「どう、全部出し終わった?」
「……」

もう答える気にもならず、不二子は激しい羞恥に責め苛まれていた。
散々苦悶させられた肉体は、まだ痙攣している。
白かった肌はほんのりと赤く染まり、汗でぬらぬらと淫らに輝いていた。

「うふふ、苦しんだ後は快楽ね。お姉さま、あたしの想像以上に頑張ってくれた
からご褒美あげちゃう」
「い……」
「え?」
「い、いらない……もう何もしないで……放っておいて……」
「んなわけにいかないわよ。裏社会随一の美女がここまで無防備な格好で、あられ
もない姿を晒してんだもの。何もしないわけにいかないでしょ」
「も、もう勘弁してよ……」
「あらら、音を上げちゃうの? つまんなーい、もっと抵抗してよ。あなたも天下
の峰不二子なら、もっとプライド持ってよ」
「……」

何を勝手なことを、と不二子は思った。
そのプライドや矜恃を打ち砕こうと、凄惨で無慈悲な性拷問を加え続けたのは誰
なのだ。
男は、気の強い美人が抗いつつも屈服してしまう光景を夢想し、欲情するらしいが、
どうもこの少女も同じ嗜好を持つらしい。

「ね? だから簡単に屈しないでくれる?」
「か、勝手にしなさいよ……」
「ええ、勝手にさせてもらうから。よーし、次はいよいよセックスよ。こないだは
つまんない若造相手で失礼しちゃったから、今度はホンバンで思いっ切り気をやら
せてあげる。ランディ相手なら、きっとお姉さまも満足だわ」

不二子は少女と会話していたが、凄まじい恥辱責めによって精神的に麻痺してしま
い、虚ろな状態のままだった。
責め手の青年がいったん不二子の拘束を解いたが、反撃しようという気にもならな
かった。
この身体の状態でランディを倒せたとしても、すぐに少女からの反撃を受ける。
不二子の脳裏に、さきほどの会議で無造作に部下を射殺したアキラが思い起こされた。
腿に巻いているらしいホルスターから目にも止まらぬスピードで拳銃を抜き、一瞬
で3発も発射したのだ。
あの腕なら、この距離から不二子の額を撃ち抜くことなど造作もないだろう。

不二子はランディにベルトを外されると、軽く「ああ……」と呻いただけで、され
るがままになっていた。
そのまま仰向けにされ、両脚をぐっと持ち上げられる。
その両足首には、また革ベルトが巻き付けられ、それが天井から下がったチェーン
フックに繋げられた。
寝そべった状態で大股開きにされ、それを頭の方に引き寄せられている。
お尻や背中が浮くほどに引っ張られていた。
両手は拘束されず自由になっている。
この状況で逃げられると思ってはいないのだろう。
実際、脚は吊られているのだから、不二子のその気があっても逃げようはない。

浣腸悪夢のような連続浣腸による徹底した肛虐で疲労しきった不二子だったが、いき
なり正気に戻らされた。
目の前で下着まで取り去った青年を見て、唖然としたのである。

「あ、あなた、それ……」

信じられないものがそこにはあった。
全裸になったランディは、ごく普通の印象の白人男性である。
ブラウンの髪、やや黄みがかった青い瞳。
肌は白いというより赤い。
中肉中背で、目立たぬタイプだ。
しかしそれは、あくまで服を着ての話だったようだ。
彼の股間には、本来ひとつしかないはずのものが二本もぶら下がっていたのである。

「驚いた? 彼はね、ペニスが二本もあるのよ」
「まさかあなたたち……」
「あらら勘違いしないでね。お姉さま、もしかしてあたしたちがランディの身体を
いじくってくっつけたと思ってるんじゃなくて?」
「ち、違うの?」
「違う違う。彼、生まれつきなのよ。そうよね、ランディ」

アキラの声に、青年は黙って頷いた。
陰茎部の外形的奇形らしい。
滅多にあることではないが、巨視的な観点に立てば、これがないわけではない。
こうした場合、大抵は赤子の頃に切除手術をしてしまう。
産まれた時からあるのだから当然だろう。
ランディのように、成長してもこの状態にあるケースは珍しい。

「ランディは、これが原因でいじめられたりして仕事につけなかったらしいのね。
それをあたしが拾ったわけ」

アキラの説明を聞き流しながら、不二子はそこから目を離すことが出来なかった。
大きさはそれほどでもない。
もう勃起しているが、20センチはないだろう。
日本人なら巨根の類だろうが、欧米人であれば平均的だ。
異様なのはそれが二本並んでいることだ。
横に並んでいるのではなく、上下(というか前後)のようだ。前のペニスに隠れて、
その後ろにももう一本ある。
見たところ、前の方より後ろの方が長いようだ。
その分、太いのは前で、後ろはやや細い。
直径は前が5センチ、後ろが3.5〜4センチくらいか。

「ランディ、あなたのそれって両方とも射精できるのよね?」
「……はい」
「ふうん。一緒に出たりするの?」
「どのようにでも」

つまり、自慰する時などは、一本ずつすればそれぞれ射精できるし、二本しごけば
同時に射精することも可能だということのようだ。

「……だってさ、お姉さま。どうする? 二本まとめてオマンコに入れてもらう?
やっぱり、オマンコとお尻と同時挿入がいいかしら?」

不二子の美貌に、明らかな嫌悪感が浮いていた。
アキラの提案が両方ともおぞましいものであったのに加え、ランディのようなペニス
で犯されるということへの恐怖もあった。
彼はれっきとした人間であり、おかしな医療改造されたわけではない。
もちろん彼の意志でそうなったのでもない。
こうした奇形は絶対に彼の責任ではない。
それは不二子にもわかっているが、それでも彼のような異形の者に犯されるという
違和感や恐怖はぬぐい去れない。
ランディがふらりと近寄ってくる。
不二子は叫んだ。

「やめて、来ないで!」
「今さら何よ。こないだの余裕はどうしたの?」
「そ、それとこれとは別よ!」
「同じよ。セックスされることに変わりはないわ。それとも何? やられていかさ
れるのがいやなの? こないだはGスポットをぐりぐりされていっちゃったくせに。
電マでも死ぬほどいったじゃないの。浣腸されてオマンコ濡らしたりしてさ」
「……」
「ランディ、お姉さま少し醒めちゃったみたいよ。まだ軽くいかせてあげれば? 
それからやんなさい」
「は」
「やっ……いやっ!」

まんぐり返しのまま腰を振りたくって嫌がったが、かえって淫らな姿をさらしてしま
っただけだった。
青年は落ち着いて不二子の脚を押さえ、開かれた媚肉に指をあてがう。

「ひっ……!」

さっきいかされた恥辱と、その快楽が蘇ってくる。
ランディは何のためらいもなく、不二子の膣に中指と人差し指を挿入した。
するっと飲み込まれた二本の指は、またしても不二子のGスポットを発見し、そこを
さすりあげた。

「んんっ!? あっ、だめ……そ、そこはあっっ……!」

不二子は身体をぐうんと仰け反らせた。
二本の指が協力してこりこりとスポットを擦り、なぞる。同時に、外にいた親指が
クリトリスをぐっと押しつぶした。

「くはあっ……!!」

不二子は激しく身体をのたうち回らせ、ほとんど瞬時に達してしまった。
潮が噴き出し、シーツと青年の腕を汚す。

「はい、お姉さま、早くも二度目のノックアウトね」

アキラはけらけら嗤いながら言った。
不二子の方は、まだ全身をびくつかせている。
こんな強引な絶頂は初めてだった。
感じやすい身体だという自覚はあったが、それも女の価値だと思っていたから、
あまり気にはしなかった。
籠絡されやすい欠点もあるが、逆に言えば、セックスを愉しめる肉体でもあるのだ。
それに不二子ほどの理性や精神的な強靱さを持っていれば、そうそう性に溺れる
ことはなかった。
事実、これまではほとんどなかったのだ。
それが、こうだ。
Gスポットを見つけられ、そこを立て続けに責められたことなどなかったのである。

抱かれるにしても、仕事の一環として、自分から誘って、そしてレイプの際、その
いずれも最終的には不二子が主導権を握ってきた。
最初フィルたちに凌辱された時のように、男の絶頂を不二子の方がコントロールして
きたのである。
なのに今回は、不二子の意志などお構いなしに気をやらされている。
追い詰められているのは彼女の方であった。
媚肉がひくひくと波打って、膣口からは蜜が漏れ出ていた。
それを見てアキラが頷いた。

「そろそろいいんじゃない?」
「……」

ランディは静かに頷くと、不二子の股間に身を置いた。
まんぐり返しされて拡げられた腿の裏に手をあて、そのままぐっと前に押す。
そして上側のペニスを媚肉にあてがった。
すでに何度か気をやり、そこはぐっしょりと濡れている。
挿入には何の妨害もなかった。

「んっ……んんんっ……!」

膣を押し広げて太いものが入ってくる感覚に、不二子は仰け反った。
ランディのペニスが、ずぶずぶと不二子の媚肉の中に飲み込まれていった。

「あ……かはっ……!」

カリのエラが膣内を擦った刺激だけで、不二子は全身をわななかせた。
持ち上がった尻がぶるぶると震えている。
青年が腰を使い出すと、不二子の口から甘い吐息が漏れ出てきた。

「あっ、は……あ……あ、あ……うっ……」

下から突き上げられ、不二子の裸身はゆらゆらと揺さぶられている。
浮いた尻の谷間を、青年がそっと割り開く。
その底にある不二子のアヌスを指で剥き出した。
そのままランディの指が肛門に添えられると、不二子は慌てたように喚いた。

「ちょっ、どこに……!」
「お尻よ。決まってるじゃない」

ランディの代わりにアキラが平然と答える。

「お、お尻って……」
「だって、彼、せっかくペニスが二本もあるのよ? 両方使わなくちゃ意味ない
じゃない」
「バ、バカなこと言わないでよ!」
「あらら、もしかしてお姉さま、お尻は初めてなの?」
「……」

答えたくなかったし、その義務もない。
不二子は悔しげに口をつぐんだ。

「ま、どっちでもいいわ。初めてだったら教えてあげるし、経験済みだったら愉し
めばいいでしょ」
「いやって言ってるでしょう!」
「あら、そう? じゃ、二本まとめてオマンコに突っ込んでもいいのよ」

それを聞いて不二子の美貌が青ざめる。
平均的サイズとは言え、二本も膣に入れられたら裂けてしまうに決まっている。
そうじゃなくとも、不二子のそこは狭隘で締まりが良いのだ。
直径5センチのものが二本も入るわけはないのだ。

「うふ、怖いのね。顔が白くなったわよ。ま、それはいずれするかも知れないけど、
今日は勘弁してあげる。だからお尻はもらうわよ」
「やっ! そんなことやめて!」
「お尻も怖い? それとも二本刺しがいやなの? ま、いいわ。ランディ、念のため
にお姉さまのアヌスにもお薬塗ってあげて」
「は」

青年は、少女に指示された通り、指で媚薬をすくい取ると、それを不二子の肛門に
塗りたくった。
その冷たい感触に不二子が悲鳴を上げる。

「きゃっ! やめてよ!」

そんなところ触られるという羞恥に加え、あの薬を塗られているというおぞましさ
に、不二子は震えた。
ぷりぷりと逃げるように蠢く不二子の尻をこじ開け、アヌス周辺をゆるゆると揉み
ほぐしていく。
ぬらぬらとした感触が、臀部の谷間全体に広がった。
ランディの指の動きと、次第に切なくなっていくアヌスの感じに戸惑いつつ、不二子
は両脚を踏ん張るようにして、その感覚に耐えていた。
それでも、やはり快感はあるらしく、不二子の吐息が荒くなっていく。

「んんっ……あっ……し、しない、で……あ、あむっ……」

男は何度も何度も不二子の後ろの穴に媚薬をたっぷりと塗りつけていく。
だんだんと緩くなっていく肛門の中に指が侵入していく。
そして直腸の襞にまで媚薬を塗り込んだ。
アヌスがとろけてきていた不二子はそれには気づかず、ただお腹の中がむず痒い奇妙
な感覚を感じ取っていた。
尻たぶがぷるぷると震えてきていた。
アヌスや直腸に塗布された薬が効果を出してきているらしい。

なおも青年は不二子のアヌスに指を入れ、中にしっかりと塗っている。
今では二本の指を飲み込むようにすらなっていた。
不二子に痛みはないらしい。
それを興味深そうに見ながらアキラが言った。

「へえ、もうすっかり柔らかくなってきてるわね。お姉さま、ホントにお尻の経験
ないの? 慣れてる風に見えるけど」
「や……違、う……あっ……んんっ……」
「ふうん。でも、それだけほぐれてればだいじょぶそうね。わかってる? もうお姉
さまのお尻ったら、ランディの指を二本もくわえこんでるのよ」
「い、やっ……あ、熱い……お、お尻が……ああ……」
「熱くなってきた? アヌスもお尻の中も? 気持ちよくなってきたってことよ。
じゃあ頃合いね」
「ああ、もう……お尻の中が……変よ……」
「欲しいんでしょ? いいわよ、してあげても。だからちゃんとランディにお願い
しなさいね。「峰不二子のお尻を犯してください」って」
「く……」
「あらら、言えないの? じゃあお預け」

アキラは徹底的に焦らして、不二子を屈辱と羞恥の海に沈めてやろうと思っていた
のだが、別の方から要望がかかってきた。

「ア、アキラさま……」
「ん? あ、あんたがもう我慢できないか」

ランディが呻いてアキラを見ていた。
不二子の中にまだ入れないでいるもう一本の肉棒がひくつき、物欲しげにだらだらと
カウパーを垂らしている。
考えてみれば無理もないことで、一本は不二子の膣に挿入されている。
その中で襞に締められているに違いないのだ。
今にでも動きたいのに、それを止められている。
しかももう一本は中にも入れずにいる。
これでは両方とも入れずに待っていた方がマシなくらいだ。
アキラはけらけら笑ってそれを許した。

「仕方ないわね、ま、いいわ。あんまり簡単に堕ちてもらってもつまらないしね。
ランディいいわ、好きにやって」

その声に従い、ランディは下の肉棒を摘み、不二子のアヌスに押し当てた。
ぬめりと熱くて硬い感触に、不二子は脅えて首を何度も振りたくった。
膣を犯しているものを同等のものがお尻を犯そうとしている。
それだけでもいやだったが、今は媚肉を犯されている最中である。
ここに、さらにアヌスまで犯される。
排泄器官に入り込もうとしている肉棒の太さに震え、不二子は叫んだ。

「いっ、いやっ……やめて、しないでよ! お、お尻はいやあ!」
「お姉さまに拒否権はないの。おとなしく犯されなさいよ。ま、少しくらい嫌がって
くれた方が萌えるんだけどね」
「いやいやっ……そ、そんなの入るわけないでしょっ」
「だいじょぶよ。お姉さまのそこ、とろけてるわ」
「いやあ!」

不二子の腰が逃げようとするが、媚肉にペニスの杭が打ち込まれていて、ろくに動け
ない。
ずり上がろうとするのを押さえ込んで、男はゆっくりと腰を押し進めていく。
不二子の肛門がじわっと開きはじめ、肉棒がめり込むように沈んでいった。

「あ、ああっ!? あっ、く……いやあっ……はっ、はああっ……あ、あむむ……」

強気の不二子が泣き叫ぶように喚いた。
涙こそ流していないが、ここまで恥辱的なレイプは初めてなのだろう。
もちろんそんなことに頓着する連中ではない。
ランディはそのままペニスを腸の奥へと押し込んでいく。
前に挿入しているペニスが受ける圧力とは、また違った肉感が締め付けてきた。

「あらら、入る入る。やあだ、どんどん入っていくわよ、お姉さま。いやだいやだ
って騒いでるけど、ホントは気持ちいいんでしょ?」
「いやっ……いやでいやで死にそうよ! さ、さっさと抜きなさ、ああっ……!」
「抜きなさいってことはないでしょう? お姉さまが命令できる立場だと思ってん
の?」

アキラと不二子が言葉でやり合っている間にも、ランディのペニスは肛門に埋め込
まれていく。
ランディの腹がぺたんと股間に当たり、根元まで埋め込まれると、不二子のアヌスは
はち切れそうなほどに拡げられていた。

「わあ、すごい。全部入ったわ。血も出てないし……」
「はっ……はああっ……や、もう……く、苦しいわ……こんな……」
「そりゃ苦しいでしょうね。オマンコにもお尻にもペニスくわえ込んでるんだから。
お腹いっぱいじゃない?」
「ぬ、抜いて……ああ……」
「でも、あんまり痛くなさそうじゃないの。初めてやられてるのに痛みがないなん
て、お姉さまアナルセックスに向いてるんじゃない?」

確かに痛みはあまりなかった。
ランディが執拗にアナルマッサージしたこともあるし、クリームをたっぷり塗られた
ことも一因だろう。
それが媚薬であればなおさらである。
不二子が肛門を犯されたのは初めてなのかどうかはわからないが、慣れている風には
見えない。
その状態でいきなりアヌスを犯されたのだから、本来であれば張り裂けそうな苦痛に
責め苛まれるはずだ。
それがなかったのはランディのお陰だろうが、そもそもアヌスを犯されること自体
お断りなのだから礼を言う気にもならない。

「でも、楽々全部入っちゃうなんてすごいわ。よっぽどお尻の伸縮性がいいのね」
「う、るさ、い……あ、あう……やめ、やめさせて……ああ……」

ランディは、根元まで埋め込んだペニスをずるずるとカリまで引き抜いた。
そして一気に突き立てる。

「ひぃ!」

直腸をごりっと削られる感覚に、不二子はぐぐっと肢体を逸らせて悲鳴を上げた。
その反応がランディを満足させたのか、彼は何度もそうやった。
引き抜く時はゆっくりと、そして埋め込む時は一気にずぶっと突き立てる。
抜かれる際に、広がったカリで腸内の襞が擦られ、素早く奥まで突き込まれると襞が
こそげ取られる。
両穴を埋め尽くされ、もがき苦しむ不二子を見て、アキラは含み笑いしつつ見ている。

「うふふ、いいわよ、その反応。どう、お姉さま。アナルセックスって、抜かれる時
が気持ちいいでしょ?」
「し、知らな、あう!」

青年が本格的に責めだした。
前後の穴が同時に抉られ、不二子は全身を揺さぶられて呻いた。

「ひっ……くぅあっ……あ、あうっ!」

狭いふたつの女穴が太い男根に埋め尽くされ、軋んでいく。
アヌスや膣の悲鳴を不二子が代役しているかのように、苦しげな喘ぎ声がした。

「く、るしい……あっ……苦しいのよ……ああ、いや……やめて……んくっ……」

両穴責めに脅えているのか、不二子が括約筋を締めてきた。肛門を犯されるのを拒も
うとしているらしく、腰に力が入っている。
そんなことをすれば、かえってきつさと苦しさが増し、不二子自身を苦悶させること
になる。アキラが言った。

「お尻をやられるのがいやなのはわかるけど、そんなに力んだら余計に苦しいわよ。
お尻の力を抜いたら?」
「よ、余計なお世話……あくっ……」

青年は、何度か不二子の尻を叩き、力を抜くように促している。
尻たぶを割り、肛門を剥き出しにした。
そうすると、ぶるぶると震えている臀部から力が抜け、ようやく少し楽になった
ようだ。
それでも不二子のアヌスは、もう精一杯という感じで太い肉棒を懸命にくわえて
いた。
媚肉も肛門もほぐれてはいるものの、それぞれにペニスを飲み込まされているため
の圧迫感はかなりあった。

「あ、あむ……きつ……きつい……。あ、あっ」

苦しがっていた不二子が、突然、甘い声で呻いた。
青年が、彼女の乳房に口をつけていたのである。
苦悶する美女もいいが、やはり官能に悶えて欲しかったのだ。
アキラもそれを望んでいるだろう。

ランディは不二子の乳首に舌を這わせ、それを押しつぶすように愛撫した。
ぬらぬらと唾液で濡れた乳輪外周をなぞるようにして舌を這わせつつ、ぷくんと
形良く立った乳首を刺激する。
舌でこね、唇でねぶり、歯で囓る。
硬軟織り交ぜた巧みな愛撫で、不二子の快感が高まってくる。
乳首から来る快楽が、下半身の息苦しさときつさを、大きなもので埋め尽くされる
充実感へと変化させていく。
青年が乳頭をちゅっと吸い上げると、不二子は胸を反らせて喘いだ。

「ああっ……!」

さらなる愛撫を求めるように乳房を男に突き出し、腰を捩る。
ごろごろとお腹の中で硬いペニスが動き回り、それすらも快楽へと変えていった。

「や、は……あ……あああ……」
「お姉さまったら、声までとろけてきたわよ。感じてるのね?」
「あ、ああ……あう……」

アキラのからかいにも応じられず、不二子は胸と膣、そしてアヌスからの愉悦に流
されていく。
少しずつ不二子の腰から余計な力が抜けてきて、ペニスをきりきりと締めつける一方
だった肛門も緩んでくる。
食い締めたり、ふっと緩んだりと、微妙な動きをみせてきていた。

「あっ……あふあ……」
「気持ちいいの、お姉さま」
「ま、まだきつい……わよ……あっ……で、でも……」
「でも?」
「ああ……」

不二子の声は、苦悶する呻き声と快美を示す喘ぎ声が入り交じっていた。
ランディは、アヌスの括約筋が緩むと、一気にぐいっと腰を突き上げ、締まると、
それをふりほどくようにして引き抜いた。
当然、媚肉側も同じ運動をさせられている。
そうしているうちに、不二子の肛門がランディの意志通りに動くようになってきた。
彼が深く貫こうとすると緩ませ、奥まで突かれるときゅっと締める。直腸内の襞も、
ようやく男根に馴染んできたようだった。
そのせいで、上下のペニスの抽送もスムーズになっていく。
同時にずぶっと奥まで突かれ、一緒にずるっと引き抜かれる。
不二子は「はあはあ」と荒い息遣いのままだったが、その声色もだんだんと甘く
妖艶になってきていた。

「よくなってきたのね?」
「ああ、いや……あ、あ……うむう……はうっ……」

媚薬の効果なのか、媚肉内もアヌスや直腸内も、じんじんと燃えるように熱い。
じっとしていられないくらいに、むず痒い。
それが、硬直した怒張で抉られると一気に解消されていく。
そのうち、本来の性的快感までが呼び起こされてくる。
それは、責めるランディにも感じられていた。膣の方はもちろんだが、肛門を犯して
いる肉棒の方にも、直腸の襞がまとわりついていきている。

「あ、あうう……お尻……ああ、お尻が熱い……」
「それって気持ちいいってことなのよ、お姉さま」
「い、いや……あっ、奥までっ……!」
「奥まで来てるの? どっちが? オマンコ? お尻?」
「ああ……両方よ……ん、んむっ……」

すっかり甘い声になっている不二子は、肩を弾ませて喘いでいる。
そこには演技臭さは一欠片もなかった。
不二子の意識は、口で愛撫される乳房と、二本の男根に支配されている膣と肛門に
集中していた。
前後同時にずぶりと突き通されると、後ろは肛門粘膜が、前は媚肉周辺の粘膜が、
突っ込まれる男根とともに中に巻き込まれていく。
ずるっと一緒に抜かれると、へばりついた直腸内の襞と膣内襞が、ペニスとともに
めくれあがってくる。
見えないのにそんな光景が不二子には想像できてしまう。
腸の襞も胎内の襞もランディの肉棒に悦んで絡みつき、ぴくぴくと蠢いて甘美な
刺激を与えている。

「あ……くうあっ……あ、もっ……いっ……」
「え? 「いい」って言ったの、お姉さま。お姉さまったら」
「い、言って、ないっ……そんなこと、言って、あああっ……」

すんでの所で不二子は踏みとどまっている。
二本のペニスを持つ男に、媚肉とアヌスを同時に犯されるという異常な状況に、
肉体は反応してきてしまっている。
それでも、見物しているアキラへの反発もあって、感応してしまっていることだけ
は口にしたくなかった。
だが、感じているのは明らかだ。
腰と言わず太腿と言わず、ぶるぶると小さく痙攣している。
二の腕や首筋に、ざあっと鳥肌が立つ。
あまりの快感に、身体だけは従順に反応しているのだ。

ランディは腰を捻るように回転させたり、腰を密着させて突っ込んだりして、不二
子を喘がせている。
特に、腰を上下に振りながら挿入すると、不二子の反応が際立った。
後ろから入ったペニスと媚肉を犯しているペニスが、上下に腰を揺さぶられること
によって、薄い壁を隔ててぶつかり合うのだ。
二本の肉棒が内部でゴツゴツとぶつかると、不二子は切羽詰まったような喘ぎ声を
出した。

「いひぃっ……! あ、それいやあっ……くっ……な、中で……中でごろごろして
るっ……ぶ、ぶつかってるのよっ……う、動かないでよっ……あぐうっ……」
「中でごろごろしてるって、それおちんちんのこと? お姉さまのお腹の中で、
ペニスが二本もごろごろしてるのよね、あはははっ」
「やっ……あ、あうっ……」
「どんな感じなの、お姉さま。同時に二つの穴を犯されるのって」
「くっ、くうっ……お尻、だめっ……う、うむっ……ひぃっ……」
「だめ、だめって言いながら、何よ、その感じっぷりは。オマンコもお尻もびしょ
濡れじゃないのよ。気持ち良すぎてダメなんでしょ?」

不二子は顔を赤く染めてぶるぶると頭を振った。
地毛か、それとも染めたのか、ダークブロンドの髪が宙を舞う。
汗が飛び、細かい飛沫が金髪に混じり、幻想的な美しさだ。
薄い壁で仕切られているふたつの女穴は、内部でごりごりと擦れ合って不二子を
狂乱させた。
不二子の穴も、二本のペニスをしっかりと食い締め、内部の襞で締め付けている。
盛んに抜き差しされる前後の穴からは、ぼたぼたと粘液が滴っていた。

「ぐっ……ぐうううっ……は、激しっ……お尻っ……そんなに動いちゃだめえっ
……!」

ランディは腰を捩り、直腸の襞をこそぐようにして抉っている。
もちろんそうすれば、膣の方も同じように抉られる。

「お、お尻っ……熱いっ……あああっ……」
「あらら、そんなにお尻がいいのかしら? 初めてなのに、そんなにお尻が感じる
の? まるでオマンコみたいなアヌスなのねえ」
「あ、あっ……そ、そんな、こと、あうっ、な、ない……わ……ぐうっ……いっ…
…」

不二子は言葉では否定しながらも、その肉体は官能の炎を燃え立たせていく。
責め続けられる不二子の媚肉と肛門は、ひくひくとわなないていた。
それを振り払って腰を突き上げ、媚肉と直腸をかき回すランディ。

「い、いうっ……う、うんっ……やっ……あはあっ……」
「頑張るわね、お姉さま。そこまでよがっていて、まだいかないの?」
「だ、誰がこんな……ことでっ……ひっ……」
「喘ぎながら言わないでよ。いくなら遠慮なくいっていいのよ。ちゃんと「いく」
って言ってよね。「気持ちいい」とも言って欲しいな」
「ぜ、絶対にっ……言わな、いっ……あうむっ……」

妙齢の美女怪盗は、二穴を責められつつもなかなか屈服しなかった。
いざという時の粘りや、ここという時の二枚腰は、さすがに峰不二子だった。
だが、そういう意志の強い女、気高い美女を堕とすのが楽しいのだ。
肉棒を打ち込まれて喘ぐ不二子を見ながら、アキラはもうこの辺でいいか、とも
思った。
まだ時間はある。
堕とすのはだんだんとやった方が愉しみが長引くというものだ。
前回は、まったく子供扱いされただけに終わった。
今回は、曲がりなりにも不二子を反応させたのだ。
最後まで持っていかずともいいだろう。
いかせるだけいかせて、恥をかかせればいい。
そのことを口にして屈服させるのは、また今度だ。

「あああっ……あっ……も、やっ……やめ、てっ……」
「あら、どうして? 気持ちいいんでしょ?」
「や、違……うっ……、あ、ああっ……、お尻っ、おかしくなるわっ……熱いっ…
…」
「熱いのはお尻だけ? 気持ちいいのはお尻だけなの? オマンコだってそうで
しょ?」
「ああっ……ああ……そ、そうよ……ま、前も熱くて……あ、あうう……」
「「前」じゃなくて「オマンコ」って言って欲しいなあ」
「い、や、よ……いっ……」
「頑固なのねえ。ま、いいわ。ランディ、最後までやっちゃって。あ、ちゃんと
いかせるのよ」

青年は頷くと、不二子の胸から口を離し、その腰をしっかりと抱え込んだ。
一緒に突き込むばかりでなく、上下を少しずつずらして突くというテクニックも
見せた。
腰を下から突き上げると、アヌスの方には深々と入るが、媚肉の方は浅くなる。
逆に、上からのしかかるようにして腰を使うと、膣の方には根元まで入り、肛門の
方は途中までしか入らない。
それを交互に繰り返し、不二子の口からよがり声を絞り出していた。
不二子は両方の穴への新たな刺激に翻弄され、大きく身悶え喘ぎだした。

「ああっ、くうっ……ん、む、むうっ……くうあっ……いっ……だ、だめえっ…
…ひっ……」
「だめ、じゃないわ。いってもいいのよ、お姉さま」
「いやっ……そ、んなことっ……」

ランディはさらに動きを変えた。
突き上げる一方だったものを、腸内や膣内を撫で回すかのように腰を回転させた。
ペニスが大きく動き出し、アヌスや媚肉を拡げるように回っていく。
男のグラインドに、不二子は途切れそうな悲鳴と喘ぎを交互に上げて、ぐぐっと
全身に力が入った。
いきそうになっているらしい。
それでも目尻に力を入れて歯を食いしばり、何とかそれを堪えていた。
ここまで頑固だったとは思わず、アキラも少々呆れたが、もう時間の問題だった。
不二子の方からも動いているのだ。
大きな尻を振って、ランディの腰の動きに合わせている。
膣を強く打ち抜かれ、肛門深くまで抉られるたびに、不二子の肉体は性の喜悦に
打ち震えた。
サンドイッチに責められているわけではないのに、穴をふたつ塞がれている倒錯
感に、さしもの不二子も精神も溶解してくる。

「あ……あっ……あ、もう……もうっ……」
「いくの? いくの、お姉さまったら」
「いっ……あっ……も、もうっ……」

不二子は切羽詰まった喘ぎを揚げつつ、尻をぶるぶると痙攣させた。
青年も「ここだ」と思ったらしく、がしがしと一層激しく腰を打ち込んできた。
奥まで貫かれ、内部を擦られ、抉られるふたつの穴からは、とめどないほどに腸液と
愛液が溢れてきている。
不二子の全身に鳥肌が走り、ぐぐっと両手を握りしめた。
快楽に翻弄されっぱなしだった肉体に、最後が訪れようとしている。
またも同時に貫かれ出した膣とアヌスは、ペニスが引き抜かれると粘り着くように
して鮮やかなピンク色の粘膜を覗かせる。
突かれると、肉棒が吸い込まれるかのように根元まで飲み込んだ。

「あ、もうっ……いやあっ……あぐうっ……!」

(だ、だめよ、いくっ……ホントにいかされちゃうっ……あ、いきそうっ……いくっ
……!)

口には出さず、不二子は心で叫んだ。

「うぐっ……うぐううっっ……!!」

絶頂に達した瞬間、不二子の裸身が大きく弓状に仰け反り、ぶるるっと激しい痙攣が
全身を突き抜けた。
二度、三度とビクビクッと肢体を跳ねさせる。
ペニスをくわえこんだ肛門と膣は、きゅううっときつく収縮し、強く締め付けた。
甘美極まりない圧力と、粘り着く襞の心地よさに、ランディも呻いた。

「ううっ……!」

気をやって、まだ痙攣の収まっていない不二子の腰をしっかりと抱え込み、思い切
り三度ほど突き込んでから、ぐぐっと腰を密着させた。
粘る蜜で両者の陰毛が絡みつき、一部の隙もないほどにくっついてから、青年は欲望
を放出させた。

どぶうっ、どびゅびゅっ。
どぷっ、どぷっ。
どびゅるっ。

「ひぃ!」

熱くて濃い粘液が胎内と直腸にぶちまけられ、不二子の脱力しかけた肢体にまた力が
こもる。

「ひっ……ひっ……、で、出てるっ……な、中に出すなんて……ああ、お尻にも出て
るっ……!」

不二子の身体に、意志とは関係なく力が入る。
括約筋が引き締まるということは、前後の穴が締まるということで、それが男の射精
を促すことにもなる。
そうした理屈はわかるのだが、不二子はもはや自分の身体を制御することが出来なか
った。
媚肉の奥とアヌスの深部に勢いよく射精され、精液が弾けているのがわかる。

どびゅっ。
どくどくどくっ。
びゅるんっ。
びゅくっ。

「あ……ま、まだ出てる、わ……いや……ぬ、抜いて……ああう……」

全部射精し終えてランディが肉棒を抜くと、不二子はがっくりと顔を横たえた。
気を失ったわけではないが、息遣いが荒く、まともにはしゃべれない。
ぬぷっとペニスが抜かれた穴はまだ半開きで、今にも湯気が立ちそうな精液が少し
ずつ逆流してきていた。
ぱちぱちとアキラが拍手している。

「すごかったわよ、お姉さま。やっといってくれたのね」
「……あ……」
「それにしても激しいセックスだったわね。やっぱりお姉さまったら、好き者なのね」

アキラはそう言うと嘲笑した。
不二子は反論する気にもなれなかった。

「レイプされてるのに、あんなに激しくいっちゃうなんて。ランディと相性がいいの
かしらね? それともお尻とオマンコを同時に犯されるのが気に入っちゃったのかしら」
「……」
「答える気にもならない? でも、こんなもんじゃないわよ。ランディ」
「は」
「あたしは取り敢えず戻るけど、いいわよ、存分にやっちゃって。お姉さまがぐう
の音も出せないくらいにね。あ、もしかしたらランディの方が先にまいっちゃうかな」

アキラはにっこり笑って言った。

「どっちでもいいわ。とにかくあんた、今日はよくやってくれたわ。曲がりなりにも
峰不二子をセックスでいかせたんだから。ご褒美よ、今日は好きなだけ弄んでいいわ」

青年は、礼を言うように頭を下げ、半勃起のペニスをしごき始めた。
また不二子を嬲ろうということらしい。
少女は振り返ることもなく、部屋を後にした。

────────────────────

次元と五右衛門は、ものの二時間もしないうちに戻ってきた。
腹心の部下の早い仕事ぶりに満足しつつ、ルパンは報告を促した。

「で?」
「……わかることはわかったがな」
「ん? 何だ、どうした?」
「どうも厄介ごとのようだな」
「不二子が絡んだ仕事で厄介じゃないもんが今までにあったかよ」
「違ぇねえ」

次元は苦笑した。

「でな、相手の番号から調べてみたが、どうも衛星電話だったらしいな」
「衛星電話? インマルサットか?」
「だろうな。てことは、どっか他の国にいるってわけだ」
「それがな」

五右衛門は懐に手を入れたまま言った。

「船らしい」
「船だ? じゃ海の上か?」
「発信元を調べたが、どうもバルカンあたりだな」
「ふうん。じゃあアドリア海か? で、その船は突き止めたか?」
「わかった」

次元が手にした書類をぺらりとめくって答えた。

「リベリア船籍のコンテナ船だ。船名はウルティマ・リバティ。99,500トンの
バカでかい船だ。所属はスイスのMSCだな」
「ふうん、スイスね……。何だってまた不二子のやつ、コンテナ船なんぞに忍び込み
やがったかな」
「そいつを調べてみて面白いことがわかった」
「ほう、なんだ?」

五右衛門は組んだ腕をそのままに話し始めた。

「船主はオットー・フォン・クリスチャンセンという男だ」
「ドイツ人か」
「……表向きはハノーバー港の船員組合の代表だが、その実態は港の顔役ってところ
らしい」
「なるほど、マフィア絡みか」
「と、思うだろうが、そうじゃねえ」

次元はなぜかニヤリとして言った。

「確かに五右衛門が言った通り、こいつはハノーバーでのさばってるドンなんだが
な、もうひとつの顔がある」
「なんだ、もったいぶらずに早く言え」
「例のPM。あそこのファミリーなんだよ」
「なんだと!?」
「女頭首のアキラ率いるPMを支えるアンダーボス24ファミリーのひとつだ」
「PMに……不二子が?」
「あの牝狐、何を血迷ったんだか、あんな厄介なもんに手ぇ出しやがって。ちょうど
いいぜ、ルパン、やつと手を切るいいチャンスだ」
「……」

顎に手を当てて考え込んでいるルパンを気にもせず、次元と五右衛門は口々に言った。

「ルパン、この前おぬしが言った通り、あの組織には手は出さん方がよかろう」
「五右衛門の言う通りだぜ。しつっこいのは性に合わねえ。やめろやめろ。放って
おこうぜ」
「……」
「おい、ルパン」

焦れた次元に呼ばれたルパンは、なぜか笑っていた。
不敵な笑みだった。

「……次元よ、ここはいちばん行く手だぜ」
「バカ言うなよ。PMはいやだとおめぇが決めたんじゃねえか」
「今まではな」
「まさかおぬし、不二子が絡んだから前言撤回するとでも言うのか」
「……って言ったらどうする?」

配下のふたりは呆れたように顔を見合わせた。
その様子を面白そうに見てからルパンは哄笑した。

「あっはっはっはっは、冗談だよ」
「……脅かすない。やっぱ放置だろ?」
「そうじゃねえ。行くんだよ」
「なんでだよ。さっき冗談だと……」
「だぁかぁらぁ、それは不二子絡みだからやる、というのが冗談だってことよ。
なあ、次元、五右衛門、落ち着いて考えてくれよ。いいか、PM絡みなんだぞ」
「落ち着くのはおめえの方だよ、ルパン。だからこそやめようって言ってんじゃ
ねえか」
「だからよ、今、PMが扱ってるヤマは何だっての」
「……!! キリマンジャロの星か!」
「おうよ」

ルパンは頷いた。
ニマニマと愉快そうな顔で次元を唆している。

「今世紀最大の発見。今後二度と出るとは思われない巨大ダイヤ。さてさて、時価
総額いったいいくらになるんかなあ?」
「そうか、あいつが絡んでやがるのか! 道理であの牝狐がPMなんて危ねぇ橋を
渡ってるわけだぜ……」
「そういうこった。どうだ、無視できなくなってきたろうがよ」
「けどなあ……」

なおも渋る次元にルパンはきっぱりと言った。

「俺はやる、と決めた。こんな獲物は滅多にないかんな」
「……」
「このルパンさまはな、やると決めてやめたことは一度もねえ」
「でもな、それはやれる裏付けがあってのことだろう?」

努めて冷静さを装おうとする次元に、ルパンはにやにやしながら言った。

「『ソフトボール並みのダイヤの塊だぜ、ルパン』……なんて大騒ぎしたのはどこ
の誰だったかな。諦めんのか、ええ? 次元ちゃん」
「……けっ」
「おほほほほ、もうやるっきゃねえよな。五右衛門はどうする」

古武士然とした男はため息をついてつぶやいた。

「……ふたりともその気になっているのなら、致し方あるまい」

────────────────────

犯罪組織の本拠船に忍び込んだ女スパイは、明くる日も責められ続けていた。
一度ほぐした肉体は熱いうちに打てとばかりに、頭首の少女は徹底的にその美体を
責め抜いたのである。
それでも、殺したり発狂したりしないよう、一応は手心は加えているし、休ませも
しているのだが、それにしても情け容赦のない責め口だった。
責めを受ける牝豹は、肉体的にグロッキーになっても責められ、もう愛撫に反応
しなくなるまで犯され続けたのである。
そしてこの日もまた、車椅子の美少女を前に、双陰茎の青年に犯されている。

「やっ……うんっ……あ、あっ……」
「いいわ、そうそう、もっと感じてよ」

女の熱い艶声と、少女の喜々とした囃し立てるような声が室内に流れている。
言うまでもなく、前者は峰不二子であり、後者はアキラだ。

「あ、やっ……そ、そこは……!」
「そうね、クリトリスね。誰でも感じるとこだけど、お姉さまもそこがいいのよね」
「や、はあっ……」

不二子はストレッチャーの上で四つん這いにされている。
両腕は背中に回されて縛られているから、上半身を支えているのは顎だ。
従って正確に言えば三つん這いであろう。
膝立ちになった脚は、膝の部分にベルトが巻かれ、寝台に繋がっていた。
足首は何も拘束はない。
なぜか真っ赤なハイヒールを履かされているが、これは不二子の持ち物ではなく、
アキラが履かせたものだ。
オールヌードもいいが、何か少し身につけていた方が萌える、というのである。
そういう意味で、手首と膝を巻いている革ベルトが赤いのも、ヒールに合わせたの
だろう。
そして艶めかしい白い首筋には、深紅のチョークまで巻かれていた。
確かに、ただでさえ艶っぽい不二子の裸身は、それだけで見違えるほどに色香を
増していた。
加えて不二子ご自慢の美脚には、腰に巻いたガーターベルトで吊った黒のネット
ストッキングまで履かされている。

この移動寝台はかなり大型で、ダブルベッドくらいのサイズがある。
そこに責めるランディと責められる不二子が乗って、痴態を演じているのだった。
敏感な部分をいじくられ、不二子は悲鳴と喘ぎを交互に上げつつ、手足をじたばた
させていた。
責めるランディの方はいつものように落ち着いた状態で、女の股間を念入りにまさ
ぐっていく。
女性のような繊細な指が、腹の部分ですっと肉芽を撫でていくと、不二子は電流が
流れたかのようにびくっと反応し、手をぐっと握りしめている。

「あはあっ……そ、そこばっか、いやっ……ああっ……」
「あらら、もう恥ずかしいとかそういう気持ちってないわけ? あたしがかぶりつき
で見てるのに、そんなはしたない声を上げちゃって」
「だ、だったらやめさせてよ、あっ……!」
「やめさせる? やめて欲しくないくせに」
「そんなことないっ……やっ、し、しないで、見ないでよ! ああっ……」

アキラに声をかけられるたびに、見られていることをイヤでも意識させられる。
少女の目を気にして官能に浸ることも出来ず、不二子は首から上を羞恥で赤く染め
ていた。
アキラの方は不二子が昂ぶるにつれて、同じように自らも興奮していくのだが、
ランディは感情がないかのように責め続けている。
ふたりの女が言葉を交わし合っている間も、休むことなく手指を動かし、不二子を
喘がせていた。
拘束されていては抵抗も出来ず、不二子はランディのなすがままに嬲られ、翻弄
されていく。

「うふふ、お姉さますごい。オマンコぐっしょり」
「い、言わないで! 見ないでってば、あはっ……!」

青年の指が粘った透明な液体にまみれている。
同じ液体が不二子の股間も汚していた。
陰毛の吸収力はとっくに限界のようで、その毛先からぽたぽたと粘っこい汁がシー
ツに垂れている。

「いやらしいわ、お姉さま……、エッチな匂いがこっちにまで漂ってきてる」
「は、恥ずかしいこと言わないでよっ……ふあっ、いっ……」
「ねえ、やめて欲しい? ホントにやめて欲しいの?」
「や、やめて……お願い、やめてよ。もう見ないで……」
「でもさ、こんな美人のこんな恥ずかしいとこを目の前にしたら、男なら誰だって
凝視しちゃうわよ」
「あ、あんたは女でしょっ……ああっ……」
「そうだったわね。ま、いいわ。じゃあね、やめて欲しいなら、あたしの質問に
正直に答えること。いいわね?」
「な、何よ……ああ、いやあっ」

せめてアキラの問いに答えるうちはやめて欲しいと願った不二子だったが、当然の
ように却下された。
青年の責めはしつこく続き、クリットだけでなく膣口に指を入れたり、乳房を揉み
し抱いたり、その頂点の乳首をこねたりして、相変わらず不二子から悲鳴を絞り出
している。

「は、早く言ってよ、あっ……あ、あたし、もうっ……」
「え? もういっちゃうの? なんかさ、だんだんいきやすくなってない?」
「うるさいっ……いいから早く、あっ……」
「わかったわよ、せっかちね。んとね、不二子お姉さまにこのお仕事依頼してきた
のって誰? あるいはどこ?」
「……」
「不二子お姉さまなら単独でもあのダイヤ狙うってのも考えられなくはないけど、
あれをいつどこで誰がイギリス側から奪ったのかって情報はどこから来たのか興味
あるのよ」
「……言えると思って?」

裏社会や闇の世界にも道理やルールはある。
中には仁義もへったくれもない輩や組織もあるにはあるが、いずれ小物だ。
そんな連中は「大手」には相手にされないし、大きな仕事は出来ない。
これはルパンもそうだが、不二子にしても、いったん受けた仕事の内容を段三者に
漏らすことはないのだ。

今回、不二子は依頼主を裏切って、ダイヤを自分のものにするつもりではあるが、
そうしたことによる責任はすべて不二子自身が被るつもりである。
つまり、全面的にイギリス──MI5と敵対することとなるのだ。
それはいい。
諜報の世界ではダブルバックはつきものだ。
相手だっていつ自分を裏切ることになるか知れないのだから、それはお互い様で
ある。
そうしたリスクは両者共に了承して仕事のやりとりをしているのだ。

だが、それはあくまで依頼者と仕事人の関係がそうなのであって、その仕事や経緯、
情報を他の第三者に売るようなことはしない。
それをやったら、今後どの組織からも信用を失うし、不二子には不二子なりのモラ
ルも仁義もあるのだ。
アキラはそれをやれと言っている。

「あ、言えない? やっぱそうか。じゃ続けるしかないね」
「……」
「ふふん、ダンマリ? いいわよ、お姉さまがそのつもりなら。そのうちお姉さま
の方から泣いて全部白状するようになるんだから」
「誰が……」
「あらそ。いいわ、ランディ。今日は存分にやっちゃいなさい。あんたが満足する
までしてもいいから。お姉さまが口から泡を吹いてもやり続けて」
「は」

いつものように必要最低限の返事をして、ランディは本格的に責めかかる。
不二子は強気を装ってはいるが、度重なる絶頂責めで、その肉体はかなり脆くなっ
てきていた。
ともすれば、その美しい瞳は膜がかかって虚ろとなり、腰は震え、肌には鳥肌が立
ち、膝はがくがくしてよろめいてすらいた。
それでも屈しまいと踏ん張っているのは、峰不二子ならではだろう。

「ううっ……あ、あむ……っ……あ……」

不二子は顔をぶるぶると振って、押し寄せる快楽を懸命に堪えている。
その肢体からは汗が浮き、ところどころつうっと肌を伝って流れ落ちていた。
股間は無惨な有様で、漏らしたかのようにぐっしょりだ。

「いやらしい女……、オマンコすごいじゃないの。もう入れて欲しくてしようがない
のね」
「ち、違う……あっ……」
「どこが違うのよ、そんなに濡らしておいて。ランディのを奥まで入れてもらって、
オマンコかき回して欲しいんでしょうに」
「違うって言ってる……あっ……」
「違うの? そっか、じゃあ覚えたばっかのお尻に欲しいのかな?」
「な、何を言うの、この子は! そんなことあるわけないでしょ、あうっ……」
「お尻だってあんなに感じてたしねえ。どっちに入れて欲しいの?」
「ど、どっちもいらないっ……やめて、ああっ……」
「そう。どっちも欲しいってよ、ランディ」
「バ、バカっ……いらないって言ってるのよ!」
「だめよ、それじゃつまんない。それにお姉さまだって、このままじりじりしてる
なんて耐えられないでしょ? そろそろいきたいくせにさ。やって、ランディ」
「やっ……!」

ランディは上下二本ついているペニスの下の方を不二子の媚肉にあてがい、そのまま
挿入していく。
もう充分すぎるほどに潤っていたそこは、ずぶずぶと不二子の中に沈み込んでいった。

「あはああっ……!」

熱いペニスが膣に挿入されると、不二子は全身をぶるるっと震わせて喘いだ。
根元まで押し込まれても、尻が痙攣して止まらない。
ランディの表情も少し締まったものとなる。
不二子の締め付けがきついのだろう。
その彼が腰を動かし出すと、不二子は絶え間なく喘ぎ始めた。

「はあっ……はうっ……あっ……やっ……ああっ……」
「うふ、お姉さまのオマンコにランディのチンポがずぶずぶ入ってるわよ。わかる
でしょ?」
「いっ……ああっ……」

ともすれば崩れそうになる不二子の腰をがっしりと抱えながら、ランディは下から
突き上げるようにしてその媚肉を抉っていく。
不二子の声が徐々に熱く籠もってくるのを知ると、ランディは腰を掴んだ手を離し、
彼の腰にぷりぷりと押しつけられている臀部に回した。
汗でぬらついた尻たぶをねっとりと撫で上げてから、おもむろに双臀を割った。

「ひっ……!?」

喘いでいた不二子の口から、戸惑うような悲鳴が上がった。
慌てて振り返り、膣を犯す青年と、そこをじっくり観察している少女に目をやった。

「ま、まさか本当にそこを……」
「だからやるって言ってるでしょ。何よ、怖いの?」
「こ、怖くはないけど、いやよ!」
「今さらなに? もうお尻もランディにやられてるじゃないの」
「で、でもりょ、両方一緒にするの……?」
「そうよ。お尻とオマンコのダブルファックも経験済みじゃないの」
「い、いや、いやっ……あう!」

じんわりとアヌスを揉みほぐしてくる男の指を感じ、不二子は思わず身が震えた。
嫌がって腰を捩るのだが、膣にはぶっすりと男の肉茎が刺さっていて逃げようもない。
ヘタに動くと膣内でペニスが暴れることとなり、逆効果だ。
ランディは腰をゆっくりと前後に動かして不二子を抉りつつ、右手でその肛門を嬲
っている。
いつの間にか、左手にはあの媚薬ローションのチューブがあった。
それを絞り出して右手の指にまぶすと、再び不二子の肛門を愛撫していく。

「やっ、ああっ……そんなとこやめて、あっ……」
「何言ってんの、前にも犯されてるんだからへーきよ。だんだん気持ち良くなるん
だから」

アキラはそう言ったものの、一応は気を遣っている。
不二子のアヌスに媚薬を塗り込んでいるのは、まだそれほど馴染んでいないそこを
ランディが責め過ぎて傷つけてしまうことを恐れているのだ。
もちろん媚薬の薬効も期待している。

「あうっ……ゆ、指、入れないで……ああっ……」

ランディの指がぬぷりと不二子の肛門にぬり込んでいく。
媚薬ローションのぬめりに助けられて、それは実にあっさりと挿入されてしまった。
ランディは指で掬い取ったローションを、不二子のアヌス周辺はもちろん、直腸内部
にまですり込んでいった。
腸壁をぬらぬらした指で擦られ、不二子は腰を捩って悲鳴を上げている。
少しずつその声が濡れ、息が荒くなっているのは媚薬効果かも知れない。

「やめ、て……あっ……お、お尻はいや……ああああ……」
「いやなわけないでしょう、そんな色っぽい声出しちゃってさ。いいのよ、それで。
もっともっとお尻でも感じなさい」
「い、いや……あはあっ……」

不二子は、自分の肛門や腸内の粘膜が熱く疼いてきていることに気づいた。
アヌスが勝手に蠢き、くわえ込んだ青年の指を締め付けたり緩めたりを繰り返して
いる。
腸壁まで指に絡むような動きを見せ始めていた。
男は内部に塗り終えると指を抜き、またローションをたっぷりと掬ってから挿入し、
中に塗りたくっていく。
不二子の方は、指が抜かれると、まるでそれを追いかけるようし尻を突き出すよう
にすらなっていた。
臀部の痙攣を抑えることが出来ない。

「やあだ、お姉さまったら、そんなみっともなくお尻振ったりして。どう、もう
気持ちよくなってきたんでしょう? お尻がさ」
「違う……あっ……」
「どう違うのよ」
「お、お尻が……熱いのよ、あっ……お尻が……」
「へえ、そうなんだ。お尻のどこ? 穴? それとも……」
「ああ……そ、そこも熱いけど……な、中が……中が変なのよ……ああ、熱い……」
確実に効いてきている。アキラは酷薄そうに笑みを浮かべた。
「どうよ、お尻を犯して欲しくなってきたでしょ? オマンコと一緒にお尻にも入れ
て欲しいんでしょ?」
「やっ……お、お尻……ああ……」




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