響子に、明確な逃亡の意志があったわけではなかった。
こんな身体にされて、しかも夫の見ている前で犯され、喘いでいるところを見られたのだ。
裕作が見ていることを知りながらも、百瀬のセックスに抗い切れず、官能の絶頂まで押し上
げられてしまった。
自分を見ている夫の顔が、涙でぼやけてよく見えなかった。
その後も、百瀬は見せ付けるように響子を犯し続けた。
さまざまな体位で、アクロバティックな格好で貫かれ、膣内に射精された。
何度も何度も挑まれ、射精され続け、息も絶え絶えになって夫の方を見てみると、もうそこ
には姿がなかった。
失望したのか、絶望したのか。
もしかしたら、裕作が見ている前で痴態を演じている響子に愛想をつかしたのかも知れない。
帰れるわけがなかった。
そして妊娠。
夫・裕作のではなく、ヤクザ者の百瀬の子をその胎内に宿してしまった。
百瀬は決して避妊しなかった。
響子が泣いて哀願しても無駄だった。
いつも必ず中に出した。
このままではいつか孕んでしまうとは思っていた。
その結果だった。
これで諦めがついた気がした。
夫以外の男の不義の子を妊娠したのだ。
家庭へ帰る道が完全に絶たれてしまった。
それでも、百瀬の子を宿したとわかったその日、百瀬に頼んで懐かしい一刻館へ行った。
クルマの中からだったが、庭が見えた。
愛児と優しかった夫が戯れていた。
涙が勝手に流れた。
響子は、夫と娘への思いを飲み込んで、そこを去った。
その場に、新しい女──八神いぶきがいたことも拍車をかけていた。
すべて終わったと思った。
自分が罠にかけられたことは明白だった。
だが、もうそんなことはどうでもよくなっていた。
どの道、もはや真っ当な暮らしはできないのだった。
それで諦めた。
そのはずだった。
しかし女性が、そう簡単に我が子を諦めきれるものではない。
まして響子は、新たな子を妊娠したのだ。
腹の子を意識するたびに、残してきた春香のことが思い出されてならなかった。
娘を思い出せば、芋づる式に愛する夫のことも思わずにはいられない。
穏やかで気の優しい夫だったが、たまには喧嘩もしたし、意地の張り合いもした。
それでも、そんな生活がどれだけ幸せに満ちたものだったのか、響子は今改めて思うのだった。
「……」
思いが募ると、もうどうにもならない。
理性では「今さら帰れない」、「ここからは逃げられない」とわかっているのだが、そんな
ものは母性本能の前には、どれほどのこともなかった。
我が子のためになら何でもやるのが親だ。
響子はふらふらと立ち上がった。
彼女が居住しているのは組事務所の一室だ。
事務所に出入りする女は、そのほとんどが幹部の妻や情婦である。
響子の立場はあくまでも「百瀬が使う商売女」予備軍であり、事務所で徹底的に仕込むために
住まわせているだけだ。
逃げられる可能性もあった。
そこで事務所に押し込んだわけだが、ここに組と無関係の女を入れることは出来ない。
そこで名目上「百瀬の女」ということにしたのだ。
このことを知っているのは、五十嵐を含め、百瀬の腹心たち数名だけであった。
だから事務所内で響子とすれ違った若い衆などは、きちんと挨拶をする。
もちろん幹部である百瀬の情婦だと理解しているからだ。
響子は事務所から出ることは禁じられているが、その中であれば比較的自由に動けた。
だから、響子が部屋から出て一階に降り、玄関を出ても、誰も何とも思わなかった。
玄関近くの小部屋に詰めていたチンピラも、買い物にでも行ったのだろうと思っていた。
ご丁寧に「行ってらっしゃい」と頭を下げたくらいだ。
響子は周囲を警戒しながら、場所を確認する。
そもそも響子はここがどこなのかもよく知らないのだ。
最寄の駅にでも行けば何とかなると思った。
財布は取り上げられているが、スカートのポケットに小銭がある。
駅へ行く前に連絡をとってみようと思った。
公衆電話を探し、うろうろしているところで、唐突に腕をつかまれた。
「な、なにを……」
「……」
後ろを振り返って、響子は眩暈がした。
忘れようもないスキンヘッド。
百瀬であった。
────────────
逃亡虚しく捕らえられ、「調教部屋」に押し込められた響子はガタガタ震えていた。
3階建ての組事務所。
そこの屋上にあるペントハウスのような建物だ。
一見プレハブのようだが、内部はかなり凝った内装になっている。
壁はモルタルで防音壁がはめ込まれている。
室内は完全冷暖房完備で、空気入れ替え用の大きな換気扇もあった。
床も壁もタイル張りで、水回りが重視されている。
病院の処置室にイメージは似ているだろう。
室内は大きめのロッカーがふたつある他は、これも大きめの洗面台、あとは部屋の真ん中に据え
付けられた大きなベッドくらいしか調度はない。
百瀬の派閥に属する一部の組員以外は、ここのことはほとんど知らされていない。
事情を知らない関係者は、単にビルの機械室だと思っているのだ。
無論、組長たる千木良にも内密である。
乱雑に置かれたパイプ椅子のひとつに響子は座らされていた。
震えが止まらない。
この部屋には、発狂しそうになるくらい責められた思い出しかないのだ。
調教部屋と呼ばれる通り、ここは百瀬たちが組には内緒で女を仕込むための場所だ。
そこでは、ありとあらゆる女体調教が行われる。
まだ百瀬グループも小規模だから、外部からゲストを招いて仕込んでもらうこともあった。
だが今日部屋にいるのは、百瀬と五十嵐、それと響子だけであった。
五十嵐が憎々しげに言った。
「このアマ……舐めたマネしやがって」
「ああ許して……許してください……」
「ざけんな!」
五十嵐は哀願する響子の頬を張った。
「てめえが逃げたお陰で、兄貴がどんだけ恥かいたのかわかってんのか!」
実際、百瀬は赤っ恥だった。組内では、響子は百瀬の情婦ということになっている。
だからこそ組事務所に出入りしているわけだ。
その自分の女に逃げられたなどという事態は、彼らにとってこれ以上ない笑いものである。
面目丸つぶれであった。
百瀬も当初は激怒していたが、今ではそうでもない。
多かれ少なかれ、ヤクザの女などというものは、強引に連れ込んだところがあるから、こうし
た事態もないわけではないのだ。
そもそも百瀬は響子に対して、さしたる愛情は感じていない。
その美貌や肉体に惚れ込み、響子とのセックスの素晴らしさに酔っていただけなのだ。
そして、美女を自分の女にしているというステータスのためである。
身籠もらせたのも愛情故ではなく、夫のある身でヤクザの子を孕ませてやるという一種サディ
スティックな欲望のためだ。
もちろん響子に娑婆への未練を断ち切らせるという意味もあった。
さらに、妊婦のコールガールとしても売れると思っていた。
従って、暴力団幹部としての顔に泥を塗られたという怒りよりも、これを機会に、さらに徹底
的に響子を調教し、娑婆への帰還を完全に諦めさせようと考えたのだ。
さすがに若造の舎弟よりは先を考えている。
五十嵐はなおもねちねちと響子を恫喝していた。
「兄貴の女だと思ってつけあがりやがって。兄貴、もう容赦しねえで死ぬまで責め抜いてやり
ましょうよ」
「ひ……」
脅える響子を横目に見ながら、百瀬は聞いた。
「そうだな……。じゃあ、どうするか」
「手加減なんかしねえで、予定通りガンガンやりゃあいいんですよ」
五十嵐は、百瀬が響子に対して責め口が甘いと思っていた。
まさか百瀬が本気で響子に惚れるとは思えないが、それにしてはいつもの厳しさがない気もした。
今までの百瀬なら、女が泣き叫ぼうが何だろうが、肛門がバカになるまで浣腸責めしたし、失神
するまで鞭打ちをしていた。
ロウ責めでも、SM用の低温ロウソクなど使わず、本物の熱いロウを平気でボタボタと肌に垂
らして、火傷だらけにしたものだ。
もちろんヤクも平然と使った。
よほど聞き分けのない場合だが、クスリ漬けにした女も数知れない。
それが響子の場合、五十嵐が「それ、もう一息」と思ったところでやめてしまっている。
納得がいかなかった。
「他の女への見せしめってこともありまさあ。ギチギチに縛り上げてしばきあげましょうよ。
もう二度と百瀬さんから離れませんって宣言するまで」
「そうだな」
「あとは足腰立たねえくらいマワしてやって、ビデオに撮ってやる。それからお座敷ショーに
出して、売り(売春)もさせてやるからな。見てろよ、とびきりの変態ばっかりの客をとらせ
てやらあ」
響子は身を縮込ませて震えていた。
「やめて、やめて」とつぶやきながら、両手で耳を押さえている。
そんな響子の様子を見ながら百瀬は考えた。
五十嵐の言い分にも一理あって、他の女の見せしめという意味はある。
逃げたら何をされるかわからないと思わせ、心理的な壁を作るのだ。
百瀬も、響子は最終的にはショーに出させ、裏ビデオに出演させ、高給売春婦としてデビュー
させるつもりではいる。
しかし、なぜそれまできつい責めをしなかったかと言えば、それはやはり妊娠していたからだ。
孕ませたこと自体は後悔していない。
響子を諦めさせるのと、孕み腹の人妻娼婦という人気スターを作る両方の効果が期待できた
からだ。
それだけに、せっかく妊娠したものを流させては意味がない。
そう思って今一歩きつく責められなかったというのは確かにあったのだ。
百瀬としては、響子の見事な肉体美を活かすべく、緊縛スターにするつもりであった。
響子のむちむちした裸身、すべらかな肌に、厳しく縛り上げたロープは映えるはずだ。
複雑で見栄えのする、響子にとってはきつい縛り方ばかりしてやろうと思っていた。
きつく緊縛されて苦悶する美貌の人妻は、見物する男どもを激しく昂奮させるに違いないからだ。
ところが孕んでしまい、それを流さないとすれば、厳しい縄責めは難しい。
無理な姿勢をさせることになるからだ。
だから緊縛は、響子が出産するまで見送る。
しかし他の責めは、今度ばかりは徹底的にしてやろうと思った。
もちろんわざと腹部を刺激したりすることはしないが、それで流産したらまた孕ませてやれば
いいと割り切った。
「響子」
「……」
「響子」
「あ……は、はい……」
響子は脅えた小犬のような表情で百瀬を見た。
大きな瞳が涙で潤んでいる。
まさに、厳格な飼い主に恐れおののく小犬のような心境なのだろう。
百瀬はなるべく冷たい声で言った。
「いま五十嵐が言った通りだ。おまえは俺の顔に泥を塗ってくれた」
「ああ、ごめんなさい……も、もうしませんから、許して……」
「ざけんじゃねえ!」
代わりに怒鳴ったのは五十嵐である。
それを手で制しながら百瀬は続けた。
「許すわけにはいかねえな。俺たちの稼業じゃ、顔を潰されたら落とし前をつけてもらわにゃ
ならん。響子にもそれなりの罰は受けてもらおうじゃねえか」
「ああ、いや……もう逃げませんから……」
「それにしても、まだガキや亭主に未練があったとはな」
「……」
響子は悲しげに顔を伏せた。
百瀬らに犯されている時は、裕作や春香のことは綺麗に忘れるほどに溺れさせられている。
しかし一時の劣情が過ぎ去れば、やはり思い出すのは最愛の夫であり、娘なのだ。
妻であり、母である以上、それは致し方のないことだろう。
百瀬は宣告するように言った。
「それなら、もう二度とガキや亭主のことを思い出せねえくらいに、その身体を仕込んでやる。
そんなこと思い出す暇がないくらい責めてくれるからな」
「や……いやあっっっ!!」
耐えきれず、響子は椅子から立って逃げ出そうとする。
ドアに取り付くが、もちろん施錠されていて開くわけもない。
必死にノブを握ってガチャガチャやっていると、後ろから五十嵐が来て、その腕をとった。
「ああっ」
そしてもう一発頬に平手を喰らわせてやると、響子は重そうな尻をぺたりと床に落として崩れた。
響子の腕を背中で捻り上げながら若者は兄貴分に聞いた。
「兄貴、で、どうするんで?」
「決まってる。響子がいちばん嫌がる責めをやるのさ、徹底的にな」
百瀬がそう言ってロッカーから出してきたものを見て、響子はそれこそ失神しそうになった。
大きな浣腸器である。
「ひぃっ……」
人妻は大きく目を見開いて悲鳴をあげた。
わなわなと細かく震えている。
ヤクザどもには、あれこれ恥ずかしい責めをいくつもされてきたが、やはり浣腸がいちばんイヤ
だった。
なぜこんなに排泄器官ばかりに恥ずかしい責めをするのか、響子には理解できなかった。
響子が嫌がるからこそ、男たちは悦んで責めているのだ。
響子の肛門は、百瀬によって無理矢理開発されたものだ。
夫たちはそんなところをセックスの対象にしようとは思わなかったのだから当然である。
アナルに指を入れられ、エボナイト棒を押し込まれ、アナルドリルで抉られて、響子の脳は苦痛
と羞恥で灼き切れそうになった。
最後には男根を挿入され、犯されたのである。
どんなに拒んでも強引に犯され、しまいには苦悶が倒錯的な快感に変化させられていった。
今ではアナルセックスでも絶頂に到達してしまうほどに、響子の肛門は成長していた。
そして、アナル責めで何よりイヤだったのが浣腸なのだ。
浣腸責めに比べれば、まだ肛門性交の方がマシであった。
後者は一応セックスであるのに対し、前者はただ女を責める行為に過ぎないからだ。
肛門から薬液を長々と入れられる感触が、腸内射精のそれを思い起こさせるのもたまらなかった。
入れられれば当然腹痛が起こる。
地獄の便意に耐えねばならない。
そして我慢の限界までくると、泣いて排泄をねだらなければならないのだ。
排泄など見られたくないから、響子もギリギリまで我慢する。
しかし生理現象は我慢の利くものではない。
気絶しそうになるまで我慢したあと、やっと観念して恥ずかしい懇願をするのに、男たちは
笑って取り合わない。
響子が狂乱するまで我慢させ、やっと排泄させるのだが、それを見物されるのだ。
女にとってというより、人にとってこれ以上の恥辱はないだろう。
浣腸は、そうした三重苦の責めなのだ。
だから響子は今までも泣いて嫌がったが、百瀬たちは強要してきた。
アヌスマニアの客のため、というより、自分たちが愉しむためにも浣腸は続けたのだ。
これで感じるようになれば、アヌス娼婦としてもいけるだろう。
それに、響子は何度してやっても浣腸を嫌っているから、今回のように何かあった時の罰として
も有効だ。
「ああ……」
響子は諦めたような、悲しい音色の声を出した。
後ろ手に縛られ、立ったままロープで天井に吊られている。
そういう部屋なのか、床だの壁だの天井だのに、多数のフックが設置されていた。
縛って固定するには事欠かない。
両脚は開かされ、膝の裏に竹竿を通されて、そこを縛られていた。
これにより、脚は閉じられないし動くことも出来ない。
腰をやや曲げて前屈みの姿勢で固定させられている。
男なら誰だって息を飲むようなポーズだった。
蠱惑的な肢体を持った人妻が、これ見よがしにグッと尻を突きだしているのだ。
開かれた股間には、膣も肛門もさらけ出されている。
百瀬でさえ、むしゃぶりつきたいのを抑えるのに苦労していた。
響子は、ふたりの淫鬼がどこを見ているのか、見ないでもわかった。
何をされるかわかっているからか、アヌスも本人同様ヒクヒクと震えている。
「ふふ、あきらめがついたか?」
「ああ、お願いです……か、浣腸だけは許して……」
「だめだ。逃げた罰なんだからな、おまえがいちばんイヤがる責めをするんだ」
いやいやともがく姿は、男の嗜虐嗜好を刺激する。
足が縛られているのに、何とか股間を隠そうと、恥ずかしげに腿をもぞもぞする仕草が扇情的だ。
五十嵐がごくりと生唾を飲んだところで、百瀬が言った。
「五十嵐、おまえは出てろ」
「ええ!? そりゃ殺生でしょうよ、兄貴……」
五十嵐は眉を八の字にして訴えた。
ここで追い出されたのでは生殺しである。
もう五十嵐のズボンは、ファスナーを突き破りそうにテントを張っているのだ。
だが百瀬は許さなかった。
「いいから出てろ、今回は俺だけでやる」
「……」
「そんなツラすんな。この後の責めはおまえだけに任せてやる。好きなように犯っていいぜ」
「わかりましたよ」
五十嵐は不承不承ながら部屋を出た。
当然納得できるものではないが、兄貴分─それも実力者の百瀬に逆らうということは、自分の
将来へ覿面に響いてくる。
ここは黙って出るしかなかった。
百瀬には百瀬の考えがあった。
今回の浣腸責めは罰則という面が強い。
それは百瀬がやるべきことなのだ。
そもそも響子の脱走未遂も、置いてきた家族への思いが強かったのが原因だ。
おしどり夫婦と評判の高い主婦だったのだから当然だが、それを断ち切らねば後々面倒だ。
但し、完全に切ってはならない。
責めている時に、ちらりとでも夫たちのことを思って苦悩する美貌こそが、人妻を犯す醍醐味
だからだ。
だからこそ百瀬も完全に堕としめるまでには仕上げてしなかったのだ。
しかしそれがまだ浅かったらしい。
諦めてはいるが、まだ心の底に夫がいる、という状況が理想なのだ。
だが、あくまで主人は百瀬なのだ。
その百瀬の指示を破ったわけだから、その罰は主人が与えねばならない。
この責めは、百瀬がご主人さまであることを心身共にわからせることにある。
だからそこに百瀬以外の人間がいるのは望ましくないのだ。
五十嵐には五十嵐の使い道がある。
この浣腸責めが終わったら、今度は若い五十嵐に向いたやり方で響子を責める。
それでいい。
百瀬は、震える白い肌を見やりながら浣腸液を作っていく。
響子に見せつけるように、それを巨大な浣腸器で吸い上げた。
500cc用だ。
満タンに溶液を入れると、両手で抱えて響子の前に立った。
今さらながら、響子の美貌から血の気が引き、形の良い唇がわなわなと震えた。
「やめて……やめてください、ああ、何でもします……何でもしますから、浣腸だけは……」
「何でもするなら浣腸されるんだな」
「いっ、いやあっ!」
百瀬は響子のアヌスに嘴管をグッと突き刺した。
何度も浣腸されているから、というよりも、浣腸器などよりずっと太いものすら何度も受け
入れさせられているせいで、響子の肛門はあっさりとそれを飲み込んだ。
それでも、突き立てると響子は喉を絞って叫んだ。
「ひっ……いやああああっ……」
もう熱くなっていた直腸の粘膜が、冷たく硬いガラスを感じてビクリと震える。
連動するように響子の裸身も跳ねた。
「ひぃっ……」
ノズルを全部沈められ、太い浣腸器自体が尻にくっつくと同時に、百瀬はシリンダーを押し
込んだ。
ガラスを擦り合わせる音が軽く響くと、おぞましい薬液が響子の肛門をくぐり抜け、その奥の
直腸へと注ぎ込まれていく。
「いやあああっ……あ、あ……入って……入ってくるうっ……」
直腸の粘膜に染み込むように薬液が流れてくる。
もうお馴染みの感触なのだが、おぞましさは一向になくならない。
響子は顔を大きく仰け反らせて悲鳴を絞り出した。
薬液が送り込まれるごとに、響子の腰がビクビクと痙攣している。
百瀬は細かく震える響子の背中を見ながら言った。
「どうだ響子、浣腸の味は? 少しは反省したか?」
「う、ああっ……あ、やめ、あっ……やめてえ……」
「俺は反省してるかと聞いてるんだぞ」
「はっ……反省……んんっ、してますっ……あ、だから……」
「そうか。なら、もっとよぉく反省しろ」
「し、しないで! あ、もうやめて……んむう……」
百瀬の押し込むシリンダーが半分ほどになると、早くも浣腸の効き目が出てきたらしい。
響子の顔が赤くなり、苦しげな表情を浮かべている。
何とも言えず、そそる美貌だ。
百瀬はさらにピストンを押し込む。
「苦しそうだな、響子」
「んん……んむ……いや……」
「しかし、もうおまえも何度もされてるんだから、そろそろ慣れたっていい頃だぞ。少しは気持
ちよくなってきたんじゃないか?」
「き、気持ちよくなんか……ああ……」
何を言っているのかと響子は思った。
浣腸されて気持ちいいわけがない。
浣腸責めは内臓の地獄だ。
心の凌辱だ。
腸が破裂しそうなほど大量に注入され、恥ずかしい排泄で羞恥にまみれ、出し終わっても吐き
気に襲われる。
快感など得ている余裕などないではないか。
「あっ、ううっ……んんんうっっ……」
薬液が400ccほども入った頃だろうか。
響子の声が変化が出てきた。
切羽詰まったものに変わってきている。
ぼんやりと薄紅色に染まってきた臀部がぶるぶると震えだした。
背中に浮いた汗や、尻の谷間の汗がつうっと流れてくる。
百瀬は細かく震えている豊満な尻を見て改めて感心した。
それにしても見事な尻だ。
ウェストがほどよくくびれているだけに、その豊かさが余計に強調されている。
浣腸に肛門いびり、そしてアナルセックスと、尻責めをすればするほどに大きく張ってきている
ような気すらしてくる。
もちろん妊娠したから、ということもあるのだろう。
火で炙れば脂が垂れそうなほどに熟した美尻であった。
「どうした響子。ずいぶん震えてきたな」
「あ、あ……もう入れないで……ううっ……」
もちろんそんな願いを聞く百瀬ではない。
むしろ余計にきつく責めてくる。
グッとピストンを押し込んだ。
その薬液の刺激に、響子はググッと背中を反らせて叫んだ。
「だ、だめっ……」
わなわなと唇が震えている。
血の気がない。
「もっ、もう我慢……できません……あ、洩れそう……」
恥ずかしいセリフだが、それを気にしている余裕は響子にない。
百瀬はさらに嗜虐の色を滲ませ、ノズルでグリグリとアヌスを抉りながら、さらに浣腸を続ける。
シリンダーを押す親指の力を込め、薬液を一気に注ぎ込んだ。
「う、ぐうううっ……そ、そんなにいっぺんに……く、苦しいっ……」
ズズッと一気に流し込むと、響子は甲高い悲鳴を上げた。
「あああっっ……!!」
膨れあがって、今にも噴き出しそうな肛門からノズルを引き抜いた。
響子のアヌスはノズルをしっかりとくわえ込み、引き抜く百瀬を驚かせた。
恐らく出てしまいそうなのを堪えていたからだろうが、それにしてもこれだけの食い締めがある
のだから、響子との肛門性交が気持ちいいのは当然だろう。
浣腸器を抜かれると、響子は「ああ……」と一声呻き、ガクリと脱力した。
しかしすぐに震えだした。
「く、苦しい……ああ……も、もうだめ……」
妖しい表情で苦悶する響子が、耐え切れぬように身体を揺する。
むちむちした尻の肉は痙攣が止まらず、アヌスはふっくらと膨れ上がり、慌てて窄まる動きを
繰り返していた。
それまで赤かった響子の顔面が蒼白になる。
流れる汗に粘りが出てきていた。
500ccもの浣腸液を流し込まれた直腸はグルグルと鳴り、早く出させろと騒いでいる。
百瀬は、震える尻をぐっと掴むと、グイッと大きく割り拡げた。
汗でぬめった尻肉は掴みにくかったが、底には今にも爆ぜそうになったアヌスがひくついている。
もう響子には、肛門を観察されているという意識はなく、ただただ腸の苦痛にのたうつばかり
だった。
我慢に我慢を重ねていたが、いよいよ限界なのか、肛門の収縮が早くなってきた。
そして百瀬の方を振り返り、震える声で言った。
「だめ……もうだめです……は、早くおトイレに……も、洩れる……うう……」
泣きそうな声の美女を冷たく見下ろし、ご主人さまは言った。
「まだだめだ。これは罰なんだからな、少しは我慢してもらう」
「そ、そんな……これ以上は無理です……で、出てしまいますっ……」
「なら、少しまぎらわせてやろうか。それ」
「やっ……」
百瀬はおもむろに響子の乳房を揉みしだいた。
汗でぬめった肌は、まるで男の手に吸い付くかのようだ。
ぎゅうぎゅうと乳しぼりでもするように、力を込めて揉み込んだ。
「あ、いや……ううんっ……」
乳房からの快感も、便意を妨げるほどではなかった。
バストを揉まれる心地よさを、直腸の激しい苦痛が追い払ってしまう。
百瀬の手が乳房を離れ、響子のなめらかな腹部に来た。
響子は絶叫する。
「やめてぇっ……あ、うう、苦しいっ……あ、しないでぇ……で、出る……ああ、我慢できなく
なっちゃいますっ……」
下腹を大きな手でぐにぐにと揉み込まれた。
途端に直腸が悲鳴を上げ、ぐるるっ、ぐきゅうっと妙な音を立てた。
人妻の便意はますます促され、恥ずかしい崩壊が一挙に襲い来る。
「お腹! ああ、お腹が裂けてしまう……痛いっ……し、死ぬぅ……」
「これじゃあもうトイレに行ってる暇はないな。ここでするか、響子?」
響子はガクガクうなずいた。
「はっ、早く! ああ、早くさせて!」
「いいぞ、ここでしていいんだ。見てやるからな」
「ああ、だめ、出るっ……出ちゃう、出ちゃううっ……み、見ないで!!」
最後の理性を持った言葉が人妻の口から発せられると、凄まじい崩壊劇が展開された。
────────────
「ああ……ま、また、こんな……」
やっと便意を絞りきると、響子はさめざめと泣いた。
響子にとって永遠にも近い時間だった。
またしても、つぶさに恥ずかしい排泄を観察されてしまった。
見られるたびに、響子は自分が女でなくなっていく気がしていた。
「はあ……はあ……う、うう……」
浣腸液が出終わると、響子はすすり泣いていた。
全身から力を抜いて、縛られたロープに身を任せてしまっている。
死ぬ思いで我慢した便意を解き放ち、ようやく苦痛から逃れたものの、死にも勝る羞恥を味わ
わされてしまった。
両目の瞼を固く閉じ、青ざめた唇を噛みしめている。百瀬が呆れたような口調で言った。
「随分と出したもんだな、響子。便秘でもしてたのか?」
「……ああ……」
そんなことはないのだが、百瀬は人妻の羞恥を煽り立てる意味で言っている。
その始末もすべて百瀬がやった。
撒き散らされた床を掃除し、響子の汚れた臀部や腿を濡れタオルで拭き取ったのも百瀬だ。
響子はいたたまれなくなっていた。
「また俺の前でウンチしたんだな」
「……言わないで……」
「しかも俺が響子の尻を綺麗に拭いてやったんだ。こんなこと、亭主にだってさせたことはない
だろう?」
「ああ……」
「これでわかったろう。おまえの主人は俺だ。おまえは俺の女なんだ、いいな」
「……」
精神的に打ちのめされた人妻は、何も言えなかった。
夫どころか、誰にも見られてはならない恥ずかしいシーンを何度も見られているのだ。
百瀬は、ぐったりしている響子の顎をつかむと、そのまま唇を吸った。
「ん……んむ……んんんん……」
少しむずかったが、響子は抗わなかった。
そんな精神的余裕はなかった。
きつく吸い付いてくる百瀬に身を任せ、唇を許した。
口を開け、咥内も許した。
百瀬のタバコ臭い舌が、ぬめぬめと響子の口中を荒らし回る。
長いキスが終わって口を離すと、ふたりの舌は唾液の糸で繋がっていた。
まだ響子がぼうっとしているのを見て、百瀬はニンマリした。
そして空になった浣腸器を持ち上げ、再び薬液を吸い上げていく。
赤く爛れ、まだヒクヒクと蠢いているアヌスに、その先を突き刺した。
「そ、そんなっ……」
ぐったりしていた響子がピクンと跳ねて目を剥いた。
「もう一発……いや、何度でも浣腸だ。今日は徹底的にやるぜ」
「いっ、いやっ……ああ、もう浣腸は許してくださいっ……」
「ダメだと何度言わせるんだ。これは罰だと言ったろう」
ぷりぷり動く尻に浣腸器を差し込み、そのままググッとシリンダーを押す。
今度は時間をかけず、ぐいぐいとピストンを押し込んだ。
100,200,300と、あっという間にグリセリン溶液が響子の直腸に流れ込む。
途端に響子がもがき始めた。
「ああうっ、く、苦しいっ……お腹、もうだめですっ……うんっ、ううんっ……」
たちまち500cc送り込むと、もう我慢が出来ないかのように、アヌスが震え出す。
あうあうと口を開けながら、人妻はみじめに哀願した。
「あ、あ、だめ……が、我慢できないっ……ああ、出る、出てしまうっ」
ついさっき排便したばかりの響子に、二度目の刺激は耐えきれなかった。
それでもしばらくは背中を震わせて我慢していたものの、すぐに肛門が膨れあがった。
「だ、だめっ……出ちゃう!」
慌てて引き締めようとしたものの、肛門は決壊してしまった。
わなないていたアヌスから、ぴゅるぴゅると薬液が漏れたかと思うと、どっとばかりに浣腸液を
吐き出した。
百瀬はわざと呆れたような声で言った。
「おいおい、いくら何でも早すぎるぜ。もう少し我慢しろや」
「やああああっ、見ないで、見ちゃいやあ……」
髪を振り乱して顔を振りたくる響子だが、そんなことで排泄が止まるものではない。
もはや腰にも腹にも力が入らなかった。
肛門が灼けるように熱い。
冷たかったはずの薬液は、響子の腸内でたちまち熱せられ、放出する時に彼女のアヌスを灼いた。
今度は響子が泣く暇も、呆然とする時間も与えられず、続けざまに何度も浣腸された。
三度、四度と続くと、もうアヌスから噴き出る薬液は綺麗なものだった。
匂いもない。
熱さだけは相変わらずで、排泄のたびに人妻の肛門を灼き続けた。
すっかり爛れてしまったアヌスに、百瀬は五度目の浣腸を仕掛けていく。
「あ、あうう……」
響子はもうほとんど抵抗しなかった。
僅かに腰を揺するだけだ。
いやがる言葉もなかった。
無駄だとわかったのだ。
この男は厭きるまで浣腸し続けるのだろう。
アヌスはすっかりほころびて、浣腸器のノズルをスルッと簡単に受け入れた。
またしても注入が始まる。
「んん……んむむう……」
シリンダーを押して薬液を送り込むと、響子の尻がぶるっと震える。
背中の汗が光る。
それは今までと変わらなかったが、その表情にいささかの変化が現れていた。
苦悶した妖しい美貌なのは同じだが、口が少し開き加減になっている。
そこからは熱い吐息が洩れているのだ。
グッとシリンダーを押し込むと、首を少し仰け反らせ、小さく呻く。
「あうう……むううっ……」
百瀬はいやらしそうに笑って、いったん浣腸器を引き抜いた。
「あう……」
「ふふ、響子。やっと浣腸で感じるようになってきたんだな」
「ああ……」
そんなことはないと、弱々しく首を振った。
だがヤクザは手を股間に伸ばし、響子の膣に指をやる。
そして掬い取るようにして、そこから蜜を穿りだした。
「なんだ、これは。ああ? 濡れてるじゃねえか」
「ち、違います……」
「違わねえな。こりゃおまえのマン汁だろうが」
「ああ……」
百瀬は、愛液で濡れた指を今度は乳房へ持っていく。
そしてゆっくりと揉み上げた。
「ほれ、おっぱいの先だってこんなに硬くしやがって」
「こ、これは……」
「これは、なんだよ。感じるからこうなってんだろうが」
「……」
言われなくてもわかっていた。
認めたくなかっただけだ。
何度目あたりからだろうか。
腹の中に注入されるおぞましい薬液が心地よくなってきたのは。
腸の粘膜をピリピリと刺激するその感覚が、新たな快感となって響子の脳髄に送り込まれてくる。
浣腸液で腸内を侵される苦悶、絶え間ない便意の苦痛、そして排泄時のアヌスの熱さと痺れ。
そのすべてに伴う、気が狂いそうな羞恥と屈辱。
それらが飽和状態となった時、響子の脳から苦痛を和らげるべくドーパミンが放出された。
浣腸でそうなるようになってしまったのだ。
グリセリンが腸襞を刺激する痺れが快感となっている。
百瀬はそれを確認すると、再び浣腸した。
「ああっ……」
「ほれほれ、気持ちいいだろうがよ。いっていいんだぞ、響子」
「ああ、いやあっ」
半分ほど残った薬液をズズズッと一息で注入していく。
たちまち腸内が地獄の苦痛になる……はずが、響子にとって極めて刺激的な官能となっていた。
一気に流入され、美貌の人妻はたちまち上り詰めた。
「ああ、いっ、いくっ……」
その瞬間、ぐうんと裸身を反らせ、白い喉を晒して響子は絶頂に達した。
腰と言わず臀部と言わず、ぶるるっと激しく痙攣している。
百瀬がノズルを引き抜くと、その刺激だけでまたいった。
「くうっ……」
わななくように尻が震え、少しの間だだけガクリと萎えた。
しかしすぐにひくついた響子の肢体は、腿や腹筋に力が入ってくる。
「あ、あ……出る……」
「まだ出すな」
すかさず百瀬が厳しい声で指示した。
それまではさっさと出せと言ってきたのに、今度は出すな、だ。
響子はわけがわからない。五度も続けて浣腸され、そんなに我慢できるわけがない。
「あ、もういいですかっ……もうだめなんですっ……」
「ダメだと言ってるだろうが。そんなに我慢出来なきゃ、こうだ」
「きゃああっ」
響子はアヌスに熱い感触を得た。
百瀬が指を突っ込んできたのだ。
それも親指だ。
太い指でアヌスを貫かれたが、既に爛れきっていてさほど痛みはなかった。
しかし栓の役割は果たしており、響子の排泄をせき止めている。
腸内で熱い流動物がぐるぐると蠢き、爆発しそうな苦痛に、響子は恥も外聞もなく泣き叫んだ。
「お、お願いです、百瀬さんっ……ああ、もうホントにダメなんですっ……さ、させてぇ……」
「そんなにウンチしたいのか、奥さんよう」
「は、はいっ……もう我慢できないぃ……したい、したいんですっ……ひっ……出させてぇぇ
……」
「じゃあもう一回言ってもらおうか。奥さんは誰のものだ?」
「あ……」
急に響子は醒めた。
しかし彼女の心情に関わらず、腸は暴れている。
我慢できるものではない。
それを口にするしかないのだ。
「も、百瀬さんの……」
「……」
「私は、百瀬さんの女ですっ……あ、だから早くぅ……お腹が苦しい……だ、出させて、お願い
っ……」
さすがに限界だと踏んだのか、百瀬はゆっくりと指を抜いた。
一瞬の間もなく、響子の肛門からびゅうっと浣腸液が噴き出した。
「あ、ああ……ううっ……」
安心したような声を出し、さらに出そうと響子は息んだ。
勢いよく出ていた透明な薬液に力がなくなり、どろどろと溢れるようになり、最後にはちょろ
ちょろと滴るまでになった。
それでもまだ絞りきれないのか、響子のアヌスは小さく口を開けたままで、そこから滲むように
零れてくる。
粘った汁になっているのは、腸液も多量含まれているからだろう。
百瀬は、汗まみれになっ響子の尻を撫で回しながら満足そうに言った。
「とうとうおまえも、浣腸で気をやるようになったんだな」
「言わないで……」
「おまえは堕ちるとこまで堕ちたんだよ。浣腸されてイクような恥ずかしい女になったんだ。
もう亭主やガキんところになんか帰れるわけがねえだろう」
「……」
それは百瀬のせいではないかと響子は言いたかった。
しかし事実として、こんな身体にされてしまったのだ。
彼の言う通り、どんな顔をして裕作のもとへ帰れるというのか。
響子は声を殺して泣いた。
百瀬はまだしつこく尻たぶを揉み、撫でながら言った。
「まあ、そんなに悲しむこたあねえさ。響子にゃこれから新しい人生が始まるってわけさ。
生活でもセックスでもな。心配すんな、不自由はさせねえし、亭主じゃ味わえないくらい
セックスでも満足させてやるって」
「……」
何も言えない響子に、百瀬はあくどそうな笑みを浮かべた。
「さて、続きといくか」
「えっ……」
響子は驚いて振り向いた。
そして仰天した。
百瀬はまたしても浣腸の用意をしているではないか。
信じられなかった。
「ああもう……もう堪忍してください……か、浣腸はもう……お尻が壊れてしまいます……」
「バカ言うな、浣腸されて気をやりやがったくせによ」
「……」
「大体そんなでかい尻がそう簡単に壊れてたまるかよ。それに響子、勘違いすんなよ。これは
おまえを悦ばせるためにやってんじゃねえぞ」
「……」
「罰だと言ったろう。おまえが本当にまいるまでやるんだよ」
「そんな……」
震える響子を後目に、百瀬は薬液を作っていく。
薬瓶からドロドロとグリセリンを注ぎ、それを浣腸器で吸った。
そして、まだ腸液と薬液のミックスを滴らせているアヌスに差し込む。
「ひぃ……」
またしても嘴管の感触を得て、響子は呻いた。
もちろん痛みもきつさもない。
ガラスと薬液の冷たさと、これからまた味わうことになる苦悶の予感が響子を苦しめた。
百瀬は少し重そうに浣腸器を抱えると、響子に言った。
「覚悟しろよ、響子。今度は少しきついぜ」
「え……あ、ああっ……!?」
ドロリときた。
それまでの、びゅうっと勢いよく注がれる感覚とは違う。
そして腸で感じる刺激もまるで違っていた。
じわじわと染み込むように痺れていく感じではなく、強く激しく腸粘膜が反応する。
びりびりと痺れ、痛みすら伴う強烈な刺激に、響子は喚いた。
「こっ、これっ……」
さっきまでとは異なり、ドロドロした粘液のようなものが注がれている。
そして刺激は痛いほどにきつい。
何度も何度も浣腸されていている響子にはわかった。
これは原液だ。
まるで水で薄めることなく、ストレート液を使っているのだ。
「ま、まさか……」
「ほう、わかるか。さすがに好きな尻だけあるな。そうだよ、こいつはグリセリンのストレート
だ」
「ひぃっ……」
「きついぜ。今までとは比較にならんはずだ。これも全部飲むんだ。じゃなきゃ許さんぜ。
もし途中で我慢できなくて吐き出したら、今度は倍入れてやるからな」
「そ、そんな……ああっ……」
たまらない刺激に、人妻は必死になってかぶりを振った。
「だ、だめ、これだめぇっ……あ、お腹が……お腹っ……」
それでも百瀬はぐいぐいとシリンダーを押す。
そのたびに響子はビクンを跳ね上がる。
「ううっ……ううむっ……お、お尻、どうにかなっちゃうわっ……」
さすがに百瀬でも一気には流し込めない。
一度ピストンを押してひと呼吸置き、そしてまた押し込む。
それを何度も繰り返した。
「ぐっ……はああっ……は、入って、ううむ、入ってきちゃうう……」
何度にも渡る排泄で白くなっていた裸身がたちまちにしてピンクに染まっていく。
均整の取れた肢体には、見る間に汗が噴き出してきた。
室温がもう少し低かったら、湯気でも出そうなくらいに響子の身体は内部熱で熱せられている。
グリセリンがずずっと入ってくるごとに、腰を揉み、アヌスがひくひくっと引き締まっている。
意識的にしているのではなく、あまりの刺激に腸が耐えきれず、盛んに収縮させているのだろう。
何とか半分ほど注入すると、百瀬の額にも汗が浮いていた。
ドロドロしているだけあって、なかなかシリンダーが押せないのだ。
だが、その頃になると響子にも徐々に変化が見られるようになった。
「ああ……あ……むむ……お尻が苦しい……」
「まだ半分あるぞ、我慢しろ」
「む、無理です……あむむ……お尻が……灼けちゃいそう……熱くてもう……ああ、ま、まだ
入ってくる……お尻がいっぱい……ああ……」
尻の震えはまだ止まらないが、嫌がるような身悶えがなくなっている。
注入されると、全身を踏ん張らせ、息むようにして耐えているのだ。
噛みしめていた唇も開き、時折「ああ……」という吐息すら洩れている。
さすがにきつくて、まだはっきりと感じるところまでいっていないかも知れないが、それでも
苦痛以外の何かを感じ取っているのは明らかだった。
百瀬も舌を巻いた。
ここまでアヌスが敏感な女も初めてだったのだ。
普通、グリセリンストレート浣腸などすれば、いくら慣れている女とはいえ、その苦痛に耐え
かねて狂ったように泣き叫ぶものだ。
それが響子の場合、半分も入れるともう順応し始め、今では苦痛以外の何かの感覚を得て、戸惑
い、苦悩している。
この人妻のアヌスは、どこまで成長するのか、百瀬にも予想がつかなかった。
そこで気がついて、ひょいと響子の膣の付近を覗いてみた。
案の定だった。
そこはもうぐっしょりと濡れ、恥毛は恥丘などにへばりついている。
あまつさえ、その毛先からはポタポタと蜜が垂れているではないか。
身体の方は、早くも快感として認識しているのだ。
「う、うむう……あ、もう……入りません……あっ……むむっ……ぐっ、むううっ!」
最後の一押しで、響子はぐうっと背筋を弓形に反らせて呻いた。
全部入れられたのだ。
ようやくにしてすべて注入し終え、百瀬はホッと息をついた。
響子のアヌスを観察すると、さすがに厳しいのか、ふるふると震えて、時々薬液がぴゅっと漏れ
ている。
百瀬はそこをまた指で押さえ込んだ。
「あっ、また指で……ああ、そんな、ぐりぐりしないでぇっ……」
百瀬はただ抑えているだけでなく、響子の直腸を抉るように指で肛門を揉んだ。
剥き出しになった肛門は驚くほど鋭敏で、響子は男の指の太さと熱さを感じて喘ぐ。
「あ、そんなことしないで……くっ……あ、はあ、はあ、はあ……ううっ……」
男はニヤリとした。
響子の尻が蠢いているのだ。
百瀬の指がぐうっと右回りに回ると、それにつられるように、響子の尻も同じ回転をしてくる。
快感になっているのだ。
人妻の腰は、正確なレーダーを備えているかのように、男の指を追ってうねっていた。
「あ……あ……も、もう……」
お腹がゴロゴロ言っている。
特濃のグリセリンを500ccも入れられているのだから当然だ。
人妻は美貌を歪ませ、荒く息を吐きながら腰を揺すっていた。
未知の快楽に戸惑い、呻くしかなかった。
縛られた両手は、白くなるほど強く握り締められている。
爪が手のひらに突き刺さり、うっすらと血が滲むほどだ。
便意と羞恥に耐えているのだろう。
それでいて、乳首やクリトリスははっきりと屹立し、彼女の受けている官能を表現していた。
熱い吐息は、便意を我慢しているのか喘いでいるのか、もはやわからない。
そこをさらに百瀬が追い込む。
大きな左手を広げて柔らかく張った下腹を揉み、右手の親指で盛んにアヌスを揉み込む。
人妻は耐えきれず叫ぶ。
「あっ、し、しないで! ああ、それだめえ……ううんっ、苦しい……お尻、きついっ……」
響子のお腹がググウ、グキュキュッと妙な音を出している。
もう百瀬の手にも、はっきりと腸の煽動が分かるほどになっていた。
肛門を押さえている親指にも、今にも破裂しそうなアヌスの蠢きがはっきりと感じられた。
限界なのだろう。
「あ……あ……お尻……お尻が……」
響子の声が上擦っている。
またしても排泄を見られるという羞恥と嫌悪。
それを押し流そうとする暴力的な便意とがせめぎ合っている。
わなわな、ぶるぶると全身がおこりにかかったように震えてきた。
「本当にもう我慢できないみたいだな」
「ああ、出る……出したい……ううっ……指、しないで……は、早くさせて……」
苦痛と未知の快楽に苦悶する人妻の美貌に、百瀬のペニスもいきり立った。
響子の便意もだが、百瀬の劣情も我慢の限界だ。
百瀬は右手で響子のアヌスをふさいだまま、左手だけで器用にスラックスとトランクスを脱ぎ
さった。
そして硬くそびえ立った熱い肉棒を取り出すと、豊かに張り詰めた響子の尻を抱える。
両手で腰を抱えたため、指のふたがとれて肛門から少しだけグリセリンが洩れたが、それだけ
で済んだ。
それだけ響子のアヌスの締まりがいいということだ。
細かく震え、汗の浮いた大きなヒップを見ているだけで百瀬のペニスがますます大きくなる。
大きく膨れた亀頭を、響子の尻の谷間に潜り込ませた。
そして、そのままグッと腰を押し込む。
突然、肛門を襲った圧力に響子は驚愕して叫んだ。
「ああっ、ま、待ってっ……い、今そんなことされたら……お尻、壊れるっ……」
百瀬は、排泄をぎりぎりまで我慢させ、寸前で栓をするようにペニスを挿入した。
太い部分がグッと響子の狭いアヌスにめり込んでいく。
無理矢理拡げられようとしている肛門に、響子は大きく仰け反った。
「だめえええっ……さ、裂ける! お尻、裂けちゃいますっ……入らない……入らないっ……
ひぃぃ……は、入る……入ってきちゃうう……」
もう何回となく百瀬にアヌスを犯されている響子ではあったが、今度は事情が異なる。
出したくてたまらないところを無理に犯されているのだ。
排泄を我慢しようとしている括約筋が、入ってこようとする百瀬の肉棒を押し返す。
それがまた百瀬には心地よかった。
ずぶずぶと抵抗なく入ってしまうより、こうして手応えがある方が犯し甲斐がある。
「ああっ、きついっ……お腹がおかしくなるっ……ああ、ぐぐうう……ふ、太いぃ……」
亀頭部が肛門を割るとき一際大きな悲鳴を出した響子だったが、その後は勝手にアヌスが受け
入れてしまった。
百瀬の方は、便意で苦しむ直腸の抵抗で、押し込む時にかなり力が必要だったが、それでも
ずぶ、ずぶ、と少しずつ腸内に埋没させていく。
とうとう亀頭部が全部飲み込まれ、長大なサオの部分にかかっている。
カリに比べれば遥かに楽で、ずぶずぶと沈め込まれていった。
肛門が大きく拡げられながら、百瀬の巨大なものが入っていく。
響子は目を剥いて呻いた。
「ああ〜〜〜っ……お腹がおかしい……あ、あうう、出そうなのに……だ、出せない……」
根元まで埋め込んだ百瀬は満足していた。
響子の雄大な臀部が、腰に密着する。
全部挿入した時ならではの満足感だ。
浣腸したまま挿入したのは初めてだが、病みつきになりそうだ。
直腸はグリセリンで膨満している。
そこに太いものを入れたのだから、響子の圧迫感は想像を絶するが、入れている男の方は快感だ。
ペニスを熱い粘液が包み込んでいる。
いつもは直腸の粘膜をペニスに直接感じるが、今日は間に粘液がある。
それがまた心地よかった。
それでいて肛門の締まりはいつも以上だ。
うっかりすると、もう射精してしまいそうだ。
逆に響子は地獄だった。
便意が肛門に向かい、それがペニスに邪魔されて逆流してくる。
苦しくてたまらない。
「ぐうう……く、苦しい……い、息ができない……」
「そんなに息むからだよ。ケツの穴で息してんじゃないだろ? もっと力を抜いて深呼吸しな」
「ああああ……」
響子の目つきが虚ろになっていく。
あまりにもきつい責めで気絶するかと心配した百瀬だったが、それは杞憂に終わった。
この性的に鋭敏な人妻は、これほどのアヌス責めにも反応してきていたのである。
腰が少しずつ動いている。
尻を百瀬の腰に押しつけるような動きすら見えた。
「あ、ああ、いい……た、たまんない……」
「なに? 感じてるのか、響子」
「ああ、いい……お尻、きつい……いい……」
響子は酒に酔ったような火照った顔で言った。
口調も呂律が回っておらず、本当に酔っているかのようだ。
確かに響子は酔っていた。
きついアナルセックスに目覚め、その快楽に酔ってきていたのだ。
執拗に肛門をいびった百瀬の責めにより、響子のアヌスも精神も焦げ付きそうなくらいの愉悦
を得ていた。
百瀬がゆっくりと腰を使い始めると、驚くべきことに響子も腰を回転させてきた。
「あぐうっ……お尻、熱い……ああ、いい……お尻がいい……お、お腹の中がきつくて……
お尻がきつくていいですっ……ああ、変だわ……変だけど、いい……」
肛虐のもたらす快楽に悶えているものの、それでもアヌスはきついらしい。
無理もない。
たっぷりとグリセリン原液を入れられ、馬並みのペニスをねじ込まれているのだから。
奥まで押し込むと、「んん〜〜っ」「んああっ」と苦しげな呻き声があがる。
しかし、きつそうでありながら肛門は肉棒を受け入れている。
百瀬がグッと腰を押し込むと、肛門周辺の粘膜まで引きずり込まれるようにして直腸に入って
いく。
引き抜かれると、今度は直腸の粘膜がずるずると外へ引きずり出されるのだ。
そして最奥までぶち込まれると、百瀬の下腹部は響子のぷりぷりした臀部にぴったりと密着
する。
その感触がたまらず、百瀬は熱く火照った尻たぶに、勢いよく腰を打ち付けていった。
パンパンと尻が鳴り、堪えきれない人妻が喘ぐ。
「んああっ、は、激しいっ……もっ、百瀬さんっ……きつい、激しすぎますっ……す、すご
いっ……お腹が……お尻、壊れてしまう……ああっ……」
もうアナルセックスを抗う声は出ない。
肛門性交の快感を肉体が受け止めている。
リズミカルにペニスを飲み込み、吐き出す響子のアナルは、よく壊れないものだと思うくらい
にこねくられていた。
ヒクヒクと収縮を始め、よく見ると肉棒と肛門の僅かな隙間から、にちゃにちゃと粘液が零れ
てきている。
腸液が滲み始めたらしい。
「うっ、ぐううっ……お腹があっ……だめですっ、もっ、出ちゃうっ……ああっ、したい……
いいっ……」
百瀬がズンズンと抽送を続けている中でも、響子の腸はグルグル鳴っている。
排泄していないのだから当然だ。
響子は、肛門と言わず腹部と言わず、全身が熱くなってきて、気が狂いそうになる。
「おっ、お腹! お腹、壊れちゃう! ああっ、ぐううっ、出したいぃ……ああ、で、出そう
なのに、出ないっ……」
響子の悲鳴を無視して、百瀬はなおも律動を繰り返す。
徐々にグラインドを大きくして人妻のアヌスを抉る。
すっかり埋没していた肉棒が何度も勢いよく出入りを繰り返し、アヌスがきゅうきゅうと肉棒
を締めつける。
直腸の苦痛と便意による地獄。
肛門を荒々しく犯される快感。
双方に責め苛まれている響子は、だんだんと被虐の快美に浸蝕され、腸の地獄すらも甘美な
悦楽に様変わりしていく。
響子の肛門は、責める百瀬のペニスにもはっきりと感じられるほどに熱くなっていた。
出そうになる薬液を太い肉棒が押し返し、響子の腸内で渦巻いた。
薬液でパンパンに張っている腸に、さらに太いものが埋め込まれ、その圧倒的な威力が響子を
肉悦に巻き込んでいく。
人間として、女として耐える限界を超えていた。
響子は大きく仰け反り、屈服の言葉を絶叫した。
「ああ、か、感じますっ……も、百瀬さんのおチンチン……いいっ……ああ、もう、いきそう
ですっ……」
完全に響子はアヌスでも堕ちた。
百瀬はその肉棒で、美しい人妻のすべてを征服した心地よさに酔った。
昂奮もいや増し、なおも勢いよく腰を臀部に打ち付ける。
パンッ、パンッと尻たぶが打たれるたび、響子の汗が弾け飛んだ。
アヌスを抉りあげ、深いところまで侵入し、内部を散々かき回してから、ずるずると内壁まで
道連れにして出口へ向かう。
肛門粘膜と直腸粘膜をめくり上げ、巻き込みながら、何度も何度も抉り抜いた。
「ひぃっ……いっ、いくっ……百瀬さんっ……い、いってしまいますっ……」
「よし、いいぞ。俺も響子の尻の中にたっぷり出してやるからな」
「はっ、早く! 早く出して! じゃないと私……ああ、もう、いくうっっ!」
その瞬間、百瀬は響子の汗に濡れた尻たぶを掴むと、グッと自分の方へ引き寄せた。
そしてもっとも奥まで貫いた時、そこで一気に射精してのけた。
どっぴゅうっ。
どびゅびゅっ。
どびゅっ。
びゅくくっ。
びゅるるっ。
「ひぃ! いく! あ、あ、出てるっ……い、いきますっ!」
百瀬が射精のたびに、直腸の粘膜を肉棒で擦り上げる。
その感触がとてつもない快感となって響子を襲い、続けざまに絶頂に達した。
腸内にたっぷりと溶液が入ってパンパンになっているのに、響子は百瀬の発射した熱い精液を
はっきりと感じていた。
射精されるごとに、腸と肛門がビクビクと震えた。
「あ、あう……」
ガクリと響子が突っ伏すと、百瀬はいったんアヌスから引き抜いた。
ここらが限界と踏んだからである。
抜いた途端、響子の肛門が花開き、溜まりに溜まっていた薬液が噴き出す。
ぶるるっと尻を痙攣させながら溶液を吐き出す響子を見ながら、百瀬は自らのペニスをしごいた。
まだまだ、何度でも犯すつもりだった。
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