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姉3


 ここは一旦、距離を置こう。

 つかず、離れずの距離感で、とにもかくにも姉の肉体で射精してしまわないよう、細心の注意を払った立ち位置を外してはならない。

 もし、ガンガンこっちから責める積極的な姿勢を示せば、姉さんはその一枚上を行く作戦を取ってくるだろう。忘れてはならないのは、姉は相当に強化されている上、僕の弱いところを、とりわけ心理的な面で的確に突いてくることができるほど、僕について熟知しているってことだ。

 僕がいくらレベルを上げて、愛撫攻撃で相当なダメージを相手に与える能力に長けていたとしても、こっちが弱体化するような精神攻撃や誘惑攻撃をされてしまえば、姉さんは着実に弟の精力を削り取れるだけの、十分な力を持っている。21歳に若返っただけでなく、百戦錬磨の性経験は残っており、そのうえであらゆる性技を強化されている。もちろん、肉体的な能力も、オンナの具合の良さもだ。何もかもが、僕をイかせる魅力に満ちあふれている相手なんだ。

 僕がこの異世界の中で性経験を培ってきたほどではないのかも知れない。こっちではセックスがそのまま生き残りをかけたバトルなのであり、数多くの女性たちとの性行為だけがメインの世界に、ずっと長らく留まっていたのだから。

 しかしそれでも、姉さんの方は、現実世界そのもので、性経験を持ってきた。それも、男性たちを手玉に取るような蠱惑的で姑息な手段でだ。そこに、何倍もの強化がかけられてしまえば、実力的には僕の上を行っていてもおかしくない。

 そして、彼女の持つ僕の弱点への知見は、彼女にとって最大の武器となるであろう。そこに警戒するかぎり、積極的に打って出るのも、消極的に受け身になってしまうのも、極めて危険な選択だと言えるだろう。

 一番堅実なのは、時間がかかってもじっくり応戦して、距離を置くやり方なんだ。

 かなり近かった姉との距離を、僕は意識して遠ざけるように動き始める。もう少しだけ近づいたら、禁断の姉の肉体に触れてしまいそうなほど近かったふたりは、じわじわと距離を取って離れていく。主に僕の方が後ずさる方法でだ。

 ただし、背後に気をつけておかなければ、背中が壁に当たり、そのまま追い詰められてしまう可能性がある。右へ左へとずらしながら、逃げ場をきちんと確保する。

「ふふふっ! アンタの考えなんてお見通しだよっ!」

 すりっ!

「!!!」

 急激に近づいてきた姉が、片足を僕の左足にこすりつけた。滑らかな太ももの感触が、じかに僕の脚に滑っていく。うぁ……なんて心地いい感触なんだ。

 女性の生足の感触は、ながい間ここで闘いを続けてきたにもかかわらず、一向に慣れることはない。それは、僕が生足大好き人間、太ももに極端に反応しやすい性癖の持ち主であることを、姉に見通されているという証だった。

 実の姉の生足は、小学生時代からずっと見せつけられていた、禁断かつ甘美な「あこがれの的」だった。細くすらりとしていながら、しっかり肉付きが良く、肌のきめももっちりシコシコしている。僕が性欲に目覚めたころには、姉さんはすでに女の脚を完全に具えていた。昼間や夕方、風呂上がりや露出の多い短パンなどで、日々見せつけられてきた素足そのものだ。

 中学、高校、大学、大人……その年代ならではの太ももを、その女性的な脚の成熟を、日々見続けてきた。気がつけばすでに滑らかすぎる脚線美を有していた彼女は、それでも、日を追うごとにさらに魅惑的なものへと発達させ続けた。吸いつく感触を誇る内股、スベスベふっくらした太もも……とりわけ、ふくらはぎ部分が、成長につれてきちんと細まっていくありさまを見てきたので、女性の脚の成長の神秘に驚かされたものだ。

 そのつど、彼女の脚に触りたい、撫でてみたい、彼女の脚で僕の両脚をスリスリされたらどれほど気持ちいいだろう、と想像しながら、オナニーをしていたのだった。姉さんの脚が変化していくたびに、過去と現在とを比べながら、姉の脚をオカズにして抜いたことが数え切れないほどある。

 そんな姉の太ももが、じかに僕の脚に触れたとき、あこがれていたあの感触が、本当に実現したことに興奮してしまう。

 そして、想像していたとおりの心地よさ、いやそれ以上の性的な快感と興奮を、彼女の脚から感じることができた。

 これまでに数多くの女性の脚と触れ合ってきたはずなのに、いざ姉の太ももがこすれると、それだけで性欲が格段に増してしまうのは、少年時代からの想像が手伝って、姉という特別な存在の生足の感触だったからというのも大きい。

 かてて加えて、彼女の脚はこれまでの敵の生足よりも、やはり相当強化されていて、僕の肌細胞にある性感神経をことごとく刺激していくことのできる、魔性の武器と化していたのだった。

 細くてキビキビしたおとなの素足なのに、どこか子供時代の悩ましい面影を残す、そんな性的魅惑でいっぱいだった。たったひとコスリで、僕にこれだけのことを思い出させてしまうとは。やはりかなりの強敵だと、あらためて戦慄を覚える。

 姉が近寄ってきたのは、ほんの1,2秒のことだった。僕からの反撃を避けるように、彼女はスリッと僕の脚をひとコスリしたら、さっと背後に身を引いて、自慢の脚を開くように伸ばしながら、またあの魅了する上目遣いで眼鏡越しにじっと見つめてくる。

 全体的にするーんとした姉の裸体は、透きとおるように白くて綺麗だ・・・。何度も見てきた薄着の下は、こんなにも美しい女体だったのかと、ゾクゾクッと見惚れてしまう。それも彼女の作戦なのは分かっている。

 もちろん僕も、だまって彼女の攻撃に晒されるままでいるわけにいかない。反撃すべく、姉の乳房に手を伸ばす。スタイルがいいとまでは言えないが、このくらいのオッパイはむしろ好みである。本来はもっと控えめであったはずの胸は、強化とともにやや膨らみを強めている。

 すすっ……

 なっ……!? よ、よけた……だと!?

 そう気がついた瞬間には、もう遅かった。姉さんは僕の手の攻撃を避けるべく、スッと素早く横に体をずらした。”えっ!?”と思ったのはつかの間。彼女は瞬時にして僕の斜め横に移動している。このスピードは並の人間には出せない。この世界に移転したときに身につけたか。

 きゅっ♥

「うあっ!」
「クスクスッ! ずっと私のカラダを見てオナニーしてたんでしょ。今度は、おねえちゃんがじっさいに手で抜いてあげよっか?」

 姉はペニス先端を優しく握りしめてきた! 暖かくてやわらかな女手は、細い指先が亀頭先端にきちんと絡まるように計算された位置づけで、しなやかに圧迫を加えている。強すぎず弱すぎない力加減でペニスを掴まれると、電撃のような心地よさが股間の奥に突き抜ける。

 彼女の肢体を思ってオナニーしていたのは事実だが、ほんとうに彼女の手で抜いてもらったことはない。姉さんの裸を見ながら、直々に姉さんの手でしごいてもらえたら……そんな甘美な想いが精神を突き抜けていく。

 姉の肉体の攻撃力、防御力は完全に未知数だ。そのうえで、僕の精神的な弱体化を、上手に突いてきている。素早く心地よいヒット&アウェイ作戦で、姉さんの女体の良さや魅力をこれでもかと教え込んでくるんだ。

 この誘惑に負けてしまえば、僕は姉のいいなりに精液を絞り出されてしまうだろう。それは何より気持ちよく、すべてをなげうってでも味わいたい感覚かも知れない。

 いやしかし、これに負けてしまえば、僕のこれまでの冒険はすべて終了してしまう。姉の軍門に降った上には、姉の好みである精神的な敗北の状態のまま、永遠の快楽の天国に陥れられてしまうことになる。そこから抜け出すことはもうできなくなる。なんとしても、それだけは避けなければならない。

 このまま、姉さんの魅力に負けて、抱きしめてしまおうか。そんな思いが頭にこびりつく。だが、無計画にそんなことをすれば、いとも簡単に精を抜き取られてしまうことになる。やるとしても、姉さんの性的趣向をうまく突くやり方でなければ。

 しかしそれでも、姉の誘惑する裸体に、どうしても心が揺らいでしまう。彼女は僕の方から暴走して、我を忘れて抱きしめに来るのを、今か今かと待ち構えているんだ。それが彼女のやり方でもある。

 どうしても彼女の肉体に惹きつけられ、吸い寄せられるように距離を縮めていってしまう。見れば見るほど、彼女に抱きつきたくなってしまう。反撃しようとすれば、生足や手などで確実に返り討ちにされてしまう情勢だ。

 この状態を乗り越えるために、あえてその誘惑に乗ってしまおうか。密着すれば、彼女の弱点も見つけやすくなるし、姉は姉で、僕が我を忘れるように自分の身体をむさぼってくることに対して、相当激しく性的な興奮を覚える。姉さんはそういう性癖だ。そこに弱みが在るのかも知れない。虎穴に入らずんば虎児を得ずの精神で、アタックしてみるのも手段のひとつではある。

 ただしもちろん、本当に我を忘れてしまえば敗北は確実だ。理性を保ちながら、姉を酔いしれさせるような戦略なんだ。

 それはかなりリスクが高いと思えば、このままつかず離れずの戦法を維持するしかない。彼女の肉体のパーツをしっかり味わわされることになってしまうが、それでも彼女の魅力に負けて言いなりに抱き合ってしまう惨事を避けることはできるだろう。姉は姉なんだ。禁断の関係を受け入れられる世界だったとしても、その誘惑に打ち勝って、彼女を元の世界に追い返してやることこそ、弟として本当にやるべきことである。

 わるい姉にはしっかりと、姉弟での性行為はあくまでタブーであることを、カラダで分からせなくちゃ。この世界で強化され、僕の想い出をくすぐって楽しもうとする悪姉を、キッチリ懲らしめてやる。

 勝負は僕の選択次第で決着する。賭けてみよう。



-選択肢-

姉7A 密着する

姉8A つかず離れず




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