響子はようやく頼広から認められた言葉をもらい、その嬉しさと恥辱で涙ぐんですらいた。
頼広は急激に愛撫を強める。
乳房を下から絞り上げるように強く揉みしだき、膣内に入れた指で激しく内部をこねくり、抜き差しし、中を抉った。指が出し入れされるたびに、
ぶちゅっと蜜が弾け飛び、深くまで指で抉られる。
親指でクリトリスまで愛撫され、乳首をきゅっと抓られる。
響子は大きく喘ぎながら、ぐっ、ぐっと小さく二度ほど小さく仰け反ってから、ぐうっと背中を弓なりに持ち上げて達した。

「あっ! あっ! ああっ! い、いくっ……んんっ、ああっ! い、いく、いくううっ!」

武骨な指を熟れた熱い媚肉が強く締め上げ、達したことを告げるように、響子の肢体はビクビクッと大きな痙攣を見せた。
しばらくブリッジのままでわなわなと痙攣していたが、じきにガクッと脱力してシーツにドッと身を落とした。
はあはあと荒く熱い息を吐き、思い出したようにビクッと腿や胸を震わせている。

頼広は、そんな響子の細い足首を掴むと、大きくその股間を拡げた。
すっかり花ほころびている割れ目は、その奥にある小さな穴からとろとろと愛液を零し続けている。
熟し切った未亡人のそこは、物欲しげに口を拡げてひくついてすらいた。
いったばかりの秘所をじっくり観察され、響子は僅かに抗った。

「見ないで……」

弱々しく脚を閉じようとしたものの、頼広の左右の手がそれぞれの足首をしっかりと掴み、さらに開脚させてしまう。

「ああ……」

こうなるともう抗う術はなく、響子は恥ずかしそうに小さく呻いて顔を伏せた。

「こんなもんじゃ足りないだろう?」
「……」
「もう一度聞きたいな、響子のいやらしい言葉を。言ってくれよ」
「また……、あんな恥ずかしいことを言わせるんですね……」

響子はもう睨みつける気力もなく、無抵抗で頼広に従った。

「セックスしてください……。お願い、抱いて……」
「よし」

頼広は満足げに頷くと、右手で響子の左足を大きく掲げたまま、左手で器用にズボンとトランクスを脱ぎ去った。
思わず響子は目を伏せて見ないようにしたが、徐々にその顔が上がっていく。

「……っ」

そこには、たくましい男根がそそり立っていた。
びくびくと震え、蛇の鎌首のようなエラが張った亀頭はぬるぬるだ。
透明な粘液が滴り落ち、いっそうに淫らな匂いを振りまいている。
今にも腹にくっつきそうなほどの急角度で、響子を威嚇するかのようだ。

頼広は、息を飲んで響子がそこを凝視しているのを見て、誇らしげに腰を軽く振り、ペニスをぶるん、ぶるんと揺さぶって見せた。

(すごい……。男の人ってたくましい……。あ、あんなにガチガチに硬そうになってる。痛くないのかしら……? そ、それに……本当に太くて
大きい……。あんなのが私の、あ、あそこに……お尻に入っていたなんて信じられない……)

「いくぞ、響子」
「ん……」

亀頭がちょんと媚肉に触れただけで、響子は軽く震える。
そのまま愛液をまぶすように亀頭を動かしつつ、頼広はゆっくりと響子の中へ挿入していった。

「あ、あっ……入る……頼広さんのが入って……んんっ……くるっ!」

濡れそぼち、待ちかねていた響子の膣は、暴力的なまでに野太いものを飲み込んでいく。
すでに柔らかくとろけていたものの、もともと狭隘で絞まりが良い上、肉棒自体が長大なため、響子の受ける圧迫感はかなりのものだ。

(ああっ、やっぱり大きいっ……ふ、太くて、すごいっ……! あああ……、い、入れられただけなのに、もういきそうになってる……)

そのままずぶずぶと奥まで貫かれ、コツンと子宮口にぶつかると、響子は全身を突っ張らせて呻いた。
自然に響子の腕が伸び、頼広の背を抱きしめようとするのだが、足首を掴まれて開脚されているため、とても手が届かない。
やむなく頼広の腰に手を伸ばし、引き寄せる。ペニスはまだ完全に埋まっていないが、ここが限界のようである。
頼広は子宮口に到達したのを知ると、今度は押し込んだ肉棒をゆっくりと引き抜き、そしてから押し込んでいく。
動きは緩慢だが深さは格別で、確実に子宮まで届かされている。
子宮口を突かれるたびにヒリヒリするような苦痛とともに、痺れるような強い快感が響子を襲う。

「んっ! くぅっ! と、届いてます、あっ……奥まで……奥まで来てるっ……んむううっ!」

狭い膣道をこじ開けるように太いものが通り過ぎ、内部をゴリゴリと削っていく。
粘膜はサオに絡みつき、襞が妖しく蠢動して、ペニスに微妙な快楽を与えている。
規格外のサイズのものを挿入され、膣口はもういっぱいいっぱいまで拡げられていた。
みっちりと埋まっていって、ペニスと膣の隙間はほとんどなかった。
それなのに愛液がだだ漏れになっているのは、ペニスが抜き差しされるたびに、エラによって掻き出されているからだろう。

頼広は響子の足首を離し、大きく覆い被さっていく。
響子の股間は頼広のたくましい身体を挟み込むように広がったままで、膝を曲げて彼の脚に自分の脚を絡みつかせている。
この体勢になって、ようやく響子の手は頼広の背中を抱くことが出来た。

「んんっ……あっ……深いっ……あ、そんな深くまで……いっ……んあっ……いっ、いいっ……!」

ストロークは相変わらずゆっくりだったが、奥深くまで貫き、確実に響子の子宮を狙っていた。
子宮口を叩いて響子に悲鳴を上げさせ、カリが抜ける寸前まで引いてから、また子宮口まで届かせる。
粘度の高い蜜が、ぶじゅっ、ぬちゃっと淫靡極まりない音をさせながら溢れ出し、響子の美貌にも羞恥より愉悦の色が濃くなっていく。

「んっ、んはっ……き、気持ち良いっ……あ、どうして……ああっ……どうしてこんなに……いっ……あはっ」
「俺も気持ち良いぜ、響子。おまえの中は熱くてぬるぬるしてて、それでいてきついんだからな。最高のマンコだ」
「そ、そういうこと言っちゃだめっ……ああっ!」

褒められているのは嬉しいのだが、それが淫らなことに関してであり、響子は恥辱を強く感じている。
しかし、その恥辱は響子の被虐願望と密接に結びついており、かえって反応が鋭くなってしまう。
羞恥で頬や耳朶まで紅潮し、困惑した表情を浮かべているのだが、声は甘く、そして熱くなってきていた。

「い、いや、いい……あ、いい……うんっ……あうっ、深いっ……くっ……あああ……」

頼広が抜き差しを止めると、響子は自分から腰を押しつけていった。そして自分から子宮口を亀頭で擦って喘ぎ始めている。
頼広は、突っ込んで子宮口に先を押し当てたまま、ぐりぐりと小さく腰を蠢かせた。
ピストンによる膣内摩擦はないものの、子宮口だけは亀頭を押しつけられたままぐりぐりと擦られ、響子は腰を揺すって喘いだ。

「そっ、それっ……それ、いいっ……あ、奥が……奥が痛いのに……くっ、気持ち良いっ……ああっ」

そこで頼広はぴたりと動きを止めてしまった。
抜き差しも子宮口抉りもない。
突然に快楽を中断された響子は、少し焦ったように腰を動かしてきた。
しかしその腰を、頼広が押さえ込んでしまい、動きを封じてしまう。

「あ……、どうして……」
「動いて欲しいか?」
「……」
「いやらしく、力強く、何度も奥まで犯して欲しいんだろう?」
「ああ……」

この人は、またいやらしいことを言わせるつもりらしい。
この状態では、響子は従わざるを得ない。
媚肉はペニスの動きをねだるようにひくつき、膣口はサオをきつく締め上げ、膣内の襞はサオへ盛んに絡みついている。
まんまと頼広の手口に乗ってしまう自分が口惜しいのだが、そうされることに喜悦を感じてきていることも事実だった。
響子が性知識に詳しければ、それがマゾヒズムであることを自覚できただろう。

「……して……。も、もっと強く……ああ、な、何度も奥まで、お、犯して……」
「それでいい。それでこそ俺の女だ」
「ああ……」

頼広は響子の腰を抱え直すと、一転して激しく腰を打ち込んでいく。
硬く勃起した亀頭がぶち当たるごとに子宮全体が大きく揺さぶられ、その振動で他の内臓まで震えている。
待ち焦がれていた動きと刺激が与えられ、響子の媚肉はよだれを垂らすように蜜を零していく。
強く何度も突き上げられ、響子は喜悦の叫びを上げていた。

「あっ、ああっ、強いっ……だめ、強すぎますっ……いいっ……やあっ、そ、そんなにされたら……もうっ!」
「なんだ、もういくのか」
「だめっ! 気持ち良いっ! あ、あっ、もういく、もういきそうっ……ひっ、ううんっっっ!」

膣奥を抉られ、響子はたちまち達してしまった。
喉を絞るようなよがり声を発しながら、響子は肉棒を飲み込んだ肉壺を何度も締めつけていた。
腰が何度も持ち上がり、尻たぶにえくぼが出来るほどに引き攣っている。
そのまましばらく痙攣してから、がくりと腰が落ちた。
ペニスをくわえ込んだ膣は収縮を繰り返し、頼広の肉棒に甘い痛みと快感を与えていた。
いった瞬間のエネルギー放出で響子はぐったりと肢体を横たえ、甘い息を激しく吐き、汗を滲ませている。

頼広は響子の気をやった美しい貌を眺めながら、その汗ばんだ首筋や肩口、乳房や腹を撫で、編み目のストッキングの上から腿の感触を愉しんだ。
そして、ろくに休む時間も与えず、続けて容赦なく責め立てていく。
まだ絶頂の余韻も冷めやらぬまま、より感じやすくなっている媚肉へ太いものを激しく突き立てた。
途端に、響子の裸身は活が入ったように軽く跳ねる。

「あっ、ああっ! ま、待って、そんなっ……ひっ……ああっ……す、少し休ませ……ああっ!」

気をやってくたびれていた裸身をわななかせ、響子は息も絶え絶えにまた喘ぎ始めた。
完全に弱点となってしまった子宮口をしつこいまでに突き上げられ、喉を涸らして「ひぃひぃ」と声を絞り出している。

「だめ、激しいっ……お、お腹の奥が抉られてる……いいっ……あああっ」

響子の口を開けっ放しにしてよがり、喘ぎ、辛うじて呼吸はしているが、口に溜まった唾液を飲み込む余裕がなかった。
唇の端から、透明な美しい液体がたらりと垂れている。
頼広は、すかさずそれを舐め取るように唇を押しつけた。
響子は躊躇うことなく頼広の舌を迎え入れ、背中に回した腕に力を込めて抱きしめる。

「んん、ん……むちゅっ……じゅぶ……んっ……むうう……んじゅっ、ちゅううっ」

顔を傾け合い、出来るだけ深くまで互いの咥内へ舌を差し込み合う。
頼広だけでなく、響子の方から舌を相手の口へ進入させ、強く男の舌を吸った。
それに応えるように頼広も、より強く響子の舌を吸い、彼女の咥内を舌で蹂躙する。
舌の付け根から吸い取られるほどに強く吸われ、響子はそれだけでまた軽く気をやっていた。

「んんんっ……んむううっっ!!」

膣がきゅううっと絞まったのと、女体がガクガクと痙攣したので、頼広も響子が絶頂したことを覚った。
頼広は、響子が顔を顰めるほどに強く舌を吸い、咥内の唾液をすべて吸引する。
そうしてから、自分の唾液を響子の口へ流し込むと、響子はためらわずそれを飲み下していた。

「んっ……んくっ……ごく……んんん……」

白い喉がこくっ、こくっと動く様子は、それだけで男の興奮をいや増していく。
口を離すと、響子の方から名残惜しそうに口を開け、そっと舌を伸ばしてきた。
頼広はまた顔を近づけ、口から舌を伸ばした。
ふたりは唇を接触させることなく、軽く伸ばした舌同士を絡ませ合っている。
ある意味、キスよりも淫靡な舌の交尾だ。

だめ押しのように頼広は唇を押しつけ、また響子の口を吸った。
響子は強く目を閉じ、肩を震わせて呻いている。
やっと口が離れると、ふたりの舌と唇を唾液の白い糸が繋いでいた。

「響子、キスしてる最中にまたいったな?」
「あ……」
「ふふ、よほどキスが好きなんだな。それともこっちの方がいいか?」
「あうっ!」

頼広はそう言って、挿入しっぱなしのペニスでぐいっと響子の腹奥を抉った。
それにしても、もう貫いてから楽に30分以上は経過している。
女のどろどろした蜜でふやけてしまいそうな気もするが、頼広の怒張はより一層に力強く硬直し、柔らかい女肉を擦り続けている。
キスの間はゆるゆると動いていたそれが、また鋭く奥まで突いていく。

頼広は響子の腰をしっかりと掴むと、彼女の裸身が浮き上がるほどに激しく突き込んだ。
ペニスに小突かれ続けて爛れてきた子宮口が、耐えかねたように小さく口を開けてくる。
そこに尖った亀頭がさらに突き立てられた。

「くあっ、いいっ……た、たまんないっ……いいっ……し、子宮が……子宮が壊れちゃいますっ……ひぃああっ」

ピストンのたびに身体がガクンガクンと大きく揺さぶられ、響子は我を忘れて声を張り上げた。
舌がもつれてしまい、喘ぐ声も乱れている。
口からは唾液が糸を引いて宙を舞っていた。

「んっ、んっ、深いっ……」
「本当に深くまで犯されるのが好きになったな、響子」
「だ、だって、これはあなたが……うあっ……ああっ……いいっ……あ、また来る……どうしよう、また来そうっ……!」
「またか。立て続けだな。だが……」

頼広がまた意地悪そうな笑みを浮かべる。
そして、おもむろに動きを止めてしまう。
響子は慌てたように腰を押しつけ、続きをねだった。

「あ、またっ……ど、どうして……いきそうになってるのに……」
「いかせて欲しいか?」

響子は顔を真っ赤にして小さく頷いた。
もう数度に渡っていかされているのに、まだいきたがたっている。
こんなに自分は淫らだったのだろうかと思うと、恥ずかしさで消えてしまいたくなる。
その羞恥心が響子の子宮を刺激し、また新たな欲望を誘発していく。
キリのない肉欲連鎖となっていた。

「意地悪……」
「そうかな。じゃあ、もっと意地悪になってやるか。響子、どっちが良いか言え」
「な……んのことですか……」
「惚けてるのか? さっきも聞いたやつだ。俺と音無、どっちのセックスが気持ち良いのか言えよ」
「っ……!」
「その前に、俺のと音無のものはどっちがいいか、どっちがでかいか言ってもらおうか」
「そっ、そんなこと知りま……」
「知りません、とは言わせないぜ。さっきはアナルセックスだったからな、響子の尻を犯したのは俺だけだ。おまえの尻の穴は俺しか知らないわけだ」
「そんな恥ずかしいこと言わないで!」
「でも事実だもんな。だから尻で比べることは無理だろうぜ。けど、ここ……」
「ああっ!」

頼広が亀頭を子宮口にくっつけたまま、腰をぐいっと突き出すと、子宮がひしゃげて亀頭が食い込んでくる。
響子は仰け反り、胸を突き出すようにしてわなないた。

「……マンコは別だ。ここには音無も突っ込んでるからな。そうだろ?」
「そっ、そうですけど……んあっ!」
「ならわかるだろう。どっちがでかいんだ?」
「それは……」

言うまでもないことだった。
その答えは、響子の口も肛門も、そして膣もイヤというほどにわからされている。

「素直に言えば続きをしてやる。最後までな」
「……」

「最後までしてやる」と言われ、響子の子宮がまたズクンと反応した。
熱いものが込み上げてくるのがわかる。
響子は、無意識のうちに腰をうねらせていた。
そうすることで摩擦感を得、深いところまでペニスを感じようとしている。

頼広は、さっきのように響子を押さえ込んでそれを防ごうとはせず、好きにさせている。
この程度の快感では、今の響子には満足できないはずだ。
思い切り突いてもらわねば、もはや響子の官能が燃え尽きることはないだろう。
かえってその微弱な焦れったい快感が、響子の焦燥を誘うことになるはずだ。

案の定、響子は最初の屈服を示した。
膣内部がマグマのように熱く、どろどろにとろけており、もう理性だの羞恥だのではどうしようもなくなっていたのだ。
それと、サイズの大小程度であれば言ってしまってもいいだろう、と思うようになっていた。
惣一郎には申し訳ないが、大きさの差は歴然なのだ。
別にこうして犯されていなくても、見ただけででそれはわかる。
ならば正直に言えばいいだけだ。

羞恥心と亡夫への背徳感を飲み込んで、響子は震える唇でそれを口にした。

「……さん……」
「なに?」
「よ……頼広さん、です……」
「俺? 俺がなんだ」
「……。頼広さんの方が……お、大きい……です……」
「音無よりもでかいんだな? なら、ちゃんとそう言え」
「ああ……」

やはり、はっきりと宣言しないと許してくれないらしい。
響子の瞳は涙で濡れていたが、それは惣一郎への贖罪なのか、それとも醒めやらぬ肉欲を鎮めてもらえない辛さなのか、判然としなかった。

「惣一郎さんよりも……大きい……」
「もう一度」
「ああ、いやもう……。あ、あなたの方が……惣一郎さんのより大きいです……」
「ずっと大きいんだろ? 太さはどうだ?」
「ず、ずっと大きい……大きいです……。ふ、太さも全然違います……あなたの方がずっと太い……全然違います、あの人と……ああ……」

ぽろりと零れた響子の涙を指で優しく払うと、頼広はまた少し腰を使った。
それだけなのに、響子は叫ぶように喘いで、腰を跳ね上げた。
そして頼広の腰の動きに合わせて自分も動き、淫らに尻を振りたくっている。

「あ、いいっ……くっ、いいっ……あ、うんっ……い、いく、いきそうですっ……ああっ!?」

頼広はまたそこで腰を止めた。
それだけでなく、ペニスを全部引き抜いてしまったのだ。
肉棒にへばりついていた襞が膣外に引き摺り出されたが、またゆっくりと内部に収まっていく。
響子は激しく動揺していた。

「な、なんで……なんでぇ!? わ、私、ちゃんと言いました! さ、最後までしてくれるって……」
「してやるが、おまえ、全部言ってないからな」
「そんな、言いました! は、恥ずかしいのに、我慢して私……」
「どっちがでかいかは言ったよ、確かに。でも、どっちのセックスの方が気持ち良いかは聞いてないぜ」
「ああ……」

それだけは言いたくなかった。
ペニスのサイズであれば、恥ずかしいけど正直に言える。
さっきも思ったことだが、一目瞭然だったからだ。
しかし、惣一郎と頼広とではどっちが感じるか、気持ち良いかというのは、響子の主観になってしまう。
ペニスのサイズのように、第三者にはわからないことなのだ。

それだけに、響子が惣一郎を慕い続け、頼広の姦計に抗い、淫らな欲望を抑えきれば、ウソを言ってもわからない、ということだ。
あくまで「惣一郎さんの方がいい」と言い切れば、頼広としてもどうしようもないのだ。
セックスで焦らすことはするだろうが、それに耐えればいいだけだ。
それでも響子が頑として認めなければ、業を煮やした頼広は半ば暴力的に言わせようとするだろうが、その場合は言ってしまえばいい。
例え「頼広の方がいい」と言ってしまっても、それはあくまで暴力に屈したからであり、響子の本心ではなかったと言えるのだ。

しかしセックス責めで言わされた場合はそうも行かない。
もっと気持ち良くなりたい、頼広に犯されたい、だから仕方なくそう言ったというのであれば、自ずと「頼広のセックスの方が気持ち良い」と自白した
ようなものだからだ。

だけど、と響子は思う。
これも結局、ペニスサイズと同じなのではないだろうか。
見ればわかるというものではないが、彼と肌を重ねることによって、その強烈な官能を呼び起こされ、気を失うような絶頂を味わわされたのは事実なのだ。
正直言って、音無とのセックスでこんなことはなかった。
抱かれれば嬉しかったし、それは気持ち良かったこともあるが、こんなすごくはなかった。
我を忘れるほどの快楽に呻き、堪えようのない快感によがり、痺れるような甘い刺激に喘ぐことはなかったと思う。
惣一郎との行為は、肉の繋がりによる愉悦というよりは、互いの体温を感じ、心を通じ合ったという精神的な満足感が大きかったのだと思える。
そうなら、単純なセックスであれば──愛だの恋だのといった、ある意味で面倒な感情を抜きにしてしまえば、頼広とのセックスの方が気持ち良いのは
仕方ないのかも知れない。

しかし、そう言ってしまえば、どれだけ惣一郎が傷つくだろうか。
でも、もう彼はいない。
この世にはいないのだ。
ここで響子は、精神的にも惣一郎と訣別することになった。
頼広は、そんな響子の心を揺さぶるように、ピストン攻撃を再開した。

「んっ、あ、待って……ああっ……んあっ……だめ、今は……いいっ……」

たった数回、膣奥を突かれただけで、響子の精神は脆くも崩れ去った。
腰は蠢き、肉襞はべったりとペニスにへばりつく。突き上げられると、
開放された乳房が大きく揺れ動き、ビンビンに硬くなった乳首が取れそうなほどにあちこちへ跳ねる。

「もう言えるだろう、響子」
「ああ……」

響子は、頼広にではなく自分に屈服した。
響子は、軽いピストンを受け、身体を小さく揺さぶられながら、禁断の言葉を吐いた。

「ああ、もうだめえっ……あ、あなたです、あなたの方が……いいっ……!」
「そうだ、もっと言え、響子!」
「いいっ、あああ……頼広さんの方が良い、気持ち良いっ……お、おっきいのが奥まで来て……そ、惣一郎さんじゃ届かなかったところまで来てるの……あうっ、それ深いですっ……ひああっ!」

淫らで背徳的な事を口走ってしまうと、美しい未亡人は次々にはしたない言葉を吐き続けた。

「くっ、いいっ……そ、惣一郎さんよりいいですっ……ああ、ずっといいっ……」
「くっ、響子っ! どうだ、音無はこうやって何度もいかせてくれたか? どうだ!?」
「うくっ、あ、いいっ……な、なかった……こんなことなかったですっ……いいっ……こ、こんなに何度も、ああ、何度も続けていかされたことなんて、
ないっ……あ、子宮がどうにかなりそうっ……あ、あ、いく……いきそう、だめ、いくうっ!」

響子は低く呻くとまた絶頂した。
裸身が仰け反り、背筋が震える。
腰や腿も痙攣し、全身がわなないている。
ただ媚肉だけが強くペニスを締めつけ、断続的に収縮していた。
頼広は、ペニスの先で響子の絶頂を確認していた。
子宮まで震え、その周辺からどっと愛液が噴き出し来るのがわかった。

「気持ち良かったか?」
「は……は、い……。でも、あなたは……」
「まだもったいなくて出してない。今日はまだ一度も出してないな」
「……」
「最初の濃いやつは、絶対に響子のマンコの奥に出すって決めてるんだ」
「そんな……」

響子の顔が少し青ざめ、心が震え上がった。

「そんなことしたら……、ほ、本当に妊娠してしまいます……。今日は……中は許してください。危ないんです、本当に……」
「……」
「ああ、お願いです……、中は……中だけは許して。どこに出してもいいですから、中は……。胸に出してもいいです、いいえ、か、顔にかけてもいいから……」
「危険日か?」
「はい……」
「なら、余計に中で出す」
「そんな、なんで……」
「言ったろう。絶対に響子を孕ませたいんだよ。響子の子供……、俺と響子の子が欲しいんだ」
「あ……、で、でも……」
「だめか?」
「だ、だめとか、そういうことじゃ……」
「愛してるんだ、響子」
「ああっ……」

セックスしている最中に、具体的には挿入されながら愛の言葉を囁かれると、響子の膣と子宮は鋭敏なまでに反応し、きゅっとペニスを強く締めつける。

「こ、子供が出来てしまったら、私……あ、んむっ!」

響子が全部言う前に、頼広がその口をキスで塞いだ。
またふたりは舌と唾液を交換し、互いの口の中を愛撫し合い、舌を強く吸い合った。
息切れする寸前まで、濃厚で激しいキスが続き、ようやく口が離れると、響子は「はあっ」と熱いため息をついた。

もうだめだと思った。
惣一郎と比べさせられた時も、妊娠させると言われた時も、響子の背筋にぞくぞくとした甘い電気が走り、子宮がジンジンと疼いていた。
この刺激には抗いきれない。

「……ずるい人……」
「俺はずるいんだよ。響子を俺のものにするなら、どんなことだってやる」
「……」
「じゃ続けるぜ」
「あ、ま、待って……あああっ!」

頼広は、絶頂寸前から引き下ろされた響子を、再び絶頂まで導くように、その身体を責め始める。粘った水音をさせながら、肉棒は何度も何度も響子の
膣を激しく出入りする。
その数と頻度、深さと強さに比例して響子の快感は高まり、喘ぎ声も高まっていった。

頼広はふと思いついて、腰の動きを止めてみた。
すると響子はそれにしばらく気づかなかったようで、引き続きよがり続けている。
見れば響子は自分から男を犯すかのように、激しい腰使いで頼広にぶつかっていたのだ。
両手はしっかりと頼広の背を抱きしめ、長い脚は頼広のふくらはぎに絡みついている。
そして腰は持ち上がり、男の腰へ密着しようとしていた。
さらにペニスが抜き差しされる感覚が欲しいのか、響子は腰を上下運動させ始めている。

「あ……」

ようやく男が腰を使っておらず、すべて自分が動いて快楽を得ていたことに気づき、響子は瞬間、顔を恥辱で染めた。
しかし、またすぐにもじもじと腿や腰をうねらせ始め、絡めた脚をぎゅっと引き絞る。
それに促されるように、頼広は奥深くまで突いてきた。
響子は甲高い声で喘ぎ、頼広が突いてくると力を抜き、引き抜くと腰を浮かせて追っていく。
頼広は響子の片足を肩に担ぎ、その太腿を掴んで開脚させ、深くまで抉っている。

「いあっ、いいっ……し、子宮ばっかり、そんな……あう、いいっ……は、激しいっ……すごっ……あ、いく、いきそうっ」
「いっていいぞ」
「うんっ、いくっ……あああ……かはっ!」

ガクガクと響子の腰が激しく動くと、きゅううっと激しく膣が収縮した。
また達した響子の腰が持ち上がり、支えている脚がびくびくと痙攣していた。
それでもまだ頼広は許さず、続けて腰を打ち込んでいく。
絶頂地点から降りることが出来ず、響子は目を見開いて大声を上げる。

「いいいっ……あ、まだだめえっ、あ、いったのに……私、もういったのにっ……くううっ、いいっ……い、いってしまう……またいってしまいますっ!」
「何度もでもいけよ。満足したら俺も出してやる」
「はっ、早くっ! お願い、もういってぇっ! 私、これ以上いかされたらっ……お、おかしくなります、本当にどうにかなっちゃいますっ……いっ、いくっ!」

また響子がいった。
背筋を反り返らせ、上に乗った頼広を持ち上げるほどに身体を突っ張らせている。
今回の締め付けは、さすがに頼広も射精してしまいそうな甘美なものだったが、それをようやく堪え忍んだ。
しかし、もう彼も限界だ。
膣の締め付けが心地よすぎることもあるが、響子の身悶え、喘ぎっぷり、その悩ましいイキ顔を何度も拝まされ、どうにも耐えようがなくなっていた。

「響子、最終段階だ。奥の奥まで入れるぞ」

愉悦に震え、掠れた声で喘ぎながら、響子は「何のことだろう」と思った。
「奥の奥」と言われたが、もうそこまで入っているのだ。
いちばん深いところまで来ている。
惣一郎でも来なかったお腹の底まで犯されているのである。
もう頼広の肉棒は子宮にぶち当たっている。これ以上は入りようがないではないか。

と思って、響子は青ざめた。
まさかこの男……。

「よっ、頼広さんっ」
「なんだ」
「まさか……、まさか、あなた……」
「察しが良いな。そうさ、俺はな、響子の子宮に入れるんだ」
「な……!」
「子宮まで犯すんだよ。そこがおまえのいちばん深いところだ。俺しか犯せないところだ。音無はもちろん、俺の……」

そこでなぜか頼広は一度口ごもった。

「……俺の後でも……他の男では絶対に犯せないところまで俺のものにしておきたいんだ。それに、ここに出せば妊娠間違いないだろう?」
「そ、そんな……、そんなことって……!」

おののく響子の腰を掴むと、頼広はそのままぐいと引き上げる。
そのまま自分はドスンと尻餅を突いて、ベッドに座り込んだ。
頼広は自慢の腕力で響子を楽々持ち上げると、胡座をかいた腿の上にトンと乗せてしまった。
その軽い衝撃でペニスがごろごろと胎内を転がり、膣襞にぶつかって響子に悲鳴を上げさせている。
頼広は響子の腰をがっしり抱えたまま、細かく動かして姿勢を立て直す。
対面座位でするつもりらしい。

「いいな」
「やっ……、ちょ、ちょっと……あ、あむっ!」

もう子宮口まで届いていた肉棒が、さらに子宮を押し上げていく。
そのきつさ、苦しさに、響子は黒髪を振り乱し、頼広の胸を押して離れようとする。
しかし頼広は離さず、響子の尻に手を回し、ぐっと自分の腰に押しつけていく。
僅かに開いていた子宮口に硬い肉棒が押しつけられ、中へ入り込もうとしてくる。
響子は呻いて身体を捩り、ぶるんと乳房が大きく揺れ動く。

「あ、む、無理っ……無理です、これ以上は……あ、あむむ……」

あまりの深さに目を剥きながら、響子はずり上がろうとするのだが、男のたくましい腕に遮られる。
ただでさえ、連続的な絶頂で力が入らないのだから、これ以上どうしようもなかった。
そして、恐ろしいことに子宮が極太のペニスに馴染んできてしまっている。
頼広も無理はしないように、じわじわとゆっくり押し込んできた。

「あ……あ……、うむ……」

今にも悶絶しそうな表情を浮かべながら、響子は身体を強張らせている。
ふくらはぎや腿が攣りそうなくらいにビクビク痙攣していた。
その締め付けの強さに、頼広も顔を顰めながら言った。

「響子、もっと力を抜け。それじゃ入るものも入らない」
「そ、そんなこと言っても……うむ……は、入りません……これ以上、無理……あ、あ……」
「ん……、大丈夫だ。よし、そのまま少し力を抜け。入れるぞ」
「だ、だめ……あ……んんっ!?」

バリッと何かが裂けたような音が聞こえたが、錯覚のようだ。
とうとう子宮の中に、頼広のペニスが入ってきたのだ。
亀頭の先が潜り込んでから、時間をかけて子宮口に押しつけていた頼広は、そこが少しずつ広がっていくのを逃さず、徐々に挿入を深めていった。
そして、大きく張ったカリが子宮内に収まってしまったらしい。

響子はその圧迫感に呻き、額に脂汗を滲ませていた。
そこまで入ってしまえば、あとは楽だ。
頼広はホッとしたように、また腰を押し込んでいく。

「んんっ……かはっ……!」

頼広の腰と響子の腰が、完全に密着していた。
今までは、頼広が挿入すると、膣外の3センチほど余したところで響子の子宮口に当たっていたのだが、今度はまったくはみ出ていない。
頼広のものが完全に響子の中に埋まってしまったのだ。

「……入ったみたいだぜ、響子」

頼広は嬉しそうにそう言った。
響子は、子宮まで犯された恐怖とショックで意識が朦朧としかけている。
そのきつさは、初めて頼広に膣やアヌスを犯された時よりも強烈だった。

「どうだ、子宮の中まで俺が入ってるのがわかるか?」
「こ、こんな……子宮までなんて……あああ……」

頭の芯が痺れ、虚ろになっていく。
しかし、肉体は逆に熱く滾り、愛液も多すぎるほどに分泌されている。
頼広や響子が少しでも身体を動かすと、硬い怒張が身体の最奥で蠢き、ビンビンと響子にその深さを伝えてくる。
その恐ろしいまでの深さを思い知らされ、背筋がビリビリと痺れてきた。
頼広も動いてこない。
響子に無理をさせないというよりも、子宮まで犯した感触を愉しんでいるのと、響子に子宮まで犯されていることを実感させるためだった。

「子宮の中はきつきつだ。良い気持ちだぜ。響子はどうだ?」
「ん、んむ……苦し……お、奥まで、いっぱい……」

子宮と胎内にズクンと軽く電気が走った。
膣内の肉が疼き、微妙に蠢動してくる。媚肉がとろけてくる。
愛液がとめどなく流れてきた。
ハッと気づいた時には、膣内が爛れるような快感が込み上げていた。

「あ……、あう……」

苦悶していた今までとは声とは明らかに違う。
喘ぎに近い、熱く甘い声が響子の唇から漏れ始めた。
子宮まで犯されているというのに、それに感応し始めている自分に、響子は驚愕と羞恥を感じていた。

頼広も驚いていた。
まさか、こんなに早く子宮姦に馴染んでくるとは思わなかったのだ。
これなら、これから犯す時は常に子宮を犯せる。
響子のいちばん深いところに射精して、受胎させることが出来るのだ。
そう思うと、逸る心を抑えきれず、ゆっくりとだが腰を動かし始めた。

「あ、あんむっ……やっ……あ、くくっ……あう……」

ずいっと突き上げると、響子は声を震わせて呻いた。
膣口など比較にならぬほどに狭い子宮口を、あの太いもので貫かれているのだから、その苦痛たるやかなりのものだろう。

しかし響子の呻きは苦鳴という感じはせず、むしろ喘ぎに近かった。
子宮内壁に亀頭がぶつかると、気がいきそうな声で喘ぎ、ぶるっと全身を震わせる。
ゆっくりとほぐすように律動を続けていると、だんだんと抜き差しがスムーズになってくるのがわかる。
カリ首を食い締める子宮口のきつさは相変わらずだが、子宮内までぬるぬるに濡れており、動きやすくなっている。

「もう少し動いても大丈夫そうだな」
「そんな……無理……」
「無理ってことはないさ。響子の子宮の中、熱くてどろどろだ。きつく俺のチンポを食い締めてるし、襞は絡みついてくる」

頼広はそう言って、少しずつ腰の動きを大きくしていく。
同時に、子宮のきつさを少しでも紛らわせるために乳房を揉みしだき、口で吸って愛撫も加えていった。
指を食い込ませてぎゅうぎゅうと強めに揉み込み、ぷくんと硬くなった乳首を思い切り吸い、舌でねぶり、乳房へ埋め込むように舌先で抉る。

「んっ、あは……あう……だめっ……くっ……ふ、深っ……ああ、こんな奥まで……んんんっ……ひっ……」

ゆっくりと腰を揺さぶられながら、響子は喘ぎ始める。
身体中が熱く、その熱を放出するために、口を開けて熱い息を吐き続ける。
それでもグングンと体温は上がり、背中まで灼け爛れそうだ。

「あっ、あんっ……いっ……ああ……」
「よくなってきたな」
「くっ……い、いい……ああ、どうして……き、気持ち良くなるのっ……あうっ」

響子の締め付けはますます強まっていく。
膣口でペニスの根元をきゅうきゅうと食い締めるだけでなく、子宮口がカリを締めつけ、二重の収縮で頼広のものを締め上げた。
いつしか響子は、またも自分から腰を振り始めていた。
子宮が貪欲に肉棒を求めている。
いや、響子自身が、このたくましい男根を欲しているのだ。

きゅっ、きゅっと締め付けが定期的になり、その感覚が早くなってきた。
頼広は腰を叩き込み、子宮の底まで突き上げて、亀頭を激しく擦りつけている。
膣内すべてを蹂躙され、子宮まで踏みにじられ、響子は身体を、そして内臓まで征服される被虐感に酔い痴れている。

「んっ、んあっ! いっ! ああっ! くっ、いくっ! やあっ、またいきそうになってるっ」

そう叫んだかと思うと、背中を大きくたわませて全身を震わせた。
もう何度目になるのか、自分でもわからない絶頂を味わい、響子はがっくりと頭を後ろに垂らしている。
頼広の背中を抱きしめていた腕も、だらりと垂れ下がっていた。
膣内も当然激しく反応しており、精液を絞りだそうと膣口も膣道も、そして子宮口も思い切りペニスを締め上げてきた。
その心地よい痛みを伴う甘美な刺激を辛うじて堪え、頼広は歯を食いしばって、すぐに腰の動きを再開する。

いかされたばかりで敏感になりすぎている胎内を、またしても硬く太いものでかき回され、響子はビクンと全身を痙攣させて悲鳴を上げた。

「やはあっっ、だめっ! こ、こんなすぐなんてだめですっ、ひっ……あはっ、あああっ……か、感じすぎるんですっ、少し休ませ、ああっ!」

何度もいかされ、その絶頂感が収まる前にまた犯され、頂上まで押し上げられることを繰り返され、響子は全身をぶるぶると痙攣させ、汗にまみれた美しい女体を激しく引き攣られている。
響子と頼広の体温が上昇し、室温まで上げている。
主に響子から発せられる甘ったるい匂いがまき散らされ、空気も濃厚になっていた。
男女のフェロモンが充満し、呼吸をするのが困難なほどにむっとしている。

「いいいっ、いいっ……し、子宮が、子宮があっ……んっ、ああっ……あはああっ!」

また響子が積極的になり始める。ほとんど半狂乱になってよがり泣いていた。
だらりとしていた腕が頼広の背中に伸びて抱きしめ、激しい腰使いでぶらぶらしていただけの脚が、頼広の腰に巻き付いた。
左右の足首を絡め合わせ、ぎゅっと男の腰を引き寄せている。
自分から腰を揺さぶり出した。そこへ頼広の肉棒がドスンと子宮の奥まで来る。
子宮が突かれる振動で、内臓すべてが揺さぶられた。
膣だけでなく、全身の肉が灼け爛れるかと思うほどの快感。
腰から下がバラバラになりそうになる。

「あ、あっ! だめ、もうだめえっ……!」
「ま、またいくのか?」

その問いに、響子はガクガクと何度も強く頷いた。
子宮まで犯される激しい性交に耐えかね、また気をやりそうだ。
腰がぶるぶると痙攣し、泊まらなくなっている。
ぐうっと上体が仰け反った。

「あ、いく……またいくうっ……は、早くっ!」

響子は唇を震わせて、わななく声でせがんだ。

「頼広さんもっ……頼広さんも、いってぇっ! お願いっ、早くぅっ! あ、あ、いきそうっ……お願いだからもういってぇっ……こ、これ以上いったら、私、おかしくなるっ……!」

明るく、そして淑やかだった美しい未亡人から出る言葉とはとても思えなかった。
清楚そうな美貌をしながら、淫ら極まりない言葉を吐き続け、男心をとろかすような喘ぎ声を放っている。
そのギャップで頼広の官能も突き抜けるほどに高まっていった。

「くっ……、響子っ……お、俺ももうだめだ、いきそうだ!」
「い、いって……早くいってぇっ……い、いきそう……いきそうなんですっ!」
「中に出すぞ、子宮の中だ! いいな!」
「ああっ……!」

拒否しなければならない。理性ではそうわかっている。
しかし響子の肉体は、もうどうにもならぬほどに燃え上がっており、今、自分が何をされているのかもわからなかった。
女──というよりも「牝」の本能が剥き出しとなっていた。
葛藤は強かったが、僅かな時間だった。

(ああ、もう私この人に逆らえない……、キスも中に出されるのも この人がしたいと言えば許してしまう……)

響子は、自分が頼広の奴隷に成り下がったような気がした。
だが、ちっとも惨めだとは思えず、辛くもなかった。
むしろ、強い男に支配されるマゾヒスティックな快感と、前も後ろも口も、そして子宮まで征服されたという被虐官能が燃え盛っている。
頼広は、もう一度確認するように叫んだ。

「響子っ、いいな!? 中に出していいな!?」
「いっ、いいっ……私、もう我慢できないっ……たまんないぃっ……」

もうためらいもなく、響子は首肯した。
こんな状態で膣内射精されたらどうなるのか。
それも子宮の中に直接出されてしまうのだ。
おまけにその精液の量は多く、しかも濃い。
しかも響子の子宮は今「危険日」なのである。
これがどういう結果をもたらすのか、響子も女ならわからぬはずもなかった。
しかし女だからこそ、この快楽に逆らえなかった。

「あっ、あはあっ、いいっ……は、早く出してっ……に、妊娠してもいいからっ……あくっ、あ、あ、いきそうっ!」
「響子っ!」

頼広は響子の腰をしっかりと抱きしめ、出来るだけ深くまで挿入した。
子宮口を突破した肉棒の先が、子宮の最奥にぶつかるのがわかった。
響子も、その胸を頼広の分厚い胸板に押しつけ、美しい乳房がひしゃげるほどに強く抱きしめている。
脚は、腿やふくらはぎが攣るほどに強く男の腰を締め上げ、足首が何度もくいくいとうねった。
足の指が反り返ったかと思うと、ぐぐっと内側に強く屈まった。

「んああっ、深いっ、深すぎるっ! ああ、あっ、いくっ……頼広さんっ、い、いきますっっ!」

響子の膣と子宮に二段締めされ、頼広は大きく吠えて子宮の奥深いところで思い切り射精した。

どっぶ、どっびゅううっ、びゅるるっ。
どびゅっ、びゅくくっ。
びゅるるっ、びゅるんっ。

子宮の奥壁に男の粘液がぶち当たり、その熱さと濃厚さに、響子は目を剥いて喘いだ。

「んはああっ、出てるっ……あ、いちばん……いちばん奥に出てます……奥に当たってる……いい……いいっ……い、いく……またいくっ!」

響子は射精された刺激で連続絶頂していた。
頼広はその響子の腰をぐっと引き寄せて密着させ、たっぷりの子種を含んだ精液を惜しげもなくその子宮に注ぎ込んだ。

びゅっ、びゅっ、どくどくっ。
どぷっ、どぴゅっ。
びゅううっ、びゅるるっ。

「あ、あは……まだ出てる……すごい、こんなにいっぱい……あう、いい……」

間歇的に繰り返される射精のたびに、響子は声を震わせ、全身をわななかせてその快感を味わっていた。
響子の長い脚は、痙攣しながら男の腰にぐっと絡みついたままだ。
絡んだ両足首は何度もくいくいと動き、足の指がぐっと握られている。
響子が膣に力を込めている証拠だ。
子宮口も膣も、頼広の長大な肉棒へ嬉しそうに絡みつき、もっと精液を求めるかのように収縮していた。

「あう……すごい、まだびゅくびゅく出てる……あ、溢れてしまいます、ああ……」

失神寸前の響子は、そうつぶやくとようやく全身の力を抜いた。
頼広に腰を抱かれたまま、上半身は仰け反るように仰向けに倒れ込み、腕も脚もだらりと脱力した。
時折、びくっ、びくっと思い出したように小さく震える。

頼広が響子のなだらなか腹の上に、大きな手のひらを這わせた。
汗ばんでおり、すべすべした感触はなくなっていたが、汗のせいか、手のひらに吸い付くような肌だ。

「どうだ、孕んだ気がするか?」
「……」

響子はうっとりとした顔で、頼広の手に手を重ねた。
そして、自分でもそっとお腹を擦っている。

「はい……。今ので妊娠したような……気がします……」
「そうか」
「……」

響子はほんの束の間、暖かい時間を味わっていたが、ぐったりしていたのはほんの2分ほどだった。

「んっ……あ……?」

膣内に異変を覚える。頼広のものが、またぐぐっと大きく、そして硬くなってきたのだ。
響子は慌てたように言った。

「よ、頼広さん、また……」
「ああ……、まただ。また大きくなっちまった。これも響子があんまり色っぽいせいだ。責任とってくれ」
「せ、責任って……あ、ああっ!」

響子の脚がぐっと突っ張った。頼広は、また響子の腰を引き寄せ、腰を打ち込み始める。
響子は、子宮口に入りっぱなしの肉棒がまた太さを増して、そこを内側から拡げ始める感触に目を剥いた。

「ひっ、またっ……も、もういや……もうたくさんです、あっ……あああ……いっ、いいっ……」

ふたりはまた獣のように激しく絡み合っていった。

────────────────────

金沢駅西ビルの前で、響子と頼広が佇んでいる。
もはやふたりの間に会話はなかった。
今となっては、響子は彼に付き従うしかないのだ。

恐らく犯罪を犯しているであろう頼広と行動を共にすれば、響子自身も共犯と疑われるかも知れない。
そうなれば頼広は自分の罪を認めた上で響子は無関係であり、自分が誘拐した被害者であると主張するだろう。
それは半ば事実ではあったのだが、現状を見ればわかる通り、響子は逃げだそうと思えばいつでも逃げられる状況にあった。
それで「誘拐された」では通らないだろうと思う。
修羅の道になるのはわかりきっていたが、響子はこの男の「女」になるしかないと思っていた。

「響子」
「はい……」

それぞれ手荷物を持った男女が向かい合って立っている。
夕暮れ時とあって人通りは多いが、地元の人々は帰宅を急ぎ、観光客は物見遊山で周囲に気取られており、ふたりを気にする者はいなかった。
彼ら以外にもカップルはいて、特に目立つ存在ではなかった。

「何度も言うが、これで俺の復讐はすべておしまいだ」
「……」

それまで響子を見つめていた頼広は、そう言うと顔を逸らした。

「おまえを穢されたことに対する怒りもあったが、単に俺のメンツの問題だ。響子は関係ない」
「……」
「だからもう響子は自由だ、好きにしていい」

響子は「今さら何だ」と思っている。
もう、ここまで来ては後戻りなど出来ないのだ。
それに、もともと頼広はこの「復讐の旅路」に響子は来る必要はないと何度も言っていたのである。
それなのに無理矢理ついてきたのは響子の方なのだ。
今さら、という諦めもあったし、ここで解放すると言われても困るし、何よりこの男が無茶なことをしでかさないか心配だったのだ。

心配。

一刻館で襲われ、裕作の前でレイプされ、その後も身体を好き放題に犯し尽くした憎むべき男。
そんな男を、いつの間にか心配するようになっている。
そういう生活に慣れてしまったこともあるし、歪んでいたとはいえ彼なりの愛情もあったということも大きかった。
もはや「監禁逃亡」ではなくなっていたのだ。
響子は思いを告げるべく、口を開いた。

「私は……」

そこに、不意に声が掛かった。

「響子さん」
「……」
「……管理人さん!」
「え……?」

今、響子をその呼び名で呼ぶ者はいないはずだった。
驚いて振り返ると、そこにあの男がいた。

「ご……五代……さん?」

なぜ裕作がここにいるのだ。
あまりのことに呆然としている響子に、裕作がゆっくりと近づいてくる。

「捜しましたよ、響子さん」
「五代さん、なんで……」

一刻館で誘拐されて以来、まるで行方不明だったのだ。
そこから頼広のアパートに連れ込まれたことはもちろん、復讐行脚であちこちを点々としていたはずだ。
その動きが裕作にわかったとはとても思えなかった。

裕作は、有り金を叩いて興信所を使い、響子の足取りを徹底的に追ったのである。
少額とはいえ、住人たちからの支援もあった。
響子誘拐事件での物証──室内に残されていた頼広の体毛──からのDNA検査の結果、犯人が特定された。

頼広のアパートに警察が踏み込んだのは、響子たちが復讐旅行に出た後だった。
荒らされた室内の状況から何かあったらしいことはわかったが、きっかけを作った隣人はすでに退去していたし、それが何かは不明だった。
警察は引き続き捜査を続行し、頼広は指名手配されていた。

しかし裕作は、そのまま警察に手に委ねることをせず、独自に響子を捜したのだった。
興信所の調査により、響子たちがあちこち移動していることが判明した。
警察は指名手配にかかった頼広が逃亡し、響子も連れ回されているのだろうと予想していた。
しかし興信所の方は頼広が隣人とトラブルを起こしたことを掴んでいた。
それも響子絡みであるらしいことがわかり、その場にいた友人たちを頼広が追っていると推理したのだ。

ここまでくれば、あとはその友人たちの居場所を探れば良い。
案の定、その時にいたらしい友人たちは、頼広によって「ある被害」を受けていた。
最後に残った男の居場所が、どうやら生まれ故郷の金沢であるらしいことまで掴み、裕作に報告されたのだった。
裕作は問いには答えず、例の頼りなさそうな、しかし優しそうな笑顔で言った。

「さ、帰りましょう、響子さん」
「五代さん……」
「みんな待ってますよ。一刻館へ帰りましょう」

響子の目から自然に涙が溢れた。
この男は、ここまで自分を追ってきてくれたのか。
その間、何があったのか容易に想像がつくだろうに、それでも無言で響子を迎えようとしてくれている。

響子は、ついふらふらと裕作のもとへ行きそうになったが、そこで踏みとどまった。
彼の暖かい気持ちは充分にわかった。
しかし自分はその裕作のもとへ行ける身なのだろうか。
複数の男に蹂躙されただけでなく、誘拐犯だったはずの頼広によりその肉体を完全に開発され、今では自分から抱かれるようになってしまっている。
そんな薄汚れた女が、そんな優しさに甘えていいものだろうか。
こうして、ふたりの思い出の地まで追ってきてくれた裕作に大きく心を動かされ、運命すら感じていた。
だからこそ、裕作のその純粋な愛情に、今の自分に応えることが出来るのだろうか。

そして、頼広のこともあった。
ここまで来てしまった以上、響子も彼に対してある種の愛情を感じていたことは事実だ。
あまりにも異常な状況ではあったが、時折見せる不器用な優しさや、何より響子を愛しているという気持ちだけは伝わってきた。
他に頼る者がいないという環境だったとはいえ、響子は頼広に慕い寄っていたのだ。

三鷹瞬と裕作の間で揺れ動くといった甘いものではない。
もっと現実的で、それだけに目を背けたくなるような事実だった。

立ち止まった響子は、くるりと頼広を振り返った。
彼女の心に、彼が何か言ってくれることを期待したのかも知れない。

「……」

しかし頼広は何も言わなかった。
裕作も頼広も互いに視線を交わすこともなく、ただじっとふたりの間に佇む女を見つめていた。
両者の真ん中で石のように動けなくなってしまった女に、ふたりに男から同時に声が掛かった。

「響子」
「管理人さん」

それをきっかけに女は顔を上げた。
そして、一度だけひとりの男の方に振り向くと、小さく会釈した。
そのまま、もうひとりの男のもとへゆっくりと歩き出し、そして早足となり、軽く駆け足となった。
響子はその男の胸に顔を埋めると、両手で男の暖かい背中を抱きしめた。



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