マミー2−3
 

 前は壁と三人のマミー、逃れるなら後ろしかないけど…相手は追いかけっこで百戦錬磨なんだ。正攻法で勝てる訳がない。ここは彼女達の裏をかいた方がいい。

 僕はスタートの合図とともにそのまま正面向かって走り始めた。同時にマミー達も僕めがけて突進して来る。彼女達の表情が驚きに変わった。

 今だ!僕はスライディングの要領でマミー達の足元めがけて身を低く滑り込んだ。三人の足の間をすり抜けて僕の体はマミー達の後方に滑って行った。考えてるヒマはない。すぐに立ち上がって走り始める。

 「きゃあっ!」後ろからマミー達が倒れる音と叫び声が聞こえて来る。「くっ、おのれ!」すぐに後ろから追いかけて来る足音。振り返っている余裕はない。後四秒!三、二、一、10秒!

 がしっ!僕の肩が一人のマミーに掴まれた。「も、もう10秒経ってるぞ!」僕は足を止めて振り返った。

 険しい表情のマミー。残り二人もその後に従っている。「…たしかに。10秒逃げ切れたね。」「…こんな事は初めてだ。」「まさか私達めがけて突っ込んで来るとは…」

 …思った通りだ。踵を返してから走り始めたのではマミー達に追い付かれてしまう。彼女達も僕が後ろに走ると予想して走り始めたのだろう。予想外の僕の行動に一瞬戸惑い、僕が彼女達の後ろに回り込んだから、急いで引き返そうとしたんだ。後ろを向いてタイムロスになるのは彼女達の方だ。もちろん急に体の向きを変えられず勢いづいて一人か二人、その場につんのめって倒れ込んだ。これでさらにタイムロス。一人が僕を捕まえる時には既に10秒経過していた。

 「…昔は…昔の生贄はお前のような行動に出なかった。みんな後ろを向いてから走っていたから捕まえるのは簡単だったのに…」「…ふっ。俺様を誰だと思ってるんだ。ナリこそこんな姿だけど、頭脳はしっかり大人なんだぜ。裏をかく事もたやすい。お前らが相手にしてた生贄は頭脳もそのまま。そこが決定的な差だ。同じだと思ってたのが敗因だな。」

 「うむ。たしかにその通りだ。我々の負けを認めよう。」「じゃ、そういうコトで…」僕はそのままドサクサにまぎれて立ち去ろうとした。

 「こ、コラコラ待たんかい!」すかさず三人に回り込まれる。やっぱりダメか。

 「仕方ない、時間攻撃は約束通り封印しよう。」「…だが本当の勝負はここからだ。」「私達が只時間停止にだけ頼ってると思ったら大間違いだ!」マミー達が身構える。僕も多少有利になったとはいえまだ何が飛び出すか分からないような相手だから警戒し、気を引き締めて身構えた。何より彼女達の手は至高の武器。気をつけなくては。

 ブツブツブツ…三人はなにやら呪文を唱え始めた。まだ何かあるのか!?まさか射精し易くなる呪文か?それともやりたい盛りの思春期の体に改造する気か?と、とにかく呪文の効果がこちらに及ばないように魔法障壁を掛けて置こう。相手の魔力が相当強かったら障壁なんて関係なく効果が出てしまうが、それ程でもなければ防げるかも知れない。

 警戒して身構えているが、こっちには何の異常も変化も見られない。障壁が効果を発揮してるのかな。それなら呪文攻撃を気にしないで次の手を考えなければ。

 「…?」気のせいか、マミー達の向こうの壁や床が透けて見えるような…

 「呪文詠唱完了。」「とくと見るがいい、三位一体となった複合呪文の威力を!」「残念だが僕には効いてないよ。魔法障壁かけてるから…ね……ん?」

 気のせいじゃない、マミー達の体がどんどん透けて薄くなっている!?

 「これが秘蔵の古代呪文、透明人間化だ!」「なっ…!?」

 ついにマミー達の姿が消えてしまった。何て事だ、三人集まって初めて発動する呪文があったとは。しかも透明人間だと?

 「約束通り時間停止はしない。が、お前はこれから私達のされるがままよ。」声だけが聞こえるが姿がまったく見えない。

 さわさわ…「うわっ!」突然股間に快感が走る。誰かがペニスをしごいている!?僕はとっさに股間周辺を振り払ったが何も当たらない。どうやら既に手を離してるみたいだ。

 姿が見えないから相手を捕らえる事もできずにどこからともなく突然愛撫される。こっちが反応すると透明マミーはさっと身を引いて捕まらないようにする。

 ぐにっ!「うぐっ」ペニスが柔らかい肉に挟みこまれた。すぐにその感覚はなくなったが今のはふとももだ。その後亀頭周辺や玉袋にしなやかな指先の感触が走る。僕からは見えない手のひらや甲が全身を撫で、ペニスをしごき、玉袋をサワサワとかわいがる。僕が抵抗すると身を引いて決して居所を掴ませない。

 このままでは姿の見えない敵にイかされてしまう。こっちからは手が出せないまま一方的に、かつて数多くの美少年の精液を吸い取って来た至高の手に責められ続けたら、しかも三人がかりで感じさせられ続けたら、柔らかい女の手の魅力を思い知らされる事になるだろう。

 何とかしてこの透明人間攻撃を打ち破らなくては。

−選択肢−
マミー2−7 その場に座り込む
マミー2−8 手当たり次第に探る

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