マーメイド3−1


 この階はある意味で複雑だ。迷路そのものは単純な方なんだけど、ステージが変わる為道に迷い易くなってる。通常の通路と水中通路の両方を渡り歩かなくちゃいけない。落とし穴かなんかで急に水に落ちる事もある。その上でマーメイド達が襲って来るんだ。

 通常の通路で出会うマーメイドはそんなに強くない。力が半減している為だ。彼女達が本領を発揮するのは水の中だ。だから彼女達の多くは水中に潜んでいるし、水の外で出会っても何とかして僕を水に引き込もうとして来る。

 彼女達との戦いにも大分耐性がついた。自信も付いたしそろそろ上の階を目指してもいいかな。

 角を曲がると周囲が明るくなった。沢山の照明が辺りを照らしていた。目の前には細長いプールのような水面が広がっていた。底はそれなりに深そうだけど、水が透き通っていて水色の底が明かりに照らされている。所々岩みたいのが転がっているのがプールと違う点か。

 奥には、今僕が立っているのと同じような小さな岸があり、さらにその先に見覚えのある大きな扉が見えた。上り階段の扉だ。という事は、岩陰辺りにマーメイド達が潜んでいるに違いない。この水に飛び込めばボス戦になるのは間違いないだろう。

 ここでじっとしていても始まらない。扉に辿り着く為にはどうしてもこのプールを泳いで行かなくちゃいけないんだ。ボスクラス、つまりマーメイドの10人バージョンか、もしくはそれと同等の力を持つマーメイドと戦って勝ち、上の階に行くしか道はない。僕は覚悟を決めて深く細長い水に飛び込んだ。

 明るく透明な水は、泳ぎに慣れてしまえば結構快適だ。水温も悪くない。息の心配をしなくて良いのはここが精神世界だからだ。自在に体を泳がせる事ができるのも気分がいい。自由に空を飛んでいるみたいで。と言ってもマーメイドの泳ぎのスピードには全然叶わないけどね(後…実は走りも)。

 思った通り岩陰からマーメイドが出て来た。左右から二体。…あれ?ここは10人バージョンじゃないの?たった二体しかいない…出て来たのはこのマーメイドだけで、さらに奥から出て来る気配もなかった。…もしこれがこの階のボスだとすると、この二体で10人分の力がある事になるが…。

 僕は落ち着いて辺りを見回し、様子を窺った。このプールの長さは恐らく50メートル程だ。大きな岩が途中に左右二つあり、そこから二体のマーメイドが出現した。その奥にはマーメイドを隠す程の大きさの岩も見当たらない。やっぱりこのマーメイドがボスなんだ。

 マーメイド達を見る。普通のマーメイドとたしかに違っていた。見てくれも風格も。それだけでも普通のマーメイドよりも強い相手なのが分かる。二体とて油断は禁物だ。一体で普通のマーメイド5人分と言う訳か。

 「上半身は魅力的な美女、下半身は魚。腰には人間の女性器も備わる伝説のモンスター。それが我らマーメイド。どう?たっぷり我等の体を楽しんでくれた?」右側のマーメイドが口を開いた。

 「…おかげさんでな。」僕は身構えた。

 「それは良かったわ。では自己紹介しよう。わが名はネプチューン。マーメイドの王である。」

 右側のネプチューンは上半身に力を込めた。明らかに他のマーメイドとは違う。腕にしても腹筋にしても結構な筋力で、がっちりした体型だ。ネプチューンが力を抜くと割れた腹筋が元に戻ったが、それでもパワフルな雰囲気が衰えた訳ではない。日焼けしたような茶褐色の肌も、青緑がかった長い黒髪も、マーメイドの王の貫禄を醸し出していた。

 「そしてわたくしが…」やっと左側のマーメイドが口を開いた。「…ネプチューン様の筆頭の従者、人魚姫でございます。」彼女はネプチューンと対照的に華奢な感じで、絹のような真っ白の肌に明るいブラウンの巻き毛だった。ネプチューンがパワータイプの力強さと威厳の持ち主であるなら、こちらはきめ細かく繊細な美しさを秘めている。どちらも対照的な魅力があった。

 この二人がこの階のボス。たしかにボスに相応しい実力もありそうだ。関係が対等でないとしても、この二人で普通マーメイド10人分なのに変わりはない。ここは気を引き締めて戦わなくては。

 「おまえの快進撃もここまでだ。我ら二人の息の合ったプレイで、改めてマーメイドの魅力をその身に刻み付けてやろう。」「…そうは行かない。僕は先に進まなくちゃいけないんだ。」「わがパワーと人魚姫の吸い付く柔肌を同時に喰らっても、そんなへらず口を叩き続けられるかな?」

 マーメイド達が向かって来た。僕は下腹部に力を込めて戦闘体勢に入った。相手に不足なしだ!

 次の瞬間、ネプチューンの姿が消えた。そして段段押し寄せてくる水流が強くなって行った。違う、ネプチューンが消えたんじゃない!目にも止まらぬスピードで泳ぎ、どこかへ…後ろッ!?

 僕が振り向く前にネプチューンが背後から羽交い絞めにして来た!彼女は凄いスピードで一瞬にして泳ぎ、僕の背後に回ったのだ。水流が後で僕に押し寄せ、ネプチューンが泳いだ事に気付いた時にはもう遅く、僕が振り返る前にネプチューンは僕を後ろから羽交い絞めにしてしまっていた。このスピードとパワー…並のマーメイドとは格段に違う。やはり「マーメイドの王」を自負するだけの事はあるッ!

 「くそっ…!」僕は体を左右に揺らしたり前に倒したりしてネプチューンの拘束を振り解こうとしたが、筋肉質の彼女の強い腕力には太刀打ちできなかった。

 それでも下半身が魚の為に僕の両足まで拘束する事まではできず、下は割と自由が利く。…と言ってもここは水の中。上半身をマーメイドに固められたら大して動き回る事はできなさそうだ。精々足を折り曲げて下半身への攻撃に対処する位だな。

 多分ネプチューンが僕の上半身を後ろから固めて、前から人魚姫が抱きついて来る作戦なんだろう。マーメイドの性質からいって後ろからの攻撃はほとんどできない。スベスベの太ももを擦り付ける事ができないからだ。だから人魚姫を寄せ付けなければ作戦を崩せる。

 僕の背中に密着しているネプチューンの体は、筋肉質ではあるけどスベスベしていて心地よい。だがそれで僕の精力が削られる訳じゃない。気をつけなくちゃいけないのは人魚姫の肌の方みたいだ。白く透き通るようなきめの細かそうな肌が迫って来る。まるで僕の体の細胞に融合してしまいそうな程にもちもちした感触が僕の全身を這い回ったら精力が削られてしまうだろう。

 人魚姫が近づいて来る。僕は片足を上げて彼女を遠ざけようとした。そして精神力を駆使して足首にジェットエンジンを出現させようとした。もの凄い勢いで水から脱出してしまえばこの拘束も脱出できるしマーメイドに不利な条件で戦える筈だ。

 「僕はずっとこの塔で戦って来たんだ。水の中っていう不利な条件だけど、戦いの年季ってヤツが違うみたいだな。」「…次のお前の台詞は『その程度の作戦じゃあ簡単に脱出されるぜ。こんなふうにな』だ…」「その程度の作戦じゃあ簡単に脱出されるぜ。こんなふうにな。……はっっ!」後ろから囁いたネプチューンが僕の次の言葉を読んでいた!?

 「さっきからお前は私が後ろから羽交い絞めにしている隙に人魚姫にとどめを刺させようと企んでいる、とでも考えていたんだろう。それで足元にジェット装置とやらでも取り付けて水から脱出しよう、そんなふうに考えていたんだろう?」「…!」全部見抜かれてたと言うのか!

 「…甘いね。戦いの年季はわれらの方が格段に上だ。そんな単純な作戦を取る筈もない。なぜ私がお前の背後を取ったのか。お前の上半身を固める為じゃない。攻撃を人魚姫に任せるだけでもない。私が自ら攻撃する為にお前の背後に回ったのだよ。」

 ここは精神世界。だから精神力に応じて色んな物を想像通り出現させる事ができる。足元にジェットエンジンを出して、その勢いで水から脱出する事も見抜かれていたと言うのか。それに”攻撃する為に背後に回った”だと!?

 ネプチューンは僕の胸に手を回し、首筋に舌を這わせた。そして…

 ずぬっ!!

 「あぎゃっ!!」

 突然お尻に激痛が走った。「教えてやろう、私のクリトリスは変幻自在に形を変えられる。挿入時はこれ自体が攻撃の道具になるし、挿入していない時は…こうやって外に飛び出させる事もできる。いわば私の体からペニスを生やす事ができるのだ。」「な…んだと…?」

 「今、お前のお尻は私が頂いた。このまま内側から性感帯を直接刺激してあげる。」ペニス状に突起したネプチューンのクリトリスがさらに奥に硬く捻じ込まれる!「いぃ…痛い!」僕は激痛に身を捩じらせた。

 「痛いのは最初だけだ。」ネプチューンの突起が僕の中でぐにゃりととろけた。硬く隆起していたのはお尻の穴に入れる為で、入ってしまえばやわらかくくねり、まるでおっぱいの肉が棒状になってお尻の穴をかき回しているみたいに、グネグネと蠢いている。

 痛みが消え、段々快感が体の奥から込み上げて来た。痛みが快感に変った頃、ネプチューンは腰をくねらせ、前後左右に腰を振り始めた。お尻の穴にガッチリ食い込んでいる柔らかい肉は、震えながらあちこちをこねくり回し、女性的な圧迫で内側から僕を犯し続ける。僕の胸をネプチューンの手のひらが滑る。その腕は僕の上半身やわき腹にしっかり張り付き、僕が逃げられないようにしっかりと捕まえている。

 痛みで萎えていたペニスが再び隆起するのを見計らって、人魚姫が抱き付いて来た。もう足で彼女を跳ね除ける気力が残っていなかった。こちらの作戦は完全に外れたからだ。

 危惧した通り人魚姫の肌触りはネプチューンのものとは全然違っていた。吸い付くような感触。水の中なのに肌と肌が離れる時に彼女の肌が僕の体細胞を引っ張り、ペリペリと心地よく離れて行く。名残惜しそうに人魚姫の皮膚細胞が僕の皮膚に食い込みへばりつきながら僕の皮膚を軽く引っ張って、それから離れる。その位きめの細かい肌触りだった。

 彼女の肌が僕の体中を滑って行く。もちもちした感触がゆっくりと全身に刻み付けられる。肌と肌が触れ合っている瞬間彼女の細胞が僕の体にくっついてしまっていて、まるで彼女の皮膚が僕の皮膚を食べてしまっているかのように、僕の体に人魚姫の絹の体が這い回っている!

 僕はどんどん高められて行った。まさか、これだけの攻撃で果ててしまうのか…?そうこうしている間にもネプチューンは僕のお尻の穴を犯し続けている。まずい、このまま人魚姫に挿入したら体の内側からも性感帯を責められ、外側からも全身の皮膚とペニスを同時に責められ、あっさりと射精してしまうかも知れない。

 「まだまだこんなものじゃありませんわよ?」人魚姫は優しく微笑んだ。そして僕の首に手を回してぎゅっと強く抱き締めて来た。まずい、この体勢は…

 ペニスはもち肌の人魚姫のオンナに飲み込まれて行った。前後から挟まれ、女体を押し付けられたまま、僕は正常位…もとい立位になるのかな、水の中で挿入を果たした。これで僕のお尻にもペニス(状のもの)が挿入され、僕のペニスも暖かく柔らかい筒に飲み込まれ、下半身はガッチリと快感装置の中に組み込まれてしまった。

 透明だった水が薄いピンク色に染まり始めた。これはマーメイドの特殊攻撃だ、催淫効果のあるピンクの霧を噴出して、僕の感度を高めるんだ。この霧を吸い込めば脳が射精を促す指令をどんどん強く出すようになる。そして肌に付着すればそこから細胞に染み込んで行って、体中の神経が性感帯になってしまう。この霧に毒された男は、水が触れてもくすぐったくなるし、女の手で触られただけでも何倍も気持ちよくなってしまう。ましてや女体が這い回っては…

 この体液は主にマーメイドのオンナから噴出される。つまり一番強く体液の影響を受けるのはペニス部分だ。マーメイドとの戦いで一番気をつけなくちゃいけない点だった。

 このままこの体勢でいたら危険だ。責められれば責められる程感度が高まり、射精感がますます高まってしまう。

 「!」ピンクの霧は、マーメイド達のオンナから出ているだけじゃない。人魚姫の全身の毛穴から、この体液が滲み出ている!まさか…

 「そう、これが人魚姫の”もち肌”の秘密だ。男が人魚姫に触れるだけで通常の何倍も感じてしまうのは、微細な体液が常にその体に刻み付けられるからなのだ。もうお前はたっぷり人魚姫と触れ合っている。その体は我等の体液を十分吸い込んでいるという訳だ。」

 「くっ…」僕は口を閉じ、せめて口から体液を吸い込まないようにした。「無駄だね。お前の体には私がさっきから体液を注入し続けているからなあ。」「!」しまった、おしり…

 「口だけじゃあないのだよ。お尻の穴からたっぷりクリトリスを経由してピンクの体液を放出し続けている。お前は中からも外からも吸い込んでいるんだ。」

 なんてこった、完全にマーメイド達の術中に嵌っていたとは。

 「一気にとどめを刺すよ。」「はい、ネプチューン様。」ネプチューンと人魚姫は僕を挟み込んだままお互いに強く抱き合った。密着感がさらに高まる。そしてそのまま息を合わせて泳ぎ始めた。「人魚姫が筆頭従者なのは、その能力に加えて私との相性が最も良いからだ。われらは二人で一人。寸分たがわぬ息で泳ぐ事ができる!」

 泳ぐ度に、ペニスは魚の動きで左右にくねり、オンナの中で掻き回されている。お尻のペニスも同じように泳ぎの動きに合わせて暴れ回り、僕を射精へと導いて行った。僕の精力がもの凄い勢いで減少して行く!

 「そして…私が”マーメイドの王”である理由は…これだ!」ネプチューンは大きく水を吸い込んだ。そして一気に吐き出す!ゴオオオオ…その水流は濃い桜色をしていた。早いスピードで泳ぎながらネプチューンはピンクの息を吐き続けていた。細長いプールはあっという間にピンク色に染まり、プール全体が桃色に着色された。同時にプールの水がヌメリを帯びて来た。ローションの海の中を、マーメイド達は僕を挟み込みながら泳ぎ続ける!

 「ネプチューン様の”ピンクの体液”は他の誰も真似できない程に強く濃いのです。この海で泳いで射精しなかった男はいません。ふふ…只泳ぐだけで自動的に射精してしまう程の快楽の海。貴方の場合は私達がさらに気持ちよくして差し上げます。あっという間に天国を感じる位に…ね。」

 残り精力値の減少がますます早くなっている。人魚姫の言った通りこのまま泳がれているとあっという間にイッてしまう。こちらも反撃しないと…。正常位で結合している人魚姫にはそのまま腰を突き上げて倒すしかなさそうだ。そして、ネプチューンが僕のお尻に挿入しているのは自分のクリトリスだ。て事は僕のお尻で彼女のクリトリスを締め付けてやればダメージが与えられる筈だ。

 人魚姫をまず倒すか、ネプチューンにまず反撃するか。それとも同時に倒せるかどうかやってみるか。もう時間がない。次の僕の一手で勝敗が決まるだろう。

−選択肢−
マーメイド3−2 腰を引いてお尻に力を入れる
マーメイド3−3 腰を突き出してお尻に力を入れる
マーメイド3−4 人魚姫に集中攻撃


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