響子は顔を背けたまま、再び坂本のペニスを握ると軽くしごいた。
その間も、坂本の片手は響子の胸を弄んでいる。
響子はまた口を開けて、男の肉棒をくわえ込んだ。

「んぐう……んふっ……んっ、んふっ……んじゅっ……ちゅっ……」

響子は、舌の裏の、ぬるぬるした粘膜で坂本の男根を愛撫していく。
下顎と舌の隙間に亀頭を導き、上から優しく潰すようにしてしごいた。
両手は坂本の下腹部にあてがい、顔を前後に振っている。
響子の成長に驚きながら、坂本はとうとう自分から腰を使い始めた。
あまりの気持ち良さに勝手に腰が動いてしまうのだ。
響子は響子で、男が動いて喉の奥まで突いてきても、もう逃げようともしなかった。

「んむうう……ぐっ……んぐ……ん、んちゅっ……ちゅぶっ……んむ……んふう……んくっ……んうう……」

あまりに深くまで突いてくると「ちょっと待って」と言うように、軽く手で坂本を押し返す。
坂本はそれには逆らわず、響子のいいようにさせていた。
というのも、響子は拒否するだけでなく、押し返した後はお詫びのようにして、ねっとりと舌を絡ませてきたからだ。
気道が完全に塞がれて苦しい時しかそうはしないようで、後は基本的に坂本の動きに合わせていたのである。

「うっ……気持ち良いぜ、奥さん……ホントにあんた、大したもんだよ……」

坂本はそう感嘆しつつ、腰を揺すった。硬い肉棒が女の咥内粘膜を抉り、亀頭が喉の奥まで入り込んでいく。
カリが舌先で擦られ、亀頭の先が喉の奥に触れると、たまらない快感が突き抜ける。
坂本の腰の震えが止まらなくなってきた。限界らしい。

「お、奥さん、出すぜ。いいか?」
「ん、んぐっ!」

響子は「とんでもない」というように首を振った。
しかし、これも儀礼的なものだった。
最後の方でメロメロ状態の場合を除き、響子はどこに射精されるのも嫌がるのだ。
膣内や腸内はもちろん、咥内も拒否する。顔や胸にかけられるのも断った。
しかし、結局は出されてしまい、一度出されれば、もう射精される快美を思い出し、陶然としてくるのだった。
響子の脅えた顔を眺めながら、坂本は激しく腰を揺さぶって、その喉奥まで貫いた。
喉の粘膜が亀頭に触れ、思わず腰が痙攣する。

「くっ、出る!」
「んっ、んぐううううっ!」

坂本の肉棒が暴発し、咥内に勢いよく精液が放たれると、響子は背中をグッと仰け反らせていた。
官能的な背を反らせながら、男の射精を口で受け入れた。

「んぐうう……ぐっ……んっ、んくっ……んくっ……ごくっ……んくっ……」

勢いよく喉の奥を叩く射精の凄さに目を剥きながらも、響子は夫以外の精液を飲み込んでいく。
どろりとした濃厚な熱い粘液が口中を汚し、舌に絡み、喉に粘り着く。
生臭さが身体の中まで染みこみそうだった。

「ぶはっ……げほっ、ごほっ……の、飲みきれない……多すぎます……ごほ、ごほっ……」
「多すぎる? そうか五代はもっと少ないのか」
「い、いちいち夫のことは言わないで」
「それにしても奥さんも大胆になったな。「飲め」なんて言ってねえのに、喉を鳴らして飲みやがった」
「……」

響子の唇から飛び出たペニスはまだ射精しており、坂本はそれを掴むと響子の顔に向けていた。
少ないが、ぴゅっと飛び出た精液が、人妻の顔を穢していく。
響子は、美顔を精液でねとねとにしながら、呆然として肉棒を眺めていた。

「あ……」
「何してる。くわえろ」
「え……、あ、また……」
「勃たせろって言ってるんだよ。今度は奥さんお待ちかねのマンコに入れてやるから」
「……」

響子は半分萎えた男根をおずおずと握ると、再びそれを口にした。
精液の残滓が尿道周辺に残っているが、その気色悪さはもうなかった。
何しろ口の中には、飲みきれなかった精液がまだ残っているのだ。

「ん、んちゅ……んく……んふ……ちゅ、ちゅっ……」

一度咥内射精されたせいか、響子の動きに躊躇がなくなってきていた。
なかばうっとりとした表情で、また膨れあがってきたペニスを愛撫している。
亀頭だけくわえ、愛おしそうに唇で吸い、舌先で舐めている。

「ああ、すごい……どんどん大きくなっていく……」
「奥さんの口が気持ち良いからさ。続けろ」
「ん……」

響子は睫毛を揺らしながら顔を動かし、肉棒にしゃぶりついた。
めきめきと音がしそうなほどにペニスは勃起していき、硬く熱くなっていく。

(ああ、本当にすごい……。口の中でビクビクしてる……)

「んん、んむっ……んむっ……ちゅうっ……んじゅぶっ、じゅぶぶっ……」
「くっ……、も、もういい」
「あ……」

坂本の方から肉棒を抜き去った。
あまりの心地よさに、また射精してしまいそうになったらしい。
さっき射精したばかりで、亀頭がひどく敏感になっているのだ。
いかされたばかりの女の媚肉は一層に感じやすくなるものだが、男のものもどうやら同じようだ。

「ほら、尻を向けなよ。後ろからやってやる」
「あ……、ふ、普通に……」
「いいから四つん這いになって尻を突き出せよ。嫌がってもバックからされるのが好きなんだろ?」
「……」

人妻は屈辱を噛みしめながら従った。
両手と膝をシーツに突き、そのまま這いながらくるりと向きを変えた。
男の視線を股間に感じている。坂本の目が自分の媚肉やアヌスに向いているのがわかる。
じりじりとした焦燥感とともに、妖しい快感が股間と胸に広がっていく。
じんわりと濡れてくる。ためらいながらも、響子は口を開いた。

「は、早く……」
「ん?」
「早く……して……」
「そんなにやってもらいたいのかよ。五代が聞いたら腰を抜かすな」
「だ、だからあの人のことは……。は、恥ずかしいんです。早く済ませて」
「ふうん。じゃあ見てるだけにするかな」
「な……」

響子は唖然として振り向いた。

「セックスして欲しいから抱いて、とは言わないんだもんな。それに奥さんはさ、恥ずかしいことされると燃えるんだろ? なら、こうして見てるだけでもいっちまうんじゃないか?」
「そ、そんなこと……」
「だって濡れてるぜ、響子のオマンコ。自分でわかるだろうが」
「……」

そんなことはわかっていた。
得体の知れぬ快楽があることは事実だ。
でも、それだけではどうにもなりそうにないほどに身体が燃えてしまっている。
男性器を口にし、精液を飲んだことで、燻っていた官能の火が一気に炎と化していた。
こうなってしまうと、見られるだけで何もされないのがいちばんつらかった。
今なら「浣腸責めされないと犯してやらない」と言われたら、自分から勧んで浣腸をねだるような気すらしていた。

「い、いいから……もう何でもいいから……して……」
「ふふ……」

坂本は鼻で笑うと、おもむろに響子の尻たぶを両手で掴んだ。
一瞬だけ、響子はびくっとしたが、すぐにおとなしくなった。
この期に及んで、どこを見られても同じだと思った。
媚肉がひくつくのがわかる。
膣は、熱い肉棒の感触を待ち望んでいた。

「あっ……、そこは」

響子が驚いたように振り返った。てっきり濡れた媚肉に押し当てられると思っていた肉棒は、その硬い感触を肛門に
与えてきたのである。
人妻の裸身がピクンと反応する。
男根がアヌスにぐちゅぐちゅと押しつけられている。
響子の唾液でぬめり、生々しく光っている亀頭で肛門を擦られ、響子は上擦った声で言った。

「あ、あ……だめ……そこはだめ……」

そう言いながらも、堅く締まっていた肛門はすぐにほぐれ始めた。
亀頭マッサージの成果もあるが、「そこを犯されるかも知れない」と肉体が判断し、緩んでしまったのだ。

「あああ……、だめだめ……お尻は……お尻なんて、もう……」
「ここでも感じるだろうに。尻をやられて何度も絶頂したろ?」
「そ、そんなこと言わないで……だ、だめっ!」
「だめじゃない。いくぜ」
「ああ、いやあっ!」

柔らかくふっくらとほぐれたアヌスに、男がぐぐっと肉棒を押しつけていく。
亀頭は、響子自身の唾液のぬめりに助けられ、じわっと肛門にめり込んでいく。
響子が仰け反る。

「あ、だめっ! あ、そんな……ひっ……ぐぐっ、い、いやっ……お尻っ……あ、入る……んくううっ……だめ、お尻に入るっ……!」

紛れもない肛姦の感触に、響子はぶるっと震えた。
そもそもセックスすべき箇所ではない排泄器官を犯される汚辱感がいたたまれない。
夫にも触れさせず、見せたこともないところを観察され、浣腸までされた挙げ句、そこを犯される。
そこを何度も凌辱され、仕舞いには激しく感じさせられ、何度もいかされてしまった。
その屈辱感と恥辱感が人妻の心を熱く灼いたが、アヌスを犯される恐怖と同時に暗い快楽への期待感が胸を占めていく。

「ぐぐうっ……あ、入って……くるっ……お、大きい……あぐっ!」

悲痛な声ではあったが、その裏に甘い響きも感じられた。
すっかり元気になり、反り返った男根が、響子の狭いアヌスにめり込み、腸管を押し開いて挿入されていく。

「余計な力を入れると痛いぜ。そうじゃなくても奥さんのアヌスはきつくて具合が良すぎるくらいだからな」
「やっ……は、恥ずかしいこと言わな……ああっ!」

坂本の大きなものを飲み込まされる時の肛門が引き裂かれるような痛みだけは、何度経験しても変わることがない。
坂本も坂本で、焦ることなく突いたり引いたりを繰り返して、少しずつ入れていく。

「あぐっ!」

カリの部分がアヌスを思い切り擦りつけ、ようやく亀頭が沈み込んだ。
ここまで来ればもう大丈夫だ。
坂本は響子の腸管を拡げるようにして、ペニス全部をずぶずぶと埋め込んだ。

「あ、あうう……」

カリにアヌスの粘膜と腸内を擦られる感覚に、背を反らせて響子は身悶えた。
響子のアヌスは、太いものを口いっぱいにくわえ込んで、淡いピンク色の腸壁が捲れ上がっている。
響子の息が荒くなってきた。
何度もされてきたとはいえ、肛門を引き裂かれそうな苦痛は変わるところがない。

「はああっ……き、きつい……あ、お尻がいっぱい……お、大きくてすごい……お尻がきついっ……」
「きついって言いながらマンコ濡らす女だからな、奥さんは。そんなに尻を犯されるのが好きなのに、五代とは
してないのか?」
「す、するわけが……ああっ……な、ない……あ、あの人はこんなこと……あぐうっ」

裕作のことを言われると、響子のアヌスがきゅっと締まる。
それでも、苦しげにひくつく肛門や腸管が少しずつ肉棒に馴染み、慣れていく。
坂本に指摘された通り、響子の媚肉からはじわっと愛液が滲み、垂れてきていた。

響子は身体の変化を感じ取っていた。
貫かれたアヌスがきつくて痛いのに、なぜかその周辺の粘膜や直腸が疼いてくる。
犯されているのは肛門なのに、子宮付近が熱を持ってきていた。
微妙な女体の変化を見てとって、坂本が響子のむちっと張った尻に腰を叩きつけていく。

「んああっ、だ、だめっ……う、動いちゃだめっ……あ、あぐっ……くあっ……あ、お尻っ……ひぃっ」
「マゾの奥さんは、そのきついのがいいんだろうが。それに、すぐに気持ち良くなるさ。いつものことだろ?」
「そ、そんなことは……ああっ……んくっ……お、お尻……いっぱいになってる……ああっ……」

坂本が突き込んでくると、そのたびに響子は苦鳴を放つのだが、腰の方はしっかりと受け止めていた。
腰で尻たぶを押し込むと、むちむちの尻がぐぐっと潰され、ぶるっと震える。
それでいて決して腰を引こうとはせず、むしろ追いかけるようにして男に腰を預けていた。

「あ、あ……お、お尻が……ああっ……」
「感じてきたか。さすが響子だな」
「あうう……お尻、熱い……こ、こんな……あああ……」

反り返った亀頭が腸管を擦っていくと、人妻の肉がとろけ、ほぐれていく。
ペニスの抜き差しがスムーズになっていき、男も突き上げる速度を上げていった。

「ああっ……ああ、いいっ……あ、あう、もっと……ああ……」
「尻でも「いい」と普通に言うようになったな。いいぜ奥さん、その調子だ」
「お、お尻がおかしくなる……ああ……ひっ……」

響子の美貌に、もう抗いの色はない。
苦悶しているように見えるが、実際は強い快楽を堪えているだけかも知れなかった。
その証拠に、響子の喘ぎが熱っぽく、生々しくなっていっている。
ズンと奥まで突くと、響子は背筋を震わせて顔を反らせてよがるようになっていた。

「あ、あう、お尻……いいっ……くっ……」

坂本は大きなストロークで腰を振ってくる。
男の腰が女の尻たぶにぶつかるたびにぱぁん、ぱぁんと肉を打つ音が響いた。
響子の反応に応えるように、坂本がまた少し打ち込む速度を上げる。
ひと突きごとに響子は喘ぎ、腰を振り、尻をうねらせた。

「ああっ……ああ、いいっ……お尻が気持ち良いっ……ああっ……き、きついのに……お尻がいっぱいなのにどうして
……いいっ……」

抜き差しすると、ぬぷっ、ぬぷっと粘った水音がするようになっている。
もう腸液まで滲み出ているようだ。

「ああっ、深いっ……お、お腹の奥まで、き、来てるっ……あう、いいっ……」

直腸の奥深くまで貫かれ、抉られ、響子は身を捩らせて喘ぐ。
響子の声が1オクターブ高くなる。
同時にきゅううっと強烈な締め付けが坂本の肉棒を襲った。
柔らかい腸管は火が付きそうなほどに熱くなり、猛烈に男根に絡みついてくる。

「いいっ……くうっ……だ、だめ、坂本さんっ……わ、私、もうっ……ああっ」
「いくのか、奥さん。尻を犯されて」
「い、いくっ……」

響子はコクンと頷いた。

「あ、いい……気持ち良いっ……そ、そこいいっ……そこ、そこを突くと子宮に当たるっ……あ、あう、いくっ……
いきそうっ……」

思い切り肉棒を締め付けていたアヌスから時折すっと力が抜けることがある。
そしてまたすぐに強く締まる。
収縮がより強く、そして断続的になっていった。
坂本は、アヌスがペニスに絡みついてくる時を狙って、へばりついた粘膜を引き剥がす刺激まで加えて響子の肛門を
犯した。
思い切り腰を突くと、亀頭の先が腸管の壁にぶつかるのがわかる。
すると響子のアヌスはますます坂本の肉棒に絡み、奥へと引き込むように煽動、収縮するのだった。

「やあっ……やああっ……い、いく……もういっちゃう……ああ、だめ、お尻でいく……ひっ……い、いく!」

腰が浮くほどの重い打ち込みを子宮裏に受け、響子はひとたまりもなく達した。
きりきりっと男根を締め付け、絡みついた。
絶頂した瞬間、響子はぐぐっと坂本に尻を押しつけ、大きく何度も腰を痙攣させた。
危うく射精しそうになった坂本は慌ててペニスを抜き去った。
硬く反り返ったままの肉棒が響子のアヌスからぶるんと飛び出てきた。
その時でさえ、カリに肛門の粘膜を拡げられる感覚で響子は軽く気をやっていた。
どさりと響子の裸身がベッドにうつぶせになった。

「あ……はあ、はあ、はあ……」
「……凄かったな、奥さん。尻でもあんなに激しくいくんだな」
「ど……どうして……」
「ん?」
「どうして……中で……」

響子は、絶頂したばかりのぼんやりした表情で坂本を振り返った。
尻がまだうねっている。
どうやら、なぜ腸内で射精しなかったのかと思っているようだ。
最初のうちこそ、前でも後ろでも中で出されることを激しく嫌がっていた響子だったが、今ではそれがないと物足りなく
思うようになっていた。
察した坂本が意地悪そうに言った。

「どうしたよ奥さん。尻の中で精液出されなかったから不満なのか?」
「……」

図星だが、まさかそこで肯定するわけにも行かず、響子は悔しそうに顔を背けた。
坂本が響子の尻をぺしっと叩く。

「安心しな。最後にはちゃんと奥さんの中にたっぷり出してやるって」
「……」
「奥さんだって、これで終わりだとは思ってないだろ? 口、尻をやったら、あとはマンコだよな。これがないと
満足できない、と」
「……」
「まだ恥ずかしいのか、可愛いんだよな、そういうところが」
「と、年上の女をからかって……」
「そう言われるうちが花だと思うぜ。けどなあ、あんなに中出しを嫌がってたくせに、変わったもんだな。いいのか?
マンコの中に俺が射精しても」
「……」
「またダンマリか。でも否定もしないんだな、くく、奥さん、基本的に人が良いからな。ま、いい。起きな」

命令され、響子はのろのろと起き上がった。
いかされたばかりで、まだ腰に力がよく入らない。
上半身を起こし、そのまま膝で摺るようにして坂本に近づいた。

「あ……」

響子が小さく声を上げた。坂本が、また例のベルを持ち出してきたのだ。
小さなクリップで響子の乳首にぶら下げる小さな鈴である。
肉感的で豊満な人妻の乳房にぶら下がる愛らしいアクセサリーだ。
もうコリコリに硬くなった乳首にクリップが食いつく。

「またこれを……。どうして?」
「……いいじゃねえか。それに、これをつけたまんまやると、奥さんの身体が動くたんびにリンリン鳴るだろ?
何となくエッチじゃねえか」

それは響子も感じていた。
これをされると、目を閉じていても自分の胸がゆさゆさと揺れていることがわかるのだ。
激しく男に突かれまくって乳房が揺れる様子、乳房自体を激しく揉みし抱かれる様子が手に取るように判る。
意識すればするほどに淫らな気持ちになってしまう。

「……」

坂本の正面に来ると、響子は俯いてしまった。
この期に及んでと思うのだが、まだどこかに羞恥心や屈辱感が残っているらしい。
坂本はそんな響子の態度など大して気にもせず、その手首を掴んで引き寄せた。

「あっ……」

そのまま抱き寄せられ、抱きしめられた響子は思わず声を漏らした。
思えば、こんな風に抱きしめられたのは初めてかも知れない。
いつも強姦まがいの行為ばかりだったのだから当然と言えば当然だろう。
初めてのことであり、また予想もしなかったこともあって、響子は大きく動揺した。

「さ、坂本さん……あの……」
「……いいじゃないの、たまにはこうやって抱き合うのも」
「……」

響子は目を閉じた。
震える腕が、そっと坂本の背に回る。
弱々しくはあったが、響子は間違いなく夫以外の男を抱いていた。
なぜそんな行動を執ってしまっているのか、本人にもわからない。
どうしたわけか「いけない」という思いも薄れていた。
こんな男を愛しているわけはない。
そのはずなのだが、坂本の腕の中にいること、そして坂本の背を抱いていることで、響子の中の官能がいや増して
いくのがわかった。

「あ……」

坂本がそっと離れると、響子はとろんとした目で見返していた。
そして、胸に坂本の手が伸びてくるのをじっと見つめていた。

「ああ……」

ぐぐっと強く揉んでくる。
夫にはない力強さだ。
もちろん裕作にそんな力はないという意味ではない。
彼にはそうした性癖はなく、響子にそんなことは出来ないと思っているだけのことだ。

男の指が響子の乳房を掴む。
柔らかい肉塊が指で潰され、ぎゅうっと握られ、その美しい形を変えさせられていた。
こねられ、揉まれると、乳首から下がったベルが乾いた音を響かせる。
男の手が、その肉の柔らかさや重さ、形状を確認するが如く、じんわりと揉んでくる。
乳房に指が沈み、立った乳首のベルが鳴る様子を目の当たりにし、もうこの身体は本当に坂本のものなのだと響子は
実感していた。

「んくっ……!」

指が乳輪の境界線辺りを掴み、ぐぐっと肉に埋まっていく。
びりりっと甘い痺れが響子の背を走り、膣の奥にまで届いた。
じわっと濡れてくるのがわかる。
さっきお尻を犯され、激しく気をやったというのに、まだこの身体は快楽を求めている。
指に摘まれた乳輪は乳房から飛び出し、堅くなった乳首もぷくんと大きく勃起した。
その乳首の根元あたりを指の腹で擦られると、ぞくぞくするような快感が襲ってくる。

「ああ……」

響子は腰を捩らせ、悶えた。
気持ち良いが、少し物足りない。
腿がすりあわされ、もじもじしている。
手は拳を作り、きゅっと握りしめられていた。

「あうんっ!」

響子が顎を突き出して大きく喘いだ。
坂本は、膨れあがった乳首の真上に指を押しつけ、そのまま乳房の中に埋め込んだのである。
ずーんと重く、鈍い快感が響子の乳房から腰にまで到達した。
ぶるっと尻が震える。
今度はかなり力を込めて、ぎゅっと乳房を握られた。
指が食い込み、乳輪ごと括り出されている。

「あっ……く……、つ、強すぎます……ああ……」
「こうやって強く揉まれるのがいいんだろうに」

坂本はそう言って、括り出された乳首をきゅっと指で捻った。

「あう! あ、優しく……」
「ウソをつけ。指の跡が残るくらいの方が良いくせに」
「あ、跡が残るのはだめ……、あ、あの人が気づいちゃう……ああ……」
「ふふん」
「ああっ! つ、強いっ……は、激し過ぎる……お、おっぱいが……ああっ……」

両手で鷲掴みにされ、響子の乳房が揉みくちゃになっている。
乳首があちこちに動き回り、ベルをリンリンと鳴らしていた。

「いいんだろ?」
「ああ、いい……いいです、けど……あっ」
「最高だよ、奥さんの胸は。大きさも色も形も触り心地もな。どうだい、この見事なおっぱい」
「は、恥ずかしい……。そんなに見ないで」
「恥ずかしいことあるかよ、自慢していいレベルだぜ。しっかし、絞ったら母乳が出そうなくらいだな」
「そ、そんなの出ませんっ……きゃあ!」

恥ずかしげに顔を赤らめていた響子は、突然の刺激に悲鳴を上げた。
坂本がいきなり響子の乳房に吸い付いたのだった。
乳首だけ吸うというようなものではなく、大きく口を開けて乳房丸ごと吸い取ろうとでもしているかのようだった。

「さ、坂本さんっ、何を……ああ!」

驚いた響子は、坂本の腕を持って引き離そうとしたり、拳で腕や背中を叩いたりしたが、男の口は乳房に吸い付いた
ままだ。
わざとなのだろうか、ちゅううっと下品で卑猥な音までさせていた。

「そ、そんなに吸っちゃ……ああっ……」

坂本は両手で乳房の根元付近を握りしめ、左右の乳房を順番に乳輪ごと強く吸っていた。
まるで本当に母乳を求めている赤子のようだ。
母乳など出るわけはないと思っていても、男に強く乳首を吸われ続けるのは恥ずかしい。
響子はなおも吸ってくる坂本の腕を掴んで、何とか引き剥がそうとする。

「やっ、やめてっ……ああっ……そ、そんなに吸っても母乳なんか出ませんっ……あくっ……!」

抗おうとする響子の力が弱まってくる。
表情も甘くなってきた。
強く吸われる苦痛が、早くも響子のマゾ体質に馴染んできたのだろう。
加えて、坂本も吸引するだけでなく、口の中で愛撫することも忘れなかった。
乳輪に沿って舌を這わせたり、立った乳首を舌で転がしたり、コリッと軽く噛んだりして響子に悲鳴と喘ぎを上げ
させている。
この辺は経験値の差なのか、夫の裕作には出来ないことだ。
裕作なら、響子の乳首に吸い付いたら、もうそれだけで感激し、満足してしまい、とてもそこまで考えが回らないだろう。

響子が胸を反らせて喘ぐ。
乳房を坂本の顔に押しつけているようにも見えた。

「ああっ、いっ……いい……あ、もう……」
「ん? なんだ、どうした」

ぺろりと乳首をひと舐めしてから、坂本は口を離した。
そして上目遣いで響子の顔を覗き込むようにして言った。

「言えよ、いつもみたいに」
「……」

何度も言いかけ、慌てて口をつぐむような仕草を繰り返していた響子だったが、もう我慢できないとでも言うように
頭を振った。

「……して」
「ちゃんとだよ。セックスしてって」
「せ……セックス……して」
「響子のオマンコ犯してって」
「ひどい……」
「言え」
「……きょ……響子の……お……ま……んこ……犯して」
「ちゃんと続けてだよ。最初のもな」

もう響子は逆らう気力も潰い果てていた。
一瞬、悔しい感情や裕作への思いも蘇るのだが、すぐにどろどろにとろけた官能に飲み込まれてしまう。
いかに感じやすかったとはいえ、あの堅かった響子がここまで堕ちるとは誰にも信じられないだろう。
それだけ坂本の調教が巧みだったこともあるが、要所要所で夫の裕作を絡めたことが大きかった。
肉体を作り替えるのと並行して、その心に隙を作って拡げにかかり、そこに背徳と快楽を埋め込んでいったのだった。
人妻は顔を伏せたまま言った。

「セックス……して……。響子の……オマンコ犯して……」
「いいのか、そんなこと言っても。五代が聞いたら腰抜かすぜ。いや、泣き喚くかな」
「こ、こんな時に夫のこと言わないで!」
「悪かったよ。亭主のことなんか忘れさせてやるさ」
「わ、私は夫を忘れたりしません……。でも……」
「でも?」
「……し……して……」
「もうめろめろだな、くく。中に出すぜ、それでもいいんだな?」
「そ、それだけは……」

響子はびくりと反応した。
顔が青ざめている。

「きょ、今日は……だめです」
「なんで? 今までだって散々中に出してきたのに」
「だめ……。あ、危ない日なんです、だから……」
「ふうん。マンコに出されたら妊娠しちまうかも知れないからか」
「……」
「ま、いいだろ、こっち来な」
「……」

坂本はベッドの端へ移動し、その縁に腰掛けた。
響子は、またバックから犯されるのかと一瞬表情を暗くしたが、抵抗はしなかった。
ベッドから降り、座った坂本の前に背中を向けて正座すると、両手を絨毯に立てた。
恥ずかしい思いを噛み殺して、その尻を坂本に捧げた。
見られていることを実感し、響子は小さく震えていた。
乳首の鈴が小さく鳴っている。
見られることで燃える、恥ずかしいことをされると熱くなってくる。
また股間から熱い汁が漏れ出ているのを感じていた。

「さ、坂本さん……」
「いい眺めだけど、今日はそれじゃないよ」
「え……?」

思わず響子が振り返ると、坂本は自慢げに自分のペニスを右手で掴んでしごいていた。
響子は目を背けたが、瞼の裏にはありありとそのたくましい男根の姿が焼き付いている。
それどころか、響子の膣もアヌスも、そして口までも坂本の肉棒の感触を覚え込まされていた。

「ここへ来なよ」
「え……」

坂本は自分の腿を叩いている。
背面座位かと思い、響子は尻が乗せようとすると止められた。

「そんなに後ろから犯されるのが好きかい? 奥さんが後ろからされるのが好きなのは知ってるが、今日は前だよ。
俺の方を見ながらするんだ。ほら、俺の脚の上に乗れ」
「……」

初めての体位で響子は戸惑ったが、今さら恥ずかしがっても始まらない。
遠慮がちに坂本の腿の上に尻を乗せた。
そのままずりずりと這うように前に行く。
柔らかい尻たぶに、腿に生えた体毛が擦られていく。
なぜかそれが「男」そのものを感じさせられ、響子の子宮がきゅんと痺れた。

響子の視線は坂本の股間に注がれている。
彼の男根は45度以上の角度で上を向き、びくびくと脈打っているのがわかる。
まるで響子に挑み掛かろうとしているかのようだった。

「あ……、ああ……あ、あんなになって……」
「欲しいか、響子。なら、わかってるな? 自分で入れるんだ」
「は……、はい……」

硬そうにそそり立った肉棒から目を逸らすことなく、響子は少し身体をずらした。
憂いた美貌に切なそうな色を浮かべつつ、そっとペニスに手を触れた。

「あ……、硬い……。それに……すごい熱い……」

少し腰を上げ、響子はそのまま坂本の上に跨った。
熱いものが内腿に当たり、一瞬だけ躊躇したものの、またすぐに腰を落としていく。
恥毛の先から蜜を滴らせながら、響子は摘んだ亀頭をそのまま媚肉に押しつけた。
たちまち花びらは弾け、膣口に硬いものがあてがわれる。

「んうっ……!」

太い亀頭がめりめりと音を立てんばかりに響子の膣を押し広げていく。
毎度変わることのない疼痛が走ったが、蜜で潤いぬめぬめした粘膜は難なく大きなものを飲み込んでいった。

「んっ……ああっ……は、入る……あ、あ、どんどん中に……い、いい……」
「くっ……こっちもいいぜ奥さん。こんなに熟れたマンコなのに処女みてえにきつい。お、おっ、絡みついてくるっ」
「あう!」

ゆっくりと下がっていった響子の腰が止まった。
どうやら底まで着いたらしい。
亀頭が子宮口に当たる感触に身体が震え、乳首のベルが鳴り響く。
まだ肉棒は全部入りきっておらず、坂本は響子の腰を掴むと、ぐいっと自分に引き寄せた。

「ひぃっ!」

子宮口に亀頭が食い込み、響子は首を仰け反らせて悲鳴を上げた。
響子の臀部がぺたりと坂本の上に乗っている。
媚肉も、太いものをくわえ込まされ軋んでいた。
それでいて蜜の分泌はたっぷりで、僅かな隙間からだらだらと零れてくる。

「よ……し、全部入ったぜ。串刺しって感じだな。どうだい奥さん」
「ああう……、お、奥に……奥に来てる……あああ……ふ、深いです……」
「気持ち良さそうだな、くいくい締め付けてくるぞ」
「あ、あっ……ま、まだ動いちゃだめえっ……ああ、いいっ……」

坂本が響子の尻たぶに指を食い込ませて持ち上げ、その腰を上下させていく。
口では否定したものの、響子は自分から腰を振り始めた。
挑発するかのように、鈴をぶら下げた乳房を坂本の胸に押し当て、擦りつけている。

「ああ、あっ……いっ、いいっ……ああっ……あううっ……」
「気持ち良さそうないい顔だぜ、奥さん。あんたの快感に酔った顔ってのは絶品だよ」
「いいっ……あうっ、奥にっ……」
「よしよし、もっといい思いさせてやるからな」
「あ、あっ!? な、何を……きゃああっ!」

響子は驚いた。
坂本は響子を抱えたまま、いきなり立ち上がったのである。
対面座位でつながったままだ。
いわゆる「駅弁」であった。
響子は坂本と性器でつながっているだけだ。
坂本の手が響子の尻を抱え持っているものの、それだけではとても不安定さが消えるものではない。

響子は、ぶらぶらさせていた脚を慌てて坂本の腰に巻き付けた。
そうでもしないと落っこちてしまいそうなのだ。
当然のように両腕も、坂本の背中に回して抱きしめた。
そんな意志はなかったが、この場合どうしようもなかった。
響子の悲鳴が上がる。

「さっ、坂本さんっ! 危ない、危ないですっ。下ろして!」
「平気だと思うよ、あんたが暴れなけりゃな」
「やっ! 下ろして! あ、きゃあっ!」
「ほら危ないってんだろ! 暴れないで俺にしがみつけ。そう、そうだよ。脚を絡めて……手を背中に回せ」

坂本に叱責され、響子は慌てて彼をしっかりと抱きしめた。
男の背中に回した左手の手首を右手で掴んでいる。
官能的な太腿が坂本の腰に絡みつき、腰の後ろで左右の足首が絡みあって締め付けていた。

「やっ……あ、あ……こんなの……」
「へへ、スリルがあって面白いだろ」
「やっ……やです、こんな……ふ、普通にして……ああっ」
「そんなこと言っちゃって。こういう恥ずかしい体位が感じるんだろ」
「そんな……ああっ……」
「ほらほら、こうやると思い切り深く突けるんだ」
「あう! 深いっ……くっ……お、奥に当たってますっ……ひぃっ」

響子は苦しそうな、不安そうな表情をしたまま、それでも坂本の動きに腰を合わせていた。
この女は、ただ肉欲に浸らせるよりも少し虐めてやった方が感度が高まる。
坂本が抜き差しの速度を上げると、響子のつんざくような悲鳴が零れ、それに喘ぎが混じってきた。
硬いものを出し入れされて爛れてきた媚肉は、ねっとりとした蜜にまみれていた。
太い肉棒が抜き差しされるのに併せて、粘膜がめくれ上がり、まためくれ込んでいく。
そのたびに愛液が滴り、粘った水音が部屋に響いた。

「ああ、こんな……お、下ろして……ああう……」

響子は何度も哀願しているが、腰の動きは止まらない。
男の突き込みを柔軟に受け止め、自らも腰を突きつけていく。
響子の動きに応えるように、坂本の動きも活発になる。
ふたりの腰が激しくぶつかり、汗と蜜が弾け飛んだ。

「ひぁっ! 激しいっ……き、きついっ……も、もっとゆっくり……ああっ!」
「きついのか? でもけっこうスムーズに動くぜ」
「あ、あ……お、大きいんです、あなたのは……ああ、いいっ……」
「そうか、でかいのか。五代よりもだな?」
「ああ……」

この男は、また屈辱の言葉を口にさせようとしている。
どうしても恥ずかしいことを言わせようとする。
夫と比較させ、その違いを妻の口から言うことを強要する。
過去の調教でも何度も躾けられたことだ。
それが夫を裏切り、恥辱にまみれさせることとなるのに、響子はもうそれを言わずにはいられなくなっていた。
圧倒的な質感を持った肉の凶器が、膣と子宮を虐めている。
虐められることが至上の快楽を産んでいた。
裕作に対する背徳が、強烈な被虐に快感となり、響子を性の泥沼に引きずり込んでいく。

「お……大きい……です……」
「もっと言えよ」
「ああ……お、夫より、ずっと大きい……ふ、太いし、硬いんです……ああ……」
「ふふ、奥さんは五代より太くてでかい方がいいんだよな」
「ああ……は、はい……そ、そうです……ああ、いい……」

響子は、ぼんやりと自分の中で己の体質や本質を受け入れてきているようだった。
感じやすく、淫らな面もあるのだ。
夫は愛しているが、それとセックスは別物らしい。
坂本は大嫌いなのに、身体の相性はこれ以上ないというくらい良かった。
愛などなくてもセックスは出来るし、その感じ方や満足感は無関係らしい。
むしろ響子のような女にとっては、そうした倫理的に非難されるべきものの方が、より敏感に感じてしまうようだ。
人妻は悩乱し、混乱していた。

「ああ、もう……もう何でもいい……あっ……」

ぬぷぬぷと出入りする坂本の肉棒は、響子かわわき出る愛液でぬらぬらになっている。
男女の腰はどろどろに濡れ、それだけでなく床の絨毯にも大きな染みを作るくらいに蜜が零れ出ているのに、響子の膣からは
無制限なくらいにこんこんとわき出てくる。
硬い肉棒がガンガンと子宮口を突き上げてくると、鮮烈なまでの喜悦が込み上げてやまない。
尻たぶを掴んだ坂本の手が、ぐいっと大きく尻を割ったのにも響子は気づかなかった。

「ひっ!」

早くもぷっくりと盛り上がっているアヌスを指の腹で擦られ、響子は背筋がゾクリと震えた。
また排泄器官を責められるという羞恥もあったが、ついさっきアナルセックスで激しくいかされたこともあって、すぐに
そんな気持ちも霧消した。
さっきまで掘られていたこともあり、そこはもうすっかりほころんでいる。
そこをスッと指で撫でられ、擦られた。

「んひっ! ひああっ!」

くすぐったさはもうほとんどない。
鋭いほどの快感が肛門から子宮にまで到達した。
アヌスをいじられ、感じると、膣の中まで反応して肉棒に絡みついてくる。
気をやったばかりのそこは驚くほどに敏感になっており、指が僅かに触れるだけで痺れるような快感が伝わってきた。

「くうっ、いいっ……あ、あ、指が……ああ、お尻ぃっ……ひっ……変になるっ……」

響子は焦れったそうにもぞもぞと尻を振っていた。
物欲しそうに、切なそうに腰をうねらせる。
坂本は、腰の動きを休めずに指をアヌスに使ってきた。
肛門周辺を執拗に愛撫し、指先でアヌスそのものを軽くひっかいたりもした。
その刺激に響子は痙攣し、喘ぎ、思いあまったように腰を坂本の手に押しつけてくる。

「ああっ、お願いっ……!」
「ん? 何をだ?」
「あ、もう我慢が……ああ、お尻っ……お尻、して……ああっ……」
「してってもな。チンポは奥さんのマンコに入ってるし」
「ゆ、指で……指でいいから……ああ、もう……」
「指を入れて欲しいのか」
「そ、そうです……ああっ……指、入れて……お尻の中に……ああ……」

坂本は唇だけで笑うと、響子の思いに応えて指をねじ込んでいく。
中指と人差し指を絡めて、ドリルのように回転させてアヌスに挿入した。
指に粘膜が巻き付き、こじ開けられる感覚だけでなく、捻り込まれる感覚まで襲ってくる。

「くあっ……は、入るっ……お尻に……か、かはっ……!」

二本の指がゆっくりと回転しながら響子のアヌスに入っていく。
肛門性交のせいで分泌されていた腸液が潤滑油となり、意外とスムーズに絡んだ指が埋め込まれた。
指の根元まで無抵抗で飲み込まされると、響子は大きく喘いだ。

「はああっ……いいいっ……」

ぬぷっ、ぬぷっと指が抜き差しされ、中に入り込むたびに響子の直腸が坂本の指を締め付けた。
粘り気のある腸壁が男の指にまとわりつき、一部の隙もないほどに密着してきた。
指がゆるゆると動くと、響子は「もうたまらない」とでも言うように、身をくねらせてよがってくる。

「ううっ……ああ、いい……お尻もいい……あっ……」
「マンコはどうだ?」
「いいです、ああ……お、オマンコもいい……あう、深い……いいっ……」
「この分じゃ、そのうち男ふたりに同時に犯されないと満足できないようになるかもな。どれ、こんなのはどうだ?」
「うひぃっ! そ、それっ……いいっ!」

坂本の指が響子の腸内で曲がり、前の方──つまり膣側の腸壁を擦ってきた。
膣管には肉棒が挿入されている。
腸管の指と膣のペニスが薄い肉を通して擦れ合い、響子は芯から灼けるような快感と痺れで背中を反り返らせた。

「ああうっ、すごっ……あ、あ、中で擦れてるっ……くうああっ……」

坂本の指が腸壁を通して、膣のペニスをいじってくる。
そのゴロゴロした感覚がたまらず、響子は身を捩ってよがった。
そのまま指で腸管を強く擦り、同時に膣を突き上げてやると、響子は大きく喘ぎつつ、たちまち達してしまう。

「やはあああっ、いいっ……だめ、それ、いくっ……あ、あっ……もういく……いっくううううっっ……!」
「くっ……!」

響子は裸身を仰け反らせ、背筋をぶるっと痙攣させている。
坂本の腰に絡めた脚と腰もびくびく震えていた。
響子の激しい絶頂に、坂本も必死に堪えた。
アヌスに入り込んだ指は、折られそうなほどに括約筋に締め付けられ、前に入ったペニスも根元から絞り取られるように
圧迫された。
あわや、というところで何とか堪えたが、もう腰の後ろが熱くなっている。
このままではそうは保ちそうになかった。

「いったな、奥さん」
「あ、あ……はあ……はあ……はあ……」
「いったんだろ? マンコを犯されて尻も責められて」
「い……いき……ました……ああ……ま、またいっちゃった……」
「でも、まだ満足してないんだろ? マンコに出されてないし」
「そんな……もう許して……くたくたなんです……」
「でも、ほれ、尻はまだうねってるぜ。マンコも俺のものを離そうとしないし」
「ああ……」

響子はなよなよと首を振ったものの、両手で坂本の首を抱き、両脚で腰を締め付けている。
そうしないと自分が落下してしまうからだが、そうでなかったとしても、まだ坂本を離さなかったかも知れない。
まだアヌスを貫いている二本の指が回転し、尻の穴をいびつに拡げていく。
腰もゆっくり動き始め、ずぷっ、ずぷっと深くまで膣内を貫いていた。

「あ、あうう……も、もう……いや……んふっ……いい……」
「堕ちたな、奥さん。キスしろ」
「ああ……」
「しろよ」
「あ……、ん……んむ……ちゅっ」

坂本は両手で響子の腰を抱え持っているから、彼女の顔を引き寄せられない。
かと言って、顔を近づけても、今までの響子であれば避けてくるだろう。
ところが今回は違った。
坂本から指示されるや否や、待ちかねたように彼の頭を両手で支え、その口に自分から吸い付いていったのだ。

「ん、んむ……んじゅっ……じゅううっ……ちゅ……んむう」

清楚だった人妻は、自分を犯し抜いた男の唇を夢中になって貪っていた。
キスされている坂本の方が驚いて、目をぱちくりさせていた。
軽く男の唇をついばむように何度も吸ったり、ぐっと顔を押しつけてぺったりと唇を重ねたりを繰り返している。

「んむうう……むむ……むじゅうっ……ん、んちゅっ……んんんっ……!」

もちろん舌も使った。坂本が舌を入れてくるのを待つこともせず、自ら彼の咥内に舌を差し出していく。
坂本がそれを強く吸ってくると、美貌を歪ませて苦しそうに呻いたが、それでも口を離そうとしなかった。
逆に自分の舌を押し込み、男の口の中を愛撫する有様だ。
あり得なかった響子からの熱烈な口づけに、さすがの坂本も高ぶってしまい、思わず漏らしそうになる。
もう一度響子をいかせてから出すつもりだったから、ここで負けるわけにはいかない。
坂本も、響子からの快感に顔を顰めつつ、身体を響子に預けた。

「んふっ……!」

どさりと響子は背中からベッドに落ちた。
もちろん坂本と抱き合ったままである。
もう落ちる心配はないというのに、響子の手は坂本の頭を抱え持ったまま離さないし、脚も腰に絡みついたままだった。

「ん、んむ……んちゅっ……んむうう……」
「んっ……ぷあっ……」

たまらず坂本の方から口を離した。
ビックリした表情で人妻を見下ろしている。

「すげえな奥さん……。あんなキス、初めてだ……」
「……」

そう言われても、もはや反論もしなかった。
それどころか、切なそうに坂本の顔を見つめている。
その表情にむらむらしてきた坂本は、今度は自分から響子の口に吸い付く。

「んむっ……」

響子はためらわず吸い返した。
両者の舌が双方の口の中で激しく絡み合い、吸い合った。
交換するように互いの唾液を飲んでいる。
口を離すと、坂本は本格的に腰を使ってきた。
今度は自分がいきたいらしい。

「あはあっ、あうっ……あっ、はっ、ああっ、くっ、んうっ、んむうっ、ひっ、ああっ!」

あまりに激しいピストンに、ひと突きごとに響子の腰がベッドにめり込むかのようだ。
ギシギシと寝台のスプリングが激しく軋み、乳房のベルも乳首から取れそうになるほどに揺れ動いていた。
静脈が浮き出たいかにも硬そうな肉棒が、響子の狭い膣口をこじ開けて勢いよく出入りし、胎内を蹂躙している。

「ああっ! ああっ、いいっ! くうっ、も、もっと! もっとしてっ……ああ、深いっ……いいっ……いいですっ……」
「奥がそんなにいいか、ええ?」
「いいっ……」

響子は何度も何度も首を縦に振った。

「あああっ、お、おっきいのが奥にっ……つ、突き上げられると奥に当たるぅっ……中がすごい擦られて……ひぃっ……
気持ちっ、いいっ……!」
「もっと奥がいいか?」
「も、もっと奥がいいっ……あうっ、子宮がぁっ……」

坂本の長大さが思い知らされている。
亀頭が子宮口まで突き上げ、亀頭を何度も擦りつけてから引き戻される。
抜かれる時も、カリが膣道をめいっぱい拡げていくため、摩擦感が凄かった。

「くっ、すげえな、ちくしょうっ! やっぱ旦那に見られてると感じるのか、奥さんよ!」
「いいっ……ああ、いいですっ……奥がいいっ……」
「子宮責めがホントに好きなんだな。子宮が感じるってことは五代のやつも知ってるのか?」
「ああっ、し、知ってるわけが……いいっ……知ってるわけ、ありませんっ……」
「ほう、なんでだ? 半年もあいつとセックスしてるんだろうに」
「だ、だって、ああっ! あ、あの人のじゃ……こ、ここまで、あっ……こんな深くまで届かない……あうっ……」

裕作のことを話しながらのセックスは余計に感じるのか、響子は下から持ち上げるかのように腰を突きだしていく。
坂本も、それを潰すように押し返していた。
腰がぶつかり合い、ばっちゅん、ぶっちゅんとぬめった肉が叩きつけられる音がベッドの軋みと和音になって辺りに
響いている。

「じゃあ、また言え。五代より俺の方がいいんだな!」
「いいっ……凄くいいですっ……ああ、あの人よりも……ずっと……ずっといいっ!」
「五代じゃ物足りねえってことだな」
「も……物足りない……です、ああっ……あの人は……裕作さんは優しいですけど……ああっ……こ、こんなに激しくして
くれない……ひっ……」
「そうだろうな。奥さんは……響子は犯されるようにセックスされるのがいいんだよな。それも旦那以外の男に。
そうだな?」
「ああ、そうですっ……き、気持ち良いっ……ひぃっ、奥がすごっ……あうっ……」
「お、俺もだ、くそっ! も、もっと締めろ! マンコを締めて腰を振れ!」
「あああっ……!」

びくびくと響子の膣が小刻みに震えている。
臀部がきゅっと引き締まり、括約筋が引き攣っていた。
坂本は腰に絡んだ響子の脚を振りほどき、両手で腿の付け根を押さえつけて大きく開脚させる。
そのままガシガシと思い切り腰を叩き込んだ。
ひと突きごとに子宮が小突かれ、上へ持ち上げられる。
根負けした子宮口が少しずつ口を開けてきた。

「ああっ! あっ! いくっ! すごい、いくっ! あああ、だめっ……ひっ、ま、またっ……またいく……いきそうっ……!」
「俺もだ! だ、出すぜ奥さんっ、中でいいな?」
「いいっ……」

響子はガクガクと何度も頷いた。

「本当にいいのか? 危険日なんだろ? 孕んじまうぜ」
「ああ……」

響子の心がどす黒く染まってきている。
夫以外の男に妊娠させられてしまうという恐怖と、ここから先の快楽は射精されるしかないという脅えと期待。
単なる浮気だけならともかく、孕まされたとしたら、もう夫婦生活は決定的に壊れてしまう。
しかし、もう我慢しようとか堪え忍ぼうという気力すらなかった。
妊娠も結婚生活も、今の響子には現実性がなかった。
あるのは男の精を受けて、性の頂点に昇り詰めることだけだった。

「いくぜ、いいな?」
「もう、どこでもいいからっ……ひっ、だ、出して! 奥っ……中にぃっ……! に、妊娠しても……いいっ……!」

切羽詰まった響子の膣がぐぐっと強く収縮してきた。
ペニスの根元だけでなく、全体を膣道が締め上げている。

「ひっ、ひっ……い、いく……いっちゃう、いっ……い、いきますっっっ!!」

響子の背中が弓なりになり、その裸身がアーチ状になった。
後頭部と尻で身体を支える感じで、上に乗った坂本まで持ち上げている。
ぶるるっと大きく痙攣し、腰と腿に鳥肌が立っていた。
猛烈な勢いで絶頂した響子の悩乱した美貌とその強烈な締め付けに、坂本も自失した。
一段と激しく腰を打ち込み、何度目かに腰を完全に密着させた。
口を開けた子宮口にめり込むまで亀頭を押し込み、その形で一気に射精してのけた。

びゅくくっ、びゅるるっ。
びゅびゅっ、びゅくっ。
どぶっ、どびゅどびゅっ。

「んひぃっ! ああっ、出てる……中に……オマンコの奥に……せ、精液が……濃いのがいっぱい……ああ……妊娠するう……」
「ま、まだ締め付けてきやがる。くっ……全部出ちまいそうだ」
「ぜ、全部……全部出して……ああ、熱い……まだ出てる……凄いわ……ああ、どうしよう……に、妊娠してしまう……」

坂本は響子の腰を引き寄せるように尻を抱きしめて射精していたが、響子の方も振りほどかれた脚を再び男の腰に巻き
付けていた。
腰の後ろでしっかりと足首を絡ませて、男の腰を抱きしめている。
坂本の男根からは次々と精液が放たれ、響子の子宮に注ぎ込まれていく。
響子の胎内も、流し込まれる精液を襞に染みこませ、子宮へと送り込んでいた。

「あ……、んむ……ちゅっ……」

射精を受けながら、響子はまだ坂本の頭を抱え、キスしていった。
坂本が口を離すと、うっとりととろけた顔を横に倒した。
気をやったばかりのぼんやりとした視線が壁を捉える。
いつの間にかカーテンが開けられていた。
そこには大きな鏡があった。
坂本と抱き合っている響子が映っている。

「……あ」

鏡ではなかった。
ガラスのようだ。
そこに映っていると思っていた男女は響子たちではなかった。

裕作だ。
裕作が別の若い女と絡み合っていたのだ。
彼は女に乗ったまま、呆気にとられたようにこちらを──響子を見ていた。

「あ、あなた……いやああああっ、あなたあああっっ……!」

若い女──八神いぶきが起き上がり、裕作に抱きついていた。
その貌は響子の方を見て、妖しく微笑んでいた。


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