龍斗たち龍閃組の三人はお凛と別れ、吉原を歩いていた。
萩原屋という見世がおかしいことはわかるが、といって正面から乗り込むわけにも行か
なかった。

客として入ることは可能だろうが、萩原屋といえば中見世。
最高級店ではないにしろ、現代の高級ソープ以上のカネがかかる場所である。
いかに龍閃組が公儀隠密であろうとも、確たる容疑がない以上、強制捜査というわけにも
いかない。
もちろん龍閃組も他の隠密機関と同様、資金的にはかなり苦しいから、客を装って遊女との
寝物語から事情聴取するということも出来ぬ。
だからこそ、藍を花魁に仕立てているわけだ。
あのままお凛にエスコートしてもらうのもいいが、彼女には彼女の生活も商売もあるし、
お凛の前では憚れる調査もあろう。

取り敢えず、花魁とその客二名という格好であちこち聞き込むよりなかった。
ちなみに、当時も男二、女一や、男一、女二の、いわゆる3Pはあったから、ひとりの遊女に
客二人というのも、さほど珍しいことでもなかった。

京梧が担いだ刀を弄びながら龍斗や藍の方を見て言った。

「さあて、うまく入れたはいいが、これからどうする? ……おっと」

ぼんやりしていた京梧も悪いが、突然、男が彼の身体に寄りかかってきた。
びっくりした剣士は、男を振りほどいて叫ぶ。

「なっ、なんだなんだ、おめえっ! 女にすり寄られるならともかく、男になんざ……」

京梧が全部言う前に、その男はずるずると崩折れた。

「大丈夫ですか!?」

京梧からずり落ちるようにして地面にうつぶせに倒れ込んだ男に、藍が駆け寄った。
すぐに身体を起こし、仰向けにして膝の上にもたせかける。
その顔を覗き込んで藍はハッとした。
真っ青だった。
まるで血の気がない。

「これは……。もし、大丈夫ですか?」

腰を屈め、その様子を覗き込んでいた龍斗と京梧も眉間に皺を寄せた。

「ひでぇ顔色だな」
「こりゃあタチの悪い病かな。京梧も冷たいやつだな、こんなやつを地べたに叩きつける
なんて」
「誰が叩きつけたよ! 勝手に転んだんだろうが。それも俺にのしかかってきやがって、
女ならともかく野郎なんぞに寄りかかられても気色悪いだけだ」
「この様子じゃ仕方がなかろうよ。藍、どうだ、大丈夫そうか?」

龍斗がそう訊くと、藍は暗い顔を上げて答えた。

「わからないわ……。こんなの見たことない」
「風邪とか肺病の類じゃなさそうだな」
「ええ……。熱は全然ないのよ。これだけ青いから、寒いのかも知れないと思うのだけど、
まるで震えている様子もないし……」

小石川の療養所で医師の手伝いをしている藍は、それこそ「門前の小僧」ではないが、一通り
の医療知識は持っている。
今までも、様々な病を得た患者を見、また治療してきた。その藍にして、初めて見る病状である。

「な、なんだなんだ……」

ザワザワと騒がしくなってきた。
京梧が後ろを振り向いて見ると、いつのまにか十重二十重と野次馬が集まってきている。
このまま注目を浴び続けるのはまずいだろう。
医者を呼ばれたり、お節介者が同心や岡っ引きを呼んでくるやも知れぬ。
悪いことをしているわけではないが、龍斗たちの正体がバレると今後の調査がやりにくくなる。
呼ばれた同心が御厨であればいいが、物わかりの悪いのがやってきたら説明が面倒だし、気の
短い京梧とやりあう心配もある。

「おい美里、これ以上ここにいちゃまずい。来い」

京梧が藍の手を取って立ち上がらせようとしたが、彼女はそれを拒否した。

「でも……、このまま放っておくわけにはいかないわ」
「けどな」
「蓬莱寺さんと龍斗は行って。私はこの人を診てから行きます」
「おいおい……」

京梧は呆れたような顔になる。
藍のお人好しは先刻承知しているが、今はまずい。
身分を隠しているだけでなく、偽っているのだ。
事情を知っている者ならともかく、そうでなければタダでは済むまい。
藍は遊女に化けている女なのだ。

見かねた龍斗が、藍と京梧に言った。

「わかった。じゃあ俺たちはそこの茶屋にいる。終わったらすぐに来いよ」
「ありがとう。すぐ行くから」
「お、おいおい、ひーちゃんよ……」
「いいから。それよりこの人混みを何とかしようぜ」
「ちっ」

若い剣士は渋々立ち上がると、八つ当たりのように周囲の人垣に言った。

「なんだなんだ、てめえら! 見せ物じゃねえぞ!」
「はいはい、お医者を呼んでくれるんじゃなければ、散った散った」

龍斗と京梧が、それぞれらしい言い方で野次馬どもを片づけていくのを横目で見て、くすりと
笑うと、藍は膝の上の病人に集中する。
どうもよくわからない。
呼吸が荒いわけではない。
額に手を当ててみても、とりわけ熱があるでも、逆に冷えているわけでもなかった。

「……」

瞼をめくって瞳を見てみる。
しかし瞳孔が開いている様子もなかった。
おかしい。
まるで健常に見える。
それでいてこの顔色は何だ?
看護に長けた少女は、脈を診ようと男の手首を取った。

「……!」

あっと思った時は、その手を掴まれていた。
驚いて立ち上がろうとすると、男の手が伸びて来てその首を押さえた。
そしてその左手が藍の口を覆い、声と呼吸を塞いでしまった。
鼻腔から流れ込む、酸っぱいような甘いような微かな香りを知覚した直後、藍の意識は墨を
流したように暗くなった。

* - * - * - * - * - * - *

「ん……あ……」

藍は妙に眩しい室内で目が覚めた。
ぼんやりとした頭で辺りを見回す。
部屋の中にいるらしいことはわかるが、見たことのない風景である。

壁も天井も真っ白だった。
というより、白い照明がそこから出ているようだ。
行灯もロウソクもないのに明るい。
壁が直接光っているようにしか見えなかった。
殺風景な部屋で、中には何もないようだ。

藍はその部屋の真ん中あたりでうつぶせになっていた。
そこだけ床から二尺ほど盛り上がっている。
箱のようになっているそこは一丈四方ほどの広さだった。
ベッドというにはあまりにも装飾が無視されている。

「……あっ」

意識がはっきりしてくるにつれ、状況がわかってくる。
藍は、自分がただ寝かされているのではないことを知った。
着物こそ着たままだったが四つん這いにされている。
いや、四つん這いとは言えまい。
なにしろ、その腕を背中で縛られていたのだ。
両膝と顔の三点支点である。
そして、その脚も足首を縛られている。
たまらなく恥ずかしかったのは、その脚が開かされる角度で縛られていたことだ。

「気がついたか」
「!」

脚の方から声がかかったので、藍は驚いた。
首がそこまで回らないので相手が見えない。

「だ、誰なんですか……」

藍がおそるおそる問うと、男はゆっくりと立ち上がり、彼女の前に出た。

「あなたは……」

あの時、藍が診ていた青白い男だ。
浅黄色の着流しを着て、手を懐に入れている。

「あなた、大丈夫なんですか?」
「……」

男はやや毒気を抜かれた。
この場合、相手を心配するよりも自分の理不尽な状況に抗議する方が先だろう。

「その顔色……」
「顔色? 気にするな、別に問題ない」
「あなた、いったい誰なんです?」
「名前は達吉というらしい」
「らしい……?」
「おまえたちが探ろうとしていた萩原屋の使用人ということだ」
「……」

どうも様子がおかしい。
藍は慎重に相手を観察した。
見た目は普通の男である。
顔色はかなり悪いが、特に病気ということではないらしい。
だが、ただの人とも思えない雰囲気もある。

「あ、あなた、もしや鬼道衆の……?」

藍がそう思ったのも無理はない。
普通の人間とは思えない剣呑とした風情がある。
鬼道衆の連中は「まともな」人間もいるが、半妖もいれば改造人間らしきものもいる。
常人とは異なった匂いを持っていた。

「鬼道衆? その鬼道衆というのは何だか知らんが、俺は違う」
「……」
「隠しているつもりもないから言っておこう。我々はこの星の者ではない」
「え……?」

今、この男は何と言った?

「だから、おまえたちから見れば異星人ということだ」
「異星人……。異人……ですか?」
「異人というのは、この国の者ではない、という意味だろう。確かにそれもそうだが、
この国というよりもこの星に住んでいる者ではない」

藍の表情を見て、達吉が微苦笑した。

「なんと説明すればいいのかな。空に星が見えるだろう。この地も他の星から見れば
そうなのだ。我々は……」
「じゃあ、月から来たとでも言うのですか?」

藍は咄嗟に竹取物語を思い出した。
かぐや姫のようなものなのだろうか。
あれはおとぎ話だが、先日、杏花に聞いたように、もしかするとあの話も実話に基づいて
いるのか。

男は首を振って否定した。

「月? 月とはこの星の衛星のことかね? そうではない。あそこは大気がなく、生物は
住めない。もっとずっと遠い星からだ」
「……」

達吉はちらりと藍の顔を見てみる。
この星は、彼らの星の中世以前の文明状況だ。
彼の話をどこまで理解出来ているだろうか。

藍が苦しい姿勢のまま達吉を見て言った。

「わ、私たちの星に何の用なのですか。異国のように、貿易や文化の交流をしようと……」
「貿易ではない。この星に我らの関心を引くような物産はない。文化といっても、おまえたち
の文化で我々と対等に交流しようというのかね?」
「……」

どうも友好親善大使ということではないらしい。
では侵略の手先ということだろうか。
そう言えば、英蘭も虎視眈々と日本を狙っているという話も聞いたことがある。
そう言うと、達吉はそれも否定した。

「侵略など、武力を使ってもお互い傷つくだけで良いことは何もない。無駄なことはしない
主義でな」
「では、いったい……」

達吉はじろりと藍の身体を眺め回して言った。

「さっき、この星に我々の欲するものはないと言ったが、それは正確でなかった。実はひとつ
あるのだ」
「……」
「我々の星には男しかいない」
「え……?」

彼の説明によると、彼らの星はより優良な種族維持を続けるために、優秀なDNAのみを
使った遺伝子操作を行ない、それによって種族の繁栄を図っているらしい。
そのため、子孫を残すということは個人的なものではなく、国家的あるいは全世界的なもの
になっている。
徹底した人口管理を行ない、許可なく子供をもうけることは禁止されてしまった。
とはいえ、それでも隠れて我が子を作る者が後を絶たず、業を煮やした政府は強硬且つ極端な
手段に出た。
女性を根絶やしにしたのである。

女性がいなければ子供は作れないという発想だ。
どうせ子を作る場合、クローンで作っていたわけだから困らない。
それに、肉体的にも能力的にも、女性より男性の方が優秀であるという甚だ身勝手な考え方も
後押しし、反対勢力を叩きつぶして決行してしまった。
しかし、いかに種の存続に影響はないとはいえ、セックスは本能である。
それをなくすことは出来ないし、よしんば出来たとしても種としてのポテンシャルは著しく
落ちてしまうだろう。

政府は同性愛を積極的に推進した。
というより、それしか解決手段がないからである。
あとは疑似女性器や性交人形のようなアダルトグッズの製造にも力を注いだ。

しばらくはそれでなんとかなったらしい。
しかし、何世代か過ぎるにつれ無理が出てきた。
おもちゃよりは生身の女性の方がいいのは当然である。

こうして、アダルト業者の中には、自分たちよりも文明の遅延している星系を狙って進出し、
ヒューマノイド型の女を拉致し、調教し、好事家に売り払う者が出てきたのである。
連中は、女の存在は男の欲望、つまりセックスの相手としてのみ必要という考えだったから、
まるで容赦がなかった。
人間が蟻や蝿に慈愛を見せぬのと同じことである。

また、政府もそれを黙認した。
それで国民の欲求不満が少しでも解消されるのならそれに越したことはないし、相手星と戦争
にでもならぬ限り見て見ぬ振りをし続けた。
なにせ、政府高官の中にも彼らの上客がいたのである。

「……」

藍は血の気が引いていくのがわかった。
この男たちは、女たちをまるで家畜のように扱い、男の欲望にのみ奉仕させようというのだ。

達吉は説明を終えると、藍の形の良い顎をつまんで持ち上げた。

「話はわかったかね?」

藍は激しく首を振ってその手を払い除けた。
達吉の爬虫類のような目が肢体を舐め回すように見ている。
彼女は、これから自分を襲うであろう悲劇を思い、気が遠くなった。
いつのまにか後ろに回った男が言った。

「なかなかいい眺めだぞ」

藍は、うつぶせにされ、背中で両手首を縛られ、尻を高く掲げていた。
男のいやらしい視線を感じ、何とか股間を閉じ合わせようと太腿をよじらせる。

「ああ……」

手足をがっちりと縛られ、暴れるどころかろくに動けず、藍は小さくため息をついた。

「あっ」

そこを達吉が、突き出た大きな尻を着物の上から撫で上げた。
おぞましい感触に、藍は小さく悲鳴を上げてその身を震わせる。
男は尻から腿、そして股間に手を回した。
いやいやと細かく打ち振られる尻の豊かさが達吉を有頂天にする。

「なかなか良さそうな身体だ」

下卑な感想を述べながら、素肌のふくらはぎと内腿にさすり上げる。
思わず鳥肌が総立ちしそうな感触に、藍は寒気すら感じた。

「い、いやっ、やめてくださいっ」
「なにを純情ぶっている。おまえだって遊女の端くれだろうが」
「……」
「まあ、まだそんなに練れてはいないようだがな、そういうのを仕込むのも楽しいもんだ」

藍は真っ赤な顔をして顔をうつむかせ、なんとか股間を見られまいと身体をうねらせる。
達吉は妙な顔になった。
まだまだだとはいえ、この女も娼婦のはずだ。
何をここまで恥ずかしがっているのだ。

「……もしかしておまえ、まだ男を知らんのか?」
「……」
「はっきり言え。でなければ、このまますぐ犯してくれるぞ」
「や、やめてくださいっ」
「なら言え。生娘か? 処女なのか、おまえ」
「……」

こんな男に告白したくはなかったが、状況が許さなかった。
藍は火が点きそうなほどに染まった顔で小さく首肯した。
達吉は呆然となる。
処女の遊女がいるものか。

「……すると何か? おまえ、まだ荷揚げ前ってことか」
「に、荷揚げって……?」
「……」

ここで達吉はピンと来た。
仙蔵の話を思い出したのだ。

やつが今いたぶっている女は花魁ではないらしい。
遊女に化けて、仙蔵が呼んだ花魁の身代わりで来たと言っていた。
目的は不明だが、何かを調べに吉原へ入ったらしい。
もしやこちらの動きがバレているかも知れないから注意しろと言われていたことを思い起こした。
なに、未開の野蛮人がどれほどのものかと高をくくっていたが、この女もそうなのかも知れない。
こう続けて素人女が公娼街に乗り込んでくるというのも不自然な話だ。
達吉は酷薄そうな目つきで、縛られた少女に言った。

「……おまえも何かあって吉原へ潜り込んだわけか」
「……!」
「どうもおかしいと思った。あの桔梗という女もそうだった」
「桔梗? 桔梗さんもここにいるのですか?」
「いる。隣の部屋で可愛がられてるぜ」
「……」

達吉はまた藍の後ろへ行った。
男が見えなくなった途端、藍にまた不安がわき起こる。

「私をどうするつもりですか……」
「わかってるんだろう? その身体をオレたちに提供してもらう」

藍の心が絶望で染まる。
やはりこの男の慰み者にされるのだ。

「きゃあ!」

達吉が着物を捲り上げ、なまっちろい腿を露わにする。
それだけではない。
襦袢を破り、腰巻きを取り去ってしまった。
十九歳という年齢にふさわしい、大きく張った尻たぶが男の目の前にさらけ出された。

「やあっ……み、見ないで、ください……ああ、見ちゃいやです……」

藍は羞恥で顔どころか全身を赤く染めてむずかる。
嫌がって打ち振る尻が男を悦ばせるだけだということをまだ知らない。
男の手がその柔らかそうな腿やふくらはぎ、そして見事な肉付きの尻に伸びてくると、
藍の羞恥心は頂点に達した。

「触らないで……あっ……いやです……あ、だめっ……」

男のいやらしい手で触られまくる美少女は、くすぐったいのか、さかんに身を捻り、よじった。
その身体からは香しい汗の匂いが漂ってきた。
どんなに嫌がっても達吉は許さず、もがく下半身を押さえつけていじり回した。
すると、すべすべだった肌がしっとりとしてくる。
うっすらと汗をかいてきているようだ。どうやら効果が出てきたらしい。

「あ……ああ……!?」

藍も敏感に感じ取った。
何だかわからないが、身体に触れてくる手や指から何かが身体に入り込んでくる感じがする。
男の手が触れると、そこからすーっと得体の知れないものが身体の芯に向かって忍び込んでくる。
それが何かはわからないが、藍は自分の身体がだんだんと熱を持ってくるのを感じていた。

そこを狙って男の指が活躍する。
藍の慎ましやかに閉じた花弁を丹念にいじくり出したのである。

「いっ! ……や……さ、さわっちゃ……あっ!」

達吉の指にリードされ、柔らかな襞が見る見るうちに反応していくのがわかる。
八の字に開かれた股間にある、繊毛に覆われたふくらみが見える。
その若草も、はじめはサリサリした乾いた手触りだったが、いつしかじんわり、そして
しっとりと潤みを帯びてきていた。
女の丘からはほころびかけた割れ目がひくりひくりと蠢いている。
その頂点には薄紅色をした肉の芽が包皮から少し頭を覗かせていた。

「くく、生娘のくせにもうこんなか。恥ずかしいとは思わんのか」
「言わないでください! ああ、もう……こんなの……あっ……」

あまりの恥ずかしさで、藍の首から上は真っ赤だ。
その赤みが、徐々に全身へと広がっていくのは羞恥のせいとばかりは言えなかった。
男の指がしなやかな肢体を蠢くたび、藍はずくん、ずくんと身体に響いてくる感覚に
呻いていた。
達吉の指から発せられる摩訶不思議な物質が、この美少女の肉体を確実に狂わせていく。
藍は自分の身体の変化を感じ、衝撃を受けると同時に、消えてしまいたいような羞恥心
に苛まれた。

(こ、こんなのって……ああ、あそこが熱い……)

ある意味、性風俗が乱れていた江戸期に於いても、この娘には自慰の習慣すらなかった。
もちろん自分でそんなところを触れたことなどない。
まるで別の生き物のようにクリトリスが反応し、びりびりと痺れるような刺激を胎内に送り
込んでくるのが感じ取れる。
このような辱めを受けているというのに、男の思うままに官能を揺さぶられている自分が
信じられなかった。

「ひあっ! そ、そこは、あっ……い、いけません! ……はあっ……くううっ!」

達吉の指が、開きかけた肉襞からはみ出ていた女芯をくりくりしごいたり、突っついたり、
あるいは引っ張り上げたりすると、腰に電流を流されたような強烈な刺激が襲い、全身を
がくんと痙攣させてしまう。
武骨な指がピンピンとクリトリスを弾くと、弾力のある棒で殴られたような刺激が頭を
突き抜ける。
しかし、最初はしみるような苦痛だけだったその行為が、何度も何度もしつこく愛撫され
続けるうちに、腰から力が抜けてしまうような甘美なものに変わっていった。

「ああ! ああ、もう、いや……お願いです、あっ……やめて、あっ……やめてください
……うああっ……」

突然、指に代わって熱くねっとりしたものが敏感な豆に触れてきた。
達吉が舌を使い出したのである。
男の濡れた舌が、性神経が収束している箇所をなぞり上げるように舐め上げた。

「きゃああっ……あっ、んんっ……だめ、だめっ……あっ……んはあっ……」

胎内がとろけてしまいそうな熱い官能に、藍は叫ばずにはいられなかった。
初めて味わう男の舌使いに、美少女の裸身は素直に感応し、全身を突き抜けるような性の
痺れで、背をぐうんと仰け反らせる。
だが、それもまだ序の口だった。
達吉が、包皮から剥かれつつあった肉の突起を口に含み、舌で転がし、吸い上げると、十九歳
の少女は頭の中で白い閃光を見た。

「ひいいっっ!」

男は舌技を駆使して、素晴らしい裸身の処女を責めた。
本番をする前にいかせるつもりだった。
舌全体を使い、ゆっくりと花弁全体をねっとり舐めてやる。
かと思うと、舌先を尖らせて、媚肉に分け入るような動きを見せる。
そして両サイドの襞の裏を念入りに舐め上げた。

もちろんクリトリスも忘れない。
舌で媚肉を責めている間は、鼻先でびんびんと弾く。
口が空いている時は、唇で挟み上げ、舌でねぶり、押し潰した。
そして思い切り吸い上げてやると、藍は音程の外れた悲鳴を上げて腰を突きだした。

「い、いやですっ……あ、もうやめて、あうっ……お願いぃ、あっ……うっ! だ、だめ……
はああぅっ……」

男の口でいいように責められ、藍の腰がうねり悶え、尻で円を描くように動く。
指だけではなく、舌からも魔性が忍び込んでくるのか、空恐ろしいほどの快美が媚肉から膣へ、
さらに胎内まで侵入してくる。
全身に、妖しいときめきを持った性のうねりが巻き起こってくるように感じた。
男の口の中でぷっくりと膨れあがったそこを舌で押し込まれると、尻をぶるぶるっと振って
恥ずかしい反応を見せた。

「は……はあ……あっ……ああ……も、あっ……」

藍はぶるぶると細かく全身が痙攣してきていた。
身体の芯からこみ上げてくる女の官能を、もはや抑えようがなくなっていた。
恥ずかしい、我慢しなければと思えば思うほどに、羞恥の蜜が膣から零れてくるのを絶望的な
思いで感じていた。

達吉は、大きく舌を使ってべろべろと舐め始めた。
そして舌を伸ばし、クリトリスを少し強めに転がし、口でずずっと吸い上げると、藍は明らかに
今までとは違った呻き声を出してガクンと仰け反った。

「ああっ!! ひぃああああっ!!」

美少女はぶるるっとひときわ大きく震え、そしてがっくりと脱力した。
反らせていた首ががくりと倒れ、美しい髪がおどろに乱れた。
達吉は藍が気をやったことを知った。
男は、まだ細かく腰を痙攣させている藍から離れ、前に回った。

「ずいぶん感じやすいんだな、おまえ。こういうことが好きなのか?」
「……」

羞恥でまともに男を見られず、藍は顔を隠すように横に向けた。
表情ははじめての絶頂でまだぼんやりしており、息も少し荒いようだ。

達吉は、見た目だけでなく感度の方も予想以上に良かったことに満足していた。
隣で仙蔵が責め抜いているであろう桔梗は、熟れ切った妖艶な女の魅力だが、こちらの藍は
熟れる直前の新鮮な肢体だ。
性経験はまだないようだが、前戯だけでここまで感じられるのは素晴らしいことだと思った。
これでセックスを覚え込んだら、女体としてどこまで伸びるだろうか。
それを思って、男はほくそ笑んだ。

「どうだ。お遊びでここまでいい気持ちになれるんだ。もっと先を経験したいだろう」
「い、いや……もう堪忍してください……」
「そうはいかん。もうおまえの運命は決まっているのだ。どうあっても嬲り抜かれることになる。
ならば、おまえも諦めて、女の悦びを受け止めた方がよくはないか?」
「いやですっ……わ、私には心に決めた者がおります。そんなことをされるくらいなら……
死にます」

大事にしていた処女を奪われるくらいなら死んだ方がマシだ。
しかし、男は余裕たっぷりに言ってのけた。

「自殺か? それは出来んだろう。おまえ、切支丹ではないのか?」
「!!」

確かに、キリスト教徒にとって自殺は最大の罪悪だ。
信者である美里藍には、それだけは出来ないはずだった。
達吉たちは地球の風俗や宗教にも知識があるようだった。
すべて調査してから乗り込んできたのだろう。

「ああ……でも……」

藍は悲しげに顔を振った。
自殺は出来ない。
といって、みだりに男と交わることとて罪悪には違いないのだ。
純潔は夫となるべき男にのみ捧げられるものとされている。

少女の葛藤を見透かすかのように男は言った。

「どのみち、いやでも犯されるのだ。おまえたちの宗教の戒律も犯すことになろう。
すべての戒律を犯すよりは、最大の罪悪である自殺だけは思い留まる方が神の意志だと思うがね」
「……」

達吉は、ただ犯すだけでなく、ありとあらゆるセックスを藍に仕込むつもりだった。
これだけの美少女でスタイルも感度も素晴らしい。
そこに様々なテクニックを覚え込ませれば、値をつけ放題だろう。

かの宗教では、セックスは膣のみとされているらしい。
無論、男たちは、藍の口も尻も汚すつもりである。
それらの性行為は獣の性交として忌み嫌われているらしいが、達吉たちの知ったことではない。

「ああ……」

死ぬことも出来ないと知った藍は声を忍ばせて泣いた。
もう、どうにもならないのだろうか。
男は、これから自分の肉体に散々いやらしい淫らな行ないをするのだろう。

死ぬほどの羞恥と屈辱だが、自殺することで背教者にはなりたくなかった。
彼女ら信者たちは、不幸を「神の与えたもうた試練」と解する。
藍もぼんやりと、これも神の試練なのだろうかと思い始めた。
このけだもののような性交や破廉恥な行ないに耐え抜き、自殺を思い留まることこそ神の御意志
かも知れぬと思うのだった。

(龍斗……)

それに、愛しい男のこともある。
ここで自分が死んだら龍斗が悲しもう。
堪え忍んでいれば、きっと龍斗が、仲間たちが助けに来てくれるはずだ。

それでも藍には一抹の不安もある。
穢し尽くされた藍を彼は受け入れてくれるだろうか。
彼女はそう信じてはいるが、もし拒絶されたら、その時はこの身を神に捧げようと思うのだった。

考えがまとまると、藍は幾分落ち着いてきた。
半分、殉教者のような気持ちにすらなっている。

「さ、覚悟が出来たかね」
「あ、やだ、やめてっ」

達吉は左手で媚肉全体をやんわりとさすりながら、まだ着物に固く守られた胸へ右手を伸ばした。
いやがって身を揺する藍を制して、襟際に手のひらを侵入させる。
むずかる少女の身悶えがかえって男の動きを助け、達吉の手は着物と襦袢の間に潜り込んだ。

その布の上からゆっくりと乳を揉み始める。
こうして布きれの上から揉むのもいいもんだなと思いつつ、男はその襦袢の下に隠された
絹肌の乳房を思い描く。

「あっ……いけません……うっ……ああ……ひっ!」

男の暴虐に為すすべもなく恥辱を耐えていた藍だが、性感の鋭い箇所を刺激されると、我慢し
きれないように眉をひそめ、小さくかすかな喘ぎを洩らした。
達吉の手で媚肉を少しずつほころばせ、膣を開かされていく。
いつしか恥蜜でそこが潤うのを感じ、美少女はどうにもならない身体の変化にむせび泣くのだった。

男は、藍が次第に崩れてきたことに気づいていた。
達吉自身のテクニックや性感増進ホルモンの威力もあったろうが、なによりこの生贄の少女が
天性のものを持っていたからだろう。
半刻あまりもハードなペッティングで責め込まれ、藍の裸身からは処女らしい身体の硬さが
すっかり失せていた。
なまめかしい女体が達吉の手指に反応し、悶え、呻いている。

「ああ! ……はあ…はあ…はあ…はあ……」

男のよく動く指が身体から離れると、一瞬にして燃えるような官能が去り、藍はようやく息を
ついて身体の力を抜いた。
達吉は一気に藍の着物を剥ぎ取ろうとしたが、思い留まった。
この星では着衣のままセックスをすると興奮すると言われているようだが、それを試してみる気
になった。

そう言われてみると、確かに着物を纏っているのに、尻だけ剥き出しになっている藍の姿のなんと
蠱惑的なことか。
それをそのまま犯すというのも悪くない。
達吉はおもむろに肉棒を突きだし、いきなり藍の媚肉を奪った。

「犯される!」と思う間もなにもありはしない。
熱い男根が大事な部分に触れた時、はじめて藍は恐怖した。

「ああっ、だめ、それはだめっ……あっ、くくっ、い、痛いっっ……」
「そりゃ痛いだろうな。初めてでこんな大きいのを入れられるんだから。だがまあ最初は誰でも
かなり痛いんだ、我慢するんだな。何度も犯られてりゃ、これが堪えられなくなっていくんだぜ」

達吉は勝手なことを嘯きながら、ぐいぐいと、それでも慎重に胎内に押し入っていった。

男のものが中に入り込んだ時の、身体が引き裂かれるような激痛。
だが、それがほとんど一瞬だったことに藍は戸惑った。
聞いた話では、個人差はあるもののそれはそれは痛いものらしい。
処女膜を破られる苦痛もあるが、文字通り膣を裂かれるのだから痛くないわけがない。

ところが藍の場合、それが最初だけだった。
達吉の手や男根から送り込まれる脳内麻薬分泌成分のせいなのだが、そんなことは彼女には
わからない。

「はむぅ……むむ……あ、許して……ああ……あ……」

むしろ、貫かれる苦痛よりも彼女を苦しめたのはその圧迫感であった。
タンポンなどあった時代ではない。
自慰の経験もない藍には、膣に何か挿入する機会などあるはずもない。
そこに人並み以上の太いものを突っ込まれたのだ。

その息苦しさ、内側から破裂しそうな感覚は想像を絶した。
そして熱さ。
男の身体には熱がほとんどなかったのに、そこだけは異様なほどに赤黒く、灼熱を持っていた。
媚肉や膣の襞が灼けるのではないかと思えるほどに熱かった。

「んんん……さ、裂けてしまいます……あっ……い、入れないで……」

散々嬲られ、愛液が溢れるほどに絞り出されていたため、裂けて出血するようなことは
なかったが、それでもめいっぱいに膣口が拡げられた苦痛は変わらない。

「あう!!」

とうとう達吉は根元まで突き通した。
いくら痛みが少なかったとはいえ、最奥まで刺し貫かれる激痛はある。
性の歓喜とはほど遠い苦痛に、犯される美少女は身体中に鳥肌を立てて耐えていた。

「ううっっ……」

奥深く届かされた藍は、その怒張の胴回りや長さに恐ろしくなった。
こんな大きなものでかき回されたら壊されてしまう。

一方の達吉は、藍の美貌が恥辱と苦痛と恐怖で苦悶するのを見て、ますます興奮が高まっていく。
ほんの少し達吉が身体を動かしただけで、美少女は張り裂けんばかりの悲鳴を上げた。

「ああっ、う、動かないでくださいっ……」

男の突き込みを止めようとでもいうのか、達吉が腰を送るごとに藍の膣がきゅっと締まる。
無理矢理挿入されている生理的な苦痛はあるのだが、物理的なそれはほとんどなくなって
しまった。
それでいて、身体を裂かれる苦痛と快感らしきものが入り交じってきている。

達吉はただ律動するだけでなく、たっぷりとした藍の尻たぶを両手で揉んだり、腿をさすったり、
肉芽をいびったりして藍を高めていたから、それらが功を奏してきたのだろう。
特に内腿が敏感らしく、触れるか触れないかくらいの微妙なタッチでくすぐってやると、藍は
ぞわぞわっとした悪寒のような甘い痺れで恍惚となってしまうのだった。

責める達吉に余裕がなくなってきた。
これまで、いくつもの星で女を食い物にしてきたこの男にして、最上とも言える獲物が美里藍
なのだった。
処女とはいえ、女をいかせる前に出すなどプロとしてプライドが許さなかったが、もう限界だった。
獣のように吠えて大きく腰を動かすと、ぷりぷり揺れる藍の尻を押さえ、膣内で射精した。

「いっ、いやああああっっ……!!」

絶望的な白濁液が胎内にぶちまかれたのを知り、藍は絶叫した。
これほどに「穢された」と感じる瞬間はない。
藍の膣は、熱い汁が放出されるのをイヤが上にも思い知らされた。
それと同時に目の前がすーっと暗くなり、すべての感覚が遮断された。

* - * - * - * - * - * - *

その頃、龍斗と京梧が青い顔をして吉原を走り回っていた。
藍がいないことに気づいたのは、茶店に入ってすぐだった。
龍斗が朝粥を注文し、藍の分も運ばれてきたので呼び込もうと外に出てみたらいなかった
のである。
京梧がいきり立った。

「いない!? いないたあどういうことだ!」
「だから藍がいないんだよっ」

もしやあの男をどこかで休ませているのかと思い、あちこち見て回ったがその様子もなかった。
慌てて通行人たちを捕まえ聞いてみたが要領を得ない。
というより、野次馬連中は京梧たちが追っ払ってしまったから、その時道ばたに残っていたのは
藍とその男だけだったらしい。

ふたりの脳裏に最悪の事態が描かれる。
お凛から聞いた話では、桔梗は拐かされた可能性が高いという。
桔梗と言えば鬼道衆の中でも相当な手練れで、油断すれば龍斗や京梧すら危ない相手だ。
腕力があるわけではないが、妖しい術を使い、万事に隙がない。

その桔梗が不覚をとるような相手であれば藍では相手になるまい。
彼女の能力は白魔術系のそれであり、相手にダメージを与えるものではなく、味方をサポート
するものだからだ。
藍の潜在能力の高さは龍斗あたりは充分に理解しているが、戦闘向きでないことは明らかだった。

龍斗は走り回って、京梧は半ば喧嘩腰で辺り構わず聞いて回ったが収穫はなかった。
ふたりが頭を抱えているとひとりの遊女が声を掛けてきた。

「おや、あんたたちお凛ちゃんと連んでた兄さんたちじゃないか」
「……あんたは?」
「お凛ちゃんと同じ見世のもんさ。兄さんたち、お葉も世話になったそうじゃないか。あたしも
あの娘とは仲良かったからね。ところでどうしたんだい、青ざめちゃって」

興奮気味の京梧を制しつつ、龍斗が順を追って説明した。
黙って聞いていた遊女はぽんと手を打って言った。

「そういや、そんなのをさっき見たよ」
「ホントか!」
「そういきりなさんな。その娘は藤の花の着物を着て、菊をあしらった帯を巻いてなかったかい?」

確かに藍はその着物のはずである。
そういうと彼女はうなずいて言った。

「なら間違いないだろうね。でもねえ、男と二人連れだったよ」
「……」
「なんだか、心ここにあらずって感じだったねえ。女の方は男にもたれかかるような感じで
フラフラしてたよ」
「……その男に心当たりはあるかい?」

早朝の吉原なら、中にいる男は吉原関係者か宿泊した金持ちの上客、あとは出入りの業者くらい
のはずである。
花魁なら顔見知りという可能性が高い。

「ああ……、まあね……」

遊女は少し言いよどんだ。

「どうしたんだ? 言いづらい相手か?」

京梧がそう聞くと、彼女はちらちらと周囲を窺うようにしてから小声で言った。

「あたしが言ったと言ってもらっちゃ困るんだけどね……」
「わかってる。誰にも言いやしねえって」
「……。ありゃ多分、萩原屋の女衒だよ」
「萩原屋だと!?」
「ああ。あそこ、最近繁盛してるけど仲間内の評判は悪くてね。強引に他の見世の遊女たちを
引き抜いたりするから……。で、そこで女を物色する男に似てたよ」

要するにスカウトである。
村で娘を買い取ったり、他の見世から売れっ子を高報酬で引き抜いたりする。

「名前は達吉ってんだけどね。またぞろ、どこかから遊女を抜いたんだと思ったんだよ」

藍は吉原に入るために、お凛に頼んで花魁の格好をさせていた。
彼女がそう思うのは無理もないだろう。

「あそこもねえ……。カネだけならともかく、遊女をその達吉と若旦那の仙蔵さんが散々弄んで、
それで気に入れば引っこ抜くみたいなんだよねえ。さっき見た時も、女の方はふらふらしてから、
また女を責めてたのかなと思ったのさ」

龍斗は、頭の血が足元に全部落ちてしまったかのような貧血感を感じていた。
そばで京梧が何か叫んでいたが、それを振り払って走り出していた。

* - * - * - * - * - * - *

「んっ……んううっっ……」

藍は達吉を相向かいとなり、その腰の上に座らされていた。
女にされたばかりの媚肉が、猛々しいばかりの凶器を飲み込まされる。
処女を奪われて以来、何度となく繰り返し凌辱を受けた花園は、見るからに太い男根をずぶずぶと
埋め込まされていく。
藍自身の体重もあって、そのまま根元まで押し込まれた。
その感覚に美少女は首を反らせて呻いた。

「かはあっ……、お、奥まで……んんっ……と、届いて……ああ……」
「それがよくなってきたろう」
「いや……く、苦し……ふ、深くてもう……」

まだ肉襞の裂け目の血が乾ききっていないのに、そこをまた熱いもので擦られるつらさ。
狭い膣道をみちみちに埋め込まれ、さらに奥まで進もうと蠢く男根に、藍は心から脅えた。

しかしそれも、達吉の愛撫を受けるまでだった。
対面座位で少女を犯す男は、目の前でぷりぷり動く胸にむしゃぶりついた。
透けるような白さで、しかも形が良い。
鳩胸のような上げ底でなく、胸の上に白桃をふたつつけたような立派な乳房だった。
敏感すぎる乳首と胸肉を快く揉まれているうちに、膣を犯される苦痛が薄れていく。

短期間でムリヤリ性の喜悦を覚え込まされた裸体は、極めて素直な性反応を示した。
たっぷりと乳房を揉みほぐすと、今度は透き通るような首筋に唇を這わせる。
後ろ手の亀甲縛りにされていては、藍に抵抗の手段はなかった。
縛られて括り出され、充血しきった乳首を吸われると、少女はその乳房で男を弾き飛ばすほどに
胸を反らせて喘いだ。

「ああ……」

ようやく男の硬い怒張に慣れたのか、藍のいやがる素振りが薄れた。
達吉は、ここぞとばかりに腰を動かし出した。
途端に美少女はびくんと背を反らせ首を振った。

「あ、痛いっ……ま、まだ動いちゃ、ああっ……」
「まだ? もう少し俺のものをじっくり味わってから動けというのか?」
「そ、そうじゃなくて……うあっ……」

硬い芯棒が、柔らかい女の襞を擦り上げる。
その先っぽを子宮口に届かされ、藍は裏返ったような声で呻いてしまう。

本来、子宮そのものに性感帯らしいものはない。
ただの臓器のひとつであり、そこに物理的な刺激を受けても痛いだけである。

ここで感じるのはふたつの原因があるとされる。
ひとつは、そんな奥まで犯されている、女にとってもっとも大事なものを穢されている、という
被虐的な精神性ものだ。

もうひとつは、子宮を抉られる苦痛から逃げるため、エンドルフィンが分泌されてその感覚が
麻痺され、さらに続けられると分泌量が増加して、苦痛を打ち消す以上の脳内麻薬によって
快美感を得るというものである。

恐らく藍は前者であったろう。
度重なる性交で覚えさせられた官能に、もはや藍の女は逆らえなかった。
奥へ奥へと侵攻してくる異物を歓迎するかのように襞が絡み、覆い尽くしていく。
奥へと誘い、出ていこうとすると引き留めるように締め上げてきた。
どれも藍の意志とは無関係な反応だった。

「い、いやです……ああ、もういや……はっ……むむ……」

それでも、女として人間としての最後の矜持で、達吉の責めに悦ぶ声だけは出すまいと、血が出る
ほどに唇を噛みしめる。
そんな少女の儚い抵抗を愉しむかのように、男はより激しく腰を揺すっていく。

藍の羞恥の堤防も、男の責めの前には虚しかった。
どうしても声が喉から出てしまうのを止められない。
掠れ、くぐもってはいるが、その香りは甘く、艶めいた音色が混じってくる。
藍は、信仰心も愛も肉の愉悦には勝てないのかと涙を流した。

「本格的に動くぞ」
「いや……やめてくだ、あああっ……」

当然、前後の抜き差しになると身構えていた藍は、予想外の動きに驚いた。
男は腰を押しつけたままぐるぐると円を描くように藍の腰を回し出したのである。
硬い剛直で膣を拡げるようにこねくり回され、藍はその苦痛に呻いた。
しかし、そんな刺激もすぐに官能の渦に飲み込まれてしまう。
ぐりぐりと膣粘膜を擦りつけられる男根の熱さとたくましさに、少女は胎内に火が点くような
熱さを覚えた。

「はああっ……だ、だめですっ……くうっ……そ、それ、激しくて……あひっ……」

達吉は、続けて藍の腰を掴み、前後に激しく揺さぶりだした。
ストロークは小さいが、速く激しく媚肉を出入りする肉棒が、美里藍の脳髄にまで肉の悦楽を
送り込む。

「うあっ……うああっ……お願いぃっ……も、もう堪忍して……あ、ああっ……」

そう口走りながらも、徐々に腰を動かしてしまう哀しさ。
まるで短いストロークが不満かのように、自分から腰を押しつけ、また離していく。
男の腰とぶち当たるごとに男女の粘液が混じり合い、白く濁り、泡立っていく。

藍の官能が見る見る高まっていくのを確かめると、達吉はさらに追い込むべく行動を開始する。
今度は女の細腰を両手でがっしり掴むと、盛んに上下運動をさせた。
藍は、男根が抜ける寸前まで男の腕で宙に浮かされ、次に密着するまで下ろされる。
こうされることにより、達吉の男根の長さ分だけ、その痺れるような摩擦感を媚肉で味わう
ことになった。
短く速い動きから長大なそれに変わると、藍はどんどんと舞い上がらされていく。

「うっ、ああ! ……あ、あ……ううんっ! ……く、許して、あっ……ふ、深くて、ああっ
……こ、怖いんです……うっああああっ……」

一気に最奥まで速いスピードで貫かれ、子宮口を小突かれてから、今度はカリで拡げられながら
膣内の襞を抉られ、溜まった蜜を掻き出される。
何度も何度もそうされたのに、一向に愛液は枯れることなく、藍と達吉の腰と腿を濡らしていった。
藍の柔らかいが引き締まった若い太腿が達吉の脚の上で何度も弾む。
ずん、と腰を落として来たとき、尻に感じる男の脚の体毛の感触が、なぜか藍の肉欲を燃え立たせ
ていった。

「ああ! ……あっ、い……ああっ……も、だめっ……か、身体が……ううっ……へ、変になり
そうですっ……あっ……」

藍の声が明らかに変化してきている。
呻きが喘ぎに、悲鳴がよがり声になってきた。
結合部が密着するごとに愛液が飛び散り、びちゃびちゃ、ぬちゃぬちゃと淫猥な音色を響かせて
いった。

厳しく締め上げられた乳房をぎゅっと力一杯握られると、肉を潰される苦痛と同時に鮮烈な快感が
響いてくる。
乳首に歯を立てられた時など、乳首と一緒に頭が炸裂するかと思うほどの凄まじい快美が噴き出し
てきた。

藍の全身は、汗と達吉の唾液で乾いている場所がない。
それこそ、乳と言わず首筋と言わず、耳たぶや額、うなじから腋の下まで彼の支配下に置かれた。
男の手でさすられ揉まれる尻たぶや乳房は赤く染まってきていた。
どこをどう揉まれ、舐められ、囓られても、美少女はそのほとんどを快楽として受け止めるよう
になってきている。

「あ、はああっ……あ、うう……いっ……んんっ……」
「……」

藍の表情や発する喘ぎ、呻きがまた変わった。
快感を得ていることは明らかだ。
しかも、それを口にしたいが恥ずかしくて出来ない、という風情だった。
こういう時は誘導尋問である。

「どうした女。気持ちいいのだろうが」
「ち、違います……ああっ……き、気持ち、よくなんか……むっ……」
「我慢は良くないぞ。そんなことをしても、どうせいやというほど感じさせられるのだからな」
「で、でも……ああっ……いっ……ふあっ……」

藍は激しく葛藤している。
ここで男の甘言に乗り、口にしてしまったら最後だという気がする。
これまでのことはムリヤリの強姦、凌辱ということで済ませることが出来るだろう。
しかし、達吉の行為に反応した、歓喜したということを口にしてしまったら、それは凌辱と言える
のだろうか。

そう思う藍を裏切るように、若い肉体は燃えて燃えて収まりがつかなくなっている。
肉棒をくわえこんだ膣は、蜜を絡ませて襞が押さえ込む。
カリが襞を抉ってくると、お返しとばかりに亀頭部を包むように締め上げた。
押し寄せてくる快美感に抗い切れず、薄く紅を引いた唇から甘い吐息が洩れる。

「は、ああ……ああっ……いっ、あ……」
「言え、気持ちいいのだろう」
「は……はい……ああっ」

とうとう口にしてしまった。
言った途端に、それまでの葛藤が嘘のように晴れ、より積極的に感じ出してきた。
理性が肉欲に駆逐され、より本能的な部分が正面に出てくる。

「だ、だめです、いいっ……あ、気持ちいいですっ……くうっ、おかしくなるっ……」
「そうか。どんな感じだ」
「あひっ……す、すごい硬いのが……ああっ……ご、ごつごつしてて……ひっ……な、中で
びくびく……ううっ……かき回されてます……あっ」
「その硬いのでどこを抉って欲しいのだ? 襞を擦って欲しいのか、それとも奥がいいのか?」
「あ、お、奥……」
「はっきり言え」
「ああ、奥が……」
「子宮だ」
「し、子宮ですっ……子宮を、ああっ……抉ってください……あううっ……つ、強く……」

藍とは思えぬ言葉をどんどんと口にし、美少女は乱れまくった。
あの慎ましやかな看護少女がここまで、と思えるほどだった。
それほどに達吉のセックスは、藍の五感を痺れ抜かせ、全身を痙攣させるほどに強烈なもの
だった。

「はぅっ、ああっ……く、来るっ!」

藍の声が1オクターブ上がった。
いよいよ来たらしい。

「もうか、早いな。まあいい、そういう時はどう言うのか覚えているな」
「あ、ああ……」

藍は悲しげに顔を振った。
何か恐ろしく暗くて大きなものが身体の奥からせり上がってくる感覚。
身体を淫獣に乗っ取られたかのような感覚。
そして目も眩むような凄まじい衝撃。

確か達吉はそれを「気をやる」とか「いく」とか言っていた。
そして、その時には必ず口にしろ、と。
それが礼儀だとも言われた。

「それ、いきたいのならいってもかまわん。その代わりちゃんと言うんだ」
「い、いやです……は、恥ずかしいっ……あ、あうっ……」

ずん、と男は美少女の子宮まで届かせた。
腰を押しつけたまま、さらにその腰をぐいぐいと上へせり上がるように責め上げる。
藍の子宮口は、熱くて硬い肉の凶器で何度も小突かれ、擦られた。
その刺激が、藍はいちばん弱かった。
痛いだけだったそれが、今では気を失うほどに感じてしまう。

「そ、それはあっ……それ、だめですっ、ああっ……か、感じすぎて……ひぃっ……」
「ならば言え、「いく」とな」
「いや、いい! ……っあ、ううんっ……いいっ……あ、もうっ」

迫り来る絶頂を感じるのか、藍は盛んに首を振りたくった。
崩壊が目の前まで迫り、火照った藍の裸身が汗を絞り出すように分泌させた。
膣道はぎちぎちに締まり、達吉の精を望んで熱くうねっていた。

藍の心は曼陀羅であった。
脅え、困惑、不安、羞恥、屈辱、そして快楽への期待。
それを覚られぬよう頭を振るものの、口からは熱いよがり声しか出てこない。

「あ、あ、あ……も、だめです、あはっ」
「言えっ!」
「ああ、はいっ……も、もう、いく……い、いきそうです、あっ……い、いってしまうっ」

美少女はその全身を性の愉悦に占領されてしまった。
藍は、身体のすべてをこの憎むべき男に征服されてしまったことを認めざるを得なかった。

「あはっ……い、いいっ……本当に私っ……い、いっちゃうう……」

一気に増し始めた襞の蠢きと収縮に、達吉も熱くなってきた。
射精が迫った男根が、早く出させろと脈打っている。

「よし、いけ。中にたっぷりくれてやる」
「いやあっ」

藍は一瞬、正気に戻った。

「な、中だけはいやですっ。ほ、本当にいやなんです……ああ、堪忍してください、
それだけはあっ……」
「いかん。中だ」

達吉はそう言って、一段と激しく腰を突き込み、乳房に食いつき、揉んだ。
子宮を虐められ、乳房を激しく揉まれる快感に、藍はぐぐっと背を弓状に曲げた。

「いやあ、いくっ……中はいやっ……あ、でも、いっちゃう……い、いく、いきますっっ!!」

達吉も限界を迎え、思い切り藍の胎内に射精した。

どっぴゅるるるっっ。
どっぴゅ。
どびゅるるっ。
どびゅ。
どぴゅっ。
どくっ。
どくどくっ。
びゅるんっ。

男は、肉棒に小突き回され、爛れて口を開けかけた子宮にどっぷりと射精してのけた。
どろっとした粘い汁が、どくどくと美少女の子宮内にひしめき合って流れ込んでいく。

「いやああ……で、出てる、中に出てるぅ……あ、ああ……熱いのが……ひどい……」

達吉は、その素晴らしい快感に痺れ、嫌がる藍の腰を押さえ込み、腰を押しつけて出来るだけ
深いところで注ぎ込んだ。
一滴もムダにすまいと腰を振って、最後の発作まで子宮にくっつけたままで精液を流し込んだ。




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