双影記 /第3章 -3



 その夜。
 夕食の盆が下げられてから、ソルスはそれがただの食事では無かったと知った。
 全身が重熱く疼く。
 下腹に凝り、さらに重熱い脈動を全身に押し広げていく、その、疼きを押さえこもうと寝台に俯せてどれほどの時が過ぎたのか。
 不意に気配に気付き、体を起こそうとして、手足が萎え自由にならないのを知る。
 それが。何を意味するか。即座に悟る、ソルスの頭の芯を灼熱の針が貫く。来るべきものへの、恐怖――絶望‥‥
 ただ。憎悪だけが。なかった。
 闇の牢でルデスが言った。アルデがそうであったように、憎悪を身の支えに生きよ――
 アルデ‥‥
 お前の故なのか‥‥
 お前が呑まされ続けてきた苦渋を、今、この身が呑まされるに過ぎない‥‥それ故の、この諦観なのか‥‥
 ‥‥わたしも‥‥
 いつかはルデスを憎むようになるのか‥‥
 いつ訪れたのか、音もなく傍らに立ち、舐めるような視線をその身体に這わすルデスを、わずかに自由になる首を傾げてソルスは見上げた。
 片手にかかげた燭台の灯りのなかに立つ、白い、その姿を。
 流れ落ちる白金の髪。鷹の目に似て淡く鋭い双眸。光沢のある夜着からのぞく形のよい素足――かつては、己が誇りでさえあったその姿を。
 幾度。賛嘆の思いをこめてこの年長の従兄を見やったことか――
 今。深い絶望を秘めたその暗い双眸の奥にあるのは――手酷く裏切られてなお、憎むことを知らぬ、区々たる感情を、その全てを呑み込んでとらわれぬ、高く、広い――心だった。
 ルデスは。
 身体の奥にズキリと疼きを覚える。
 それは甘美な陶酔を誘った。
 もっと‥‥
 ‥‥もっと‥‥苛みたい‥‥
 身も、心も、苛み、苛み、苛み尽くし、引き裂き、血を流すその心を、
 貪り尽くしたい――
 目も眩むような、その思いを、ルデスは奥歯にかみ殺す。そして。静かに歩み寄り、寝台に腰をおろし、ソルスの背をゆっくりと撫であげた。
 その掌からぞくりと、ソルスのうちに戦慄の波紋がひろがる。
 背から肩に滑らせた手でルデスはソルスの力の抜けた上体を仰向かせた。体はかえりきらずに、力なく投げ出された下肢がねじれる。
 その、腰の辺りに寛衣を突き上げるものを認めて、ルデスの双眸が、押さえがたい内心の昂ぶりに黒ずむ。
 寛衣の上から、すでに硬起したそれにじわりと指を絡ませた。
 布の上からやんわりとつかまれただけで痺れるような熱痛が突き抜ける。ソルスの喉を、押し殺した喘ぎが震わせる。
「憎むがいい。なぜ。憎まぬ――」
 何かに耐えるように眉根を寄せ、それでも。なおも真直ぐに見上げてくるソルスに視線を絡ませる、その口元を嗜虐的な笑みに歪めてルデスが言った。
 手が離れる。そして抗う力もなく横たわるソルスの襟元をゆっくりと押し下げ肩を、胸を、露にしていった。
 冷たい指が胸の上を這う。
 ただれた傷跡をたどり小さな隆起をまさぐり、さらに下へと這いおりていく。
 それにつれてひきおろされていく寛衣を、全裸であるよりなお淫らがましく両腿にまといつかせたまま、露にされたそれをあらためて手の内に収めたルデスは、緩く、きつく、巧みになぶり始めた。
 時をおかずソルスの呼吸が乱れ立っていく。
 ‥‥何故‥‥
 一思いに、その思いを遂げない‥‥
 やめてくれ‥‥そのように‥‥この身を嬲るのは、やめて‥‥くれ‥‥
 必死で押さえこもうとする吐息が切なく弾み喉をつく。くらむ視界のなかで、わずかに冷笑を刻んで無表情にちかい、白い顔が見下ろしていた。その、双の深淵はただ冷たく凍て、ソルスを、その思いを拒絶する。
 官能のうねりが高まるにつれ、ソルスのうちをさらなる絶望が染めあげていった。
 ルデスは見取った。その、絶望を。それはルデスの双眸、その深淵に暗い火を点じた。
 何故だ――
 何故。憎まぬ――
 御身の心はもっと。靭いはずではなかったか――何故そのように、安易に。己が心を絶望に委ねる――
 それは。秘めやかな戦いだった。
 だが、絶望の淵に沈みながら、その矜持はなおも己れを捉えて放そうとはしない、ソルスにとってそれはむしろ己れとの戦いといってよかった。
 知らぬ間に与えられた、あれはいかなる薬だったのか、肉体はすでに灼けつくような欲情に支配されていた。快感のうねりのままに登りつめ奔騰したい、それはすでに耐えがたいまでに脳底を灼く熱痛だった。
 ルデスの手の動きのままに、容赦なく痺れが股間を突き上げる。臓腑が焼け爛れていくような疼きに下腹がうねり、全身の筋肉がはりつめていく。
 より深い刺激をもとめて、肉体は淫らに悶えていた。
 ついに、ソルスは目を閉ざした。
 ルデスの手元から紡ぎだされる痺れるような快感の渦に、その暗い頤にとらえられ乱れ立っていく己れを――見たくない――
 ルデスの――双眸の内に‥‥
 しかし。それを見て。ルデスの手の動きが止まった。
 股間の疼きに突き上げられるように、ソルスは目を開いた。その瞳の内に初めて微かな怯えの影が揺曳する。
「いかせて欲しいか――」
「――あ‥‥」
 一瞬、何をいわれたのか、わからなかった。
 優しいとさえいえる笑みを含んでルデスはささやいた。少しかすれた低い声は独特の韻律を刻んで耳をくすぐる。
「――いかせて欲しくはないか。これほどに‥‥お前のここは、いきたがっているぞ‥‥」
 その言葉に含まれたものが、その言葉が求めるものがソルスの裡に沁みわたるまでに、しばらくの時がかかった。
 その双眸のうちに、理解の色がひろがっていくのを待ち受けていたようにルデスの手が、す、とそれを扱いた。
「――ッ!‥‥」
 熱い疼きが奔騰しきれず、そこにわだかまる。
「いかせて欲しくば――そう、願うがよい。いかせてやらぬでもない」
 揶揄るようなルデスの言葉に、ソルスの身体に戦慄が走る。
「――卑劣‥‥な!‥‥」
 だが。噛むような、その言葉はもつれ、突き上げる疼きに無残に乱れる。
「いつまで――王のつもりでいる。お前はすでにわたしの奴僕だということ、わからぬか。奴僕が――何を気取る」
「――下種‥‥」
 その言葉に。ルデスは嗤った。そして、懐から一本の紐を取り出す。
「お前には。仕置きが必要だな」
 手早く、根元に巻きつけ縛り上げたルデスの手が、さらにきつく扱きあげた。
「――く‥‥うっ‥‥」
 ルデスの手によってすでにいきりたっていたものは熱くたぎり立ち、一気に奔騰しようとして、細い一本の紐に阻まれる。
 淫靡なうねりは牙となって肉を噛み、鈍く痺れるほどに腰を打ち据えて駆け廻った。
 ソルスの喉がつまった。
 幾度も、幾度も繰り返し打ち寄せる熱い波は高処に弾けることもなく退ききるわけでもない。ジリジリと四肢をからめとり、舐めずるように背筋を這いつたう。荒い吐息が大気を震わせた。
 それがどのくらい続いたのか。ソルスの口から、切れ切れに嗚咽が迸った。
 もう――耐え、られぬ‥‥
 なまじな快感はすでに責め苦だった。生殺しに焙られる苦痛に、腸をかきむしられ、失神すらできずに悶え続ける、ソルスの切れ上がった眦から涙が伝い落ちた。
 ルデス――
 肉体を凌辱するだけではたりぬのか。心までも、踏み躙らずにはおかぬのか――
 思いは熱い針となって脳を貫く。ぐらりと、その視界が眩む。だが――もはや限界だった。ただ逃れたかった。この責め苦を逃れるためなら、もう、許しをも乞おう。
 いかせて――ください、と――
 哀願をも、しよう――屈辱に、啜り泣きながらソルスは呻くように口走っていた。
「――憎む‥‥わたしは――お前を、憎む!‥‥」
 刹那――シンと、熱く、時が凍った。
 大気がうねり、ルデスの双眸が光を孕む。ゆっくりと己が言葉が意識のうえに降りおち、頭の芯を灼く。
 矜持などはすでに砕け散ったはずではなかったか――くっきりとその唇に笑いを刷いて己れを見るルデスに、
 狂う――ソルスは痺れるように思った。逃れようのない官能の顎に捕えられたまま、
 わたしは‥‥狂っていく‥‥
「――そう。それでよい‥‥」
 ささやきかけるルデスの言葉が遠い。大腿にまつわらせてあった寛衣がはぎ取られる。
 そして。容赦ない手に両膝を取られ、下肢が割り開かれた。大きく押し開かれ、淫らに曝け出された己れを、視線が。刺す。
 ソルスは堅く目を閉ざした。屈辱的な己が姿を見まいとでも、するように。
 長くは、続かなかった。ルデスの指がそれを嬲る。
「ヒッ――――」
 戒めを食い破ろうと牙を剥く熱い渇えが膨れ上がり。ソルスは、目を見開く。救いを、求めるように、視線が宙をさ迷う。
 なおもソルスを悶えさせて、ねっとりと這いまわる指に、ゾクリと、得体の知れぬ震えが貫き走った。
 そして――
 ふたたび、忌まわしい肉の記憶を呼び覚まして、ぬるりとぬめり込んでくるものに、ソルスの声が、喘ぎ、かすれる。
「や‥‥やめ‥‥て‥‥」
 愛撫さえなく指は抉る。ただ、苛むために。
「やめて、だと。ソルス、お前はたった今、憎むといった相手に、それを願うか――」
 目の前に、その顔があった。
 肩から流れ落ちた白金の髪が深い陰を落とす、鋭く整った、秀麗な顔が。
 胸の上に被いかぶさるように覗き込む顔に、表情はなかった。ただ薄い笑いを刷いた口が、毒々しい言葉を紡ぎだす。
「願わずにはおれぬほどに――苦しいか。だが――これはまだ序の口だ。ここに――」
 ねつく嬲る指に、ソルスの身体がしなう。
「お前は、夜毎――この身を受け入れねばならぬ。今宵より、一夜もおかず、この身に仕えるのだ」
「ル‥‥デス‥‥」
「今はまだ苦しいだけであろうがな。――いずれ、お前は、腰を振って求めるようになる。これを――」
「――ならぬ‥‥な、らぬっ――決して――」
 無残に、吐息が乱れ、声が弾む。
「では。それを――己れの身体で、証してみよ。人の身肉とは弱いものよ。そして、心とは所詮その肉に従属するものであれば――どこまで己れが耐え得るか――試みるも一興よな」
 ずるりと――ルデスの指が引き抜かれた。
 張り裂けるほどの緊縛から解放されたソルスが大きく息を吐く――瞬息、またも、それを激しく揉みしだかれて、ソルスの息がつまった。
「大口たたいたお前だ。耐えて、見せよ。それとも――悲鳴をあげて許しを請うか――」
「何故――それほどに‥‥貶しめ‥‥た‥‥い‥‥」
 切れ上がった眦からとめどなく涙が伝い落ちた。荒く、熱く、途切れる息が胸を焼き、喉を、爛れさせる。耳の奥が痺れ、たぎり立つ官能の血潮が逆流するほどに、身体はそれを求めていた。
 ルデスの、許しを――
 ゆえに、ソルスの胸にその言葉はとどかなかった。
「それがわからぬ、御身、故――とでも言っておこうか――」
 どこか虚ろに、ルデスの声が響く。ソルスは、ただ自らを呪縛するように、声を絞る。
「許さぬ‥‥ルデス‥‥決して‥‥許、さぬ‥‥生きて、ある、限り‥‥必ず‥‥」
 見開かれたその双眸は、すでにルデスを見てはいなかった。
 内なる闇に据えられたソルスの視線に、ルデスの顔から笑みが消えた。体を起こし肩から夜着を滑らせる。しなやかにソルスの膝裏をすくいその胸につくほどに折りあげた。そして、二つに折られ高々と曝け出されたソルスに、すでに雄偉にそそりたった己れをあてがい、抉るように、押し沈めた。
 一瞬。喉につまったソルスの息が、かすれた絶叫となってほとばしった。
 引き裂かれる――その恐怖が、激痛が、背骨を貫き走る。そして、
 絶叫さえが――絶えた。
 だが。まだ、終わったわけでは、なかった。
 その半ばまでを収めたに過ぎない己れを、ルデスはさらに深く、容赦なく、抉りこむ。
 拉がれ、深々と、打ち込まれた灼熱の楔。それに突き上げられるたびに、手足の指の先までを痺れるような激痛がビリビリと貫き走る。仰け反り、息を求めて小刻みに喘ぐソルスの喉が痙攣した。
 己れを戒める細紐を解かれ、滾る欲情を奔逸させたのも、ソルスには遠い。
 視界は鮮血の色に爛れ落ち、全身が砕け散るような激痛のなかに、ソルスの意識は白く、晒されていった。





 緞帳を漏れる光はすでに午後のあわいにあった。薄くにじむ影は部屋にわだかまる闇にとける。
 豪華な寝台に横たわり、視線を宙にさ迷わせていたルデスは、つと目を閉ざし眉を寄せた。前夜の己が狂態を嗤うか、その唇が微かに引き歪められる。
 長年せき止められていた情念のありったけをこめて、幾度、もはや意識すら失ったソルスを苛んだか。しまいには、反応する力さえ失って木偶のように腕のなかに抱かれるソルスに、だが、なおも満たされぬ渇えをもてあまし、身悶える思いの己れがいた。
 その認識の苦さが、口にしこる。
 ゆっくりとその身を離したとき、ソルスの身体は無残に裂け血を流していた。
 かつて男の情を受けたことのない身体は、猛りたったルデスを受け入れるにはあまりに狭く、固かった。ただ引き裂かれる苦痛だけが全てであっただろう。静かに口を寄せたルデスは丹念に、自らの舌で流れる血を舐め清めた。
 なおも去りがたい思いに、傍らに身を横たえ、癒すようにその身体に手を這わせた。胸に力ない頭を抱き寄せ、閉ざされた目蓋に、焼け爛れた頬に唇を這わす、薄笑の影もない端麗な顔の上には微かな苦悩の影さえが揺曳する。
 いつか。燭台の火は落ちていた。
 やがて、鉄格子の外に空が白むのを認め、ルデスは自らを叱咤するようにその身体をソルスから引き剥がした。優しいとさえいえる手つきで眠り続けるソルスの上に夜具をきせかけ、静かに歩み去った。
 今。ルデスは自らの寝台に横たわり宙に据えた視線で何を追うか――
 不意に、その眦に涙が伝う。
 腕を上げ顔を被ったルデスの喉奥から低く、呻きが漏れでた。
 ――憎め。憎め。もっと‥‥憎め‥‥





 扉の外に声が訪ったとき、日はすでに暮れていた。闇に閉ざされた寝台の上でルデスは物憂げに応える。
「どうした」
「意識が、戻られませぬ」
 それは、ソルスの手当てを命じたオキルの声だった。
「入れ。詳しく話せ」
 声に促されてルデスの寝台の傍らに片膝突いた医師はうつむき、途切れがちになる声を絞る。語り終えるに、時は要さなかった。
 広い寝室に沈黙が降りる。
 ルデスは、何の反応も見せようとはしなかった。オキルは待った。指示する声はなかった。横たわり、身動ぎもしない主に、
 己れの声は果たして耳に届いたのか‥‥ふともたげる不安に、腰を浮かす。
「殿‥‥」
 だがその声に、ようやくに。ルデスは寝台の上に身体を起こした。
「――では。彼は、このまま‥‥」
「頭を‥‥強打された者が、時に、忘れた頃に意識を失うことがある‥‥時を置いて目覚めるものもあるが、死ぬまで‥‥目覚めぬものがそのほとんどであると‥‥殿も、お読みなされたはずだ。テシャの医書にも――」
 突然立ち上がり、ルデスは医師を突きのけるように部屋を飛びだした。
 常に沈着な主の突然の激発に、しばし呆然としてその背を見送ったオキルが我に返り、後を追って塔の間にたどりついたとき、中ではルデスがソルスのうえに乗りかかりその身体を激しく揺すっていた。
「起きよ! 起きぬか!‥‥」
 その。叫びは悲痛だった。
 だが。肺腑を抉るような叫びもただ虚しく石の壁に吸われる。
 愕然とそれを見るオキルの前で、ルデスはやおら腕を振り上げソルスの顔に激しい平手を加えた。
 二度三度と打擲する音にようやく呪縛を解かれた、オキルは駆け込み、ルデスの腕にしがみついた。
「止めるな!」
 歯ぎしるような憎悪の篭もった声だった。オキルは声を絞る。
「障ります。これ以上の衝撃は――障ります。おわかりのはずだ――」
 その言葉に、ルデスの身体が凍りついた。やがて。緩慢にオキルを見やる。
「脳の内で血管が切れ、血が溜り起こる障害‥‥激しい衝撃はただそれを悪化させるだけと‥‥」
 激情に胸を喘がせるルデスの顔が歪んだ。
「――わたしか‥‥わたしが‥‥彼を、このように‥‥」
 ソルスの上から降り立ったルデスはオキルの両肩をつかんだ。そのまま崩れるように膝をつきオキルの胸に顔を埋める。
「――助けてくれ‥‥彼を‥‥目覚めさせて‥‥」
 初めて見せる、なりふりかまわぬルデスの苦悶の姿だった。
「殿‥‥」
 オキルは。ただ、絶句する。
 やがて。
 緩慢に立ち、オキルを離し寝台の端に腰をおろした、ルデスは表情を拭い去ったような顔でオキルを見上げた。
「――見苦しい、様を見せたな‥‥」
 わずかに口元に苦笑の影を刻む。
 オキルにはそれがルデスの必死の演技とわかった。目を伏せ。一揖する。
「いえ‥‥」
「――では。お前は。我らにできることは何もないというのだな」
 ルデスの声は静かだった。だが――
 その声に、オキルの背に戦慄が走る。その声に含まれた失意の深さ故だったか。
「――ただ、時が癒すを待つ以外は‥‥」
「わかった。もう、行ってよい」
 だが。オキルの脚は動かなかった。後髪を引かれる思いになおも立ち尽くす。
「――行け」
 ルデスの声がわずかにひび割れる。
 不意に。オキルの全身を疲労が包み込む。重い脚を引きずるように、オキルは塔を後にした。




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