息もつけないほどの激しい行為が終わり、速水は身支度を整えた。
上半身は制服のままだが、下半身は剥き出しだ。
下着をつけ、スラックスに脚を通していると、素子はようやくのろのろと身を起こした。
激しい絶頂の余韻に浸っていたが、男が帰り支度をしているのを見て腰を上げる。
しかし、まだ足腰が言うことを聞かない。
腰が抜けるほどに突きまくられたのだから、当然といえば当然だ。
素子は、少年の精液と自分の蜜でどろどろになった股間をハンカチで拭いながら言った。

「これはとーっても、機密事項なんだけど。……知りたい?」

速水は素子を見下ろした。
ムリヤリ強姦するようなセックスを挑んだことで、機嫌を損ねているのではないかと思ったのだが、案外平気な顔をしている。
ああいう獣じみた行為も受け入れるほどに、この女は淫らなのだろうと思った。
それとも、もうすっかり速水を受け入れているということか。

「機密事項?」
「そ」
「……知りたいですね」

速水の言葉遣いがまた敬語に戻っている。
あくまで彼が上位者となるのはセックスの間だけなのだ。
少年の返事を聞くと、女は笑った。
どんどん深みに嵌っていくという自覚はあるのだが、この少年となら、どこまでも行って見たいと思わせる。
それと、彼女が彼に話すことにより、秘密を共有することとなり、いわば運命共同体になるのだ。
素子は、速水とそうなることに心地よさを感じていた。

「ふふっ」

意味深な微笑を浮かべ、下着を身に着けながら素子は言った。

「士魂号にはね、上からの命令で、意味のない構造が入れてあるの」
「意味の……ない?」
「そう。ほんとうに意味がない、変な模様を見えないように透明な特殊塗料でびっしり書き込んでいるの。腕を中心にね」

何だ、それは。

「これは開発段階だったけど、たぶん、今の機体も全部、入れてあるはずだわ。これについて聞いたら、なんて言われたと思う……?」
「さあ……」
「この世界では意味はなくても、それだけだ、ですって」

素子は呆れたようにつぶやいた。

「まったく、芝村一族は分からないわね。もっとも、士魂号やウォードレス開発の決定打になったオーバーテクノロジー、人工筋肉の秘密を
独占する彼らだから……」
「……」
「たぶん、筋肉がらみでしょうけどね」

女は、そう低い声で言った。
汚れたつなぎを脱ぎ、キュロットを履いている素子を速水は見つめる。
しなやかな身体つきや、素直に伸びた美脚に注目していたのではない。
この女、そこまで知っているということは、以前は恐らく士魂号の開発部門にいたということなのだろう。

どういった経緯で実戦部隊に回されたのだろうか。
どう見たって左遷であろう。
そう考えていたのだ。
素子はすっかり身支度を終えると、手すりに身を寄りかからせながら言葉を続ける。

「それとも、これだけ知ってて私が生きているところを見ると、全然見当違いなのかしら?」
「どういうことです?」
「オーバーだと思う? ……でもね、士魂号の開発に関わってる人は、結構『事故死』しているんだから」
「……」
「私は当時下っ端だったから、見逃されているだけ。……それでもあの一族の監視下にいるのは、間違いなさそうね」

なるほど。
ということは、速水が素子をつき合っていることも芝村は知っているのか。
となると、これは少し面倒だ。
舞がそれを知れば面白くは思うまい。
だが、今のところ芝村舞は、今までと変わらない態度で速水と接している。
速水は、早くも舞の方にもモーションをかけていたのである。
あの女も「お姫さま」の世間知らずだから、もし彼が他の女とつき合っていると知れば、烈火の如く怒り狂うだろう。
まだそうなっていないということは、芝村一族からの情報が舞にはまだ届いていないのか、あるいは舞と言えども完全に情報を知らされる立場
まではいっていないのかも知れない。
素子は、少し乱れた髪を小さなブラシで梳いた。

「……ま、いいか。これで、消されるときは一緒よ……なんてね」

女はそう言って、少年に笑いかけた。
冗談ではない。
少年の方では、そろそろ素子は切り捨て時だと思っていたのである。
利用価値がなくなった後なら、素子が死ぬことは一向に構わない。
むしろそうなってくれた方が都合が良い。
だが、女と共に死ぬ趣味は速水にはない。
少年は氷のような目で女を見たが、素子の方は彼の胸に顔を埋めていた。

──────────────────

カンカンと音を響かせて、速水は二階から降りてきた。
ハンガー二階の階段は二箇所あって、ひとつはそのまま外部へ降りられる非常階段を兼ねている。
もうひとつは一階の事務室──といっても、空いたスペースにデスクやロッカーが置いてあるだけだが──そばへ下りるようになっている。
速水の三号機のドックは、後者の階段に近い。
少年がそこを降りていくと、ちょうど整備班長が立ち上がり、ロッカーを検めているところだった。
美貌の少尉は彼に気づくとにっこり笑みを浮かべた。

「あら、やっとお帰り?」
「遅くなりまして」

速水も笑顔で答えた。
相変わらずこの少年は士魂号にかかりっきりだ。
ここまで大事にしてくれると、整備する側としても好感が持てる。
今日の戦闘でいささか無茶な運用をしたらしく、神経系統の接続がおかしくなっていたらしい。
その調整にかかりきりだったと速水は言った。

「……無茶は駄目よ。パイロットさん」

素子はお姉さん口調で言った。

「……でも、いざとなったら機体をあてにして無理してね。私達はチームなんだから……信頼には応えるわ」
「はい」

少年の返事を聞くと、素子はデスクに腰掛け、ノートをつけ始める。
速水はそれを覗き込みながら聞いた。

「あの、さっき見てたロッカー。あの中……」
「ああ、見えた? そう、あの中は武器が入ってるのよ」

ちらっとしか見えなかったが、ロッカーの中には軽機関銃や小銃、ショットガン、拳銃などといった個人武装があった。
整備棟になんでそんなものがあるのかと思ったのだ。
速水がそう言うと、素子は頬杖しながら言った。

「あれ? あれは私たちが使うためのものよ」
「え? だって素子さんたちは……」
「ええ、もちろん私たちが戦闘に立つことはないと思うわよ。まあ、万が一ってことね」
「万が一?」
「そう。極端な話だけど、ここが幻獣の強襲を受けたりとか、あるいはテロ専用の幻獣が襲ってこないとは限らないでしょ? そのための防衛用。
昨日、文書の形で新型幻獣に対する注意事項が出ていたでしょ?」

その文書は本田教官に見せられていた。
人間側の要人を襲うテロが増えている、と。素子はロッカーを眺めて言った。

「まあ、戦場で後方にいてバックアップしてる時、奇襲を受けないとも限らないしね。でも、私が銃を執って戦わなくちゃならなくなったら、
もうおしまいよ」
「そうですね、整備士が……」
「それもあるけど、私、士官でしょ? 私だの設営委員長だのといった指揮官、あるいは教官たちが自ら銃を持つようになったら、もう戦争は
おしまい。負けよね」
「……」

不安そうな顔に見えた少年を見て、素子は笑った。

「そうならないように、君たちが頑張ってくれなきゃね」
「……ご期待に沿うよう頑張ります」
「よろしい」

美しい女性士官は微笑むと、いつの間にか後ろに回りこんでいた少年に言った。

「ちょっと肩がこったかしら。駄目ね。この年齢でそんなこと言うんだから」

素子は首と肩をぐりぐりと回している。
速水はその肩に手を伸ばした。

「……あら、叩いてくれるの。コラ、……それ違う」

彼の手は肩を通り過ぎ、制服の上から胸をまさぐっていた。
素子は、少年がふざけているのだと思ったが、彼は力をこめて彼女の乳房を揉み込んでいた。
右手はすっと下半身に下り、キュロットの中へ侵入しようとしている。

「……あっ……ちょ……っと……」

乱暴に乳をこねくられ、太股を撫で回されているうちに、素子もその気になってくる。
しかし、いくらなんでも職場で抱かれるわけにはいかない。
先日のように恥ずかしい思いをするのは、たまにはいいが、何度もされてはたまらない。
だいいちここでは寝転んでするわけにもいかぬ。
オイルまみれの床に横になりでもしたら服はドロドロになるし、身体だって痛い。

それとも。
またあの時のように、服を着けたまま犯されるのだろうか。
デスクに手をつき、上着はそのままでキュロットと下着だけ引き下ろされる。
思い切りお尻を速水の方に突き出し、後ろから突きまくられる。

そんな想像をしていると、素子はゾクゾクしてきた。
いけない、と思いつつも、はしたない行為にそこはかとない妖しい魅力も感じている。

「あ……」

すっと少年の手が身体から離れた。
おやつをお預けになった子供のような顔で速水を見る。
少年はニヤリとおとなびた笑いを浮かべると、素子の手をとって言った。

「そんな顔しないで。素子さんの部屋へ行きましょう」

さすがに若い独身女性の部屋だけあって、速水の部屋よりはずっと小綺麗にまとめられていた。
ぬいぐるみだのアクセサリー類はなかったものの、戦時下ということであれば致し方ないだろう。
掃除は行き届いていたし、ベッドの布団やシーツもきっちりしている。
僅かに異臭がするが、速水はそれが糠味噌の匂いだと気づいた。
そう言えばこの女、最近は漬け物が趣味だとか言っていた。
見た目はそんな家庭的には見えないが、やはり女性らしいところはあるのだ。
素子の方はもうその匂いには慣れているのか、逆に速水の肩口に顔を押しつけて彼の匂いを嗅ぐ仕草をしている。

「どれどれ、他のひとの臭いはしないわね、……よし」

そう呟くと妖しく微笑んだ。
独占欲が異常に強い素子は、速水が他の女と接触することを激しく嫌っていた。
例え職務上のことでも、である。
況して職務外に於いては、立ち話するだけでも嫉妬するほどだったのだ。

我が強く、子供じみた性格のある素子を、速水はそのまま裸に剥いていく。
素子は抗いもせず従っている。
速水が、そうした半ば強制的なセックスが好みだとしっているからだ。
しかし、彼がぐぐっと反り返った肉棒を掴むと、前戯も何もなしで、いきなり膣に突っ込んできたのには驚いた。

「ま、待って、そんないきなり……ふわああっ!!」

大きなものに突き通され、素子は目を剥いて悲鳴を上げた。
しかしその悲鳴も、あっという間に喘ぎ声に変わってしまう。
速水の激しいセックスに馴染まされているのだ。
速水はその年齢にふさわしくない腰使いで素子の奥まで肉棒を突き入れ、少し引いてはまた深々と突き込んでいく。
素子の方も、若いペニスを貪るように膣が反応し、溢れんばかりの愛液を分泌させていた。

「あ、相変わらず激しいのね、厚志……あうっ、胸、強すぎるわっ……くっ、いいっ!」

ブラをたくし上げ、ぽろんと剥き出しになったたわわな乳房が、速水の手で揉み込まれていく。
早くもぷくんと勃起してくる乳首を指でこねくられ、素子は過剰なほどに反応した。
あまりに感じすぎるからなのか、思わず腰が引けてしまっている。
その尻を速水が抱え、片足をもたげて肩に乗せると、深い結合で責めていく。

「あ、あ、いくっ……あああ、もういきそうっ……すごいっ、いいっ……いくわ!」

見ている者がいれば息が詰まりそうなほどの濃厚なセックスが、それから二時間に渡って展開された。

──────────────────

「……」

素子は手足の指さえ動かす気になれなかった。
肉体の中から外まで痺れ切っている。
気だるいどころではない。
何をする気にもなれない脱力感だ。
それでいて、腿だの腰だのは、ときおり思い出したようにビクッと痙攣した。
今しがたまで行われていた猛烈な性交の結果である。
あまりの快楽と肉悦に、素子の心は打ち震えた。
そして何度となく絶頂にまで押し上げられる肢体は、狂おしいほどに悶え、うねった。
少年の圧倒的な精力と空恐ろしいほどのテクニックで、彼女の身も心も完全に屈服してしまった。

速水の方はもうすっかり情夫気取りで素子に接している。
他の人間の前では決してそんな態度は取らないが、ふたりきりになれば、もう主導権の一切を握っているのは年下の少年の方であった。
原素子は、年齢的にも階級的にも下位の少年に従属するように振り回された。
そしてまた、そのこと自体に不満も疑問も抱かなくすらなってきていた。
それだけに、この絶対者たる少年が、自分以外の女への関心を示すのを我慢が出来なくなっている。

「ねえ」

呼ばれて速水は女を見た。
素子はそれまでの虚ろな瞳ではなく、冷たく燃えるような目で厚志を見ていた。

「……ずっと前の話、覚えてる?」
「なんだよ」

少年の口調がぞんざいになっている。
普段の軍務中はそんなことはないが、こうしてふたりっきりのプライベートな時間では、速水はもうタメ口になっていた。
彼としては、もう原素子という女に利用価値を認めていないのだ。
引き出せるだけの情報はすべて引き出した。
整備班長、設営副委員長、技術士官として利用できることも全部やった。
女として使えること──セックスでも、もう飽きるほどにその身体を貪った。

だが、速水の側が避け始めると、素子の方はますます彼にのめりこんでいった。
もはや彼なしではいられない。
肉体的には完全に篭絡されてしまった。
心の方も、速水に対する依存度は高まる一方だ。
それまでは、速水が情報を引き出そうとした時、あるいは純粋に女が欲しくなった時に、速水の方から素子を誘い、その肉体を犯してきた。
素子の側が誘いをかけてきたのは、最初の一回きりである。
それが今では、素子の方から積極的に速水を──セックスを求めてくるようになってきている。
彼女を調教でもするつもりならそれで成功だろうが、速水はそんな面倒なことはしない。

女は道具に過ぎない。
情報を得るため、敵を貶めるため、そして性欲解消のための道具だ。
その女個人に執着したり、面白がって調教するなどということは彼の思考の範疇にない。
素子の言動が目に余るようになってきた。
やたらセックスを求めてくるのもそうだが、人前でも速水にまとわりついてきたり、まるで彼を恋人かのようなことを平気で発言する。

実のところ、もう速水の関心は芝村舞に移っており、彼女へのアプローチも始まっているのだ。
それは功奏して、舞も速水に対して同じ機体に同乗するパイロット以上の関心を持ち始めている。
これを邪魔されてはたまらなかった。

そうじゃなくとも素子は嫉妬深い。
おまけに舞の方もその気がある。
純粋培養のお姫さまで、こうした嫉妬などということにはあまり縁がなかったからだろう。
彼が舞に接近すると、素子が噛み付いてくる。
あからさまに妨害し、難詰してきた。

速水はそのたびに思う。
こいつ、何様のつもりだ、と。
恋人気取りなのだ。
疎ましくなった。
もう用無しなのだ。
いつ切ってやろうかと思っている。
素子は、そんな速水の胸を指でなぞりながらつぶやいている。

「……消されるときは一緒よ。……なんて」
「……」

呆れてものが言えない。
冗談ではない。
死にたければ勝手に死ぬがいい。
思い込みの強い女の妄想に、こっちがつき合わねばならぬ理由も意義もない。

「裏切らないでね……私を。嫉妬深いんだから」

くるりと女に背中を向けた速水は、そのセリフを背中で聞いた。

──────────────────

「はあっ……はああっ、だめっ……も、もう、厚志だめえっ……ま、またよ、またっ……ひっ、いく……い、いく……いくっ!」

悲鳴のような嬌声が速水の自室に響き、素子はその均整の取れた裸身を何度も突っ張らせた。
立て続けに絶頂させられ、まだわなわなと細かく痙攣している素子を、若い学兵は容赦なく責めていく。

「まだまだだよ、素子。スケベなおまえのことだ、まだ何度でもいけるだろ?」
「そんな……、もう無理……。わ、私、もうこれで四回も……いいえ五回も続けていかされてるのよ……もう限界よ……あ、だめだったらっ…
…んはあっ!」

数度のオルガスムスにより強く収縮する膣から引き剥がすようにして、速水の男根が素子の性器を抉り続ける。
もう素子の膣内は人のそれとは思えぬほどに高温化しており、愛液でぬるぬるになっているにも関わらず強い膣圧で盛んにペニスを食い締めてくる。
もういい加減に射精してくれと膣や子宮が主張しているかのようだった。

その甘美な締めつけに耐えつつ、速水はなおも女の媚肉を責め続けた。
普段なら、もうそろそろ仕上げの射精をして素子の子宮を屈服させるところだが、今日はこの女がくたくたになるまで責め抜く必要があった。
素子の蠱惑的な媚態と肉の感触によって激しく刺激される射精欲を懸命に堪え、ひたすら腰を突き上げ、よがり声を絞り取っていく。

「いやあっ、また来るっ……あ、厚志、厚志ぃっ……またっ……んんっ、うんっ……い、いくうっっ!」

素子はまた裸身をビクビクと数度痙攣させ、両脚を突っ張らせて激しく気をやった。
子宮口を突かれ続け、もうそこは爛れるように熱を持っていた。
さすがに速水も限界が来て、小刻みに震えている素子の腰をがっしりと掴むと、トドメとばかりに子宮口を亀頭で殴りつけるように抉った。
いつまでも絶頂地点から降りることを許されない素子は、もう半狂乱になって速水にしがみつき、その背中に爪を立てて喘ぐしかない。

腰同士が完全に密着すると男の動きが止まり、最奥まで突っ込んだままぐりぐりと子宮口をこじ開ける動きになった。
根負けした堅い入り口が僅かに開くと、待ちかねたように鈴口が押しつけられ、尿道口がぴったりと固定された。
子宮口を擦られる刺激に仰け反り、素子は美しいカーブを描く脚線美を持った自慢の脚を速水の腿にしっかりと絡めてきた。

「くううっ、いいっ……厚志、お願いっ……もう……もう保たないわっ……お願い、あなたもいってぇっ……あ、いいっ……い、いきそうっ、
またいくっ……ひっ、ひっ……い、いくっ、いっちゃううううっっ……!」

素子の喜悦の声が大きく響いた。
思い切り爪先が反り返り、次の瞬間、内側に屈まる。
素子は大きく肢体をしならせて、上に乗った速水を持ち上げるほどに背中をたわませ、全身をビクビクと痙攣させながら、またも激しく絶頂した。

「くっ……、俺もっ!」

速水は素子がこの日最大の絶頂に達したことを確認すると、そのまま獣のように吠えて子宮口を目がけて一気に射精した。
その熱く重量感のある刺激を子宮に受け、素子は白い首を仰け反らせて反応する。

「んはあっ、熱いっ……あ、あ、また……また厚志の精液が私の中に……はあ、はあ……あ、いっぱい出て……ああ……だめ、これでまた
いきそう……い、いくっ」

びゅるるっと噴き出てくる精液の感触に、素子は熱い吐息ととろけるようなよがり声を上げ、全身をわななかせていた。
ドクドクと断続的に射精され、そのたびに裸身をぶるっと痙攣させている。
素子は、速水の射精が終わるまでしっかりと彼の腰に脚を絡ませていたが、精液が最後の一滴まで絞り出されると、その全身からがっくりと力が抜けた。
男の腰に絡んでいた脚と、背中に爪を立てていた腕がどたりとベッドの上に落ちてきた。

「んん……はあ……はあ……はあ……す、すごかった……」

美貌の整備班長は、スレンダーな肢体に似合わぬたわわな胸を激しく上下させ、性の歓喜に浸っている。
両脚をだらしなく拡げ、普段からは想像もつかぬふしだらでだらしない格好をした素子の股間からは、大量に注がれた精液と自身の愛液の混じった
淫らな粘液がごぽっと逆流していた。
速水は、荒い呼吸と激しい鼓動によって揺れ動く乳房に手を伸ばす。
汗にぬめった繊細な肌に包まれた柔らかい肉塊に指が食い込み、淫らに形を変えていた。
これだけ激しくいったにも関わらず、素子は乳房の愛撫に早くも反応して身悶えしている。

「あ、厚志……まだするの……?」
「おまえのことだ、まだ出来るだろう?」
「い、いいけど……ああ……す、少し休ませて……私、ホントに疲れて……」
「……」

呼吸を整えながら、素子はしなやかな腕を伸ばし、愛しい男の頬にそっと指を這わせた。

「あなた……、期待以上にすごいのね。最初はこんな激しいことをするなんて思わせなかったのに……」
「……」
「私もこういうの嫌いじゃないけど、それにしたって少し激しすぎるわよ……、あっ……ふふ、おっぱい好きなんだから……そんなに私のおっぱいが
好きなの?」

速水は不敵な笑みを浮かべながら、素子の乳房を揉みしだいてきた。

「ああ、好きさ。素子の身体は絶品だよ。俺だけのものにするには申し訳ないくらいだ」
「どういうこと……?」

まだぼんやりとしている素子を見下ろしながら、速水は後ろを振り返って軽く手を振った。

「待ちかねたぜ」
「……!!」

突如聞こえてきた別の男の声に、素子はビクッとした。
ドアが開くと、どかどかと複数の男たちが入ってきたのだ。
素子は仰天し、慌てて上半身を起こすと、シーツを身に纏って裸身を隠した。

「だ、誰っ!?」
「『誰』はひどいなあ、副委員長」

素子の震える声に答えたのは小柄な少年兵だった。
バンダナを巻いた活発そうなその姿には見覚えがある。
速水と同時に入隊してきた士魂号パイロットだ。

「あなた……、滝川くん!?」
「正解」
「自分もいますよ、副委員長どの」

今度は滝川よりも20センチくらい身長が高い男だ。
がっちりとした、何か格闘技でもやっているような、いかにも軍人然としたたくましい体つきだ。
当然、その男も素子は知っていた。

「わ、若宮くんまで!?」
「はい、副委員長どの」

さらにその後ろや横に、何人もの男たちが入ってきた。
上官である素子は、あまりのことに唇をわななかせている。

「瀬戸口くん……遠坂くんも……な、中村くんまで!?」

速水の狭い部屋に5121小隊の男性隊員が5人も集まってきた。
速水も含めれば6人にもなり、六畳しかない部屋はむさ苦しいほどの窮屈さになっている。
部屋の1/3はベッドだから、残りに5人もの男が群がっていることになる。
本当にやってきたとばかりに、速水はにやにやしている。

声を掛けた連中は全員来たようだ。
呼んでいないのもいる。
岩田や茜、狩谷に来須たちだ。
岩田を呼んでも、こうした場をギャグにされてもかなわないからスルーした。
速水に対して、腹に一物ありそうな茜も無視した。
狩谷は車椅子だからどうしようもないだろうし、来須に声を掛けても来るはずがない。

しかし今回来たやつらは、手なずければ今後速水の手駒になってくれるだろう。
場合によっては、素子だけでなく小杉ヨーコなり壬生屋なりを手籠めにしてから同じことをしてもいい。
田代や田辺たちを餌にしてもよかった。
ただ、岩田と茜は何が秘密がありそうなので、別の手段で取り込んでやればいい。
来須も使えるから、何か手段を考える必要があった。

おののいて周囲を見渡してから、素子はキッと速水を睨みつけ、そして怒鳴った。

「あ、厚志っ! これは……これはどういうことなの!」
「……」
「何とか言いなさい! 何でこの人たちを呼んだりしたのよ!」

素子は速水の両肩を掴んで揺さぶったが、速水は薄笑いを浮かべたまま何も答えない。
代わりに、速水の親友を自称する滝川が言った。

「原さん、さっき速水が言った通りですよ」
「え……?」
「だからね、原さんのようないい身体を速水ひとりのものにしとくのはもったいない、と。そういうわけです」
「な……」

驚いた素子の身に巻いたシーツがはらりとはだけ、綺麗なバストが露わになった。
素子は、血の気の引いた美貌を若い恋人に向け、激しく言った。

「厚志っ、言いなさい! どういうことなの! あなたの口から……」
「だから今、滝川が言ったでしょう?」

速水はいかにも面倒くさそうに、女の腕を振り払いながら言った。

「……あんたの身体をやつらにも提供しようって寸法さ」

素子や舞を籠絡し、士魂号や世界の秘密を探る。
そうして自分の力をつけ、権力者にのし上がる。
そのためには味方は多い方がいい。
女はこうして身体で屈服させればいいが、男はそうもいかない。

もっとも速水はその誕生からして、育成過程で過剰なほどの女性ホルモンを投与されているから、男からも色目を使われることは珍しくない。
ホルモンの影響かも知れないが、速水自身も世の中の常識ほどにゲイへの抵抗はなかった。
実際、何度かそうやって男を堕としたこともある。
しかしもともと男なのだから、やはり男と寝るよりは女を犯す方が快楽が強かった。
男とセックスするのは、そうするしかない場合と気まぐれでしかない。

5121に配属されて、まず目についた原素子を手籠めにしたのだが、時を経るにつれて素子は他の男性隊員たちの人気が高いことに気づいた。
速水の目は、もうその時点で芝村舞へ向いていたのだが、素子も案外と事情通であることが判明し、この女も堕とすことにしたのである。
それに、素子が小隊内で人気が高いということは、彼女を囮もしくは餌にすれば、かなりの男が釣れるということになるだろう。
「速水派」のメンバーにすることも難しくない。

強姦、しかも複数による輪姦。
おまけに、その相手は上官である。
こういったシチュエーションでは、大抵の男は尻込みするだろうが、そこは何しろ軍人である。
しかも戦争中の兵隊なのだ。
命令とあらば捨て身で死地に突っ込まねばならない。
明日をも知れぬ命であり、まだ成人もしていない若い身を散らさねばならないのである。
そんな状況で、若い兵隊に「自暴自棄になるな」「刹那的になるな」と言っても無理な話で、当然ハメを外すことも多くなる。
あまりに目につき、娑婆で迷惑になるような行為を繰り返せば憲兵の世話になってしまうが、そうでなければ大目に見られるのだ。
これは軍内でも世間でも同じである。
もうすぐ死ぬかも知れないのだから、という目で見られるのだ。
無論、だからと言って傍若無人に何をしてもいいというわけではないが、どうしても処分が甘くなるのはやむを得なかった。
しかも今回のように軍内、それも同じ部隊内ということであれば、何とか穏便に済ませて外部に漏らしたくはない。

この時代のように、男女の別なく最前線に出るようなケースでは、部隊の中に異性がいるのは当たり前なのだ。
狭い中で若い男女が暮らしているのだから、なるようになっても当然と言えば当然である。
だから軍上層部も、あまりに目につくようでなければ部隊内の恋愛や「擬似恋愛」も黙認していた。
「目につく」というのは、色恋沙汰で刃傷事件になったり、「隊内売春」のような事態になることだ。
もちろんレイプ事件でも起これば、軍規で厳しく処断されることになっているが、それも曖昧である。
被害者を何とか宥め、かつ、加害者は部隊内で制裁することで表には出さないことが多いのだ。

だが今回のケースなら確実に軍法会議ものである。
ただの強姦事件ではない。
輪姦なのだ。
しかも被害者は上官である。
女性士官を、部下の兵隊たちが寄って集って犯すという犯罪だ。

素子は、怒りに震えながら絶対に告訴するつもりでいた。
この連中を、そして速水を厳罰にしてやる気だった。

しかし一抹の不安もあった。
過去にも、こうした集団レイプ事件はあったが、それが問題になったことは少ない。
犯人どもはMPに拘束され、拷問紛いの尋問と暴力制裁を受けた後、危険な最前線に放り出されておしまいである。
これでは死刑に等しいと思えるが、よくよく考えてみるとそうでもないのだ。
何もしなくても前線に送られ、敵と殺し合いをしなければならないのは同じなのである。

学兵たちも、朧気ながら「死」は意識している。
そう遅くない時期に確実に戦死するだろうとわかっているのだ。
「いつ」「どこで」という違いだけだ。
もちろん少しでも遅い方がいいし、楽に死にたいとは思うが、どうせ死ぬのは同じなのだ。
だったら、やりたいこと、好きなことをしておいて悔いを残したくない。
そういう思いも強かった。
この少年兵たちは、その覚悟でここへ来たのではないか。
だからこそ速水の諌言に乗り、自分を犯そうとしているのではないだろうか。
そうなら命令はもちろん説得も無意味だろう。
もともと死ぬ覚悟だからだ。じっと素子の身体を見つめていた若宮が言った。

「自分もそのご相伴に与ろうと、まあそういうわけですよ」
「若宮くん! 若宮軍曹! バカな真似はやめなさい! こ、この子たちを引き連れてすぐに帰隊するのよ! いいこと、これは命令よ!」

素子は震える唇から、ことさら軍人風に厳しく叫んだ。
しかし彼女は、自分の吐いた言葉に虚しさを感じている。
そんなことを言っても、誰も従うまい。
ここで上官の命令に従ってすごすご引き返すくらいなら、はなから速水の誘いを拒否しているはずだ。
ああ、ここに善行がいたら、と素子は痛切に思った。
あの真面目ぶったもと恋人であれば、ひとりふたり射殺してでも命令に従わせるに違いなかった。

思わず身を翻そうしたが、速水が後ろからその肩を押さえ込んでしまっていた。
その様子を見ながら、中村と遠坂が服を脱ぎ始めている。
滝川と若宮もパンツ一枚になっていた。
瀬戸口がそれを見て苦笑している。

「原少尉、こいつら、あなたと速水のセックスをそこで覗き見ながら、待ちきれなくてオナニーしてたんですよ」
「……!」
「そうですよ、副委員長どの。滝川なんぞ、チンポがすり切れそうなほどに擦ってやがって……」
「軍曹、人のこと言えるんですか? 俺は一回だけど軍曹は二回も抜いたじゃないですか」
「当たり前だろう、俺は原素子ファンクラブの会長なんだぞ。その原素子を犯せるとなりゃあ誰だって……」
「今からそんなんでどうすんですか、軍曹」
「平気だよ。そのためにオナ禁3日もしたんだからな」
「あ、それは俺も同じっすよ」
「それにしても恩に着るぜ、速水」
「俺も俺も。持つべきものは親友だよな」
「もうこれで俺たちは穴兄弟ばいね」
「だな。結束感も増すってものだよ。これからもよろしく頼むよ、厚志」

男たちは野卑にそう言って大笑いした。
おののいた素子は背中を速水に押しつけた。
逃げようとしているのか、それともこの期に及んで速水に頼ろうとしているのか。

いずれにしても逃げ口などなかった。
素子は女であり、彼らに優っているのは軍歴と階級くらいのものだ。
体力はそれなりにあったが、あくまで女としては、というレベルだ。
激しい訓練を積んでいる若い男たちに敵うはずもなかった。
それでも素子は最後の気力と矜恃を振り絞って、いかにも上官らしい口調で屹然と叫ぶ。

「いいから、さっさと帰りなさい! あなたち、自分が何をしようとしてるか、本当にわかってるの!?」

女の血を吐くような言葉を、若い部下たちはにやにやしながら聞き流している。
さすがに素子もカッとしてさらに声高に罵った。

「兵隊の分際で、こともあろうに士官を犯そうと言うの!? 恥を知りなさいっ!」
「恥知らずなのはあんたの方ですよ、原少尉どの」
「何ですって!」
「俺たち、見たんですよ。あんたと速水がやってるところをね。あ、いや今日じゃなくってさ」
「え……?」

思わぬ言葉に、素子は美貌をきょとんとさせて部下を見つめる。
プレイボーイとして名を売っている瀬戸口が、じろじろと素子の肢体を眺めながら言った。

「こないだ、ハンガーの二階で速水とセックスしてたじゃないですか」
「……!!」
「一週間くらい前だったかな。授業と教練が終わって、整備の方も早めに終わった日。速水と連れ立った副委員長どのは、そのままハンガーの窓際で
バックから犯されてましたよね」
「……」

あまりのことに素子は二の句が継げなかった。
事実だったからである。
確かにあの時、外を歩いている学兵や生徒たちがいることは知っていた。
だから「見られてしまう」と、速水の行為を最初は拒絶したのだ。
しかし、もう彼の身体の虜になっていた素子は、結局のところ強引にそのままセックスに持ち込まれてしまったのだった。
小さく口を開けたままの素子を面白そうに見ながら中村が後を継ぐ。

「そぎゃん。整備班長どのと来たら、速水に尻を押しつけて悶えてましたばい。その綺麗なおっぱいを窓ガラスに押しつけて潰したまんま、気持ち
良さそうに喘いでたけんね。ばってん、さすがに声までは聞こえんかったけんども、よかもの見せてもろうたばいね」
「グラウンドの楡の木の辺りにいると、あの辺がよく見えるんですよ。速水に「そこからハンガーを見てればいいものが見られる」と教えてもらった
時は半信半疑でしたけどね。まさか、あの厳しい副委員長どのがそんなことするわけがないと思って」

滝川がそう言葉を受けたが、もう素子は反論する種も持っていなかった。

「「まさか」が本当だと知って、俺は速水を信じるようになりましたよ。こりゃマジであなたの身体を抱けるかもって」

もはやどんな言い訳や命令も通用しないだろう。
後ろから悪魔のような男に抱きかかえられていて逃げることも出来なかった。
素子は、後ろの速水を押しのけるように後ずさりながら震える唇で悲鳴を放った。
若い部下たちが次々に服を脱ぎ始めたのだ。

「ひぃっ……!」

これで彼らが本気なのだということが証明されたようなものだ。
男どもは、恥ずかしげもなく下半身を晒し、自らの男性器を誇示している。
早くもいきり立ち、素子に襲いかかろうとしている連中に速水が念を押した。

「言っとくけど……」
「ああ、わかってる。こんな無礼講は今夜限りってことだよな」
「そういうこと。いいですよね、軍曹どの」

速水が茶目っ気たっぷりにそう微笑むと、先任下士官はわざとらしく重々しく頷いた。

「……いいだろう。たまにはこうしたレジャーも必要だからな。だが速水の言う通り、今回だけだぞ。抜け駆けしてまた原少尉どのと関係しよう
などとしたら、俺がタダじゃおかんからな。明日からは今まで通り、副委員長どのを見かけたらきちんと敬礼するんだぞ。間違っても押し倒したり
せんように。そんなことしたら、俺の手で営倉にぶち込んでやるからな」

そう言うと、まずは下士官の若宮から素子に迫っていく。
速水が背中からがっしりと羽交い締めにして、素子の自由を奪っていた。

「い、いや……いやああっ……!」

身を跳ねさせ、逃げようとのたうち回る素子の裸身にのしかかると、若宮はいよいよ憧れの媚肉に挿入しようと狙いをつけた。
素子の顔が蒼白となる。

「わ、若宮軍曹っ、やめなさい! い、今ならまだ間に合うわ……、だ、だめ、いやあ!」

筋骨たくましい先任下士官のペニスは、その体格や体力にふさわしいサイズでありスタミナだった。
それでも、その太いものはほとんど何の抵抗もなくずぶずぶと素子の膣に挿入されていく。

「んっ、はあああっっ……!」

愛撫なしでいきなり野太いものを埋め込まれ、素子は白いのどを晒して呻いた。
まだ背中には速水が貼り付いており、後ろから手を伸ばして粘っこく白い乳房を揉み込んでいる。

「んっ……やあっ……くっ、お……大きいっ……!」

サイズ的には速水のものとどっこいくらいだろう。
筋肉質で大柄な若宮の男根だが、速水の大きなペニスに犯され慣れていた素子の媚肉はあっさりと受け入れてしまっている。
事前に速水によって何度もいかされて充分に蜜で潤っていたし、膣内にたっぷり精液を受けていたせいもあるだろう。

若宮は、憧れていた原素子をついに犯せた悦びのためか、入れた直後からいきなり激しくピストンし始めていた。
素子の背に潰される格好になっていた速水は、苦労してその下から逃げ出す。
太く硬いもので傍若無人に内部をかき回される刺激に耐えかね、素子は絞り出すような苦鳴を上げた。

「くああっ、は、激し……激しいっ……だめ、若宮くん、そんな……つ、強すぎるわ……ふああっ!」
「何を今さら。さっきまで速水とあんなに激しく……」
「い、言わないで!」
「いいえ、よく聞こえましたよ。パンパン腰がぶつかり合う音とかね。えらく激しいのがお好みなんでしょう、少尉どの。腰骨が軋むくらいのがね、ほら、こういうの!」
「ひぃあっ……!」

素子の裸身が、若宮の身体に圧倒され、前後に大きく揺さぶられている。
激しく突き上げられるたびに悲鳴を上げ、荒い息を弾ませていた。
薄笑いを浮かべながらその様子を見つつ、速水が言った。

「軍曹、もっと激しくやってくださいよ。その女、乱暴なくらい激しく犯されるのが好きなんだから」
「おおっ、そうなのか。へへ、じゃ遠慮なくいきますよ」
「あ、厚志っ……! バカなことばっかり……んあっ……あぐうっ、ひぃっ!」

もうコミュニケーションだの女の快感だの、そんなことは気にしていない。
若宮は、ただひたすら自分の性欲のために腰を振っていた。
こんなチャンスは二度とないとばかりに、乱暴に素子の膣内を突き上げていく。

本当に目の前で素子が無惨に犯され、呻き、身悶えていた。
その様子を滝川たちが息を飲み、生唾を飲み込んで凝視していた。
すぐにでも加わりたいところだったが、直属の上官である若宮がやっている最中だったから、さすがに控えているようだ。
その若宮は、憧れ続けた素子の美貌を見下ろしつつ、揺れる乳房を揉みながら腰を突き入れている。

「あ……あ……、い、いや、やめて若宮くん……ああ……」

思わぬ闖入者たちによって醒めかけていた快楽がまた蘇ってくる。
汗が引き、白くなっていた素子の肌がまたピンク色に染まってきた。
汗が滲み出し、呻き声にも籠もったような熱い吐息が混じるようになっている。
次第に明らかになってくる肉の快感に、美しい女性士官は戸惑っていた。

(こ、こんな……こんなのウソよ……。厚志以外の男に……それも部下たちに無理矢理犯されているのに、私は……)

揉みたてられる乳房や、力強く突かれる膣から、まぎれもない性の悦楽が押し寄せてきた。
もともと開発されていた素子の肉体は、速水によってほぼ完全に成熟させられてしまっていた。
執拗に肉体を愛撫され、たくましいペニスで貫かれてしまえば、誰であっても感応してしまう身体にされていた。
心は否定したいが、身体は若宮とのセックスを受け入れ、感じてしまっている。
堪えても堪えても愛液が滲み出し、ともすれば喜悦の声を放ってしまいそうになっていた。

「んんっ……ああっ……」
「だんだんいい声出すようになってきましたね、副委員長どの。俺のチンポ、気に入りましたか?」
「くっ……バ、バカにしないで、あっ……だ、誰がそんな……んあっ……」

口では抗っているものの徐々に露わになっていく素子の痴態に、男たちはいやらしそうな笑みを浮かべて眺めていた。
滝川も瀬戸口も、あの遠坂までもが今にも手を出しそうにうずうずしている。
速水はそんな彼らに軽く声を掛けた。

「おまえらも見てるだけじゃなくて参加すれば? 今なら触り放題だよ」
「い、いいのか?」
「もちろん。あ、それとその女、尻の穴も使えるよ」

「おおっ」と驚きの声を上げる若者たちの様子に、素子は突き上げられて揺さぶられながら叫ぶ。

「あ、厚志っ……あなた、また余計なことをっ」
「余計なこと? だって事実じゃないか。それに、アナルは俺が開発する前に、もう使える状態だっただろ? 前の恋人に仕込まれたのかな」
「言わないで! それは言っちゃ……あはあっ……」

ますます反応を激しくする美女に煽られ、たまらず遠坂が若宮に聞いた。

「ぐ、軍曹どの……よろしいですか?」
「お、おお、いいぞ。ちょっと待ってろ」

若宮は軽く頷くと、抱え持っていた素子の太腿を肩に担ぎ上げた。
そのままのしかかると、素子の腿が乳房に触れるほどの屈脚位になる。

「ああっ……いやあ!」

息苦しい格好にされただけでなく、爪先が頭の上に伸ばされ、シーツにつくくらいに身体を曲げられたせいで、臀部が浮き上がっている。
そこに外気が当たり、男たちの視線がそこに集まっていることをイヤでも知らされた。
素子本人は、やや大きめの臀部を気にしていたのだが、男にとってはむちっとした魅力的かつ官能的な尻たぶだった。
わざとそうしているのか、若宮のピストンのペースがやや落ちている。
部下たちの目の前で、若宮のたくましい男根が素子の濡れそぼった媚肉を深々と貫き、盛んに出入りしているところがはっきりと見えていた。
それだけではなく、慎ましく窄まっているアヌスまでが男どもの目に晒されている。
速水がけしかけるように言った。

「ほら、見えてるじゃない。その尻の穴、好きにしていいんだよ」
「それなら私が」

普段は物腰が柔らかく優雅で、さすがに上流階級だと思わせる言動の多い遠坂がまず応じた。
セレブではあるが、そのせいかどうかわからないが、いささか空気が読めず、変わったところもある男ではあった。
しかし、まさかあの遠坂がそんなところに興味を示すとは誰も思っていなかったらしく、反論の声も上がらなかった。
速水がまた言う。

「取り敢えず、いじってあげれば」
「そうですね」
「ひっ!?」

不意に不浄の場所に触れられ、素子は身体を軽く跳ねさせた。
肛門に触れるなんて信じられない。
そこを犯されるのは、もう速水にいやというほど仕込まれたが、それでも直に触られるのには抵抗がかなりある。
そもそも、排泄器官なのだから男だって触るのはいやだろうと思っていたのに、速水だけでなく他の連中までそこへの関心を隠さないのだ。
しかも、真っ先に手を伸ばしてきたのが遠坂だとは思いもしなかった。

「とっ、遠坂くんっ!? ああ、だめっ、そんなところ触らないで!」

肛門を這う指から逃げようとするものの、膣には若宮の太いものが突き刺さっており、悔いのように身体を固定していた。
しかも両脚は中村と瀬戸口によって頭上に持って来られ、押さえつけられている。
逃げるに逃げられず、腰を捩って身をうねらせるのが精々だった。どんなに嫌がっても、遠坂の細身の指が執拗なまでに素子のアヌスを揉みほぐし、こねくっている。

「い、いや……いやらしい! どうしてそんなところばかり……ああっ……」

ややもすると緩んでしまいそうな肛門を懸命に引き締めているのに、金持ちのボンボンは平然と恥ずかしい箇所をマッサージしている。
そのうち素子の意志とは無関係に、アヌスがじんわりと緩み、ふっくらとほぐれてきてしまう。
遠坂が感心したようにつぶやく。

「ふうん、もうこんなに柔らかくなるとは……。なかなかのアヌスですね、それとも速水が言うように、もうこんなプレイには慣れっこなんですか?」
「失礼なこと言わないで! わ、私は上官……ひっ、んああっ……」

アヌスをいびられ、いやがってくねくねと淫らに踊り出した尻たぶに、男たちは興味津々だった。
そんなところを嬲られているだけでもどうにかなりそうなのに、それを見物されているのだ。
強気の素子でも泣きそうになってくる。
なのに素子の性器はじわっと触れそぼっており、陰毛が吸収しきれなかった蜜が滲み出し、肛門とそこを愛撫する遠坂の指まで濡らしていた。

「ふふ……、これだけ柔軟なら心配要りませんね。では……」
「あ、ひっ!? いやあ!」

遠坂は、男としては細い人差し指をそっと素子のアヌスに挿入していく。
見物の滝川たちからは、遠坂を羨むような声とやっかみの言葉が上がっていたが、主催者の速水はそのまま遠坂のプレイを黙って見ていた。
速水が特に指示しなくとも、遠坂の行為は素子の恥辱と屈辱を煽り、妖しい被虐の欲望に火をつけていく。
じわじわと指がアヌスに潜り込み、素子はいやでも悲鳴を放った。
指はあっという間に根元まで飲み込まれ、遠坂は指の付け根で素子のアヌスをぐりぐりと抉るように刺激している。

「あああ、許して……指、抜いて……お尻、いやあ……」

若宮の巨根に媚肉を深々と貫かれたまま、肛門まで指で抉られるなど信じられなかった。
遠坂の指は直腸の中で巧みに動き回り、直腸の壁越しに膣道内にある若宮のペニスに触れている。
若宮の男根と遠坂の指が内部で擦れ合い、素子は不自由な裸身を踏ん張って呻き、悶えた。

「んぐうっ、いや……あ、あ、だめ、中で当たってる……んんっ、遠坂くんの指が若宮くんのを擦って……いやああっ……」

遠坂の指が、粘膜越しに若宮のペニスをゴロゴロさせているのがわかる。
あり得ない恥辱ととは裏腹に、素子は体温が上昇しているのを感じていた。
身体の芯が疼いて熱く灼けるようだ。
子宮を中心にびりびりと甘い刺激が走り、熱が籠もっていった。
同時に素子の媚肉もきゅうきゅうと収縮を強め、くわえ込んだ肉棒を強く搾っていく。
遠坂の指が素子の粘膜を通してペニスを刺激し、若宮の方の快感も急上昇する。

「くそっ、締めすぎですよ副委員長どのっ」
「そ、そんなこと言っても……ああっ」

その間にも遠坂の指は激しく素子のアヌスを突き刺し、腸壁を擦っている。
内部を執拗にまさぐり、前後に抜き差しし、穴を拡げるように回転までさせていた。
素子の肛門は、にちゅにちゅと淫らな音を響かせ、男の指に従って縦横無尽に拡げられている。
こんなところで、どうしてこんなに乱れてしまうのか、素子にはさっぱりわからなかった。
わかるのは、速水以外の男に犯されても身体の方は十二分に感じてしまうということだけだった。
高まる素子の快感指数に合わせるかのように、媚肉を犯す若宮もその膣奥を深く突き上げる。

「だ、だめよ、そんな……あ、あううっ……あ……あくっ……」
「思わず出しちまいそうな色っぽい声ですな、副委員長どの。そんなにいいんですか」

小隊内ではもっとも軍人らしい軍人だったはずの若宮は、そう言って上官を嘲った。
今夜だけは無礼講と決め込んでいるようだ。
そんな部下に反発も出来ず、犯される女士官は息も絶え絶えに喘いでいた。

「や、こんな……いっ……あ、あんっ……」

素子は、思わず漏れそうになるよがり声を必死になって堪え、唇を噛みしめる。
そんな表情ですら、男たちの性感を煽りたて、彼らをけだものに変えてしまう。
アヌスを指で犯している遠坂も、素子の痴態を見るにつけ興奮を抑えきれなくなり、指の動きを一層に激しく大胆にしていく。
負けじと若宮の腰の動きも激しくなる。
浮き上がった素子の腰を押しつぶすように突き込み、また跳ねるようにも戻ってくる女の腰を何度も潰していく。

もう回りの連中も見ているだけでは収まらず、奇声を上げて素子の裸身にむしゃぶりついた。
中村は長くしなやかに伸びた官能的な脚にこだわり、ふくらはぎや太腿を指で丹念に揉み込み、舐め回している。
足の指を口に含み、指の股を舌で愛撫すると、素子は甲高い悲鳴と嬌声を上げていた。
滝川と瀬戸口は、それぞれ左右の乳房を担当し、手を伸ばして揉みたてている。
乳輪を舐め回し、ぷくりと膨れた乳首を指でこねくる。乳房の付け根から、肉を絞り出すように揉み込んでいた。

「いやあっ、そ、そんなにされたらっ……いっ……ああっ……」

素子の呻き声ははっきりとした喘ぎとなり、身体中が小さく痙攣し始める。
腰の震えも止まらなくなっていた。
膣と肛門の締めつけも一層に強まったことが、前後の穴を責め続けるふたりにもはっきりわかる。若宮の上擦っている。

「くっ……も、もういくんですか、副委員長どのっ……いや、素子さんっ」
「やあっ、そんなの……あ、あっ……だ、だめよ、もうっ……ああっ」

素子は顔を激しく振りたくり、さらっとした黒髪が宙を舞った。
それでも、体内に溜まっていた快楽を放出しきることは出来ず、官能圧力は限界に達していた。
素子がいきそうになっているのがわかったのか、それとも自分自身がもう限界だったのか、若宮はとどめを刺すようにして深く強く何度が奥を抉った。
合わせるように遠坂も肛門を深く奥まで突き込んだ。

「だ、だめええっっ……!」

素子の裸身がガクン、ガクンと何度か大きく跳ね上がり、首が仰け反った。
中村に抱えられた脚の指がぐぐっと強く屈まる。

「んっ、はあああっっっ……!!」

素子の全身がぶるるっと大きく痙攣し、若宮の肉棒と遠坂の指をきつくくわえ込んだふたつの女穴を食い締めた。
その強烈なまでの収縮には耐えきれず、若宮は思い切り深く突き込んでから呻き声を上げて射精した。

「んひぃぃっ!」

びゅるるっと、熱い粘液を勢いよく子宮口に浴びた素子は、もう一度ぶるるっと全身を震えさせて嬌声を上げた。

素子の激しい気のやりっぷりに、乳房や脚を責めていた滝川たちも、唖然としたような顔でその美貌を見つめている。
絶頂した美しい女性の表情を見ているだけで、もう射精したくなっていた。
彼らの股間にぶら下がったペニスは、もういっぱいいっぱいまで硬く膨れあがっている。

若宮は素子の身体をしっかりと抱き込み、射精の発作が終わるまで膣奥からペニスを抜かず、腰を揺すっていた。
遠坂は、きつく食い締めてくるアヌスの感触を充分に味わってから、ぬぷりと指を抜き去った。
ようやく満足できたのか、若宮も「ほうっ」と太い息を吐いてからペニスを抜き去った。
まだまだ硬そうなそれは愛液にまみれており、今にも湯気が立ちそうなほどだ。

素子の膣もまだ小さく口を開けており、今出されたばかりの精液を、中からとろりと零している。
素子は顎を突き上げたまま荒く息を吐き、鼓動で乳房を激しく上下させていた。
その乳房を軽く揉みながら、満足そうに若宮が言った。

「ふう、よかったですよ、副委員長どの。長年の夢が叶って満足です。ああ、速水おまえにも感謝してるぞ」
「そりゃどうも」
「でもなあ、いったんなら「いくっ」とか言って欲しかったですね、副委員長。速水とやってる時は派手に「いくうっ」とか何度も言ってたのに」

そんな戯れ言には応じず、素子は僅かに腰を捩った。
まだ両脚は中村によって持ち上げられ、大きく開脚された屈脚位にされたままである。

「ひ、ひどい……中に……中に出した……なんで中に出したのよ……」

素子の抗議に、若宮はきょとんとしている。

「何でって言われてもなあ……。セックスってそういうもんでしょ、副委員長どの」
「こんなに中に出して……も、もし妊娠したら……」
「妊娠?」

これには若宮だけでなく滝川たちも少し驚いたような顔をした。
彼ら第六世代は妊娠しない。
男の側の精液には精子はあるが、女の子宮には受精し、受胎するシステムはないのだ。
そんなものはとうに失われており、彼らの生誕はすべてクローン技術によるものなのだ。
今の世界で受胎可能な女は一握りだ。
第一世代の生き残り──いわゆるオリジナル・ヒューマンだけのはずだ。
ただ、素子などどうでもいいと思っているから関心がないだけだ。
若宮が呆れたように言った。

「俺たちが子作りなんかできっこないでしょうに。副委員長だって妊娠なんか出来ないでしょう?」
「……」

当然、素子もそのはずであった。
確かに素子は第六世代なのではあるが、受胎可能なのだ。
本来いないはずのタイプだった。
それは秘密事項だったし、彼らに言うわけにはいかない。
言ったとしても信じないだろう。
この小隊でそれを知っているのは速水だけである。
素子はそう思っていたが、実際は芝村舞もそのことは承知している。

素子が黙り込んだので、もう男たちは気にしていないようだった。
速水が急かすように手を叩いた。

「あんまり時間はないよ、今晩いっぱいなんだから。さあ、どんどんやったら?」
「よし、俺、いいよな?」

勇んで滝川が進み出てきた。
速水と上官の若宮の許可を得ると、歓声を上げて素子の身体に手を掛けた。
脚は頭上で中村が押さえつけて、膝が肩にくっつくような姿勢だったから、素子は逃げようもない。
そうされていなくとも、若宮に犯されて全身から汗を絞り出し、ぐったりしていた彼女にはろくに抵抗できなかっただろう。

滝川は中村に近づいて何事が耳打ちすると、小太りの中村はにやっと笑って頷いた。
「こん、好きもんが」と小さく呟き、素子の身体をぐるりとひっくり返した。
跪かせて犬這いにさせた上で、今度は素子の肩を押さえつけている。
中村のペニスも勃起しており、それで素子の頭を何度も擦っていた。
肉棒で髪の感触を愉しんでいるらしい。
剥き出しの下半身が女の顔の近くにあるのだから、普通なら素子の口にくわえさせると思うのだが、人の嗜好はそれぞれなのだろう。
さっきも脚の指まで舐めていたところを見ると、中村も変わった趣味があるのかも知れない。

「や……、こ、こんな格好……何をするの……」

四つん這い……いや三つん這いにさせられ、お尻を滝川に突き出した恥ずかしい格好にさせられた素子は、不安そうに振り返った。
そこには小柄だが筋骨たくましい学兵が仁王立ちしている。
その股間には、若宮や速水ほどではないものの、それなりの男根がそそり立っている。
硬そうに反り返り、腹にくっつきそうなほどだ。
若さと元気さがそこに凝縮されているように感じられた。
察した速水が苦笑して言った。

「なんだよ滝川、おまえもそっちがしたいのか? とんだ変態だったんだな」
「そう言うなよ」

速水にからかわれ、滝川が頭を掻いた。

「いや、さっき遠坂がここいじくってた時でも、原さん、けっこう感じてたじゃんか。なら俺もやってみたいなってさ。マンコは他の女でもしたこと
あるけど、さすがにこっちの経験はないんでね、戦死する前に一度くらいは……」

滝川はそう言って、素子の尻たぶをぐいっと割り開いた。
谷間の底に外気が当たり、素子は「ひっ」と喉を鳴らした。

「やめて、滝川くんっ。あなたまでそんなところを……」
「ええ、そうですよ、原さん。いいじゃないですか、俺に初体験させてくださいよ」
「初体験って……、あ、あっ!?」

滝川の指で剥き出しにされた肛門は、遠坂の愛撫の名残のせいか、まだ小さく口を開けている。
時折、脅えたようにひくひくと蠢いているのが官能的だった。
そこをいじくられて恥ずかしい愛撫をされると思った素子は、下腹に力を入れてアヌスを引き窄めようとしている。
そこに滝川の硬く尖った亀頭の先がぐぐっと押しつけられていく。

「あ、ああっ……!」

素子はハッとして振り返った。
これは指ではない。
この熱さ、弾力、そして太さ。
まぎれもない男根の感触だった。
今度は指ではなくペニスで犯そうとしているらしい。
慌てて腰を捩り、肉棒の矛先から逃れようとしたものの、その腰は滝川の腕でがっしりと掴まれている。
少年兵は、脅えて震える大きな臀部を抱き込むようにして、じわじわとアヌスを貫き始めた。

「ひっ、いやあ!」

悲鳴とともに素子の臀部が強張った。
続けて、アヌスが引き裂かれそうな激烈な痛みに仰け反り、背筋と腹筋まで強張る。
もうそこも速水に何度も犯されているのだが、未だに貫かれる時には目も眩むような違和感と苦痛があった。

「やめてっ……むむっ……い、痛い……滝川くん、やめ、ああっ……」
「くっ、やっぱきついな。でもいい感じですよ、原さん」

何しろ初めての肛門性交で何もわからないから、滝川の動きもぎこちない。
それでも膣より狭くてきついことはわかるから、あまり乱暴に犯しては傷つけるかも知れないということで、かなりゆっくり挿入している。
素子の呻く声とともに、肛門の粘膜がペニスに巻き込まれるようにして内部にめくれ込んでいく。
同時に肛門自体がぐうっと大きく拡張されていった。
その様子を見ているだけで滝川は興奮してしまい、さらに肉棒が硬く膨れていった。
内部に入り掛かった男根がまた大きくなったのをアヌスの粘膜で知り、素子は背筋を震わせて喘いだ。

「んむっ……むむう……だめ、入れないで……お、お尻を犯すなんて……ああ……」
「けっこうつらそうですね。でも、あれでしょ? 速水のでかいのもここに何度も入ってるんでしょ?」
「ううっ……で、でも……ああっ」
「なら俺のくらい平気でしょうに」
「うああっ」

素子の肛門がいっぱいに拡げられ、滝川の亀頭を飲み込んだ。
一瞬、裂けるかと思うような痛みが走ったが、柔軟な粘膜は傷もついていなかった。
なおもじわじわと挿入されてくるペニスの硬さと熱さにくらくらしながら、しっかりとそれを受け止めていた。
苦痛のせいか、大きく白い臀部が強張り、わなわなと小刻みに震えていた。
それを見て厚志が茶化す。

「素子、だめだよそんなに力入れちゃあ。何度も言ってるだろ、それじゃ痛いだけだ」
「厚志っ……やめさせて、すぐにこんなこと……うんっ……」
「滝川の顔見てみなよ、とてもやめそうにないよ」
「当たり前だよ」

そう言って滝川はとうとう根元まで押し込んでしまった。
腰に当たる丸く柔らかい尻たぶの感触が心地よい。
滝川のペニス断面の形に開かされた素子のアヌスは、熱くて硬いものを飲み込まされてひくひくと苦しそうに蠢いていた。
滝川が上擦った声で呻く。

「おお……、確かにマンコとは違うな。この、きついのがいいや。根元が思い切り食い締められて……くっ、たまんねえな」
「やっ、やあっ、動かないで!」

滝川は食い千切られそうなアヌスの感触を愉しみつつ、ゆっくりと腰を揺すっていった。
もう少しじっとして素子の締め付けを味わってもいいと思っていたが、あまりの気持ち良さに腰が勝手に動いてしまうのだ。
ぬぷっ、ぬぷっと肛門を男根が出入りする痺れるような苦痛に、素子は悲鳴を上げて顔を振りたくった。
もう中村が押さえなくても逃げようとはせず、自ら両手をベッドに突いてバックスタイルで滝川の責めを受け入れている。

「お尻……つらいっ……もういやあ、やめてっ……」

素子の美貌が汗にまみれている。
アヌスが裂けそうな苦痛と同時に、身体の奥から肉の疼きが込み上げてきていた。
声を抑えようと懸命に噛みしめている唇が緩み、呻きとも喘ぎともつかぬ音色が流れ出る。
滝川に突かれるたびに膝がおののき、姿勢が崩れる。
その腰を掴み上げられ、尻を固定されると、また深々と貫かれていく。

「や、やあ……うむっ……お、お尻……ああ……んんっ、か、硬いっ……ひあっ……」

柔らかいアヌスが硬い肉棒に抉られ、素子の美貌が苦悶に歪む。
肛門を犯されているのに、媚肉まで反応していた。
そこはまた濡れ始め、陰毛の先からぽたぽたと蜜が垂れている。
ずんと深く突かれてるたびに乳房もゆさっと官能的に揺れ、男たちを魅了した。
今度は瀬戸口が素子の裸身にまとわりついてきた。
中村を邪険に追い払うと、素子の脇に手を入れて四つん這いになっている上半身を起こしていく。

「ああっ、何を……」
「おいおい瀬戸口、何する気だよ。まだ俺が……」

素子だけでなく肛門を犯している滝口も口を尖らせて抗議した。
しかし瀬戸口は動ぜず、速水を振り返って確認する。

「なあ、厚志。原少尉どのは二穴されたことあんの?」
「あ?」
「サンドイッチだよ、サンドイッチ。ない?」
「そう言えば……俺はしたことないね。過去は知らないけど。どうなの、素子」

速水が面白そうに素子の顔を覗き込んで聞いた。
何のことかわからず、素子は肛門のきつさに呻きながら速水を見ている。

「な……何のことよ……ああ……そ、そんなことより、こんなのいやよ。やめさせて……あうっ……」
「だめだめ。男がこうなったら、出すまでは終わらないよ。それにオマンコじゃなくて尻の中ならいくら出しても孕んだりしないよ」
「そ、そういうことを言ってるんじゃないわ。もういや……やめさせ……ああ……」
「それより質問に答えてよ。経験あるの? オマンコとお尻の穴、同時にやられたことある?」
「な……」

あまりのことに素子は大きく目を見開いた。
お尻を犯されているだけでも気が狂いそうなほどの苦痛と恥辱なのに、この上前まで許すなどあり得なかった。

「あ、あるわけないわっ! バカなこと聞かないでよ」
「……だってさ、瀬戸口。初体験らしいけど、この身体だからね。少々きつく責めてもいいよ。前、やってあげな」
「や、やるって何を……あ、瀬戸口くんまで……何するのよ!?」
「聞いてたでしょう、俺と速水の話」
「え……」

もう素子は膝立ちになって上半身は起こされている。
その状態で滝川にアヌスを貫かれているのだ。
瀬戸口は素子の綺麗なラインの顎を摘むと、顔を近づけて優しく言った。

「だからね。滝川にお尻を犯されたまま、俺とはマンコでセックスするんですよ、同時にね」
「な、何ですって!?」

素子の顔からさあっと血の気が引く。
唇がわなわなと震えていた。

「ふ、ふたり同時って……そんなことって……ほ、本気なの!?」
「本気かどうか、すぐわかりますよ。ほら、これ見て」
「ひ……!」



      戻る   作品トップへ  第四話  第六話