さっきまで牛尾の指を頑強に拒み、中への侵入を拒絶してきた美幸の肛門は、どう
したことか今度はするっと受け入れてしまった。
何の抵抗もなく、人差し指の半分ほどがあっさりと吸い込まれている。
「やっ……ゆ、指なんか入れないで! ああ、抜いて……いやあっ!」
牛尾は美幸の反応を見ながら、なおもずぶずぶと指を挿入し、とうとう根元まで
押し込んでしまった。
排泄器官に指を入れられてしまった。
その汚辱感で、美幸は胸が白く灼けた。
突っ伏した顔がふるふる震えていた。
「な、なんで……」
どうしてこんなに簡単に入ってしまったのかわからなかった。
思い切り括約筋を締めていたというのに。
牛尾は、突っ込んだ指をくるっ、くるっと回しながら言った。
「不思議ですか? 種明かしするとですね、俺の指に山芋を塗ったんです」
「や……まいも……?」
美幸が振り返ると、なるほど長芋が床に転がっている。
半分ほどに折られており、二本になっていた。
「ほら、山芋ってぬるぬるしてるじゃないですか。それをさっき指に塗ったんですよ」
「……」
信じられない。
普通、そんなことをするだろうか。
淫らな玩具を使われるのだってもちろん嫌だが、まさかそんなものを使われるとは
思わなかった。
そう言われれば、山芋のぬるぬるを使えば潤滑剤になるのだろう。
「あ、ああっ……い、入れないでっ……あうっ……くくっ……いやあ!」
美幸は、アヌスをいびられ、その中に指を入れられる汚辱感に泣いた。
排泄器官を嬲られる羞恥と屈辱、そしてお尻の中をいじられる異物感がたまらない。
いやでも臀部がうねってしまう。
牛尾は山芋の粘りを利用して、ずぶずぶと奥まで埋め込み、捻り込んでいく。
根元まで押し込んでから、今度は指先だけ残して引き抜く。
そしてまた奥まで沈めていくのを何度も繰り返した。
ずぶずぶと差し込む速度も少しずつ上げていく。
ぬらついた粘液のせいで思ったより摩擦感はないものの、激しく何度も抜き差しされ
ると、やはりアヌスの粘膜が擦られる感覚が強くなる。
指の関節の皺がごりっと肛門を擦ってくると、つんざくような悲鳴が出た。
「ひぃっ! いや、だめっ……あ、あっ……そんなに強くしないでっ……ああっ…
…やめてそんな……ひぐっ!」
「いい反応ですよ、美幸さん。夏実さんもお尻が感じるようでしたけど、この分じゃ
美幸さんも……ふふふ」
「い、言わないでそんな恥ずかしいっ……くっ……し、しないで……お尻、いやあっ
……!」
「そのうちオマンコまで濡れてきそうだな」
「バカッ、そんなこと言わないで! いや、抜いてっ!」
反発しながらも、美幸は身悶えていた。
ずぶっと貫かれると引き攣るように全身を突っ張らせ、抜かれると身をくねらせて、
背や臀部を波打たせる。
上半身はもうベッドに押しつけており、豊かな乳房が柔らかく潰されていた。
横にはみ出た肉がこの上なく扇情的だ。
白い肌には早くも汗が浮き、照明を妖しく反射していた。
「くく、いやらしいな美幸さん。感じてきたんですか?」
「そんなわけないっ……ああ、いやっ……ひっ……」
「そうですか? でもお尻がスムーズになってきましたよ。お尻の穴が濡れてきて
る、ほら」
「いやっ!」
ぬらついた指が実にあっさりと出し入れされている。
指がぬらついているのは事実だが、それは美幸の分泌液ではなく、恐らくは山芋の
成分なのだろう。
牛尾は何度が指を挿入すると引き抜き、また指に山芋を塗りつけて美幸のアナルに
突っ込んでいる。
指先を鈎の形に曲げて、腸壁に塗り込むように擦っていった。
指を出し入れしていると、徐々に淫らな音がしてきた。
粘液のせいで、ぶちゅっ、ぬちゃっと湿った男がするのだ。
牛尾は面白がって、わざとその音を立てて美幸の羞恥を煽っていく。
「くくく、ほらほら濡れてるの、わかるでしょう? 美幸さんのお尻の中、もう
ぐちょぐちょなんですよ」
「ち、違う……違うっ……!」
美幸は激しく顔を振りたくって喚いた。
顔に当てられた枕が涙を吸い取っている。
そのうち、美幸は異様な感覚を肛門に覚えてきた。
「あ……」
思わずビクンと痙攣した。
感じてしまった、というのではない。
お尻の中がおかしい。
肛門が変である。
熱い。
そしてむず痒かった。
ついつい、尻を振ってしまう。
牛尾はその尻をぴしゃんと叩いて言った。
「何です、美幸さん。そんなにいやらしくお尻を振って」
「あ……あ……、な、何……これ……」
「は? 何って何です?」
牛尾はすっとぼけて聞いた。
「お尻が変なのよ……あ……あ……」
「変? 変て?」
「お、お尻の中が……熱い……な、何だかかゆいっ……ああ、お尻の周りもかゆい
……何をしたのよっ……!」
「そうですか、やっと効いてきましたね」
牛尾は愉快そうに嗤った。
「ほら、さっき俺、指に何を塗ってましたっけ」
「何って……あっ……!」
「そう、山芋。美幸さん、料理もするんでしょう? なら、山芋を切ったり皮を
剥いたりするとどうなるか知ってるでしょう」
それだ。
そのせいでアヌスの粘膜や腸内がむず痒いのだ。
「そ、そんな……じゃあ……」
「そうです。それを指に塗ってお尻を嬲ったんですから、そりゃかゆいでしょうね。
お尻の中にもたっぷり塗ったし」
「ひどいっ……あ、かゆいっ……ああっ!」
むず痒さに悶える美幸を見ながら牛尾が説明する。
その股間は、美幸の痴態を見たせいか、早くも屹立していた。
「山芋の中……まあ皮の周辺が特に多いんですけどね、アクです。これがかゆいん
ですね。確かシュウ酸カルシウムだったかな?」
「か、かゆい……かゆいっ……!」
「何でそれが痒いか判ります? 俺、医学部だったけどうろ覚えだな。確かねえ、
このシュウ酸カルシウムって、針みたいに細くて先っちょが尖ってる結晶らしいん
ですね。それが皮膚とかを刺激してチクチクするし、痒くなるんだそうです。まあ
皮膚でさえ痒いんですから、それが粘膜だったら凄いでしょうね」
「くっ……ああ、もう何とかしてよっ……かゆい、かゆいのよっ!」
美幸は牛尾の解説など聞いている余裕はない。
そのむず痒さと熱さで気が狂いそうになる。
かゆいところを掻きたいのに掻けない。
これはもう立派な拷問であろう。
もう美幸は尻をうねらせ、くねらせるだけでは埒があかないらしく、思い切り跳ね
させてベッドの上で弾ませている。
多少なりともショックを与えることで少しでも紛らわせようとしているようだ。
「か、かゆいっ……ああっ、解いて! 早く解いてよ!」
「手を、ですか? 解いたらどうするんです? まさか俺をぶっ飛ばすんじゃない
でしょうね」
「違うっ、そんなことしないからっ……ああ、早くっ……」
「だから何をするのか聞いてるんですよ」
美幸の尻が焦れったそうに何度も跳ねる。
「か、かゆいって言ってるでしょう! か、掻きたいのよ、掻くのよっ!」
「ほう。で、どこを?」
「こ、この……」
この期に及んで、まだ美幸を言葉で嬲ろうとしている。
恥ずかしいセリフを言わせようとしている。
反発したいが、もうそんなことを言っている場合ではない。
「お……お尻っ……お尻よっ……お尻、かゆいのよっ!」
「はあ、なるほど。美幸さんはお尻がかゆいんだ。お尻の穴? それとも中かな?」
「りょ、両方よっ……くっ、かゆい……何してるのよ、早く解いてっ!」
「でもさあ、美幸さん、自分でお尻を掻くの?」
「き、決まってるでしょう!」
「恥ずかしいと思いませんか? 美幸さんが自分の指でお尻の穴を掻いている。中に
指を突っ込んで掻きむしっているなんて。アナルオナニーですか」
「……」
「そんなことしたら、俺、その決定的瞬間はデジカメで……」
「いやっ! そんな恥ずかしいところ撮らないで!」
「へえ、恥ずかしいのはわかってるんだ」
「うるさい……は、早く……くっ……」
「でも、ホントに指で掻くんですか? 爪でひっかいたりしたらひどいことになると
思うんだけど」
「え……」
「だってお尻の粘膜なんて柔らかいですよ。トイレットペーパーだって柔らかいで
しょうに。昔は古新聞で拭いたそうだけど、それでもくしゃくしゃにして柔らかく
しないとお尻が痛かったそうですよ。なのに爪立てて掻いたら粘膜が切れて血だらけ
になるんじゃないですか?」
「……」
「お尻の中だって同じですよ。ひっかいたりなんかしたら……」
「じゃ、じゃあ、どうすればいいのよっ」
美幸は泣きそうだった。
牛尾の言う通り、お尻の穴を掻くだけでも恥ずかしいのに、その結果、皮膚を傷つけ
血まみれになるかも知れない。
しかし、この疼きと痒みは我慢できるものではないのだ。
牛尾がにやっとする。
「……俺がしてあげますよ」
「いやよ! 絶対にいや! 触んないで!」
「いいんですか? 自分じゃ掻けないしさ、俺にやってもらうしかないでしょ」
「で、でも……」
「大丈夫ですよ、爪は立てません。それに指に塗った山芋のアクはちゃんと落として
やってあげます」
「……」
「どうしますか?」
「くっ……」
悔しいし恥ずかしいが、他にどうしようもない。
痛みはある程度我慢できるものだが、くすぐったさやかゆさはそういうものでは
ないのだ。
迷っているうちにも腸内は熱く疼き、アヌス周りの粘膜はずきずきしてくる。
もう「かゆい」ということしか考えられなくなってくる。
「だ、だめっ……かゆいっ……もう我慢できないわっ!」
「そうですか。で?」
「か……か、いて……」
「何です? はっきりと」
「掻いて……掻いてよっ……お尻が痒いっ……!」
やっと第一段階だ。
「お尻を掻いて」も、充分に恥ずかしい言葉だが、これからもっとどんどん恥ずか
しいことを言わせてやる。
牛尾は腹の中で大笑いした。
「はい、よく言えました。じゃあお望み通り……」
「あ……」
美幸は牛尾を振り向いた。
その顔は、恥ずかしい、怖い、早く痒いのを何とかして、という三つの感情が渦巻
いた表情が浮かんでいる。
「ううっ……!」
ぬるっと異物が入ってきた。
牛尾の指だ。恥ずかしいのか、白かった肌がさあっとピンク色に染まっていく。
痛痒感を何とかして欲しいが、羞恥心は消し去ることが出来ないらしい。
「はああっ……うんっ……あ……うくっ……」
牛尾の指が腸内を抉るたびに、美幸の腿がぶるっと震え、膝が絨毯に擦りつけられる。
アヌスに突き刺さった指が腸壁を擦り、かき回すようにぐるぐると回転させられると、
たまらない刺激が走った。
「くうっ……あ、ああ……んむ……くっ……」
痒みを抑えてもらうために恥ずかしいのを我慢しなければならない。
羞恥と心地よさが混じり合い、美幸の頭を痺れさせていく。
痒くて痒くてどうしようもないところを、指が擦ってくれる激烈な快さにうっとり
してしまう。
特に指先で腸壁を軽くひっかくように出し入れされると、美幸は尻をがくがく跳ね
上げて反応した。
牛尾の責めも巧妙だった。
美幸の反応を見つつ、指の腹を使って擦っていく。
決して爪を使うことはなく、美幸の内臓を傷つけることもなかった。
悪辣なのは、そうやってアヌスを責めるのと並行して媚肉にもちょっかいを出して
いたことだ。
肛門や腸内の痒みをとるように指を使いながら、もう片方の手が、そっと媚肉に
這っている。
あからさまな愛撫ではなく、すっと優しく撫でるように花弁を擦ったり、クリトリス
をごく軽く突っつく程度である。
それでも敏感な性感帯を刺激しているのには変わりなく、美幸はアヌスの痛痒を鎮め
られる気持ち良さと、媚肉を愛撫される快感が混じり合い、どちらがどちらかわから
なくなっている。
肛門をいじられるのが気持ち良いのか媚肉を愛撫されるのが快感なのか判別がつか
ない。
「どうです、美幸さん。少しは収まりましたか」
「ああ……あう……ううっ……あ……」
「くく、もうお尻をいじられるのが気持ち良くなってきてるんですね。ほら返事して
くださいよ、お尻の痒いのは治ったんですか」
「も……もうちょっと……ああ……あ、そこ……そこ掻いて……んむっ……」
美幸の濡れた声が、腸内を這う牛尾の指を誘導する。
同時に臀部もうねり、より痒いところと指を接触させようとしているようだ。
シュウ酸カルシウムに冒されている箇所を見つけ、そこを指先で擦り上げると、美幸
は顎をくっと持ち上げて喘ぎ始めた。
もはや痒みが鎮まることによる爽快感だけでなく、性的な快楽も味わっているのかも
知れない。
「ああっ……あ、あは……あう……」
「声が色っぽくなってきましたねえ」
牛尾がそう言って指を引き抜くと、美幸は尻をぶるっと痙攣させて呻いた。
指にはねっとりと粘液が絡みついている。
もはや山芋成分だけとは思えなかった。
妖しく蠢く美幸の腰をよく見れば、粘液にまみれているのは肛門だけではなく、
そのすぐ側にある媚肉も同じだった。
いつの間にかしっとりと潤っており、柔らかそうな陰毛がたっぷりと汁を吸っている。
「気持ち良かったんでしょう、美幸さん」
「……」
美幸は力なく首を振った。
お尻をいじられて快感を得る。
そんな背徳的な快楽に浸っていたとは認めたくないのだ。
「ふふ、強情ですね。では、痒いのはとれましたか」
「あ……ま、まだ少し……」
「そうですか。どの辺が?」
美幸は一瞬顔を伏せたが、すぐに朱に染めた頬のまま小声でつぶやいた。
「お、お尻の……」
「お尻の? お尻の穴の周りかな?」
美しい婦警はほんの僅か頷いた。
「あ、あと……その……中が、まだ……」
「中もですか。さっき擦ってあげたのに?」
「あ……、で、でも、その……もっと中の……」
「ははあ。奥の方がまだ痒いと」
羞恥に染めた顔を見られまいと、枕に顔を埋めたまま、美幸は頷いた。
こんな恥ずかしいことを口にしたくはないのだが、このもどかしいような痒みが
続いたらどうにかなってしまいそうだ。
美幸は我慢しきれないように腰をうねらせ始めた。
「な、何とかして……か、痒い……」
「と言われてもなあ。俺の指で届く範囲はもうやりましたよ。それ以上は無理です」
「そんな……。あ、あなたがこんなにしたのに……責任とってよ……ああ……」
「責任とって、か。そう言われちゃ仕方がないかな」
牛尾はそう言うと、ペンと美幸の尻を叩いた。
ぴしゃっと小気味よい音がして、臀部表面に浮いていた汗が飛んだ。
「それじゃ「お薬」使いましょうか」
「薬……?」
「あのですね、この痒い元であるシュウ酸カルシウムって酸に弱いんですよ」
「酸……」
「そう。お料理するならご存じじゃないですか? 料理する前に山芋を酢水に浸けて
おくとそれが破壊されて痒みが軽くなるんですよ。ま、全滅するわけじゃないけど、
かなり楽になる。うっかり手について痒くなっちゃった場合でも、レモン水や酢で
洗い流すのがいいらしいですよ。流水で洗うよりずっと効果があるそうで」
そんなことを言いながら、もと医学生は何やらがちゃがちゃと用意している。
うつぶせになっている美幸には何をしているのかわからない。
「じゃ、じゃあ……早くそれをして……ああ……また痒くなってきた……あっ……」
ずくずくと疼くような痛痒感が、アヌスと直腸の奥の方で湧き起こってきている。
塗ったのも牛尾の指なのだから、そんなところまで届くはずはないのだが、美幸が
悶えたり跳ねたりしているうちに奥へ行ってしまったのかも知れない。
腸が蠢動して奥へと運んでしまったのかも知れなかった。
「ひっ!?」
突如、肛門に冷たい刺激と痛みが来た。
驚いて振り返ると、にやついた牛尾が筒のようなものを持って、それを美幸の尻に
突きつけていた。
「な……によ、それ……」
「知りませんか。浣腸器ですよ、浣腸器」
「か、かんちょう……」
「あれ、マジで知りません? まあ普通はちっちゃな丸いスポイトみたいなイチヂク
浣腸しか知らないかも知れないな。ひどい便秘とか出産なんかの時、これで浣腸され
るんですよ」
「か……浣腸してるの……? 私に浣腸してるの!?」
美幸がわなわなと腰を震わせ、焦れったそうにうねらせながら待っているところに、
牛尾は浣腸器を突き立てていたのだった。
それとわかると、美幸は狂ったように暴れ出した。
「いやああっっ、やめて! すぐやめてぇっ!」
「おとなしくして! ノズルが折れたらどうすんですか!」
「あ……」
その一言で美幸の動きがピタリと止まった。
割れたガラスの破片が肛門を傷つけ、中を傷つけでもしたらひどいことになる。
ホッとした牛尾は、止まった美幸の尻をぴしゃっと叩くと、ノズルを抜いたり、また
突き刺したりして、美幸の悲鳴を絞り出させている。
嘴管がアヌスを拡げるようにぐるぐると回転してくると、粘膜はにちにちと粘った音
を立ててわなないた。
「これで腸の奥まで酢が……グリセリンとの混合液ですけど、これが届けば痒みも
消えますよ」
「あ、でも……あ……そ、そんなのされたら、私、どうなるのよ……」
「浣腸されたらどうなるって聞かれてもなあ、あっはっはっは。でもさ、このまま
何もしないで放っておくことも出来ないでしょうに。お尻の中、痒いんだから」
「ああ……」
「ね? じゃ、おねだりしてください。美幸に浣腸してってね」
「そんな……」
「いやですか? ならやめますか。このまま放っておきますよ」
「いやっ……!」
美幸は慌てて振り返った。
黒い大きな瞳から涙がこぼれ落ちそうだ。
こんな卑劣な凌辱者に哀願するなど出来っこない。
しかも浣腸などという悪魔の行為を頼むなど絶対に無理だ。
だが、このまま内臓の痛痒感を堪えることなど不可能だった。
こうしている今も、腸の奥やアヌス周辺の粘膜がじりじりと炙られるような痒みに
責め苛まれているのだ。
ややもすると、牛尾への憤激や夏実や中嶋を思う気持ちすら薄れてくるほどだ。
何でもいいから早くどうにかして欲しかった。
「くっ……は、早く……」
「……」
「し……て……してよ……ああ……」
「何を」
「か……かん、ちょう……」
美幸は、恥辱と羞恥そして憤りと耐え難い痛痒感がない交ぜになった表情を浮かべ、
必死になって尻を振り始めた。
「浣腸して! 早くっ……早く美幸に……か、浣腸してっ……!」
「いいでしょう」
喉で「くくっ」と嗤った牛尾は、ぐぐっとシリンダーを押していく。
充実した重みがその手に伝わってくる。
「ああっ……い、いやあ……は、入って、きちゃうっ……んんっ……はあああっ……」
どろりとした重みのある液体が、痒みでずきずきしている美幸の腸管に注ぎ込まれて
いく。
やや冷たい液体が熱く痒い箇所に浴びせられると、確かに一瞬だが痒みが治まる。
同時にそれが腸壁に浸透していき、痒みを取ってくれるのだろう。
だが同時に、酢の刺激も腸壁に強烈な刺激を与えるのだ。
「ううっ……あっ……こ、これ……あ、きつい……お、お腹おかしくなる……ああむ
……」
効果が出たのか、痒みは治まってきたが、代わってきつい刺激が美幸を襲ってくる。
浣腸経験のない美幸にとってグリセリン浣腸でもきついのに、今されているのは酢
入りである。
500ccは入りそうな巨大な浣腸器だから、ちょっとシリンダーを押すだけでも
何十ccもの量が注入されてしまう。
「あ、やめて……い、入れないでっ……くうっ……」
「入れなきゃ痒いの止まりませんよ」
「で、でも……あっ……きついの……お腹、きついのよ……あ、あう……」
美幸の全身には見る見るうちに脂汗が浮き、ぬらぬらと淫らに輝いている。
初めての浣腸は強烈に過ぎた。
お腹の中に信じられないほどの圧迫感が押し寄せ、それがとどまるところを知らない。
危ないとわかっていても、腰を揉み、身体を揺すらずにはいられなかった。
「く……るしい……あ……うむ……お尻……お尻が……ああ……」
「ほらほら、どんどん入っていきますよ。くくっ、浣腸してやるって何とも言えず
気持ち良いよなあ。そういやあ夏実さんにしてあげた時も……」
「あっ、あなた、夏実にもこんなひどいことをっ!」
「しましたとも。生意気だった夏実さんもね、これをしてやったらしおらしくなっ
ちゃいましたよ」
「鬼っ……悪魔だわ、あなたは……ああっ、もうだめっ……やめて!」
「まだですって。全部入れますよ、絶対に」
「そんな……そんなの絶対無理……ああ、まだなの……早く……早くぅ……」
美幸の裸身がのたうっている。
縛られた両手のロープがギシギシと軋む。
足首を縛ったロープが繋がったベッドの脚が折られそうなほどにたわむ。
牛尾は美幸のそんな様子を見ながら、なおもシリンダーを押していく。
その妖艶な姿に、もう男根は完全に勃起しており、鈴口からはだらりと透明な粘液が
溢れてきている。
「ああ、まだ終わらないの……もう……もう耐えられない……苦しい……ああ……」
その時、美幸の表情がひくっと引き攣った。
浣腸液が直腸に注ぎ込まれる不快感と苦しさを堪え忍び、顔を真っ赤にして息んで
いたのだが、その顔色からすぅっと血の気が引いていく。
「あ……う、うむ……」
急速に便意が膨れあがってきたのだ。
グリセリンの水割りでもかなり効くというのに、美幸がされたのは酢入りである。
効果が絶大だった。
じわじわというよりも、意識した途端にあっという間に便意が込み上げ、今では出
ないように必死に下半身を引き締めるのがやっとだ。
もう息すらまともにはつけない。
太い息をついたら、緩んでドッと迸ってしまいそうなのだ。
皮肉にも、びゅるるっと注入される悪魔の液体が便意を堰き止め、逆流させている。
しかし入れられれば入れられるほどに、さらなる便意が膨れあがるのだ。
「ああ……苦しい……お尻が……お腹が苦しいわ……ううっ……」
「もうちょっとですよ、それ」
「ああっ、そんなに急に入れないでっ……も、もっとゆっくり……あうむ……」
「……よし、これでおしまい」
「あがっ!」
残り100ccほどを一気に注入すると、美幸は背を反らせてぶるるっと痙攣した。
そしてがっくりと上半身をシーツに預ける。
背中には、浣腸を堪える脂汗に代わり、便意を我慢する冷や汗が玉になっている。
「あっ……」
美幸がゾクッと悪寒に震えた。
同時にそのお腹がゴロゴロッ、グルッとくぐもった音を洩らす。
ついさっきもまで燃えるような頬はすっかり青ざめ、唇も紫色になっている。
歯の根が合わずにがちがちと鳴っていた。
「お、おトイレ……うむ……」
「もうですか。くく、そういえばさっき、美幸さんのお腹が可愛く鳴ってましたね」
「言わないで! は、恥ずかしいっ……。あっ……く……おトイレ……連れてって…
…あっ」
もう美幸は声を出すのもやっとだ。少しでも動けば漏れてしまいそうになる。
汗の伝う顔は引きつり、唇を噛みしめて襲いかかる便意を堪えているが、首筋や腕に
は鳥肌が立っている。
「あ、あっ……もう漏れちゃうっ……早く、早くしてっ……」
「もう限界なんでしょ? 今からトイレ行けるんですか、それまで保ちますか?」
「だ、だから連れてって……あっ……」
またお腹がググッと鳴る。
「ふふ、そうか、俺に連れていって欲しいんですね」
「そ、そうよ……早く……も、もう我慢できない……くっ……」
美幸はもう何が何だかわからなくなるほどで、限界まで迫ってきた破局を死ぬ思いで
堪えるだけだ。
今にも失神してしまいそうなほどの便意が、ジリジリと意識を白く灼いていく。
牛尾が、開かれた尻の谷間を覗き見ると、薬液で濡れたアヌスが苦しげに喘いでいる。
ひくひくともがくように蠢くと、今にも出そうなくらいに緩んでくる。
それに気づいた美幸がハッとしたように括約筋を絞り、また肛門を引き窄める。
そんなことを何度も繰り返していた。
さすがにいっぱいいっぱいだと判断した牛尾は「くっくっ」いやらしく嗤いながら、
美幸の手足の拘束を解いた。
あまりに力んでのたうったからか、美幸の白い手首にも足首にも、縄目が赤く轍の
ように残っていた。
「あ、早く……早くぅっ!」
美幸はベッドにぐったりと身を預けたまま叫んだ。
もうじたばたする余裕もないらしい。
牛尾も慌てて美幸を横抱きにして、トイレに駆け込んだ。洋式便器に座らされると、
ようやく美幸の表情にホッとしたものが浮かぶ。
だがドアは開いたままで、正面には牛尾がしゃがみこんでいる。
「な……何してるの。出てって、早く出てってよ!」
「いいえ」
牛尾は無情に首を振った。
「拝見しますよ、美幸さんの排泄シーン」
「な……」
美貌の婦警は、大きな目がこぼれ落ちるほどに見開いた。
「何を……何を言ってるの!? 早くどっか行って! あ、あとで相手するから出て
ってよ!」
「へえ、相手をする? セックスの相手をしてくれるってことですか」
「……」
「もちろんそうしてもらいますけどね、だめ。俺はここでかぶりつきで見るんです
から」
「ど、どうして……どうしてそんなひどいことばっか……」
「それがいちばん効くからですよ。夏実さんもそうでした」
夏実にも浣腸責めしたことは聞かされたが、やはり排泄まで見たらしい。
この男の変質者ぶりと異常性に、美幸は今さらながら身震いがする。
「ああ、お願い……お願いだからそんなひどいことは……出てってよ、お願いだから」
「……」
「もっ……もう我慢できそうにないのよ……ああ……」
「だから、すればいいんです。しないんなら、また寝室に戻しますよ」
「だめっ……あああ、もうだめ……で、出る……出ちゃうっ……いやああっ!」
悲痛な叫びとともに、美幸の身体に痙攣が走る。
肛門が内側から膨れあがったかと思うと、抑えきれない便意が思い切りほとばしり
出た。
「いやああああっ、見ないで、見ないでぇっ!」
いったん出始めてしまえば、もうどうにもならず、美幸は両手で顔を覆って泣く
ばかりだ。
汗でぬめる双臀がわなわなと震え、ドッとばかりに噴き出してくる。
堅く引き締まったアヌスが花開き、後から後から絞り出てきた。
一度止まっても、またアヌスが痙攣し、すぐに二度目、三度目が噴き出てくる。
「ああっ、し、死にたい……こ、こんなのを見られるなんて……」
最後まで出終わった時には、もう美幸の気力は根こそぎ奪われていた。
がっくりと項垂れ、顔は両手で覆ったままだ。
嗚咽を漏らすだけの美幸に、牛尾はトイレを操作して汚れた部分を洗浄してやる。
薬液によってもたらされた強引で強烈な排便だけあって肛門が爛れてしまったの
か、水流が強いと呻いて痛がっている。
洗浄を終えると、もうしくしくとすすり泣くだけだった。
「ほら、美幸さん」
「……ううっ……うっ……」
「あっち行きましょう」
牛尾が肩を抱くと、そのまま素直に身体を預けてきた。
もう反抗する気力も消え失せている。
ベッドに辿り着くと、そのままばったりと倒れ込んでしまった。
(ああ……もうだめ……あんなところまで見られて……。私、どうすればいいの…
…中嶋くん、夏実……)
「きゃっ……!」
うつぶせになっていた美幸の尻を牛尾がぴしゃっと叩いた。
ぐったりしていた裸身が、瞬間的に活が入る。
「さ、美幸さん。腰を起こしてお尻をこっちに向けて」
「な、なんで……。もう充分でしょう……今日はもういや……」
確かに美幸は、もう充分過ぎるほどの辱めを受けていた。
犯されこそしていないが、肛門を責め抜かれ、挙げ句浣腸責めという倒錯的なプレイ
までされた。
そんな恥ずかしい姿の写真まで撮られている。
ともに初めての経験であり、美幸にとっては虐待されたに近い。
なのにこの男は、まだ美幸を解放しようとしないのだ。
「もういやってことはないでしょう。さっき「あとで相手をする」って言ったじゃ
ないですか」
「あ、あれは……」
牛尾の冷たい口調に、美幸は思わず振り返った。
あれは、その場を逃げるための「口から出任せ」……といって悪ければ、方便である。
ああでも言わねば、牛尾は許さなかっただろう。
なのに結局、牛尾は美幸の恥ずかしい排泄をじっくり見ているのだ。
もし牛尾があの時に美幸の願いを聞いて、排泄を見ないでいてくれたら、美幸は抱か
れる覚悟だったのだ。
何を今さら……と美幸は思った。
「約束は約束です。ほら、お尻をこっち向けて」
「……」
結局、この男は犯さずにはいられないのだ。
美幸がどれだけ恥ずかしい姿を晒しても、どんなに哀願しても意味はない。
満足するまでは美幸の身体を弄ぶのだろう。
もう、どうにでもなれと、半ば捨て鉢になって美幸は従った。
もぞもぞと起き上がり、四つん這いとなる。
後背位で犯されるのだ。
美幸は、年齢の割にセックス体験が少ないためか、この体位はあまり好きでなかった。
中嶋とも一度しただけである。
それも彼の希望したからであって、美幸から求めたわけではない。
された時も、快楽よりも恥ずかしいことが先に立ち、行為に集中出来なかった憶えが
ある。
「っ……!」
牛尾の手が尻を撫でている。
厚ぼったくて異様に熱く、汗で湿った不快な感触だった。
嫌で嫌でたまらないが、逃げられないので尻をくりっ、くりっと振って払おうとして
いる。
柔らかい臀部の肉が硬くしこり、それがまた心地よい手触りとなって凌辱者を愉しま
せている。
たまらず美幸が叫んだ。
「い、いやらしいっ……いやらしく触らないで! す、するならさっさとしたらどう
なの!」
「そんなに欲しいんですか、俺のが」
「誰があなたなんかっ! さっさと終わらせたいのよっ! 出来るだけ触らないで
済ませてよ」
嫌われたものだ、と、牛尾は苦笑した。
だが、こんなのは最初のうちだけだ。あの気の強い夏実でさえ、今では牛尾の性奴に
堕ちている。
今日のアヌス責めで、だいぶ美幸は精神的にだいぶダメージを受けたはずだ。
その心のヒビを少しずつ拡げて、そこから入り込めばいい。
焦ることはなかった。
「わかりましたよ。でも俺は一度や二度じゃ満足しませんよ」
「……けだもの」
「何とでも言って下さい。さっさとしろと言った以上、最後までつき合ってもらい
ますからね」
「か、勝手にすれば……」
「そんな生意気そうな口がいつまで利いていられますかね」
「ひゃっ……!」
美幸は、またそこに異様な感触を感じた。
散々責められたアヌスに、この男はまた指を這わせているのだ。
「……少し爛れてますかね」
「あ、あなたのせいでしょう! あ、触るなっ、そこいやよ!」
どうしてこの男は排泄器官にばかり興味を示すのだろう。
美幸にはとても理解出来なかった。
中嶋は極めてストレートな性欲求だったし、以前の恋人──といっても付き合いは
短かったが──も、セックスはまともだった。
そういう趣味が世の中にはあると知ってはいたが、まさか自分がその餌食になるとは
思ってもいなかった。
「くく、触るだけで済むと思いますか」
「え……? ああっ!?」
浣腸、排泄ですっかり爛れ、今また指の愛撫で緩んでいた肛門に、牛尾の熱い亀頭部
が押しつけられた。
ぐぐっと力が込められ、肛門を割っていく。
「ちょ、ちょっと待ってよ、そこ違うわよっ!」
「違いませんて。俺、美幸さんとアナルセックスするんですから」
「あ、あなる……?」
「知りません? 肛門性交です。美幸さんのお尻の穴を犯すんですよ」
「な……」
今度こそ美幸は仰天した。
ホモじゃあるまいし、そんなことは絶対に嫌だった。
逃げようと前へずり上がろうとするが、牛尾ががっしりと腰を捕まえている。
それに、さっきの浣腸、排泄がやはり効いていて、膝や腕の関節に力が思うように
入らない。
浣腸の苦痛を堪え、便意を我慢している時に全身を息ませ、力を入れていたから
萎えてしまっているのだろう。
「ぐっ……いやあっ……やめてよ、お願いっ……す、するなら前でしてってばっ…
…ああっ」
「前? ああ、オマンコでしたければあとでまたいくらでもしてあげますよ。でも
今回はお尻。美幸さんのアヌスを犯す」
「いやあああっっ……!!」
どうにもならない圧力で、牛尾の男根が美幸の肛門にめり込んでいく。
美幸はもう、金魚のように口をぱくぱくして呻いている。
目を大きく見開いて「あうあう」と言葉にならぬ声を出すだけだ。
そんな太いものが入るわけがないと思っていたが、やはり徹底したアヌス責めで、
いい加減そこが緩んでいるのだ。
確かに裂けそうなほどの苦痛、辛さだったが、もっとも太いカリの部分が、ずるっ
と美幸のアヌスに飲み込まれた。
「うああああっっ!!」
美幸は背骨が折れそうなほどにたわませ、細かく痙攣していた。
入れられた瞬間、バキッと生木を裂くような音が聞こえた気がした。
本当に裂けたと思ったが、出血した感覚はない。
牛尾も平然としている。
「あ……あ……」
「平気ですよね、美幸さん。大丈夫、美幸さんのここ、裂けても切れてもいません
よ。さすがですね、アヌスも素晴らしいですよ」
「あ……が……、い、痛い……裂けてるわ……あ、あぐ……」
「裂けてないって言ったでしょう。これくらいでまいらないでくださいね」
「あぐうっ!」
牛尾は、ミシミシと軋む音が聞こえそうなほどに伸びきった肛門の皺を見ながら、
なおも腰を押し込んでいく。
夏実のアヌスを初めて犯した時のことを思い出し、まだ大丈夫だという経験則で判断
している。
美幸の方は苦鳴をあげながら、ひたすらに耐えている。
アヌスは、事前の行為のせいもあってかだいぶ柔らかくはなっていたが、何しろ初め
てであり、しかも巨根である。
「お尻、絶対裂けてる……く、苦しい……んくっ……あ、あ……」
「裂けてないって。もう少しの我慢ですよ、俺のチンポに馴染んでくればそんなつら
くないはずです」
「な、馴染むなんていやっ……抜いて……痛いのよ、抜いてぇ……」
無駄と知りつつも、美幸はそう言わざるを得ない。
牛尾はそんな美幸の尻を優しく撫でながら、その肛門が馴染んでくるのを待っている。
異物の受け入れを懸命に拒んでいる入り口を押し開き、少しずつだか腰を動かしていく。
「くっ、動かないで! はああっ……お尻っ……お尻が……こ、壊れる……壊れち
ゃう……」
牛尾は軽く腰を回転させてペニスを動かしながら、少しずつ押し進める。
入れた感じでは、どうも夏実より美幸の方がここの締まりが良いようだ。
夏実の時も苦労はしたが、ここまでではなかった。
時間をかけて僅かずつ中で挿入していったペニスは、何とか半分ほどが美幸の肛門に
侵入している。
むちっとした尻肉がひくつき、おののくように震えているのがいじらしい。
「あっ……あう……んっ……くうっ……痛い……」
「まだ痛いですか? ま、そうだろうな、俺の方も相当にきついですから」
「だ、だったら抜いてよ……こ、こんなのいや……苦しいし……気持ち悪いのよ…
…ああ……」
「まだまだ。だってまだやっと半分入ったとこなんですから。全部入れますよ」
「そんな……もう無理よ、入りっこないわ……」
信じられなかった。
美幸はもう腸の奥にまで届いていると思っていた。
それほどに奥まで太いものが来ている。
これ以上、こんな大きなものを入れられたらどうなってしまうのか。
美幸の脅えが下半身の痙攣となって表れていた。
「んんっ……ああっ!」
徐々にアヌスが緩み、中の熱い肉がペニスに絡みつくような感触を得ると、牛尾は
腰を押し進めた。
馴染んできたらしい肛門がまた広がり、腸管をこじ開けるようにして太い男根が
美幸の奥へと進んでいく。
「くあっ……だめっ……あ、入る……入って来ちゃうっ、きついっ……んっ、ぐぐ
ぐっ……」
「大げさだなあ、もうそんなに痛くないでしょうに」
「い、痛いわよっ……やめて、抜いてっ……あ、いやっ、そんな奥までだめえっ…
…こ、怖い……くくっ……」
美幸のつんざくような悲鳴が喉から絞り出される。
相変わらず苦痛に苛まれているが、さきほどまでのそれとは少し違っていることに
美幸は気づいていた。
狭い口と道に太いものが強引に入れられるという裂けるような激痛ではなく、張った
カリが腸管をごりごりとこそぐ苦痛だった。
言われてみれば、確かに最初に比べればアヌスの痛みは小さくなっている。
太いカリが通り抜けて、あとはそれよりは若干細身の陰茎部分になっているから
だろう。
だが、いずれにしても苦痛は癒されないし、排泄器官を犯されているという恥辱
感や、猛烈な異物感はなくならない。
牛尾は焦ることなく、確実に挿入していく、美幸の腰を掴んでいた手を尻に回し、
その谷間をぐいっと割り開いている。
そこには、無惨なほどに拡げられ、皺もなくなった肛門がきつそうにひくひくして
いた。
膣から漏れていた蜜を指先で掬い取り、そこに塗りつけながら、牛尾はずぶずぶと
ペニスを埋め込んでいった。
ぺたんと牛尾の腹が美幸の尻にくっついた。
「よ……ぉし、全部入った。わかりますか、美幸さん。とうとう根元まで全部美幸
さんの中に入りましたよ」
「いやっ……あああ……は、入った……入っちゃった、の? そんな……全部お尻に
……ああ……」
「見事なものですよ、初めてなのに」
「は、恥ずかしいっ……」
美幸が羞恥を意識すると、面白いようにアヌスが肉棒をきゅっと締めてくる。
根元は肛門で締められ、サオは腸管がぺたりとくっついて絞りように蠢いてきた。
たまらない快感に、牛尾はたまらず中で動き始めた。
「ああ、いやあっ、う、動いちゃだめえっ……ひっ……うあっ……!」
牛尾が腰に入れる力を強め、ゆっくりと突き上げていくと、美幸は背を反らせて悲鳴
を上げた。
「ひっ、ひぃっ……お、お尻っ、お尻いっぱいっ……き、きっつ……きついっ……!」
「まだきついかな。でも、もうけっこうスムーズに動きますよ、ほら」
「ああっ! い、いきなり強く動いちゃいやあっ……苦し……ううんっ!」
苦悶する美幸の様子を注意深く窺いながら、牛尾は突き込む角度や深さ、強さを調整
していく。
痛がる場所、苦しそうにする箇所、割合と楽な箇所があるようだ。
羞恥は忘れさせず苦痛を取り除いてやれば、少しずつ快楽に目覚めていくかも知れ
ない。
「うんっ……うんっ……ふ、深い……あ、そんな奥まで……ひっ……痛っ……うう
っ……あ、あが……ああ……」
基本的には苦鳴と悲鳴しか出てこなかった美幸の声に、やや違った色のものが混じり
始める。
奥の方まで入れると身を震わせて怖がるくせに、そのすぐ近くの腸壁を擦るように
してやると悲鳴が消え、おとなしく責めを受けるようになっている。
不思議に思った牛尾だが、すぐに思いついた。
「ここが気持ちいいんですね、美幸さん」
「だ、誰が気持ち良いのよ、バカッ! そんなわけないわよ、あ……あ……」
反発しながらも、そこを亀頭でちょんちょんと突つかれ、軽く擦られると、それまで
嫌がるように振っていた臀部の動きがふいに止まった。
背中は相変わらず小さく震えているが、苦痛を我慢するような感じもなかった。
時折「んっ」と甘いような声も出ている。
「ここ、良いんでしょう?」
「ち、違う……」
「ここが痒いんですよね。だからこうして……」
「ああっ!」
「……こうしてあげると痒みが取れて気持ち良いんだ。そうですね?」
美幸は恥ずかしそうに小さくコクコクと二度頷いた。
山芋の成分が残っている箇所だったのである。
そこをペニスで擦られ、痒みが解消されているのだ。
牛尾がそこをなおもぐりぐりと抉ると、驚いたことに美幸は「続けてくれ」と頼む
ように尻をうねらせ、牛尾がそこを突きやすいように姿勢を変えてきた。
「こうか。こうですか?」
「あ……そ、そこ……そこが痒かったの……ああ……」
通常、肛門は尻たぶの奥底に秘められている。
そのデリケートな排泄器官は、まともな人間なら性器として使うことはためらうの
が当然だ。
美幸が激しく抗ったのも無理はない。
しかし、肛門と腸内に山芋を塗りたくられ、いてもたってもいられない痛痒感に
苛まれた状態で、そこを掻く意識で責められたらどうなるのか。
裂けそうなほどにミチミチと拡げられたアヌスは痛いし苦しかったが、痒くて仕方
がなかったその粘膜を擦るようにペニスが入り込んだのだ。
ただ入れられるよりは、ずっとマシだったろう。
腸管も同じで、野太い肉棒が無理に入ってきついのだが、今のように痒い箇所に
硬いペニスが当たることで、痒みが紛れている。
痒みが解消される快感に、美幸の声が甘くなっていく。
「ああ……あ……へ、変……お尻が何だか変……ああ……」
「変? 変じゃなくて、それは気持ち良いってことですよ、美幸さん」
「違う……違うわ……私はそんな……ああ、お尻が……あうう……」
しばらくゆっくりと突き込んでいくと、美幸は悲鳴を上げなくなってきていた。
痒みが消える心地よさと、それに混じった妖美な感覚が、美幸の肉体と心をとろか
せていく。
「はあっ……はああっ……うんっ……あっ……そこ……あうっ……いっ……お尻、
あっ……熱くなって……ああ……」
今の美幸なら、犯す目的でアヌスを抉っても痒みの解消だと思うだろうし、痒みが
消える心地よさを性的快感とすり替えさせることも可能だろう。
牛尾は突き込む速度を上げ、美幸のアヌスに快楽を覚え込ませていく。
尻をパンと叩きつけるようにして腸管深くまで打ち込んでは、ずるずるとゆっくり
引き抜いた。
肛門粘膜を激しく擦られ、腸管を抉られる感触に、美幸のアヌスは貫いてくる肉棒
に馴染み始めていた。
「あうっ……うんっ……ひっ……あはっ……も、もうちょっと弱く、あっ……うく
っ……」
「これくらいの方が気持ち良いでしょう。ほら、ここをこうやって擦ると……」
「ああっ! そ、そこがいい……くっ……ああ……」
美幸は思わず「いい」と言ったが、これは性的快感を表現したのではなく、あく
まで痒いところを擦ってもらって気持ち良い、という意味だ。
牛尾はそれを理解した上で、美幸が混乱するように導いていく。
「気持ち良いんですね、美幸さん。お尻がいいんでしょ」
「いい……ああ、いい……あっ……気持ち、いいっ……」
少しずつ太い肉棒に馴染んできた美幸の肛門は、快楽を求めるように蠢いている。
腸管からは、いつしか腸液がじくじくと滲み出し、牛尾の巨根がスムーズに律動
するようサポートしている。
牛尾は美幸の臀部を左右に割り開き、腰を思い切り使って深くまで打ち込んだ。
亀頭の先が腸壁にぶつかり、美幸に震えるような刺激を与えた。
「ひああっ! だめ、そんな深くっ……ああっ……お尻が……ああっ……」
「よくなってくださいよ、もっと。ところでお尻の痒いのはどうしました?」
「ああっ……ああ、もう痒くなくなった……あ、あ……な、中で擦ってくれたから
……」
「へえ。じゃあお尻の穴はどうです? そっちも痒かったんでしょ?」
「そ、そっちも……ああっ……へ、平気……うんっ……あああ……」
美幸はまだ痒み解消の心地よさとアナルセックスの快感の混じり合った感覚に戸惑
っていたが、その肛門はすっかり貪欲になっている。
腸管もペニスにへばりつくように絡みつき、抜くと外に引きずり出され、貫かれる
とめくれ込んで中に押し戻される。
牛尾はペニスを激しく出し入れさせながら、美幸のアヌスと腸管の柔らかさと愉しん
でいた。
ぐりっと腸壁を擦ってやりながら腰を大きく回転させると、美幸の腰もそれに合わせ
て振って悶えている。
「ああっ、そ、そんな激しく動いちゃあっ……うんっ……ああっ……」
「そう言ってもね、俺のチンポも何だか痒くなってきたんですよ。美幸さんのお尻
の中を抉ったからかな。そこに残ってた痒みの成分のせいですね、きっと。だから
もっと激しく動かないと俺も痒くって」
「ひっ、ひっ……だめ、強すぎるっ……あああ、お尻、どうにかなるわっ……!」
「でも、もうきつくないでしょ」
「き、きついわよっ……まだ苦しいの……ああ、だけど……」
「だけど? きついけどいいんですか。美幸さんまでマゾか」
「ち、違うっ……ひどいこと言わないで! あぐっ!」
そう言いながらも、美幸は太い男根に翻弄されていた。
もう痒いからどうこう、という状態ではない。
これは明らかに性的な官能ではないのか。
このまま責められたら、恥ずかしい最後の姿を晒してしまうかも知れない。
美幸の心が震えた。
「あうっ……あ、熱いっ……お尻、熱い……あう、深いっ……あぐうっ……」
しつこいほどの突き上げで、美幸のアヌスは爛れたように熱を帯びてきている。
それでも腸液が出ているせいか、すりむけたりすることはないようだ。
思い切りズンと突き上げると、美幸の形の良い尻が潰され、華奢な裸身が大きく
揺れる。
綺麗な線が浮き出ている背中は波打ち、腰も腿もぶるぶると震えていた。
美幸の肛門が、たまりかねたようにきゅっ、きゅっと断続的に締まってくる。
「あああっ……だめ、おかしいっ……私、おかしくなるっ……ああっ……」
「お、いくのかな? バージンアナルを犯されていっちゃうんですか?」
「いやああっ、そんな、そんなのいやっ! 私は……私は……ああっ……」
絶頂することを拒否しながらも、美幸の裸身は何度も跳ねている。
アヌスはそれに連動するように強い収縮を繰り返していた。
「ああ……あああっ……あ、もうっ……だめええっっ!」
ひときわ大きく絶叫すると、美幸はがくがくっと大きく全身を震わせ、首を反ら
せた。
同時にアヌスが思い切り引き締まり、牛尾の肉棒を食い締める。
ピンと全身を突っ張らせてたかと思うと、がっくりとシーツの上に突っ伏した。
「いったようですね、美幸さん」
「あ……はあ、はあ、はあ……」
「冷たいなあ、俺まだなのに。このままじゃ俺も中途半端だから、このままいき
ますよ」
「あ、ま、待って、ああっ……だめ、今はっ……は、激しいっ……あああっ!!」
牛尾は脱力しきった美幸の細腰をつかむと、ガンガンと突き上げていく。
すると、失神したように力を失っていた美幸の肢体が、また痙攣し始める。
「あああ、いやあっ……もういや……おし、お尻っ……ひぃっ……!」
恐らく初めての肛門絶頂の直後だというのに、美幸のアヌスはまた肉棒の責めに
応じて反応していった。
びくびくと痙攣し収縮して、責め来るペニスを引き窄めた肛門の圧力が襲った。
牛尾もその心地よさに我慢できず、美幸の直腸を激しく何度も貫いた。
腰と足の裏が痺れ、堪えきれない射精欲が込み上げてくる。
「み、美幸さんっ……俺、出るっ!」
「い、いやあ……いやあああっっ!」
「くぉっ……!」
どびゅぢゅっ、びゅぶぶっ。
びゅぶっ、びゅるるっ。
びゅしゅっ、びゅくっ。
牛尾は美幸の尻たぶを潰し、出来るだけ腸管の奥で己の薄汚い欲望を解き放った。
煮えたぎったような熱い粘液が、勢いよく腸壁に叩きつけられていく。
美幸はその凄さに目を剥いて喘いだ。
「うあああっっ、いやああっ……ひっ、出てるっ……いやあっ、汚いのが私のお尻
の中に出てるっ……ひぃっ……!」
直腸の壁に断続的にひっかけられる精液の感触に、美幸はいちいち反応してビクン、
ビクンと身体を跳ねさせた。
さっきの浣腸液とはまったくで違う、まるで固形のような濃い粘液がぶつかるよう
に腸壁にぶち当たるのだ。
「ひっ……あう……ううっ……あっ……お、お腹に、当たってる……あ、そんな…
…まだ出てるなんて……熱い……熱いのがこんなに……」
思うさま射精し終わり、ようやく牛尾が肉棒を引き抜くと、美幸のアヌスはその形状
のまま開きっぱなしだった。
徐々に閉じていくが、完全には閉まらないようだ。
そこからは、トロトロと白い濃粘液が零れ出ていた。
「ふう、気持ち良かった。やっぱアナルはオマンコと違った良さがあるよなあ。美幸
さんもそう思うでしょ」
牛尾はそう言って、また美幸の尻を叩いた。
張りのある若い臀部は、何度叩いても楽しい。
牛尾はあまり興味はなかったが、この尻ならスパンキングしたくなる男の気持ちも
わかるような気がした。
何度見ても飽きぬとばかりに、牛尾はまた美幸に尻たぶを割った。
「ああ……」
もっとも恥ずかしい箇所、それも自分の恥ずかしい汁と男の汚液で穢されたところ
を観察され、美幸は羞恥と恥辱で身が縮む思いだ。
牛尾はその濡れたアヌスを指でいじりながら言った。
「全然大丈夫だ。けっこうきつく責めたつもりだけど丈夫なもんですね、これなら
続けても平気だ」
「つ、続けるって……」
「言ったでしょ? 俺は一回や二回じゃ終わらないって。美幸さんだって知ってる
でしょうに」
「い、いや……もういや……」
「また「もういや」ですか。「するなら前で」ですか?」
「ど、どっちもいや……今日はもういやよ……」
「だーめ。鉄は熱いうちに打てって言うでしょ。せっかくアナルセックスを覚えた
んだ。完全にものにするまでやりましょうよ」
「そんな……。これ以上されたら、お尻が壊れちゃうわ……」
「平気ですよ。無理そうだったらやめてあげますから。でも美幸さんの肛門なら、
あと3回や4回くらい平気そうだけど」
「い、いや……いやあああっ!」
牛尾は、這いずるように前で逃げようとする美幸の腰を捕まえ、臀部を割ると、
その中心部を肉棒で貫いていった。
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