「や、やめて、しないで！」
「何を今さら。だいいち夏実さんの身体だってもう燃えちゃってどうしようもない
でしょうに」
「いやだったら！ そ、そんなでかいの、入るわけないわ！」
「そんなことありませんよ。こないだ何回もして……」
「言わないで！」
革具で拘束された身体を揺さぶって逃れようとする夏実に、牛尾は正面から覆い被
さっていく。
指で、もうすっかり寛げている大陰唇を開き、そこに亀頭をあてがう。
夏実はその熱さを感じてまた叫んだが、牛尾も夏実の膣の熱さを感じていた。
ぐっと沈めようとするだけで、夏実の媚肉は苦しげにひくついて亀頭を押し返そう
とする。
「ひぃっ……！ だ、だめだったらっ。入らない、入らないわよっ」
「大丈夫ですって」
「ああっ……ぐ、ぐぐ……んんんっ……！？」
夏実の哀れな媚肉は、今にもメリメリと音を立てて裂けそうなほどだ。
膣口いっぱいに亀頭が入り込もうとすると、夏実の腰が勝手によじれ出す。
その動きを止めるように、牛尾は開脚された夏実の両脚を押さえ込んだ。
押さえ込まれて逃げようにも逃げられず、夏実は全身から脂汗と冷や汗を滲ませて
いた。
「い……たいっ……ん、んくっ……む、無理よ……あう……」
全身が引き裂かれそうな苦痛に、気丈な婦警も美貌を歪めて呻いた。
あの時、本当にこんなものを受け入れたのが未だに信じられない。
「あぐう！」
もっとも太い亀頭部が飲み込まれた時、夏実はくぐもった悲鳴を上げた。
その瞬間、夏実はバリッと身体が裂けたような幻聴を聞いていた。
牛尾の方も、まるで初めて夏実を犯したかのように感激していた。
今日はあの時と違い、夏実を思うように追い込んでいて、余裕があったからだろう。
亀頭が入る時のきつさに加え、竿を膣へと押し込んでいく時の膣の抵抗と締め付け
に牛尾は昂ぶっていく。
ずぶずぶと奥まで埋め込み、先に何かが接触すると、そこで腰を止めた。
まだペニスが５センチほど膣外に出ている。
「……奥まで入りましたね、夏実さん」
「……」
話しかけられても、夏実は眉間に皺を寄せて堅く目を閉じている。
苦痛を堪え、牛尾に凌辱される屈辱に耐えているその美貌が妙にエロティックだった。
唇を噛みしめ、その端から洩れる吐息にも熱が籠もっていた。
まるで処女を失う時の表情に見えた。
牛尾は、ますます肉棒が充血していくのがわかった。
「じゃあいきますよ、夏実さん」
「や……、し、しないで、動かないで！」
牛尾は腰を何度か軽く突いた。
ブラシで責められ、クスコと綿棒で責められて、それぞれ絶頂寸前にまで追い立て
られていた身体だ。
それが頂点少し前で寸止めされ、ここにきて挿入されたのである。
もう夏実の媚肉は濡れきっており、一端ペニスを受け入れてしまうと、すぐに内部の
襞が反応して蠢いてきた。
それを待ってから、牛尾は本格的に腰を使い出した。
焦らされ、充分に濡れきった媚肉は、もうずぶずぶと何の抵抗もなく太い肉棒を飲み
込んでいた。
「あ、ああっ……あうっ……」
牛尾がリズミカルに腰を打ち込んでいくと、それに合わせて夏実の口からぽろぽろと
喘ぎ声が漏れ出る。
腰を疲れると尻が揺れ、乳房もたぷっ、たぷっと弾む。
「夏実さんの大きなおっぱいが、括り出されて余計に大きくなってますよ」
「いやっ、見ないで！」
「見ながら揉みたいんですよ。この黒い革もいいなあ、夏実さんの白い肌によく似合
ってる」
牛尾の言った通り、黒革のオープンブラとぽろりと零れた乳房の白さとのコントラス
トが素晴らしかった。
夏実の色の白さが強調され、硬質な革と対照的な柔肌が艶やかだ。
性的に興奮しているせいか、乳首の色がいささか色づいている。
牛尾はそんな乳房を、ゆっくりと大きく揉みしだいた。
指から零れ出るほど柔らかい肉の塊が、男の動きに応じて揺さぶられ、形を変えて
いく。
「あ、あふっ……あ……、んんっ……やめ、ろ……あっ、乳首はぁっ！」
こりこりと乳首を潰されるようにこねられると、夏実のそこは見る間に充血し、堅く
立っていく。
時々指で弾かれると「ひっ」と喉を絞るような呻きが出てくる。
「やっ、乳首は……い、いじらないで、あうっ……」
「弾かれるが好きみたいですね」
「違……、やっ……！」
ピンと弾かれるとぴりぴりとした刺激が走る。
どういうわけか、責められているのは乳首なのに、膣の奥やお尻の穴までひくついて
しまう。
痛いと言えば痛い。
むず痒いと言えばむず痒い。
そんな不可思議で妖しい刺激が、だんだんと痺れるような快感へと変わってきた。
「あう……」
それまで悲鳴や呻きばかりだった夏実の口から、明かな喘ぎが漏れ出てた。
牛尾が乳房に舌を這わせてきたのだ。熱い舌がねっとりと豊かな乳房の裾野から頂を
目指して這い上っていく。
唾液を塗りたくられ、乳房に道を造るように這っていく舌の感触に、夏実はつい甘い
声を上げてしまう。
さらに頂点で乳首を口に含まれ、唇でねぶるように引っ張られると、はっきりとした
艶声が出た。
「ああっ……！」
「お、いい声ですね。その調子ですよ」
「くっ……あああっ……！」
夏実は牛尾の突き混みに、苦痛にも似た悲鳴を上げて身体を揺すっている。
太すぎるものが狭い内部を抉る刺激がきついのだ。
子宮にも当たることがあるから、それが痛いというのもある。
「や、やめて、ああっ……くっ……ふ、太い……太すぎるわよっ……」
「そんなに大きいですか、僕の」
「ああ大きい……大きすぎるわ……こ、こんなの……」
「そんなこと言ったら彼氏が傷つきますよ」
「い、いやっ！」
（ああ……、将司くん……あたし……）
そう言われて、つい夏実は東海林を思い起こしてしまう。
こんなことになって、牛尾などに犯されて東海林に合わせる顔がない。
こうなった以上、この男のセックスに反応しないことしか償う道はない。
犯されて感じてしまい、気をやってしまったら、東海林になんと言っていいかわか
らない。
なのに、どうしても東海林のものと比べてしまう。
牛尾のものときたら、比較するのも無駄なほどに大きかった。
東海林が短小なのではなく、牛尾のものがでかすぎるのだ。
そう思いたかったが、女体は確実に牛尾の大きな肉棒に馴らされていく。
痛いだけだった性交が、それ以外の妖美な感覚──はっきりとした快感となって
確実に夏実の身体を浸食していった。
「いいオマンコですよ。中は窮屈なのに襞はひくついててチンポに絡んでくる」
「いやあっ、抜いて！ は、早く、ああっ！」
Ｍ字開脚で無惨に割り開かれた両脚の腿を押さえつけ、牛尾はギンギンにいきり
立ったものを夏実の膣へ深々と埋め込んでいた。
このきつさや腰がぎくしゃくしているところを見ると、恋人はいて身体の関係が
あったにしても、そう数は多くなかったはずだ。
であれば、何度も何度も犯して夏実の身体を自分に合うように開発してしまえばいい。
夏実の肉体の感度自体は極めて良好だ。
嫌がりながらも焦らし責めが功を奏して、狭い膣道には溢れんばかりの愛液が出て、
ペニスを汁まみれにしている。
「こんな良い身体をろくに使わなかったなんて本当にもったいない。持て余していた
んでしょう？ これからは僕が存分に可愛がってあげますよ」
「いやよ、あんたなんかぁっ！ あ、あうっ、やめてってばあっ！ はああっ……！」
どんなに抗っていても、身体の方は挿入された肉棒に対して過剰とも思えるほどの
反応を見せ、蜜が潤い、襞がうねっている。
膣口も締め付けが始まった。
それを合図に、牛尾は夏実の腿を抱えて突き上げ始めた。
「あ、いやっ、あっ、あうっ、ひっ、ああっ、ぐうっ、やめっ、くうっ……！」
リズミカルに腰を打ち込むと、夏実は突き上げられるたびに悲鳴を放った。
それでいてその敏感な裸身は、男が律動を重ねるごとに具合が良くなってきている。
性体験は少ないものの、年齢相応に肉体は熟れていて、媚肉はしっとりとした味わいだ。
牛尾は長大なものを自在に使いこなし、夏実の膣を隅々まで犯した。
「感じてきてるんでしょう、夏実さん。締め付けがきつくなってますよ」
「ウ、ウソっ、そんなのウソよ！」
「ウソじゃありませんよ。夏実さんだって僕のペニスの大きさを実感してるんじゃ
ありませんか？ 締め付けるから余計に感じるんですよ」
「だ、黙りなさいっ……あ、ああっ……」
牛尾の指摘通りだった。
夏実は、奥まで突いてくる牛尾の肉棒が、どんどん太くなっていっているような感覚
を持っていた。
膣の入り口がそれを締め付けていれば、そうした錯覚を受けるのも当然だろう。
また、内部の襞も蠢いて膣道自体がペニスの大きさを確認するかのように収縮して
いる。
「良さそうですね。奥を突かれて中を擦られるのがいいんでしょう？ ほら夏実さん
の身体がもっともっとって言ってる」
「勝手なこと言わないで！ あ、あたしはそんなこと言って、あああっ！」
膣内が、怖いほどに張った亀頭部のカリで何度も擦られる。
襞が抉られるような感じだ。
夏実は、残った理性がカリで削り取られているような気がした。
嫌なのに、肉体がしっかり反応してしまっていることに夏実は戸惑っている。
抜き差しされると膣襞がひくつき、奥まで到達されると膣口が引き締まる。
その間の、得も言われぬ快感は、喜悦と呼んでもいいほどのものだった。
牛尾に犯されて感じている事実を夏実自身は嫌悪している。
嫌悪しているのだが、身体は涎を垂らさんばかりに感応しているのは、ペニスをくわ
えこんだ膣の様子からも明らかだった。
「気持ちいいんでしょう、夏実さん。感じてるなら我慢しないで声を出してください
よ。僕も夏実さんの色っぽいよがり声が聞きたい」
「バ、バカにしないでよっ、あっ……こ、こんなこと……こんなことで、あうっ……
か、感じ、ああうっ、感じたりしないわよっ！」
「恥ずかしがるのもわかるけど、僕と夏実さんの仲じゃないですか。いいんですよ、
よがっても」
「だっ、誰があんたとあたしの仲なのよっ。冗談じゃないわ、もうやめ、あぐうっ！」
まだ反論しようとしているのを見て、牛尾はずぶっと最奥まで肉棒を抉り込んだ。
「それにしても夏実さんの身体は僕に抱かれて大喜びじゃないですか。ひょっとして
その東海林って人とのセックスは満足してなかったんじゃないですか？」
「将司くんのことは言わないで！」
「あれ図星なんですか。そうだろうなあ、チンポもテクニックも僕の方が上なんで
しょう？」
その通りだった。
東海林とのセックスは、互いに照れもあって、そう濃いものではなかった。
だが、それなりに感じたし、夏実としては「こんなものだろう」という認識があった
のだ。
ペニスにしても、夏実はまともに男のものをまじまじと見たことなどはない。
手で触れることはあったし、視界に入ることもあったが、意識して見ないようにして
いた。
大きさなど、さほど問題ではないとすら思っていた。
第一この場合、東海林のものが小さいのではなく、牛尾のものが大きすぎるのだ。
だが、その大きすぎるものに身体が馴染んでいくのを感じているのも事実だった。
最後には、この大きなもので身も心も征服されてしまうのではないかという脅えも
ある。
「ううっ……あああ……」
「ほら、よがってる。あんまり喘いじゃ彼氏に悪いですよ」
「う、るさいっ……喘いでなんか、いっ……あ、ああっ……」
「喘いでるじゃないですか」
牛尾がからかうと、夏実の肉襞がざわつき、膣が引き締められる。
どうやら羞恥を煽られたり、辱められたりすると、意に沿わぬ快感を得てしまうら
しい。
ことさら恋人のことを言われたり、感じていることを指摘されるといっそうに感じ
てしまうようだ。
「あんな男に抱かれなくとも、僕が充分に愛してあげますから。何度も気をやって
失神するくらいにね」
「そ、そんなこといやっ……んくっ……あ、ひぃっ……ああっ！」
男勝りで気丈な夏実が簡単に屈服するとは牛尾も思っていない。
まずはじっくり時間を掛けて、この素晴らしい肉体を味わいながら、夏実にあらゆる
快楽を与えて、性に目覚めさせればいい。
そうなれば恋人との行為に物足りなさを感じ、嫌でも牛尾になびいてくる。
牛尾は夏実の肉感的な太腿を両脇に抱えて、何度も何度も突き上げた。
腿に巻いた革拘束具と汗に匂いが混じり、妖艶な香りが漂いだした。
白かった腿が仄かにピンク色に染まっている。
黒ベルトに括り出された豊満そのものの乳房も、腰が突かれるごとにたぷん、たぷん
と大きく揺さぶられていた。
牛尾はそれほど無理をしなくとも、先に奥の壁が当たるのを感じていた。
「お、ここが夏実さんのいちばん奥ですね」
「ひっ……やあっ……！」
「ここが子宮ですよ、夏実さんの。ここまで届かされたことなんてなかったでしょう？」
「ああっ、も、いやあっ……あうっ、深いっ……深いってばあっ……」
奥を突っつき出すと、膣が収縮を強めてきた。
何度となく子宮口を突き上げられ、夏実はその痛みと、そこから来る快感に身悶えた。
牛尾も「ここが夏実の子宮だ」と思うと、その感激に自然と腰が早くなっていく。
「ううっ……夏実さん、気持ちいいよ。もう出そうだ……」
「なっ……」
夏実は目を剥いた。
「やめて、出さないでよ！」
「今さら何です？ あの時、朝までセックスしなくって、散々中に出したんですよ」
「で、でもいやよ！ あんたのなんか出されるのはいや！」
「いやでもなんでも中で出すんです。そのうち、夏実さんが自分から「中に出して」
って言うようになりますから」
「ふっ、ふざけないでっ、ああ、いやあっ！」
中に出されると覚った時から、夏実の胎内の温度がまた上がっていった。
加えて膣もきゅうきゅうと締め上げてくる。
嫌悪すべき男の精を受け入れさせられるというのは、女にとってこれ以上ないほどの
恐怖だ。
夏実もその恐怖を感じていたのだが、どうしたことか身体の方はその精を受け入れ
ようと準備しているかのようだ。
「いやだ」と思っているのに、身体は火照り燃え上がっていく。
絶頂してしまいそうなのが自分でわかった。
「ああっ……ああ、もうっ……！」
「い、いきそうなんですか」
「ちっ、違うっ……あああっ……！」
「いってくださいっ！」
「やっ、激しいっ……ひっ……ひぃぃっ！」
ガンガンガンと三度続けて深くて強い挿入を受け、夏実は昇り詰めた。
ガクンガクンと身体をびくつかせ、くわえ込んだペニスを膣がきゅううっと強烈に
締め付けた。
牛尾もこれには我慢できず、呻いて射精した。
「ううっ、で、出るっ！」
「いやああっ！」
どびゅるるっ、びゅるるっ。
どくっ、どくっ、どくっ。
どぷっ。
どぷぷっ。
「いやあああっ、な、何で出すのよぉっ！」
膣内に勢いよく噴出される熱い粘液を感じ、夏実は全身をばたつかせて暴れた。
今にも革ベルトを引き千切りそうな勢いだ。
その夏実を押さえつけ、牛尾は腰を押しつけたまま射精を続けた。
「あ……ああ、あ……、な、中で出てる……中に出されてる……。いやあ……」
「暴れないで。ちゃんと全部出しますから」
牛尾はそう言って、発作が収まるまで腰を揺すっていた。
ようやく射精が終わり、牛尾がひと息つくと、夏実はキッとした美貌を向けて怒鳴
った。
「このバカッ……、どうして……どうして中に出したのよっ。いやだって言ったの
に……」
「だって、せっかく夏実さんのために溜めたんだから、夏実さんの中に出さなきゃ
もったいないでしょう」
「あたしはそんなものいらないわよっ」
夏実は、思わず零れそうになる涙を必死に堪えて叫んだ。
またこんな男の精液を出されてしまった。
牛尾に中出しされるごとに、自分の体内が汚れるような気がした。
東海林にも申し訳が立たない。
夏実は、まだ牛尾が挿入したままでいるのに気づいた。
「くっ……、も、もう満足したんでしょ！ さっさと抜いてよ」
「え？ まさか、こんなもので満足するわけがないですよ。夏実さんだってそうで
しょう？」
「あ、あんた、まさか……」
夏実が、最初のレイプを思い出して青ざめた。
そう言えばこの男は、自分を一晩監禁して、翌日の昼過ぎまで飽きることなく犯し
続けていたのだ。
牛尾のペニスは、外に出ているより夏実の中に入っていた時間の方がずっと長かった。
思い出すだに寒気がする。
同時に、この小男のどこにそんなスタミナがあるのかと思うと恐ろしくもなった。
何度射精しても、その性器は一向に萎えない。
射精直後は確かに少し充血がほぐれるようなのだが、それでも半勃起状態だった。
夏実の中に潜り込んでいると、すぐにむくむくと大きくなっていったのだ。
今もそうだった。
夏実が抜こうと思って腰を捩ると、その摩擦感のせいか、媚肉深くまで食い込んで
いる肉棒に、また芯が入っていくのがわかった。
「あっ……、ま、また……」
「大きくなってるのがわかります？ へへ、まだ出来ますよ。おお、硬くなってきた」
「こっ、この化け物！」
再び牛尾が腰を動かし始めると夏実は罵ったが、その身体からは徐々に抵抗の気配が
消えつつあった。
まだ再開して間もないというのに、早くも夏実の喘ぎ声が火のように熱くなっていった。
「あ、ああっ……あうっ……んんっ……くっ……くあっ……」
「そうそうその調子。夏実さんも愉しみましょう」
「う、るさ……あっ……あひっ……」
明らかに、肉棒を突き込まれるたびに感じ方が強くなってきている。
分泌される愛液もとどまることを知らず、膣とペニスの僅かな隙間から漏れ出て、
ふたりの腿や腰を汚していた。
「ああっ……そ、そんなにしないでよっ……あっ……く……ふ、かいっ……ひっ
……」
まだ自分から求めてくる気配はないが、身体の方は確実に応えてきている。
強制的に与えられる快楽に委ねきっていた。
恋人は遠距離恋愛だし、抱かれる回数は少なかったはずだ。夏実だって健康な女性
である。
悶々とする夜には自慰くらいはしただろう。
だが、それらがいずれもこの成熟な肉体を満足させてはいなかったのは確かだ。
その証拠に、嫌っているはずの牛尾のセックスに身体の方が溺れかかっている。
自慰でも東海林との性交でも、表面的には満足していたのかも知れない。
だが、それ以上の快楽を教え込まれていくと、たちまち夏実の肉体は新たな快感に
目覚め、開花していった。
相思相愛の相手が今ひとつ性的に未熟だったこと。
それに対して夏実の身体が人並み外れて鋭敏で、セックスに向いていたこと。
深層心理的には、夏実は抑圧されていた性衝動があったのかも知れなかった。
牛尾のものが奥深くまで貫き、膣を抉るたびに、身を仰け反らせて喘いでいた。
「いいいっ……あっ……んああっ……」
「いいんですか？ なら「いい」とか「気持ちいい」って言ってくださいよ」
「き、気持ちよくなんか、あうっ、な、ないっ……ひぃっ……あぐうっ……」
また夏実は乳首を責められ始めた。
強く反応してしまうところがあると、牛尾は執拗にそこばかり責める傾向がある。
腋の下を責められた時も、夏実はそれだけで気がいってしまいそうになったくらいだ。
「くく、ほら夏実さんの好きなおっぱい、もっと虐めてあげますよ」
「そ、そんな、もういやあっ……、あっ、あああ……」
牛尾はつまんだ指先に力を入れ、夏実の乳首を潰した。
少し強くつまみ過ぎたのか、乳首は痛々しいほどに赤く勃起した。
なのに夏実の口からは苦痛を訴える声は上がらず、むしろ陶然としたような声になっ
ていた。
「あっ、あは……くっ……いいいっ……あう！」
牛尾の愛撫は確実の夏実のツボを押さえ込み、美人婦警は激しく身悶えして喘いだ。
そんな夏実の反応を確認しながら、牛尾は時に強く、時に弱く、乳首に与える刺激
を変化させていく。
指で乳首の下を優しく擦ったかと思うと、一転して口で乳首がもげそうなほどに強く
吸引する。
歯を立てて乳首の根元を囓るように刺激したり、両手いっぱいに胸肉を掴んで乱暴に
揉み込む。
そうやって夏実に悲鳴を上げさせてから、今度は優しく乳房全体に舌を這わせて熱い
喘ぎ声を上げさせている。
夏実はそんな牛尾のテクニックに翻弄されつつあった。
（こ、こいつ……、本当にうまい……。どうして？）
夏実の動揺がわかるのか、牛尾が幾分自慢げに言った。
「僕、けっこううまいでしょう？ 女を扱うのが」
「……」
「女」ではなく「女体」の間違いだろう、と夏実は言ってやりたかった。
「僕もね、半年前までは童貞だったんですよ」
「あんたの話なんか聞きたくないわ！」
「でもねえ、いざ夏実さんと結ばれるにあたって、男が何も知らないってのもどう
なんだろうと思って。本当は童貞のまま、初めてを夏実さんに捧げたかったんです
けど」
牛尾は夏実を無視して話を続けた。
「だから風俗でさっさと童貞は捨てました。以来、何度も通いましたよ。出会い系
も使ったし。とにかく経験を積みたかった」
「……」
「でも、あんまり気持ちよくなかった。やっぱり夏実さんじゃないとダメなんだ。
ソープ嬢とセックスしても興奮しないんですよ。そりゃあ射精はしますけど、あれ
なら夏実さんや小早川さんをオカズにしてオナニーした方がずっと気持ちよかった」
夏実はそれを聞いてゾッとした。
部屋中に貼ってあるポスターを思い出す。
この男は、夏実たちが知らない中（当たり前だが）、自分と美幸の写真をネタに自慰
をしていたのだ。
夏実のポスターが乾いた精液でごわごわしていたのを思い出して寒気がした。
「だからもう、夏実さん以外とやるのは練習だと割り切りました。経験値稼ぎです。
いつか夏実さんを抱く時に恥をかかないよう、夏実さんを悦ばせるためにやってた
だけです」
牛尾はうっとりとしてそう言った。
「だからこうして現実になった以上、存分にやりますよ。愉しみましょう、お互いに」
牛尾は容赦なく夏実を抉り上げ、子宮口まで届かせた。
深く突き込み、引いては膣口までカリを引き戻し、また一気に奥まで貫く。
加えて半ばまで引き出してから「の」の字を書くように腰を回転させてグラインド
させた。
やはり東海林とは全然違う。
文字通り膣内を引っかき回され、押し広げられる動きに夏実は喉を涸らして喘いだ。
「ううああっ……やはっ……くっ……あ、いっ……」
「「いい」でしょ？」
「くっ……よ、よくないっ、全然よくないっ……あああっ……！」
「ホントに頑固だなあ。こりゃお仕置きかな」
「お、お仕置きって……」
「中に出してあげますよ、また。夏実さんが素直になるまでね」
「……！」
続けて中に出すと言う男を、夏実は信じられない思いを見ていた。
そんなことをしたらどうなるというのか。
ヘタをすれば妊娠してしまう。
夏実は、もちろんこんな男の子を孕むのなど嫌だったが、牛尾の方は例え夏実が
孕んでも気にもしないのではないだろうか。
牛尾に孕ませられるという恐怖で、夏実は絶叫した。
「いっ、いやあああっ……！」
「……大きな悲鳴だなあ。まだそんな元気があるんだ」
「だめっ、絶対にだめだからっ！ 中はいやよ！」
「だから、もう何度も出したじゃないですか」
「でもいやなのよ！ やめて、せめて外に出してよ！」
「そうはいきません。最初の一回目は、顔射してみたかったからそうしたけど、
あとはもう全部夏実さんの中に出すって決めてたんですから」
「いや、いや、いやああっ……、ぬ、抜いて、中はやめて！」
激しく頭を振りたくり、さらさらの髪が宙を舞っている。
腰を捩り、何とかして膣内射精を拒もうとしていた。
なのに夏実の媚肉は盛んに牛尾のペニスを締め付けている。
やはり辱められたり、ひどいことをされると一層に愉悦を感じてしまうのだろう。
「抜こうにも抜けませんよ。ほら、夏実さんのオマンコ、こんなに僕を締め付け
てる」
「やめて、お願いっ……抜いて、しないでよぉっ！ あああっ！」
胎内射精に脅えつつも、夏実は喘ぎ声を止められずにいる。
その喘ぎ声が甲高くなり、艶めき、一層にエロティックになっていく。
夏実の悩ましい声と、妖しく悶える肢体に、牛尾は二度目の射精を意識した。
「そ、そろそろですよっ……」
「あ、だめっ……中はよしてっ、ああ、外に、外に出してぇっ！」
「い、いきますよっ」
牛尾がそう言って腰を捻り、いちばん奥へと届かせた。
亀頭の先が子宮口を抉ると、夏実はその刺激でまた絶頂に達した。
「ああ、いやあっ……いっ、く……いくっ！」
「夏実さんっ！」
夏実の絶頂を告げる声を聞いて、牛尾は一気に射精した。
襞をかきわけて最奥にまで到達し、子宮口に先端を押し当てる。
そのまま込み上げてくる射精感に逆らわず、一気に精液を放った。
どっぴゅううっ。
どぷっ、どぷっ。
びゅくくっ。
びゅるるんっ。
「あっ、ひぃぃっっ！」
子宮口に直接精液を浴びて、夏実は続けざまに気をやった。
背中を思い切り弓なりにしならせ、がくがくっと全身を痙攣させた。
否応もなく膣口は締まり、牛尾の射精を促して、その精液を奥へと襞が運んでいく。
「いやあああっっ！ ま、また中で出てるぅっ……、抜いて、すぐ抜いてぇっ！」
絶頂による歓喜の声を一転させ、膣内射精された絶望の悲鳴を上げて泣き叫ぶ夏実
を、牛尾は上から押さえつけて容赦なく射精してのけた。
精子をたっぷり含んだ濃い精液がひしめき合って尿道から放出されるのがわかる。
夏実の膣は、ドッとばかりにあふれ出てくる精液がまき散らされた。
「ううっ……」
足の裏が痺れるような快感に酔いながら、牛尾は夏実の腿を抱えて乳房に押しつけ
深い体位のまま全部注ぎ込むまで離れなかった。
「ああ……いやああ……」
牛尾はこれほどに「射精」を実感したことはなかった。
ペニスがどくどくと脈打って精液を放つと、夏実の膣は搾り取るように収縮する。
それに促されて、なおも射精が続いた。
ようやく射精感が消えても、まだ牛尾は夏実の身体を抱いたまま離さなかった。
「ひ、ひどい……」
夏実は顔を伏せて涙を堪えていた。
「どうして……」
「……」
「どうして出したのよぉっ！ いやだって言ったのに……」
「夏実さんを僕のものにするためです」
「……あんた、まだそんなこと……」
これだけ嫌っているのに、そしてそのことを何度も口にしているのに、どうして
わかってくれないのか、夏実には理解できない。
愛を告げてきた相手が傷つかないように遠回して言っているのではない。
嫌いだとはっきり言っているのだ。
なのに、この牛尾の反応は何なのだ。
「夏実さんもよかったんでしょう？」
「冗談じゃないわよ。さ、さっさと抜きなさいよ、終わってんでしょ」
「よくなかったっていうんですか」
「あ、当たり前よ」
「さっき「いくっ！」って言ったじゃないですか」
「……！」
それは夏実にもわかっていた。
そんなことを言うつもりはなかったのだが、もう身体が性の喜悦に抗いきれず、
つい口から出てしまったのである。
つまり牛尾のセックスに感じてしまっていたのであり、絶頂まで押し上げられた
のは事実なのだ。
意に染まぬ相手に強引に犯され、強制的な絶頂を味わわされる。
夏実のような女性にとって、これ以上の屈辱はなかった。
だが、その裏に何とも言いようのない妖美な快楽があった。
「あ、あれは……」
「あれは？ ウソだったというんですか？」
「そ、そうよ。あんたをさっさといかせるために口から出任せ言っただけよ！」
夏実はそう言って強がった。
それがウソだということは、彼女の身体自体が証明していた。
溢れるほどに滴っている愛液。
むせ返るような甘い女臭。
痛いほどに勃起した乳首とクリトリス。
そして、ペニスをくわえ込んだまま離そうとしないかのように締め付けている媚肉。
どれもこれも、夏実が反応してしまったことを示していた。
「そうですか。じゃあウソかどうか確かめますか」
「ひっ！？ あんたまたっ……、もうしないで、やめて！」
「僕がこれくらいじゃ終わらないことはこないだわかったでしょう？ 夏実さんと
こうしてセックスできるのは非番の時くらいなんですから、その分密度を濃く、回数
も多くないとね」
「やっ……、もういやあああっっ！！」
夏実の絶叫をよそに、牛尾は精液と愛液にまみれた子宮を突き上げ、胎内をかき回し
ていった。
───────────────────
「さ、さっさと入んなさいよ」
「はは、そんなに待ち遠しかったですか」
「他人に見られたくないのよっ。あんたなんかを部屋に入れてるところを誰かに見ら
れたらどうすんのよ」
「堂々としてればいいじゃないですか。「あたしの恋人です」って」
「バカ言わないで！！」
夏実は小声で怒鳴ると、玄関でうろうろしていた牛尾の右手を引っ張って強引に中へ
入れた。
大声で怒鳴りつけたいところだが、ここは牛尾のマンションとは異なり、隣の部屋に
も人はいるのだ。
さっき夏実が見たところでは人の気配はしなかったので、多分誰もいないだろう。
両隣はそうだったが、他はわからない。
人目についたり、おかしな声や物音を聞かれることは厳禁だ。
今日は、夏実たちの部屋へ淫虐鬼が訪れたのだ。
正確には夏実が呼んだのだ。
非番のこの日、何とか美幸を外出させようとして奸計を練り、中嶋をそそのかして、
彼の部屋へ美幸を行かせるように仕向けた。
美幸と中嶋のことだから、そのまま同衾するとは思えなかったが、それでも時間は
稼げる。
夕食を一緒に摂るくらいのことはするだろうから、たっぷりと時間はあるはずだ。
夏実は美幸に「たまにはご飯くらい作ってあげたら？」と言っておいたのである。
牛尾はにやつきながら入ってきた。
遠慮なく部屋へ上がった。
もう夏実は自分のものだという思い込みもあるのだろう。
それがわかるから、夏実はますます牛尾への憎悪を募らせていく。
「……何を持ってきたのよ」
牛尾は迷彩柄の３ウェイバッグを提げていた。
がちゃがちゃと音を立てているそれを見て、夏実が言った。
「……何を持ってきたのよ」
「愉しみですか？」
「いやなだけよ。どうせいやらしいものなんでしょ」
それ以外に考えようがない。
気にする気にもならなかった。
「それより早くしてよ」
「早く？ そんなに抱いて欲しいんですか」
「ふざけないでよっ！ あんたをここに呼んだのは……」
「わかってますよ。ふふ、いいなあ夏実さんの怒った顔」
「この……」
からかわれていると思ったが、夏実は怒りを押さえ込んだ。
まずは処理が先だ。
シャワー室にセットされている隠しカメラを処置させようと思ったのだ。
先日、二度目の凌辱を受けた後、部屋に戻ってシャワーを浴びた時、隠しカメラの
ことを思い出したのである。
もしかするとカメラはまだ生きていて、牛尾がそれを見て愉しんでいるかも知れない。
それを思うとゾッとした。
「早く！」
「わかりましたよ」
牛尾は苦笑して、シャワー室へと歩いて行った。
案内したわけでもないのに、迷いもせずに真っ直ぐにたどり着いている。
やはりこの男は、何度もこの部屋に不法侵入していたのだろう。
シャワー室に入ると、シャワーの反対側の壁に取り付いた。
小柄な牛尾は風呂椅子に乗って、ようやくそこに手を伸ばす。
「あっ……」
夏実の口から声が漏れた。
牛尾はそこにあった小さな換気扇のカバーを外していた。
夏実もあちこち探したのだが、どうしても見つからなかったのだ。
まさかそんなところにあるとは思わなかった。
牛尾はカバーを外すと背伸びしてその中に手を突っ込んだ。
そこから外したカード型のビデオカメラを夏実に示す。
「……こんなところに」
「気づかなかったですか」
「ちくしょ……！」
夏実はそれを奪うようにもぎ取ると握りつぶした。
小さな破片がタイルに零れる。
「ああ、そんなことしたら綺麗な手に傷がついちゃいますよ」
「うるさい！」
「じゃあ、次行きますか」
「次ですって？ じゃあ、あんたまだ他にカメラをセットしてるの！？」
トイレにでもセットされていたらと思うと、夏実はゾッとする。
牛尾は笑って手を振った。
「いいえ、カメラはそれだけですから安心してください」
「……」
「盗聴器がまだあるんですよね」
「ど、どこよ！」
慌てる夏実を従えて、牛尾はすたすたと居間へ歩いて行く。
居間では夏実がコンセントの二叉プラグのものをひとつ見つけている。
なのに牛尾はさらに部屋からふたつも盗聴器をセットしていた。
ひとつはコンセントボックスの中、もうひとつは壁掛け時計の裏だった。
そこは夏実も確認したのだが、後ろのカバーの中、つまり機械部にセットしてあった
のだ。
さすがにこれは気づかなかった。
夏実はそれを奪い取って言った。
「こ、これだけでしょうね！」
「もうひとつ」
「どこよ！」
夏実の声を背中で聞きながら、牛尾は寝室へと歩いて行った。
夏実は慌てた。
「ま、待ちなさいよ！ あんたどこ行くのよ！？」
「どこって寝室ですよ」
「ちょっ、待って！ 勝手に入らないでよ！」
こんな男に寝室を見られたくはない。
だが牛尾は気にも留めず、ドアを開けた。
すぐに床に這いつくばって、コンセントボックスに精密ドライバーを使い出した。
またそこにセットしたようだ。
牛尾は簡単に外すと、夏実に手渡した。
「はい、どうぞ」
「こ、こんなところに仕掛けるなんて……。最低よ！」
「でもねえ、空振りでしたよ。せっかく寝室にセットしたってのに、夏実さんも小早川
さんもオナニーもしてくれないんだもの」
「……」
「僕は、もしかしたらおふたりはレズなのかなと思って期待してたんだけど、それも
なかったしなあ」
「バ、バッカじゃないの、あんた！ 女がふたり一緒に暮らししてるだけで、そんな
目で見られたらたまんないわよ！」
「そうですけど、おふたりはかなり仲が良さそうだったから。まあ、いいじゃない
ですか、そこまで怒らなくても」
牛尾はそう言ってベッドに腰を下ろした。
「な、なんで腰おろしてんのよ！ 早く出てって！」
「そう慌てないで下さいよ。せっかくベッドルームにいるんですから」
「く……」
やはりそうなのだ。
夏実も、部屋のカメラの取り外すように言った時、それだけで牛尾が素直に帰るはず
はないと思っていた。
だが、牛尾の部屋ならともかく、自分たちの部屋で犯されるのだけは断固拒否する
つもりだった。
無論どこで抱かれても嫌なのだが、ここだけは穢されたくなかった。
「さ、服を脱いで」
「いっ、いやよ！ なんでここで……」
「他ならいいんですか？ じゃあ僕の部屋かホテルにでも行きますか」
「ど、どこでもいやなのよ！」
夏実がそう叫ぶと、牛尾はバッグから一枚の写真を出してベッドに滑らせた。
「あっ！」
例によって裸の夏実が映っていた。
しかも隠し撮りしたものではない。
こないだ牛尾に呼び出されて散々犯された時のものだ。
夏実は哀れにも両脚をＭ字に開かされ、両手を頭の後ろに回した状態で拘束されて
いた。
革ベルトが白い肌に食い込んでいる。
その恥ずかしい格好の正面から撮影されていた。
「バ、バカバカッ！ こんなもの出さないで！」
「……ね？ 僕はこれを満天下に晒すつもりはないけど、夏実さんが言うことを聞い
てくれなきゃ、こう使うしかない」
夏実はＢ５でプリントされた写真を丸めて握りつぶし、両肩をわなわなと震わせ
ながら声を絞り出した。
ろくすっぽ見ないで屑籠に放り込んだが、案の定、中には入らず、口に当たって
跳ね返った。
しかし、そんなものは気にもせず、拳を握りしめていた。
「……また、こんなもので脅してあたしを自由にするつもりなの。……ホントに
最低ね」
「ま、そう言わないで。この後すぐに、気持ち良く感じさせて最高の気分にさせて
あげますから」
「いやよ！」
「いや？」
「……」
夏実は観念したように、がっくりと顔を伏せた。
こんな男の言いなりになるのは死ぬほどの屈辱なのに、そうせざるを得ないジレンマ
に夏実の美貌が曇る。
渋々全裸になった夏実を、牛尾がまた拘束してくる。
何のかんの言っても、まだ安心は出来ないのだ。
夏実を酷く犯している最中、捨て鉢になって牛尾を張り倒す可能性はまだあった。
牛尾としては、本音としては夏実の写真をばらまいたりする気はない。
脅しに使っているだけで、それを公開しようとか、まして金儲けしようなどとは全く
思っていなかった。
夏実は自分だけのものなのだ。
他の男には見せたくなかった。
だが、それを夏実に覚られては今後の行動に影響が出る。
牛尾としても一か八かの行動だった。
今のところ、夏実の理性や羞恥心は健在で、牛尾の計画通りに進んでいた。
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