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レオター1−1

  塔に入ると、そこは思ったよりも狭い部屋であった。

 「うえるかむ!」部屋の真ん中に、白いレオタードを身につけた美少女が立っていた。改良がなされる前の、裸体がわずかに透けて見えるタイプだ。

 今回の敵はこいつというわけか。

 「この五重塔のルールは分かってる?」「ああ…」「一つの階が二部屋になっていて、あなたはそこにいる女全員を相手にして、全員をイかせなければならない。隙を突いて逃げて先へ進もうとしても、鍵がかかっている。女を倒さない限り鍵は開かない構造になっている。」「…。」僕は黙ってうなずいた。それは分かっていることだった。ステージの敵を倒さない限り、出し抜いて先に進むということはできない。イクかイかされるか、ガチの勝負の世界だ。

 「それだけじゃないんだよ。後ろの扉もオートロックで、戻ることは許されない。」「む?」確かめてみると、なるほど入り口の扉は鍵がかかって、戻ることができなくなっている。

 「倒すか倒されるか。どちらかがイクまで先の扉は開かない完全デスマッチ。」「なるほど。入ったが最後、戦って勝ち続けるしかないわけだな。」

 「そういうこと。そして私は、新体操選手、レオターよ。」「レオタード美少女だからレオターか。安直なネーミングだな。」「あなたのお姉さんの趣味よ。」「ほんと、うちの姉がすいません。」

 レオターは身構えた。「さあ、おしゃべりはここまで。あなたはこの塔で射精して、快楽の淵に溺れていくのよ。」「そうはいかない。」僕も身構えた。

 「分かってないなあ。この塔はあなたのお姉さんが集めた、人間の女性の中でも精鋭揃い。しかもあなたの趣味に合わせて衣装も外見もあなた好みにしてある。しかもセックスの技も『ないと・めあ』の力で強化され、熟練しているのよ。」「…そうだろうな」

 たしかにレオターはとてもかわいらしい。目がぱっちりしていながら、キリッとツリ目だし、髪の毛もサラサラストレート。背は低めだが体のラインがとても整っている。

 体操をしているだけあって、体がものすごく細い。四肢を動かすたびに、鍛え上げられた筋肉がしなやかに盛り上がるも、全体的には柔らかで柔軟だ。きめの細かい肌と皮下脂肪が、しっかりと筋肉を覆っていて、運動能力の高さにもかかわらずスベスベで心地よさそうな体をしている。

 レオタードは肩や脇の下が露出される開放的なタイプで、きわどい水着のように横尻や脇腹が見えている。そこからすらりと伸びた細長い足も露出度が高く、触ったら心地よさそうである。

 鍛え上げられた上半身でありながら、しなやかな細さを体現し、余計な脂肪が絞られているために胸は小さめだが、妖精のような細さがそれを美しくカバーしている。貧乳と舐めていると痛い目を見そうだ。

 姉さんは男の金で足繁くエステに通い、毛の処理から肌磨きまで入念に行っていた。手段はともかく、その努力は涙ぐましいと言えるかも知れない。

 レオターも体の処理は万全のようだ。やはり強敵と言えるだろう。演技する姿を大勢の人に見られるスポーツだからなのかも知れないが、肌を整えることに関しては相当神経を使っているのが、股周辺を見れば分かる。

 そして…これまで大勢の女性を相手に戦い、その体では射精せずに生き残ってきた僕に挑むのだ。ごく普通の女ではあるまい。『ないと・めあ』の魔力が注入され、攻撃力・防御力・精力が相当に強化されているはずである。その上で、それぞれにセックスのテクニックをたたき込まれた状態でこの五重塔にて僕を待ち構えているのだ。相当の手練れと見なければならないだろう。レベルも高いはずだ。

 だとするなら、ここは初めから全力で戦わなければならないだろう。選択を誤れば、あっさり返り討ちに遭うに違いない。精力を温存し、適宜回復させながら、全身全霊で勝ち進まなければならないだろう。

 「あ、そうそう、言い忘れたけど、この五重塔ではいっさい回復が使えないからね。」「なっ、なんだと!?」「強化技も、魔法も道具もNG。すでにこの五重塔の各部屋に置いてある物以外は取り出すこともできない。勝負は常に肉弾戦。その身体の能力のみのガチンコ勝負よ。」「そんな…」

 呼吸を整えてみる。たしかに、精力の回復もなければ、性感神経を鎮めてあまり感じないようにするのも不可能なようだった。防具であるコンドームもなくなっている。ナマでじかに戦わなければならないのか。

 「お姉さんが言っていたわ。武器や防具や回復を併用するからこれまで弟は勝ち進んできたのだって。それがなければ、あんたはただの素人。勝ち目はない!」「くっそ…」

 「それに、わざわざ五重塔少女遊戯のステージにしたのには理由がある。お姉さんのアイデアで、あなたを徹底的に追いつめるために工夫されているのよ。」「なっ…」まさか何かイジワルな仕掛けが…!?

 「あなたが勝ち進んでこられたのは、広大なステージをさまよい、かろうじてたち進んできた結果、“レベルが上がった”からよ。そりゃあ、一度勝った相手と何回も戦っていれば、強くもなるわね。」「!!」し、しまった…

 そう、入ってから気づくのが僕の愚かさだ。これまでのステージでは広大な迷路で、同じ相手と何度も何度も戦い、経験値を積み、レベルを上げ、相当に強くなってから3人バージョンに挑み、さらにレベルを上げて、フロアのボス、10人組み手に挑んできたのだった。

 つまり、次のステップに行くまでに入念な準備をし、十分強化してから先に進んできたからこそ、勝ち進んでこられたのだ。

 だが、五重塔のステージでは、そうはいかない。戦闘回数が激減するのだ。実際に、一階につき二部屋なら、10の戦闘回数しかない。

 これでは大して経験値を積むことができず、レベル上げにいそしむことができない。退路の扉は鍵がかかり、戻ってレベル上げをすることもできない。

 「それと、戦いが終わってから自分で抜こうとしても無駄だからね。この塔のすべての部屋はあなたのお姉さんのいる最上階のモニターに全部映し出されている。自分でしごいてイキそうなところへタイミング良く刺客を送り込むことができる。オナニーでイク直前、突然別の女に触られて射精すれば、それであなたの負けが確定。つまり、最後まで絶対に射精できず回復もできずガマンし続けなければならないというわけ。ふふっ、考えるだけで制覇は無理って分かるよね?」「くっそ…」

 このレベルと実力だけで、五重塔のすべての敵を倒さなければならないのだ。しかも回復ができなければ、肌を重ねるごとに射精が近づいてしまい、最後までたどり着けるかどうか分からなくなる。

 なんということだ。姉さんは僕の勝ち進め方を研究し、回復やステージの進み方、そして必要に応じて自分で抜いてリセットすることで勝ち進んできたことを見抜き、そのことごとくに対策を打って出たのだ。その上、ここの敵は相当に極上で僕好みの女たちばかりと来た。「今のまま」勝ち進められるかどうか、微妙になってきた。

 「ふふふ…この五重塔が、あなたの終着点、快楽の園の始まりとなるのよ! とりゃあ!」

 レオターはハンドスプリングでこちらに向かってきた。逆立ちをして体をブリッジさせ、起き上がるとさらに逆立ちをする。難しい技術だがそれを難なくこなす新体操選手だ。さすがにその美しさに見とれてしまう。

 彼女は僕の目の前に降り立った。体力、跳躍力ともに抜群な敵だ。簡単には勝たしてもらえないだろう。作戦を練る時間まで与えないのも、姉が考え出した戦法なのだろう。

 僕は目の前の美少女をぎゅっと抱き締めた。戦闘開始だ。

 思った通り、彼女の体はとてもやわらかい。筋肉などみじんも感じさせない女の子らしいしなやかさがある。

 間近で抱き合うと、彼女の小柄さにあらためて驚かされる。僕の顎の下に頭部がある。肩や腕の肌がすべすべで心地よい。その生足は、新体操で鍛えているために引き締まっているが、肌触りはとても滑らかで、あまりに細いのに芯はしっかりしている。

 レオターはスベスベのふとももを僕の内股に滑り込ませ、両足で僕の足を挟み込むと、しきりにスリスリこすってきた。滑らかな足の感触が心地よい。彼女の両手は僕の背中に回り、優しく撫でさすってくれている。

 白いレオタードは生地が薄く、体が透けてしまっている。乳首も浮き出て、胸のラインまで分かってしまう。僕は彼女のオンナ部分に手を伸ばし、指先で丹念に愛撫した。

 そこで気づいた。こんなにも透けてしまうレオタードを身につけ、パンティの浮き出る形跡もないということは、下半身も上半身も、レオタードの下は全裸だということだ。

 そして、陰毛の感触がまったくないということは、エステなのか何なのか、毛の処理をすべて完全に徹底してしまっているということを意味している。ツルツルのオンナ表面の感触が直に指に伝わり、抜き残しも一本もない。

 当然、その部分を見れば、レオタードにスジがくっきり浮き上がり、全裸以上に丸見えになっている感覚だ。

 さらに、股部分の生地は、たとえばトランクスの股間部分のように、生地が左右から重なっており、その気になればいつでも開くことができた。つまり、レオタードを脱がずに、そのまま挿入ができる状態になっている。

 レオターの方も、シコシコしたふとももで玉袋や内股を優しくこすり愛撫しながら、両手指先で亀頭をくすぐり、さらにぷにぷにのおなかに押しつけめり込ませてくる。ペニスは彼女の体と手によってはちきれんばかりに膨張した。

 五重塔。厳しい戦いになりそうだ。

 どう戦おうか。このまま立った状態で攻防をくり返すか、一度押し倒して寝技に持ち込むか。

 「…。」周囲を見ると、床に新体操用のリボンが置いてあるのを見つけた。この道具を上手に使えば、戦闘を有利に進められるかもしれないな。

 何にせよ、これまでの戦いと大きく違う点がいくつかあるから、これを整理しておいた方が良さそうだ。

●回復ができない。強化もできず武器防具もない状態で戦わなければならない。また、レベル上げをして強化ということもできない。

●自分で抜くこともできず、精力を温存しながら勝ち進まなければいつかは射精させられてしまう。

●女を倒さない限りはいずれの扉も開かないので、脱出もできず、出し抜いて先に進むことができない。

 単純に勝ちさえすればとか考えて選択すれば、仮に勝利してもその先はない。慎重に判断しなければならないだろう。

−選択肢−
レオター1−2 立ったまま戦う
レオター1−3 寝技に持ち込む
レオター1−4 リボンで縛る


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