セーラ1−1


 階段を登る。

 「これは…」

 これまでと違う廊下。片側の壁には整然と窓が並び、天気のよい青空が見える。

 「ああ…久々に青空を見た気がする!」そう、せまっ苦しい迷路に閉じ込められ、事あるごとに女体ばかり見て来た。太陽を見られないというのも、早く出たかった理由の一つだ。でも、この世界にもちゃんと願望通りに青空、白い雲、照りつける太陽があるんだな。

 いや、これは虚構世界の作り出した偽物なんだ。この世界から脱出して、本物を見たい。僕は青空に誓うのだった。

 もう片側の壁は、ドアが並んでいる。閉まっていたり開いていたりするが、中を覗くと、中は教室になっていた。懐かしい机、黒板、ロッカー等があった。

 ここは…学校の廊下なんだ。それが延々と続いて迷路のようになっている。

 舞台が学校か…なんだか嫌な予感がするな。

 暫く歩いていると、教室から女の子が飛び出して来た。僕は彼女とぶつかってしまう。その瞬間、ふにょっという感触が全身に伝わる。

 「あ、ごめんなさい。」「いいえ、わたしが不注意だっただけだから。」

 まるで青春の一ページみたいに、セーラー服の女の子にぶつかっただけでドキドキしてしまう。

 「あ、あの…」もしかして、と思って、声を掛けてみる。

 「え…。なんですか?」あどけない顔で見返して来る。今回の敵は彼女じゃないのかな。

 女の子は顔を真っ赤にしてモジモジしている。

 「あの。」か細い声で上目遣いに彼女が何か言いたそうだ。「…その…ふ、服を着てくれませんか?」

 僕は全裸で歩き回っている。それが彼女には恥ずかしかったんだろう。「あっ…ゴメン。その…僕、何も着るものを持っていないんだ。」「そうなんですか…。じゃあ、もし良かったら…」

 女の子は教室に戻り、ロッカーから袋を取り出して来た。

 「…すみません、こんなのしかなくて」中には洋服が入っているのか。「ありがとう。…って、これって…」中に入っていたのはセーラー服だった。これを着ろってのか。

 「ごめんなさい、やっぱり気に入りませんよね。」おずおずと清楚な女の子が尋ねる。

 さすがにこれを着用するって事は女装する訳で。ちょっとなあ。

 ぱさ。

 袋から、手紙が一枚落ちて来た。「これは?」彼女の顔が一層赤くなる。

 「センパイ、わたし、先輩の事…」

 心臓がバクバク言っている。僕の青春時代はこんなに甘いものじゃなかったけど、憧れていたシチュエーションだ。一度でいいからラブレターの一通も受け取りたかったなあ。

 「だから、その服はわたしの気持ちなんです。…着て頂けませんか?」

 いや、だからと言って、セーラー服を着ろってのもなあ。「…ゴメン、これだけは…」「…。」そう言うと、彼女は泣きそうになった。どうしよう…

 いや、ちょっと待て。落ち着くんだ。二昔前の青春ドラマみたいになってるけど、ここは『ないと・めあ』の作り出した幻影。登場する女の子はまず敵と見て差し支えない。これももしかしたら、相手の作戦かもしれない。

 「…その手には乗るか。どうせお前も敵なんだろ?」ちょっとカマかけてみる。

 「…。」彼女は不思議そうに僕を見つめる。ヤバイ、清純な娘に何て事を…作戦は失敗か。

 「ふっ…」「え?」

 「やっぱり泣き落としアンド清楚可憐作戦は失敗ね。ええい、もういいや!あたしもぶりっ子は疲れるんだよね〜。しゃーねーな。良くぞ見破ったと褒めてあげる。きゃははは!」「…。」やっぱり演技だったか。おかしいと思ったんだ。なんでセーラー服を着るのかと。ここの女はみんな変だ。

 「んじゃ、そういう訳で、とっととセーラー服を着なさいよ。」

 「…だからなんでだよ!」「いーから着なさいよ!」「ぜってー着るもんか。」「あっそう。別にいーけど、その代わり、この階は女子校の制服着てないと抜けられないんだよね。」

 抜けられない、だと?

 「廊下のあちこちにワープトラップが仕掛けられていて、トラップに引っかかるとスタート地点に強制的に戻されちゃうんだよね〜。制服着てれば、トラップが見えるようになるから、無事上り階段まで辿り着けるけど、全裸じゃあ、無理ね。」

 くそ…そういう事か。「しょうがない、この階だけ制服着るしかないんだな。」「そゆ事。」「じゃ、着替えるから、後ろ向いてて。」「恥ずかしがる事ないのに。」「いいから後ろ向いてろよ。」「はいはい。」

 制服の女の子、セーラが後ろを向いた。今だ!

 僕は制服を抱えたまま一目散に逃げ出した。このままあそこにいればエッチ勝負にもつれ込むのは火を見るより明らか。精力消費は抑えて置かないとね。

 「あっ!逃げるな〜〜!!!」後ろからセーラが怒鳴っていても関係あるものか。

 ヒュイイ〜ン!突然目の前が真っ赤になる。「うわ!」視界が突然変わり、目の前にあのセーラが立ちはだかっていた。

 「…えっ?えっ…?」「だーかーらー。言ったでしょ。あちこちにワープトラップがあるって。」

 そうだった。僕はまだ制服を着ないまま走り出したから、トラップが見えないんだった。僕は一瞬にして、セーラのいる地点まで強制的に飛ばされたんだ。着替えるまで逃げられない。着替えたら戦闘開始になるだろうから、結局逃げられない。やるしかなさそうだ。「あの…パンツとかも?」「当たり前でしょ。」「うぅ…」

 僕は手渡された女物の制服を着た。セーラと同じ格好だ。紺色のセーラー服は、ちょっと背伸びするだけでおへそが見えてしまう。そして短いスカート。屈んだりすればすぐにパンツが見えてしまう。そして、小さめの女物のパンツ。穿くと股間がバッチリ浮き出ている。男が穿くものじゃないよなぁ。ブリーフよりもタチが悪い。

 これで僕は完全に女子校生になった。女装マニアじゃないのに…恥ずかしくて泣きそう。

 「着替え終わったようね。見てごらんあそこを。」奥を見ると、今まで見えなかった赤い壁があちこちにあるのが分かる。あれに触れると、ここにワープさせられるのか。

 「そして…こっちに来て。」僕は教室に連れ込まれた。教室の中には、等身大の大きな鏡がある。「見てご覧…これがあなたよ。」

 見ると、女装した僕が映っている。「すごく綺麗だよ。男の人じゃないみたい。まるで本物の女の子みたいだよ。ね?」

 言われて見れば…たしかにそうだ。少年のような細身の体だから、余計に女の子っぽさが出ている。見ていると段々ヘンな気持ちになって来る。まるで自分の姿が自分自身を誘惑しているみたいだ。

 「じゃあ、ここでレズごっこしようか。」

 来た。僕と一緒に鏡に映ったセーラが、ミニスカートを捲り上げる。ややもすると僕よりも太い足。大人の女性の細くて引き締まった脚と違って、ムチムチしている。純白のパンツが対照的だ。

 ”二人分”の制服姿を見て、僕は興奮してしまった。ペニスのいや増すふくらみが小さいパンツを押しのけて、亀頭が上にはみ出ているのが分かる。

 「あん…」後ろからセーラが抱き付いて来た。僕のスカートが捲り上げられ、小さいパンツからコンニチワしている亀頭が鏡に映る。ペニス以外は、本当に女の子同士みたいな錯覚に陥る。

 「もうココをこんなにしてるの?かわいい…」彼女は右手で亀頭に触れた。僕も呼応して彼女の太い足に手のひらを這わせる。吸い付くようなムチムチの感触が手のひらを伝わって来る。

 セーラは後ろから両手で僕のペニスを撫でて来る。生地の薄いパンツ越しに、その柔らかい指先を感じた。

 僕はいつも以上に彼女の攻撃に敏感になっている。女装しているというのが、いつも以上に僕を高めてるんだ。

 セーラは執拗にパンツ越しにペニス全体と玉袋をさすって来る。そのくすぐったさが僕の精力を削って行く。女装して妖しいエッチを繰り広げている。鏡に映った僕が感じている。まるで女の子二人が本当にレズっているみたいで、自分の姿にさらに興奮してしまう。

 「じゃあ、もっと気持ちよくしてあげるね。」

 セーラは僕の前に回り込んでしっかりと抱き付いて来た。そのまま腰を揺り動かす。彼女のパンツが僕のパンツに擦れ、ペニスに生地の感触とオンナの肌触りが這い回る。僕はその姿を鏡で見つめている。そこから目が離せない。このまま「貝合わせ」でイカされてしまうのか…

 それだけは避けなければいけない。どうやって切り抜けるか…

−選択肢−
セーラ1−2 挿入でオトコをアピール
セーラ1−3 レズごっこでタチに回る
セーラ1−4 レズごっこでネコのまま


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