「何をするつもりだ、言峰?」
 とがり切った胸の突起を強弱をつけて爪弾いていたギルガメッシュは、神父が祈りの姿勢で自分たちを見つめていることに気付くと尋ねた。もっとも、竪琴を奏しているかのような優雅な指使いはとまることは無かったが。
「……………………」
 絡み合う2人のサーヴァントの前で、両の膝をつき、手首にロザリオをかけた言峰のその姿は徳高い神の使徒そのもの。けれどギルガメッシュは知っている。10年前に自分を召喚したこの神父は、十字架のもとにある神職というよりウルクの―――淫欲の女神の―――神殿にある神職に近しいものだと。
「……先程の礼をだ、ギルガメッシュ」
 しゃらん、と涼やかな音を立ててロザリオを振り落とした言峰は、やるせないため息のような甘い喘ぎを漏らしつづけるランサーの顎に手をかける。するとその手に釣られるようにして、ランサーは薄目を開けて眼前の黒衣の男を仰ぎ見た。
「……何、だよ………」
 今のランサーにできる精一杯の強がりの科白。
 そう思うと、神父は口元に自然に浮かんでくる笑みを抑えることができない。それを見咎めたランサーは更に、
「…テメェ……かな、らず………」
 殺してやる。
 ……そう、喘ぎに隠された、声にならない声で吐き捨てた。
 まだ身体は快感に支配されているだろうに、頭の中もそれしか考えられないだろうに。それでも、アルスターの猛犬と謳われた英雄は、瞳に正気の色を宿して抵抗し続ける。
「そうか」
 そんなランサーの視線をいとも簡単に受け流すと、言峰の口唇は白い身体の鎖骨の窪みを吸い上げるようにして触れ始める。
「………んん…っ………」
「それはそれで楽しみだ、ランサー」
 ちゅく、と音を立てながら鎖骨の周辺やら首筋やらに舌を這わす言峰は、その合間に独り言のようにして呟く。
「……っ………んっ………ん……っ……」
「何しろ、お前が一番美しいのは、魔槍を手にしている時なのだからな」
 そう言うと、言峰はランサーの身体から一度距離を置く。突然の言葉に驚いたのか、ランサーはとろんとした視線を―――それでも言峰へと向ける。けれど、ランサーの涙の跡さえ窺わせるかんばせを見返すと、言峰は断言した。あからさまな嘲笑を浮かべて。

「もっとも、淫らに白濁に塗れた姿は我々だけの特権かと思うと………そちらの方が美しく思えるものだ」

 言うや否や、言峰の口は猛り立ったランサーのモノを咥えこんでいた。
「――――――っっっ……!!」
 緩やかな小波のような快感に身を浸らせていたランサーは、突如として荒れ狂うような激しい波に打ち攫われていく。そして、それはランサーだけではなかった。
「……っ…!! 言峰っ、貴様…っ……」
 ランサーの内側に自らの楔を打ち込んでいたギルガメッシュもまた、快感に支配されたランサーの蕾が閉じるのに合わせて同行を強制される。
「だから、先程の礼だと言ったのだが? どうした、中に存分に吐き出すがいい……時には慈悲を施してやるのも王たる者の務めであろうに」
 魔力の塊たる精を与えてやれ、と存外に言う言峰に、
「…………っ…………!」
 英雄王は言葉を返してやることもなく、ただランサーの腰に手を掛けて耐えることで溢れる官能から自分を守っている。そんなギルガメッシュの様子がわかるのか、言峰は何も言わずランサーの雄に刺激を与え続けた。
「………ふ…っん………ぅ……ふっ………」
 小鼻を膨らませ快感に抗するランサーだったが、亀頭をなぞり鈴口の窪みに圧力を加える巧みな言峰の舌使いにがくがくと腰を震わせる。喘ぎと共に飲み込むはずの唾液も、口の中に収めていることができずに零してしまうところで、すでに絶頂寸前と言える状況だった。
「い、いや……だっ……い、や……っっ……!」
 力の入らない手で、言峰を押し止めようと黒髪に指を絡める。けれど、絡めるのがやっとの状態であるランサーのその手をわざとらしく勘違いした言峰は、飲み込むようにして茎まで舌を動かす。
「ふあ……っっ………ぁ……ん、んっ」
「っっ……ん……」
 快感の波をどうにか逃がそうと、無意識の内に腰を使うランサー。そして、それはランサーの中で頂点に近づきつつあったギルガメッシュも道連れにするものに等しかった。


「あ…―――――んんっ……!!」
「んっ……ん――――っっ…!」
 とどめとばかりに一際強く吸われたランサーは、喘ぎで作り上げた蜜を言峰の口腔に吐き出した。と、ほぼ同時にギルガメッシュもまた搾り上げられるように魔力の塊をランサーの中に解放していた。




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