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「は、あっ………」
快感すらもいいように操られ、言葉なく崩れるランサーの身体を抱きとめたまま、言峰は耳元やこめかみを啄ばむようにして軽い口付けを施していく。まだ細かく震えているランサーの身体を慰めるようにして。
「いい反応だ。何もバゼットの雛型なぞ置かなくとも充分のよう……」
「……るせ…っ! この…ヤロ……っ……!」
裏拳を見舞うが如く左腕を振り上げたランサーだったが、外からの刺激を受けることに敏感になった身体は、反対に内側からどうすることもできない。力の入らない拳を向けられたところで、言峰にとってはそれを避けることなど造作も無かった。
「まったく…その思ったとおりの反応が可愛いといえば可愛いのだが」
器用にも言峰は左腕だけでランサーの身体をひっくり返すと、そのまま仰向けに横たわらせる。朱の散った頬を、潤んだ瞳を真正面から見られるのをランサーが嫌がることを承知の上で。
「っ……っ………」
「すぐにまた身体は屈する……その強がりがいつまで保つか見ものだな」
ランサーの劣情を受け止めた右手で、今度は堅く閉じられた蕾に触れる。それだけでピク、と身体の震えを止めたランサーの反応を確かめた上で、言峰は節ばった指を突き立てた。
「……っふ………」
流石に最初の侵入には軽い抵抗を示したものの、幾度となく暴かれて苛まれたその箇所は、最初のように痛みだけを訴えるものではなかった。慣らされている、とそんな状況を自分の身体であるが故に敏感に感じたランサーだったが、それでも自身のそんな状況を理性から否定できるのは自分だけだと、半ば靄がかかりつつあった頭の片隅に留める。
仕方のないことなのだ。現界するためには。
そう自分自身に言い聞かせるランサーに、
「そうだ、仕方のないことなのだよ、ランサー。お前はただ戦うためだけに存在する英霊―――だからお前のその選択は正しい。私の魔力をこうして受け入れるという、お前の選択は正しいことなのだよ」
言い聞かせるように肯定する言峰。
ランサーの心中を手にとるようにして弄ぶことに、心からの愉悦を感じている。
「こ、言峰……っ……テメエ……!」
「ああ、いい表情だランサー。何時たりとも何物にも屈しようとしないその気概……それがまたそそる……」
口唇を噛み締めて自らに殺気立った視線を向けるランサーに、薄い笑みを浮かべながら言峰は答える。言葉のみならず、ランサーの中を支配するその指で。
「んっ……んん…っ………」
指の抜き差しを繰り返し、その度ごとに指の本数を増やしていく。そんな言峰の動作とともに、堪えきれなくなったのかランサーの口から漏れる声が高くなっていく。一度達したはずの男根は喘ぎの高まりに連れて再び力を取り戻しつつあった。
「そんなに我慢できないか……? 仕方のない奴だ」
言峰が乱暴に指を引き抜くと同時に、ランサーの身体からは一気に力が抜ける。次にくる大きな衝動を既に身体は理解しているのか、無意識の内にランサーは喉の奥に喘ぎを飲み込んだ。
「――――――――っ……!」
指よりも遥かに大きな質量が侵食してくる感覚は、さすがに慣れることはできないのだろう。ランサーは自分を二つに引き裂くような熱に身を硬くして、どうにか耐えようと拳に力を込めようとする。けれども、拳を握ることすらできないほど内側の感覚が麻痺しているためにどうすることもできない。できることと言えば、瞼をぎゅっと閉じてその衝撃をやり過ごそうとすることくらいのものだった。
「ふ……こればかりは、どうしようもないか………」
ランサーの両の足を抱え上げるようにしてその身体の中に侵入した言峰だったが、まるで中から喰らい尽くすような締め付けに軽く眉根を寄せる。
「ふ……ぁ…ん……ん、んっ………っ」
受け入れるために僅かばかり浮かされたランサーの腰が、言峰が動くのに合わせて揺れる。それが二三度ばかり続いたのだろうか、律動から放つ自らの喘ぎが止まったことに気付いたランサーは恐る恐る両の瞳を開く。
「ん………」
露を含んだ睫毛を動かしてみれば、ランサーの視界に入ってきたのは情事の最中だというのにどこか冷めた瞳で、冷めた笑みを浮かべて見下ろしてくる言峰の顔だった。
「何だ…よ……っ……」
精一杯の虚勢を張ってみるランサーだったが、言峰の瞳に映る自分の表情を見たくなくて再び目を固く閉じるとそっぽを向いた。すると、
「歯を立てるな」
いつの間にかその重い腰を上げたギルガメッシュはランサーの傍らに陣取っていた。そのまま紅潮したランサーの顔を掴むようにして顎の関節に手をかけてくる。何を、と思ったときには、ギルガメッシュのモノを喉の奥まで咥えさせられていた。
「っ……っ…………!」
「熱いな……」
逃れようとしても、後頭部をしっかりと押さえつけられていてしまえばランサーに打つ手はない。しかも喉の奥まで突き立てられているために、歯を立てて噛み千切ることもできない。口から息をするのが困難なのもあって、鼻にかかったような甘い声で喘ぐことになってしまっていた。
「っ……!」
「ん、どうした…言峰?」
断末魔の痙攣のようにして身体を震わせているランサーの上で会話を交わす二人。
「いや……急に締め付けが激しくなったのでな……このままでは持っていかれそうだ」
「はっ、貴様咥えさせられて感じておるのか? ははは…これは傑作だ。そら、もっと言峰を感じさせてやれ」
既に根元までしっかりと咥え込んでいるのに、ギルガメッシュは容赦なくランサーの髪を掴むと自らの方へ捻じ込んでいく。
「……そこまでせずともよかろうに……しかし、ここまでとは………」
「上の方も中々に具合がよいぞ……ん……そうだ……もっと舌を動かしてみろ……」
まともに呼吸することもできないランサーにとって、既に思考はどうでもよくなっていた。ただこの状況から解放されたい一心で、可能な限り身体を揺らし、可能な限り舌を動かす。
「――――ん……ん――――……っっ!!」
外側から何をされることもなく、一度も触れられずにランサーは達した。ほんの一瞬ばかり遅れて……まるで見計らったかのように、神父も英雄王もランサーの中に欲望を吐き出していた。
>続く
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