牛尾は意地の悪そうな表情を浮かべ、有無を言わさずに夏実に尻を大きく割った。
そして尻の狭間に熱いペニスの感触があった。
「ああっ、お尻いやっ……前、前にして……ああっ!」
牛尾の肉棒は僅かに緩んだ夏実の肛門を捉え、そのまま狭い穴をこじ開けるよう
にしてゆっくりと突き進んだ。
「ああっ……お尻ぃっ……!」
驚いたことに、太い亀頭はたちまち飲み込まれていた。
それでもやはりきついのか、夏実は全身を息ませ、臀部を強張らせてわなないて
いる。
なおもめり込んでいく怒張に、アヌスから身体が引き裂かれるかのような苦痛と
無理にされているという被虐の快感を感じ、ぐぐっと首を仰け反らせた。
「きっ……きつっ……あ、あ……くううっ……」
熱いペニスに負けぬほど、灼けるほどに熱くなった腸粘膜が絡みつく。
狭い腸管がみっしりと埋まり、アヌスは苦しげに太いものをくわえ込んでいた。
いっぱいまで拡げられた夏実の肛門は喘ぐようにひくついている。
柔らかくなったアヌスは、硬直した怒張に貫かれ、なおも奥への侵入を許していく。
長砲身の肉棒が肛門粘膜と腸管を擦り上げ、夏実を喘がせていた。
「うああっ、いっ……いいっ……くうっ……お尻、いいっ……ああっ……」
「そんなにいいですか。俺もいいですよ、やっぱり夏実さんのアヌスは最高だ。
へへ、もと恋人さんにはまだ尻を許してないんですか?」
「し、してないわよ、そんなことっ……」
夏実は首を振りたくりながら答えた。
「と、東海林くんは、あっ……こ、こんな変態なこと、いいっ……し、しないのよっ
……ああっ……あ、あんたと一緒にしないでっ……ひぃっ……!」
「喘ぎながら何言ってんですか。お尻犯されて悦んでるのは夏実さんでしょ」
「う、るさい……ああっ……!」
20センチを超えようかという長大なものが、ずぶずぶと腸管の中に埋め込まれて
いく。
まるで腸から胃まで内臓が押し上げられるかのような感覚だ。
ひさびさの肛門性交はやはり強烈だった。
「あ、あ、うむっ……お尻っ、入ってくる……ああっ……」
腹の奥までみっちりと埋め込まれる圧迫感に、夏実は苦しげに呻いていた。
太いものが突き刺さった臀部はびくびくと痙攣している。
牛尾はきゅうきゅうと締め付けてくる夏実のアヌスの心地よさを堪能しながら、
ぐいぐいと腰を使っていった。
腹が夏実の臀部にくっつくほどに根元まで押し込んでから、ゆっくりと引き抜いて
いくと、夏実は腹の底から呻き、喘いだ。
「うあああっ……うんっ……」
まるで膣襞のようにペニスにへばりついた腸粘膜は、肉棒は引き抜かれると外へ
ずるずると引き出されていく。
そしてまた押し込まれるように中へと押し戻されていった。
精一杯に押し広げられた夏実のアヌス粘膜は、牛尾の男根に絡みつき、ひくついて
いた。
ひさしぶりのアナルセックスに夏実が慣れてくるのを見て取ると、牛尾は徐々に
動きを大胆に、ストロークを長くしていった。
肛門粘膜を巻き上げて引きずり出し、めくり込ませる。
派手に張ったカリの部分でごりごりとアヌスや腸管をこそぎつつ、ドシンと腰を
打ち付けると、夏実は大きく喘いで尻をうねらせた。
「くあああっ、いっ……いいっ……ひっ……ああ、いいっ……お尻が……お尻があ
っ……」
ずぶずぶっと抉り込んでやると、そのたびに気をやったかのようなよがり声を上げ
つつ、夏実はその身をのたうち回らせた。
抜く時はゆっくりだが、貫く時は一気にである。
ずぶぶっと一息に奥まで貫かれると、夏実は握りしめた拳に力を込めた。
顔を振りたくるため髪が乱れ、額や首に浮いた汗でへばりついている。
「あああっ……ひぃっ……あ、お尻がっ……くっ……ひ、広がっちゃうっ……いい
っ……」
夏実は自分から腰をうねらせ、尻を振りたくっていた。
その臀部は大きく割られ、谷間がほとんどない。
その奥にある排泄器官は、醜い男根を迎え入れ、かき回されていた。
「ああっ……あああっ……」
「おや、声が変わったな。夏実さん、もういくんですか」
「くっ……」
夏実は悔しそうな顔をしたが、すぐにコクッと頷いた。
もうここまで追い込まれてしまうと抵抗もできないし、ウソも強がりも出来なかっ
たのだ。
牛尾は夏実のよく張った尻をがっしり掴むと、力強くピストンしていった。
ぐぐっと上に反り返った肉棒は、背中側の腸管を鋭く刺激し、擦り上げていく。
異物に苦しみ、窄まろうとする肛門を強引にこじ開け、容赦なく押し広げていった。
「おっ、お尻っ……お尻、だめっ……あああっ、ひっ……い、いっ……く……いっ
……くう……」
今にもいきそうにわなないている夏実の尻を抱え持ち、牛尾は思い切り自分に引き
寄せては腸の奥まで突き上げ、蹂躙していった。
アヌスは媚肉からの蜜と腸液とですっかり濡れそぼち、爛れていた。
白く丸い臀部は汗でぬらつき、僅かな月光を妖しく反射していた。
夏実の熟れた臀部はむっちりと肉と脂が乗り、汗と粘液で淫らに濡れることで一層
にその淫靡さを引き立たせている。
牛尾が挿入のピッチを上げて激しく肛門を突き上げていくと、夏実はがくがくと膝
を痙攣させてきた。
いきそうなのだ。
牛尾はガバッと夏実の背中に覆い被さり、その髪に顔を埋める。
夏実の甘い汗の芳香がこの小男を陶然とさせた。
そのまま前屈みになって夏実の胸に手を伸ばし、ゆさゆさと揺れる巨乳を握りしめる。
汗でぬらついた乳房の感触が、ナマの女を実感させた。
胸を揉みしだかれることで、さらに夏実の性感を押し上げていく。
「くっ……おおっ……だ、だめっ……ああ、もうだめえっ……ひっ……いっく……
いっちゃうってばあっ!」
「いいんですよ、いっても」
「だ、だって、いやっ……お尻でいくなんていやあっ……いいっ……」
「何を今さら。何回俺にアヌスを犯されていかされたと思ってるんです」
「いやあっ……あ、いく……どうしよう、いきそうっ……あ、いく……いっく……
いくううっっ!!」
牛尾はドンドンドンと三度深く突き上げた。
三度めは、腰を使って夏実の尻たぶをこじ開け、出来るだけ密着させて深くまで犯
した。
亀頭が腸管をごりっと抉り、アヌスを拡げ、びりびりっと強い電流のような刺激が
夏実を襲い、呆気なく絶頂まで押しやった。
いかされた瞬間、夏実はがくんがくんと二度ほど大きく痙攣し、どたりと突っ伏した。
「……」
「あう」
牛尾はまだいきり立ったものを夏実のそこから抜き去った。
硬いままのものがずるるっと引き抜かれ、その擦られる快感で夏実はまた喘いでいた。
亀頭がアヌスをいっぱいに拡げ、ようやく外に出てきた。
くっきりと浮き出た背中の線が悩ましかった。
まだ膝立ちのまま突き出された尻を軽く撫でると、それを押し倒した。
ごろりと横向きに寝転がった夏実は、また半回転させられ、今度は仰向けにされた。
いかされた余韻を味わっているのか、まだぼんやりしたままだ。
そんな霞の掛かった視線で牛尾を見ながら言った。
「……な、なんで……」
「なんで? なんでって?」
「あ、あんた……その……出さなかったから……その……」
「へえ、出して欲しかったんだ」
「……」
「夏実さん、俺の精液が欲しかったんだ。お尻の中に射精して欲しかったんですね」
「うるさい……黙れ」
夏実は言ってしまってから、ハッとして口をつぐんだ。
どうしてそんなことを口走ってしまったのかよくわからない。
こんな男の精液が欲しいはずがない。
まして中に出して欲しいわけがないのだ。
なのにどこか物足りない。
死ぬほどの苦痛と恥辱を味わわされ、その後はアヌスを犯されて激しく気をやった
のだ。
物足りないどころかゲップが出そうなはずである。
牛尾は、M字に立っていた夏実の膝を掴むとぐいと割り拡げた。
「あっ……」
(こ、こいつ、まだあたしを……)
これだけ酷いことをしながらも、まだ満足しないのか。
牛尾を睨みつけてやろうとと思ったものの、夏実の視線はいつしかその男根にいって
しまっている。
自分の脚を開かせ、その股間に入り込み、これ見よがしに突き出されているたくま
しい肉棒。
いけないと思い、夏実は視線を外した。
それを見透かしたかのように牛尾の勝ち誇った声が言う。
「ふふ、物足りなかったんですね」
「……」
「お尻でも充分いけるようにはなったけど、まだオマンコの方がいい、と」
「……」
「最後はオマンコをたっぷり犯してもらって、中にどっぷり出されないと満足でき
ないんですね」
「か、勝手なことばっかり……」
「お、まだ強がってますね。いいなあ、夏実さんらしいや」
完全に遊ばれている。
夏実は悔しげに唇を噛んだ。
だがすぐに現実に引き戻される。
「あっ……」
牛尾が、ペニスで夏実の媚肉をずるっとなぞってきたのだ。
割れ目に沿って、上から下へ、下から上へと、さっ、さっと擦ってくる。
見る見るうちに割れ目は大きく花開き、その中からねっとりとした蜜が滲み出て
しまった。
「くっ……あ……」
ぴりっとした快感が走る。
だが一瞬のことだ。
するっと擦られると痺れるような甘い快楽が夏実を陶然とさせる。
いつしか夏実は、上下に動くペニスを追うかのように腰を動かせていった。
牛尾が嘲笑った。
「恥ずかしい動きだなあ、夏実さん。そんなの欲しいの? 口じゃ強がってるのに」
「……」
「欲しいなら素直に言ってくださいよ。すぐにでもあげますよ、ほら」
牛尾はそう言ってペニスを指でつまみ、ぶらぶらと揺すって見せた。
牛尾のカウパーが漏れているのか、それとも夏実の愛液が絡みついたのか、その
先端はぬらぬらと濡れ光っていた。
いかにも硬そうでたくましいそれは、男の象徴のように見えた。
「ほら、そんな物欲しそうな目で見てないで言えばいいでしょうに」
「……」
「言えないの? じゃあお預けだけど。このまんま放っておきますよ。ま、元カレ
にでも誰にでも抱かれればいいじゃないですか」
そんなことが出来るはずもない。
出来ないように恥丘に刺青したのはこの男なのだ。
いや、仮にそうでないとしても、今の夏実には牛尾のこの野太い肉茎でしか、この
身体の火照りは抑えられないことを知っていた。
「……し……」
「なんです、はっきりと」
「し……してよ」
「何を? 誰が誰に何をするって?」
あまりのわざとらしさに、一瞬怒気を走らせた夏実だったが、すぐに諦めたように
顔を伏せた。
「して……。あ、あんたので……あたしに……」
「……」
「あんたのものを……あたしに、その……入れて……」
「どこに何を」
「くっ……。あ、あたしのオ、オマンコ……オマンコに……あんたのちんぽを入れて
って言ってんのよっ!」
「ほう。じゃあ俺とセックスしたいと、こういうわけですね」
「そ、そうよっ! さ、さっさとあたしを犯したらどうなのよっ! セ、セックス
しなさいよっ!」
夏実はほとんどヤケクソだった。
何がどうなっているのかよくわからない。
わかるのは、自分の肉体の奥からふつふつと沸き起こる淫らな欲望のみだ。
牛尾が少し屈んだまま、じっとしているのを見ると、いかにも忌々しそうに睨み
つける。
「は、早くしなさいよっ……」
「そんな言い方ないでしょう。そんなにしたいならご自分でどうぞ、ほら」
「こ、こいつ……どこまであたしを……」
牛尾はペニスが夏実の性器に触れるか触れないかのところで止まっている。
ぶらつかせ、そこに擦りつけるような真似もした。
「くっ……」
夏実は喉の奥で唸ると、顔を背けたまま牛尾の逸物を掴むと、そのまま自分の媚肉
に押しつけてた。
熱くて硬い感触に、背筋に期待が走り抜ける。
そのままペニスを膣へと沈め込んでいった。
「くうっ……!」
膣を押し広げる亀頭の太さに、夏実はくらくらした。
もう手が震えてそれ以上動かないようだ。
牛尾はここで夏実の手を払いのけ、そのまま覆い被さってずぶずぶと奥まで埋め込
んでいく。
「んっ、はあああっ……!」
肉棒が膣をこじ開け、ゴリゴリと膣道を擦りながら挿入されていく感触で、夏実は
もう軽く達してしまった。
夏実は腰をぶるぶると震わせたまま、白い喉を晒して仰け反った。
それを確認しながら、牛尾は膣の底まで挿入していく。
「もういったんですね?」
「あああ……い、いったけど……あ、また……くうっ……ふ、深いっ……深いわよ
……あっ……」
「まだまだ。もっと入りますよ」
「ひっ……だめ、それ深すぎるっ……あ、あんたのでかいんだから少しは加減して、
ああっ……!」
ふたりの股間が密着すると、肉棒は夏実の子宮にまで楽々と届いた。
それだけでなく、子宮を上へ押し上げ、胃を圧迫するほどまでに深く挿入されて
いる。
子宮口が下から潰され、子宮自体がひしゃげている。
「おおっ……すご……お腹……お腹のいちばん奥に来てる……ああ……当たってる
……当たってるってばあ……深いぃ……」
荒々しい息を吐き、しなやかな肢体をうねらせながら、膣から突き込まれてくる快楽
に夏実は酔った。
わなつく唇からは熱い息と淫らな喘ぎが漏れ、ひたすら貫かれる媚肉はよだれを溢れ
させながら嬉しそうにくわえ込んでいる。
「くっ……すごっ……ど、どうして……どうしてあんたのはこんなにいいのよっ…
…ああっ……いっ……」
「そうでしょう、そうでしょう、俺もすごくいいですよ。俺と夏実さんは相性抜群
なんだ」
「ち、違うっ、そんなこと、あっ……あるわけないでしょっ……ひぃっ……」
「喘ぐか喋るかどっちにかしてくださいよ。性格はわからないけど、ほらセックス
の相性はいいでしょうに。俺たちが一緒に暮らしても性の不一致だけはないですよ」
「だ、誰があんたなんかと暮らすってのよっ……ああっ……バカばっか言わないで、
いいっ……!」
「だから一緒に暮らすうちに性格も合うようになりますよ。そういうのは時間が
解決します。それまではセックスを愉しんでればいいや」
「い、いやっ……あうう……」
リズミカルに腰が動かされてくると、夏実の膣はさっきよりもいっそうにきつく締ま
りだし、蜜を溢れさせてくる。
そのうち、膣奥がひくひくと収縮してきた。
媚肉入り口の締まりもきつい。
いきそうなのかも知れない。
牛尾は夏実のすらりとした太腿を跡が残るほどに強く握ると、ガンガンと腰を突き
上げていった。
いきなりの猛烈な攻勢に、夏実はたちまち達してしまう。
「あっ、だめ、そんな強くっ……だめ、それだめだってば、ああっ、いく……また
来るっ……ひっ、いっく……いく!!」
達した夏実がびくびくっと大きく痙攣すると、媚肉も連動して強く締め付けてきた。
しかし、まだここで精を洩らすわけにはいかず、牛尾はその甘美な収縮を堪えて
なおも突き込んでいく。
ずぶっと奥深くまで肉棒が差し込まれ、子宮口を押しつぶすたびに、夏実はひぃ
ひぃと喉を涸らした。
「あ、はああっ! 深いっ、いくっ! あ、当たってるぅっ……ああ、いいっ……
いいっ、いくっ……またいくっ!」
夏実は連続的に気をやっていた。
もう彼女の美貌は苦悶に誓い表情となっており、実際に息苦しいのだろう。
それほどに強い快感を得ており、呼吸もままならぬ状態なのだ。
よがり、喘ぐ夏実の美貌は生々しいほどに美しかった。
「ああああっ……いいっ……くっ……ああ、どうにかなるっ……き、気持ち良すぎて
おかしくなるわっ……いいっ……」
身体が浮くほどの激しい突き込みを受け続け、その肉体も限界に近いだろうに、夏実
はもっともっとと求めるかのように片手で牛尾の腕を掴んでいる。
そしてもう片方の手は、自分の大きな乳房を揉みしだいていた。
細い指をいっぱいに拡げ、大きな肉塊に食い込ませている。
「しっ、死ぬっ……死んじゃうっ、いいっ……くううっ……い、いいっ……!」
性に狂った牝になりきった夏実は、下から牛尾を突き上げるように腰を使っていく。
もう子宮が潰れそうなほど奥まで入っているのに、もっと奥へと望んでいた。
腰使いは淫らそのもので、牛尾の腰に合わせてうねり、くねっている。
膣からの快楽では足りないのか、それともその快楽を少しでも紛らわそうと言うの
か、乳房への愛撫が続いている。
堅く立った乳首をこねくり、引っ張り上げるようなことまでしていた。
「夏実さん、乗って来ましたねっ、くっ、俺もすげえいいや……。その腰の動き、
色っぽすぎますよっ」
「ああっ、だ、だって……だって勝手に腰が……腰が動いちゃうのよっ……いいっ
……ああっ、奥に来てるっ……あんたの硬いのが……ぶっといのが奥に当たってる
っ……すごいっ、ああっ、またいきそうっ……!」
夏実は牛尾を跳ね上げそうなほどに仰け反り、大声でよがっていた。
顔を振りたくり、黒髪がばさばさと激しく宙を舞っている。
背中をぐぐっと反り返らせ、せり上げた腹筋がびくびく痙攣していた。
「夏実さんっ、いきたいですかっ」
「い、いきたいっ……ああ、もういきそうっ……あ、どうしてっ!? どうして
……」
いきなり腰の動きが止まり、夏実は驚いた──というより、激しく動揺した表情で
牛尾を見上げた。
その腰はもどかしそうにうねっている。
凛とした美貌は、もはや色慾にどっぷりと浸かっていた。
「どうしてよ、ねえっ……い、いきそうだって言ってるでしょっ……」
「夏実さん」
「な……なによ」
「夏実さんは誰のものですか」
「また、そんなこと……」
「言えないんですか」
「あ、あんた……あんたのものよ……これでいいんでしょ」
「それでいいんです。よし、その身体に俺を忘れられないようにしてやりますよ!」
「あひっ……!」
太腿を押さえ込んでいた手を離し、牛尾はとどめの攻撃に入った。
また始まった激しい攻勢に、夏実はまた頂点に向けて走り出す。
「ああっ、こ、これっ……これ、いいっ……あ、激しいっ……つ、強すぎるっ…
…あ、いく……またいく……し、死ぬうっ……」
夏実は髪を振り乱しながら、またよがり始めた。
強すぎる、激しいと言いながらも、牛尾の腰の動きに合わせ、自分の腰も激しく
上下させている。
牛尾は夏実の腿の付け根を腕で押さえ込み、その真上からガンガンと下に突き込
んできた。
杭を打ち込むように媚肉へ肉棒を叩きつけ、激しく律動していく。
もう、カリで内部を抉るとか、先端でGスポットを刺激してやるとか、そういう
細かいことはしていない。
ただひたすら、子宮口を潰すかのように奥深くまで貫くことだけを心がけていた。
夏実の膣もそれに応え、まるでアヌスのようにきつく収縮していく。
射精したがってびくびく脈打っている牛尾のペニスをぎゅうぎゅうと締め付け、
出したくても出せないほどだ。
襞は総動員でペニスを擦り、粘膜はへばりつき、膣内から出すものかとばかりに
くわえ込んでいる。
さすがに牛尾も、これには堪えきれなくなった。
「な、夏実さんっ……俺、俺もだめだ、もう出るっ……!」
「いっ、いいっ……は、早く何とかして、おかしくなるっ……い、いくっ……ああ、
もういってるぅ……いってるのに、またいくっ……あああっ……」
「な、中ですよ! 中に出すからっ!」
「ど、どこでもいいっ、どこでもいいから早くぅっ……あ、あ、出して……中で
いいから出してぇっ……!」
「夏実さんを孕ませる! それでいいんですねっ!」
「いいいっ……何でもいいっ……に、妊娠してもいいから出してっ……い、いっく
ううっっ!」
「くおおっ!」
夏実の膣が肉棒を食いちぎろうかというほどにに締め付けてきた。
膣内の快美が限界まで高まり、夏実は激しく絶頂した。
小さな絶頂を重ねながら、最後に極めつけの絶頂が訪れ、夏実は全身をがくがくと
大きくわななかせ、掴んだ牛尾の腕に爪を立てた。
牛尾は欲望の赴くままに深く抉り、疲れ切って口を開けた子宮めがけて思い切り
射精した。
どっびゅっ、どびゅううっ、びゅるっ。
びゅしゅるるっ、びゅくくっ。
堪えきれない猛烈な射精欲に促され、牛尾は夏実を抱きしめたまま精液を放出して
いた。
腰が震え、陰嚢がわななくほどの射精が夏実を襲ってくる。
子宮口はしたたかに濃い精液を浴びせられ、跳ね返ったものが胎内を駆け巡っている。
駆け巡るといってもどろどろに濃い粘液だから、あちこちにひっかかってこびりつく
だけだ。
「はああっ、出てるっ……ああ、またあたしの中に出した……中はいやなのに……
お腹の奥に出されてる……いい……い、いく……いくっ……」
びしゃっと精液が噴き出されてくるたびに、夏実は小さく気をやっている。
びくんびくんと全身が痙攣し、腕も脚も突っ張るように伸びきっていた。
脚は、腿とふくらはぎの筋肉が浮き、今にも攣りそうなほどに痙攣している。
足の甲を反らせ、指までが反り返っていた。
びゅる、びゅるっ。
びゅっ。
びゅくっ。
「あ、あうう……まだ出てる……多すぎる……あんたの精液、多すぎるのよ……
あああ……」
長い射精がようやく終わると、夏実はぷつりと切れたようにがっくりと項垂れた。
肩も胸も激しく動き、足りなかった酸素を補給している。
指先すらも動かすのが億劫になるほどの激しい絶頂だった。
完全に肉体が牛尾のものにされたと実感した。
牛尾は挿入したまま、夏実の乳房を軽く揉んでいる。
「ああ……」
夏実はまた小さく喘いだが、いくら牛尾でもこれで連続セックスするのは無理そうだ。
数だけならまだまだいけるだろうが、夏実がここまで翻弄され、情欲に狂ったのは
初めてなのだ。
それに牛尾も当てられてしまい、全精力をつぎ込んだ気がしていた。
牛尾は夏実の乳を揉みながら言った。
「……これで本当に俺のものですね」
「……そうよ……しつこいわ……何度も言わせないで……だから」
「だから……?」
「美幸……、お願いだから美幸には何もしないで……」
「なるほど、俺を独占したいわけだ」
そんなわけがない。
「くくく。でも、ここまで淫らになった夏実さんは俺だけじゃ満足できないかもね。
元カレにも抱かれたいんじゃない?」
「バカ……。こんな身体にされて……東海林くんに抱かれるわけにいかないわ……」
「そうでしたね。夏実さんのオマンコには俺の刻印もあるわけだし。あ、そういう
意味じゃないか。もう俺のチンポでしか満足できない身体なんですね、くくっ」
「……」
愛液と牛尾の精液で、夏実の媚肉はどろどろになっていた。
剃毛され、無毛になった恥丘には、へたくそな字だがはっきりと牛尾展也の「展」
の字が彫られていた。
────────────────────
お台場の第13号埋立地。
警視庁警備部特殊車両二課はここにある。
霞ヶ関の新庁舎ではとても装備品が収まらず、この埋立地に押し込まれている。
旧庁舎時代からそうだったのだから、新庁舎になった際にその収容スペースを考えて
建設すれば良さそうなものだが、オフィスはともかく倉庫と整備棟はそれなりの面積
を必要とするため、経費節減の折、従来通り埋立地のまま、ということになった。
本庁内部では、装備品──つまりレイバー──ごと新庁舎に移し、それを民間人にも
自由に見学させて、警視庁に親近感を持ってもらおうという案もないではなかった。
内部では「問題部署」であり「札付き警官」のたまり場であったが、外面的にはレイ
バー隊は花形であり、人気もあったのだ。
一方で、そうした重装備はマニアには受けるかも知れないが、民衆に対しては要らぬ
威圧感を与えることになるという意見も根強く、結局は見送りとなっている。
そんな上のやりとりは特車二課の面々には他人事だったようである。
率いる南雲警部の人柄もあって、一課の課員たちは仕事一途の真面目人間ばかりだっ
たし、二課は後藤警部補の影響なのか、そうしたことに関心を示す者はほとんどいな
かった。
整備員たちも、一種「独立愚連隊」じみたところがあったし、班長の榊自身、あまり
本庁が好きではなかったから、余計に無関心であった。
そんなある日の夕方。
もう定刻になろうとしている頃だった。
隊長室には、いつものように南雲警部と後藤警部補がデスクに陣取っていた。
二課は、前課長の福島警視が転任して以来、南雲が警部に昇進の上、課長を兼務して
いる。
いずれは新たな課長が来るか、あるいは南雲がそのまま課長職に就き、後任の第一
小隊長が来る手はずになっていたが、未だ知らせはない。
室内では、後藤があまりやる気のなさそうな表情でデスクのパソコンに向かっている。
南雲しのぶの方は、頬杖をしながら新聞をめくっていた。
これは珍しい光景で、普段はこの逆なのである。
後藤の方は、提出しなければならない報告書がいくつも溜まっていて、さすがにもう
先送りできなくなったために、不承不承デスクに向かっているだけだ。
一方のしのぶは、当然のように報告書はとっくに提出しており、今日は定時勤務で
あり、事件もないので、このまま退勤するだけだったということである。
そのしのぶが「あら」と、小さく声を上げた。
後藤がちらと視線を上げる。
「……どしたの? 何か面白い記事でもあった?」
「ええ……。珍しいわね、後藤さん、今日、新聞読んでないの?」
後藤は、特に急ぐことがなければ、毎朝出勤すると、届いている朝刊全紙を隅から
隅まで読むのが習慣となっている。
ネット全盛時代となっても、よほどのことがない限り、ネットではなく新聞から
情報を取っている。
どうしてもネットで調べ物がある時は、部下の進士巡査や篠原巡査、あるいは熊耳
巡査部長に頼んでいる。
後藤に言わせれば、モニタを長時間眺めていると目が疲れるし、新聞の紙とインク
の匂いが良い、ということになる。
ただ、出動が重なったり、こうして事務仕事が溜まってしまうと、どうしても後回し
になる。
「脱走ですって。最近、珍しいわね」
「脱走?」
キーボードと格闘するのに飽きたのか、背もたれに大きくもたれかかって、後頭部
を両手の平で抱えている。
「……あら、三日前だわ、これ。すぐに発表しなかったみたい」
「世間体、気にしたのかな」
「みたいね。拘置所から地裁へ移送中……じゃないのか、地裁に着いたところで、
護送の警官の隙を突いて……と、あるわ。まだ逃走中……」
「しかしなあ、まだ捕まってないのなら、さっさと発表して地域の人たちに注意を
喚起しないとまずいのに」
「そうね……。でも護送の警官がいたのに逃げられたってことで、みっともないと
思ってたんでしょう」
「引き延ばしても意味ないのにねえ。かえって批判される……」
そう言って後藤は顔をしかめた。
しのぶは新聞を畳んで、冷めたコーヒーを口にした。
「そう言えば日本は本当に脱走って少ないわね。外国じゃけっこう多いのに」
「そうだよねえ。南米とか中米あたりじゃ、囚人たちが暴動起こして集団脱走する
とか、麻薬組織のボスが捕まって収監されてた刑務所に、組織のヘリが襲撃して
脱獄させようとしたとか、派手なのがあるもんねえ」
「まあ、そこまでいかなくても欧米でも年間で数百件は楽に脱獄事件があるのに
日本は……」
「確か1982年以降、年間3人以下だったと思うよ。特に1997年から20
00年までの4年間なんてゼロだったはずだ。受刑者は一日平均4万人を超えて
いたってのにね」
「奇跡的なことなのよね。それに脱走した犯人も、親とか奥さんとかに付き添わ
れて自首するってケースも多いわ」
「その辺が日本人的なんだろうな。それこそ欧米じゃ考えられないんだろう」
「根が真面目なんでしょうね。囚人にしても「罪を犯したんだから」って諦めて
るんでしょうし、本物のワルというのがいないんだわ」
「ま、今の世の中、刑務所の方が待遇がいいとばかりに、わざと捕まる輩もいる
ことだしねえ」
そう言って中年の警官ふたりは笑い合った。
後藤が聞いた。
「ところでその脱走したやつって、何したの? もう無期とか死刑とか、その
くらいの……」
「それが全然」
しのぶはそう言いながら手を振った。
「確か、詐欺だか何だか。自動車保険絡みの詐欺とか、あとはネットオークション
詐欺だったかな。まだ二十歳くらいの学生だったとか……」
「ふーん……学生? じゃ、初犯? そうか……。それでその程度だったら、おと
なしく反省して臨めば執行猶予も取れたんじゃないの?」
「そうよねえ。何て言うか、若い子は刹那的な人が増えてるのかしらね」
「それとも、逃げなきゃならない理由でもあったのかな……」
後藤はそう呟いて、椅子をギシギシ鳴らしながら天井を見ていたが、すぐに何か
思いついたかのように起き上がった。
ガシャンと椅子が鳴って、しのぶが少し驚いて後藤を見ている。
「どうしたの?」
「……自動車保険詐欺……ネットオークション詐欺……。20歳の学生?」
「……?」
「しのぶさん、それ犯人の名前、載ってる?」
「……ええ、確か」
畳んだ新聞を拡げて記事を確認したしのぶが言った。
「……牛尾展也って書いてあるけど。後藤さん、知ってるの?」
「知ってるも何も……、お」
電話しようと思ったのか、携帯を取り出した途端、着信が来た。
「はい後藤。松井さん? いや、今、電話しようと思ってたのよ」
知り合いの捜査課警部補の刑事の声がした。
─新聞読んだんだな? 牛尾だよ、あいつが脱走した。
「今、知ったんだよ。驚いたねえ、どうも。そんな大胆なことするようなタイプに
は思えなかったけど」
─俺もだよ。一度だけ顔を合わせたことがあるが、いわゆるオタクってやつで、
妙におどおどしてたぜ。そんなやつが何だってまた……。
「例の婦警さんじゃないかな」
─後藤さんもそう思うか。俺もだよ。例の所轄の婦警、あれにお礼参りでもする
つもりなんじゃないかな。それ以外の動機は思いつかないよ。
「そんなところだろうな。それで、その婦警さんに連絡した? あ、松井さんが
言っちゃまずいのか」
夏実も美幸も、牛尾逮捕の裏に後藤と松井の暗躍があったことは知らない。
ふたりとも知らないことになっているのだ。
もともと美幸から榊へ、そこから後藤へ来て松井に届いた話だったのである。
松井がすべて知っていて逮捕に協力したことが知れれば、夏実が酷い凌辱を受けて
いたことを知っていたこともバレることになる。
別に松井はそれでもいいが、夏実は困るだろう。
─思わず言いそうになったけどな。実はな、後藤さん。その婦警……辻本夏実巡査
ってんだがな、彼女、ここに来てウチに……本庁の捜査一課に転属してきたんだよ。
「え? そりゃホント?」
─ホントもホント。強行犯捜査第三班に配属されてきたよ。ま、俺とは違う係だけ
どな。転属って言っても出向って形だ。期間限定だな。だが、噂では監察官室の
木下警視のお気に入りだって話もあるし、本人が希望すればそのまま捜査一課に、
ってこともあるな。
「確か強行犯第三班って、他にも切れ者の女刑事さんがいなかったっけ? ウチの
熊耳と同期のさ」
─佐藤警部補だな。偶然か知らんが、辻本巡査はその佐藤警部補に付けられたよ。
所轄の交通課では有名な婦警だったらしいし、見たところけっこうやりそうな感じ
ではあるな。ま、それはともかく、そういう状況なんでな、同じ部署にはいるが
話はしにくいぜ。
「そうだろね。しかしなあ、情報が遅いよなあ。松井さんとこにはいつ入った話
なの?」
─ついさっきだよ。俺も今朝の新聞読んでなかったもんでね。最初は捜査二課の
方から一課の課長に連絡が入ったらしいんだな。で、実際の捜査は確か第一係
だったかな。
「……」
─確かに俺は表向き無関係だし、課長や第一係の連中が知らせて来ないのは仕方が
ないけどな。
松井はパレット事件専属の捜査員である。
他の事件の情報がいちいち入ってくるわけでもない。
「でも、その話、その……辻本さん? その人には伝えておいた方が良いんじゃ
ないかな? あと相棒がいたんでしょ、所轄の方にも」
─そっちがお宅の榊さんとツーカーだったはずだ。そうだ、榊さんからその相棒に
でも話してもらえばいいんじゃないか?
「それもそうだな。そうすれば辻本さんのところにも情報が行くだろうしね」
─そうしてくれ。俺の方も情報集めてみるから。
「悪いね、面倒かけるけど。ところで辻本さんはどう? 牛尾が接触とってるような
感じはない?」
─俺も、あまり席には戻らない方だから何とも言えんがね。見たところ、そんな感じ
はないな。忙しいみたいで、佐藤警部補に引っ張り回されてるからな。
「そうか。ま、そっちも注意してみてよ。俺の方はおやっさんにそれとなく当たっ
てみるから」
後藤はそう言って携帯を切ると、訝しむしのぶに軽く手を振って部屋から出て行った。
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