恒例(?)になりました「音無響子 映画シリーズ」第三弾です。
今回の元ネタは、正確には映画ではなくビデオでした。いわゆるVシネマというやつですね。これも一時は隆盛を
誇りましたが、今ではそれなりのようです。Vシネバブルとも言える一時期には、これでもかと言わんばかりに様々
なジャンルの作品が大量に制作されましたが、そんな中で一定の人気を持っていたのがエロ路線です。
日活ロマンポルノが消滅して以降、これがその代役を担っていたのではないかとすら思えます。さすがに18禁指定
のものはなかったので、エロはそれなりでしたが、ロマンポルノを彷彿とさせる作品群が楽しかったですね。
傑作と言える作品はやはり少なかったのですが、その中で異彩を放っていたのが「監禁逃亡」でした。タイトル通り
なんの捻りもなく、犯罪者に誘拐され、そのまま引きずり回される女の話なんですが、これがけっこう良かった。
これでエロがもう少し充実していれば名作になったでしょうが、そこはVシネマの限界だったんでしょう。
この作品は好評でよく売れたらしく、その後も続編が山ほど出来ましたが、いずれも凡作。最初の一作のみが際立
っておりました。今回はその「監禁逃亡」をモチーフとした作品です。過去作とは異なり、これは映画ストーリーを
後追いするのではなく、「監禁逃亡」というタイトルから私が創作したお話となっております。
「音無響子 映画シリーズ」第四弾です。
恐らく、今回のネタがもっとも知名度が低い作品だと思われます。デミ・ムーアが主演した映画なんですが、正直言って
つまらない作品でした。私も劇場はもちろんDVDでも見たことはなく、テレビ東京の「午後のロードショー」で放送していた
のをたまたま見ただけです。役者陣はそう悪いとは思わなかったんですが、どうにも演出がダルい上、ストーリーも映画
じゃなくてもいいだろうってネタです。日本で言えば二時間ドラマで充分な感じ。おまけに、ネタ的には主演女優のエロ
シーンがあって然るべきなんですが、それもない(テレビだったからかなあ)。
んなわけで、普通なら「ああ時間を無駄にした」という感想しか持てない映画だったんですが、エロ小説の素材としては
悪くなかったので、それとなく頭の中で暖めておいたネタです。映画の基本プロットは取り入れていますが、他の設定は
かなり自由にいじってますし、映画の方にはまったくなかった要素も加えています。元ネタ映画よりは多少マシだろうと
自負しているんですが、さて、どうですか。
予想外に好評だった「可愛い悪魔」なんですが、実は一度、挫折しています。その後、しばらく熟成
させてから、全面的に作り直したのがあの作品なんですね。
今回掲載する作品は、その一度ボツった元作品です。これを練り直し、大幅に書き足し、修正を加え
てみました。なぜこれが挫折したのかというと、作品キャラを完全に悪役にしてしまった点が引っかか
ったためです。なので、前回はオリジナルのヤクザにしたわけです。
そういうわけで、あんまり後味よくないんですが、元はこういう作品だったのだとご理解戴ければ幸い
です。
めぞん一刻
TVや映画のアニメはほとんど見ていませんが、原作漫画の大ファンでした。それだけに、書くにあたって
非常にプレッシャーがあり、過去何度か挫折しています。このたび、ようやく響子さんに対して吹っ切れまし
たので、書き通す気になりました。「寝取られ」系になっていますが、例によってハッピーエンドにしています。
また人妻ものが書きたくなり、再度、管理人さんにご登場願うことになりました。前作「逢魔が時」とは
何の関係もない話で、まったく新たに書き下ろしています。今回は、掲示板でも再三申し上げました通り、
アンハッピーエンドになります。うまくハッピーにまとまるアイディアがなかったこともありますが、官能小
説風の終わり方をしたらどうなるだろう、という意味の実験作でもあります。で、書き上げてみますと、や
はり、あまり後味がよろしくありませんでした。私の作品群からすると異質だと思いますが、こういうのも
アリか、と思っていただければ幸いです。
前作の「可愛い悪魔」が思いのほか好評だったようで、続編のリクエストをいくつかいただきました。
「可愛い悪魔」はあれで完結しているつもりでしたから、続編を書く予定はまったくありませんでした。
しかしリクエストが多かったことと、私は人妻嬲りが好きだということ、そして前作がアンハッピーエンド
だったことが少なからず気になっていたのも事実。そこで改めて再構成し、続編を作り出しました。
ヤクザの女にされてしまった響子さんを救い出すのがメインテーマです。
なお、うまいサブタイトルが思いつかず、単に「続編」としています。いいのがあれば掲示板ででも教え
てください。
私くらいの年齢層にとって、エマニエル夫人という映画は大きな衝撃でした。女性向けのソフトポルノ
だの、ポルノに非ず芸術作品である、などと様々な議論が起こりましたが、映画を見れば一目瞭然、
要はただのポルノ映画です。内容的には乏しく、主演のシルヴィア・クリステルの肢体や艶技、初々し
さを観賞するだけの作品です。ハードコアやアダルトビデオほどではないものの、Vシネマよりはエロ
重視といった感じでしょうか。
そうはいっても、当時に思春期を迎えた少年たちにとってはかなりの影響があったのも事実です。
今回は、そんなエマニエル夫人へのオマージュとして書いてみる気になりました。ストーリーは映画
に沿う形で進んでいます。省いたエピソードもあれば、新たに加えたシチュエーションもあります。
単に映画エマニエル夫人の主演を、クリステルから音無響子に変えるという作品にはしていません。
エマニエル夫人の作品の中に入り込んで、主役のエマニエルの代わりに音無響子を当てはめるイメ
ージです。エマニエルを演じさせるのではなく、音無響子を作品世界に放り込むという風に理解して
ください。