした。

「いやあ…」

珊瑚は泣き喚いたが、排泄は本格的に始まってしまった。
さらに大きく肛門が開き、うねうねとヒリだし始めた。

珊瑚は顔を振りたくり、尻をうねらせた。
それでも排便は続き、最後の発作が収まる頃には放心したようにくたりとしてしま
った。

神楽は、珊瑚が注入されている間、そして便意を我慢している間、ねっとりと媚肉
から蜜を滴らせていたことを見逃さなかった。
やはりこの娘は菊門に大きな性感帯があるようだ。
そして立ち上がり、ことさら桶を珊瑚に晒して見せた。

「ほれ、これがあんたがしたウンチだよ。ああ臭い臭い」
「いやああああ…」

珊瑚の羞恥を煽るべく、神楽は鼻を摘んで見せた。

「あんたみたいな娘でも、やっぱりウンチは臭いんだねぇ」

そう言って嘲笑ってやると、珊瑚は身も世もないといった風情で忍び泣くのだった。
神楽は浣腸の後始末をすると、再び珊瑚の前に現れた。

「まだまだだよ。あんたの身体にゃ、まだいっぱいしてやりたいことがあるんだ
からね」
「も……もういや……」

珊瑚は縛られた身体を這うようにして逃げようとするが、神楽は珊瑚の髪をひっつ
かんで引き寄せた。

「痛っ!」
「お逃げでないよ。今度はまた可愛がってやろうってんだから」

神楽はあぐらをかいて座り、珊瑚の上半身を自分の膝の上に乗せた。
そしてまた乳房を揉み、耳たぶを舐め、脇腹をさすって愛撫を始めた。

最初は嫌がって逃げようとした珊瑚だったが、腋を舐められ、乳首を吸われ、身体
中の性感帯を刺激されると、あっさりと崩れてしまう。
まだ媚薬が抜けきっていないのだ。

陰核をいじられ、豊かな胸乳を荒々しく揉み込まれると、かすかな喘ぎ声すら上げ
てしまう。
そしてまた神楽に唇を奪われ、舌を絡み取られると、身体を痙攣させて悶えるの
だった。

神楽は菊座への愛撫を始めた。
指の腹でくすぐるように撫でると、珊瑚は歯を食いしばってその刺激に耐える。
そしてしなやかな長い指をぷすりと肛門に侵入させると、髪を振り乱して呻くの
だった。

「ああ、そこは……だめ、やめて……ああ、あふ……」

顔を真っ赤にして身体をよじる珊瑚の口からは、神楽に対する反抗的な声は出て来
なくなってきていた。
嫌がりながらも責めに順応してきている珊瑚の肢体から、神楽は次々と隠された
性感を引きずり出していった。
指を根元まで埋め込み、ぐりぐりと拡げるような動きを見せたり、肛門の中で指の
先を鉤上に曲げて襞を刺激すると、囚われの美少女は、その刺激を求めるかのよう
に尻たぶを神楽の手に擦りつけるような素振りさえ見せるようになってしまう。

「こ、こんな……あ、あうう……や、そんな……あああ……」

堪えよう堪えようとしても、艶めかしい喘ぎ声が形の良い唇を割って出てしまう。
珊瑚は神楽が恐ろしかった。
ついさっきまで処女だった自分から、身体のあちこちに潜んでいたはずの官能を
ほじくり出してしまうとは、いかなる技量の持ち主なのだろうか。

そして自分が情けなかった。
なぜこうも神楽の手管に乗ってしまうのか。
いくら我慢しようと思っても、身体が勝手に崩れていってしまうのである。

そんな当惑を見せる珊瑚に、神楽は徒っぽい声をかける。

「気持ちいいんだろ? それでいいのさ。あんたにゃ、人妻でも味わえないような
快楽を与えてやってるんだからね、心地よくて当然さ。まぁ、それにしても、あんた
の身体が人一倍感じやすいってのもあるんだけどねぇ」

珊瑚は己の恥ずかしい心境を見抜かれて、神楽のそっぽを向いた。
口惜しそうに唇を噛んでいる。

「ふん」とひとつ鼻を鳴らすと、神楽はまた何かを右手に持った。
珊瑚が菊門責めに慣れてきたと見て、次の行為に及ぼうというのだ。

持っているのは、また例の椚だった。
しかし、先ほど珊瑚の処女膜を蹂躙したものよりは細いようだ。
長さは同じくらいだが、太さの方は一寸もないだろう。
やや反り返っているのは同じだ。
これにも、先ほどの何やらどろどろした液体を塗りつけている。

「あう……」

そして珊瑚の後門にも同じように塗った。
潤滑油の代わりなのだろう。
菊座をぬるぬるした指でまさぐられる快美にうっとりとした顔を見せてた珊瑚は、
突然の裂痛に悲鳴を上げた。

「きゃあ、痛いっ!」

神楽が細い張り型をぐっと肛門にねじ込んだのだ。
いかに膣責めした張り型より細いとはいえ、今まで肛門に入っていた神楽の指と
は大違いだ。
その太いものをむりやりねじ込まれる苦痛に珊瑚は呻いた。

「い、痛……や、痛い…そんな、だめっ…」
「これが良くなるんだよ」
「そんな……だめ、入れないで……ああっ」

いきなりはむりだったろうが、浣腸責めで爛れ、指での愛撫でとろけるようにほぐ
れていた珊瑚の肛門は、意外にもあっさりと張り型を飲み込んでしまった。

「なにが「いや」だい。簡単に入っちまったじゃないか」
「……恥ずかしい…」

ことさら神楽は珊瑚の羞恥心を煽るように嘲った。
あっさり堕ちる方が作業としては楽なのだが、最後まで嫌がり、抵抗してくれなく
ては神楽が愉しめない。
だから、ぎりぎりのところで珊瑚が理性を保てるように責めているのである。
羞恥心や屈辱感を持っていてもらわねば、責めていても面白くない。
自ら、平気で恥部や菊門を晒すようになってはつまらないのだ。
神楽は、珊瑚の肛門に飲み込ませた張り型を操り始めた。

「ああ、いや…う、動かさないで……ぬ、抜いて……あ、そんなの……あう、あ
あう……」

神楽は張り型を中に押し込み、また浅く戻す。
同じ調子で抜き差しを繰り返し、珊瑚の美肛を挿入になじませようとしていた。

いきなり肛門だけでは気をやれまいから、口や左手を使って他の場所を責めること
も忘れない。
菊門への責めに感応しているのか、乳首や陰核はぴんと屹立し、媚肉からは布団に
染みが出来るほどに淫蜜が垂れている。
全身が性感帯といっても良いくらいの敏感な身体だが、特に内腿と腋の反応が強か
った。
内腿を撫でたり、晒された腋に舌を這わせると、大きく喘いで膣からは噴き出す
ように愛液が零れてくるのだ。

「ふふん、嫌がったりしてもホントは感じているんだろう? なんのかんの言って
も、ほれ、こんなに濡れてるじゃないのさ」
「ち、違……いやあ……」

珊瑚は羞恥に顔を染めて頭を振った。
無論、菊門責めに順応していることもあったが、実のところ、神楽が他の部位も並行
的に責めているから余計に恍惚を感じているのである。
もっとも、珊瑚がそれに気づく余裕はない。
肛門を抉っている張り型は、もうすっかり珊瑚の中に埋没していた。
神楽は椚の張り型を、真っ直ぐだけでなく斜めに突っ込んだり、尻の穴を拡げるよう
にうねらせたりして、珊瑚の口から喘ぎとも呻きともつかぬ甘い声を絞り出す。

「あう、ああう……や、だめ……んあああ……うっ……あ、あ……んんんん……ん
っ……」

反応の良さにつられ、神楽はぐりぐりと張り型をねじ込んで珊瑚を追い込んだ。
珊瑚は懊悩の極致だった。

椚のごつごつした木肌で敏感な肛門や腸内の襞を擦りつけられると、たまらない刺激
が背筋を走り抜けた。
びりびりした怖ろしいほどの官能のうねりが、頭を突き抜けそうだ。

神楽は顔を珊瑚の股間に挟むように入れ、右手で張り型を操って肛門を抉り、唇で
割れ目の上に鎮座する肉芽を嬲った。
双方から怒濤のように流れ込む圧倒的な快美感に、珊瑚はそれこそ背骨が折れそうな
くらいに仰け反って反応した。
椚を腸内の最も深い箇所にまで送り込み、陰核を思い切り吸い、舌でぶるぶると弾い
てやると、珊瑚はたちまち達してしまった。

「ああ! あ、もう、いやあ! あっく、あああああっ!!」

媚肉から噴き出た愛液を顔に浴び、尻の穴に突っ込んだ張り型がきりきりと締め付け
られたのを感じて、神楽は
珊瑚が激しく絶頂を極めたことを知った。

「あらあら、またいっちまったのかい? だめじゃないか、いく時は「いく」って言
わなきゃさ」

はぁはぁと甘い息を吐き、目を固く閉じている珊瑚は、それに答えることも出来ない。

「それにしても、あんた尻の穴で天国へいっちまったんだねえ。見かけに寄らず好き
者だってことかい」

珊瑚は、あははと嗤う神楽を悔しそうに見たが、それも一瞬だった。
気力も体力も尽きかけているのである。

「ん?」

神楽は障子から洩れる光がだいぶ薄れていることに気づいた。

「やれやれ、だいぶ手間取っちまったね。今日はこれまでだ。仕上げといこうかね」

手間取ったのは、珊瑚のせいというよりは珊瑚を責め堕とすのを愉しんでいた神楽
の方に、より大きな責任があるわけなのだが。

汗と愛液ですっかり湿った布団から立ち上がった神楽は、また何やら持ってきたようだ。
桶と擂り粉木らしい。
桶の方には例の液体が入っている。
実はこれ、尻の穴専用の潤滑油なのだ。

この時代、男性の同性愛はさほど珍しいことではなかった。
道徳倫理から見ても、特に禁忌ではなかったのだ。

織田信長と森欄丸、その兄弟、あるいは武田信玄と高坂昌信など、小姓などと言っ
て、武将、武士の間ではむしろ連帯を強める効果すら認められていた。
そうでなくとも、戦場の陣では女性皆無。
となると、陣中での性交となるとどうしても同性愛しかなくなるわけだ。
もっとも、同性愛に興味を示さぬ者も多かったから、必ずそうなるとは限らなかっ
たが。

神楽は、お尻で極めてしまったことを恥じているらしい珊瑚を見て言った。

「そう恥ずかしがることはないさ。別に珍しいことじゃないんだよ。侍どもが衆道
に走るのはあんただって知ってるだろ? 女だってここを責められて感じるのは
不思議じゃないのさ」

神楽は話しながら作業を続ける。
桶に溜まった潤滑液に擂り粉木を浸し、盛んに塗り込んでいる。

「ちょっと大きな町へ行ってみな。そこにゃ郭がある。でもね、郭ってのは女ばか
りじゃないんだ。少年に客を取らせるような店もあるのさ。もちろん男の子だから、
尻の穴を使うしかない。けど、まだそんな経験のない子にゃ無理な話さ。そこで
使うのがこいつなんだよ」

擂り粉木にとろとろした液体を垂らして見せた。

「こういう木の栓を日がな一日、尻に入れておく練習をしたのさ。最初は小さな棒
で、だんだんと太くなるようにね。そうして三月も鍛えれば、もう客に出せると
いうわけだ」

神楽は、とろとろを珊瑚の肛門に再び塗り込む。
珊瑚は縛り上げられた身体をよじって呻いた。

「ただね、いきなりこんな棒っ切れを突っ込んだんじゃあ痛くってしようがない
だろ? それでこういうのを塗ったのさ。なに、心配しなくても毒じゃない。
さっきみたいな薬でもないさ。トロロアオイってあるだろ? あれだよ。あれの
根っこを切るととろっとした粘液が出てくるんだけど、普通は紙を漉く時のつなぎ
として使うらしいね。ここいらではよく作るらしいよ。そいつを集めて水で薄め、
香料を混ぜたのがこれさ。なに珍しいもんじゃない。町で店へ行けば売ってる
ものさ。つまり、あたしがこしらえたもんじゃなくて、あんたら人間が作った
もんだよ」
「……」

たっぷりとトロロアオイの粘液をまぶした擂り粉木を取り出すと、神楽は珊瑚の
肛門に押し当て、一気に押し込んだ。

「あう……」

珊瑚はぶるっと震えたが、驚くほどあっさりと飲み込んでしまった。
嬲られ愛撫された菊門がすっかりほぐされていたこともあるが、粘液の効果も十分
にあったのであろう。
まさに、つるりと滑るように入った感じだ。

「……は、恥ずかしい……」

珊瑚は顔を伏せ、羞恥で赤くなった首筋を露わにしてつぶやいた。

「恥ずかしがるこたないさ。あんたの持ち物が男泣かせの素晴らしいものだってこと
じゃないか」

神楽はそう言って嗤うと、脱ぎ捨てた着衣を持った。

「さて、あたしは湯殿を使わせてもらうよ。あんたは少々窮屈だろうけど、そのまま
休むといい。明日の朝、尻に入れたのを取りに来てやるからね」




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