モーショボー【もおしょぼお】

  種 族:ゴースト
  レベル:D
  得意技:とろけるキッス、フェラ全般/ロリ、思春期、フェラ

 愛を知らず男を知らずに死んだ少女が、死にきれずに未練を残し、鳥の姿で現れる…これがモーショボーである。

 モーショボーは鳥の姿にも美少女の姿にも変身でき、空も飛べる。自爆なんか絶対にしない。美しい少女の姿で、魅惑的なぷるんとした唇で旅人を誘惑し、旅人の男性が吸い寄せられると、ディープキスの洗礼を受け、恍惚のあまりすべてを忘れ去ってしまう。脳がとろけるような幸せの中ですべての記憶を失ってしまうのだとか。サラサラの長い髪のニオイを嗅ぎながら脳を吸われるのも悪くないかも。
 
 女の子の唇は柔らかく肉感的で、唇の赤さも、口周りのスベスベも、よく見ると可愛らしい産毛もとってもチャーミング。こんなモーショボーちゃんが「ねえおにいちゃん、チューしよっか♪」なんて迫って来るんである。唇と記憶を奪われる旅人が続出したのもうなずける。
 
 また、そんな魅惑の口にめげずに立ち去ろうとしても、今度は「ソコにチュウしてあげよっか♪」と来る。ぷるぷるのお口がナニを滑るなんて想像しただけでもう…という旅人は、その恍惚の中で気が付かない内に全精力を抜き取られてしまうのである。その素早い動きはハヤブサの如くである。
 
 モーショボーは愛を知らずに死んでしまった霊魂なので、いつも愛を求めている。その求めに応じたとたん、モーショボーの魅力によって、天にも昇る唇の感触によって、何もかもを失うことになる。彼女に唇を奪われることもナニを奪われることも、旅人にとっては命取りだ。
 
 セックスバトルRPGの世界では、モーショボーは初期〜中盤のステージに登場するザコキャラである。単独で出現することが多く、冒険者を見つけると、そのあどけない顔立ちで誘惑を始める。もし、彼が若く幼い感じの女の子が好きだった場合、すでに冒険者は彼女の術中にはまっていることになる。

 ロリ属性の冒険者にとって、少女の甘い誘惑には決して勝てないだろう。幼さと女性性を100%前面に出して迫ってくるため、つい彼女に唇を預けてしまうことになる。

 するとモーショボーは、そのキスに魔性を得ており、冒険者をとろけさせ、脱力させて戦意喪失に持ち込んでくる。腰が抜けた男の股間に張りつき、最後の一滴まで吸い上げてしまうことだろう。

 男性の愛が欲しいモーショボーは、そのための技術を身に付けており、リビングヘッドやラミアに劣らないフェラチオの達人だ。ラミアたちがどちらかというとお姉さんぽいのに対して、こっちはもっと幼い感じがする。でもこんなあどけない顔の娘がそんな柔らかい口でものすごいスピードで顔を前後させてくるギャップがたまらなく、多くの冒険者たちが彼女の口に頭脳と精を注ぎ続けてきたのである。

 魅了効果や脱力効果のあるキスで冒険者をメロメロにし、さまざまなフェラ技を駆使して一気に冒険者の精を抜き取ってくる。それがモーショボーの常套手段となっている。彼らにとっては、こんなに幼い娘が、清純な美少女が、あられもない咥え方で激しい吸い上げをしてくるというギャップにほだされることになり、つい彼女の口に腰を預けてしまうことになる。

 ロリ属性がなく、あまり小娘にはなびかない冒険者なら、とろけるキッスの誘惑ははねのけられるかもしれないが、どうしても最中には唇を重ねることになるため、じわじわと属性が開発されてしまう可能性がある。また、年齢に関係なくその口のテクニックは相当なものなので、ダメージは受けやすいだろう。侮って掛かってはいけない敵だ。

 モーショボーは、愛に飢えて鳥の化け物になった存在だ。男性の精を吸い取り、その記憶を奪うことで一時的に満たそうとする哀れな幽霊に過ぎない。

 だから、攻撃に関しては未熟な冒険者たちを悩ませる一方、防御や総精力に関しては、生前の少女とさして変わらない。つまり、こちらからの責めには滅法弱いと言える。攻防のアンバランスを突けば、モーショボーに勝つことは簡単だ。

 フェラとキスは脅威だが、胸はなく、オソソの具合も子供並み。ロリ属性でもない限りは、挿入戦でかわいがってあげれば、男性経験に乏しいモーショボーはびっくりするくらいダメージを受け、あえなく絶頂してしまうのである。愛撫攻撃と挿入攻撃で反撃すれば、あっさりと彼女は倒されてしまうだろう。モーショボーには苦戦しないはずである。

 空を飛ぶこともできるため、彼女たちからの逃走は難しい。そもそも幽霊なので、どこまでもついてきて誘惑してくるだろう。その誘惑に負けることなく、背中を向けず、しっかり彼女たちに愛を教えてあげるのが、冒険者のつとめなのだ。


喪孤士【もこっち】

  種 族:妖怪
  レベル:E
  得意技:妄想の具現化、豹変/思春期、姉、美声

 中学時代までは、ごくごくありふれた美少女であった。ただ一点、想像力感受性が豊かで、高校の学園生活において様々な夢と希望を膨らませるという、誰もが持っている期待感が、人よりもいささか、本当にいささかだけれども強すぎたのである。

 本当に様々なことを期待した。知らない人たち。男性たちに見初められ、ちやほやされ、あれよあれよという間にすてきな恋人ができ、自分を巡って男たちが奪い合うような、そんなことを想像しては、期待感を膨らませ、乙女らしくロマンチックな恋が自然とできるはずだ、と。友達もたくさんでき、プリクラで目を大きく写しては笑いあい、いろいろなところに遊びに行って、学校の成績もよく、いっさいが順調で、充実した楽しいリア充生活が待っているに違いないと、乙女なら誰でもが思い描いてあこがれるような想像が、あまりに豊かな想像力のゆえに、他者よりも、ほんの少し、本当にほんの少しだけれども強すぎたのである。

 突きつけられた現実は、あまりに痛々しいものだった。

 実際の自分と、「こうなるだろう」という理想との間のギャップ。理想状態を思い描き、そのためのプロセスを思考し、初動を決定し、実行に移す。だが、出てきた結果は、始めに期待したものとは違う。「こうすればモテる」という状態を思いついては実行するのだけれども、実行してみたら思っていたのと違う結果になって、がっかりする。

 ああ! そんなことは、誰にでもあることなのだ。

 ただ、彼女の場合は、あまりにもギャップが激しすぎて、惨めで滑稽な結果になりすぎてしまい、人の笑いと哀れみを誘うのだ。それは、人間の永遠のテーマでもあるだろう。物事は、ことほどさように思うとおりにはならぬ。四苦八苦というものは仏の道のスタート地点であるが、それを地でいく惨めさに、人々は笑いながらも涙することとなるであろう。まさしく彼女こそ、文学テーマの深淵を体現する現代人の悪夢の代表格にほかならない。

 ほとんどの場合、理想状態、そのプロセスの計画、実行という一連の流れから、人は学び、修正し、試行錯誤しながら、次の機会に行かすということとなる。「こうすれば相手はこう反応して、したがって自分にこういう好意を向けるようになるだろう」そのためには「まずはここでこういう言動を取り、アプローチして、このような段取りに持ち込む必要がある、ゆえにまずはこれとこれを準備して、自分自身もこれこれこういう風に振る舞うようにしないと」などなど、様々に計画を巡らせ、実行する。だが、たとえば化粧を変えて相手の気を引けばなびいてくれるだろうという段取りで計画して実行しても、その化粧が厚すぎて失敗したというなら、思い通りにはならなかったということになる。

 常人であれば、「それならこういうタイプの化粧にしてみては」など、「まずかった点」を反省して次につなげるものだ。計画を修正するのだ。プラン→ドゥー→シーのサイクルを作ればよい。

 ああ! だがしかし!

 もしアプローチする相手にすでに恋人がいたら? 結婚する約束ができていたら?

 もし、どんな化粧をしてもかぶれてしまって化け物になってしまう体質だったら? 慣れないことをしすぎ、対人恐怖症で、計画の実行さえもどうしてもうまくいかず、滑稽で惨めな思わぬ結果にしかならないのだとしたら?

 どうすれば、いい?

 理想と現実とのギャップがあまりにかけ離れすぎていたなら、理想の方を修正するほかはない。だが、修正がどこまでも落ち込んでいけば、やがてはいかなる理想をも捨ててしまうことになる。思い通りにならぬという四苦八苦は相変わらず居座り続ける。滑稽でありながら、涙なしには彼女を語れぬ理由がそこにはある。

 自分を変えればいい。それも、革命的に変えるのだ。

 だが、彼女は根本的には、自分を変えることができなかった。表面ばかりに変化をつけようとしても、内面の奥底はいっさい変えることができなかったのだ。奥底が変わらないがゆえに、以前からの結果がそのまま出ているだけなのである。惨めで滑稽な結果になるのは、そのような自己であり続けようとするからである。根本が変わらないので、何をどうしようとも、同じ惨めな結果になるのだ。若いうちにそれができれば、きっと彼女の人生も開けていたであろう。

 まずは、周囲への気遣いを少しずつ広めて、他人に慣れていくこと。親切な人だという印象が周囲に広まれば、性別如何に関わらず好感度は上がる。四苦八苦の悪魔を撃退するのは慈悲である。そこから、相乗効果で自分をどんどん変えることもできたであろう。その先に、少なくとも滑稽ではない帰結の芽も見えていたはずである。

 しかし、彼女はあまりに短絡的にすぎた。現実と理想とのギャップが大きすぎて、ついにそれに耐えきれなくなり、禁断の魔の世界に足を踏み入れてしまったのである。

 歪んだ彼女は、人間と魔族との中間的存在となり、妖怪化してしまう。そこに目をつけた魔の者が、彼女をさえ手先にして、冒険者たちを射精させる道具として利用し始めたのである。

 長い黒髪。大きなくりくりした目。背が低く華奢な体つき。若く、前髪っ娘で、黄色ベースの制服またはTシャツスパッツという出で立ちで、初級ステージに登場する。

 そもそも彼女は他人に慣れておらず、SBの実力も叩き込まれてはいるものの、あまり発揮する機会がなかった。したがって、友達もいないので常に単独行動である。冒険者に出会うと、カチカチに固まり、冷や汗だらけで、目の下のクマが濃くなり、がたがたと震え出す。話しかけようものならとたんにしどろもどろになって、小声でひとこと何か返せれば上出来だ。

 そういう仕草がかわいいと、世の男性たちには絶賛大人気なのであるが、当の本人は生きた心地がせず、ともすればすぐに逃げ出してしまう。

 そんな状態では、もちろんまともな戦闘にはならない。こちらが積極的になれば逃げてしまうし、コミュニケーションを図ろうとしても、「あわわ…」とテンパってしまっている相手には話が通用しない。有無を言わさず攻撃を加えようとすると、顔を真っ赤にして卒倒してしまいかねないのである。

 魔の者はなぜ、こんな役に立たない妖怪を手下に置くのだろうか。

 それは、本気の彼女の恐ろしさを知っているからである。

 対人恐怖で、ガタガタ震えている妖怪ではあるが、その脳内妄想の激しさは群を抜いている。そして何より、人間の娘を脱却して、妖怪となってからのちは、その妄想を自分に関して具現化してしまう能力が備わっている。それが彼女の強みのひとつとなっている。

 「こうすればかわいくなれる」と、理想状態を思い描く。人間の娘だった時代には、それでツインテールにしたらきもちわるいと一蹴される状況に陥ったのだが、妖怪化してからは、ほぼ変身に近い状態で、そのような理想どおりの自分になれるのだ。

 これによって、攻撃力が倍増し、冒険者はその若々しい肉体の魅力に加え、彼女が理想とした極上の外観に変身できるため、ついつい大ダメージを受けてしまうことになる。

 また、その魅力どおりに冒険者を虜にし、彼女は念願どおり「モテる」状態となるため、ついつい魅了されて、その肢体に夢中になり、あっという間に敗北してしまうこととなる。

 自分自身を理想どおりにし、ある程度シチュエーションを具現化できるので、彼女の思い描いたとおりにシナリオが進んでしまうのは怖い。それがどれほど突拍子のないものであっても、その通りに具現化できてしまうのである。魅了状態は避けられないだろう。

 彼女の豊かな妄想力は群を抜いており、具体的に、詳細に、理想状態を実現させてしまうのだ。

 しかしながら、彼女が思い描く理想状態は、あくまで彼女が想定した範囲内でのことである。想定外のことはできない。いくら見てくれを彼女の理想どおりにでき、ある程度冒険者側の心理的範囲を操作できるとしても、実力差までは埋められない。そもそも、見てくれを変えただけでは、厳しいセックスバトルの世界では生き残れないし、冒険者側もそれにほだされているようではまだまだだ。

 彼女のもっと恐ろしいところは、本性を現すところである。

 おどおどし、極度に緊張してしまって大人しい彼女であるが、時々「暴走」するのである。それは状態異常としての暴走ではなく、むしろ本性を現すといった方がいいだろう。

 女王様のように振る舞いたいという理想状態がスイッチとなり、急に尊大となり、高笑いして積極的に果敢な攻撃を仕掛けてくるようになるのである。

 スイッチが入れば、世界はなんでも自分のものと言わんばかりに襲いかかり、若くしなやかな肉体で精を搾り取る。かと思いきや、突然我に返って、またビクビク対人恐怖のしおらしい娘に逆戻りする。

 この両方のギャップに驚かされ、翻弄された冒険者は、ついていかれずに大ダメージを受けてしまうだろう。しおらしい娘バージョンに慣れたと思ったら豹変し、尊大で怖い物なしの責めに大ダメージを受ける。かと思いきや、尊大な妖怪に慣れたと思ったらまた大人しくなってしまって、思わぬかわいさに大ダメージを受けてしまうと言うわけだ。

 実力上はそれほどではないが、妖怪としてのこれらの性質によって、初級冒険者たちはなかなか彼女に勝てないでいる。

 豹変した尊大な彼女こそ、妄想する主体であり、本性なのだ。本性を現したときに、一気に反撃に転ずれば、あっさりと彼女を倒すことができるだろう。

 だが、彼女も、彼女を操作する魔の者も気づいていないのだ。本当の彼女の強みは、あるがままの、理想でもなんでもない地の方の彼女であるということに。

 そのままの若く華奢な身体、大きな目、クマ、黒髪…ちょっと乙女な妄想が強いだけの少女。その本来のままの姿で、彼女は十分魅力的だ。本来の良さを自分も魔の者も気づいてはいないのである。その本来の姿、魅力に自分で気づき、研鑽を重ねるように変えることができたなら、つまり、自分を根本から変える努力を地道に行えるような子になることができたなら、見てくれを変えてイミテーションで冒険者に挑むよりも、はるかに強いSB能力を発揮できただろう。ランクもEではなく、D以上で、冒険者たちを次々打ち倒すことができたはずである。外見を理想どおりにするなどの戦法では、彼女の本来の良さを殺してしまっているのが惜しむべきところではあるだろう。

 なお、彼女には目つきの悪いイケメンの弟がいるので、姉萌えな冒険者はいいように扱われてしまう。気をつけられたし。

 この手合いの地味系美少女はどういうわけか、20前後で結婚してしまい、家庭に入るのが定番らしい。世の中そんなものさ。


モスレディ【もすれでぃ】

  種 族:キマイラ
  レベル:C
  得意技:催淫鱗粉、毒鱗粉、コンニャク締め/姉、集団
 
 蛾の化け物。たっぷり鱗粉をまとった大きな蛾の羽を背中につけた裸の女性で、男性の精を奪い取るためだけに量産される中堅ザコである。

 中堅ステージに登場する敵であり、そこそこの経験を積んだ冒険者でもなかなか苦労する相手だ。ステージのあちこちに女性型のさなぎがあり、冒険者が通りかかると殻を破って、中から美しい全裸の女性が姿を現すと、戦闘開始だ。

 彼女たちは集団で誕生し、一斉に冒険者に襲いかかる習性がある。そのため、戦闘はほぼ確実に集団戦となる。さすがにこのステージに来られるような冒険者は、すでにあまたの女性たちを昇天させているはずであり、いまさら集団戦ごときで驚きはしないだろうけれども、残り精力が少ないときに彼女たちに遭遇すると、ピンチに陥ることとなる。

 彼女たちは、冒険者のまとわりつくグループと、周囲から鱗粉攻撃をするグループに分かれ、前衛後衛分担して冒険者を射精させようとしてくる。

 鱗粉のほとんどは催淫効果のあるもので、男性の肌から吸収され、身体の奥の性感神経までじわじわ刺激、心地よい感覚が全身に回っていく。量が多ければ多いほど、急ピッチで精子が生産されて溜め込まれていく。そこへ前衛集団が襲いかかり、全身愛撫とイチモツへの挿入攻撃で脈打たせようとしてくるわけである。

 また、ごくまれにだが、毒鱗粉をまき散らすモスレディもいるので注意が必要だ。これを身に浴びると、一定時間身動きがとれなくなり、その間に催淫鱗粉をいっぱい身に浴びつつ、前衛グループ集団にいいように弄ばれてしまうことになる。

 前衛モスレディたちはその自慢の裸体で冒険者の全身にまとわりつき、生足の感触を刻みつけてくる、きわめてオーソドックスな戦い方をする。攻撃力、防御力、精力ともに中堅の実力者だ。レベルの足りない冒険者は、鱗粉の力を借りずとも、彼女たちの肉体の魅力の前に太刀打ちできないはずだ。

 極めつけは、その性器である。男性を気持ちよくして精液を奪い取るためだけに生まれてきたモンスターであり、魔力によって増殖するため、受胎能力はない。にもかかわらず、そのオソソはコンニャクのようにぷるぷるしており、人間の男性には耐えきれない柔らかい圧迫でどこまでもきつく締め上げてくる。腰使いも本能的に冒険者が感じるように動くことを心得ているので、毎ターンごとに大ダメージを受け続けるのは必至である。

 鱗粉以外には特殊な攻撃をしてこないので、体術の実力そのものが格段に高いのが、モスレディの特長とも言える。集団で挿入され、イクまで代わる代わる犯すモスレディたちの怒濤の攻撃に対処しきれず、さらに鱗粉で弱体化しきったところで、毒攻撃で身動きがとれなくなったら、もはや一巻の終わりである。まして、残り精力が少なくピンチな時に彼女たちの集団に出くわしたら、もはや彼の体液は確実に奪われてしまうことだろう。

 モスレディは前衛と後衛に別れているので、まずは前衛の攻撃に耐え、毒鱗粉に気をつけながら、挿入している敵からどんどん倒していくのがいい。数が減ってくれば、光栄の鱗粉攻撃娘たちが挿入に加わってくるので、じわじわと数を減らし、最後の1人を倒せば勝ちである。

 相手が体術で勝負してくるなら、こっちも腰の一振り一振りで応戦するのが紳士というものだ。姑息な作戦ではなく、実力で攻防するのが、結局は一番の近道となる。

 中堅ステージのためにそれなりに強い敵であるが、彼女たちの集団を圧倒できるくらいでなければ、その先には進めないと心得るべし。


モデル【もでる】

  種 族:人間
  レベル:E
  得意技:特になし/姉
 
 雑誌やテレビなどに出てくるファッションモデル、またはそれと同じ体型を維持している美女である。

 その特徴ははっきりしていて、「長身」「痩せ型」「小顔」の三拍子である。背がすらりと高くひょろひょろしており、顔が小さいことが最低限の条件とされる。

 洋服というものが、洋の服、つまり西洋人にルーツがあるために、西洋人に近い体型であればあるほど似合うように、根本的にできているのである。長身で痩せていて顔が小さい女性が似合うように服をデザインするのはたやすく、様々なファッションの幅を拡げやすいという、デザイナーどもの都合も大きく絡んでいる。

 もっといえば、服飾デザイナーの多くは、こういう体型の女性が似合う服しかデザインできない無能ばっかりであり、メリケンからジャポンまで、そういうスタイル用の服に特化してしまったために、その服を売る企業側が用意しなければならないモデルも、同じ背格好ばっかりがそろえられるというわけだ。国家社会主義の軍服やモンペとどう違うのかね?

 その結果、拒食症気味のひょろ長い女性がもてはやされるようになり、モデル体型なるものができあがった次第である。世の女性たちはそういう身体を欲しがり、涙ぐましい努力を強いられてしまっている。現代社会の病理のひとつと言えよう。実際にはそれほど、モデル体型が男性からもてはやされているわけでもないにもかかわらず、である。

 そういう勘違いが蔓延したために、セックスバトルRPGでも、勘違いしたプチボスが、モデル体型を集めて敵に仕立て上げた。痩せて背が高く、足が細く胸が小さい女性が、初心冒険者に襲いかかる。その長い手足を駆使して一定のテクニックを披露するが、それに翻弄され、モデル体型だ美人だなどと興奮してしまっているようでは、前途多難である。

 すらりと長いふくらはぎを撫でさすりながら、固い女性のイメージに踊らされてつい発射、ゲームオーバーである。

 目を覚ませば、彼女たちは町娘とほとんど変わらない実力である。ただ「スタイルがいい」だけである。もっといえば業界が「スタイルがいい」と決めつけた価値観に踊らされているだけである。普通に攻撃して倒してしまえ。

 初心冒険者の先には、そんな価値観など吹き飛んでしまうほどの、恐ろしい女の怪物が数え切れないほどひしめいているのである。押しつけられた常識を捨て去れるようでなければ、先はないと思わなければならないだろう。

 「モデル」としてくくられた敵は、かように弱いザコキャラであるが、モデルと同じような体型で、性的な能力が相当に長けた敵であればごまんとある。それは、肉体がそのまま魅力となるように、出るところが出たり、引き締まるところが引き締まったりしながら、一定の能力、柔軟性、頭脳を兼ね備えている敵であり、つまり実力があるのであって、決して侮ることはできないだろう。体型云々というよりも、さまざまなバリエーションある攻撃や特徴を持っていて、モデル性はその一部に過ぎないわけだ。先に進んだ冒険者は、モデル体型だから苦戦するのではなく、その敵に実力があるから苦戦するのだ。そこに気づけば、精進の重要性も理解できるはずである。


元カノ【もとかの】

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