信じられない。
新次郎くんは約束を破って、背後からあたしを貫いてきた。

「あ、ああっ……ひ、ひどいっ、あんなこと言わせたのにぃっ……」
「だから燃えてるんでしょう? 僕の方はどうせこうするつもりだったんですから」

ひどすぎる。
この子、最初からあたしをこのまま辱めるつもりだったんだ。
悔しくて涙が出てくる。

「んっ……はうっ……」

でも、そんな感情は新次郎くんの挿入してくるアレ……ペニスの威力で消し飛んでしまう。
太いものがメリメリと音をさせそうな感じであたしの中に押し入ってくる。
声を上げまいと噛みしめていた唇から呻き声が零れた。
大きかった。
少しずつだけど、どんどんとあたしの奥まで入ってくる。
中が押し広げられながら進んでくるペニスにあたしは圧倒され、背中を反り返らせて呻いた。

「ああ……」

もうたっぷり濡れているからなのか、あたしのそこはあっさりと新次郎くんを受け入れていた。
悔しいけど、もうあたしの身体が新次郎くんのものを覚え込んでしまっている。
最初、あんなに痛かったのに、今ではもうほとんど苦痛はなかった。
新次郎くんに言われた通り、死にそうに痛かった最初の激痛は、数をこなしていくごとに薄れていった。
それでも傷口を擦られるような苦痛はあったんだけど、でも……、もうあたしの身体、おかしくなってる。
今みたいに、念入りに身体を愛撫され、気持ち良くさせられて、乳首が痛いほどに硬くなり、あそこが熱く濡れてくると、どうしても中に欲しくなる。
痛いんだけど、それを入れて欲しくなってしまう。
ああ、もう何が何だかわからない。
あたし、もう……。

「あ、あああっ……はああっ……うんっ……は、入ってる……ああ、新次郎くんのが……ど、どうして、あたし……あああ……」
「さくらさん、僕のを入れられて気持ち良いのはわかりますけど、声が大きいですよ。そんな色っぽい声で喘いだら叔父さんが目を覚ますよ」
「っ……、き、気持ち良くなんかありませんっ……あ、あたしは喘いでなんか……あうっ!」

否定しながらも、あたしは腰をぶるぶると震わせて熱い吐息を漏らした。
少しでも息や声を出さないと、身体の奥で淫らなものがどんどんと溜まっていく気がした。
恥ずかしい声で大神さんを起こすわけにはいかないと、あたしは手の甲を口にあてがうものの、新次郎くんが突き上げてくると脆くも崩れてしまう。

「あっ、あっ……や、やめてっ……こ、声が……あっ……」

あたしは必死に声を殺し、ほとんど無音声でそう言った。
新次郎くんは余裕を持って、あたしのお尻に腰を打ち付けてくる。

「こんな恥ずかしい格好で犯されて喘いでるさくらさんを見たら、百年の恋もいっぺんに冷めるんじゃないかな」
「ひどいっ……やっ、動かないで! はああっ……むっ……」

まるで犬みたいな恥ずかしい格好で犯される恥辱を受けているのに、身体はどんどん反応してしまう。
手の甲じゃどうにもならず、両手で口を塞ぐ。
それでも、中をペニスで抉られると、どうしても声が出てしまう。
これがセックスの快感なんだ。
もうほとんど痛くない。
気持ち良くなってしまっている。
早く終わらせてもらうしかない。
大神さんが起きる前に──あたしが、また恥ずかしい絶頂を極めてしまう前に。

「お、お願い、あっ……んんっ……は、早く……早く済ませて……くっ……んあっ……」
「せっかく愛し合ってるのにその言い方はないでしょう。ゆっくり愉しみましょうよ」
「愛し合ってなんかいませんっ……もういやっ……んむっ……くううっ……」

どうしても洩れてしまう声。
あたしは自分の人差し指を咥え込んでみる。
声が出そうになったら指を噛んだ。
それでも新次郎くんがグイッと突き上げてくると、あたしの背中が仰け反り、堪えきれない喘ぎが唇から零れ出る。

「くううっ……いっ……だめっ……くっ……はあっ……んんっ……いっ……い、いうっ……はっ……」

いつ大神さんが起き出すかもわからないという不安におののき、胸がきゅんと締めつけられる。
歯形が残るほどに強く指を噛んでも、ついつい甘い声が出てしまう。

「いいなあ。そうやって気持ち良いのを我慢してる顔っていいですよ。さくらさんみたいな美人がそういう表情してるのってたまらないなあ。叔父さんにも見せてあげたいくらいだ」
「やっ……」

大神さんに見られたら。
そう思ったら腰に力が入って震えた。
中に入った新次郎くんのものを思い切り締めつけてしまう。
ああ、やっぱり大きい。
奥まで来てる……。
きゅっとあそこが絞まると、新次郎くんも気持ち良いのか、小さく唸ったりしてる。
だからなのか、新次郎くんはかさに掛かったようにどんどんと突き込んできた。

「ほら、声を出して。叔父さんに聞かせてあげましょう」
「やだっ……こ、こんなのいやあっ……んはっ……」

あたしは這いつくばったまま何とか逃げだそうと前へずり上がろうとしたけれど、新次郎くんの手があたしの腰をしっかりと掴んでいてほとんど動けない。
新次郎くんは力強くあたしに打ち込んでくる。
あたしはその音に気づき、また羞恥に染まった。
こんな格好で犯されているのを見られるのもそうだけど、こんな恥ずかしい音を聞かれるかも知れないと思うと死んでしまいたくなる。

新次郎くんの腰があたしのお尻に当たる「ぱんっ、ぱんっ」という音。
そして、濡れているあそこにペニスが抜き差しされてるぬちゃぬちゃっという淫らな音。
新次郎くんはそんなあたしの心情を見透かすかのように、わざと音をさせている感じだ。
この子はどこまであたしを辱めれば気が済むんだろう。

「あ、やあっ……」

新次郎くんはあたしの片足を抱え込んで、腰をより深くまで送ってくる。
結合が深くなり、子宮にまでペニスが届いてしまっていた。

「くひっ……あ、あっ……だめ、深いわっ……」

その時だった。

「!」

新次郎くんの動きが止まる。
あたしもぎくりとして大神さんの方を見た。
大神さんが「ううん」と唸って寝返りを打った。
肝が冷えるっていう表現が身を以てわかった。

いつの間にか、あたしは大神さんのすぐ側まで来ていた。
きっと新次郎くんが後ろから何度も思い切り突いているうちにずり上がってしまったんだ。
もしかしたら、新次郎くんはそれを狙って、わざとあたしを押しやるように責めていたのかも知れない。

あたしと新次郎くんは寝ている大神さんを凝視して、繋がったまま制止していた。
見ないで……見ないで、大神さんっ……。
あたしの願いが通じたのか、幸い大神さんは寝返りを打っただけで起きる気配はなかった。
でも、頭が動いて大神さんは眠った顔をこっちに向けている。
あたしは身を縮込ませて囁いた。

「お、起きちゃいますっ……もうやめて……抜いて……」
「……」
「お、お願い……ここじゃなければ……帰ったら抱かれますから、ここでは……」
「もちろん帰ってからも抱いてあげますよ。でも、ここでもやるんだ」
「そんな……、あっ、いあっ……」

新次郎くんは醜い欲望のままにあたしを深々と貫いてくる。
あたしも、この体位で犯される快感に囚われつつあった。
前から抱かれるのとは全然違う。けものの格好で犯されるというのもあるけれど、それ以上に、前からとは違うところにペニスが当たってくる。
今まで知らなかったところを刺激され、新たな快感にあたしは喘がずにいられない。

「いっ、やめて! ああ……むっ……ふうっ……ひっ……そこっ……あっ……」

手で口を押さえ、指を噛んで声を堪えるけど、あまりの快感についつい熱い声が出てしまう。

身体が敏感になり過ぎてる。
その身体に新次郎くんは遠慮なくペニスを突き込んできた。
ぱんぱんとお尻を打つ音が高く響く。その激しさにあたしは仰け反った。

「だめっ、そんな激しくっ……うんっ……い、いや……くっ、すごっ……あううっ……あ、熱い……中が熱いっ……」
「ええ、わかりますよ。さくらさんのオマンコの中が熱くなってるのを、僕はペニスで感じてる」

背中に覆い被さるようにして手を前に回し、おっぱいを揉みしだきながら責めていた新次郎くんは、その手を離してあたしの腰を掴み直す。
そしてあたしの腰が浮くほどに勢いよく打ち込んできた。

「だ、だめ、そこっ……ひっ……深いっ……うあっ……」

いちばん奥にまで当たってる。
これってきっと子宮口だ。
そこまで届かされ、感じさせられているあたし。
いつの間にかお尻が勝手に蠢いている。
きっと新次郎くんの腰の動きに合わせてるんだ。
意識してないのに、身体があたしに逆らって男の人に合わせている。

「ああっ……」

ああ、だめ。
また何か来そう。
また「いく」んだ。
恥ずかしい姿を新次郎くんに晒してしまう。

あたしは歯を食いしばり、懸命に堪え忍ぼうとしたけれどだめ。
もう身体が暴走してしまっている。
そこへ新次郎くんが奥までズンズンと突いてくる。
突き込まれるのに合わせて、おっぱいが恥ずかしいくらいにぶるん、ぶるんと揺れていた。

あ、もうだめっ。
頭が白く灼ける。
何が何だからわからなくなる。

「くううっ……いっ、いやああっ……!」

あたしの全身がガクガクと跳ね、痙攣した。
きゅうっと音がしそうなほどにあそこが絞まって新次郎くんのペニスを締め上げた。
両手が拳を作り、爪が食い込むほどに握りしめている。
足の指まで内側に屈まった。

「あ……あっ……あああっ……」

あたしは何度か仰け反り、背中をたわませて大きく喘いだ。
そのままぶるぶると小さく痙攣していたけど、そのうち全身から力が抜けてしまい、そのまま畳に突っ伏した。
膝が崩れ、倒れ込んでしまう。
新次郎くんはあたしからペニスを抜き去った。

「あう……」

硬いのがあそこを擦りながら抜けていく感覚に、あたしはまた少しいった気がした。
新次郎くんがあたしのお尻を軽く叩いて言う。

「いったみたいですね」
「……違う……あたしは、そんな……いってなんか……」
「何を言ってるんですか。あんなに派手に気をやったのに」
「……」

いたたまれなくなって、あたしは顔を伏せた。
またいかされてしまった。
愛し合ってる相手じゃないのに、あたしはどうしてこうなってしまうのだろう。
まるで新次郎くんに仕込まれているような気がした。
彼はあたしの汗に濡れたお尻を撫でながら言った。

「さくらさん、いってないんですね?」
「……いってなんか……ないわ……」
「それじゃもう一度」
「え……、ああっ」

彼はまだ余韻に浸っているあたしをひっくり返したかと思うと、今度は前から挑み掛かってくる。

つ、続けてするの?

唖然とするあたしにニヤッと嗤ってみせながら、新次郎くんはまたあそこを貫いてきた。

「うあっ……!」

まだいったばかりの敏感なそこに再び挿入され、あたしはそれだけでまたいきそうになった。

「やっ、なんで……もう……もう終わったのにぃっ……あうっ」
「終わってなんかいませんよ。さくらさん、いってなかったんでしょう?」
「あたしは……」
「僕だってまだ出してない。これからですよ、ほら」
「うあっ……!」

ズンと深くまで突き込まれ、胸がまだゆさっと揺れる。
それに目をつけた新次郎くんが、おっぱいをまたゆっくりと揉んできた。
心地よい快感に、ついつい声が出る。

「ああ……」
「気持ち良さそうな声ですね。それくらい控え目によがってれば、叔父さんも気づきませんよ」
「ああ……こんなの……あっ」

やわやわと揉み込んでいるうちに、また硬くなった乳首がぴくぴくと踊ってる。
恥ずかしい光景にあたしは顔を背けるのだけど、新次郎くんは膨らんできた乳輪ごと口に含んだ。

「あうっ……やっ、す、吸わないでっ……いあっ」

ちゅううっと音がするくらいに強く吸われ、あたしは胸を押しつけるように仰け反る。
ちゅうちゅうとしばらく吸ってから口を離すと、唾液で濡れた乳首がぷるんっと揺れて元に戻る。
それをまた絞るように強くこねくられた。
強い刺激に耐えきれず、あたしは身体をピクッと痙攣させ、恥ずかしい声を漏らす。

「んひっ……あ、乳首だめっ……あ、あんっ……だめ、ホント……声、出ちゃうからっ……いっ……」

硬くしこった乳首をいじられるだけで股間が濡れ、わなないてしまう。
新次郎くんは遊ぶように乳首を引っ張ったり転がしたりして、あたしに声を出させて愉しんでいる。

「うあっ……!」

硬くなった乳首を上から押して、柔らかい乳房に押し込まれると、胸の奥から腰まで強い電流が流れて、あたしは大きく仰け反った。
恥ずかしいくらいに反応して、悶えてしまっている。
新次郎くんを咥え込んだあそこも濡れそぼり、まだじくじくと新たな蜜が滲み出てきた。
新次郎くんはあそこを指で擦って、濡れ具合を確認してから動き始めた。

「んっはうっ……はあっ……あっ……あっ……うんっ……いっ……いあっ……はっ……くうっ……んんっ……ああっ」
「いいですか、さくらさん」
「し、知らない、知りませんっ……ああっ……」
「よがってるじゃないですか。素直に「気持ち良い」とか言って欲しいなあ」
「そ、そんな……恥ずかしいこと……うんっ……いあっ……」

大神さん以外の男性に抱かれて、恥ずかしいくらいに感じてしまっている。
深くまでペニスが入ってくると、思わず慕い寄ってしまいそうになる。
新次郎くんはあたしの様子を見ながら余裕を持って責めてくる。
子宮にくっつくまで深く差し込むと、ゆっくりとそれを引き戻し、また深々と押し込んできた。
動きがゆっくりで救われてるけど、ゆっくり動かれると新次郎くんのペニスの大きさや形があそこの中ではっきりとわかってしまう。

ああ、太くて長い……。
それに、何て硬いのかしら……。
まるで木の棒でも押し込まれてるみたい……。

ハッとしたあたしは、頭を振って淫らな想像を振り払う。
でも、新次郎くんが奥まで入れてくると、イヤでも意識してしまう。
必死になって歯を食いしばる。

「んんっ……ぐっ……んぐっ……むううっ……」
「色っぽい声を我慢することはないですよ。大声でよがらなければ起きやしませんよ。叔父さん、けっこう酔っぱらってたから」
「いやっ……んむっ……いっ……あああ……あう……」

いけないと思っているのに、声が熱く蕩けてきてしまう。
こんなの無理だ。
我慢するなんて出来っこない。
それとも、あたしが淫らなの?

新次郎くんの欲情した顔を見たくないと目をつぶると、どうしてもあそこに神経が行ってしまう。
熱いものがずぶっと入ってきて、ゆっくりと引き抜かれる。にちゃ、ぬちゃといやらしい音がして恥ずかしい。それだけあたしが濡れている証拠。
何だか、あそこの中の粘膜が新次郎くんのものにへばりついてしまってる感じ。
それが抜かれる時に一緒に出てきてるんだ。
押し込まれると、巻き込まれるように中へ入っていってるんだ。

どうしてもいやらしい考えが頭を離れない。
あたしは大神さんの笑顔を思い浮かべようとするんだけど、新次郎くんのペニスが入ったり出たりしてくると、それも薄れてしまう。
それくらいに強い快感があたしの心をかき乱している。
新次郎くんがずぶりと根元まで押し込んでくる。
子宮口に食い込むほどで、あたしは思わず悲鳴を上げた。

「あうんっ! だめ、そんな深くまでっ……くっ……ああっ……もう、あっ……」
「いいんでしょう、さくらさん」

新次郎くんはそう言いながら腰を使い、胸を愛撫している。
顔を近づけてきたので顔を逸らすと、露わになった首筋に舌を這わせてきた。
ぞくぞくっと震えがくる。

「ああ……」
「いい顔ですよ、さくらさん。気持ち良くてしようがないって感じですね」
「あ、あたしは……んああっ……ひっ……うんっ……くうっ……」

思わず「気持ち良い」と言いそうになるのを何とか堪える。
でも、このまま責められたら、あたしきっと恥ずかしいことを口にしてしまいそう。
だめ、我慢できない。

「あ、あ、もう許して……ああ、これ以上されたら、あたしっ……ああっ」
「どうなるんです? いっちゃうんですか?」
「やあっ……やめて、もう……ぬ、抜いて、しないで……あっ」
「お互い、こんな気持ち良くなってるのにやめられないですよ。それに、さくらさんをいかせなきゃやめられない」
「そんな……あっ……いっ……」
「さっき、いってたらよかったんですよ。だったら……」
「きゃっ……だめ、動かないで……こ、声が出るっ……んんあっ……」

正直に言うしかない。
言ってもやめてもらえるかわからないけど、言うしかない。
大神さん、ごめんなさい……。

「い、いった……」
「なんです?」
「い、いきました! あたし、さっき……ああ……」
「僕に犯されていったんですか」
「ああ……そ、そうです……」
「もう一度言って」
「あたしは……新次郎くんに、お、犯されて……ああ……い、いってしまいました……」
「それでいいんです。じゃあ終わりにしてあげますよ、僕がいったらね」
「えっ……」
「一緒にさくらさんもいくんですよ、いいですね?」
「そんなのいやっ……あ、あっ……ううんっ!」

新次郎くんはあたしの両脚を自分の肩に乗せ、そのままのしかかった。
身体を思い切り曲げられて、お尻というより腰が浮いてしまう。
そこへ新次郎くんのペニスが突き刺さってくる。
さっきまでよりもずっと深いところまで押し入ってきて、その深さにあたしは目を剥いた。

「ひぃあっ……!」

新次郎くんのが根元まで埋まって、あたしのいちばん深いところ……子宮の入り口に当たってる。
その状態で腰を回転させてくるから、あたしのそこがゴリゴリと擦られてしまう。

「んんんっ、だ、だめ……それだめえ、ああ……お、奥が、ああ……熱い……いっあ……」

上から潰されるように突き込まれ、あたしの腰が軽く弾んでいる。
身体を折りたたまれて、太腿がおっぱいを潰している。
コリコリになった乳首が腿に押されて乳房にめり込んでいる。
たまらなかった。

それに、あたしのあそこは新次郎くんのものをしっかりと咥え込んでいる。
そんなつもりは全然ないのに、押し込まれる時は緩んで、引き抜かれる時はきゅっと締まってる。
まるで、新次郎くんのペニスを逃がさないかのように蠢いてる。

「いっ……ふあっ……んんっ……くっ……こ、声が……あっ……」
「「いい」と言って、さくらさん。正直に」
「お、大神さんの前でそんなこと……ああっ……だめ、声が出るっ……お願い、口、塞いで!」
「仕方ないな、じゃあキスしてあげます」
「ち、違うっ、そういう意味じゃ……あんむっ」

新次郎くんはあたしの顔を押さえ込んで、そのままキスしてきた。
いきなりでびっくりしたから、抗う時間もなかった。
彼の舌が口に潜り込むのを止めることも出来ず、あたしはそのまま新次郎くんを受け入れた。

「んん……んむ……ちゅっ……ん、んじゅっ……ちゅううっ……」

ああ、あたしの方からもキスしてる。
新次郎くんが吸うだけじゃなく、あたしも彼の口を強く吸っていた。
舌が口の中を舐めてくると、それに応えるようにあたしも舌を絡めてしまう。

激しいキス。
こんなすごいの、大神さんはしてくれなかった。
いつも優しいキス。

でもあたしは、こういうのもして欲しかったのかも知れない。
ついつい新次郎くんの背中を抱きついてしまいそうになるけど、ぎゅっと握り拳を作って必死に堪えている。
その腕がぷるぷると小さく痙攣していた。
彼の口が離れると、あたしはもう恥ずかしい声を堪える気力まで吸い取られていた。
声は控え目で押し殺してはいるものの、明らかに喘ぎ声だった。

「んっ……ああ……あう……いっ……うんっ……いっ……」

新次郎くんはだんだんと勢いを強く激しくしていって、あたしの奥の奥まで貫いてくる。
あたしの狭いあそこの道を押し広げて子宮口にまで届かせ、そこを意地悪く何度も突き上げてから引き戻す。
あたしの中はもう燃え盛っていて、淫らで熱い蜜を飛沫出していた。
その頃になると、あんなに窮屈だった挿入感はウソのように消え失せ、滑らかに抜き差し出来るようになっていた。
同時にあたしの快感もどんどんと高まり、もうにっちもさっちもいかなくなっていた。

「あ、あううっ、だめっ、あっ……しんじろ、くんっ……あたし、もうっ……いっ……」
「いきそうなんですね?」
「くっ……」

ああ、大神さん許して。
どうしようもなくなり、あたしはガクガクと頷いてそれを認めてしまった。
もう恥ずかしいとかはしたないとか、そんな感情は官能の熱で灼けてしまっている。
あそこがきゅんきゅんと絞まり、彼のものの大きさと硬さをいやというほど実感してしまう。
その刺激が気持ち良いのか、ペニスもあたしの中でまたぐぐっと大きくなった感じがした。
案の定、新次郎くんが快楽で顔を歪ませ、追い詰められたような声を出した。

「ぼ、僕も……僕もいきそうだ……出そうですよ、さくらさんっ」
「んああっ、ああっ……は、早くっ……早くしてっ……あ、あたしもう保ちませんっ……く、来る、来ちゃいますっ……!」
「くっ……、そ、そんな声で喘がれたら僕も……」

新次郎くんの動きが単調になる。
強く奥まで突き込んでくるけど、抜き差しする距離は短い。
その分、速度がすごく速い。
ああ、これって……、これって新次郎くんがいきそうになってるんだ。
いくっていうことは……。

「あ、あっ、ま、待って!」
「な、何です、今さらっ……出しますよ!」
「だめ、だめですっ、いっ……中はだめ、そ、外に……ああっ、外に出して、お願いっ!」
「そんな殺生な、僕はさくらさんの中に……」
「ぜ、絶対だめですっ。そんなことしたら……ああっ、大神さんに言いつけますっ……」

本気だった。
もし、中で射精されてしまったら。
あたしは新次郎くんの子を妊娠してしまうかも知れない。

最初の時はともかく、二度目以降もそれだけはやめさせてきたんだ。
その一線だけはだめ。
お腹の奥は……子宮だけは大神さんのものなんだから。
なのにこの子に孕まされてしまったら、あたしは本当におしまいになっちゃう。
新次郎くんはまだ未練ありげに言ってくる。

「でも僕、さくらさんの中に出したいんだ!」
「だめっ……ああ、絶対だめよ……くっ……ああ……」
「くそっ、まださくらさんは叔父さんのことを……」

新次郎くんは悔しそうな顔をしたけど、すぐにまた酷いことを言ってくる。

「じゃあ、こうしましょう。今は中に出しません。その代わり、帰ってからも僕に抱かれて下さい」
「え……そんな……ああっ……」
「いやなんですか? なら僕は絶対に……」
「わ、わかった、わかったからっ……ああ……か、帰ってからも……あ、あなたに抱かれますっ……だから……」
「くっ……い、いって、さくらさんっ……僕もっ……!」
「いやあああっ……い、いあっ……き、来ます、すごいのがっ……くうっ……い、いく!」

あたしは達した瞬間、とうとうその言葉を吐いた。
それに合わせて新次郎くんもいったらしく、大きく呻いてあたしの中からペニスを引き抜いた。

「ああっ!」

まだ硬いままのものを引き抜かれ、あそこのお肉を目一杯擦られて、あたしは続けざまに絶頂していた。
あたしから抜き去った新次郎くんは、自分のものを手で掴み、あたしの顔まで持ってくる。

「ああっ……」

びしゃっと凄い勢いで射精され、凄く濃いのがあたしの顔に浴びせられた。
眉間にかかり、ほっぺにも直撃した。
新次郎くんはペニスの先をあたしの顔にくっつけて、精液をなすりつけていく。
彼の精液が放つ猛烈な牡臭でやられ、あたしは意識を失った。

───────────────

約束通り、あたしたちの関係は帰ってからも続いていた。
新次郎くんの夏休みが残り一週間ということもあって、彼は寸暇を惜しむようにあたしの身体を抱いた。

あたしの部屋、新次郎くんの部屋。
楽屋にお風呂。
図書室で犯されたこともあった。
とにかく人目につかなければ、ありとあらゆるところであたしたちは交わっていた。

もちろん、あたしから誘ったことなどなかった。
けど、新次郎くんの誘いを断らなくなっていたのも事実だった。
それは、もうここまで来てしまっては、いくら拒否しても結局抱かれることもなるのだし、彼が開き直って大神さんにあたしたちの関係を告げてしまうことも恐れていた。

今さら、あたしの方から大神さんの真相を告白して許してもらう、ということも考えられなくなっていた。
一回、二回ならともかく、もう……10回以上は関係してしまっているんだ。

あと一週間。
彼がいなくなるまでの間だけ我慢すればいい。
そう思って耐えていた。

でも……、おぞましいことに、あたしの身体は彼によって開発されていって、以前とは比べものにならないくらい官能に脆くなってしまっていた。
しつっこいほどに全身くまなくまさぐられ、舐められ、キスまでされて、徹底的な愛撫を受ける。
あたしも気づかなかった気持ち言い場所を探し当てられ、そこをねちっこく責められた。

最初はくすぐったかっただけの腋や足の裏も、新次郎くんの念入りな愛撫を受け続けているうちに、とろけるような快感に取って代わられていった。
もうあたしの肌は、どこをどう触られ、まさぐられ、撫でられても性的な快感を得られるほどになっている。
あそこが熱く濡れてくるだけでなく、もうそれだけでいきそうになることもしばしばだった。
そんなの我慢できるわけない。

だから、新次郎くんによって暴力的に犯されることさえ、さほどの嫌悪感を持たなくなっていたの。
いくら否定しても、彼に貫かれた時の戦慄にも似た快感。
絶頂されられた時の、得も言われぬ快楽。
それらにあたしの心も身体も冒されてしまい、新次郎くんに請われるままに身体を開くようになっていた。

中に射精されることだけは拒絶したものの、代わりに身体中に精液を浴びせられた。
お尻から犯されて背中に射精されたり、前から貫かれた時にはお腹と言わず胸と言わず、顔にもたっぷりと精液を出されてしまった。
あたしの肌は新次郎くんの唾液と精液にまみれ、彼の匂いが染みついたような気がした。
口で新次郎くんのペニスを愛撫するよう命じられた時は、ほとんど必ず口の中に出されて、飲まされた。
キスでもたっぷりと唾液を飲まされたから、お肌だけでなく、胃の中まで彼の出す体液で穢されていた。

申し訳なくて、大神さんの顔がまともに見られなくなってしまった。
大神さんも、あたしに何かあったのがわかるのかも知れない。
そっとしておいてあげようと思っているのか、あまり構ってくれなくなってきてる。
寂しかった。
でも、あたしから迫ることも出来ない。
こんな時こそ、暴力的でもいいから、あたしを奪い返して欲しかったのに。

そんな中、新次郎くんの方は貪るようにあたしの身体を凌辱していった。
肉体の欲望をほじくり出され、身体の方は新次郎くんに慕い寄っていく。
大神さんに対するいたたまれなさ、申し訳なさとともに、愛してくれている人を裏切っているという背徳感が、あたしの胸と腰の奥を灼いていった。
そして今日も彼の部屋で、あたしは身体を捧げている。

「ああ……」

新次郎くんの手が唇が、あたしの全身を這い回っている。
部屋の中とはいえ、真っ昼間だ。
いつ誰が部屋に来るかわからないし、呼び出されるかも知れない。
なのに彼は、お昼を食べ終わるといきなりあたしの手を掴み、引き摺るようにして自分の部屋に押し込んだ。
新次郎くんは明日の朝、寮へ戻るらしい。
だから焦ってあたしを犯そうとしているように見えた。
多分、今日はこのままずっと……。
夕食まで嬲られるだけでなく、その後も夜通し責められ、凌辱されるのかも知れない。
あたしは「そんなに犯され続けたらどうなってしまうのだろう」という脅えとともに、今までよりもさらに強烈な快感を得られるかも知れないと、暗く妖しい期待を覚え、彼に触れられる前から濡れてしまったの。

部屋に入るなり、服を脱ぐのももどかしいとばかりに、新次郎くんはあたしに纏わりつく。
後ろ手で内鍵を掛けると、あたしの背中に回って抱きついてくる。
顔を背けたことで露わになった首筋に、彼の唇と舌が這っていく。
着物の裾から突っ込まれた手が肌襦袢まで掻き分け、あたしの胸を直に揉んでいる。
優しくなんかじゃなく、強くぎゅうぎゅうと揉み絞っている。
彼の焦りがその愛撫にも現れている気がした。
あたしは苦痛を訴えたけど、新次郎くんは構わず乳房を揉みしだき、こねくっている。

新次郎くんの愛撫に慣れ親しんでいたあたしの身体はすぐに反応し、鋭い快感が湧き起こると同時に甘い声が漏れ始め、たちまち乳首がしこってきてしまう。
脚がもじもじと動き、腿を擦り合わせたくなる。

「あ……」

もじもじとお尻を振っていると、そこに何か硬いものが当たる。
まただ。
また新次郎くんが自分のものをあたしに押しつけているんだ。

男性の性器を押しつけられているという恥ずかしさで首から上が真っ赤になる。
なのにあたしは、逃げるどころかそれにお尻を自分から擦りつけていってしまう。
お尻のお肉と割れ目が、しっかりと硬いものを感じ取っている。
あたしはまた股間が潤んでくるのを自覚していた。
新次郎くんが意地悪く笑う。

「何ですか、その腰は」
「あ……」

言われて慌ててお尻を離すものの、またすぐになよなよと彼の腰にくっつけていってしまう。

「そんなに触りたいなら、ほら手で」
「あ、いや……」

あたしは反射的にそう言ったものの、新次郎くんにされるがままに手首を掴まれ、その股間に手を持って行かれる。

「あ……」

手を押しつけられ、手のひらに熱いものを感じる。
ズボン越しなのに、その硬さや熱さが指でわかった。
彼はあたしの手首を掴んで、そのまま自分の腰に押しつけている。

「触りたかったんでしょう? 遠慮なくどうぞ」
「……」

強制されるように、あたしはおずおずと手を動かした。
手のひらが熱いものを感じ取ると、もう我慢できないように指がそれに絡みついていく。

ああ……、すごい。
こ、こんなに硬くなるものなの?
か、かちかちになってる……。
それにすごく熱いし、太い。
こ、こんなものが……こんなものが本当にあたしの中に……。

あたしの身体が熱くなっていく。
息苦しくなり、汗がうっすらと浮いてくる。
新次郎くんは、着物の裾に手を掛けると、襦袢ごと一気に前を開いてしまう。

「あっ……」

あたしは慌てて戻そうとするのに、彼は胸まで引き下ろした着物であたしの腕の自由を奪った。
モロに出てしまった乳房を、両手で鷲掴みにして揉みしだいてくる。
しっとりと汗をかいた肌が、新次郎くんの指に吸い付くように反応していく。
指に力を入れて揉み込まれると、あたしのおっぱいは彼の手の中で弾み、いやらしく形を変えて新次郎くんを愉しませている。

「ああ……」

愛撫される心地よさにあたしが思わず喘ぐと、今度は硬くしこった乳首をきゅっと摘まれ、根元を強く擦られる。
その刺激の強さ、快感の大きさに、あたしは仰け反って腰を震わせる。

「ああっ……そ、そこ……あっ……うんっ、つ、強いっ……」
「強すぎましたか? でも、それがいいんでしょう?」
「ああ……、い、いい……」

あたしはいつの頃からか、新次郎くんに「気持ち良いのか」と問われれば、素直に「いい」と返すようになっていた。
それを我慢してしまうと、どんどん快感が身体に溜まっていってしまい、それだけ早く達してしまうことに気づいたからだ。
喘ぎ、熱い息を吐き、恥ずかしい言葉を口にすることで発散させると、少しだけ身体から快楽が解放される感じがする。

あたしは仰け反った頭を、後ろの新次郎くんの肩に乗せ、はあはあと熱っぽい喘ぎ声を漏らしている。
新次郎くんはその顎を掴んで引き寄せ、そのまま唇を重ねようとしてくる。
あたしはイヤイヤするように二、三度首を弱々しく振って彼の唇を避けようとした。
けど、股間を中心にこみ上げてくる淫らな情感と切なさに耐えきれず、屈したように新次郎くんの唇に唇を合わせた。

「んんっ……んむ……じゅっ……ちゅううっ……」

新次郎くんは、あたしの顔に覆い被さるようにして唇を強く押し当ててくる。
たまらず口を小さく開くと、すぐに舌が侵入してきてあたしの咥内を犯した。
あたしの舌を捉えると、貪るように強く強く吸い上げる。

「んむうっ……んちゅっ……んんん……ちゅぶっ……うん……んっ……ちゅっ……ちゅううっ……」

新次郎くんはずるい。
あたしがキスに弱いことに気づくと、執拗に唇を吸うようになってきた。
特にあたしがむずかったり、抱かれることを躊躇ったりすると、強引に唇を奪い、舌を強く吸ってくる。
優しいキスでなく、乱暴なくらい激しいキスをされると、あたしはそれだけで全身の力が抜けてしまう。

あたしも彼に負けないくらい、その舌を強く吸い返した。
新次郎くんはあたしの口の中の唾液を飲み込むと、お返しに自分の唾液をあたしの口に注いでくる。
最初はおぞましかったが、今のあたしはそれを飲み込むことが出来るようになっていた。

「はああっ……」

ようやく激しい口づけが終わる。
新次郎くんの激しいキスは、あたしをいつも虜にする。
舌を強く吸い上げられ、唾液の交換までされてしまうと、もう彼に逆らおうという気すら失せてしまう。
身体は痺れ切って、完全に彼の思い通りになっている。
新次郎くんの胸に背中をもたれさせ、委ねきってしまっていた。

だから、いつ着物を脱がされたのか憶えていない。
気がついた時には着物も袴も床に蟠っていて、肌襦袢が脚から滑り落ちていた。
抵抗する間もなく、ブラジャーを剥ぎ取られ、パンティは乱暴に破き取られてしまう。
もうあたしは、白い足袋を履いただけの裸にされている。
恥ずかしいと感じる余裕もなく、新次郎くんはあたしをベッドに押し倒していた。

「ああ……」

どうにもならない。
あたしは、情けないほどに官能に煽られ、快楽に身を溶け崩していた。
新次郎くんの顔がすぐにあたしの股間に入り込む。
咄嗟に頭を押したけど、びくともしない。
少しばかり身体を捩っても、ほとんど抵抗になっていなかった。
彼はあたしの太腿の付け根を両手でしっかりとベッドに押さえつけると、いきなり口を股間に押しつけ、硬く尖らせた舌先をねじ込んできた。

「ああっ……!」

その瞬間、あたしは電流が突き抜けたように身体をぶるっと大きく震わせた。
彼はあたしの恥ずかしい毛を舌と鼻先で掻き分けて、濡れて開いてしまっている割れ目を巧みに愛撫してくる。
もう熱く火照っている肉の襞を舌先で器用に掻き分けて、お腹の裏側あたりまで舌を伸ばして舐め、かき回していた。

「うんっ……くううっ!」

あたしは指を立て、新次郎くんの頭に爪を立てる。
あたしがどんどん感じてきていることを知って、彼は女の急所──クリトリスを舌先で探り当てると、そこを唇で挟み、強く吸った。

「うああっ……!」

絶叫に近い声であたしは喘ぐ。
もう、部屋の外に声が聞こえるとか、そういうことを気に留めることも出来なくなった。
声を出せと身体の奥から命じられてる。
そうしないと快楽が溜まりに溜まっておかしくなる、と、そう言っている。

「くあっ……いっ、あ、だめっ……そんな強く吸っちゃ……あはあっ……」

全身が痺れ切ってしまうような快感。
嫌悪感も恥辱感もあったはずなのに、そんなものはもうとっくにすりつぶされてしまっていた。
新次郎くんは口を離すと、指であたしのそこを押し開いた。
恥ずかしいところを直に見られ、あたしは羞恥でカァッと熱くなる。

「や、そんな見ないで!」
「もうすぐ見られなくなっちゃうんだ。もっとじっくり見せてください」
「やっ……いやよ、そんな……やあっ、見ないで、恥ずかしいっ……」

ああ、見てる。
顔がくっつきそうなくらい近づけて見てる。
新次郎くんの息があそこにかかる。
熱い。
新次郎くんも興奮してるんだ。

大事なところを観察されているあたしも身体の奥が熱くなり、興奮してきている。
特に子宮の辺りがズンと熱を持ち、その周辺からいやらしい蜜がじくじくと滲み出ているのがわかる。
死にたいくらい恥ずかしかった。

「すごいな……、すごいいやらしい眺めなのに、こんなに綺麗だなんて……」
「見ないでぇ……お願い、見ちゃいや……ああ……」

新次郎くんの指があそこをいじくり、吐息が肌に当たるだけで、あたしはビクッと反応し、身悶えていた。
指の動きに合わせて腰が蠢き、お尻がくりっ、くりっと敏感に跳ねている。
そして新次郎くんは、あたしのあそこに指を挿入してきた。
それも二本。

「あうっ……」

あたしは仰け反り、頭がベッドに食い込んだ。
あたしに入り込んだ二本の指は、ゆるやかに回転し、中をこねくっている。
指先が曲がり、内部の粘膜を擦り取っていた。
たまらずあたしは喘ぎ、火照った顔を左右に振っている。
上半身がくねくねとうねり出す。
感じるところを嬲られると、お尻の穴とあそこがきゅっと絞まり、お尻のお肉が強張る。

「ああっ……いっ……いい……くっ、そこっ……あうっ……」

あたしは大きく仰け反ったまま、自分でもゾッとするほど艶っぽい声を漏らした。
全身が息んでいて脚が攣りそうだ。
首の筋がくっきりと浮かび上がってるのがわかるほどに力が入っている。

ずぶっと深くまで入れられる。
あそこに何か硬いものが当たった。
ああ、これってきっと、指の付け根の関節だ。
指を根元まで入れられちゃったんだ。
でもあたしのあそこは、そんな深くまで入り込んだ彼の指を嬉しそうに咥え込んで、ねっとりと襞が絡みついている
。時折、きゅっとあそこが絞まって、新次郎くんの指をはっきりと感じ取っていた。

「ああっ……ああっ……いっ……くっ……ああっ」
「すごい締まりですね、ふふ。濡れ方もすごいや、どんどん溢れてきますよ」
「そっ、そんなこと言わないで……あうんっ……いあっ……」

何かがあそこからぴゅっと噴き出してる感じがする。
このまま責められたら、あたし、絶対だめになる。
あっさりいってしまいそう。

そう思った直後、新次郎くんはすっと指を引き抜いた。
あたしは「あっ」と声を上げて、慌てたように腰を浮かせて彼の指を追いかけてしまう。
そのあさましさに気づき、あたしは赤い顔を伏せて苦悶した。
それを見た新次郎くんがいやらしそうに笑う。
ああ、この子もこんな顔をするんだ……。

「何ですか、その腰は。もっとして欲しいんですか」
「……」
「そんな切なそうな顔しなくても、指なんかじゃなくて、これをちゃんと入れてあげますよ」

そう言って新次郎くんは誇らしげに自分の股間を示した。
軽く腰を振るだけで、いかにも硬そうなものがぶるん、ぶるんと揺れ動く。
それを掴んで軽くしごくようなこともした。
たちまちそれ──ペ、ペニスはまた一回り大きくなったみたいで、びくびくと痙攣している。
先っちょからは、精液じゃない透明な粘った液体がたらっと垂れ落ちた。

「……」

あたしは息を飲んでそれを見つめていた。
もう目を離すことが出来ない。
今までのあたしだったら、そんなもの見せられても嬉しくないし、恥ずかしいだけだった。
男の人の醜い部分が凝縮されて形になったような肉塊。

なのに今のあたしは、それに男の人のたくましさや力強さと感じてしまう。
見ているだけで、あそこがじゅんっと濡れてくる。
ああ、あたしは新次郎くんに欲情してきてる。
新次郎くんが、そんなあたしをからかうように言う。

「そんなにじっと見られたら恥ずかしいじゃないですか」
「あ……」

あたしは慌てて目を逸らしたけど、またすぐに顔がそっちを向いてしまう。
あれが……あれがあたしの中に入ってくる。
そう思うと、もう抵抗する気力が失せていった。

彼の手がぐいと両脚を拡げる。
股間を見られる恥ずかしさに思わず目を閉じる。
新次郎くんは、あたしの左足を抱えて、いきり立ったペニスをあそこにあてがうと、そのままずぶずぶと埋め込んだ。

「んああっ……」

あたしはぐっと顎を反らせて仰け反る。
ぶるぶると身体が震えた。
きつい。
大きい。
あそこがきつきつになって軋みそう。
でも、恥ずかしいくらい濡れているせいか、新次郎くんのものが中を押し広げるように入り込んでくる。

「は、入る……入って来ちゃうっ……は、はうっ……んんん……あう!」

きついまま中に押し込まれ、あたしのいちばん奥まで届いて子宮に当たった。
多分、根元まで全部飲み込まされたんだと思う。
新次郎くんの腰が、あたしの股間にくっついてくる。
新次郎くんはそのまましらばく動かなかったけど、あたしのあそこは彼のものに絡みつくようにねっとりと絞り上げている。

すごい、硬い。
本当にカチカチだ。
こんなもので思い切り抉られたらあたし、絶対におかしくなっちゃう。

「お、奥に……来てる、ああ……深いぃ……あ、あう……あっ、うあっ、やっ、激しいっ……」

突然に新次郎くんが激しく突き上げて来た。
大きく前後に腰を振っているだけでなく、上下もさせている。
そうされると、お腹の裏あたりにあるすごく感じるところに硬いのが当たって、あたしはそれだけでいきそうになる。
知らず知らずのうちに、あたしも腰を振っている。

「相変わらずよく締まりますよ、さくらさんのオマンコ。最高です」
「そっ、そんなこと言っちゃだめっ……うんっ……いいっ、ああ、いいっ……」
「素直になりましたね、そんなにいいですか。なら、もっと奥まで」
「くあっ、ふっ、深いっ……あうんっ、すごっ……奥に当たってすごいっ……いいっ」

より深くまで突かれたくて、あたしは自分からお尻を振って新次郎くんの動きに呼応する。
新次郎くんは抱えたあたしの脚を肩に乗せて、胸を潰すように押しつけてくる。
そのせいであたしと彼の股間はさらに密着して、ずっと奥まで入ってくるようになった。
ペニスの硬い先があたしの子宮を虐めるようにコツコツ叩いてくる。

「いいっ……新次郎くんのっ、ああっ、お腹、抉ってるっ……うんっ、うんっ……いあっ……くっ……き、気持ち良いっ」

大きく顔を仰け反らせ、過呼吸になったみたいにはあはあと喘いでしまい、恥ずかしい言葉を吐き続ける。
新次郎くんは、あたしの中をこねくるようにペニスで抉って、襞を引き摺り出すように抜いては、またずぶりと最奥まで突き刺してきた。
その勢いで、あたしの身体はベッドから浮き上がるほどだ。

「激しいっ……いやあっ、そんな……くっ、だめっ……あ、あ、い、いく……いってしまいますっ」
「なんだ、もういくんですか。しかしさくらさん、そんな大声でよがっていいんですか? おしとやかなさくらさんとは思えないな。いくら部屋の中でも外に声が漏れますよ」
「そんなこと言ってもっ……ああっ……い、いいっ……あ、あ、ああっ……だめ、我慢できないっ……ひっ……いっく……いくうっ!」

あたしは新次郎くんのものを思い切り締めつけながら達してしまった。
ぐぐっと背中をたわめてぶるるっと痙攣していたけど、すぐにガクッとベッドに身体を落とした。

性の絶頂に到達した鮮烈な感覚。
何もかもどうでもよくなってしまうような、抗い難い快感。
その直後に訪れる背徳感。
そのすべてが、あたしの心身を麻痺させている。

あたしがいった瞬間、新次郎くんも身体を堅くさせていたけど、中に出すのは堪えてくれた。
あたしが中はいやだと言い続けているから、それだけは遠慮してくれているんだと思う。
ホッとしたものの、新次郎くんはまたすぐにあたしを責め出した。

「やあっ、ああっ……だめ、すぐに、こんなのっ……あうっ、いいっ……はっ、はっ、はっ……や、休ませて、少し休ませ……ああっ!」

快楽の頂点に達した気怠い余韻に浸っている時間も与えられず、あたしはまた年下の子に責められて、官能の炎を炙られていく。
汗の浮いた裸身をうねらせ、新次郎くんの攻撃を腰でしっかりと受け止める。
身体は痺れ切り、心は大神さんに対する贖罪に打ち拉がれているのに、あたしの身体は貪欲なまでに新次郎くんを求めていた。
たくましいまでに力強く奥まで打ち込まれるたびに、あたしの子宮はズキンズキンと痺れ、快楽の飛沫を全身へ飛ばしている。

おかしい。
あたしのお腹の奥から血が逆流してしまう感じがする。
子宮だけでなく腰全体が痺れてくる。
あたしはいてもたってもいられず、恥ずかしいくらいのお尻を振った。

「あっ……はむっ……んむ……ちゅううっ」

また……、またキスされた。
否応なく舌を入れられ、口の中をかき回される。
それだけで頭が痺れた。
あたしは反射的に彼の舌に舌を絡ませ、自分から口を押しつける。
ふたりで貪るように口を吸い合い、唇の端から透明な唾液がつぅっと垂れ落ちた。

夢中で口を吸っていた新次郎くんが離れると、キスの間はゆっくり目になっていた腰の動きがまた激しくなる。
痛烈なほどの快感に、あたしは息が詰まったような喘ぎ声を放った。

「だめえっ……あ、あ、どうしよう……あたしまた……またいかされちゃう……やっ、もう……いいっ……」
「またですか。いいですよ、どんどんいって」
「やあっ、もうこんな……恥ずかしい……あっ、あっ、やあっ、強いっ、激しっ……い、いく……うああっ!!」

あたしは、ガックンガックンと二度ほどぎくしゃくと全身を痙攣させた。
さっきよりもさらに大きな波に飲み込まれ、新次郎くんの腕に爪を立てたままぶるぶると震えている。
そのまま一瞬動きが止まったものの、がっくりと力が抜け、彼の腕から手を離した。

「あ……はあ、はあ、はあ、はあ……ああ……」

鼓動が聞こえるほどに、どくんどくんと大きく高鳴っている。
それに合わせて、おっぱいが恥ずかしいくらいに波打っていた。
気が遠くなるほどに気持ち良かった。

あたしたちは、どちらからともなく顔を近づけ、ぴったりと唇を重ね合うと激しく吸い合った。
新次郎くんはあたしの胸をやさしく揉みしだき、あたしは彼の舌を強く何度も吸った。
すると、まだあたしの中に入ったままだった新次郎くんのものが、ググッと反り返るように蠢いた。

「あっ……」

あたしはその動きに酷い羞恥を感じ、彼の顔を見る。
そうか、この子、まだ出してないんだ。
男の人が射精してないっていうことは、女の子がいっていないっていうのと同じはず。
まだ新次郎くんは満足してないんだ。
あたしは些か戸惑って言った。

「え……、あ、あたし、もう疲れて……」
「いき疲れですか、ふふ、可愛いこと言うなあ。でも、まだですよ」
「あ、待って……ちょ、ああっ、だめ、死んじゃう、これ以上されたら死んじゃうっ」

新次郎くんは野獣のような息遣いで、あたしの中に入っているものをグッと奥まで捻り込んだ。
あたしは大きく喘ぎ、わなないた。

「ゆ、許して、ああっ……ほ、本当におかしくなるっ……いいっ」
「完全に男の味を覚えたみたいですね。ほら、これはどうです?」
「いあっ、いいっ……くううっ、あ、あそこが、あそこが溶けちゃいそうっ……」
「あそこ? ダメですね、はっきり言ってください、オマンコって」
「ああ……あ、あ……お、オマンコ……オマンコ、いい……気持ち良いっ」

恥辱的な言葉を言わされ、あたしはますます燃えていく。
もう収まりがつかなくなってしまった。
あさましくも彼に合わせて腰を振り、おっぱいを揉んで欲しいとばかりに、新次郎くんに胸を押しつける。
彼もそれに応えるように、突き上げられるとゆさゆさ揺れている乳房をぎゅっと鷲掴みにして、絞るように揉んできた。
乳輪の下からきゅっと乳首を絞り出し、指でこねくられて、あたしはそこでまた軽くいってしまう。

「ああっ……!」

ぶるぶると腰が震え、あそこ……オマンコがきゅっと締まって新次郎くんのペニスを思い切り絞り上げる。
新次郎くんは胸を揉みしだきながら首筋に唇を寄せ、キスしたり、舌で舐め上げている。
腋が弱いと知ると、恥ずかしがるあたしを無視して強引にそこを舐めたりもした。
彼の舌はまるで別の生き物みたいに這い回り、腋から胸、乳首、首筋までねっとりと舐め、耳たぶを甘噛みする。
耳の穴にふっと息を吹き入れられると、あたしはまたいってしまった。

「ああ……はああっ……もう、もうだめ……許して、もう保たないわ……」

息も絶え絶えになっているのに、あたしの身体は新次郎くんの責めに鋭く反応し、強制的に感じさせられる。
彼も興奮してきて、胸を愛撫していた手を離すと、あたしの両脚を抱え込んで一層に深くまで挿入する。
そして、自分でもいくつもりなのか、さらに激しく打ち込んできた。
あたしは恥ずかしいくらいの嬌声を放って、新次郎くんを両腕でしっかりと抱き留めていた。

「あううっ、いいっ……新次郎くんっ、いいっ……やあっ、こんな……こんなにいいなんて……くうっ……」

あたしの淫らな言葉に煽られるかのように、新次郎くんは唸り声を上げながら責めてくる。
深々と奥まで刺し込み子宮口を盛んに擦ってきた。
あたしも、新次郎くんのものが激しく抜き差しされているのが、見てもいないのにオマンコでわかってしまう。
あたしのそこを割り開きながらずぶずぶと奥まで入り込み、硬く張った部分であそこを引っかけながら抜いてくるんだ。
あたしは新次郎くんの激しさに翻弄されるかの如くお尻を振り、彼の背中に爪を立てる。そして、抱え込まれた両脚を、しっかりと新次郎くんの腰に巻き付けていく。

もう何度もいかされたというのに、また凄い官能の大波が襲ってきた。
何か得体の知れない、けれどたまらなく甘美で鮮烈なものが、あたしの奥深いところからぐうっと盛り上がってくるのだ。
今までにないほどの予感にあたしは脅え、全身をビクンビクンと跳ねさせながら激しく顔を振りたくった。
長い髪がばさばさと宙を舞い、視界が暗くなる。

「ああっ、いくっ……新次郎くんっ、あたし、またっ……」

また締め付けが強くなったみたいで、よりはっきりと新次郎くんのペニスが感じられる。
若くてたくましいもの。
熱くて、信じられないくらい硬い。
その太さはあたしのあそこが軋むほどだし、子宮にまで届いて押し上げるほどに長大なもの。
あたしを狂わせる淫らで、そして愛おしいもの。あたしが強く締めつけたからか、新次郎くんにも余裕がなくなってきたみたい。
腰や背中を震わせながら、必死の形相で腰を打ち込んでくる。

「さ、さくらさんっ、僕も、もうっ……」
「あ……で、出るの? 出ちゃうの?」

ああ、またあのすごいのが出てくる。
濃くて粘っこくで凄い匂いがする精液。
量もたっぷり。

でも、だめ。
そんなのを中に出すなんてだめ。
あたしは、ともすれば「中に出して欲しい」と言いそうになる淫靡な気持ちを必死に押さえ込んで言った。

「だ、出しちゃだめよ! 中は……ああ、中はっ……いいっ……あ、いきそ……あたしもいっちゃうっ……」
「な、なら一緒にいきましょう! 今度は、今度こそ中に出したいんです!」
「だ、だめ、絶対だめっ……ああっ、もうっ……いいっ……が、我慢できないぃっ、い、いきそうっ……」
「僕もいきそうだっ、中に……」
「うああっ……!」

新次郎くんは、あたしを屈服させようとして、どすんどすんと力一杯突き込んでくる。
今にもいきそうになってるんだろうに、懸命に堪えてあたしに気をやらせようとしてる。
中に出すのを認めさせようとしてる。

その猛烈な責めに、あたしは屈してしまいそうになる。
このままいきたい。中に出されたら、もっといいのかも知れない。
でも、そんなこと……。

「お願い、やめて、中だけは……」
「さくらさんだっていきたいんでしょう? いくんでしょう?」
「くっ……」

否定のしようがなく、あたしはガクガクと何度も頷いた。

「でも中は……ああ、ど、どこに出してもいいから……お尻に……お、おっぱいにかけてもいいですから……ああっ……か、顔! 顔でもいい、顔にかけて! あたしを……あたしを汚してぇっ……!」

もう何を言ってるのかわからない。
あたしは必死に新次郎くんにしがみつき、脚を彼に絡ませた。
そんなことをしたら、新次郎くんがいく前に抜けなくなってしまうのに。

あたしは嬌声を、新次郎くんは呻き声を上げながら激しく腰を揺さぶり合った。
新次郎くんのものがあたしの中でぐっと一回り大きくなる。

ああ、もう出るんだ……。

そのままガンガンと子宮を突かれ、あたしの意識が飛びかけた。

「だめえっ、いくうっ……」
「くっ、で、出るっ……さくらさんの中に出るっ!」
「いっ、いいわ、中にっ……中に出しても、いいっ……し、新次郎くんっ、あたし、いくっ……い、いくううっっ……!」
「くおっ!」

あたしたちは、ほとんど同時に絶頂した。
新次郎くんのものが子宮口に食い込んだ瞬間、彼は射精してきた。
あたしの中で新次郎くんのものが膨張し、その精液が粘膜深くまで……あたしの子宮の中にまで大量に流れ込んでくる。
注ぎ込まれる精液の熱さと濃さに目眩がする。

「出てる……ああ……新次郎くんのがいっぱい……し、子宮の中にまで……」

射精された瞬間に、あたしは連続絶頂していた。
そして、断続的にどくどくと射精されるたびに達していたようにも思う。
お腹がいっぱいになるくらいに夥しい精液が注ぎ込まれ、ふたりの結合部分から溢れ出ている。
それでも新次郎くんは、崩れかかっているあたしの腰を持ち上げて、最後の一滴まで注ぎ込もうとしていた。

とうとう中に射精されてしまった。
しかも、あんなにたくさん。
新次郎くんのが濃いのは、口で飲まされた時にいやというほど知らされている。
濃厚なものを大量に出されてしまい、あたしは妊娠の恐怖に脅えた。
なのにあたしの身体は、中に出されたことで満足してしまっていた。
もしあのままペニスを抜かれ、顔にかけられただけだったら、欲求不満になっていたかも知れない。

でも、これで大神さんを裏切ったのが確実になってしまった。
もしこれで本当に新次郎くんの子を妊娠してしまったら……。
大神さんと終わりになるだけじゃなく、ここからも出て行かなきゃならないのに。
あんなにいやだった中出しをされる被虐感、愛する人に対する罪悪感。
それらがあたしの理性を白く灼き、身体を狂わせ、淫らな女に変えてしまった。

「あう……」

ようやく射精を終えて、まだ硬い状態のペニスが抜かれると、あたしは芯を失ったように崩れ落ちた。
あそこから、多すぎる精液とあたしの蜜が合わさったものがとろとろと溢れ出てるのがわかった。
あたしと彼はしばらく呆けたようにベッドに沈んでいたけど、新次郎くんはまたあたしの身体に手を伸ばしてくる。

「……明日には帰らなきゃなりません。もっとしますよ」
「……」
「夕飯まであと二回。食べてお風呂に入ったら、朝まで寝かせませんからね」

その言葉を聞いて、あたしの背にゾクッと痺れが走った。彼の底知れぬ性欲を恐ろしいと思っただけでなく、暗く妖しい期待感があったのは否定できない。
あたしは虚ろな目で小さく返事をしていた。

「はい……」

あたしは完全に新次郎くんのものになったことを覚った。



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