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 大地の褥に仰臥し、大きく広げた両足の膝を立てて交わりの続きを待っている少年を見下ろしながら、男は唇に親指を当ててククッと笑う。
 シャツを纏ってはいるものの留めていたボタンの殆どは飛ばされて、胸元がはだけた上半身。下半身は全ての着衣を脱がされて局部が露わになっており、辛うじて残っているのは足元のチャコールグレーの靴下と茶色のショートブーツのみ。その中途半端な脱衣姿は男の卑欲を擽るが、何よりも彼の劣情を煽ったのは。
「な、何だよ」
 相手の視線が自分の局所よりもやや上に注がれている事に気付いた風薙が怪訝と羞恥の入り混じった小声で言うと、不意に男の手が伸びて来て、熱視線の先に存する茂みを軽く撫でた。
「お前、可愛い顔してる割にはこっちの毛は濃いのな。男遊びするならもうちょっと手入れした方が良いぜ?」
「!」
 男の指摘に顔が一気に燃え上がり、あうあうと言葉にならぬ声を小さく開いた口から出しつつ、顎を鎖骨にくっ付けて下目で己の恥部を見る。自分では違和感を覚えた事がない濃紺の密林が視界に映り、男の言葉を頭の中で反復して改めて頬を赤らめながらも、風薙は頭の中で、手近なある人物と己のそれを勝手に比べてみる事にした。暮羽さんはどうだったっけ? 幾度も見た其処を鮮明に思い出す。……そう言えば、俺より薄くて綺麗に整ってた気がする。え? じゃあ、暮羽さんはマメに手入れしてたって事? で、俺は手入れもロクにしない無法地帯の原生林状態で男とヤッてたわけ?
 顔の熱が頭に上った後、そのまま血液に乗っかって全身に駆け巡るのを感じた風薙は顔を覆って何やら喚いた。自分でも信じられぬほどの恥辱に一瞬とは言え消えてしまいたいとすら考えていた。
「まぁ、そう恥ずかしがるな」
 台詞の中に「悪かったな」の言葉を隠した声色で男が言い、トクトクトクと高速で脈打つ相手の手首を柔らかく掴んでそっと引き離す。少年のたゆたう瞳を見詰めながら男はフォローのつもりらしい言葉を続けた。
「俺はこう言うギャップがある方が燃えるしな」
 優しげな声音とは裏腹に凶悪にそそり立った肉竿は風薙の微かに緩んだままの柔穴を突付いて伺いを立てる。風薙は、あっ、と思い出したように小さく漏らして艶笑を浮かべると、吐瀉物の飛沫が付いたままの靴の踵を少し上げて腰を浮かせた。良い子だ。男の柔和な声が耳を撫で、種に濡れた後穴に雄物が少しずつ入り込む。少年の熱に浮かされたような瞳が男の侵入に合わせて混濁し、唇からあまやかな声が零れ出た。

「あ、あんっ あんあんあん
 M字に大きく開いた両足の中心に男の淫棒を沈ませた少年は、地面を擦る後頭部や肩甲骨の辺りを雑草の鋭利な葉先にチクチクと刺されながら、喘ぎ乱れる。濃い原始林から神木のようにそそげ立つ肉樹が闇の中で樹液を散らし、腰の動きに合わせて縦横にしなる。不意に伸びて来た男の手が、落ち着かぬ肉木の先端を指先で抓むように持つと嬌声が一瞬裏返った。
「ちんこプルプルさせて感じやがって。このまま触らずにイケるんじゃないのか?」
 男の意地の悪い言葉に風薙は左右に広がるざんばら髪が顔に纏わり付く勢いで首を激しく振って否定し、揺らめく声で懇願する。
「や、やだ……気持ち良くイキたいから……あそこ、触らせろよ……」
「あそこ、だと?」
 男が伸びきって垢が埋もれた親指の爪を風薙の先穴に捻じ込むと、亀頭を濡らすほど溢れていた汁がピッと数滴飛び散ると共に少年の身体が一度大きく伸縮し、仰け反った喉から一オクターブ高い悲鳴が飛び出した。男は尖った毒爪で蹂躙を続けつつ、少年の震える赤い耳に向かって低くささめく。
「正直な気持ちを素直に、もっといやらしく言うんだ。……出来るよな?」
「うっ、うっ、はうっ……」
 囁きの中に甘い誘惑を感じた少年の麻痺した頭は緩やかに洗脳されていき、既に濁りかけていた瞳も妖しい色を少しずつ帯びていく。暫し小刻みの呼吸を繰り返すのみの少年だったが、やがてより強い快楽を得る為に、舌で軽く撫でた唇をそっと開き、大きく息を吸って、大きく吐いて、そしてまた大きく息を吸い込んで、ありったけの声量で求めた。
「あ、あ、あぁあああ!! ち、ちんこっ、ちんこ弄りたい!! だらしなく臭いゲロ吐いて汚い小便垂らした挙句におじさんに極太ペニス突っ込まれて勃起した変態おちんぽを、このお手てでシコシコさせてエロミルクどぴゅどぴゅ発射させてくださいぃいいいぃ
 自分の知り得る限りの品の無い台詞を並べ立てて希う風薙の猥りがわしいその様に、男も高揚の馬鹿笑いを飛ばした。
「あははははは!!! ホント綺麗な顔してるのに下品な事を言う奴だな!! いいぜ! 思いっきりシコりな!」
 哄笑と共に乱雑に突いて来る男の聴許の言葉を聞くや否や、風薙は嬉しそうに微笑み、その手で肉茎を握り締めて上下させた。身体中の熱が一気に集結し、火傷しそうなまでの性感に踵が自然ともたげ、必然的に腰も持ち上がる。開きっ放しの口から唾液を飛ばしながら風薙は謝意を淫辞に乗せて叫んだ。
「ひっ あひっ あ、有難うおじさん! ちんシコ許可してくれて有難う! んっ んっ うぅううんっ お、お礼に、見ていいよ 俺のオナニー、ガン見していいよ あ、ぁひあぁあああんっ み、見て! 見て見て見て!! おじさんにアナル掘られながらおちんちんガンガン扱いてるの見てえぇえ!!」
 痛みを感じるのも構わずに股を限界まで広げ、少しでも相手に淫猥な接合部が見えればと腰部をより高く掲げて、ガシガシと音が聞こえそうなまでに乱暴に愛撫される分身の先から蜜が溢れ滴り右手をしとどに濡らす。ヒィヒィと悶えながら唱え続ける卑猥な言葉。歪んだ愉悦に崩れた美顔。大股開きのまま戦慄く両脚。止め処なく跳ねる腰。肉棒を美味そうに食む肛口。その全てが男の獣欲を激しく滾らせ、雄としての尊厳を……種付けを促した。興奮と焦燥が入り混じった男の表情に下衆な笑みが加わる。
「この変態ガキが! まだお仕置きして欲しいのか!? いいぜ、お仕置きしてやるよ!! こうして欲しいんだろ!?」
「ひゃううぅうう お、お仕置き 俺、ちんちんコスりながらエッチなお仕置きされるうぅううう あっ! あっ! 凄いすごいスゴイ!! おじさんガン掘りピストン凄い!! あん! あんっ!」
 切迫した様子の早口で言い募りながら、止まらぬ少年の腰を引っ掴み、奥へ奥へと速く激しく打ちつける。二人の肉体がぶつかり合い、夜の公園に拍手のような音が響いた。男の口からやや上ずった喘ぎ声が出始め、一突き毎にそれは高く、大きくなっていき、そして
「お、おらっ!! 出すぞ!! てめぇのその緩くなったケツマンにザーメン出して穢してやるから全部呑め!!」
「んああぁああああっ!!! 俺、変態で馬鹿だから、またお尻の穴に中出しお仕置きされちゃったぁあああんっ おっ おっ おほっ おぉ ぃ、イクッ! 出る! おじさんに濃くて臭い精液を小汚い排泄穴に出されてアクメッちゃう! イクイク出るイク出る精子出るイクぅううぅうううん
 男が夜空に向かって吠えると同時に汚れた白炎が風薙の腹を焼き、その余りの衝撃に風薙の瞳がグルリと回って、大きく裂けた口から真っ赤な舌がダラリと伸び出る。半分白目を剥いたまま、肉筒を握りっ放しだった手を一心不乱に動かすと、呆気なくその先っぽから放たれた白濁が少年の手を濡らし、辺りの草の上に落ちて行った。男がへへッと満足気な笑い声を漏らしながら腰を引いて接合を解くと、未だ収縮が止まらぬ肉穴から躾の痕跡が溢れ出し、今しがた風薙が射出した白種の上に落ちて混ざり合う。
「あ、あぅう……い、イッた……俺、レイプされてイッちゃった…… まだ、尻穴おまんこヒクヒクしてる……
 様々な体液と男二人の激しい動きによって、すっかり滅茶苦茶になってしまった草の褥に力なく倒れこんで、絶頂の余韻にうっとりと浸る風薙の眼前で男が片膝をつく。
「ふぇ……?」
 叫び過ぎた所為で痛む喉の奥から掠れた呆け声を零す風薙だったが、直後にその目を硬く閉じた。散々風薙を蹂躙した醜悪な雄肉の先端が浅い鼻溝を軽く擦り、そのまま顔全体に満遍なく塗りたくっていく。頂点に残った子種の欠片を。陽物をぬらぬらと光らせる男の精液や風薙の体汁を。
「あ、んっ くひぃん……
 本来なら吐き気を催すであろう激臭も今の風薙には媚薬に等しく、甘美の吐息を漏らして肢体をキュッと丸め、胸いっぱいに淫のニオイを吸い込んで堪能する。やがて、胎児の体勢になっていた身体がプルプルと小さく震え、閉じられた両足の隙間から顔を出していた亀頭から精汁が少量ながら飛び出した。

 草むらに横たわったままの風薙を嘲りの目で見下ろしていた男は、やがてゆっくりと立ち上がり、薄汚れたズボンを引っ張り上げながら風薙に背を向ける。やや蟹股気味の歩調で十歩程進み、地面に放置されたままだったハンバーガーショップの袋をさも当然のように拾い上げる男だったが、その近くにある何かに気付き、並びの宜しくない歯を剥き出しにして、笑いながらしゃがみこんだ。
「……?」
 何かをまさぐっている男の背中を虚ろな瞳で眺める風薙だったが、一分もせぬ内に立った男の手の中にある物を認識した瞬間に、どんよりとした眼を微かに見開いた。男が持っているのは見覚えのある財布。脱ぎ捨てたままだった自分のズボンのポケットから抜き出したのであろう愛用の財布。そんな所有者の視線も構わずに、男は口笛を吹きつつ何の躊躇も無く札入れを指で広げたが、直後に眉間に不満げな皺を刻み、露骨な舌打ちをした。
「チッ、三千円しか持ってないのかよ。もっと金持ち歩けよな」
 金額への不平を口にしながらも、その指はチャッカリと三枚の紙幣を抜き取って己のズボンのポケットに雑に捻じ込み、電車賃ぐらいは残しといてやるよ、と恩着せがましい台詞と共に投げ付けられた財布が風薙の数多の蜜に粘る顔を打つ。反射的に目を硬く瞑る少年にヘッと笑いかけ、その方向へ唾を吐き捨てた男がすっかり中身が冷めた袋を提げて立ち去ろうとすると、蚊の鳴くような声が背中越しに聞こえた。
「……おじさん」
 それは空耳かと一瞬思ったほどのか細い声だったが、振り向いてみると、すっかりボロボロになってしまった少年が上体を重たそうに起こして自分の方をじっと見詰めていた。出会った時は純粋に綺麗だと思ったその顔に、泥と不気味な笑顔をへばりつかせながら。
「こ、今度は、もっと、お金持ってくるし、ご飯も何でも好きなの奢ってあげるから……また、今日みたいに、遊んで……」
「……」
 思いも寄らぬ申し出に男は呆然としたがそれは刹那の事で、一呼吸の後には無意識に開いていた口を横に広げていた。笑顔を形作る唇の隙間から前歯が一本失われた黄色い歯列が垣間見える。
「面白い事を言う奴だな。……いいぜ、いつでもここに来な。俺はこの時間帯は大体いるからよ」
「あ、あはっ 嬉しい おじさん、またいっぱい犯してね え、えへへ、今からすっごく楽しみ
 少年と中年男は、澱んでもなお妖しく美しい虚ろな艶笑と、どうしても卑しさが透けて見える拗けた憫笑を交わした。

 青黒い夜空に惜しみなくばら撒かれた星々が彼らを小馬鹿にするように見下し、チカチカと瞬き笑う中で。

<END>

最後までお付き合いいただき、本当に有難うございました!

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<コッソリ後書き>

何なんだ、この汚い話。と言うか風薙受を書く事になるとは夢にも思いませんでしたよ。

風薙に関しては、こんな事書くと怒られちゃいそうなんですが
風薙×暮羽(暮羽受)にハマッた当初はさして好きでも嫌いでもない、っつーか興味も余りないってレベルで
「暮羽の相手、どうしよう……あ、こいつ(風薙)暮羽と絡むし、畜生っぽいから良い攻めになるな!!」
…って程度だったんです…
それが、何かあれよあれよと言っている間に風薙×暮羽好きな方々にハメられ、
自分も小説内とかで扱ってる内に「風薙もアリじゃん!」となって、現在に至る。

で、何でこんな汚い話になったのか。
前回アップした暮羽総受け悪趣味モブ輪姦話の中でも風薙の排泄やら何やらをちょこっと書いたのですが、
その時に何となくながら「自分は美形の醜態ってのが結構好きなんだなー」と目覚めるのを感じたのです。
某方に気付かされたってのもあるんですけど。
え、風薙のシモの毛?それは、もうトチ狂っていたとしか…
で、でも、可愛らしい顔した男だけど、シモの毛がナニでアレってギャップ萌えしません!?
しませんか、そうですか。
まぁ、こんなアホな設定はこの話だけだと思うので適当に流して置いて下さい。逃げやがった!!
それよりも風薙が馬鹿すぎるのが大問題な気もするのですが…

暮羽さんに関しては半分オマケです。ぶっちゃければ自分の趣味です。
伏字なしエロ単語を叫ばせたかっただけです。一線を越えさせてゴメンなさい。

ここで唐突にどうでも良い話。
実は強姦した上にその被害者の大事な物やお金を奪ったり(壊したり)…みたいな展開は
胸糞悪く感じてあまり好きではないのですが、何か風薙だと普通に書けました。
べ、別に彼が嫌いだからとかそう言うのは全くないんですけど…(汗)
一応、出会い系でお金いっぱい稼いでるって設定だからかな?まぁ、どうでもいいか。

風薙受はとりあえず、これが最初で最後のつもりですが、
また何かネタが浮かんで意欲が湧いたら書く、かも。
あまり下手な事は言わないで置こう、うん。

こんな汚いばかりの下品話を最後まで読んでくださり、本当に有難うございました!