「ま、またこんな格好……」

夏実は掠れる声で羞恥に呻いた。
今日はM字開脚どころではなかった。
夏実の長い脚は、まるで赤ちゃんがおしめを取り替えるような格好に上げられている。
その両足首を黒い棒が固定していた。
棒はPVCパイプ製の安物だが、こんなものでもちゃんと目的は果たしている。
表面は黒いスポンジゴムで覆われていて、三つに分割も出来る。
牛尾はそれを一本につないで、夏実の股間を開かせていた。
80センチほどの拘束スティックの両端には足枷のベルトがあって、そこに両足首が
縛られている。
ベルトは足枷だけでなく手枷もある。
そこで手首を固定されると、右の手首と足首、左の手首と足首がそれぞれがひと
まとめにされていた。
牛尾はそれを見て、ことさら夏実の羞恥を煽った。

「すごい格好ですよ、夏実さん。うわあ丸見えですよ、卑猥だ」
「だ、だったらこんなのやめてよ! こら見るなってば!」
「思いきり良く大股開いちゃって、オマンコぱっくりですよ。ああ、お尻の穴まで
見える」
「う、うるさい、うるさいっ。見るなよ!」
「元気の良いことで。でも、これを見てもまだ生意気言えますかね?」

そう言ってにやっと笑った牛尾が取り出したのは巨大な注射器である。
とはいえ針がない。
何だかわからず、夏実は声に不安さを残して聞いた。

「な、何よ、それ……」

牛尾は医学生だと聞いている。
医大からそんなものを持ち出したのだろうか。
まさかとは思うが、薬物でも注射する気なのだろうか。
昨今、大学生が大麻絡みの事件で幾人も逮捕されている。
大学生だけでなく、高校生やヘタをすると中学生あたりでも、大麻どころかコカイン
、ヘロイン、あるいは安い合成麻薬を入手しているという。
夏実が中学生の頃は、せいぜいアンパンがいいところだったから隔世の感がある。
牛尾はそうした麻薬系の薬品を使おうと言うのだろうか。
強気の夏実も多少青ざめた。
シャブ漬けだけは嫌だ。

「まさか麻薬……?」
「違いますよ、あっはっはっ」

牛尾は可笑しそうに笑った。
そう言われてみれば注射が大きすぎるだろう。
針がないのもおかしい。
だとすれば何だと言うのだ。
牛尾は笑いながら大きな薬瓶から薬液を吸い上げて、重そうにそれを抱えて言った。

「これ、浣腸器ですよ」
「浣腸……」

肛門からグリセリンなどを注入させて排便させる行為だ。
手術前とか出産時などに行われる。
もちろん便秘の時にも使う人がいる。
しかし夏実は、過去の人生において世話になったことはない。
白くなった顔色から、さらに血の気が引いていく。

「あ、あんた、それをあたしに……」
「当たり前でしょう。他にどうするっていうんですか」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」

夏実はやや釣り気味の大きな目を剥いて大声を上げた。

「な、なんでそんなものをあたしにするのよっ。あたしは別に便秘なんかじゃないし
……」
「知ってますって」
「じゃ、じゃあ何で……」
「夏実さんが僕のものにならないからです。あなたを屈服させるためにするんです」
「か、関係ないでしょう、そんなこと!」
「ありますよ、今からそれをわからせてあげますから。とことん恥ずかしい目に遭わ
せてあげないと、夏実さんは僕のものになってくれないようですし」
「いっ……!」

夏実は喉が引き攣れた。
この男は本気で夏実に浣腸する気らしい。

「いやよ、バカッ! そんなこと絶対にいや……って、何すんのよ!」
「暴れちゃだめですよ。浣腸器の先が折れたらどうするんです。夏実さんのお尻の
中がガラスの破片だらけになりますよ」
「だからそんなことしなければいいでしょ! やっ、見るな! 見るなよ!」

牛尾は夏実の臀部に顔を近づけ、食い入るように見つめていた。
あまりの恥ずかしさと悔しさに、夏実は顔を真っ赤にして背けていた。
なのに牛尾の視線が肛門に感じられるのがわかる。
視線にまでいやらしい力が籠もっているかのようだ。

「見ないで……、そんなとこ見ないでよ……ああ……」

夏実は今にも泣き出しそうだ。
そんなところ自分でもまともに見たことがない。
まして他人に見られたことなどあるはずもなかった。

「見てますよ、夏実さんの肛門、お尻の穴」
「やああ……、見ないでよぉ……」
「かぶりつきで見させてもらいますよ。夏実さんのここを見た男は、きっと僕が初めて
でしょうしね。あなたのつれない恋人にだって見せてないでしょう?」
「当たり前じゃないのよ、そんなところ……ああ……」
「もったいないなあ。ほら、こんなに綺麗ですよ。色も薄いし、毛もない。こりゃ
間違いなく処女ですね」
「な、何を言ってるのよぉ……もう、いやああ……」
「これくらいでベソかいててどうするんですか。今にもっと恥ずかしいことされるっ
てのに。あ、必死になってお尻の穴を窄めてる。可愛いなあ」
「あひぃっ!? さ、触っ、らないでぇ!」

夏実は裏返った声で叫ぶ。
信じられなかった。
この変態青年は、よりにもよって夏実の排泄器官を指でいじっているのだ。
指先でゆるゆると揉み込まれる肛門の感覚に、夏実はなすすべもなく絶叫した。

「いやあっ! そんなとこいやあっ! や、やめて、触らないでっ!」

そんな言葉をまともに聞く牛尾ではない。
まるで指に吸い付くような夏実のアヌス粘膜の感触にのめり込み、執拗にいじって
くる。
触られる夏実は背筋に悪寒が走る。
屈辱と恥辱、羞恥が入り交じり、強気な美人婦警の精神を浸食していく。

「ひゃああっ!? やめて、触んないでってばあっ。て、手を離しなさいよっ!」
「まだ堅いですよ。ほら、もっと自分からお尻の穴を緩めて」
「どうしてそんなことしなくちゃなんないのよ、このバカッ! うああっ、そこだめ
だったらあっ!」

牛尾は左手で夏実の臀部を割り開き、右手の指を使って夏実のそこを揉みほぐしていく。
嫌がって窄まろうとするアヌスを、ゆっくりと円を描くようになぞり上げて揉み込んだ。
どんなに夏実が堪えても、必死に窄めた肛門が緩んできてしまう。
夏実の意志とは裏腹に、次第に緩み、ほぐれてくるのがわかる。
今にも漏らしてしまいそうな感じすらする。

「ああ、いやあ……。お願いよ、やめてそんなとこ、ああ……。は、恥ずかしい……
あぐっ……」

夏実の声に力が抜け、なよなよとしてくる。
お尻の穴をいじくられ、気力が萎えて全身の力が抜けてきてしまう。
アヌスを揉み込まれる感覚は、おぞましくいやらしいだけでなく、徐々に新たな刺激
となって夏実を当惑させる。
それは、むず痒いような、思わず笑ってしまいそうになるような、不可思議な感覚
だった。
その先にあるものが怖かった。

「あ……ああ……」

まだ感じている風ではない。
ただ、その汚辱感はかなりのものだったようで、もう夏実は抵抗の気配がない。
いじられる臀部だけでなく、腰全体が、そして膝までがぶるぶると震えていた。
一方アヌスの方は、とろけるような柔らかさを示し、適度に湿り気まで出てきて男の
指に張り付いていた。

「じゃあ入れますよ。あ、まだ締めちゃだめですよ、これを入れるんですから」
「あ、あんた本気なのっ!? 本気でそんなものをあたしに……」
「本気ですとも。僕は夏実さんの浣腸してあげたい。それくらいあなたを愛している」
「何を言ってるのかわけわからないわよっ。何で愛してると、か、浣腸したいのよっ!」
「それをわかってもらうためにも、取り敢えずしてみましょうか」
「いや、いやっ、絶対にいやあっ!」
「力を抜いて。さっきも言ったけど嘴管が折れますから」

500ccも入る巨大な浣腸器のノズルが、難なく夏実の肛門の中に挿入された。
夏実は、それこそ目を白黒させて絶叫した。

「ひっ!? やあっ、いやああっ! 痛いっ、痛いわ、抜いて!」
「細いですから痛くはないでしょう。お尻を締めてるからですよ、力を抜いて」
「い、やだって言ってるでしょ……ああぐっ……ひっ!」

夏実の震える臀部に、冷たいガラスの感触がある。
とうとうノズルは全部入れられてしまい、太い浣腸器がお尻にくっついたのだ。
夏実の豊満なヒップをしても、その浣腸器は怖いほどに大きかった。

「……」

牛尾は、もうそれだけで少し射精してしまっていた。
慌てて括約筋を絞って堪えたが、カウパーだけでなく精液も漏れてしまっている。
それほどまでにアヌスを嬲られる夏実は妖艶で美しかった。
嫌がる女を凌辱する優越感。
好きな女のすべてを見た満足感。
そしてその女の処女地をこの手で奪ったという充実感。
挿入したのはノズルだが、まるで自分の性器を入れたような錯覚があった。
牛尾の精力は後から後から込み上げてくるかのようだ。

牛尾はゴクリと喉を鳴らしてシリンダーを押した。
キィ、キィィと不気味にガラスが鳴り、ややくすんだ透明でどろりとした溶液が夏実
の直腸に流れ込んできた。

「うひぃぃっ! いやああああっっ! は、入ってくるっ、何か入ってくるぅっ!
やめて、お願い、やめてぇぇぇっっ!」

夏実はどくどくと流れ込んでくる薬液の感覚に、頭を大きく振って髪を振り乱して
叫んだ。
排泄器官から注入されるこの薬液のおぞましさを何と言えばいいのか。
冷たく、どろりとした粘液が次々に入ってくる。
腸内の隅々にまで染み渡るような感覚に、夏実は腰を捩らずにはいられない。
牛尾はそんな夏実の姿に官能を感じ、興奮を高まらせながら、なおもピストンを押し
込んでいく。

「あ、あひぃっ! やっ……お尻、変になるうっ! な、何よ、これぇっ!?」

冷たいグリセリンが夏実の火照った直腸に引っかけられていく。
強制的に魔液を注入される肛門は、シリンダーが進んで薬液が入り込むたびにきゅっと
締まって夏実に悲鳴を上げさせた。
いくら括約筋を引き締めたところで、薬液の注入を止めることは出来なかった。
それでもなお、お尻を締めずにはいられない。
牛尾は夏実の苦悶にますます興奮の度合いを高め、ぐいぐいとシリンダーを押す。

「すごい……、なんて色っぽいんだ……」
「や、はっ……も、やあ……おっ……く、るし……」
「夏実さん、その顔すごくセクシーですよ。それにお尻の飲みっぷりもいい。どんどん
入るじゃないですか」

牛尾はそうつぶやきながら、半ば恍惚として惜しんでいく。
見る見るうちに薬液が減り、シリンダーが底まで押し込まれた。

「んんっ……、あ、はあ、はあ、はあ……」

全部を飲み終えて、夏実はぐったりと全身の力を抜いた。
呼吸を荒げ、汗が浮いている。
必死になってそのおぞましさに耐えていたのだろう。
見ていると、夏実の眉間にすっと皺がよることがある。
くっと唇を噛みしめることもあった。
夏実の腹の中に入った溶液は、確実に彼女に苦痛を与えているのだ。
夏実が呻いた。

「はっ……ぐうう……、あっ……」
「どうしました、夏実さん」
「く、苦しいのよ、ああ……」

そう告げると、夏実の美貌から勝ち気そうな色が消え、弱々しく呻くのみとなった。
耳を澄ませると「ぐるぐるっ」と夏実のお腹が可愛らしく鳴いている。
牛尾は嬉しそうに手を叩いた。

「あ、今の夏実さんのお腹の音ですよね! 夏実さんはお腹の虫の声まで可愛いや」
「やっ……、き、聞かないでよっ! あう!」

浣腸器が引き抜かれると、夏実は呻いた。
ノズルがアヌスを擦る刺激に、思わず歯を食いしばる。
痛かったのとむず痒かったのと、そして漏れそうになったためだった。

「じゃあ二本目ですよ」
「ま、また!? う、ウソでしょ、もうやめてよ!」
「やめてあげてもいいけど、条件がありますよ」
「い、言いなさいよっ」

もう何でも従うつもりだった。
抱かせろと言われれば身体を差し出す。
ストリッパーのように踊れと言われれば、それでもやるつもりだった。
だが牛尾の言葉はそんなものではなかった。

「そうですか。じゃあこう言ってください。「私は牛尾さんの女です」ってね」
「な……」
「こうも言って欲しいな。「夏実の身体は牛尾さんのものです。いつでも犯してくだ
さい。数え切れないくらいいかせてください」。取り敢えずこんなものかな」
「あ、あんたバカじゃないの!?」

恥ずかしい格好も弱い立場も忘れて夏実は怒号した。

「ど、どこの世界にあんたなんかに屈服する女がいるってのよ! 少なくともあたし
は絶対にいやよ!」
「……」
「お、犯したければ犯せばいいでしょう! だけどあたしはあんたなんかのものには
死んだってならないわ!」

その答えは半ば予想していたのか、牛尾は軽く肩をすくめただけだった。

「そうですか。では仕方がない、浣腸の続きです」
「だからそれはいやって言ったでしょう!」
「嫌だからこそ浣腸ですよ。夏実さんが心底嫌がって恥ずかしがるように責めないと、
僕のものにはなりそうもないですからね」
「何をされたってあんたのものになんか……、あ、か、浣腸はもういやあああ!」

夏実の啖呵に悲鳴が続いた。
牛尾は慌てることもなく、さっきと同じように夏実のアヌスに浣腸器を沈め込んだ。

「うひぃぃっ!」

夏実がギクンと背を反らせて悲鳴を上げる。
再び浣腸液が注入されると、夏実はその豊かな臀部を悶えさせて呻いている。

「やはっ、やめてよぉっ! な、何でもするっ! 何でもするからあっ! だから
やめてぇっ!」
「何でもしなかったじゃないですか。さっきの言葉を言う気はないんでしょ?」
「そ、それは! ああ、でも浣腸はいやよ……、し、しないでぇ……」
「許しません。僕の意志と浣腸液を存分に味わって、よく反省するんですね」
「うあああっ……、ま、また入ってくるっ……!」

牛尾は遠慮なくぐいぐいとピストンを押していく。
初めて浣腸される夏実の身体のことなど心配していないかのようだ。
そんなことよりも、浣腸されていくと、途端に苦悶し呻き出す美しい婦警の痴態に
酔っていた。

もう500ccを入れていかれ、夏実の腹部は微かに膨らんできた。
夏実はその苦しさに苦鳴を放ち、やめるよう哀願し、牛尾を罵った。
夏実の反応は敏感そのもので、牛尾がシリンダーを押して溶液を注入するたびに尻を
振り、腰をうねらせていた。

「や、やめてきついわ……ああ、もうきつい……お腹が苦しい……ああ……」

夏実は口を半開きにして喘ぐように呻いている。

「お尻がきつい……お、お腹が苦しいのよ……」
「そんなに苦しいですか? まあ無理もないか、初めての浣腸でいきなり1リットル
だもんなあ。でもね、夏実さんのその苦しそうな顔がたまらないですよ」

美女の苦悶する表情ほど男の劣情をかき立てるものはない。
苦しがっている顔も、快楽を堪えている顔もよく似ているからだ。
女に苦痛を与えるサディストも、鞭打たれ、ロウを垂らされる美女の苦しみ悶える
表情と姿を見て愉しんでいるに違いない。

「ああ、ど、どうして……どうしてこんなことするのよぉ……。あ、あたしのことが
好きなんでしょ……ああ……なのに、どうしてこんな……苦しい……」
「言ったでしょう。あなたを完全に僕のものにするためですよ。でも、あんまり興味
なかったけど浣腸責めってのもいいですね。苦しむ夏実さんの美しい顔を見ている
だけで出ちゃいそうだ。そのうち、浣腸されても気をやれるような身体にしてあげ
ますからね」
「こ、この気違い……う、うむ……あ、あんたおかしいんじゃないの……くっ……
へ、変態っ……」
「夏実さんも、その変態にしてあげますよ」

シリンダーを断続的に押しながら、牛尾がせせら笑った。
牛尾を睨みつけていた夏実の美貌から血の気が引いていく。
わなわなと大きく震え、冷や汗が滲んできた。

「あ……うむ……、きつい……あ、あ、これ以上はもう……」
「もう少し……、あと200ccですよ。せっかくだから全部飲んじゃって下さい」
「そんな……もう無理……あ、うむっ……」
「大丈夫でしょう。夏実さんのこの大きなお尻だったらこなせますよ、これくらい」
「い、や……、あっ……も、もう入れないでよ……うっ、うむ……ううむっ……」

苦悶の表情でのたうち回る夏実の裸身から汗が飛び散る。
豊満な臀部はわなわなと痙攣し続け、浣腸器の嘴管をくわえ込んだアヌスはふっくら
と膨れ、ひくついていた。
もう充分過ぎるほどの量が注入されているだけあって、シリンダーを押し込むのも
きつくなっている。
牛尾は直腸の抵抗を押しのけ、指に力を込めて残りを注ぎ込んでいく。
ようやくすべてを夏実の直腸に注入し終えてノズルを引き抜くと、夏実はつんざく
ような悲鳴を上げた。

「ひぃ!」

ぶるるっと尻が震える。
肛門がきゅっと引き締まった。
ノズルを抜かれた衝撃で、漏れてしまいそうになったらしい。
膝を曲げ、手首足首をまとめられ、大きく開脚されたままの姿勢を崩すことも出来ず、
勝ち気な美人婦警は呻いていた。

「あ……、はあ、はあ、はあ……ああ……」
「終わりましたよ、夏実さん。どうでした?」
「ひゃああっ!」

牛尾が、少し膨れた下腹部を擦り、浣腸液で濡れたままのアヌスを揉んでくると、
夏実は悲鳴を上げて身を捩った。
撫でられるお腹はグルグルと重苦しい音をさせ、揉み込まれる肛門は今にも破裂
しそうなくらいに痙攣している。

「やっ、やめてよ、触んないで!」
「どうして? 苦しそうだからマッサージしてあげますよ」
「だっ、だからそんなこと……ひぃっ……も、漏れちゃうっ!」

あの夏実から「漏れちゃう」という便意を訴える悲鳴を聞き、牛尾のペニスがまた
一段と硬く大きくなっていく。
強気の美女を蔑み、貶めることが、彼の性感を異様に昂ぶらせていった。
夏実は牛尾の手を嫌がって身を捩り、尻を振っていたが、ふいにぶるっと震えて
身体を堅くした。
見ると、夏実のアヌスの収縮が一段と激しくなってきている。
今にも外へ向かって花開こうとしているかのようだ。

「あっ……もうやめてよ、ひっ……、し、しないでっ……ああ……ああもうだめっ
……お、お願いっ……!」
「お願い? どんなお願いです?」
「くっ……、わ、わかってるくせにっ……」

浣腸されたらどうなるのかなど、当然わかっているだろう。
それを仕掛けた張本人が知らぬはずもない。
夏実に「トイレに行かせて」という恥ずかしい台詞を言わせようとしているのだ。
それはわかっていても、もう夏実に余裕はない。
許されるものなら、今すぐにこの苦痛の塊を放出したいくらいなのだ。

「お……トイレ……」
「何ですか?」
「と、トイレよっ! おトイレ行かせてって言ってるのよぉっ!」

牛尾は心の中で快哉を叫んでいた。
夏実のトイレを乞う言葉など、他の誰も聞けないだろう。
勃起したペニスが小太りの腹にくっつくほどに充血していく。

「まだ早いですよ。もう少し浣腸の快感を愉しんだらどうです?」
「か、快感って、あんたね……」
「今度から、夏実さんを抱く時には毎回毎回、何度も浣腸してあげますよ。気持ち
よくなるまでね」
「へ、変態っ……、そんなことあるわけが……ああっ……!」

さっきまで便意の苦痛を身を捩って堪え忍んでいた夏実だったが、今ではもう動け
なくなってきている。
少しでも身体を動かすと、直接直腸に響いてきて便意を刺激してしまう。
もう声を出すのも苦しい。
すがるような顔で牛尾に懇願した。

「あ……あ……、だめ……。ね、ねえっ、ホントにダメなのよっ!」
「……」
「い、意地悪しないでっ……、は、早くっ……早くしないと……」
「漏れちゃいますか」
「そっ、そうよっ……、だから早く……」

そう言って牛尾を見ている夏実の瞳に涙が滲んでいた。
いかに憎むべき相手であっても、そう言わざるを得ない。
ここで粗相するわけにはいかないのだ。
そんな夏実の涙を見て、今度は愛おしさが湧いてくる。
もう少しのたうち回らせるつもりだった牛尾だが、そこで許すことにした。

「わかりましたよ。じゃあトイレにつれていってあげます」
「あ……」

思わず「ありがとう」と言いそうになって、夏実は口を閉ざした。
礼を言う相手ではないのだ。
そもそも夏実が苦しんでいるのは、全部この男のせいではないか。

牛尾はM字開脚のまま姿勢が固定されている夏実を、後ろから膝の下に手を回して
ひょいと抱き上げた。
まるで子供におしっこをさせるような格好である。恥ずかしかったが、気にしている
余裕もなかった。
牛尾に抱かれてトイレに行くまでが地獄だった。
一歩一歩、牛尾が歩くたびに、その軽い振動が確実に夏実の便意を苛んでいた。
ようやくトイレにたどり着いたが、牛尾は夏実を抱えたまま離さない。
洋式トイレの便器に向かったまま用も足せず、夏実は情けない顔をして牛尾を振り
返った。

「ね、ねえ」
「何です?」
「は、早く……」
「すればいいじゃないですか。ご所望のトイレですよ」
「だ、だから……」

夏実は焦れたように言った。
牛尾はわざと気づかぬ振りをしていたぶっているのではないだろうかと思ったのだ。
いくらトイレに来ても、牛尾が出て行ってくれなければどうしようもない。

「しないんですか?」
「で、出てってよ! じゃないと……」
「でも夏実さん、その格好じゃ支えてないと出来ないでしょう?」
「だからこれ外してよ。ああ、もう……」
「だめです。まだ僕はあなたを信じてない。当分はこのままですよ」
「そ、そんな……」

夏実は絶望的な思いで目を閉じた。
もういくらも我慢できない。
早く何とかしろと言わんばかりに、アヌスがわなないている。
少しでも気を抜けば決壊してしまいそうだ。

「も、もうだめなのよ……ホントにだめ……あっ、あ……漏れちゃう……」
「していいですってば。僕は気にしません」
「あ、あたしは気にするわよっ……あっ、も、もうっ……」

もう一時も耐えられない。
さっきから夏実のアヌスは膨れたり、慌てて収縮したりを繰り返している。
顔色は青ざめ、尻は震えっぱなしだ。
お腹もグルグルと鳴り続け、滑らかな腹部の肌が鳥肌になっていた。

「もうだめ……あ……あ、で、出る……出ちゃうっ……」

何とか破局を堪えようと眦を決した凄惨な表情を見せた夏実だったが、その拘束
された裸身を仰け反らせて、その瞬間が来たことを絶叫して告げた。

「ああっ……あああっ……み、見ないで! 見ちゃいやああああっっ!!」

夏実の肛門が内側からぐうっと膨れたかと思うと、身体と心の忍耐の限界を超えた
便意が堰を切って放出された。

───────────────────

夏実と牛尾はシャワー室にいた。
まだ拘束は解かれていなかったが、もう夏実はほとんど無抵抗のように見えた。
決して他人に見せてはならない羞恥と屈辱の排泄行為を間近で見られてしまった。
プライドも矜恃も打ち砕かれ、放心したようにぐったりとしていた。

夏実は牛尾と一緒に湯を張ったバスタブに入れられ、汚れた臀部や汗にまみれた身体
を清められている。
ボディソープを塗られ、まさぐるように裸身をマッサージされても、反抗する気力も
ないのか、されるがままになっていた。
幾分、疲労の色が見えるものの、ソープで磨き上げられた夏実の輝くばかりの美肌に、
牛尾は見とれる思いでスポンジを使っていた。

「……本当に綺麗な肌ですね」
「……」
「おや、ダンマリですね。浣腸ですっかりまいった、ってことですか」

夏実は湯船から出され、バスマットに直接座らされている。
まだ両脚の拘束が解かれないので、風呂椅子には座りにくいのだ。
バスタブに背を持たせたままぐったりとして、牛尾の行為に身を委ねている。
話しかけられても答える気にならなかった。

牛尾は憧れの美神の裸身を丁寧に洗い、シャワーで温水を掛けてソープを落とした。
それからまた改めてソープを塗りたくっていく。
ローションの代わりにしようとしているのだ。
ぬるぬるした感触が、素肌とはまた違った良さを男の手に伝えている。
腕や腹を擦ったり、胸をむにむにと揉んでも夏実は反応を示さなかったが、そこに
触られた瞬間、生き返ったように急にビクッと身体を揺すった。

「ひっ! そこ、いやあっ!」

浣腸とそれに伴う激しい排泄によって、夏実のそこ肛門はまだ爛れていた。
そこを指でなぞられると、ひりついたような痛みがあった。
夏実の反応に、牛尾はにんまりして言った。

「急に元気になりましたね。ここがそんなにいいですか?」
「やっ! ひっ! そ、そんなとこいやよ! ひぁっ!」

排泄器官をいじくられるという汚辱感に、夏実は悲鳴を上げて身悶えした。
指が動くたびに敏感になったアヌスがきゅっと引き締まり、夏実は全身をビクンと
痙攣させる。
嫌で嫌でたまらないのに、肛門自体は牛尾の愛撫に対して敏感に反応し、揉みほぐ
されていった。

「やめっ、て……やめてってばあっ! そこいやよ、汚いっ!」

夏実の羞恥は極限に達し、今にも手足の拘束ベルトを引き千切らんばかりに暴れ
出した。
確かに肛門を嬲られるなど、普通の性生活しか経験のない女なら想像を絶する汚辱
だろう。
それだけに夏実のような女には有効だろうし、堪えるはずだ。夏実が嫌がれば嫌がる
ほどに、いや、嫌がる責めを集中して加えることで、屈服が近づくはずだ。
だがそれも限度問題で、こうまで暴れられては思うように責めにくいし、まさかとは
思うが、夏実の馬鹿力で拘束具が本当に破損してしまうかも知れない。
さすがに革ベルトを引き千切るのは無理だろうが、バックル部分ならその可能性は
否定できない。

「やれやれ、そう騒がれては可愛がりにくいですよ」
「あんたなんかに可愛がられたくないっ……、あ、そこ触るなあっ!」
「触るなと言っても、ここを責めるのがメインなんでね。じゃあこれでも使って気を
紛らわせてもらいましょうか」
「な、何よ、それ……」

薄紫色の奇妙な装置だった。コードの先端に電池ボックスがついている。
その反対側の端は二股に分かれていて、それぞれに筒状ものが接続されていた。
ちょうとリップスティックのような形であり、筒の太さや大きさもほぼその程度だった。
ただ、その筒先はラッパのように広がっており、吸盤となっている。
その吸盤が、夏実の左右の乳首に吸い付いた。

「あっ!?」

かなりの吸引力があり、乳首に吸い付いたまま離れない。
どうやら電池で圧を加えているようだ。
まるで乳首を吸われているかのような感覚がある。

「こっ、こんないやらしい道具ばっかり使って……あっ……」
「どうです、少しはいい気分になってきたでしょう」

牛尾はそう言いながら、夏実への愛撫を再開した。もちろんアヌスである。
彼女のユリ緩みかけた肛門に指をあて、ぐっと押しつけていく。
夏実のアヌスは、異物の侵入を拒むようにきゅっと窄まった。

「やっ……! お尻、もうやめてよっ……あ……あくっ……!」

アヌス責めを抗う夏実の声も、乳首に加えられる微妙な刺激による甘い快感に途切れ
がちとなる。
そう強い力ではないが、乳首が吸われているのがわかる。
徐々に乳首の先が熱く、そして硬くなっていく。

「やっ……は……んっ……あ、いやっ……」

夏実の気が肛門から乳首へと移っていくのを見て、牛尾はその指先を腸内へと侵攻
させていく。
慌てたように肛門が引き窄められたが、牛尾は強引に突き破っていった。
浣腸と排泄、そして温水と愛撫で柔軟になっていたアヌスは、案外あっさりと牛尾の
指を飲み込んでいく。
腸の中まで犯されるという汚辱に、夏実は顔を振りたくって叫んだ。

「い、いやっ、やめて、そこはあっ!」
「平気ですよ。ほら、もう根元まで入った」
「あ……あ……」
「痛くはないでしょう?」

男の太い指が根元まで入り込んでいた。
夏実の腸内は異様なほどに熱く、そしてしっとりとした腸壁が指にまとわりつくよう
にひくついていた。
牛尾はその時点で興奮の極に達してしまい、思わず射精していた。
びゅるっと精液が噴出し、夏実の足を汚したが、夏実も牛尾もまったく気にする素振り
はなかった。
つい射精してしまった牛尾だったが、無理もなかった。
夏実の肛門は、まず間違いなく誰も触れたことのない処女地なのだ。
そこに初めて触れたのが牛尾であり、あまつさえ指を挿入している。
あるはずのない処女膜を破ってやった錯覚が彼を満足させていた。

一度射精したら落ち着いたのか、牛尾は大きく深呼吸すると、挿入した指をゆっくり
と回転させて、その妖美な感触を味わっていた。
牛尾には夢のような体験だが、夏実にとっては羞恥と恥辱の地獄だった。

「いやっ、う、動かさないでっ……抜いて、すぐ抜いてぇっ……指、指をとってっ
てばあっ!」

指まで入れられると、さすがに乳首の快感も吹っ飛ぶのか、夏実は狂ったように喚き
だした。
そこで牛尾は、乳首につけた吸引ローターのスイッチを入れた。

「あっ、ひぃっ!?」

突然、夏実を別の刺激が襲った。
乳首が撫でられている。
吸盤の中で何かが蠢き、夏実の乳首をさすっているのだ。

この装置はその中にごく小さな刷毛が髭のようにセットされていて、それが電動する
のである。
振動した細かく短い髭が、夏実の乳首をくすぐり、愛撫してきた。
夏実はあまりの快感に背中を仰け反らせて喘いだ。
頭をバスタブの縁に載せて悶えている。
舌で舐められたり、筆でなぞられたりするのとはまた違った鋭い快感だった。

それに合わせて牛尾のアヌス愛撫も再開される。
指を挿入したまま指先を軽く曲げて腸管をごく軽くひっかくように刺激してやると、
夏実の腰がギクンギクンと大きく痙攣した。
同時に、指をくわえた肛門がきゅっと強く引き締めてくる。
指を捻って腸内と肛門へ同時に刺激を与えてやると、夏実は身を引き絞るようにして
呻いた。

「やはあっ……あ、だめ……あ……ああっ……し、しないで……あうう……」
「おやおや、声が艶っぽくなってきましたよ。気持ちいいんですか、夏実さん」
「ち、違う……違うわ……いやなだけよ、あうう……あっ……」
「そうですか? それにしちゃオマンコが濡れてきてますよ」
「う、うそっ……うそよ、そんな……ああ……」

事実、まだ触られていない媚肉は割れ目を開いてひくついていた。
合わせ目からはねっとりとした愛液まで滲ませている。
夏実も、膣奥の熱さからそのことは感じ取っていた。
だが、これはお尻を責められて感じているのではない。
乳首を虐められているせいだと思っていた。
そのくせ、牛尾に抉られる肛門や直腸にも得体の知れぬ感覚があり、だんだんと熱を
持ってきていることも感じていた。

「あ……もう、しないで……ああ……お尻、変になっちゃうわ……」
「変になるんじゃなくて、気持ちよくなってくるんですよ」

充分にほぐされたアヌスの粘膜はぬるぬるになっていて、指が引き抜かれるとへばり
ついてくるようにめくり出された。
それを押し込むと、またその動きについていって巻き込まれるようにめくれこまれて
いく。
少しずつ指の動きを大きく大胆にしていくと、夏実の膣からは蜜が溢れるように零れて
きた。
もっとも敏感な乳首を当時に責められているせいもあるが、夏実の身体は確実にアヌス
からも快感を得るようになってきている。

「や、やめてこんな……ああ、いやよ……」

夏実は、アヌスをいびられるという汚辱感に責め苛まれつつも、アヌスをひくひくと
わななかせ、腰をもじもじと捩っている。
抗う声にも力が入らず、むしろ甘い音色に変わってきていた。

「あう……」

指を抜かれると、夏実は首を反らせて喘いだ。
アヌスはほのかに色めき、ふっくらと膨らんでいる。
指を抜かれたのに完全には閉じきらず、僅かに口を開けてひくついていた。
異物を抜かれてホッとしたのか、夏実は大きく息をついてバスタブに寄りかかって
いた。

それでも乳首ローターの刺激は止まず、なおも美しい婦警を責め続けていた。
こりっと硬くなった乳首の根元から上へ向けて刷毛が這うおぞましさと快感。
ぞっと背中に怖気が走るような感覚の裏に、弱い電流がぴりっと流れるような刺激
があった。
その痺れが乳首から乳房、そして子宮にまで届いて、夏実の媚肉を潤わせていく。

肛門の刺激がなくなり乳首からの快感だけとなって、夏実がその愉悦に酔っていると、
牛尾はその股間を覗き込んだ。
真っ白な尻は淫らなほどに豊満で、これがよく制服のタイトなスカートに収まりきっ
ていたものだと感心する。
形良く盛り上がり、その谷間は深く切れ込んでいた。

「あっ……」

微かな刺激を感じ、夏実は我に返って正面を見た。
牛尾が開かれた夏実の股間の前に陣取り、そこに顔を押しつけんばかりに近づいて
いた。
股間に感じた生暖かいものは、牛尾の呼吸だったのだ。
夏実はそれこそ顔を真っ赤にして喚いた。

「バ、バカッ、どこを見て……」
「お尻ですよ、夏実さんのお尻の穴」

見られる羞恥と、何をされるのかという恐怖でおののくアヌスに息を吹き込んで夏実
に悲鳴を上げさせる。
むずがって逃げようとする腰を押さえ、さらに顔を近づけた牛尾は、そこをぺろりと
舐め上げた。
想像を絶する衝撃を受けた婦警は絶叫する。

「きゃあああっ!? あんたっ、何して……!」
「舐めてあげますよ、夏実さんのをね」
「そっ、そんなとこ舐める場所じゃないわよっ。き、汚いっ!」
「汚い? 夏実さんの身体に汚いところなんかありませんて」

牛尾の変態ぶりは夏実の想像を超えていた。
排泄器官である肛門を、いじるだけでなく舌で舐めるなど信じられない。
夏実に対する──夏実の肉体に対する牛尾の異常な執着と欲望を再認識し、怒りより
も恐怖が込み上げてくる。

(こ、こいつ……、信じられない変質者だわ……。本当の変態……)

そんな男に嬲られている自分も信じられなかった。

「いひゃああっ!?」

異様な感触が鋭敏な肛門に突き抜ける。
舐められるだけでなく、尖らせた舌先がアヌスを割って中に入り込んできたのだ。
驚愕した肛門が大慌てで閉じようとしたものの、中に入った舌を締め付けるだけだった。
差し込まれた舌先は、肛門を拡げるように回転し、ゆっくりと腸内を舐め上げてくる。

「うひぃっ……き、気持ち悪いっ! ……やめてよ、ばかっ! あ、くうっ……動かす
なあっ……いやああっ!」

まるでナメクジが尻の中を這いずり回っているかのような感触に、夏実は白い尻を振り
たくって悶えた。
頭の芯まで真っ白に灼けつきそうな羞恥と驚愕で、夏実は半狂乱になって暴れようと
した。
その夏実を抑えるように牛尾は顔を股間に埋める。
そして両腕を伸ばして、暴れる夏実に同調して揺れる大きな乳房を掴んだ。

「あ、うああっ……ど、どうしてこんな……は、恥ずかしいっ……やめてってばあっ!」

いくら絶叫しても牛尾の舌から逃れることは出来ず、のたうつばかりだ。
肛門は舌の動きに翻弄され、ひくついている。
そこに唾液を塗り込まれ、ますますアヌスは柔らかくなっていく。

「ああ、いやあ……こ、こんなの……こんなの変よ……き、汚い……あ、はあ、はあ
……んんっ……やあ……」

懸命に抗う夏実の心根とは裏腹に、アヌスの方は着実に愛撫を受け入れてきていた。
嫌がって捩っていた腰が、うねるように悶えている。
拒絶する声が弱くなり、熱がこもってきた。
同時に責められている乳房の快感が大きいこともあるのだろう。
乳首ローターは相変わらず夏実の乳首をくすぐっていたし、さらに牛尾の手がさっき
から揉みほぐすようにこねくり回している。

指責めだけでも濡れてきていた媚肉は、もう男を欲しがるかのようにぱっくりと口を
開け、淫らに蜜を垂れ流していた。
そして舌と唇で執拗にねぶり回された肛門は、すっかりふやけて膨れあがり、腸液
すら滲ませている。
牛尾はその粘液を舌ですくい取り、中に押し戻すように舌先で抉っていく。
肛門粘膜を舌で押し戻されるたびに、夏実は臀部をぶるぶると痙攣させ、爪先を反り
返らせて呻いていた。

「あ、ひい……うんっ……あ、いや……っくう……んむっ……!」

牛尾の目には、もう夏実はアヌスの快感でとろけてきたように見えた。
尻責めだけではこうはいかなかったろう。
羞恥と屈辱、汚辱で愉悦を感じるどころの騒ぎではなかったはずだ。
夏実がもっとも感じやすい乳首を同時に責め上げたことが功を奏している。
アヌスへのおぞましさ、気色悪さを、乳房と乳首からの快感で紛らわすようにしていた
夏実は、いつしかその双方を快感として捉えるようになっていた。
乳首をくすぐられる愉悦と、アヌスをほじられる屈辱とが相乗効果を生み、この気丈な
婦警を性的に追い込んでいた。
それまで懸命に喘ぎ声を噛み殺していた夏実の努力も虚しく、牛尾の変態的な責めに
陥落した。

「だ、め……あっ……あ、変……お尻、変……んくっ……あ、ああ……」

羞恥に悶えながらも、顔を仰け反らせ、腰をうねらせる。
舌が入り込んでくると、まるで迎え入れるかのように尻を持ち上げてしまう。
乳房を強く揉み、肛門を舌でねぶってやると、媚肉の方が責められているかのように、
そこから大量の蜜を分泌してきた。

「あ……」

舌がすっと引かれた。
夏実はホッとすると同時に「どうして?」と言わんばかりの表情で牛尾を見ている。
小男のオタクは夏実の前で君臨するように言った。

「お尻で感じたんですね」
「……違う……」
「恥ずかしがらなくてもいいですよ。いやらしいお尻だ」
「違う、違うっ……」

夏実は屈辱で顔を伏せた。
睨みつけるどころか、まともに牛尾の顔が見られない。

「あっ!?」

夏実は牛尾に引き起こされ、膝立ちにされた。
と思うや、いきなりバスタブの方へ向かせられる。
牛尾は後ろから夏実を風呂桶に押し倒した。

「な、何よ、いきなり! あっ、またっ!?」

湯船の縁に腹を載せる格好にされ、その状態でまた肛門を指でいびられた。
またお尻の中をいじられる。
夏実は羞恥と恥辱とともに、妖しい被虐も感じていた。

「んんっ……!」

思った通り、牛尾の指が尻の穴の中に入ってきた。
何かを塗りつけるかのように、ねっとりと腸内をまさぐっている。
実際に何か塗っているらしい。腸内だけでなく、肛門やその周辺にも塗りたくって
いた。

「な、何を……あっ……してるのよ……」
「ソープを塗ってんですよ。何なら僕の唾でもいいですけど」
「い、いやよ、汚いっ……。何でそんなことを……」
「すぐわかりますよ」
「あっ……あむっ……」

指がアヌスを優しくまさぐり、中に入り込んで腸壁を擦ると、つい甘い声が出そう
になってしまう。
それを堪えて踏ん張っていると、いきなり指が抜かれた。
そしてまた何か押しつけられる。
今度のは熱くて太そうだった。

「な、何を……、ひっ!?」



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