カード・キーの発信音が響くと、響子は待ちかねたようにドアまで駆けつけていた。
中からドアを開けると、外から頼広が倒れ込むように入ってきた。
「よ、頼広さんっ!?」
「……」
頼広は響子を押しのけて、よろめくようにベッドまで辿り着くと、そのままドサッと座り込んだ。
慌てて駆け寄った響子が、「あっ」と驚いたように声を上げた。
「そ、その腕……!」
「ん? ……ああ、大したことない」
「そ、そのまま動かないでください!」
頼広の右腕、肩に近い辺りが真っ赤になっている。
見れば、ポロシャツの下に来ていたTシャツを引き千切って包帯代わりにしているらしい。
そこに血が滲んでいるのだ。
ケガをしていたのである。
響子は、呆気にとられる頼広を尻目に、リュックをひっくり返して中身をざあっと床にぶちまける。
そこからファーストエイド・パックを探し出すと、また頼広の元へ戻ってきた。
「響子……」
「ケ、ケガしてるじゃないですか!」
「いや、大したことはない」
「た、大したことないってこと、ないでしょう!?」
驚いたことに、響子の目に涙が浮かんでいる。
動揺を隠しきれず、何度も手から落としながらガーゼに消毒液を染みこませ、それで傷口を拭いている。
じゅわっと白い泡が立ち、沁みるのか、頼広は眉間に皺を寄せた。
傷口は3センチほどで、さほど大きくはなかった。
しかし、けっこう深いらしく、かなり出血したようだ。
ただ、もう血が固まりかけており、出血は止まっている。
塊になった血を擦り落とし、新たに滲む血液を拭き取りながら、響子はしゃくり上げている。
まさか泣かれるとは思わなかったので、頼広は些か唖然としながらされるがままになっていた。
響子は、新しいガーゼに傷薬を塗りつけてから患部に貼り付けると、スポーツタイプの伸びる包帯を腕に巻いていく。
「バカ……」
「……」
「だから言ったのに……」
そうつぶやいて頼広を見た響子は、下唇を噛んで懸命に涙を堪えている。
「もう、やめてって言ったのに……、気をつけてって言ったのに……」
「響子……」
「どうして危ないことばっかりするんですかっ……!」
「すまん……」
頼広はそう謝ると、響子を抱きしめた。
一瞬、身を固くした響子だったが、すぐに身体を預ける。
響子の手が、そっと頼広の腕に触れる。白い指が、筋肉質のたくましい腕を滑るようになぞっていく。
その時になって、頼広はようやく響子の様子に気づいた。
響子は上着を脱いでいて、下着姿だったのである。
しかも、いつもの白いノーマルなデザインのものではなかった。
「響子、これは……」
「あ……、これですか」
少し恥ずかしげに、愛しい未亡人は言った。
「他の下着はみんな普通のものなのに、これだけ……、派手って言うか、その……」
「……」
「もしかしたら……、頼広さん、これを私に着て欲しいのかな、って……」
普通の女性にとっては、かなり恥ずかしい下着だ。
かなりきわどいセクシーなものではあるが、名のあるメーカーのものなのか、デザインは洗練としている。
よく見れば、著名なランジェリー・メーカーであるフランスのLUXXAの製品だ。
響子も知ってはいたがかなり高価だし、大胆すぎるデザインが多いので、自分には無縁だと思っていた。
これを身に着けるのは恥ずかしくもあるが、ほんの少しだけ嬉しくもあった。
恥ずかしい反面、自分が着たらどんな感じなのか、という憧れは女性なら誰でも持っている。
また、頼広が無理に着せようとはせず、響子の好きに任せてくれたことに好感すら抱いていた。
「……」
その頼広は、黒い下着を纏った響子の肢体に見惚れていた。
ガーターが付属したビスチェとショーツだった。黒いレースとチュールレースででデザインされており、ビスチェのブラ部分のカップ上部とストラップ
には繊細なレースがモチーフされている。
アンダーワイヤーが入っているが、響子の乳房はそこから少しはみ出ていた。
しかもほとんどオープンブラなので、カップといっても隠しているのは下乳のみだ。
ブラックレースに縁取られた響子の白い胸丘が美しかった。
きゅっと引き締まったボディ部の生地はメッシュで、背中はレースとなっている。
そしてフロントはサテンリボンが美しく編み上げられるデザインだ。
そこから下がったクリップに、黒メッシュのストッキングが連結されている。
メッシュの編み目が響子の美脚を艶めかしく、よりセクシーに演出していた。
ショーツも同色で、こちらも黒レースだ。両サイドには愛らしいタッセルがぶら下がったフラワーモチーフが飾られている。
バック──つまりお尻の部分もメッシュ生地で、見事なレースが入っているが透け透けであり、響子の豊かな臀部を肉感的に装飾していた。
頼広の視線に気づいたのか、響子は少し恥ずかしそうに顔を伏せる。
「あ、あんまりじっくり見ないでください……」
「綺麗だよ、響子。本当に……」
男の手が顎を持ち上げると、ごく自然に目を閉じた。
「ん……」
ふたりの唇が重なり、そのままベッドに倒れ込む。
唇を吸っていると、頼広は響子の唇が緩んでいるのを知った。
それまで頑ななまでに口腔を許さなかった響子だったが、今はその薄紅色をした唇が僅かに開いていた。
頼広は口の中を求め、咄嗟に唇の隙間に舌を滑らせる。
響子は一瞬びくりと震えたが、抗うことはせず、そのまま頼広を迎え入れた。
初めてのディープキスに緊張した様子だったが、口の中で動き回る男の舌を追うように、響子の舌がついていく。
「ん、んむ……ふっ……ちゅっ……んんん……」
響子の口が、はっきりと開いた。
頼広は顔を傾け、唇というより響子の口を直接吸っていく。
堅く尖らせた舌先で上顎の裏をくすぐるようになぞると、響子は切なそうに眉を寄せて呻く。
貪るような激しいものではなかったが、男の舌は響子の咥内深くまで侵入している。
「んん……、んふ……んじゅっ……ふあ……」
響子は、息継ぎのためか、一度口を離した。
甘い吐息が男の鼻腔をくすぐる。
(優しいキス……。口の中を犯されてるのに、私、どうしてこんな……)
「んっ、んんっ……!」
悩ましい響子の美貌に耐えきれなかったのか、頼広は少し乱暴にまた口を吸い始める。
同時に、抱きしめた手を滑らせ、響子の尻や腿を撫で、露出した乳房を軽く揉み込んでいく。
「んっ、んむ……っ……んっ……っっ……」
臀部や乳房への優しいタッチの愛撫と、頼広らしからぬ優しい、しかし濃厚なキスの洗礼を受け、響子は男の口の中へ喘ぎ声を漏らしていく。
その舌を絡め取った頼広は、互いの唾液を交換するように口の中をかき回した。
響子は上気して頬を紅潮させ、抱きしめられた身体をうねらせて反応していく。
もどかしい愛撫を焦れったく思うのか、切なそうに喘ぎ、響子の方からも頼広の背を抱きしめる。
頬や舌の裏まで愛撫され、響子の背にぞくぞくとした甘い痺れが突き抜けていく。
響子は思わず頼広の胸板に手を置き、身体を引き離した。
「ふわっ……」
「どうした? 苦しかったか?」
「よ……頼広さん……、私、おかしい……」
響子の頬にはさらに赤みが差し、唇は小刻みにわなないている。
「キ、キスされてるだけなのに……なんだか、いきそう……」
その響子の表情があまりに悩殺的で、頼広はまたその唇を塞ぎにかかった。
今度は獣のように荒々しいキスで、響子の甘い唇を貪り吸っている。
突然の強烈な接吻に驚いた響子は、少しむずかるように抗ったものの、たちまちキスに没頭してしまう。
「んんっ……んっ! ……ん、ちゅううっ……んむ……むむう……」
(すごいキス……、こんな激しいの、初めて……)
次第に響子も頼広の熱意に引き込まれ、自分から舌を絡ませ、相手の舌を強く吸うようになっていた。
舌を淫らに絡ませ合い、男女は互いの口と舌が一体化したような錯覚に陥っている。
頼広が口を離すと、響子が名残惜しそうに唇を突き出してくる。
「……響子、もっと舌を伸ばすんだ」
「あ……、で、でも、これ以上したら、私、本当に……」
「いいから」
「ああ……」
響子は観念したように、恐る恐る舌を伸ばしていく。
舌先が頼広の口を割り、そのまま中に進んでいった。
キスしながら、頼広は響子の胸を軽く揉み、尻や腿を撫で回した。
しかし響子は、その快感を感じるどころか、キスの魔力に引き寄せられてしまい、触られていることすら気づいていない。それほどに、今、響子の舌は最大の性感帯となっていた。
「ふむううっ……んんうっ……んっ、んじゅっ、ちゅっ……ちゅううっ……じゅぶぶっ……んちゅ、んんんっ……んう……ちゅっ……」
舌を激しく吸い上げられ、くぐもった喘ぎが頼広の口の中に直接響く。
腰が、膝がふらついている。
臀部がくりっ、くりっと蠢き、腰がうねっていた。
腿を擦り合わせるようにもじもじさせている。
響子は、身体のいちばん深いところ──子宮がじわじわと熱くなってくるのを感じていた。
胎内からじくじくと愛液がにじみ出てきており、その流れが膣内に熱を伝えてくる。
耐えかねたように膣口が僅かに開き、ひくついた。
そこから蜜が漏れ始め、響子は媚肉が濡れてくるのを実感していた。
「んっ、んんっ……んんんっっ!!」
一層きつく、激しく口を吸われ、舌を抜き取られるほどに強く吸い上げられると、響子はとうとうその身体を痙攣させ、達してしまった。
「あ、あ……」
(ウ、ウソ……、本当に……本当に、いっちゃった……)
頼広が口を離し、腕から解放すると、響子はくたっと脱力した。
恥ずかしそうに腿をもじもじさせ、片足を曲げて、濡れた股間を隠そうとしている。
「……本当にキスだけで気をやったな、響子」
「やっ……、は、恥ずかしい……」
「恥ずかしいことなんかないさ。素晴らしい身体だよ、響子」
「ああ……」
響子は「抱いて」とでも言うように、頼広に両手を伸ばした。
「よし。響子、後ろを向け」
「え……」
「四つん這いになるんだ」
「……」
後背位でしたい、ということらしい。
正直に言えば、あまりその体位は好きではない。
あまりにも動物的に過ぎて、響子には快楽よりも羞恥の方が先に立つ。
しかし頼広に開発されていく中で、その羞恥や恥辱の中に新たな、そして強烈な快感があることも知ることとなった。
頼広の望みと、その愉悦への期待には抗えなかった。
いかされたばかりで、まだまともな判断が下せなかったということもある。
響子は言われた通り、膝立ちの姿勢で後ろを向いた。
まるで尻を捧げるようなその姿勢はいかにも屈辱的だし、バックから犯されるということは、女の側は何も出来ないと言うことだ。
しかし、今の響子には、そんな恥辱的なセックスこそが至上の快楽をもたらすものとなっていた。
「あっ」
男のたくましい指が黒いショーツの裾にかかったかと思うと、その薄い生地の下着は一気に引き下ろされてしまった。
ショーツは折った膝まで下ろされ、それまで隠されていた真っ白い臀部が剥き出しとなる。
まさに、殻を剥いたばかりのゆで卵のような質感で、白く艶々とした皮膚が美しい。
いつ来るか、いつ挿入されるかと意識し、響子の尻が頼りなげに小さく揺れている。
しかし男は手を伸ばさず、ただじっと見つめていた。
女の最も官能的なパーツである尻肉と、その奥で窄まっている小さな穴を、男はじっと見つめていた。
「……あ……」
いつまで経っても何もしてこない頼広を、響子は不安げに振り返った。
この男は、その体格にふさわしく、かなりの膂力がある。
また暴力的な一面も持ち合わせており、何かの拍子に「キレる」こともあった。
その反面、根は意外と人が良く、他人を思いやる気持ちもあることは、彼と一緒に行動するようになった響子にもよくわかっている。
そして、セックスとなると、妙に頭を巧緻に使い、響子を虐めるような行為をするのだ。
憎くてそうしているのではなく、言葉や恥辱で響子を追い詰め、より大きな快楽を引き出そうとしているのだ。
響子は、その頼広がまた何か意地の悪いことをしてくるのではないかと脅え、そして淫靡な期待も抱いていた。
案の定、彼は言ってきた。
「よし、それでいい。じゃあ自分で尻を割って、肛門を見せてみろ」
「えっ……」
そんな淫らで恥知らずなことが出来るはずもなかった。
響子は縋るような表情で頼広を見たが、男は許さなかった。
「早くしろ。自分で割り拡げるんだよ」
「ああ……」
響子は震える手を、おずおずと自分の臀部に回した。
顔はそのまま枕に埋めているが、恥辱で頬が真っ赤になっているのがわかる。
柔らかい尻肉に、響子の細い指が食い込むが、それ以上はどうやっても動けなかった。
「こ、これ以上は……許して、頼広さん……」
「だめだ。早くするんだ」
「ひどい……」
そう言いながらも、響子は死んだ気になって指に力を込めていく。
じわじわと尻肉を開かせていくと、その奥に外気が当たるのを感じ、一層の羞恥に包まれる。
頼広の叱咤が飛び、響子はなおも自分で尻を割っていった。
いつまで経っても男は許してくれず、とうとう谷間がなくなるほどまで拡げてしまった。
響子は泣きそうなか細い声で哀願する。
「こ、これ以上、無理です……、ああ、もう許して……は、恥ずかしくて、もう……」
「ふふ……、いっぱいに開いたな、響子。よく見えるぞ、おまえの尻の穴も、その下にあるマンコもな。もう濡れてやがる」
「いっ、いやっ……!」
「手を離すな! そのままでいるんだ」
あまりの恥辱で、響子の震えが大きくなり、ガクガクと膝を痙攣させている。
もうたまらないとばかりに尻もうねり、男に媚びを売るかのように妖美な尻ダンスを踊っている。
「あ……、み、見ないで、そんなに……ああ、もう何とかして……」
「何とか、とは?」
「こ、こんなことさせておいて何もしないなんて酷すぎます……」
響子は羞恥に身を揉んで身体を捩っているが、まだ頼広は手を出さなかった。
我慢しきれなくなったのは響子が先だった。
「み、見られてるだけなんて……ああ、もう……た、たまらない……あああ……」
まだ手を離すことを許されず、響子は健気にも自分の指で尻を割ったままだ。
やや開かれた状態で膝立ちしているため、内股の筋に引っ張られて媚肉が口を開いていた。
そこから、とろりと熱い蜜が滴っている。
「良い具合にとろけてるな、響子。よし、望み通りやってやろう」
「ああ……」
「但し、ここだぞ」
「ひっ!?」
太い指が、突然にアヌスの上をなぞった。
響子の背中がギクンと反応し、つんざくような悲鳴が上がった。
「そっ、そこっ……!」
「そう、尻の穴だ。響子もここをやられるのが好きになってきたんだろう?」
「そっ、そんなことありませんっ……あ、だ、だめ、そこ触っちゃ……んんっ!」
恥ずかしげにひくついていた肛門を指で丹念に愛撫し始めると、響子はくりくりと尻をうねらせて呻き、喘いだ。
それでもまだ自分で尻を拡げたままで、男に奥まで見せつけている。
「だめ……、ああ、お尻なんてだめです……頼広さんっ、だめ、あう……」
「声までとろけてきたじゃないか。まずはここをやってやる。それからお望みのオマンコだ。それでいいな?」
「お尻はいや……恥ずかしいからいやです……あ、あは……」
口では嫌がっているものの、アヌスはひくひくと引き窄まったり緩んだりを盛んに繰り返している。
僅かに盛り上がり、熱く柔らかくとろけていた。
そこを指の腹で撫で回されると、たまらない感覚が肛門から子宮まで突き抜けてくる。
「くっ……だめ! ああ、もう……か、身体がおかしくなりそう……何とかして……あうう……」
「いいんだな、尻で」
「な、何でもいいですから、早く……どうにかなりそうなんです……」
「なら言え。お尻にして、と言ってみろ」
「ああ、して……お、お尻に……お尻にしてください……」
響子は、羞恥と官能で頬を紅潮させながら、自分の口から肛門性交を求めた。
言いたくて言ったのではないが、そう言わないといつまでもこの男は何もせず、ただ視姦して響子を虐め続けるに違いないからだ。
うっすらと汗まで浮いてきた真っ白い臀部をなよなよと揺らめかせ、自分で割り開いた谷間の奥で、物欲しげにアヌスをひくつかせている美貌の未亡人の
姿に、頼広のペニスもギンギンに勃起していた。
「は、早く……そんなに見ないで、早くっ……」
「ふふ……」
頼広は満足げに笑みを浮かべると、響子に割らせた尻の谷間の奥にペニスの先を押しつけた。
その硬さと熱さに響子は思わず悲鳴を上げ、腰を引いたが、頼広はそのまま腰に力を込めてググッと肛門に潜り込ませていった。
大きな亀頭がめり込むようにアヌスを押し広げ、収縮しようとする肛門へ強引に挿入していく。異物を押し返そうとするアヌスの襞が、頼広の肉棒に絡みついてくる。
何度も経験させられていたが、小さな穴に大きなものを入れられる苦痛ときつさに、響子は目を剥いた。
何度されても響子のそこは緩んでしまうこともなく、性交が終われば元通りのきつさを取り戻している。
適度な収縮をなくすことなく、見事な柔軟性を誇っていた。
「くううっ……! き、きつ……ああ、太い、太すぎますっ……あ、あ、無理に入れようとしないでっ……くああっ!」
毎度のことながら、響子のここはきつい。
頼広は無理をせず、この綺麗な肛門を引き裂いてしまうことのないよう、じわじわと太い部分を飲み込ませていく。
最も太いエラの部分が通っていくと、響子は仰け反って背中を震わせた。
しかしアヌスは裂けることもなく、頼広のものを受け入れている。
頼広はそのまま腰を送り、ずぶずぶと熱く濡れた排泄器官に肉棒を埋め込んでいった。
響子自身によって割り拡げられた尻たぶが、ぺたんと頼広の腰に当たった。
根元まで埋め込まれたのだ。
そこで響子は、汗で滑ったように尻から手を離し、身体の横に腕を横たえた。
その指先は白く、細かく痙攣している。
今にも膝が崩れてしまいそうなのを見て、頼広は響子の括れた腰をがっしりと抱え上げた。
「全部入ったぞ、響子」
「ああ、お尻、きついです……く、苦しいわ……」
「大丈夫だ。いつもおまえはそう言うが、終いにはよがって……」
「い、いや! 言わないで!」
「本格的にいくぞ」
「だ、だめ、お尻はやっぱりいや、ああっ!」
奥まで埋め込んだ肉棒が腸管をぐいっとひと突きすると、響子は大きく仰け反って尻を振りたくった。
引き抜くと、絡みついた腸壁がへばりついてくるが、突き込んでやるとめくれ込むように押し戻されていく。
響子の反応と尻肉の妖艶さ、そしてアヌスの心地よい収縮を受け、頼広は激しく響子の尻にペニスを突き立てた。
「んっ! くあっ! だめ、強いっ……つ、強すぎる、もうちょっと優しく……ああっ……んはあっ……んぐっ!」
尻を思い切り潰すようにして抉ると響子の腰がわなわなと痙攣し、抜かれると、頼広の腰についていくように尻が浮き上がってくる。
その尻をまた押しつぶし、深々と根元まで抉り込ませた。
大きなストロークが激しく繰り返され、響子のアヌスはすっかり頼広のペニスの断面を覚え込んでしまったかのようだ。
肛門だけでなく、腸管までが頼広の肉棒を受け入れる形状を保っている。
皺がなくなるまでめいっぱい拡げられた肛門粘膜が妖しく肉棒に粘りつき、それを盛んに締めつけてきた。
ペニスのピストンを受け、ビクビクと反応する腸壁の心地よさに、頼広はもう射精欲が込み上げてくる。
すんでの所でそれを堪え、腹筋に力を入れて体勢を立て直し、また突き上げていく。
「んくっ……ああっ……いあっ……いっ……ふあっ……くううっ……あ、あっ……」
「気持ち良さそうな声だな、響子。そんなに尻がいいのか?」
「い、言わないで、恥ずかしいっ……んああっ……」
「今さら、何を恥ずかしがるんだ。良ければ良いと言うんだ。いつも言ってるだろう?」
「くっ……あ、もうだめっ……いっ……いいっ……」
「そうか、尻がいいんだな? 尻の穴が」
響子は何度もガクガクと頷いた。
疼くアヌスや腸管の震えを、頼広の太いものが擦り上げる快感は名状し難かった。
「そっ、そうです……あっ……お、お尻……お尻の穴っ……お尻の穴が……いいっ……」
響子から淫靡な言葉を引き出すと、頼広はその尻肉を掴んで拡げ、腰を密着させるように犯していく。
尻を掴んでいる指が、ぬめる汗で何度も滑りそうになり、そのたびに強く握り直す。
その痛みすら、響子には淫らな感覚となって子宮に到達していた。
犯されているのは肛門であり、深くまで貫かれているのは腸管なのに、どうしてこんなに子宮がジンジンと疼くのかさっぱりわからない。
「んんっ、きつっ……ふ、太くて……ああ……」
「そのきついのがいいんだろ?」
「ああ……、そ、そうです……いっ……」
「俺と音無と、どっちが良いんだ?」
「そんなこと……」
「じゃあ別の訊き方にしてやる。俺のチンポと音無のはどっちがでかいんだ?」
「しっ、知りませんっ……ああっ!」
「そうか。そうだな、音無は響子のここを使ったことがないんだったな」
頼広はそう言うと、さらに激しく響子のアヌスを貫く。
突然に亡夫のことを言われ、さらに頼広のものと比較するように言われた響子は、羞恥で顔を真っ赤にしている。
ある意味、屈辱的なことなのに、なぜか肛門も、そして媚肉もジーンと疼いてならない。
惣一郎の名を出されると、アヌスも膣もきゅっと収縮してしまうのだ。
「ひっ、は、激しいっ……お尻っ、めくれちゃうっ……」
「それとも、音無はここでも響子を犯したのか?」
「そんなことしませんっ……あ、あの人は、そんなこと……あは……」
「そうか。じゃあ、わからないよな。なら、俺しか使ったことのないここで、俺をしっかり味わえ」
「んああっ……!」
あまりに激しいピストンに脅えながらも、響子の方から尻を押しつけてくる。
エラが腸壁を削り、硬いサオがアヌス粘膜を擦る感覚がたまらなかった。
四つん這いで身体を支えている手は、指が白くなるほどに力を込めてシーツをきゅっと掴んでいた。
「だっ、だめっ……そんなにしたらだめですっ、あっ、あっ……く、来るっ……来ちゃうっ……いやああっっ!」
肛門を犯され、昇り詰めた響子は、黒髪を振り乱して全身をわななかせた。
それでも頼広はまだ許さず、尻を突きだしたままの響子を責め続ける。
ぷりんと大きく官能的な臀部に突き刺されたままのペニスは、肛門を拡げるように大きく回転していく。
ただでさえ精一杯拡げられて太いものをくわえさせられていたアヌスがさらに開口され、それまで絶頂の余韻で突っ伏していた響子は活が入ったようにビクッと震えた。
「うああっ、だめっ……やっ、そんな……い、いったばっかりなのに……お尻、今すごいんです、これ以上は……いああっ……」
もう腫れぼったく膨れあがっていた肛門に、たくましい逸物を抜き差しされるたびに、響子の喉から絶え間なく喘ぎとよがり声が溢れ出す。
響子と頼広の体温が急上昇し、室内はむっとするような熱気と淫靡な香りで満ちていた。
いつになく肛門性交で乱れる響子に男性本能が刺激され、頼広はその女体を激しく貪り、けもののように犯していった。
男の腰と女の尻が激しくぶつかり合い、肉を叩く音が辺りに響く。
もう根元まで完全に埋まっているというのにまだ満足できないのか、頼広は響子の腰を抱え持つと、さらに腰を押しつけて深部を求めた。
亀頭の先が腸壁にぶつかる苦痛と快感に、響子は仰け反って喘ぐしかない。
「あぐうっ、深いっ……お、お尻の奥まで犯されてるっ……あ、当たります、奥に当たって……い、いいっ……!」
硬いものが柔らかい内臓の内壁にぶつかるのだから相当に痛いだろうが、亀頭から漏れ始めているカウパーの影響もあって、傷つけることもなく粘膜を抉っている。
響子の方からも、絶頂を極めさせられたこともあって盛んに腸液が分泌されてきており、性交をよりスムーズにしていた。
響子の喘ぎぶりを見ていると射精したくてたまらなくなり、頼広はさらなる快楽を求め、言葉で虐め始めた。
「またいきそうになってるな、響子。さっきからおまえの尻がおれのものを痛いほど食い締めてるぞ」
「いっ……ああっ……は、はい……また……またいきそうなんです……あああ……」
「恥ずかしいやつだな、そんなに尻を犯されるのがいいのか」
「やっ、そんな……ああっ!」
「音無のやつに見せてやりたいな。おまえの女房は、他人に尻を犯されてこんなによがる女なんだってな」
「やあっ、そ、惣一郎さんのことは言わないで!」
亡夫の名を出し、意識させることで、響子の羞恥心が一気に膨れあがる。
同時に響子の被虐性も加味され、アヌスは頼広のペニスをさらに強く締めつけていく。
「ふん、収縮が強くなってきたな。音無を思い出した途端にこれか」
「だ、だからあの人のことは言わないで……くあっ」
「もうあんな男のことなど思い出したくもないのか?」
「ち、違います、ああっ……い、今は……今は考えたくないんです、くうっ……」
惣一郎のことは、裕作の件でもう響子の中で一区切りはついている。
かつての夫に対する感情は「愛している」から「愛していた」に変化させたのだ。
しかし、惣一郎のことを思い出させるようなことを言われたりすると、やはり複雑な気持ちになる。
まして、こうしてセックスしている最中に言われると、必要以上に意識してしまう。
それが響子の激しい羞恥と蠱惑的な官能を呼び起こしていた。
「んあっ! んんん〜〜〜っ……あう! んっ、くううっ……うあっ……んん〜〜っ……っは!」
頼広は、ずぶっと根元まで突き刺してから、ゆっくりとぎりぎりまで引き抜き、そしてまた一気に奥まで貫くことを繰り返した。
エラとサオで粘膜を擦り上げることを意識して引き抜き、カリが肛門の裏で引っかかると、今度は腰で響子の尻を潰すほどにずぶりと刺し貫いた。
「どうだ、奥まで入れられるのもいいが、抜かれる時がたまらんだろう」
「は、はい……んんっ……よ、頼広さんのが私の中で……ああっ……ぬ、抜かれる時にいっぱい中を擦ってくるのが……いっ、いいっ」
頼広は、四つん這いの響子の尻を押し潰すようにして思い切り腰を使い、ペニスを完全に埋没させる。
その上で、亀頭の先を使って腸管の奥の奥までぐりぐりと抉ってやった。
「くううっ、な、中っ……奥まで……お尻の奥まで来てますっ……い、いいっ……あ、そこ、ああっ!」
後背位で責められているというのに、響子は自分から挑み掛かるように、頼広へ尻を押しつけていった。
全神経を肛門に集中し、そこからの快楽を少しも逃がさぬよう、腰を打ち振っていた。
「おっ、お尻っ……お尻があっ……だ、だめ、いく……い、いきそうですっ……!」
「だめだ、まだ許さん」
「そんなっ……いいっ……も、もう我慢が……ううっ」
「そんなにいきたいのか」
響子は恥ずかしそうに顔を伏せながらも、素直にコクッと頷いた。
もう、どうにも耐えきれないらしい。
普段は羞恥や恥辱が先に立つ肛門性交だが、今日は自らその愉悦にどっぷりと浸っているように見た。
そんな響子に煽られるのか、頼広の動きも一層ダイナミックなものになっていく。
激しく突き上げ、こねくり回し、深くまで貫いた。
腸内粘膜がとろけるように絡みつき、頼広の男根と響子の腸管はまるで溶け合うかのように一体化していた。
強すぎる快感を持て余しているのか、響子は喘ぎ、よがるだけでは収まらず、激しく裸身を揺すっている。
顔を上気させ、尻をうねらせ、背中をくねらせ、白蛇がのたうつように肢体を仰け反らせる。
「だ、だめっ、ホントにだめえっ……い、いく……お、お願い、いっていいと言ってぇっ……!」
響子のアヌスが間歇的にひくつき始めている。
ほとんど痙攣に近い。
頼広のペニスも硬くなるだけ硬くなり、大きく膨れるだけ膨れあがっていた。
こっちも射精欲がコンコンと込み上げていた。爛れた背徳のセックスの快美に、響子は堪えようもなく達してしまう。
「あ、あ、いく……、いくうううっ……!」
本当に食い千切られそうなほどの締めつけに、頼広も危うく射精してしまうところだった。
あわや、というところで気を取り直し、掴んでいた響子の尻たぶを思い切り掴み直して、何とかその欲求に堪え忍んだ。
響子の方は「いくっ!」と、もう一度鋭く叫んでから、全身をぶるるっと犬のように震わせて激しく絶頂していた。
ぐううっと背中を大きく弓なりにして、そのまましばらく固まっていたが、次の瞬間、ドサッとベッドへ仰向けに倒れ込んだ。
「あ……、はあ……はあ……はあ……す、すご、かった……はあ……」
「いったな、響子」
「あ……、で、でも頼広さんは、まだ……」
腸内に、あの熱い飛沫はなかった。射精されていないのだ。
その証拠に、まだ尻の穴で食い締めている肉棒はギンギンに勃起し、響子の肛門を拡げ続けている。
快感でとろけ、汗にまみれた顔を後ろに向けながら響子が尋ねる。
「ど、どうして……あう」
頼広は答えず、そのままペニスをアヌスから抜き去った。
怖いほどに張ったカリが、爛れた肛門粘膜を擦り上げ、響子はまたギクッと反応した。
太いものをずっとくわえ込まされ、しつこいほどに激しく中をかき回されたせいか、響子のアヌスは閉じることを忘れたかのように小さく口を開けている。
とろっと少量の粘液が漏れているのは、響子の腸液と頼広のカウパーのミックスだろう。
響子は、本当に肛門と腸が頼広のペニスを覚え込んでしまったような錯覚に囚われている。
今まで誰にも触れられなかったのを頼広によって開発されたということもあるが、これでもう完全に肛門は頼広のものだと実感していた。
「ふふ、なんだ響子。尻の中に射精して欲しかったのか?」
「……」
「そんなに俺の精液が欲しいのか。好きになったな」
「そ、そんなこと言わないで……」
響子は、性の喜悦で紅潮していた頬を羞恥に染める。
こんな会話を交わしていることが信じられなかった。
惣一郎との行為では、響子が興味本位で積極的になることもあったし、そうでなければ恥ずかしくてされるがままになっていることが多く、あまりこの手の言葉を交わすことはなかった。
事後に、いわゆるピロウトークとなることはあったものの、セックスそのものの話をすることなど皆無だったのだ。
これはもう、ほとんど恋人同士か夫婦の会話となってしまっている。
複雑な思いに囚われ、口をつぐんでしまった響子の身体に、筋肉質の腕が触れてくる。
「心配するな。ちゃんとおまえの大事なところにたっぷりとくれてやる」
「っ……」
ああ、またこの男は膣内射精するつもりだ。
あんなに出されたら、繰り返し繰り返し出されたら、本当に身籠もってしまうだろう。
それだけは絶対に避けねばならなかった。
なのに響子は、子宮で頼広の精液を受け止めさせられると考えただけで、膣奥が熱を持ってきてしまう。
その妄想を合図としたかのように、開口したままのアヌスも、形状記憶しているように元の形へゆっくりと窄まっていった。
頼広はそのまま響子の腰に手を掛けると、今度は仰向けにゴロンと転がした。
「あっ……」
「よく似合うぜ、響子。そこらの娼婦が裸足で逃げ出しそうな色気だ」
「……」
「いつものオーソドックスな下着もいいが、こういうのもいいな。ふふ、おっぱいなんぞ丸出しじゃないか」
「っ」
「隠すな、見せるんだ」
「……」
オープンブラで、乳房のほぼすべてがさらけ出されていることを指摘され、反射的に腕をクロスさせて隠したものの、頼広に叱責され、仕方なく胸を見せる。
恥ずかしいのか、大きな肉塊がふるふると細かく震えていた。
そのくせ乳首は、さっきの激しいアナルセックスの影響で、しっかりと屹立していた。
それも、乳輪ごと盛り上がって、二重に膨らんでいる有様だ。
それは響子も自覚していて、だからこそ、そんな状態を見られるのが苦痛だったのだ。
視姦する頼広の目に耐えきれず、響子は顔を背けたまま、もじもじと腰をうねらせ、腿を擦り合わせている。
太腿の間は、もう愛液でぬるぬるとなっていた。
その甘い香りで、頼広のペニスがまた大きく反り返った。
思わず響子の目が、その逸物に吸い寄せられる。
(本当にすごい……。あ、あんなにビクビクして……、すごく大きい……。あ、あんなのが私の、あ、あそこやお尻に入っていたなんて……)
頼広は、黒いランジェリーに包まれた響子の白い肢体を存分に観察してから、おもむろに手を伸ばす。
その行き先は、未亡人のたわわに実った美しい乳房であった。
肛門性交による絶頂で汗ばんでいる見事な胸肉は、見るからに「たぷっ」と音がしそうなほどのサイズと弾力を併せ持っている。
「んっ……」
男の太い指が響子の乳房を掴む。
頼広の大きな手のひらからもはみ出してしまう圧倒的なボリュームと、その手触りが男を恍惚とさせる。
「すごいおっぱいだな、響子」
「……」
「披露宴で見た時は、ここまでの胸だとは思わなかったがな。あれから音無のやつに散々揉みしだかれたのか?」
「しっ、知らない……い、いやらしいことばっかり言うんだから……」
響子はプイと顔を逸らした。
惣一郎との性生活は半年もなかった。
しかもその亡夫は淡泊な方だったから、毎晩のように響子を抱くということもなかった。
これだけの美人、しかも肉体的には絶品の女が側にいる、そしてその女は妻なのだ。
俺なら毎晩、いや、一緒にいる時は常にその身体に触れ、愛撫し、貫いていたことだろうと頼広は思った。
彼は些か性欲過多の面はあったが、それでも響子を目にした男たちの大半は、頼広の気持ちが理解出来るに違いない。
「んっ……あ……くっ!」
大きな手で乳房がぎゅっと掴まれ、指によって乳輪の裾野が括り上げられる。
既に尖っていた乳首がにょっきりと膨れあがり、それを指先で弾かれると、響子は顎を反らせて小さく喘ぐ。
なおも指先が嬲るように乳首を弾き、こねくると、響子の声が次第に高まり、女体から滲み出た汗と蜜による官能の香りが辺りを支配する。
「いっ! ああ……うんっ……はあ……」
「気持ち良いのか」
「ん……」
頼広の問いかけに、響子は素直に頷いた。
乳首はビンビンに反応し、嬲られるたびに媚肉まで疼いてくる。
しかし、性に悶える顔をまともに見られるのは恥ずかしいらしく、響子は眉間を寄せ、唇を噛んで快楽を堪えている。
それでも肉体の反応は素直で、男の指が敏感な箇所に触れるだけで、白い肢体が仰け反り、腿が震えた。
頼広は次第に愛撫の手を強め、綺麗な膨らみの形が変わるほどにこねくり回した。
指で絞り上げた乳首の根元を、きゅっと強く摘むと、その痛みにも似た鋭い感覚に、響子は大きく身悶える。
「んあっ! ち、乳首ばっかり……あうっ……だ、だめ、感じすぎる……ああっ!」
響子の腕が伸び、頼広の手を止めようとするものの、筋肉の塊のようなその腕は、とても女の細腕でどうにかなるものではない。
響子はその手で頼広の硬い筋肉を確認するように、ぎゅっと強く彼の腕を掴んだ。
執拗なまでに揉みしだかれ、乳首を責められると、響子は頼広の腕に爪を立てて喘ぎ、豊かな黒髪が乱して首を何度も左右に振りたくった。
「んっ、いい……あ、あっ……ちょ、ちょっと強すぎます、あっ……」
「乱暴に揉まれるくらいの方がいいんだろう? まるでモノみたいに扱われる方が、おまえは燃えるんだろうが」
「そんなこと……あっ……い、痛い……んうっ……いっ……ああっ、いいっ……あっ!」
乳首やその周辺がほんのりと赤く染まってくるまで責め上げると、今度はその乳首が口で吸われた。
「あうんっ!」
ちゅううっと乳首がもげるほどに強く吸われ、咥内では舌でねぶられる。
おまけに根元に歯を立てられ甘噛みされ、響子は背を反らせ、胸を頼広の顔に押しつけるようにして喘いだ。
その間にも大きな手が乳房を下から上へ絞り上げるように揉みたて、その弾力と吸い付くような肌触りで頼広を愉しませている。
「いっ……はああっ……あ、いい……うんっ……あっ!?」
左手で右の乳房を揉みしだき、右の乳房を口で愛撫しながら、頼広の右手は響子の下半身へと伸びた。
手のひらが、響子の腹部や腿のすべすべした感触を愉しみながら、股間へ滑り込む。察した響子は、慌てたようにその腕を掴んで止めた。
「だ、だめ!」
「だめ?」
「あ……」
響子は、思わず掴んだ腕から手を離した。
そして気づいた。
包帯を巻いた頼広の右腕がまた出血していた。
白い包帯の中央部が、少し血で滲んでいる。
「腕……、血が……。大丈夫ですか?」
「これくらい何ともない。響子が治療してくれたしな」
「……」
顔を赤くして俯いた響子だったが、すぐに「んっ」と呻いて顔を反らせた。
頼広の指が媚肉に触れ、そこから恥毛を濡らしている蜜を掬い取っているのを知り、顔を真っ赤にしている。
「もうこんなになってるのか、恥ずかしいやつだな」
「……」
「おっぱいだけでこれか。もう準備万端のオマンコになってるぞ。どうだ、太いのを入れて欲しいんだろう」
「……」
響子は悔しさと羞恥を入り交じらせた複雑な表情を隠そうと、プイと横を向いた。
しかしその頬は紅潮しており、噛んだ唇が震えている。
「うあっ!」
武骨な指が、もう包皮が剥けかかっていたクリトリスをちょんと軽く弾くと、響子は驚嘆したような表情を見せ、全身をわななかせた。
ぐぐっと背が反り、腰が持ち上がって男の手に膣を押しつけている。
その行為は、続きを求めるかのように思えた。
「んっ、いっ! くっ……ふあっ……いっ……あ、あう……んんんっ……いっ!」
口が強く乳首を吸い上げ、左手が大きく乳房を揉み上げ、右手は膣を責めている。
中指がぬるっと膣内に潜り込み、親指が肉芽を擦って響子を喘がせている。
根元まで埋まった中指を曲げ、響子の腹の内側を撫でるように擦ると、もうそれだけで気をやりそうな声を上げている。
「いいっ……あ、そんな……んっ……くっ……いあっ……あうっ!」
響子は、もどかしそうに腰を捩る。
乳首やクリトリスの快感は強いものだったが、響子は頂点へ近づきそうになると、頼広の指がすっと引いて愛撫を弱めてしまう。
といって、完全に引き下がるわけでもなく、とろとろと小さな火で炙るかのようにして、響子の官能を宙ぶらりんにさせておいた。
堪らず響子は、もう焦らさないでとばかりに身を捩り、腰をうねらせて訴えかけた。
胸を反らせて頼広の手や顔に押しつけ、腰まで持ち上げて愛撫しやすいようにしている。
右手は頼広の腕をしっかりと掴み、左手は皺が残りそうなほどにシーツを強く握りしめていた。
「物足りなそうだな。もっと入れて欲しいか」
「……」
「頑固だな。ま、響子らしいが」
そう言うと、頼広は一度中指を抜き抜いた。
響子は狼狽したように「あっ」と小さく叫ぶと、ぐぐっと腰をせり上げて指を追ってくる。
頼広は、頬を歪ませて笑みを浮かべて響子を眺めてから、今度はおもむろに人差し指と中指を絡み合わせてから、また膣に挿入する。
内部は蜜で溢れかえっているのか、指二本分の愛液がぬぷっと噴きこぼれてきた。
「ああっ!!」
響子は大きく背中を仰け反らせ、濡れた声で喘いだ。
媚肉は二本の指をあっさりと飲み込み、しゃぶるようにくわえ込んだ。
中は驚くほどに潤っており、挿入した時も「ずぶっ」ではなく「ぬるっ」とした感触だった。
多数の襞が待ちかねたように指に絡み、引き込むように蠢動している。
頼広は、響子の中にペニスを挿入した時の法悦を思い出しながら、ゆっくりと指を律動させていく。
「ふあっ……いっ……いい……あうう……も、もっと……ああ、もっと……んんっ!」
頼広は指を抜き差ししながら、膣内を丹念に擦り、撫でていく。
鈎状に曲げた指先に襞を擦られ、響子は掠れたようなよがり声を漏らしている。
指は響子のもたらす愛液でぬるぬるであり、溢れ出す蜜で指どころか手全体がぬらぬらしてきた。
内部がこんなに柔らかく、しかも濡れているというのに、膣の収縮はかなり強く、指を盛んに締めつけてきている。
「マンコも実にいい。指に吸い付いてくるぞ。ふふ、チンポと間違えてるんだな」
「そっ、そんなこと言わないで……ああっ……いっ」
「このまま指でいかせてやろう。響子が失神するまでな」
「そ、そんなのいやです……あっ……」
「それとも、いく寸前でずっと止めてやろうか。おまえは虐めれば虐めるほどに燃えるからな」
「いやあ……」
この状態なら、指でも充分にいけるだろうし、彼の言う通り連続的にいかされるかも知れない。
しかし、それはいやだった。何となく、自慰と同じような虚しさを感じてしまうし、半端に達しても浅ましい肉欲は募る一方で、かえって膨らんで
しまうような気もする。
ここまで追い込まれてしまっては、もう最後まで仕上げて欲しかった。
そんな響子の焦燥と疼きを察したかのように、頼広は響子の顎を摘んで自分に向けさせた。
「欲しいか、響子。俺のチンポが」
「……」
響子は力なく首を振り、顔を伏せた。もう欲しくてたまらないのだが、響子の清楚さや理性というよりも、ほとんど反射的に拒んでいる。
そこがまた、たまらなく愛らしかった。
「言えないのか? なら、やらない。ずっと指だけで責めてやる。いいや、もうこのままおしまいだ」
「ど、どうして……」
そんなひどいことを、という言葉を飲み込み、響子は泣きそうな顔で頼広を睨んだ。
頼広は響子が憎くて虐めているのではないし、むしろ彼女の官能を引き出すためにそうしている。
響子もそのことを理解しているだけに、これらのやりとりは一種芝居じみて喜劇的でもあるのだが、当人たちは完全に「役柄」に入り込んでしまって
おり、男と女を演じていた。
「あっ、また……くっ……!」
響子は悔しそうに喘ぎ、すぐに官能を露わにする。
頼広の指がまた響子の中へ入り込み、蠢く肉襞をこそぎ取るように動かしていくと、内部からじくじくととめどなく愛液が零れてくる。
媚肉に差し込んだ指をぐるっと回転させ、中をなぞり上げると、響子は噛んだ唇を振りほどいて喘ぎ、頭を左右に振った。
指を根元まで突き刺し、第一関節で膣口を擦ってやると、響子は引き攣ったような声で喘ぎ、腰を盛んにうねらせてくる。
指先が敏感な箇所に触れるたびに、しなやかな裸身をビクッと震わせ、腹筋や腿に力を込めた。
「いきたそうだな」
「くっ……」
響子は何度も頷き、踏ん張るようにして快楽を堪えている。
二本の指を締めつける力はさっきよりも強まり、頼広は痛みすら感じていた。
いきそうなのにいかせてもらえず、それでいて、気をやる寸前の状態を維持させられ、響子はたまらず屈服した。
「おっ、お願いですっ……あっ……」
「なんだ?」
「も、もう……もう我慢できません……ああ、早く何とかして……」
「ほう。で?」
また恥ずかしい言葉を口にさせられるのかと、美貌の未亡人はカッと頬を赤くする。
それでいて、屈服したことを告げる恥辱を味わわされると思うと、ズクンと子宮の奥が熱く疼いてくるのだった。
「……し……して……」
「……」
これではダメなのは、以前の頼広からも学習済みなのだが、さすがに簡単に口にできることではなかった。
「して」と、自分から抱いて欲しいと告げることでさえ、響子には相当の決意が必要なのだ。
しかしもうこれ以上、肉の疼きに耐えようがなくなっていた。
鼓動とともに、膣をズクンと込み上げてくる疼きは、熱とともに軽い痛みすら伴ってきている。
頼広は黙ったまま響子を見つめ、指で中をゆるゆるとかき回していた。
「だ、抱いて……」
「……」
「お願い……」
「……」
響子は恥辱に顔を染め、唇を噛みしめたが、とうとうそれを口にした。
「セ……」
「ん?」
「セ、セックス……して……」
もう死にたいくらいの恥辱にまみれながら、響子はやっとそう言った。
一度言ってしまうと、箍が外れたように屈辱の言葉が吐けるようになった。
「セックスして……、ああ……きょ、響子を……響子を犯してください……」
「よし、よく言えたな」
「ああ……」
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