その日の午後三時を過ぎた頃だった。
すみれは、家に突然訪れた歓迎せざる客に驚いた。
部屋に入ってきた英彦を見てすみれは思わず立ち上がり、呆然とする。
「あ、あなた……小倉子爵の……」
小倉英彦が、何の前触れもなく神崎邸を訪れたのである。
しかも彼は、本宅ではなくすみれたち夫婦が住んでいる別宅の方へやってきたのだ。
きちんとスーツを着込んで身なりは整えているから、一見して上流階級の子息だとわかる。
しかしその内面は、先日すみれが身を以て知ったとおりである。
「やあ」
英彦はにこやかに笑うと、堂々とすみれの前に立ちはだかった。
驚きのあまり口が利けないすみれを尻目に、英彦は室内を観察している。
「ふうん、ここがすみれさんの家なんですね。別宅か。ま、そりゃそうか、新婚さんだもんね」
「……」
「まだ昼間だけど、すみれさん、家に閉じこもってるの? 歌劇団を退団したのは知ってるけど不健康じゃない? まあ、有名人だからヘタに出歩いたら人だかりになっちゃうのかも知れないけど」
女優は辞めた今、すみれは実家の神崎財閥で重役の任に就いている。
まだ平取締役であり、多分に名誉職なところはあるが、その知名度を活かして財閥の広告塔的な役割も期待されていた。
執務室も持っているが非常勤であり、気まぐれな性格も手伝って、出社したりしなかったりという日を送っている。
況して先日の凌辱劇もあって心身共に疲労してしまい、家で静かに静養していたところである。
そこへ心をかき乱し、身体を疼かせる男がやってきたのだった。
すみれは目の前の英彦を睨むように見上げた。
年下ではあるが、英彦の方が背はやや高い。
「そんなことより、あなたがなぜここにいるんですの!? わたくしはあなたなんか呼んだ憶えはなくってよ!」
「こりゃ厳しい物言いだなあ。すみれさんが呼んでくれなきゃ来てはいけないわけ?」
「そういうことを言ってるんじゃありませんっ。誰の許可を得てここまでいらしているのか聞いてるんですわ!」
すみれの家は横浜にあり、広大な敷地を持った大邸宅だ。
本宅と呼ばれる、両親と祖父が住む屋敷はかなり大きいが、すみれたち夫婦が暮らしている「離れ」はこぢんまりしている。
とはいえ、それはあくまで本宅に比べればの話であり、一般的な感覚で言えば豪邸と言って差し支えない。
当然、召使いたちもいる。
なのに、なぜこの男は何事もないようにここまで来ているのだろう。
中にいるメイドや執事たちは何をしていたのだ。
すみれ宅へ行くには屋敷に通り抜けねばならず、そこでもチェックされるはずである。
不審人物が入ってくる余地はない。
確かに英彦は小倉子爵の息子であり、身元ははっきりしているものの、神崎家の人間が招いたわけではないのだ。
もし英彦が「すみれに会いたい」と言ってきたのであれば、すみれの元へその旨が伝えられるはずである。
こんな不意打ちのようなことがあるはずもないのだ。
すると英彦は、何事もないかのようにこう答えた。
「許可も何も、忠義さんに案内されてきたんだけど」
「……何ですって?」
「だから、すみれさんのお祖父さんですって。すみれさんのいるところだけ教えてくれればいいのに、わざわざこの屋敷まで連れてきてくれたよ」
すみれは呆気にとられた。
隠居したとはいえ、家ではまだ最高権力者である忠義が迎え入れ、連れ歩いたのであれば、宮田を始め召し使いたちは受け入れるしかあるまい。
意外な事実に驚愕していたすみれだったが、すぐに気づいた。
いくら小倉家の人間とはいえ、何の疑問も持たずにすみれの元へ案内するだろうか。
形の上では別世帯であるし、そもそもすみれはもう結婚しているのだ。
そこへ男友達が訪ねてきたのであれば不審に思うだろう。
すみれは「ある考え」に思い至って愕然とした。
神崎の家の中で、もっとも血筋にこだわり、すみれの相手に上流階級の男をあてがいたがっていたのは他ならぬ祖父の忠義だ。
つまり忠義は「事情」を知った上で、この男をすみれの元へ連れてきたのではないか。
今回の件はすべて、高貴な血統を望んだ忠義が仕組んだことなのではあるまいか。
「ま、まさか、そんな……」
「まさかって、本当だよ。『よく来てくれた』って歓迎してくれたけどな。まあ、早くしないと面倒なことになるかも知れないからさっさと済ませた方がいいって言われたけど」
「……」
やはりそうだ。
祖父は知っているのだ。
そう思えば、主治医を通じて山城を紹介させたのも忠義だった可能性もある。
あまりのことにすみれは激しく動揺したが、英彦の目を見てハッとした。
もう獣欲で目が燃え上がっている。
醜い欲望を隠そうともせず、けだものの目ですみれを見ていた。
すみれは慌てて襟の裾を掴み、肌を隠すように前を合わせた。
「何をしにしたの……?」
無駄とは思ったが、引き攣った声ですみれがそう聞いた。
男は「当然」とでも言いそうにこう言った。
「決まってる。あなたを……神崎すみれさんを抱くためさ」
「っ……!!」
やっぱりそうなのだ。
英彦はあの日、すみれの肉体を何度も蹂躙しただけでは飽きたらず──というより、それで味を占めてまた彼女を犯すべくやってきたのだ。
軽く悲鳴を上げて壁際に逃げたすみれの着物を掴むと、英彦はそのままベッドに放り投げた。
そして上着を脱ぎ捨て、早くも襲いかかってくる。
「やめて……!」
抵抗したものの、あっさりとベッドへ押し倒されてしまう。
いつもの胸元が大きく開いた着物だったせいもあるが、襟元に手を掛けられて一気に引き下ろされる。
帯があるから脱げはしないが、肘まで下がった着物は両腕の自由を奪ってしまっている。
すみれはバタバタを脚を暴れさせたものの、英彦は難なくすみれをひっくり返して俯せにして、帯の結び目を解いてしまう。
シュルシュルと衣擦れの音をさせながら帯を引き抜き、着物を剥ぎ取った。
内掛けも難なく脱がされたすみれは、この男は脱がし慣れていると実感し、絶望した。
たちまちブラジャーとパンティ、そして白い足袋だけの裸にされてしまったすみれは、必死に腕を伸ばして英彦を押しのけ、脚で蹴飛ばそうとする。
しかし英彦はこうした状況に慣れているのか、にやっと笑ったまますみれの両手を背中で縛り上げてしまう。
ロープまで持参していたらしい。
「あ、あなたという人はっ……そんなものまで用意して……あっ、痛い!」
「おっと失礼。あなたがそうやって暴れなければ縛ったりしないだけど……無理でしょ?」
「当たり前ですわ! 誰があなたの自由になるものですか! 誰か! 誰か来て!」
「無駄無駄。誰も来やしないよ。もっとも、叫びたいなら叫んでもいいよ。その方が臨場感があって面白いし」
すみれは大声で助けを求めたが、英彦の方は少しも慌てずすみれの肩を押し、再びベッドに倒してしまう。
すみれはちらちらとドアの方を見ながら何度も大きな声で叫び、助けを求めた。
でも誰も来てくれなかった。
この屋敷にも大勢の召使いたちはいるはずなのに、主であるすみれの悲鳴を聞いても誰も駆けつけてこない。
英彦の落ち着いた態度から察するに、これも忠義の差し金なのだろう。
若夫婦の部屋でどんなドタバタがあっても気にするな、とでも言い含めたのか。
あるいは、英彦が出てくるまでは、すみれの屋敷には誰も入るな、と指示したのかも知れなかった。
「あっ……」
英彦はすみれの肩に手を掛け、また仰向けに戻した。
大きく脚が開いてしまい、そこへ英彦が膝を潜り込ませた。
慌てて閉じようとしたものの、英彦は膝を器用に使って逆にこじ開けてくる。
すみれはキッと睨みつけたが、少年はすみれの肩をベッドへ押しつける。
背中の下で後ろ手に縛られた両手首が潰され、その痛みですみれがもがいた。
「痛い……! 何しますの、乱暴ね!」
「だからセックスするんですよ、すみれさんと。セックスを」
「な、何度も言わないで、はしたないっ」
「はしたないったって事実だもん。さ、しましょうよ」
「いや! いやって言ったでしょう!? もうあなたに抱かれるつもりは……あっ」
そう言いかけたすみれの細い顎が掴まれ、ぐっと持ち上げられる。
英彦はすみれに顔を近づけて、低い声を押し出すように言った。
「しぶといな。もう観念したら、すみれさん……って、この言い方も他人行儀だな。よし、今度からすみれって呼ぶからね」
「いやよ! やだっ、離れて……!」
「やれやれ、何でそんなに嫌がるかなあ。僕とのセックスは何度も経験済みでしょうに」
「そんなこと言わないで、穢らわしいっ!」
「穢らわしい? よく言うよ、僕以外にも大勢の男に抱かれたくせにさ。この……」
英彦は最後の言葉は濁したが、恐らく「この淫売」とか「この売女」とか言うつもりだったのだろう。
すみれの顔が屈辱と怒りで真っ赤になる。
腕が自由だったら平手で頬を張り飛ばしていたところだ。
「何てことを言うの!? それは事情があって……」
「事情だって? 子供がどうしても欲しかったから? それにしちゃすみれも愉しんでいたじゃないか。僕に抱かれてあんなに悩ましい声でよがっていたくせにさ」
「あ、あれは無理矢理あなたがっ……」
「無理矢理? じゃあすみれは無理に犯されても感じちゃうような女だってこと?」
「こ、この……」
どう反論しても淫らな言葉で言い返されてしまう。
それもこれも自分にも原因があったと思うと、すみれはそれ以上何も言えず、唇を噛んで英彦を睨んだ。
抱かれた時、感じてしまって何度も気をやったのは事実なのだ。
山城に「感じた方が男児を妊娠する可能性が高い」と言われていたのは確かだが、それがなかったとしても快感を得てしまっていたのではないか。
それを大義名分にして、すみれ自身も感応することを受け入れていたのかも知れない。
今さらながら、悔しくて涙が出てくる。
すみれを抱き、犯し、胎内に射精して絶頂させた後、達したすみれを見ながら嘲笑していた男たちを思い出すと屈辱で震えてくる。
同時に、こんな男に……しかも四つも年下の少年に蔑まれ、肉体を弄ばれようとしている自分の惨めさを思うと、背筋がぞわっと震えてくる。
それが恐怖からではなく興奮から来ていることを、すみれ自身感じ始めていた。
瑞々しい身体の奥底に潜んでいたどろりとしたマゾ性を刺激され、すみれの被虐体質は開花しつつあった。
「……」
すみれの視線は、露わになっている英彦の肉棒へ行ってしまう。
ハッとして目を逸らせても、またすぐにそっちを見やる。
すみれは息を飲み、喉をゴクリと鳴らす。
(すごい……何て大きいんですの? あんなものがわたくしの中に入ったなんて……あの人のと全然違う……太い血管が浮き出て……凄く硬そうでたくましい……それに、あ、あんなに反り返って……お腹にくっつきそうになってますわ……今、あんなの入れられたらわたくし……)
恥辱と屈辱、そして仄かな期待でない交ぜになったすみれを見下ろしながら、少年がペニスを媚肉へ押しつける。
亀頭の先に感じる熱く濡れた感触に英彦がにやりとする。
「なんだ、もう濡れてるじゃないか。そんなに僕が欲しかったのかな」
「ち、違いますわ、いやらしいっ……誰がそんなはしたない……!」
「そういうはしたないことされたりするとよけいに感じちゃうんだよね、すみれは」
見抜かれている。
すみれはカッと頬を真っ赤に染め、顔を背ける。
肉棒に擦られる股間がくちょくちょと淫らな音をさせている。
どんどんと性感が昂ぶってくるのを実感した。
すみれは、自分でも思いもしなかった言葉を英彦にぶつけた。
「何してるのよ……す……すればいいでしょっ」
「やっぱりして欲しいんじゃないか」
「違うと言ってるでしょっ……こんなこと、さっさと終わらせたいだけですわ! ほ、ほら早く済ませて! こ、これっきり……これが最後ですわ!」
あろうことか、すみれは自分から腰を持ち上げて英彦の男根を求めた。
無論、抱いて欲しかったからではなく、早く終わらせたかったからだ。
しかし、その裏に「火照る身体を鎮めて欲しい」という気持ちがまったくなかったとは言えなかった。
すみれは悔しそうに唇を噛み、それなら絶対に感応しないでやろうと意志を固める。
英彦は勝ち誇ったように言った。
「待ちきれないのかな。じゃあ……」
「ひっ……、あう!」
英彦はすみれの割れ目を指で開いて羞恥を煽らせてから、そこにペニスを押しつけ、ゆっくりと差し込んでいく。
「んっ……はああっ……は、入る……入ってきますわ……んんっ、ふ、太いのが……ああ……」
感じまいとするすみれの決意は、若い男根の威力で脆くも崩れ去った。
噛んでいた唇が開き、押さえきれない喘ぎ声が噴き上がった。
愛液ですっかり濡れ、熱くとろけていた膣は、英彦のペニスをあっさりと受け入れ、難なく飲み込んでいく。
もうすみれのそこは英彦のものに慣れきっていたのか、挿入感を即座に快楽へと結びつけてしまう。
太いサオが膣内を抉りながら入っていく間中、すみれはぶるぶると腰を震わせながら呻いていた。
英彦も自分のものがすみれに馴染んでいるのを感じているのか、嬉しそうに言った。
「ああ……、やっぱり良い感じだよ、すみれのここは。なんかさ、もう僕専用って感じだよね」
「なっ……何を言うの、この子はっ……わたくしには夫が、あっ、う、動かないで!」
「いやだよ。それにさ、すみれは違うって言うけど、ほらこんな感じでさ、なんかすみれのマンコに僕のチンポがぴったりって気がするよ。ミチミチで隙間ないし、もうそんな苦しくないでしょ?」
「……」
確かに、あの大きいのを埋め込まれたにしては以前のような圧迫感はない。
圧倒的なまでの充実感はあるが、苦しいという感じはなかった。
すみれは、自分の入り口や膣道が英彦の肉棒のサイズに合わされているきていることを感じ、絶望的な思いに囚われた。
一郎のために大切にとっておいた大切な身体。
すみれの肉体を見たり触れたりするのは、地上で唯一、大神一郎にだけ許された特権だったはずだ。
なのに今は、その肉体を若い男によって造り替えられている気がした。
すみれの口からは、英彦を罵る言葉の代わりに熱い吐息が漏れる。
「はああっ……くっ、いや……な、なんで……ああ……なんでこんな……あ……」
たった一突きであの快楽を思い起こしてしまう。
脆くも崩れそうになる自分の身体を叱咤しようと、すみれは全身を息ませ、歯を食いしばった。
それを打ち砕こうとするかのように、英彦は容赦なく突き上げてくる。
ずぶりと奥まで突き通され、すみれは「ああっ」と喘いで仰け反った。
「うあっ……! だ、だめ、動いたら……はあっ……いっ……やあっ……」
「やだってことはないでしょ? ほら、あの時みたいに愉しみましょうよ」
「い、いや……ここではいやよ……」
「ふん、この期に及んでまだ旦那のことを気にしてるんだ。そうか、いっつも旦那に抱かれてるこのベッドで僕に犯されてるんだもんね」
「そっ、そういうこと、言わないで……ああっ」
「そう? 僕とセックスしてる時くらい、旦那のことは忘れたい、と」
「違いますわっ、わたくし、そんなこと一言も言って……はあうっ!」
英彦がグイッと突き上げるとすみれの言葉が途切れ、呻き混じりの喘ぎが噴き上がってくる。
顔を顰め、懸命に快楽を抗おうとしているものの、無駄な抵抗だ。
必死になって一郎のことを思い出そうとしているのだろうが、英彦の深い一撃を食らうと甘い喘ぎが堪えきれずに唇から洩れた。
「あ……はあっ……あ、あう……んっ……いっ……ふ、深い……あうっ」
「どうよ、旦那はここまで突いてくれないだろ?」
その通りだった。
英彦は、それまで一郎が入って来られなかったところまで平気で入ってくる。
秘密の領域を蹂躙し、すみれを戸惑わせる。
時折、キリキリと膣が締まるのは、夫のことを思い出しているからかも知れない。
「やっ……いやよ……ああ……うんっ……んんっ……くっ……はっ……」
それまで抵抗するのように暴れていたすみれの脚から力が抜けていく。
今では英彦のピストンに合わせて力なくぶらぶらと揺れ動くだけとなっていた。
膣奥を突かれる快感に仰け反り、胸を反らせると、ぐっと張り詰めた乳房を英彦が乱暴に揉みしだいてくる。
これも一郎とはまるで違った。
夫は常に優しく、いたわるように揉んでくれた。
「愛撫」という言葉にふさわしい行為だった。
ところがこの男は、すみれの胸をモノのように乱暴に扱い、根元から強く絞り上げるように揉んだ。
乳首への愛撫も同じで、指で転がすこともあったが、大抵は歯で噛んだり指で引っ張ったりしてすみれに悲鳴を上げさせている。
おぞましいことに、すみれはそうした性急で強引な愛撫を快楽として捉えてきてしまっていた。
胸を揉みくちゃにされる感覚に反応し、すみれの媚肉が強く締まる。そ
れに気づいた英彦は慌ててペニスを引き抜いた。
「あっ……!」
慌てたのはすみれも同じだった。
いきなり膣と子宮への刺激が止み、驚いたように腰を持ち上げて英彦のものを追いかける。
その柔らかいお腹を男の手が押し返した。
「なんだい、この腰の動きは。やっぱり僕が欲しいのかな?」
「……」
そうではない。一度いきたかったのだ。
いや、英彦をいかせてさっさとおしまいにしたかったのである。
だがそうはならず、若妻を犯す若い男はにやにやといやらしく笑いながら、すみれに見せつけるように男根を揺すった。
「いきたい、いかせてって言いなよ」
「誰がそんな……いい気にならないで!」
「ほう、こりゃ驚いた。まだそんな気位が残ってるんだ。じゃあ……」
「あ、何を……あっ、そこぉっ!」
すみれの裸身がビクンと跳ねた。英彦の指が──それも二本まとめて肛門に侵入したのだ。
「や、やめて、そこはやめてっ……ひぃ!」
もつれる口で必死にそう言ったのだが、クリトリスまでいびられ、首筋をぐうっと伸ばして仰け反ってしまう。
目を堅く閉じ、顔を激しく振りたくって嫌がるのだが、すみれの意識はイヤでも股間にいってしまう。
肉芽は英彦の唇に捉えられ、舌で激しく擦られている。
アナルにも二本指が入ったまま、ぐりぐりと穴を拡げるように蠢いていた。
前後の穴へ同時に強烈な刺激を与えられ、すみれの官能は一気に高まる。
信じられないほど鮮烈な快感だった。
「どうだい、すみれ。お尻とマンコを同時に責められるって、こんな感じなんだよ」
「あはあっ! い、いや、くうんっ……いっ……やはあっ!」
英彦の言葉に反応する余裕もなく、あっという間に絶頂間際まで追い込まれてしまう。
「いやああっ、いっ……いくううっ……!」
「うわ……!」
すみれのしなやかな肢体が大きく跳ね、お尻を持ち上げてお腹を突き出す格好になる。
脚の踵と後頭部で身体を支えるような弓なりになった。
そのままびくびくっと大きく二度ほど痙攣すると、ふくよかな臀部がどさりとベッドに落下した。
腿の筋肉や腹筋などは、まだびくびくと痙攣し続けている。
「凄いな、すみれ。びっくりしたよ」
跳ねるすみれの身体に腕を持って行かれそうになり、英彦は苦笑して指をそこから抜いた。
「凄いいきっぷりだったね。そんなに良かったかい?」
「ああ……」
返事も出来ず、すみれはぐったりしている。
男根ではなく指でいかされた。
しかも、お尻との穴と膣の両方を嬲られ、恥ずかしいほどに達してしまった。
その羞恥で消え入りそうになっているすみれの腿を再び抱え込んだ英彦は、濡れてまだびくびくしている膣へいきなりペニスを突っ込む。
「ふあっ……!」
すみれがまたガクンと仰け反る。
いきなりの挿入だったものの、これだけ濡れそぼって柔らかくなっていたせいか、英彦の巨根をあっさりと呑み込んだ。
「いやあっ……」
すみれは大きく頭を振り、唇を震わせながらそう叫んだ。
しかし性器の反応は恐ろしいほどで、英彦のものを易々と受け入れただけでなく、執拗なまでに食い締めてくる。
若いに似ず、家の権威と財力にものを言わせて幾多の女を泣かせてきた英彦も、その反応に衝撃を受けていた。
処女のようなきつさだが、狭くてきついだけではない。
内部はしっとりと柔らかく、男根を包み込んでくる。
英彦のペニスと充分に渡り合える柔軟性を持ち合わせているのだ。
さらに、淫らな言葉をかけたり夫のことを言ったりすると面白いまでに反応した。
「へへっ、本当にいいマンコだ。すみれを毎晩抱いてた旦那が羨ましいよ」
「やっ、やだっ……言わないで、ああっ……」
「おっ、また締まってきた。すみれは本当に淫らなんだね、旦那のことを言うたびにきゅうきゅう締めつけてくる。夫がいながら僕に犯されてるってのが、そんなに気持ち良いのかい?」
「ちっ、違う……くっ……わたくしは……ああ……やあっ……ま、またっ……」
すみれは英彦に言葉で嬲られ、子宮口を突かれるたびに身体を跳ねさせ、腰をうねっている。
英彦の亀頭は、膣の奥から熱い蜜がじくじくと滲んできているのを感じ取っていた。
もうどうにもならず、体温と快楽を逃がすかのように口を開けて喘ぎ続けている。
英彦は口元に笑みを浮かべながら、さらに深く抉っていく。
すみれの両脚を持ち上げて自分の両肩にそれぞれ乗せて上からのしかかった。
反動ですみれの尻が浮き、英彦の腰が密着してくる。
亀頭は子宮口を押し上げ、ペニスは膣内でしなるように曲がった。
律動はせずに腰を回転させ、そのまま子宮口をグリグリと擦ってやる。
すみれは驚いたように目を剥き、はっきりとした嬌声を放ってよがり出した。
「いっ、いやあああっ、それ、だめえっ……ひっ、ひっ、いいっ……くああっ、奥がすごっ……やっ、ま、またいっちゃいますわっ……」
今一押し、というところで英彦はまたもペニスを抜き去ってしまった。
さすがに今度ばかりはすみれも泣き顔を晒して続きをねだった。
「なっ、なんでぇっ!? いきそうになってますのに、どうして!?」
「なんだ、やっぱりいきたがってるんじゃないか」
「それは……」
「言いなよ、いかせてくださいってね。英彦さま、すみれをいかせてくださいませって」
「……」
すみれは弱々しく顔を振った。
さすがにそんなことは言えない。
言ってしまったら最後だと思う。
本当の意味で一郎を裏切ることになる。
犬畜生にも劣ると思った。
すみれが最後のプライドと意地で従属を拒否すると、英彦の表情が冷たくなった。
「……まだ言えないのかい」
「……」
「そんなに亭主が大切……」
「当たり前ですわ。わたくしは……わたくしはあの人を愛しています」
言葉を遮るようにすみれはそう言った。
英彦はその顔を無表情で見つめると、小さく頷いた。
「よし、わかったよ。やっぱりすみれは徹底的に責めないとダメみたいだね。そこまで堕とすのはどうかと思ったけど仕方ない」
「え……、あ、またそれっ……んぐうっ!」
膣への挿入感に、すみれの背がまた反り返る。
入ってきたのはペニスではなく、また指だった。
絶頂できなかった肉体がその熱を冷ましかけていたのに、そこをまた刺激されていく。
敏感になりすぎている膣襞を指の腹で思い切り擦られた。
英彦は人差し指と中指を揃え、手のひらを上向きにして激しく抜き差ししている。
途端に激烈な快感がすみれの背筋を走り抜け、腰が力み返って尻が持ち上がり、ぶるぶると震えていた。
すみれは涙すら流しながら哀願する。
「や、やめて、それはもうやめてぇっ……!」
年下の男に、手でいかされる。
男根で貫かれ、気をやらされるよりも、さらに大きな屈辱感があった。
英彦もそれを狙っているのか、ペニスではなく指で執拗に責め、すみれを羞恥にまみれさせていった。
英彦は腕を素早く動かし、勢いよくすみれの媚肉を犯していく。
腕を捻るように回転させて捻り込み、逆回転させて引き抜いた。
指の節がゴリゴリと膣口や襞を抉り、すみれの甲高い悲鳴が上がる。
「んああっ、いやあっ……だめ、だめっ……ひっ……ああっ、いいっ……」
英彦はまた手のひらを上向かせ、二本の指の腹で膣の腹側を何度も擦り上げた。
Gスポット狙いのようだ。
指で少しざらついた箇所を見つけると、英彦はそこを集中的に擦り、責め上げた。
少年の手が激しく出入りする媚肉は、指が思い切り突き刺されるたびにぶちゅっと水しぶきを上げている。
中をかき回され、すみれの官能は最高潮まで高まってきた。
背中がぐぐっとたわまり、くぐもった声が洩れる。
かと思うと身体がぐうっと伸び上がり、浮いた臀部が細かく痙攣した。
懸命に耐えているのだが、もはや限界だった。
性の快楽は、すみれの内部へとんどんと溜まっていき、その容量を超えそうだ。
激しく打ち込まれる指の動きに翻弄され、すみれはただ喘ぎ、よがり声を上げるだけになっている。
「あっ、ああっ……あはあっ、いいっ……は、激しいっ……だめ、もういくっ……いやあっ……」
「いっていいよ。ほら、いきなよ」
「い、いくっ……いきたくないのにっ……いあっ、いいっ……い、いく!」
ベッドに両脚を突いて踏ん張り、ぐうっと腰を持ち上げたまま、すみれは絶頂した。
その瞬間、すみれの股間から勢いよく水しぶきが噴き出した。
「ああっ……ああっ、いくっ……い、いってる……いってるわ……ああっ」
すみれの張り詰めた腹筋がびくびくと痙攣する。
乳房は痙攣に合わせて、ゆさっ、ゆさっと柔らかそうに揺れていた。
すみれは何度もぐっ、ぐっと仰け反り、そのたびに膣口から体液を飛び散らせている。
やがてガックリと脱力し、尻がどすんとベッドに落下した。
英彦は休ませる気は毛頭ないらしく、すみれがまだ立ち直っていないというのに、またしても貫いてきた。
今度はペニスである。
いかされたばかりの膣を太いもので擦られ、すみれはまた目を剥いて喘いだ。
「んんっ……はああっ……!」
「ほら、お待ちかねのチンポだよ。気持ち良い?」
「い、いや……ああ……んんんっ……」
そしてすみれが気をやる寸前でまた腰を引き、肉棒を指に代行させて絶頂させる。
それからまたペニスで貫き、いく前にやめて指で仕上げる。
そんなことを何度も繰り返した。
すみれは強制的に何度もいかされたが、肝心のペニスで気をやらせてもらっていない。
そのせいか、くたくたになるまでいかされたというのに、彼女の肉欲はまだ収まっていなかった。
また愛液をしぶかせながら指で気をやらされたすみれは、力なく英彦に言った。
「や……もういや……もうたくさんよ……」
「そうかい? でもまだチンポでいってないじゃない」
「あ……、で、でも、もうわたくし……」
「いかせてあげようか、これで」
「……」
英彦は自分のペニスを手で持ち、自慢するかのようにぶらぶら揺らしてすみれに見せつけている。
もうすみれは、そこから目を逸らすことが出来なくなっていた。
「欲しいだろ?」
「……」
「これで仕上げてあげるよ。すみれも、こいつで犯されてさ、中にたっぷり出してもらいたいだろ? そうすれば思いっ切り気をやれて満足できるよ」
もうすみれに選択の余地はなかった。
倫理だの道徳だのがなかったわけではない。
一郎に対する後ろめたさも充分にあった。
だが、今のすみれにはそうされること──英彦に犯され、失神するほどの絶頂を味わうことしか考えられなくなっていた。
追い込むように英彦が言う。
「言えるよね?」
幾分か躊躇してから、すみれは口を開いた。
「……して……」
「はっきりと」
「だ、抱いてください……ああ……あ、あなたの、その……たくましいので思い切り、して……」
英彦はいやらしそうに笑うと、すみれの耳元に口を近づけて何事か告げた。
すみれは驚愕の表情を浮かべ「そんな……」と戸惑っていたが、英彦に強要され、やむなく口を開いた。
「……夫のいる身であるすみれを……お、犯してください……夫では……ああ……夫では満足できなかった、このいやらしい身体を犯して……失神するまで何度も、して……な……中に……中にいっぱい射精して……ああ……」
「ま、そんなもんか」
口ではそう言いながらも、英彦は満足そうな表情を浮かべた。
もはや抵抗の兆しもなく、英彦はすみれの腕を縛っていたロープを解いた。
白い肌が縄目で赤くなっている。
それを見ながら、腕だけじゃなくもっと本格的に緊縛してみたいなと英彦は思った。
手足を縛り上げ、乳房を搾るように縄でギシギシと締め上げたい。
両手両脚をひとまとめにして宙づりにしてやるのも面白いと思った。
そのうち縄の味も覚えさせ、緊縛される快楽も叩き込んでやりたかった。
腕を自由にしても、すみれは何もしてこなかった。
横たわり、そっぽを向いた顔にはまだ羞恥の色が残っていたが、身体の疼きはどうにもならないらしく、腿をすり合わせたり臀部をもぞつかせたりしている。
「いくよ」
「あ……」
英彦は自分のものの大きさとたくましさを実感させるかのように、ゆっくりとすみれの中へ沈めていった。
さっきも入っていたはずなのに、そのきつさとはち切れんばかりの弾力は目が眩む思いがする。
「んっ、んうっ……入る……くっ、くる……入ってきちゃ……ああっ!」
ずぶりと奥まで刺し通されたすみれは、全身を突っ張らせて仰け反った。
媚肉の方は「待ちかねた」と言わんばかりに絡みついてくる。
充分すぎるほどの愛液がねっとりとペニスに絡み、その大きなものが抜き差しされるのをサポートしていた。
「はっ、はあっ……くっ……うんっ……深……いっ……あう!」
英彦のものが根元まで埋め込まれて亀頭で子宮口が擦られる。
すみれは喘がせると、今度は引き抜かれ、また深々と押し込まれていった。
「はああっ、いいっ……んっ……いいわ……ああ……」
すみれはもう恥辱すら感じていないのか、素直に快感を口にしている。
短い呼吸で喘ぎつつ、とろけそうな艶っぽい声でよがり出す。
それを耳にした英彦のペニスは、さらにぐぐっと硬くそそり立っていく。
いかにも硬そうな肉棒が引き抜かれてカリ首が膣口に引っかかる。
それを確認すると、少年はまた腰に力を入れて、確実にすみれの子宮にまで届かせていった。
「ああっ、そんな深くまで……だめですわ、ああ……ふあっ……い、いい……あああ……」
濃い愛液がペニスにまぶされ、抜き差しされるたびにぐじゅっ、ぶじゅっと粘った水音が響いている。
背徳感と快楽がせめぎ合い、苦悶していたすみれの美貌に赤みが差してきた。
英彦のセックスは、確実にすみれを取り込んでいた。
英彦はすみれの乳房を揉みしだきつつ、白い首筋に舌を這わせる。
そこを強く吸われ、思わずすみれが悲鳴を上げた。
「いあっ……! あ、だめです、そこは……」
「なんで?」
「あ、跡が……跡が残ってしまいますわ……夫に見つかったら、何て言えば……」
すみれはそう言って戸惑っていたが、英彦を締めつける膣の圧力は高まる一方だった。
犯されながら一郎のことを言われると、どうしようもなく興奮してしまい、抑えきれなくなる。
「き、気持ち良い……ああ、だめよ……んんっ……」
「僕も気持ち良いよ、すみれ。ほら、これはどう?」
「あっ、いいっ……!」
腰を巧みに動かして中をかき回し、ペニスを捻るように回転させると、すみれは軽く悲鳴を上げた。
胎内粘膜と肉棒が互いに擦れ合い、もつれ合い、内部が熱を持っていく。
英彦が腰を引きかけると、すみれの膣は慌てたように絡みつき、引き留めるかのように収縮した。
もうこの女は堕ちかけている。
英彦はそう確信すると、爛れた膣内を抉るように激しく突き上げ、喜悦の声を絞り出させた。
「ひっ、激しっ……そ、そんな強くしちゃ……ああっ!」
「でも、これが好きなんだろ? 旦那にされないくらい激しいのがさ」
「だめっ、いいっ……くっ……いやあっ」
「色っぽい声で喘ぐなあ、すみれは。ふふ、人妻の色気かな」
社交界の憧れだった神崎すみれをここまで堕としたことに満足し、英彦は欲望のままに突き上げていく。
すみれの脚を大きく開かせ、腰をくっつけるかのようにして出来るだけ深くまで貫いた。
突き上げ、抉り込むたびにすみれの中でどんどんと快楽が膨れあがり、名状し難いような愉悦がこみ上げてくる。
さらに奥深く引きずり込まれ、そして高みへと引き上げられていく。
「だ、だめっ、その激しいのだめだったらっ……ひっ、ひっ……くううっ!」
すみれの背がぐうっとたわまり、全身がわななく。
ガクンと脱力したかと思うと、思い出したようにビクンっと小さく跳ねる。
尻や腿をもぞつかせ、またぶるるっと痙攣した。
どうやら気をやったらしい。
媚肉は咥え込んだものを食い千切らんばかりに締めつけ、男を責め立てる。
英彦は思わず射精しそうになり、呻き声を上げて何とかそれに耐えた。
そして再び、容赦なく突き上げ、責めていく。
いかされたばかりのすみれは、鋭敏になり過ぎている膣内を硬いもので擦られ、目を剥いて喘いだ。
「やっ、やはあっ! ま、待って! ちょっと休ませ、ああっ……!」
「だめだめ、僕はまだ出してないし」
英彦はそう言いながらすみれの子宮を突き上げていたが、すみれがまた高まり「また、いきそうっ」と叫んだところで腰の動きを緩めた。
すみれは思わず「あっ」と小さく叫んで、英彦に腰を押しつけてくる。
綺麗な顔に「もう少しだったのに」と切なそうな表情を浮かべていた。
英彦は腰を小さく動かしながら、すみれの顎を掴んで自分に向かせる。
「な、なんで急に……」
「何で? 最後までして欲しかった?」
「……」
すみれは一瞬悔しそうな顔をしたものの、すぐに切なそうな表情に取って代わる。
もぞもぞと腿をすり合わせ、自然に腰が持ち上がって英彦とくっつこうとしている。
すみれの胸を揉み上げながら英彦が言った。
「ねえ、すみれ。僕たち、これでおしまいにするの?」
「当たり前ですわ、ああ……こ、こんな爛れた関係は……」
すみれの言葉が終わらぬうちに、少年がたたみ掛けてくる。
「そんなこと言わずにさ、つき合おうよ。ね?」
「つ、つき合うって、あなた……、わたくし、結婚してるんですのよ!?」
「知ってるさ、そんなこと。だから、旦那と別れろとは言わないよ。旦那がいることは置いといてさ、割り切ってつき合うんだよ」
「そんなこと……できっこないわ……」
すみれは顔を伏せた。
そんなふしだらなことは論外だ。
なのに、なぜかすみれは強く拒絶することが出来ないでいた。
その脆さにつけ込むように英彦が言う。
「いいじゃない、ね? そうだな……週に一度くらい会おうよ」
「そんなに……だめですわ、そんな……」
「ホントは週に三日くらい……いいや、毎日だってすみれを抱きたいんだよ。でも妥協して週一。いいだろ?」
すみれは改めて英彦を見つめ、息を飲んだ。
「……ほ、本当にそれで……済みますの……? それに、あなた、これからもずっと……
」
「いや、僕だっていつまでもつきまとう気はないよ。それじゃすみれだって困るだろうし、僕も将来のある身なんだからさ、結婚するまでの間だけさ」
「……」
英彦はそう言いつつも、心の中でペロリと舌を出した。
こんなものは口約束である。
我慢できなくなれば、いつでもすみれを呼び出して(あるいは英彦から押しかけて)犯すつもりだ。
そのうち、すみれの身体に飽きれば捨てればいい。
「ね?」
「……わ、わかりましたわ……」
あろうことか、すみれは弱々しい声で少年の要求に応じてしまった。
自分でも信じられない思いだ。
それを聞くなり、英彦は嬉しそうに指を鳴らした。
「そう来なくちゃ。ふふ、すみれも僕に抱かれるのが良くなってきたみたいだもんね」
「ちっ、違います! イヤなのよ、本当にイヤなんですからっ……でも……でも、そうしないと、あなたはいつでも……毎日……わたくしを……」
「そうさ。それくらい僕はすみれに惚れてるんだよ。愛してるんだ」
「……」
すみれには英彦がわからなかった。
この子は本当に私を好きなのだろうか。
だからこんなに私の身体に執着しているのだろうか。
思いも寄らない英彦の言葉にすみれは大きく動揺し、心をかき乱されている。
以前のすみれであれば、例え愛を告白されようと一笑に付して相手にしなかったはずだ。
なのに今は、年下の少年の愛の言葉に戸惑いを隠せないでいる。
英彦は、抵抗の弱まったすみれに対し、また激しく攻撃を再開する。
「んううっ、そんないきなりっ……強すぎますわっ、ひっ……ああ、いいっ……」
再び奥に強烈な快感を与えられ、すみれは仰け反ってよがり声を放った。
唐突に再開された激しい抜き差しに、すみれの裸身が大きく跳ね、腰骨が砕けそうになる。
恥ずかしい声を堪えようと口を噛みしめても耐えきれず、口を大きく開けて酸素を求め、そして嬌声を吐き出した。
ドアや壁越しにも、すみれの獣のような喘ぎが聞こえているだろうに、心配して部屋に駆けつける召使いたちはいなかった。
「んっ……ああっ、いいっ……」
「いいだろ? 何しろ僕はすみれを愛してるからね。すみれも僕を愛してるよね?」
「あ、愛してなんかないわっ! 誰が、ああっ……誰があなたみたいな男……くうっ、いいっ……ただ……あっ……ただセックスが、あっ……き、気持ち良いだけよっ……あなたなんか……あなたなんかセックスが良いだけよ……あああ……」
「おやおや、まだ生意気だなあ。へへ、そんなところが年上に見えなくて可愛いところだよ、すみれ。でも、僕とセックスするのが気持ち良いのは認めたわけだね?」
反発しようとした言葉は、簡単によがり声に変化した。
口答えさせぬとばかりに、英彦が荒々しく責めてきたのだ。
腰をしゃくり上げるようにしてGスポットを刺激しつつ、根元まで埋め込んで子宮口を虐める。
男どもによって開発されたすみれの肉体は、もうどうしようもないほどに敏感になっていた。
「んっ、んはっ、いいっ……くっ、奥っ……奥、来てますわっ……いいっ……はああっ、い、いや、またいきそうっ……!」
「ふふっ、本当に気持ち良さそうだね。どう、いきたいだろ?」
「くっ……」
すみれは何度もガクガクと頷いた。
「い、いきたいっ……い、いかせて……ああっ、何度も……何度でもいかせてぇっ……か、数え切れないほど……ああっ!」
「そう焦らなくていいよ。たっぷり愉しもうよ、ね?」
「だ、だめよ、そんなっ……あの人が……あの人が帰ってきちゃう……は、早く済ませて、お願いっ……い、いいっ……」
後頭部をベッドに押しつけ、仰け反って後頭部を上半身を支えながら、すみれは恥ずかしい言葉を吐き続けた。
あまりの快感に手がシーツを強く掴み、それでも紛らわせることが出来ず、英彦の腕に爪を立てている。
いつの間にか脚も英彦の腰に絡みついていた。
「おっ、お腹っ……お腹の奥、抉られて……あううっ、いいわっ……た、たまんないっ……」
これまでにないほどに快楽に狂うすみれを目の当たりにし、英彦の責めにも力が入る。
すみれの裸身は浮き上がるほどに激しく打ち込み、開きかけている子宮の入り口をこじ開けるかのように亀頭で突き上げていく。
その深さにすみれは目を剥き、皮膚が破れて血が出るほどに英彦の腕を掴んで激しく喘いだ。
「そんな、深いっ……奥に来てるぅっ……あああ、だめっ、いくっ……またいきますわっ……ひぃっ!」
すみれが大きく跳ね上がり、媚肉は英彦のものを引き絞るように収縮し、締め上げた。
すみれが達した瞬間の甘美な痛みで英彦もいきそうになったが、もう一度だけと思ってこれを堪えた。
そして、すみれの快楽に負けまいと歯を食いしばり、すみれの腰を持ち上げてその上から叩き込むように腰を送り込んだ。
いったのに許してもらえない。
いったばかりのところを連続的に責められる。
その快楽とも苦痛ともつかぬ性の喜悦に、すみれは全身をわななかせて連続絶頂に向かって行く。
英彦の方も、さすがにもう我慢できそうにない。
さっきからすみれの膣が抗議するかのようにサオ全体を締めつけてくるし、子宮口が開きかけ、そこに亀頭が何度もはめ込まれていた。
子宮口に亀頭の先を絞られる快楽には堪えようもない。
「き、気持ち良いんだなっ?」
「いっ、いいっ……気持ち良い……ああっ、も、もっと……あはあっ!」
「いきたいかっ!?」
「いきたいっ……はっ、早くぅっ……早くして、もう我慢出来ないっ……あ、またよ、またいきそうなのっ」
「じゃ、さっきの話だけど、僕のものになるんだね? すみれは僕の女だ。そうだね?」
「くっ……いいっ……ああっ、な、なるわよっ……あなたの女になるっ……ああっ……あ、あなたが……あなたが、ああっ、け、結婚するまでっ……あ、あなたの女になるっ……い、いく……いくううっ!」
「あれ、またいっちゃった。でも、まだ許さないよ」
「やだ……もう、いやあっ……か、感じ過ぎて変になりそうですわ……許してぇっ……」
「許して欲しければ言うんだ。中に出してって。妊娠させてってね」
「やっ、そんな……」
「出していいね?」
「っ……!」
すみれは顔を背けながらも、はっきりと何度も頷いて見せた。
「なら言って。中に出して、奥に出してってね」
「あっ……んくっ……だ、出して……中に……ああっ、奥に出して! い、いっぱい出して! くあっ、にっ、妊娠……妊娠させてくださいぃっ……!」
「ようし」
英彦は大きく頷くと、浮き上がろうとするすみれの腰を押さえつけて激しく責め立てた。
あまりに勢いよく打ち込むものだから、すみれの尻がベッドで弾んで何度も跳ねる。
「あああっ!? やああっ、いくうっ……い、いくっ……いきますっ!!」
すみれはしなやかな裸身を反り返らせ、上に乗った英彦を持ち上げるほどに仰け反った。
その激しいいきっぷりは、上から英彦が押さえ込んでいないとベッドから転げ落ちそうなくらいだった。
何度か大きく身を弾ませ、ようやく絶頂感を逃がしてやったものの、背筋を痙攣させ、腰もビクビクと震わせて絶頂感を味わっている。
当然その瞬間、すみれのそこは強烈に収縮し、暴発寸前だった英彦のペニスはひとたまりもなく射精した。
びゅるるっと第一撃を子宮口に喰らうと、すみれはぐうっと背中を反らせ、腰を少年に密着させて受け止めた。
「んんんっ、でっ、出てるっ……出てますわ、ああ、すごい……奥に精液が当たって……あうう、し、子宮に……子宮に流れ込んでくるのがわかりますわ……ああ……」
英彦も射精の快感を堪えつつ、すみれの腰を引き寄せて密着し、出来るだけ奥まで亀頭を押し込んで精液を放った。
亀頭部の先端は子宮口に食い込み、その内部へびゅくびゅくと激しく射精している。
子宮内に精液を浴びせられるたびに、すみれは「あっ、あっ」と喘ぎ、呻いて痙攣した。
英彦の、静脈を浮かせた若いペニスは、すみれの子宮を占領すべく精液を送り込んでいる。
「あ……ま、まだ……まだ出るの? ……くっ……あう、すごい……お、おちんちん……おちんちん、ぴくぴくしてる……ああっ、ま、また出てきたっ……」
すみれの膣は次から次へとドクドク流し込まれる精液を受け止め、その粘膜で吸い取っていった。
すみれは子宮がいっぱいになるほど射精されたように思っていたが、その裏で彼女の子宮は英彦が射精を終えても、また精液を欲するかのようにひくついている。
その媚肉から強引に肉棒を引き抜くと、すみれの肢体が脱力し、どっとベッドに沈み込んだ。
さすがに疲れたのか、英彦もぐったりしているすみれの隣に身を横たえた。
少年の手が、汗の浮いたすみれの乳房を軽く揉んでいる。
それを振り払う気力もなく、すみれは絶頂後の気怠げに天井を見つめていた。
腕枕をして横を向いた英彦が耳元で語りかけてくる。
「すみれ、次は僕の友達を呼んでこようか?」
「な、何を言って……」
「好き者のすみれは僕だけじゃ不足なんじゃない? だから僕と友達と、ふたりで責めてあげるよ。すみれ、お尻も知ってるんだろ?」
「なんでそのことを……」
思わずすみれは声を引き攣らせた。
お尻を責め抜かれた時の恥辱感──そして思いも寄らぬ強い快感は忘れようにも忘れられない。
英彦は愉しそうに笑った。
「くくっ、やっぱりそうか。「あの人」の言った通りだな」
「あ、あの人……?」
「深く考えないでいいよ、すみれはよがってればいいんだ。それより、ふたりの男に同時に犯されるんだから愉しみでしょ? 期待で胸がドキドキするでしょ?」
「誰がそんなっ……は、はしたないですわ! いくら何でも、殿方をふたりも一度に相手にするなんて……」
「イヤと言う権利はすみれにはないんだよ。きみは僕のものなんだからさ。いいよ、ふたり責めって。オマンコとお尻、両方に太いのを入れてもらえるんだよ」
すみれはおののき、唖然として少年の顔を見つめた。
「そんな……そんなの、いや……」
「それだけじゃないよ。僕とそいつが交互にすみれを犯してあげる」
「こ、交互にって……」
「僕が抱いてる間、そいつはすみれが僕とセックスしてるのをじっと見てるんだ。そうしてるうちにそいつのチンポはどんどんでかくなる。面白いだろ?」
「……」
「で、僕が出し終わったら今度はそいつにすみれが犯されるわけだ。僕は少し休みながら、すみれが犯されるのを見てまた大きくする。そいつが終われば僕が抱く。その繰り返しさ」
「そんな……」
「僕とそいつが順番に犯してあげるから、すみれはずーっとセックスし続けることが出来るんだよ? 想像するだけでゾクゾクしてくるんじゃない?」
「……」
本当に背中がゾクゾクしてきた。
それが恐怖からなのか、それとも淫らな期待感なのか、今のすみれにはわからなかった。
「休むヒマなんかない、あそこから精液が溢れ出るくらいやってやるよ。そう、すみれが本当に妊娠するまでね。いや、それでも許さないよ。例え孕んだって何度も犯す。嬉しいだろ?」
「……」
露骨に淫らなことを言われ続けると、すみれはイヤでもその光景を想像してしまう。
ただ犯されるだけではない。
ふたりの男によって連続的に犯されるのだ。
ほとんど輪姦と同じではないか。
しかも容赦なく中出しされる。
泣いて許しを乞おうが妊娠しようが、お構いなしで犯され続けるのだ。
しかも、犯されているところを、もうひとりの男にじっと観察されることになる。
無理矢理に犯される恥辱にまみれ、強制的に気をやらされた身体を晒さなければならない。
しかも相手は年下の男である。
これ以上の屈辱はなかった。
だが、そんなひどいことをされると思うと頬が火照る。腰の中──膣奥の方が熱くなってくる。
じくじくと媚肉が濡れ、はっきりわかるほどに蜜が滲んでしまうのだった。
まるで蟻地獄だと思った。
逃げようと藻掻いても深みに嵌ってしまう。
最深部まで堕ちてしまえば、あとは餌食になるだけなのだ。
なぜこんなことになってしまったのだろう。
「……」
これが祖父の姦計であったなら、もう家に対しての気兼ねはない。
外出しようと家で抱かれようと、祖父の一言で家の者は見て見ぬフリをするに違いない。
それに、この身体は英彦のものになってしまった。
もう、この子にすべてを知られてしまっている。
一郎でさえ知らぬ……いや、すみれ自身知らなかった性感帯を次々に発見され、身体中の気持ち良いところを全部探られてしまったのだ。
このまま……このまま妊娠するまでこの子に抱かれることになるのだろうか。
いいや、妊娠しても許してもらえず、英彦が結婚するまで彼の女で居続けなければならないのかも知れない。
もしかすると、互いに別人と結婚したまま愛人関係を続けることを強要される可能性もある。
もし本当にそうなってしまったら……。
すみれの白い喉がゴクリと蠢いた。
英彦が時計を確認すると、そろそろ午後四時になる。
すみれの情夫となった17歳の少年は、もう一度くらい出来そうだと思い、すみれの両脚を抱え上げて両肩に乗せた。
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